説明

天板

【課題】ダイニングやキッチンにおいて、服を引っ掛けたり、身体をぶつけること虞を生じることなく、レジ袋等の買物袋やふきん等を、使い勝手よく吊り下げることができるようにすること。
【解決手段】天板外縁14Aから天板内方14Bに切り込まれた切欠開口部20を有し、切欠開口部20の切込入口部22Aの少なくとも片側に天板の一部によって引掛用突出部22を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板に関し、更に詳細には、ダイニングテーブルやシンク台、ガス台等のキッチンキャビネットの天板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイニングやキッチンにおいては、レジ袋等の買物袋やふきん等を吊り下げるために、部屋壁、食器棚や冷蔵庫等の外壁に、粘着式、吸盤式、マグネット式等のフック部材を取り付けることが多くの一般家庭で行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−240034(P2010−240034A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部屋壁、食器棚や冷蔵庫等の外壁に取り付けられたフック部材は、必ずそれら外壁より前方に突出したフック部を有するので、フック部の形状(フック形状)からして、それに服を引っ掛け易く、また身体をぶつける虞がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ダイニングやキッチンにおいて、服を引っ掛けたり、身体をぶつけたりする虞を生じることなく、レジ袋等の買物袋やふきん等を、使い勝手よく吊り下げることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による天板は、天板外縁(14A)から天板内方(14B)に切り込まれた切欠開口部(20)を有し、当該切欠開口部(20)の切込入口(20A)の少なくとも片側に天板(14)の一部によって引掛用突出部(22)を形成されている。
【0007】
この構成によれば、天板に切欠開口部(20)を設けるだけのシンプルな構成によって天板外縁14Aから外方に出っ張ることなく引掛用突出部(22)が形成され、引掛用突出部(22)に買い物袋等の手提げ部を引っ掛けることにより買い物袋等を天板より吊り下げることができる。引掛用突出部(22)は天板外縁(14A)から外方に出っ張っていないので、引掛用突出部(22)に服を引っ掛けたり、身体をぶつけたりすることがない。
【0008】
本発明による天板は、好ましくは、前記切欠開口部(20)の切込入口20Aの切欠幅(A)が当該切欠開口部(20)の奥部(20B)の切欠幅(B)より小さい。
【0009】
この構成によれば、引掛用突出部(22)に引っ掛けた買い物袋(100)等の手提げ部(102)が引掛用突出部より抜け落ち難くなる。
【0010】
本発明による天板は、好ましくは、前記引掛用突出部(22)は突出先端に前記切欠開口部(20)の側に膨出した抜止膨出部(24)を有している。
【0011】
この構成によれば、引掛用突出部(22)に引っ掛けた買い物袋(100)等の手提げ部(102)が引掛用突出部より抜け落ち難くなる。
【0012】
本発明による天板は、好ましくは、前記引掛用突出部が前記切欠開口部の側に湾曲した形状をしている。
【0013】
この構成によれば、引掛用突出部(22)に引っ掛けた買い物袋(100)等の手提げ部(102)が引掛用突出部より抜け落ち難くなる。
【0014】
本発明による天板は、好ましくは、前記引掛用突出部(22)の上面が天板(14)の主要部の上面より摩擦抵抗が大きい滑り止め面になっている。
【0015】
この構成によれば、引掛用突出部(22)に引っ掛けた買い物袋(100)等の手提げ部(102)が引掛用突出部より抜け落ち難くなる。
【0016】
本発明による天板は、好ましくは、前記切欠開口部(20)の切込入口(20A)が前記天板外縁14Aの法線方向に延在している。
【0017】
この構成によれば、買い物袋(100)等の手提げ部(102)を切欠開口部(20)の切込入口(20A)より切欠開口部(20)の内方に差し込んで引掛用突出部(22)に引っ掛ける作業を簡単に行える。
【発明の効果】
【0018】
本発明による天板は、天板に切欠開口部を設けるだけのシンプルな構成によって天板外縁から外方に出っ張ることなく引掛用突出部が形成されているから、引掛用突出部に服を引っ掛けたり、身体をぶつけたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による天板をダイニングテーブルの天板に適用した一つの実施形態を示す斜視図。
【図2】本実施形態による天板の要部の平面図。
【図3】本発明による天板の他の実施形態の要部の平面図。
【図4】本発明による天板の他の実施形態の要部の平面図。
【図5】本発明による天板の他の実施形態の要部の平面図。
【図6】本発明による天板の他の実施形態の要部の平面図。
【図7】本発明による天板の他の実施形態の要部の平面図。
【図8】本発明による天板の他の実施形態の要部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明による天板をダイニングテーブルの天板に適用した一つの実施形態を、図1、図2を参照して説明する。
【0021】
ダイニングテーブル10は、垂直に起立した複数個の脚体12と、脚体12の上端に取り付けられた水平な天板14とを有する。
【0022】
天板14は、長円形状をしていて、各種の硬質板材により構成することができる。天板14の一部には高反発ウレタン等によるクッションパッド16が貼り付けられている。クッションパッド16上には、卵、果物等の転がり易い食品を置くのに便利である。また、天板14の上面に凹部を形成し、凹部にクッションパッド16を貼り付けてもよい。
【0023】
天板14には、天板外縁14Aから天板内方14Bに切り込まれた切欠開口部20が形成されている。切欠開口部20は、天板14を上下に貫通する開口であって、天板外縁14Aに開口する切込入口部20Aと、切込入口部20Aと連続している長円形をした奥部20Bとを含む。切込入口部20Aの切欠幅(天板外縁延在方向幅)Aは、奥部20Bの切欠幅(天板外縁延在方向幅)Bより小さい。切込入口部20Aは、当該切込入口部20Aが天板外縁14Aに開口する部分の天板外縁14Aの法線方向に延在している。
【0024】
これにより、切欠開口部20は、湾口が狭い湾港のような形状になり、切込入口部20Aの両側に天板14の一部によって左右対称の引掛用突出部22が形成される。
【0025】
引掛用突出部22の上面は、微細な凹凸加工や梨面加工等を施され、天板14の主要部上面より摩擦抵抗が大きい滑り止め面になっている。
【0026】
この天板14は、切欠開口部20を設けるだけのシンプルな構成によって天板外縁14Aから外方に出っ張ることなく引掛用突出部22が形成される。引掛用突出部22にレジ袋100の手提げ部102を引っ掛けることにより、レジ袋100をダイニングーブル10の天板14より吊り下げることができる。
【0027】
引掛用突出部22は天板外縁14Aから外方に出っ張っていないので、引掛用突出部22に服を引っ掛けたり、身体をぶつけたりする虞がない。ここで、引掛用突出部22が天板外縁14Aから外方に出っ張っていないとは、図2に仮想線Lによって描かれている天板外縁14Aの連続線(引掛用突出部22が形成されていない場合に存在する天板外縁)より天板14より外方に突出していないことを意味する。
【0028】
引掛用突出部22は、左右一対であるので、図1に示されているように、レジ袋100の一対の手提げ部102を各々左右の引掛用突出部22に引っ掛けて天板14より口が開いた状態で吊り下げることができるから、レジ袋100に対する物の出し入れを容易に行えるようになる。
【0029】
切欠開口部20の切込入口部20Aは天板外縁14Aの法線方向に延在しているから、手提げ部102を引掛用突出部22に引っ掛ける際には、切欠開口部20の正面に向かって手提げ部102を切欠開口部20の切込入口部20Aより切欠開口部20の奥部20Aに真っ直ぐに差し込めばよく、引掛用突出部22に手提げ部102を引っ掛ける作業を簡単に行える。
【0030】
引掛用突出部22の上面が他の部分の天板上面より摩擦抵抗が大きい滑り止め面になっているから、引掛用突出部22に引っ掛けたレジ袋100の手提げ部102が引掛用突出部22より抜け落ち難くなる。
【0031】
なお、切欠開口部20の奥部20Bの形状は、長円形に限られることはなく、例えば、図3に示されているように、矩形であってもよい。
【0032】
また、図4に示されているように、引掛用突出部22の突出先端には切欠開口部20の奥部20Bの側に膨出した半円形の抜止膨出部24が形成されていてもよい。この実施形態では、引掛用突出部22に引っ掛けた手提げ部102が引掛用突出部22より抜け落ちよう動きが抜止膨出部24によって止められ、手提げ部102が引掛用突出部22より抜け落ち難くなる。
【0033】
また、図5に示されているように、引掛用突出部22は奥部20Bに側に曲がった形状をしていてもよい。引掛用突出部22が奥部20Bに側に曲がった形状していることにより、引掛用突出部22が天板外縁14Aの外方に出っ張ることなくがなく、引掛用突出部22が真っ直ぐな場合よりも、手提げ部102が引掛用突出部22より抜け落ち難くなる。
【0034】
更には、図6に示されているように、引掛用突出部22の先端に、奥部20B側にC形に湾曲した抜止部26が形成されていてもよく、この場合には手提げ部102が引掛用突出部22より、より一層、抜け落ち難くなる。
【0035】
なお、引掛用突出部22は必ずしも切込入口部20Aの両側に設けられている必要はなく、切欠開口部20は、図7に示されているように、切込入口部20Aの片側だけに引掛用突出部22を形成する鉤形であってもよい。また、切込入口部20Aの切欠幅Aが奥部20Bの切欠幅Bより小さいことが必須ではなく、図8に示されているように、切込入口部20Aの切欠幅と奥部20Bの切欠幅(最大幅)とが同じであってもよい。
【0036】
なお、本発明による天板は、ダイニングテーブル用の天板に限られることはなく、各種テーブル、シンク台やガス台等のキッチンキャビネットの天板にも適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 ダイニングテーブル
12 脚体
14 天板
16 クッションパッド
20 切欠開口部
20A 切込入口部
20B 奥部
22 引掛用突出部
24 抜止膨出部
26 抜止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板外縁から天板内方に切り込まれた切欠開口部を有し、当該切欠開口部の切込入口の少なくとも片側に天板の一部によって引掛用突出部を形成された天板。
【請求項2】
前記切欠開口部の切込入口の切欠幅が当該切欠開口部の奥部の切欠幅より小さい請求項1に記載の天板。
【請求項3】
前記引掛用突出部は突出先端に前記切欠開口部の側に膨出した抜止膨出部を有している請求項1または2に記載の天板。
【請求項4】
前記引掛用突出部は前記切欠開口部の側に湾曲した形状をしている請求項1から3の何れか一項に記載の天板。
【請求項5】
前記引掛用突出部の上面が天板の主要部の上面より摩擦抵抗が大きい滑り止め面になっている請求項1から4の何れか一項に記載の天板。
【請求項6】
前記切欠開口部の切込入口が前記天板外縁の法線方向に延在している請求項1から5の何れか一項に記載の天板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−157615(P2012−157615A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20636(P2011−20636)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【出願人】(501300104)学校法人 多摩美術大学 (25)
【Fターム(参考)】