天井点検口
【課題】天井点検口を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠と内枠との露出面積を少なくして美観の向上が図られた天井点検口を提供する。
【解決手段】平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠2と、この外枠2に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠2に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠3とを備える天井点検口1は、外枠2の1辺内側面側と、外枠2の1辺に対向する内枠3の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段である連結金具4で連結するようにし、連結金具4の互いに平行な連結線材部の一方は外枠2側の軸受部材である軸受け金具6に回転自在に差し込み連結し、平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材である軸受け金具5に差し込み連結する。
【解決手段】平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠2と、この外枠2に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠2に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠3とを備える天井点検口1は、外枠2の1辺内側面側と、外枠2の1辺に対向する内枠3の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段である連結金具4で連結するようにし、連結金具4の互いに平行な連結線材部の一方は外枠2側の軸受部材である軸受け金具6に回転自在に差し込み連結し、平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材である軸受け金具5に差し込み連結する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外枠内に内枠が回動自在に係合される天井点検口に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される天井点検口では、外枠の4つの辺を構成する外枠材のうち任意の外枠材に内枠を係合させるために、各外枠材には内枠を回動自在に支持する係止片が設けられ、内枠の4つの辺を構成する内枠材のうち一つの内枠材には、各外枠材の下端内側に設けられた係止片のうちのいずれか一つの係止片に係合する係合片が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−242318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の天井点検口では、外枠材の断面形状と内枠材の断面形状とは、ともに逆T字型に形成されており、天井点検口を天井に装着したときに、外枠材と内枠材とのT字頭部を形成する片が室内側に露出し、天井点検口取り付け部の美観を損なうという問題がある。
本発明の目的は、天井点検口を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠と内枠との露出面積を少なくして美観の向上が図られた天井点検口を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠と、この外枠に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠とを備える天井点検口において、前記外枠の1辺内側面側と、前記外枠の1辺に対向する内枠の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段で連結するようにし、前記コの字形連結部の互いに平行な連結線材部の一方は外枠側の軸受部材に回転自在に差し込み連結し、前記平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材に差し込み連結してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、外枠の1辺内側面側と外枠の1辺に対向する内枠の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段で連結し、コの字形連結部の互いに平行な連結線材部の一方は外枠側の軸受部材に回転自在に差し込み連結し、平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材に差し込み連結するので、外枠の下端内側に内枠を支持する係合片を設け、さらに内枠の下端外側に外枠に係合する係合片を設けることを要しないので、天井点検口を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠と内枠との露出面積を少なくして美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態に係る天井点検口の平面図である。
【図2】天井点検口のA−A断面図である。
【図3】内枠が開けられた天井点検口の斜視図である。
【図4】内枠が開けられた天井点検口の断面図である。
【図5】外枠と内枠との連結部分の斜視図である。
【図6】軸受け金具が装着された連結金具の斜視図である。
【図7】軸受け金具の斜視図である。
【図8】軸受け金具の斜視図である。
【図9】軸受け金具の装着手順を示す斜視図である。
【図10】軸受け金具の装着手順を示す斜視図である。
【図11】内枠の開閉手順を示す断面図である。
【図12】内枠の開閉手順を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施の形態について図1〜図12に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る天井点検口1の平面図である。図2は天井点検口1のA−A断面図である。図3は内枠3が開けられた天井点検口1の斜視図である。図4は内枠3が開けられた天井点検口1の断面図である。図5は外枠2と内枠3との連結部分の斜視図である。図6は軸受け金具5が装着された連結金具4の斜視図である。図7は軸受け金具5の斜視図である。図8は軸受け金具6の斜視図である。図9および図10は軸受け金具6の装着手順を示す斜視図である。図11および図12は内枠3の開閉手順を示す断面図である。
【0009】
天井点検口1は、外枠2と、外枠2に開閉自在に係合される内枠3とを備える。内枠3は連結金具4を介して外枠2に回動自在に支持される。連結金具4は軸受け金具5,6によって内枠3と外枠2とに支持される。
【0010】
外枠2は正方形の枠体であり、枠体の各辺を構成する各外枠材7はアルミ押し出し材を用いて形成される。外枠材7は長尺な平板状であり、外枠材7の内面には長手方向に沿った案内溝8が形成される。案内溝8は、外枠材7の上端部に沿って長手方向に形成される溝部9aと、溝部9aの下方に溝部9aと対称に形成される溝部9bとを備える。外枠材7の下端には外側に向かって形成される凸部10が全長に亘って形成される。凸部10は天井に開けられた開口部周縁に係合する。
【0011】
隣接する外枠材7,7同士は連結金具11によって連結される。連結金具11は金属製の平板をプレス加工してL字状に曲げて形成される。連結金具11の2つの辺が、各々隣接する外枠材7,7の長手方向端部から案内溝8に嵌め込まれる。案内溝8に嵌め込まれた連結金具11は、外枠材7,7にかしめられる。
【0012】
外枠材7のうち内枠3を回動自在に支持する外枠材7aには、適当間隔を開けて段付き部12が2箇所形成される。段付き部12は、プレス加工によって外枠材7aの内面側に凸となるように形成され、段付き部12には長手方向に細長な長孔13が形成される。
【0013】
内枠3は、正方形の枠体であり、枠体の各辺を構成する内枠材16はアルミ押し出し材を用いて形成される。内枠材16は長尺に形成され、平板部17と平板部17の下方に形成され外側に張り出す段付き部18とを備える。平面部17の外面には長手方向に沿った案内溝19が形成されている。案内溝19は、内枠材16の上端部に沿って長手方向に形成される溝部20aと、溝部20aと対称に溝部20aの下方に形成される溝部20bとを備える。
【0014】
隣接する内枠材16,16同士は連結金具21によって連結される。連結金具11は金属製の平板をプレス加工してL字状に曲げて形成される。連結金具21の2つの辺が、各々隣接する内枠材16,16の長手方向端部から案内溝19に嵌め込まれる。案内溝19に嵌め込まれた連結金具21は、2つの辺に形成された複数の貫通孔23を用いて内枠材16,16にかしめられる。
【0015】
内枠材16のうち外枠材7aに回動自在に支持される内枠材16aには、適当間隔を開けた2箇所に段付き部22が形成される。段付き部22は、プレス加工によって内枠材16aの外面に凸となるように形成され、段付き部22には丸孔が形成される。
【0016】
連結金具4は線形のばね材を曲げ加工して形成される。連結金具4は、長尺な直線状の辺26と、辺26の両端部から直角に立ち上がり互いに平行に形成される辺27,27と、辺27,27の端部から直角に立ち上がり辺26と平行に形成される辺28,28とを備え、縦長なC字形の形状を有する。なお、連結金具4は、辺26に軸受け金具5が係合された状態で曲げ加工される。
【0017】
連結金具4を内枠材16aに支持する軸受け金具5は、金属製の平板を曲げ加工して形成される。軸受け金具5は、平板部31と、平板部31の一端を円弧状に曲げて形成され連結金具4の辺26が挿通される孔部32と、平板部31の他端を曲げて形成され段付き部22の下端に係止される係止部33とを備える。平板部31には軸受け金具5を段付き部22にねじ止めするための雌ねじ30が形成される。
【0018】
連結金具4を外枠材7aに支持する軸受け金具6は金属製の平板を曲げ加工して形成される。軸受け金具6は、平板部36と、平板部36の一端を円弧状に曲げて形成され連結金具4の辺28,28が挿通される孔部37と、平板部36の他端を曲げて形成され段付き部12の上端に係止される係止部38とを備える。平板部36には軸受け金具6を段付き部12にねじ止めするための雌ねじ39が形成される。
【0019】
外枠材7aの段付き部12近傍には連結金具4の辺28基端部を支持する補助金具43が設けられている。補助金具43は金属製の平板を曲げ加工して形成され、断面が円弧状に形成された支持部44を備える。補助金具43の上端と下端とは案内溝8に嵌め込まれる。軸受け金具5が段付き部22にねじ止めされた連結金具4の辺28基端部が支持部44に引っ掛けられる。
【0020】
なお、内枠3の内面には、ボード取り付け部材42が設けられる。ボード取り付け部材42は、アルミ押し出し材を用いて断面がL字形の長尺に形成され、タッピングねじによって各内枠材16の内面にねじ止めされる。ボード取り付け部材42には天井下地材40がねじ止めされ、天井下地材40の下面側には天井仕上げ材41が接着される。
【0021】
ここで天井点検口1の取り付け手順について説明する。まず連結金具11を用いて外枠材7を連結し、外枠2を形成する。さらに連結金具21を用いて内枠材16を連結し、内枠3を形成する。連結金具4の辺26に装着されている軸受け金具5を内枠材16aの段付き部22にねじ止めする。軸受け金具5は、段付き部22の奥側に挿入されて係止部33が段付き部22の下端に係止された状態でねじ止めされる。
【0022】
補助金具43の上端と下端とを案内溝8に嵌め込み、軸受け金具5が段付き部22にねじ止めされた連結金具4の辺28基端部を補助金具43の支持部44に引っ掛ける。軸受け金具6を外枠材7aの段付き部12奥側に挿入し、係止部38を段付き部12の上端に係止させる。この状態で軸受け金具6を段付き部12に仮止めする(図9参照)。仮止めした軸受け金具6を長孔13に沿って外枠材7aの端部側に移動させ、孔部37を連結金具4の辺28に係合させた後に増し締めして固定する(図10参照)。なお詳述しないが、内枠材16aと対向する内枠材16bには、内枠3を外枠2にロックする係止装置が設けられる。
【0023】
天井点検口1の動作について説明する。係止装置を解除して内枠3を開く場合には、内枠材16b側を下方に降ろして、内枠材16bを外枠2の下側に突出させる(図11参照)。この状態で内枠材16a側を下方に降ろすと、連結金具4は外枠材7aに係止された辺28を中心として回動し、図12に示す状態となる。さらに内枠材16b側を下方に降ろして、図4に示す状態とすることができる。
【0024】
連結金具4の辺28は外枠材7aの内面近傍に係止されており、連結金具4の辺26は内枠材16aの上端に係止されているので、図4に示すように内枠3が開けられたとき広い開口部が形成される。
【0025】
図4に示す開けられた状態から内枠3を閉じる場合には、図12に示すように内枠材16b側が水平位置よりもやや下がった位置まで内枠材16b側を上方に持ち上げる。次に辺28を中心として連結金具4を回動させ、内枠材16a側を上方に持ち上げる。図11に示すように、連結金具4の辺26が辺28の上方に位置し内枠材16a側が外枠2の内部に納まった状態で、内枠材16b側を持ち上げて内枠3を外枠2に収納する。内枠3はこのようにして閉じられる。
【0026】
連結金具4の辺28は外枠材7aの上下方向略中央部で支持されており、外枠材7aの下端内側に内枠3が係合する係合部を設けなくてもよいので外枠材7の下部を上下方向に細長な板状とすることができる。連結金具4の辺26は内枠材16aの上端で支持されており、内枠材16aの下端内側に外枠2が係合する係合部を設けなくてもよいので、内枠材16aの下部を上下方向に細長な板状とすることができる。外枠材7と内枠材16との下部を上下方向に細長な板状とすることができるので、天井点検口1を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠2と内枠3との露出部分を少なくすることができる。
【0027】
なお、本実施の形態において、連結金具4はC字形の一体ものとされており、辺26に軸受け金具5,5が係合された状態で曲げ加工されるが、連結金具4の辺26を切り離し軸受け金具5,5を2つの異なる連結金具4に各々係合させることもできる。この場合には、連結金具を形成した後に軸受け金具5,5を係合させることができる。
【0028】
このように、平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠2と、この外枠2に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠2に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠3とを備える天井点検口1は、外枠2の1辺内側面側と、外枠2の1辺に対向する内枠3の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段である連結金具4で連結するようにし、連結金具4の互いに平行な連結線材部の一方は外枠2側の軸受部材である軸受け金具6に回転自在に差し込み連結し、平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材である軸受け金具5に差し込み連結するので、外枠2の下端内側に内枠3を支持する係合片を設け、さらに内枠3の下端外側に外枠2に係合する係合片を設けることを要しないので、天井点検口1を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠2と内枠3との露出部分を少なくして美観の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 天井点検口
2 外枠
3 内枠
4 連結金具
5,6 軸受け金具
7,7a,7b 外枠材
8 案内溝
9a,9b 溝部
10 凸部
11 連結金具
12 段付き部
13 長孔
16,16a,16b 内枠材
17 平板部
18 段付き部
19 案内溝
20a,20b 溝部
21 連結金具
22 段付き部
23 貫通孔
26,27,28 辺
30,39 雌ねじ
31,36 平板部
32,37 孔部
33,38 係止部
43 補助金具
44 支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、外枠内に内枠が回動自在に係合される天井点検口に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される天井点検口では、外枠の4つの辺を構成する外枠材のうち任意の外枠材に内枠を係合させるために、各外枠材には内枠を回動自在に支持する係止片が設けられ、内枠の4つの辺を構成する内枠材のうち一つの内枠材には、各外枠材の下端内側に設けられた係止片のうちのいずれか一つの係止片に係合する係合片が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−242318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の天井点検口では、外枠材の断面形状と内枠材の断面形状とは、ともに逆T字型に形成されており、天井点検口を天井に装着したときに、外枠材と内枠材とのT字頭部を形成する片が室内側に露出し、天井点検口取り付け部の美観を損なうという問題がある。
本発明の目的は、天井点検口を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠と内枠との露出面積を少なくして美観の向上が図られた天井点検口を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠と、この外枠に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠とを備える天井点検口において、前記外枠の1辺内側面側と、前記外枠の1辺に対向する内枠の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段で連結するようにし、前記コの字形連結部の互いに平行な連結線材部の一方は外枠側の軸受部材に回転自在に差し込み連結し、前記平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材に差し込み連結してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、外枠の1辺内側面側と外枠の1辺に対向する内枠の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段で連結し、コの字形連結部の互いに平行な連結線材部の一方は外枠側の軸受部材に回転自在に差し込み連結し、平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材に差し込み連結するので、外枠の下端内側に内枠を支持する係合片を設け、さらに内枠の下端外側に外枠に係合する係合片を設けることを要しないので、天井点検口を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠と内枠との露出面積を少なくして美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態に係る天井点検口の平面図である。
【図2】天井点検口のA−A断面図である。
【図3】内枠が開けられた天井点検口の斜視図である。
【図4】内枠が開けられた天井点検口の断面図である。
【図5】外枠と内枠との連結部分の斜視図である。
【図6】軸受け金具が装着された連結金具の斜視図である。
【図7】軸受け金具の斜視図である。
【図8】軸受け金具の斜視図である。
【図9】軸受け金具の装着手順を示す斜視図である。
【図10】軸受け金具の装着手順を示す斜視図である。
【図11】内枠の開閉手順を示す断面図である。
【図12】内枠の開閉手順を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施の形態について図1〜図12に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る天井点検口1の平面図である。図2は天井点検口1のA−A断面図である。図3は内枠3が開けられた天井点検口1の斜視図である。図4は内枠3が開けられた天井点検口1の断面図である。図5は外枠2と内枠3との連結部分の斜視図である。図6は軸受け金具5が装着された連結金具4の斜視図である。図7は軸受け金具5の斜視図である。図8は軸受け金具6の斜視図である。図9および図10は軸受け金具6の装着手順を示す斜視図である。図11および図12は内枠3の開閉手順を示す断面図である。
【0009】
天井点検口1は、外枠2と、外枠2に開閉自在に係合される内枠3とを備える。内枠3は連結金具4を介して外枠2に回動自在に支持される。連結金具4は軸受け金具5,6によって内枠3と外枠2とに支持される。
【0010】
外枠2は正方形の枠体であり、枠体の各辺を構成する各外枠材7はアルミ押し出し材を用いて形成される。外枠材7は長尺な平板状であり、外枠材7の内面には長手方向に沿った案内溝8が形成される。案内溝8は、外枠材7の上端部に沿って長手方向に形成される溝部9aと、溝部9aの下方に溝部9aと対称に形成される溝部9bとを備える。外枠材7の下端には外側に向かって形成される凸部10が全長に亘って形成される。凸部10は天井に開けられた開口部周縁に係合する。
【0011】
隣接する外枠材7,7同士は連結金具11によって連結される。連結金具11は金属製の平板をプレス加工してL字状に曲げて形成される。連結金具11の2つの辺が、各々隣接する外枠材7,7の長手方向端部から案内溝8に嵌め込まれる。案内溝8に嵌め込まれた連結金具11は、外枠材7,7にかしめられる。
【0012】
外枠材7のうち内枠3を回動自在に支持する外枠材7aには、適当間隔を開けて段付き部12が2箇所形成される。段付き部12は、プレス加工によって外枠材7aの内面側に凸となるように形成され、段付き部12には長手方向に細長な長孔13が形成される。
【0013】
内枠3は、正方形の枠体であり、枠体の各辺を構成する内枠材16はアルミ押し出し材を用いて形成される。内枠材16は長尺に形成され、平板部17と平板部17の下方に形成され外側に張り出す段付き部18とを備える。平面部17の外面には長手方向に沿った案内溝19が形成されている。案内溝19は、内枠材16の上端部に沿って長手方向に形成される溝部20aと、溝部20aと対称に溝部20aの下方に形成される溝部20bとを備える。
【0014】
隣接する内枠材16,16同士は連結金具21によって連結される。連結金具11は金属製の平板をプレス加工してL字状に曲げて形成される。連結金具21の2つの辺が、各々隣接する内枠材16,16の長手方向端部から案内溝19に嵌め込まれる。案内溝19に嵌め込まれた連結金具21は、2つの辺に形成された複数の貫通孔23を用いて内枠材16,16にかしめられる。
【0015】
内枠材16のうち外枠材7aに回動自在に支持される内枠材16aには、適当間隔を開けた2箇所に段付き部22が形成される。段付き部22は、プレス加工によって内枠材16aの外面に凸となるように形成され、段付き部22には丸孔が形成される。
【0016】
連結金具4は線形のばね材を曲げ加工して形成される。連結金具4は、長尺な直線状の辺26と、辺26の両端部から直角に立ち上がり互いに平行に形成される辺27,27と、辺27,27の端部から直角に立ち上がり辺26と平行に形成される辺28,28とを備え、縦長なC字形の形状を有する。なお、連結金具4は、辺26に軸受け金具5が係合された状態で曲げ加工される。
【0017】
連結金具4を内枠材16aに支持する軸受け金具5は、金属製の平板を曲げ加工して形成される。軸受け金具5は、平板部31と、平板部31の一端を円弧状に曲げて形成され連結金具4の辺26が挿通される孔部32と、平板部31の他端を曲げて形成され段付き部22の下端に係止される係止部33とを備える。平板部31には軸受け金具5を段付き部22にねじ止めするための雌ねじ30が形成される。
【0018】
連結金具4を外枠材7aに支持する軸受け金具6は金属製の平板を曲げ加工して形成される。軸受け金具6は、平板部36と、平板部36の一端を円弧状に曲げて形成され連結金具4の辺28,28が挿通される孔部37と、平板部36の他端を曲げて形成され段付き部12の上端に係止される係止部38とを備える。平板部36には軸受け金具6を段付き部12にねじ止めするための雌ねじ39が形成される。
【0019】
外枠材7aの段付き部12近傍には連結金具4の辺28基端部を支持する補助金具43が設けられている。補助金具43は金属製の平板を曲げ加工して形成され、断面が円弧状に形成された支持部44を備える。補助金具43の上端と下端とは案内溝8に嵌め込まれる。軸受け金具5が段付き部22にねじ止めされた連結金具4の辺28基端部が支持部44に引っ掛けられる。
【0020】
なお、内枠3の内面には、ボード取り付け部材42が設けられる。ボード取り付け部材42は、アルミ押し出し材を用いて断面がL字形の長尺に形成され、タッピングねじによって各内枠材16の内面にねじ止めされる。ボード取り付け部材42には天井下地材40がねじ止めされ、天井下地材40の下面側には天井仕上げ材41が接着される。
【0021】
ここで天井点検口1の取り付け手順について説明する。まず連結金具11を用いて外枠材7を連結し、外枠2を形成する。さらに連結金具21を用いて内枠材16を連結し、内枠3を形成する。連結金具4の辺26に装着されている軸受け金具5を内枠材16aの段付き部22にねじ止めする。軸受け金具5は、段付き部22の奥側に挿入されて係止部33が段付き部22の下端に係止された状態でねじ止めされる。
【0022】
補助金具43の上端と下端とを案内溝8に嵌め込み、軸受け金具5が段付き部22にねじ止めされた連結金具4の辺28基端部を補助金具43の支持部44に引っ掛ける。軸受け金具6を外枠材7aの段付き部12奥側に挿入し、係止部38を段付き部12の上端に係止させる。この状態で軸受け金具6を段付き部12に仮止めする(図9参照)。仮止めした軸受け金具6を長孔13に沿って外枠材7aの端部側に移動させ、孔部37を連結金具4の辺28に係合させた後に増し締めして固定する(図10参照)。なお詳述しないが、内枠材16aと対向する内枠材16bには、内枠3を外枠2にロックする係止装置が設けられる。
【0023】
天井点検口1の動作について説明する。係止装置を解除して内枠3を開く場合には、内枠材16b側を下方に降ろして、内枠材16bを外枠2の下側に突出させる(図11参照)。この状態で内枠材16a側を下方に降ろすと、連結金具4は外枠材7aに係止された辺28を中心として回動し、図12に示す状態となる。さらに内枠材16b側を下方に降ろして、図4に示す状態とすることができる。
【0024】
連結金具4の辺28は外枠材7aの内面近傍に係止されており、連結金具4の辺26は内枠材16aの上端に係止されているので、図4に示すように内枠3が開けられたとき広い開口部が形成される。
【0025】
図4に示す開けられた状態から内枠3を閉じる場合には、図12に示すように内枠材16b側が水平位置よりもやや下がった位置まで内枠材16b側を上方に持ち上げる。次に辺28を中心として連結金具4を回動させ、内枠材16a側を上方に持ち上げる。図11に示すように、連結金具4の辺26が辺28の上方に位置し内枠材16a側が外枠2の内部に納まった状態で、内枠材16b側を持ち上げて内枠3を外枠2に収納する。内枠3はこのようにして閉じられる。
【0026】
連結金具4の辺28は外枠材7aの上下方向略中央部で支持されており、外枠材7aの下端内側に内枠3が係合する係合部を設けなくてもよいので外枠材7の下部を上下方向に細長な板状とすることができる。連結金具4の辺26は内枠材16aの上端で支持されており、内枠材16aの下端内側に外枠2が係合する係合部を設けなくてもよいので、内枠材16aの下部を上下方向に細長な板状とすることができる。外枠材7と内枠材16との下部を上下方向に細長な板状とすることができるので、天井点検口1を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠2と内枠3との露出部分を少なくすることができる。
【0027】
なお、本実施の形態において、連結金具4はC字形の一体ものとされており、辺26に軸受け金具5,5が係合された状態で曲げ加工されるが、連結金具4の辺26を切り離し軸受け金具5,5を2つの異なる連結金具4に各々係合させることもできる。この場合には、連結金具を形成した後に軸受け金具5,5を係合させることができる。
【0028】
このように、平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠2と、この外枠2に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠2に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠3とを備える天井点検口1は、外枠2の1辺内側面側と、外枠2の1辺に対向する内枠3の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段である連結金具4で連結するようにし、連結金具4の互いに平行な連結線材部の一方は外枠2側の軸受部材である軸受け金具6に回転自在に差し込み連結し、平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材である軸受け金具5に差し込み連結するので、外枠2の下端内側に内枠3を支持する係合片を設け、さらに内枠3の下端外側に外枠2に係合する係合片を設けることを要しないので、天井点検口1を天井に装着したときに、室内側に露出する外枠2と内枠3との露出部分を少なくして美観の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 天井点検口
2 外枠
3 内枠
4 連結金具
5,6 軸受け金具
7,7a,7b 外枠材
8 案内溝
9a,9b 溝部
10 凸部
11 連結金具
12 段付き部
13 長孔
16,16a,16b 内枠材
17 平板部
18 段付き部
19 案内溝
20a,20b 溝部
21 連結金具
22 段付き部
23 貫通孔
26,27,28 辺
30,39 雌ねじ
31,36 平板部
32,37 孔部
33,38 係止部
43 補助金具
44 支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠と、この外枠に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠とを備える天井点検口において、
前記外枠の1辺内側面側と、前記外枠の1辺に対向する内枠の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段で連結するようにし、前記コの字形連結部の互いに平行な連結線材部の一方は外枠側の軸受部材に回転自在に差し込み連結し、前記平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材に差し込み連結してなることを特徴とする天井点検口。
【請求項1】
平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する外枠と、この外枠に対して収納された状態と、下向きに回動した状態との間で外枠に回動自在に支持される平面形状が正方形もしくは長方形などの矩形を呈する内枠とを備える天井点検口において、
前記外枠の1辺内側面側と、前記外枠の1辺に対向する内枠の1辺外側面側との間を左右両側部に一対のコの字形連結部を持つ線材からなる連結手段で連結するようにし、前記コの字形連結部の互いに平行な連結線材部の一方は外枠側の軸受部材に回転自在に差し込み連結し、前記平行な連結線材部の他方は内枠側の軸受部材に差し込み連結してなることを特徴とする天井点検口。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−23869(P2013−23869A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158506(P2011−158506)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000133319)株式会社ダイケン (53)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000133319)株式会社ダイケン (53)
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