天板における配線ダクトカバーの取付構造
【課題】配線ダクトの開口部に配置される開閉自在の配線カバーの開閉軸を位置変更できるようにし、開口部に対し2列タイプの配線カバーの開閉態様を、当該開口部の中心線に関し背中合せに起立させる開放態様(片開き)と、その開口部の両側辺に関して起立させる開放態様(観音開きや両開き)とを、同一の部品構成の組み合わせで選択可能にする。
【解決手段】天板1の長さ方向に沿って開口された配線ダクト2に対し、そのダクト2を横断する方向でカバー受け金具5を設けると共に、受け金具5に、配線カバー3、4の開閉回転動作を支持する軸11c、12cを具備した支持軸ブロック11、12を位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材6を取付け、ブロック装着部材6に対称な向きで装着した支持軸ブロック11,12の軸11c、12cに、配線カバー3、4を、その軸受部3a、4aにおいて着脱可能に装着した。
【解決手段】天板1の長さ方向に沿って開口された配線ダクト2に対し、そのダクト2を横断する方向でカバー受け金具5を設けると共に、受け金具5に、配線カバー3、4の開閉回転動作を支持する軸11c、12cを具備した支持軸ブロック11、12を位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材6を取付け、ブロック装着部材6に対称な向きで装着した支持軸ブロック11,12の軸11c、12cに、配線カバー3、4を、その軸受部3a、4aにおいて着脱可能に装着した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデスクやテーブル、卓など(以下、これらを机という)の天板に設けられた配線ダクトの上面開口部に装着される蓋状の開閉自在のカバー(以下、配線カバーという)の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より天板の下に配線ダクトを設け、このダクトに開閉自在や着脱自在にした蓋式の配線カバーを設ける技術は、特許文献1〜4などにより様々な技術内容での提案されている。
【0003】
上記の従来技術において共通しているのは、机の天板上面に開口した配線ダクトに、開閉自在の蓋状の配線カバーを設けた点であるが、いずれも構造が複雑な割には、配線カバーの開閉態様、或は、着脱態様にバリエーションが少なく、従って、机を使用する者の配線ダクトの使い勝手に応じた配線カバーの開閉態様を選択することができないという難点がある。
【0004】
すなわち、例えば天板の長手方向に沿って開口部を有する配線ダクトにおいて、そのダクトの開口部を長さ方向に二分した態様で平行な配線カバーを配置したとき、当該2列の配線カバーは、ダクト開口部の略中心線近傍において背中合せ態様で起立させて配線ダクトの開口部を開放し、この開放状態から配線カバーを水平に伏倒させて当該ダクトの開口部を塞ぐ態様での開閉態様であるため、配線ダクトの開口部全域を利用したメンテナンスや配線処理に、前記の背中合せで起立をする配線カバーが邪魔になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−235649号公報
【特許文献2】特開2006−006770号公報
【特許文献3】特開2006−006771号公報
【特許文献4】特開2005−019525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、配線ダクトの開口部に配置される開閉自在の配線カバーにおいて、当該カバーの開閉軸を自由に位置変更できるようにすることにより、一例として開口部に対し2列タイプの配線カバーの開閉態様を、当該開口部の中心線に関し背中合せに起立させる開放態様(片開きともいう)と、その開口部の両側辺に関して起立させる開放態様(観音開きや両開きともいう)とを、同一の部品構成で自由に選択することができる配線ダクトカバーの取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明取付構造の構成は、天板の長さ方向に沿って開口された配線ダクトに対し、そのダクトを横断する方向でカバー受け金具を設けると共に、該受け金具に、配線カバーの開閉回転動作を支持する軸を具備した支持軸ブロックを位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材を取付ける一方、前記ブロック装着部材に対称な向きで装着した支持軸ブロックの軸に、配線カバーを、そのカバー裏面に形成した軸受部において着脱可能で起伏自在に装着したことを特徴とするものである。
【0008】
上記の本発明取付構造において ブロック装着部材に装着される支持軸ブロックは、その下半部がブロック装着部材に並んで形成された装着穴に、平面内で180度旋回させ向きと元の向きにおいて装着できる基脚部に形成されていると共に、上半部に配線カバーに形成した軸受部が嵌まる軸を形成した構成を備えたものである。
【0009】
また、支持軸ブロックの軸部に装着される配線カバーと当該支持軸ブロックには、配線カバーの伏倒姿勢を保持すると共に、当該配線カバーの起立角を規制して保持するため、凹凸関係で係合する係止部と被係止部が形成されている。
【0010】
さらに、カバー受け金具に取付けられるブロック装着部材には、配線ダクトの開口部の中心線に関して対称な位置に、それぞれ2個の支持軸ブロックの装着穴が並んで形成されているので、当該中心線に関し外側に位置する装着穴に軸を外側に向けて装着した2つの支持軸ブロックのそれぞれの軸にそれぞれ配線カバーを装着すると、両開き(観音開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができ、一方、中心線に関し内側に位置する装着穴に軸を内側に向けて装着した2つの支持軸ブロックの夫々の軸に、それぞれ配線カバーを装着すると、片開き(背中合せ開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、天板の長さ方向に沿って開口された配線ダクトに対し、そのダクトを横断する方向でカバー受け金具を設けると共に、該受け金具に、配線カバーの開閉回転動作を支持する軸を具備した支持軸ブロックを位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材を取付ける一方、前記ブロック装着部材に対称な向きで装着した支持軸ブロックの軸に、配線カバーを、そのカバー裏面に形成した軸受部において着脱可能で起伏自在に装着して配線カバーの取付構造とし、さらに、前記カバー受け金具に取付けられるブロック装着部材には、配線ダクトの開口部の中心線に関して対称な位置に、それぞれ2個の支持軸ブロックの装着穴が並んで形成されているので、当該中心線に関し外側に位置する装着穴に軸を外側に向けて装着した2つの支持軸ブロックのそれぞれの軸にそれぞれ配線カバーを装着すると、両開き(観音開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができ、一方、中心線に関し内側に位置する装着穴に軸を内側に向けて装着した2つの支持軸ブロックの夫々の軸に、それぞれ配線カバーを装着すると、片開き(背中合せ開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができるという、従来の配線カバーに見られない配線カバーの装着態様,開閉態様を同一機構部材により実現することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明取付構造の第一例の部品を分解した状態の正面図。
【図2】図1の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図3】図2の本発明取付構造において配線カバーを90度起立させて開けた状態の正面図。
【図4】図2の本発明取付構造において配線カバーを70度起立させて開けた状態の正面図。
【図5】本発明取付構造の第二例の部品を分解した状態の正面図。
【図6】図5の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図7】図5の本発明取付構造の第二例において配線カバーを90度起立させ開けた状態の正面図。
【図8】図5の本発明取付構造の第二例において配線カバーを70度起立させ開けた状態の正面図。
【図9】本発明取付構造の第三例の部品を分解した状態の正面図。
【図10】図9の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図11】図10の本発明取付構造の第三例において配線カバーを90度起立させて開けた状態の正面図。
【図12】図10の本発明取付構造の第三例において配線カバーを70度起立させて開けた状態の正面図。
【図13】本発明取付構造の第四例の部品を分解した状態の正面図。
【図14】図13の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図15】図14の本発明取付構造の第四例において配線カバーを90度起立させて開けた状態の正面図。
【図16】図14の本発明取付構造の第四例において配線カバーを75度起立させて開けた状態の正面図。
【図17】本発明取付構造の第一例における配線ダクトの開口部と当該開口部に取付けたカバー受け金具と、ブロック装着部材と、支持軸ブロックとの関係を拡大して示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
次に本発明の実施の形態例について、図1〜図4と図17、図5〜図8、図9〜図12、図13〜図16を、それぞれ参照して説明する。
【0014】
まず、図1〜図4及び図17において、1は机の天板、2はその天板1の図の例で天板1の前後幅方向における略中心に、当該天板1の長さ方向に沿って天板1の下に取付けた断面凹状乃至樋状をなす配線ダクトで、当該ダクト2の上部の開口2aは、ここでは天板1に形成した開口1a(開口部1aともいう)と略同幅に形成されている。配線ダクト2は、天板1の前後幅方向において、前方寄りに設けられるものもあり、もちろん本発明取付構造を適用することができる。また、配線ダクトの開口幅が以下に説明する実施例の1/2程度の配線ダクトのカバーについても適用できる。但し、この場合には、後述する配線カバーは1枚タイプになることがある。
【0015】
天板1の長さ方向に沿って形成されたダクト2の開口2a(開口部2aともいう)には、少なくとも当該開口2aの両エンドと中間部に、後述する配線カバー3,4を装設するための部材として、ダクト2の開口2aの両側の壁面2bに係合支持される爪5a,5bを有する断面が大略逆凹状をなすカバー受け金具5が装着されている。なお、配線ダクトの開口2aの全長において、このカバー受け金具5の装着スパンは、後述する配線カバー3,4の長さに対応している。
【0016】
6は、上記受け金具5に対し、後述する支持軸ブロック11,12を装着するため、中心に関し図の左右で対称な位置にそれぞれ2個の装着穴7,8と同9,10を設けた断面が略逆凹状をなすブロック装着部材である。この装着部材6は、上記受け金具5を跨ぐ態様で当該金具5に装着支持されている。
【0017】
本発明取付構造の第一例(図1〜図4、図17参照)と第二例(図5〜図8参照)における支持軸ブロック11,12は、次の構成を具備したものである。なお、支持軸ブロック11,12は、使用時の向きが対称になるだけで同一部材であるから以下の説明は支持軸ブロック11について述べる。但し、支持軸ブロック12において数字の後のアルファベットがブロック11と同じ文字は、支持軸ブロック11の対応する部材や部位と同じものとする。
【0018】
支持軸ブロック11は、その下半部が、4個の装着穴7〜10のすべてに、元の向きでも平面内で180度反転させた向きにおいても密に嵌入される平断面略口状の基脚11aに形成されている。当該ブロック11の上半側は、一側に略垂直な立壁11bを有すると共に、他側に後述する配線カバー3,4の軸受部3a,4aを着脱可能に遊嵌できる軸11cを備えている。さらに、当該軸11cと立壁11bの間には、前記軸11cを囲む態様で円弧状をなすガイド11dが配置されている。なお、前記ガイド11dの先端下面は、下向き凸断面状の係止部11eに形成されている。
【0019】
支持軸ブロック12においては、上記ブロック11と同旨で基脚12a、立壁12b、軸12c、円弧状のガイド12d、係止部12eを備えている。なお、ブロック装着部材6の各装着穴7〜10も、平面から見て点対称な前記基脚11a,12aと同様に平面から見て点対称な平面形状を備えたものである。これらの部材の対称性は、以下の実施例においても同様である。
【0020】
次に、配線カバー3,4について説明する。この配線カバー3,4も支持軸ブロック11,12と同様、同一断面の形状,構造を備えたものであるが、使用態様が対称であるため、支持軸ブロック11,12の場合と同じ要領で一方の配線カバー3について説明する。
【0021】
配線カバー3は、先端側の裏面に、支持軸ブロック11の軸11cに嵌まるほぼ半円形断面の軸受3aを備えていると共に、後端側にゴム系又はプラスチック系の柔軟性の翼状をなすフリーカバー3Aを止着するための横向き凹状をなすフリーカバー3Aの取付部3bを備えている。
軸受3aの外周面には、支持軸ブロック11の係止部11eを受け入れる凹状の被係止部3cが、図の例では3箇所に設けられている。
配線カバー4も、前記配線カバー3と同一形態であって対称な向きで使用する部材であるから、軸受4aとフリーカバー4Aを装着する取付部4b、被係止部4cを備えている。
【0022】
上記構成を備えた図1により説明した本発明配線カバーの取付構造の第一例は、図2に示すように組立てられて配線ダクト2の開口部2aの開閉自在のカバー(蓋)として機能するので、図3,図4により配線カバー3,4が開いた状態について説明する。
【0023】
図3は、配線カバー3,4が、当該カバー3は時計回り方向に、また、カバー4は反時計回り方向に、それぞれ90度回転させると、いわば背中合せ状態で2枚のカバー3,4が直立(起立)姿勢になって配線ダクト2の開口部2a(天板1の開口部1aを含む。以下、同じ)を開放した状態を示している。
【0024】
配線カバー3,4が90度起立させられたとき、円弧状のガイド11d,12dの先端に形成されている凸断面状の係止部11eと12eが、配線カバー3,4における軸受3a,4aの外周面の先端側に形成された2個の凹状被係止部3cの先端側の被係止部3cに嵌まり、配線カバー3,4の直立姿勢を保持する。
因みに、配線カバー3,4が閉じられているとき、前記ガイド11d,12dの先端に形成された係止部11eと12eは、配線カバー3,4の軸受部3aの外周面エンド(根元側)に形成された被係止部3cに嵌まり、当該配線カバー3,4の閉じた状態をガタつきなく保持する。
なお、支持軸ブロック11,12の立壁11b,12bの上端部は、閉じられた配線カバー3,4を、その下面から支持する役割がある。
【0025】
図3の配線カバー3,4が背中合せで直立した開口態様では、配線カバー3,4の取付機構であるカバー受け金具5、ブロック装着部材6、支持軸ブロック11,12などが配置されていない開口2a(1a)の部位において配線ダクト2に対し、配線や接続機器などの出し入れ操作や配線処理などを、天板1の図における左右両方向から行うことができる。該配線カバー3,4を図3の状態から起立(開き)時とは逆方向にそれぞれ90度倒せば、図2の状態に戻って配線ダクト2と天板1の開口部2a,1aは閉じられた状態になる。
【0026】
図4は、天板1の配線ダクト2の中央部に机上パネルDPが配置されたとき、当該パネルDPの下端部と、開けられる配線カバー3,4が干渉しない角度で起立した状態を示している。なお、図示しないが、机上パネルDPは、そのパネルDPの正面から見た左右両エンドに、支脚(図に表われず)を具備しており、一例として当該支脚が受け金具5などに取付けられることにより、天板1の上に立設されるものである。
【0027】
図4において配線カバー3,4は、図の例ではそれぞれ70度起立させたところで、その起立姿勢に保持されて机上パネルDPの下端辺との干渉を回避しているが、この作用は、円弧状のガイド11d,12dの先端に設けた係止部11e,12eが、配線カバー3,4の軸受3a,4aの外周面先端側に形成した2つの凹状被係止部3c,4cの端から見て2番目の被係止部3c,4cに嵌まることによって維持される。
配線カバー3,4の70度起立による配線ダクト2の開口状態であっても、当該ダクト2の内外に関する配線などの取扱いや処理は、図3の状態に比べ殆んど遜色ない。
【0028】
以上の説明は、支持軸ブロック11,12の軸11c,12cを対向(対面)させ、かつ、当該ブロック11,12をブロック装着部材6の内側寄り(中心寄り)の装着穴7,8に装着して、前記ブロック11,12に、配線カバー3,4を夫々の軸受け3a,4aにおいて取付けた例に関するものであった。
【実施例2】
【0029】
本発明取付構造には、図5〜図8に示すように、ブロック装着部材6における外側の装着穴9,10に、支持軸ブロック11,12を、先の実施例1の向きから平面内で180度回転させた姿勢、つまり、支持軸ブロック11,12の軸11c,12cを互に外側に向け(換言すれば立壁11b,12bを対面させ)て装着し、この状態の軸11c,12cに、配線カバー3,4の軸受け3a,4aを支持させた態様での取付けがある。
【0030】
支持軸ブロック11,12の軸11c,12cが外側に位置すると、この軸11c,12cに取付ける配線カバーは、そのフリーカバー3A,4Aが図1〜図4の例とは逆に、互に突合せ状態に位置付けられる。(このことは、図2に示した支持軸ブロック11,12とこれらのブロック11,12に取付けられた配線カバー3,4を、当該カバー3,4を取付けたままの状態で装着穴7,8から外して左右を入替え、一方の支持軸ブロック12を装着穴9に、他方の支持軸ブロック11を装着穴10に、それぞれ装着した場合と同じである。)
【0031】
図5〜図8に示す配線カバー3,4の取付状態では、支持軸ブロック11,12における軸11c,12cが、天板1の開口部1aに接近した部位に位置付けられること、並びに、配線カバー3,4が、夫々のフリーカバー3A,4Aを突合せ状態で、前記軸11c,12cに軸受け3a,4aが装着されることにより(図6参照)、閉じ状態の配線カバー3,4は、図7,図8に例示するように、いわゆる観音開き(両開き)状態に開けられる。開けた状態において、90度起立の姿勢、並びに、70度起立の姿勢の保持は、図1〜図4の例で説明した内容と同じである。
【実施例3】
【0032】
本発明取付構造は、図9〜図16に示す態様の支持軸ブロック11,12と配線カバー3,4を用いた例もあるので、以下に説明する。図9〜図16の例では、支持軸ブロック11,12の構造と該ブロック11,12に開閉回転可能に支持される配線カバー3,4の構造が異なるので、この点を中心に説明する。なお、図9〜図16において、図1〜図8と同一部材,同一部位には同じ符号を用いている。
【0033】
図9〜図16の支持軸ブロック11,12において、装着穴7〜10に嵌入されるブロック下半部の基脚11a,12aと上半側の立壁11b,12bを具備している点は、先に説明した図1〜図8の例と共通しているが、図1〜図8における軸11cと係止部11eの形態が異なるので、以下に支持軸ブロック11と配線カバー3について述べる。なお、他方の支持軸ブロック12と配線カバー4は、数字の後のアルファベットを前記ブロック11と配線カバー3の対応部分,部位と一致させて表示している。
【0034】
支持軸ブロック11において、立壁11bの反対側には、階段状壁11fの上端に軸11gが形成されている。11hは、軸11gの下方に形成した舌片状突部で、この突部11hの上面には係止部となる凸部11iが設けられている。なお、立壁11bの背面にも係止部となる凸部11jが設けられている。支持軸ブロック12において、12fは階段状壁、12gはその壁の上に設けた軸、12hは舌片状突部、12i,12jは係止部となる凸部である。
【0035】
一方、上記構成の支持軸ブロック11,12に取付けられる配線カバー3,4は、当該ブロック11,12の構成に対応する軸受3a,4aとフリーカバー3A,4Aの取付部3b,4bを具備する点は、図1〜図8の実施例とほぼ共通するが、支持軸ブロック11,12に設けられた係止部となる2箇所の凸部11i,11j、同12i,12jに対応するように形成された被係止部3d,3e、同4d,4eが前記図1〜図8の例と異なる。
【0036】
すなわち、配線カバー3,4の裏面の端部(軸受3a,4aに近い側)には、当該カバー3,4を起立させたときに舌片状突部11h,12hに設けた凸部11i,12iに嵌まる翼状の被係止部3d,4dが設けられていると共に、このカバー3,4を伏せたとき立壁11b,12bに設けた凸部11j,12jに嵌まる被係止部3e,4eがフリーカバー3A,4Aの取付部3b,4bの近傍に設けられている。
【0037】
上記構成を備えた本発明配線ダクトカバーの取付構造の第三例は、配線カバー3,4を閉じた状態で図10の状態を呈する点は、先の実施例1の図2と同様である。そして、支持軸ブロック11,12が、軸11g,12gを対面させた向きで装着穴7,8に装着され、かつ、このブロック11,12の軸11g,12gに配線カバー3,4が取付けられて支持されていると、このカバー3,4が背中合せで90度起立させられて配線ダクト2の開口部2aを開放すること(図11参照)、また、机上パネルDPがある場合、それとの干渉を避けるため、配線カバー3,4は75度起立までしか開けられないようにしたこと(図12参照)も、先に説明した図3,図4の場合と同様である。配線カバー3,4の90度起立状態及び75度起立状態の保持は、舌片状突部11h,12hに設けた凸部11i,12iに被係止部3d,4dが嵌まることによりなされる。
【実施例4】
【0038】
図9〜図12により上記実施例3で説明した本発明取付構造の第三例において、支持軸ブロック11,12を平面内で180度回転させて軸11g,12gを外側に向け(立壁11b,12bを対面させる)て外側に位置する装着穴9,10に当該ブロック11,12を嵌入して装着し、両のブロック11,12の軸11g,12gに、配線カバー3,4をそれらのフリーカバー3A,4Aを突合せ状態の向きにして軸受3a,4aで装着すると、先に図7,図8により説明した実施例2の場合と同様、2枚の配線カバー3,4は観音開き(両開き)態様で取付けることができる。この取付構造が本発明取付構造の第四例であり、その詳細は図13〜図16に示す通りである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の配線カバー取付構造は以上の通りであって、第一例と第二例の取付構造も、同じく第三例と第四例の取付構造とも、同じ構造部材を使用して、配線ダクトのカバーを両開き(観音開き)と片開き(背中合せ開き)の態様を選択することができるので、至って使い勝手に優れた配線ダクトのカバー装置を提供することができる。
【0040】
また、いずれの実施例においても、ブロック装着部材に取付けられる支持軸ブロックと当該ブロックに取付けられる配線カバーは、いずれも同一形態の部材を対称な向きで使用しているので、少ない部品点数で、配線カバーの異なる配置態様、異なる開閉態様を実現することができるという利点がある。しかも、そのための構造は至って簡潔であるから製造は勿論、組立て,分解も容易に行うことができて便利である。
【符号の説明】
【0041】
1 天板
2 配線ダクト
1a,2a 配線ダクトの開口(部)
3,4 配線カバー
5 カバー受け金具
6 ブロック装着部材
7〜10 装着穴
11,12 支持軸ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明はデスクやテーブル、卓など(以下、これらを机という)の天板に設けられた配線ダクトの上面開口部に装着される蓋状の開閉自在のカバー(以下、配線カバーという)の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より天板の下に配線ダクトを設け、このダクトに開閉自在や着脱自在にした蓋式の配線カバーを設ける技術は、特許文献1〜4などにより様々な技術内容での提案されている。
【0003】
上記の従来技術において共通しているのは、机の天板上面に開口した配線ダクトに、開閉自在の蓋状の配線カバーを設けた点であるが、いずれも構造が複雑な割には、配線カバーの開閉態様、或は、着脱態様にバリエーションが少なく、従って、机を使用する者の配線ダクトの使い勝手に応じた配線カバーの開閉態様を選択することができないという難点がある。
【0004】
すなわち、例えば天板の長手方向に沿って開口部を有する配線ダクトにおいて、そのダクトの開口部を長さ方向に二分した態様で平行な配線カバーを配置したとき、当該2列の配線カバーは、ダクト開口部の略中心線近傍において背中合せ態様で起立させて配線ダクトの開口部を開放し、この開放状態から配線カバーを水平に伏倒させて当該ダクトの開口部を塞ぐ態様での開閉態様であるため、配線ダクトの開口部全域を利用したメンテナンスや配線処理に、前記の背中合せで起立をする配線カバーが邪魔になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−235649号公報
【特許文献2】特開2006−006770号公報
【特許文献3】特開2006−006771号公報
【特許文献4】特開2005−019525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、配線ダクトの開口部に配置される開閉自在の配線カバーにおいて、当該カバーの開閉軸を自由に位置変更できるようにすることにより、一例として開口部に対し2列タイプの配線カバーの開閉態様を、当該開口部の中心線に関し背中合せに起立させる開放態様(片開きともいう)と、その開口部の両側辺に関して起立させる開放態様(観音開きや両開きともいう)とを、同一の部品構成で自由に選択することができる配線ダクトカバーの取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明取付構造の構成は、天板の長さ方向に沿って開口された配線ダクトに対し、そのダクトを横断する方向でカバー受け金具を設けると共に、該受け金具に、配線カバーの開閉回転動作を支持する軸を具備した支持軸ブロックを位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材を取付ける一方、前記ブロック装着部材に対称な向きで装着した支持軸ブロックの軸に、配線カバーを、そのカバー裏面に形成した軸受部において着脱可能で起伏自在に装着したことを特徴とするものである。
【0008】
上記の本発明取付構造において ブロック装着部材に装着される支持軸ブロックは、その下半部がブロック装着部材に並んで形成された装着穴に、平面内で180度旋回させ向きと元の向きにおいて装着できる基脚部に形成されていると共に、上半部に配線カバーに形成した軸受部が嵌まる軸を形成した構成を備えたものである。
【0009】
また、支持軸ブロックの軸部に装着される配線カバーと当該支持軸ブロックには、配線カバーの伏倒姿勢を保持すると共に、当該配線カバーの起立角を規制して保持するため、凹凸関係で係合する係止部と被係止部が形成されている。
【0010】
さらに、カバー受け金具に取付けられるブロック装着部材には、配線ダクトの開口部の中心線に関して対称な位置に、それぞれ2個の支持軸ブロックの装着穴が並んで形成されているので、当該中心線に関し外側に位置する装着穴に軸を外側に向けて装着した2つの支持軸ブロックのそれぞれの軸にそれぞれ配線カバーを装着すると、両開き(観音開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができ、一方、中心線に関し内側に位置する装着穴に軸を内側に向けて装着した2つの支持軸ブロックの夫々の軸に、それぞれ配線カバーを装着すると、片開き(背中合せ開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、天板の長さ方向に沿って開口された配線ダクトに対し、そのダクトを横断する方向でカバー受け金具を設けると共に、該受け金具に、配線カバーの開閉回転動作を支持する軸を具備した支持軸ブロックを位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材を取付ける一方、前記ブロック装着部材に対称な向きで装着した支持軸ブロックの軸に、配線カバーを、そのカバー裏面に形成した軸受部において着脱可能で起伏自在に装着して配線カバーの取付構造とし、さらに、前記カバー受け金具に取付けられるブロック装着部材には、配線ダクトの開口部の中心線に関して対称な位置に、それぞれ2個の支持軸ブロックの装着穴が並んで形成されているので、当該中心線に関し外側に位置する装着穴に軸を外側に向けて装着した2つの支持軸ブロックのそれぞれの軸にそれぞれ配線カバーを装着すると、両開き(観音開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができ、一方、中心線に関し内側に位置する装着穴に軸を内側に向けて装着した2つの支持軸ブロックの夫々の軸に、それぞれ配線カバーを装着すると、片開き(背中合せ開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができるという、従来の配線カバーに見られない配線カバーの装着態様,開閉態様を同一機構部材により実現することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明取付構造の第一例の部品を分解した状態の正面図。
【図2】図1の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図3】図2の本発明取付構造において配線カバーを90度起立させて開けた状態の正面図。
【図4】図2の本発明取付構造において配線カバーを70度起立させて開けた状態の正面図。
【図5】本発明取付構造の第二例の部品を分解した状態の正面図。
【図6】図5の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図7】図5の本発明取付構造の第二例において配線カバーを90度起立させ開けた状態の正面図。
【図8】図5の本発明取付構造の第二例において配線カバーを70度起立させ開けた状態の正面図。
【図9】本発明取付構造の第三例の部品を分解した状態の正面図。
【図10】図9の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図11】図10の本発明取付構造の第三例において配線カバーを90度起立させて開けた状態の正面図。
【図12】図10の本発明取付構造の第三例において配線カバーを70度起立させて開けた状態の正面図。
【図13】本発明取付構造の第四例の部品を分解した状態の正面図。
【図14】図13の本発明取付構造の部品を組立てた状態の正面図。
【図15】図14の本発明取付構造の第四例において配線カバーを90度起立させて開けた状態の正面図。
【図16】図14の本発明取付構造の第四例において配線カバーを75度起立させて開けた状態の正面図。
【図17】本発明取付構造の第一例における配線ダクトの開口部と当該開口部に取付けたカバー受け金具と、ブロック装着部材と、支持軸ブロックとの関係を拡大して示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
次に本発明の実施の形態例について、図1〜図4と図17、図5〜図8、図9〜図12、図13〜図16を、それぞれ参照して説明する。
【0014】
まず、図1〜図4及び図17において、1は机の天板、2はその天板1の図の例で天板1の前後幅方向における略中心に、当該天板1の長さ方向に沿って天板1の下に取付けた断面凹状乃至樋状をなす配線ダクトで、当該ダクト2の上部の開口2aは、ここでは天板1に形成した開口1a(開口部1aともいう)と略同幅に形成されている。配線ダクト2は、天板1の前後幅方向において、前方寄りに設けられるものもあり、もちろん本発明取付構造を適用することができる。また、配線ダクトの開口幅が以下に説明する実施例の1/2程度の配線ダクトのカバーについても適用できる。但し、この場合には、後述する配線カバーは1枚タイプになることがある。
【0015】
天板1の長さ方向に沿って形成されたダクト2の開口2a(開口部2aともいう)には、少なくとも当該開口2aの両エンドと中間部に、後述する配線カバー3,4を装設するための部材として、ダクト2の開口2aの両側の壁面2bに係合支持される爪5a,5bを有する断面が大略逆凹状をなすカバー受け金具5が装着されている。なお、配線ダクトの開口2aの全長において、このカバー受け金具5の装着スパンは、後述する配線カバー3,4の長さに対応している。
【0016】
6は、上記受け金具5に対し、後述する支持軸ブロック11,12を装着するため、中心に関し図の左右で対称な位置にそれぞれ2個の装着穴7,8と同9,10を設けた断面が略逆凹状をなすブロック装着部材である。この装着部材6は、上記受け金具5を跨ぐ態様で当該金具5に装着支持されている。
【0017】
本発明取付構造の第一例(図1〜図4、図17参照)と第二例(図5〜図8参照)における支持軸ブロック11,12は、次の構成を具備したものである。なお、支持軸ブロック11,12は、使用時の向きが対称になるだけで同一部材であるから以下の説明は支持軸ブロック11について述べる。但し、支持軸ブロック12において数字の後のアルファベットがブロック11と同じ文字は、支持軸ブロック11の対応する部材や部位と同じものとする。
【0018】
支持軸ブロック11は、その下半部が、4個の装着穴7〜10のすべてに、元の向きでも平面内で180度反転させた向きにおいても密に嵌入される平断面略口状の基脚11aに形成されている。当該ブロック11の上半側は、一側に略垂直な立壁11bを有すると共に、他側に後述する配線カバー3,4の軸受部3a,4aを着脱可能に遊嵌できる軸11cを備えている。さらに、当該軸11cと立壁11bの間には、前記軸11cを囲む態様で円弧状をなすガイド11dが配置されている。なお、前記ガイド11dの先端下面は、下向き凸断面状の係止部11eに形成されている。
【0019】
支持軸ブロック12においては、上記ブロック11と同旨で基脚12a、立壁12b、軸12c、円弧状のガイド12d、係止部12eを備えている。なお、ブロック装着部材6の各装着穴7〜10も、平面から見て点対称な前記基脚11a,12aと同様に平面から見て点対称な平面形状を備えたものである。これらの部材の対称性は、以下の実施例においても同様である。
【0020】
次に、配線カバー3,4について説明する。この配線カバー3,4も支持軸ブロック11,12と同様、同一断面の形状,構造を備えたものであるが、使用態様が対称であるため、支持軸ブロック11,12の場合と同じ要領で一方の配線カバー3について説明する。
【0021】
配線カバー3は、先端側の裏面に、支持軸ブロック11の軸11cに嵌まるほぼ半円形断面の軸受3aを備えていると共に、後端側にゴム系又はプラスチック系の柔軟性の翼状をなすフリーカバー3Aを止着するための横向き凹状をなすフリーカバー3Aの取付部3bを備えている。
軸受3aの外周面には、支持軸ブロック11の係止部11eを受け入れる凹状の被係止部3cが、図の例では3箇所に設けられている。
配線カバー4も、前記配線カバー3と同一形態であって対称な向きで使用する部材であるから、軸受4aとフリーカバー4Aを装着する取付部4b、被係止部4cを備えている。
【0022】
上記構成を備えた図1により説明した本発明配線カバーの取付構造の第一例は、図2に示すように組立てられて配線ダクト2の開口部2aの開閉自在のカバー(蓋)として機能するので、図3,図4により配線カバー3,4が開いた状態について説明する。
【0023】
図3は、配線カバー3,4が、当該カバー3は時計回り方向に、また、カバー4は反時計回り方向に、それぞれ90度回転させると、いわば背中合せ状態で2枚のカバー3,4が直立(起立)姿勢になって配線ダクト2の開口部2a(天板1の開口部1aを含む。以下、同じ)を開放した状態を示している。
【0024】
配線カバー3,4が90度起立させられたとき、円弧状のガイド11d,12dの先端に形成されている凸断面状の係止部11eと12eが、配線カバー3,4における軸受3a,4aの外周面の先端側に形成された2個の凹状被係止部3cの先端側の被係止部3cに嵌まり、配線カバー3,4の直立姿勢を保持する。
因みに、配線カバー3,4が閉じられているとき、前記ガイド11d,12dの先端に形成された係止部11eと12eは、配線カバー3,4の軸受部3aの外周面エンド(根元側)に形成された被係止部3cに嵌まり、当該配線カバー3,4の閉じた状態をガタつきなく保持する。
なお、支持軸ブロック11,12の立壁11b,12bの上端部は、閉じられた配線カバー3,4を、その下面から支持する役割がある。
【0025】
図3の配線カバー3,4が背中合せで直立した開口態様では、配線カバー3,4の取付機構であるカバー受け金具5、ブロック装着部材6、支持軸ブロック11,12などが配置されていない開口2a(1a)の部位において配線ダクト2に対し、配線や接続機器などの出し入れ操作や配線処理などを、天板1の図における左右両方向から行うことができる。該配線カバー3,4を図3の状態から起立(開き)時とは逆方向にそれぞれ90度倒せば、図2の状態に戻って配線ダクト2と天板1の開口部2a,1aは閉じられた状態になる。
【0026】
図4は、天板1の配線ダクト2の中央部に机上パネルDPが配置されたとき、当該パネルDPの下端部と、開けられる配線カバー3,4が干渉しない角度で起立した状態を示している。なお、図示しないが、机上パネルDPは、そのパネルDPの正面から見た左右両エンドに、支脚(図に表われず)を具備しており、一例として当該支脚が受け金具5などに取付けられることにより、天板1の上に立設されるものである。
【0027】
図4において配線カバー3,4は、図の例ではそれぞれ70度起立させたところで、その起立姿勢に保持されて机上パネルDPの下端辺との干渉を回避しているが、この作用は、円弧状のガイド11d,12dの先端に設けた係止部11e,12eが、配線カバー3,4の軸受3a,4aの外周面先端側に形成した2つの凹状被係止部3c,4cの端から見て2番目の被係止部3c,4cに嵌まることによって維持される。
配線カバー3,4の70度起立による配線ダクト2の開口状態であっても、当該ダクト2の内外に関する配線などの取扱いや処理は、図3の状態に比べ殆んど遜色ない。
【0028】
以上の説明は、支持軸ブロック11,12の軸11c,12cを対向(対面)させ、かつ、当該ブロック11,12をブロック装着部材6の内側寄り(中心寄り)の装着穴7,8に装着して、前記ブロック11,12に、配線カバー3,4を夫々の軸受け3a,4aにおいて取付けた例に関するものであった。
【実施例2】
【0029】
本発明取付構造には、図5〜図8に示すように、ブロック装着部材6における外側の装着穴9,10に、支持軸ブロック11,12を、先の実施例1の向きから平面内で180度回転させた姿勢、つまり、支持軸ブロック11,12の軸11c,12cを互に外側に向け(換言すれば立壁11b,12bを対面させ)て装着し、この状態の軸11c,12cに、配線カバー3,4の軸受け3a,4aを支持させた態様での取付けがある。
【0030】
支持軸ブロック11,12の軸11c,12cが外側に位置すると、この軸11c,12cに取付ける配線カバーは、そのフリーカバー3A,4Aが図1〜図4の例とは逆に、互に突合せ状態に位置付けられる。(このことは、図2に示した支持軸ブロック11,12とこれらのブロック11,12に取付けられた配線カバー3,4を、当該カバー3,4を取付けたままの状態で装着穴7,8から外して左右を入替え、一方の支持軸ブロック12を装着穴9に、他方の支持軸ブロック11を装着穴10に、それぞれ装着した場合と同じである。)
【0031】
図5〜図8に示す配線カバー3,4の取付状態では、支持軸ブロック11,12における軸11c,12cが、天板1の開口部1aに接近した部位に位置付けられること、並びに、配線カバー3,4が、夫々のフリーカバー3A,4Aを突合せ状態で、前記軸11c,12cに軸受け3a,4aが装着されることにより(図6参照)、閉じ状態の配線カバー3,4は、図7,図8に例示するように、いわゆる観音開き(両開き)状態に開けられる。開けた状態において、90度起立の姿勢、並びに、70度起立の姿勢の保持は、図1〜図4の例で説明した内容と同じである。
【実施例3】
【0032】
本発明取付構造は、図9〜図16に示す態様の支持軸ブロック11,12と配線カバー3,4を用いた例もあるので、以下に説明する。図9〜図16の例では、支持軸ブロック11,12の構造と該ブロック11,12に開閉回転可能に支持される配線カバー3,4の構造が異なるので、この点を中心に説明する。なお、図9〜図16において、図1〜図8と同一部材,同一部位には同じ符号を用いている。
【0033】
図9〜図16の支持軸ブロック11,12において、装着穴7〜10に嵌入されるブロック下半部の基脚11a,12aと上半側の立壁11b,12bを具備している点は、先に説明した図1〜図8の例と共通しているが、図1〜図8における軸11cと係止部11eの形態が異なるので、以下に支持軸ブロック11と配線カバー3について述べる。なお、他方の支持軸ブロック12と配線カバー4は、数字の後のアルファベットを前記ブロック11と配線カバー3の対応部分,部位と一致させて表示している。
【0034】
支持軸ブロック11において、立壁11bの反対側には、階段状壁11fの上端に軸11gが形成されている。11hは、軸11gの下方に形成した舌片状突部で、この突部11hの上面には係止部となる凸部11iが設けられている。なお、立壁11bの背面にも係止部となる凸部11jが設けられている。支持軸ブロック12において、12fは階段状壁、12gはその壁の上に設けた軸、12hは舌片状突部、12i,12jは係止部となる凸部である。
【0035】
一方、上記構成の支持軸ブロック11,12に取付けられる配線カバー3,4は、当該ブロック11,12の構成に対応する軸受3a,4aとフリーカバー3A,4Aの取付部3b,4bを具備する点は、図1〜図8の実施例とほぼ共通するが、支持軸ブロック11,12に設けられた係止部となる2箇所の凸部11i,11j、同12i,12jに対応するように形成された被係止部3d,3e、同4d,4eが前記図1〜図8の例と異なる。
【0036】
すなわち、配線カバー3,4の裏面の端部(軸受3a,4aに近い側)には、当該カバー3,4を起立させたときに舌片状突部11h,12hに設けた凸部11i,12iに嵌まる翼状の被係止部3d,4dが設けられていると共に、このカバー3,4を伏せたとき立壁11b,12bに設けた凸部11j,12jに嵌まる被係止部3e,4eがフリーカバー3A,4Aの取付部3b,4bの近傍に設けられている。
【0037】
上記構成を備えた本発明配線ダクトカバーの取付構造の第三例は、配線カバー3,4を閉じた状態で図10の状態を呈する点は、先の実施例1の図2と同様である。そして、支持軸ブロック11,12が、軸11g,12gを対面させた向きで装着穴7,8に装着され、かつ、このブロック11,12の軸11g,12gに配線カバー3,4が取付けられて支持されていると、このカバー3,4が背中合せで90度起立させられて配線ダクト2の開口部2aを開放すること(図11参照)、また、机上パネルDPがある場合、それとの干渉を避けるため、配線カバー3,4は75度起立までしか開けられないようにしたこと(図12参照)も、先に説明した図3,図4の場合と同様である。配線カバー3,4の90度起立状態及び75度起立状態の保持は、舌片状突部11h,12hに設けた凸部11i,12iに被係止部3d,4dが嵌まることによりなされる。
【実施例4】
【0038】
図9〜図12により上記実施例3で説明した本発明取付構造の第三例において、支持軸ブロック11,12を平面内で180度回転させて軸11g,12gを外側に向け(立壁11b,12bを対面させる)て外側に位置する装着穴9,10に当該ブロック11,12を嵌入して装着し、両のブロック11,12の軸11g,12gに、配線カバー3,4をそれらのフリーカバー3A,4Aを突合せ状態の向きにして軸受3a,4aで装着すると、先に図7,図8により説明した実施例2の場合と同様、2枚の配線カバー3,4は観音開き(両開き)態様で取付けることができる。この取付構造が本発明取付構造の第四例であり、その詳細は図13〜図16に示す通りである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の配線カバー取付構造は以上の通りであって、第一例と第二例の取付構造も、同じく第三例と第四例の取付構造とも、同じ構造部材を使用して、配線ダクトのカバーを両開き(観音開き)と片開き(背中合せ開き)の態様を選択することができるので、至って使い勝手に優れた配線ダクトのカバー装置を提供することができる。
【0040】
また、いずれの実施例においても、ブロック装着部材に取付けられる支持軸ブロックと当該ブロックに取付けられる配線カバーは、いずれも同一形態の部材を対称な向きで使用しているので、少ない部品点数で、配線カバーの異なる配置態様、異なる開閉態様を実現することができるという利点がある。しかも、そのための構造は至って簡潔であるから製造は勿論、組立て,分解も容易に行うことができて便利である。
【符号の説明】
【0041】
1 天板
2 配線ダクト
1a,2a 配線ダクトの開口(部)
3,4 配線カバー
5 カバー受け金具
6 ブロック装着部材
7〜10 装着穴
11,12 支持軸ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の長さ方向に沿って開口された配線ダクトに対し、そのダクトを横断する方向でカバー受け金具を設けると共に、該受け金具に、配線カバーの開閉回転動作を支持する軸を具備した支持軸ブロックを位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材を取付ける一方、前記ブロック装着部材に対称な向きで装着した支持軸ブロックの軸に、配線カバーを、そのカバー裏面に形成した軸受部において着脱可能で起伏自在に装着したことを特徴とする配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項2】
ブロック装着部材に装着される支持軸ブロックは、その下半部がブロック装着部材に並んで形成された装着穴に、平面内で180度旋回させ向きと元の向きにおいて装着できる基脚を具備すると共に、上半部に配線カバーに形成した軸受が嵌まる軸を備えた請求項1の配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項3】
支持軸ブロックの軸に装着される配線カバーと当該支持軸ブロックには、配線カバーの伏倒姿勢を保持すると共に、当該配線カバーの起立角を規制して保持するため、凹凸関係で係合する係止部と被係止部を形成した請求項1又は2の配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項4】
カバー受け金具に取付けられるブロック装着部材には、配線ダクトの開口部の略中心線に関して対称な位置に、それぞれ2個の支持軸ブロックの装着穴を並んで形成し、当該中心線に関し外側に位置する装着穴に軸を外側に向けて装着した2つの支持軸ブロックのそれぞれの軸にそれぞれ配線カバーを装着することによって、両開き(観音開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができる一方、前記中心線に関し内側に位置する装着穴に軸を内側に向けて装着した2つの支持軸ブロックの夫々の軸に、それぞれ配線カバーを装着することによって、片開き(背中合せ開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができるようにした請求項1〜3のいずれかの配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項1】
天板の長さ方向に沿って開口された配線ダクトに対し、そのダクトを横断する方向でカバー受け金具を設けると共に、該受け金具に、配線カバーの開閉回転動作を支持する軸を具備した支持軸ブロックを位置と向きを変更して装着できるように形成したブロック装着部材を取付ける一方、前記ブロック装着部材に対称な向きで装着した支持軸ブロックの軸に、配線カバーを、そのカバー裏面に形成した軸受部において着脱可能で起伏自在に装着したことを特徴とする配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項2】
ブロック装着部材に装着される支持軸ブロックは、その下半部がブロック装着部材に並んで形成された装着穴に、平面内で180度旋回させ向きと元の向きにおいて装着できる基脚を具備すると共に、上半部に配線カバーに形成した軸受が嵌まる軸を備えた請求項1の配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項3】
支持軸ブロックの軸に装着される配線カバーと当該支持軸ブロックには、配線カバーの伏倒姿勢を保持すると共に、当該配線カバーの起立角を規制して保持するため、凹凸関係で係合する係止部と被係止部を形成した請求項1又は2の配線ダクトカバーの取付構造。
【請求項4】
カバー受け金具に取付けられるブロック装着部材には、配線ダクトの開口部の略中心線に関して対称な位置に、それぞれ2個の支持軸ブロックの装着穴を並んで形成し、当該中心線に関し外側に位置する装着穴に軸を外側に向けて装着した2つの支持軸ブロックのそれぞれの軸にそれぞれ配線カバーを装着することによって、両開き(観音開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができる一方、前記中心線に関し内側に位置する装着穴に軸を内側に向けて装着した2つの支持軸ブロックの夫々の軸に、それぞれ配線カバーを装着することによって、片開き(背中合せ開き)状に2枚の配線カバーを起立させることができるようにした請求項1〜3のいずれかの配線ダクトカバーの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−233595(P2010−233595A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81875(P2009−81875)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(390005452)伊藤喜オールスチール株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(390005452)伊藤喜オールスチール株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
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