説明

天気予報表示システム

【課題】 この発明は、メッシュ天気予報を基に、郵便番号区域の代表点を用いて天気予報データを取得するようにした天気予報表示システムに関する。
【解決手段】郵便番号区域の境界線を示すポリゴンデータを基に算出された重心点を郵便番号区域の代表点とし、その座標が、一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データのどの個別メッシュに含まれるか否か判定しておき、個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュに属する代表点を有する郵便番号群と、前記個別メッシュの天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルを作成し、このテーブルをデジタルデータ放送により放送し、受信装置では、前記テーブルと入力された郵便番号とを照合して天気予報データを外部表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルデータ放送またはインターネットを利用した天気予報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータ放送で提供される天気予報などの気象情報は、気象庁の多数のアメダス観測所(以下、アメダスポイントとする)で観測された気象情報を用いている。
そして、アメダスポイントの気象情報と、郵便番号で指定される区域(以下、郵便番号区域とする)とを関連付けたテーブルからなるデータベースを放送し、受信機側では受信したデータを基に、郵便番号を入力することで指定されたアメダスポイントの気象情報を外部表示させることができるようになっている。
上記構成では、1つの郵便番号区域に対して1つのアメダスポイントを関連づけているので、例えば、市町村合併などで郵便番号の統合が行われると、これに関連づけられるアメダスポイントはいずれか1つとなってしまい、他のアメダスポイントとは関連づけられなくなる。
そのため、郵便番号区域に対してアメダスポイントの位置が一方に偏っている場合などは正確な気象情報が得られないという問題点がある。
また、アメダスポイントを基準とする場合には、自動車などの移動体で天気予報データを得るには、移動体の現在位置座標を基に、最も近い距離にあるアメダスポイントを求め、そのアメダスポイントの気象情報を取得することになるが、移動中は常時アメダスポイントとの距離を算出し、比較して最も近距離のものを判定する必要があり、繁雑な手間がかかる。
一方、経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される気象情報(例えば20Kmメッシュ天気予報など)が知られているが、地図データと組み合わされて使用されるだけであり、郵便番号と関連づけて使用されることはなかった。
また、このことはインターネットで提供される天気予報などの気象情報においても同様であった。
【特許文献1】特開2003−21687
【特許文献2】特開2005−51748
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その主たる課題は、アメダスポイントの代わりに経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データを用い、郵便番号区域または行政区画の代表点が上記個別メッシュのどれに属するかを判定し、決定された個別メッシュの天気予報データを外部表示するようにした天気予報表示システムを提供することにある。
また、GPS等の位置座標を計測する装置を用いることで郵便番号区域または行政区画の代表点に変えて位置座標として得られた緯度、経度座標が上記個別メッシュのどれに属するかを判定して決定された個別メッシュの天気予報データを外部表示するようにした天気予報表示システムを提供することにある。
この発明で、天気予報表示システムは、放送局で放送するシステムと、通信ネットワークを用いて通信するシステムのいずれであってもよく、放送または通信ネットワークで送信するデータを作成するシステム、送信されたデータを受信した受信装置が天気予報データを外部表示させるシステム、またはこれらを含んだ全体システムをいう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データの各個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記個別メッシュに対応する天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記地域別天気予報テーブルを記録して、放送または通信により受信装置にデータ送信するデータ送信手段と、
前記地域別天気予報テーブルを受信する受信装置と、
受信装置に接続されて、緯度・経度を入力する入力手段と、
前記入力された緯度・経度を基に地域別天気予報テーブルと照合し、該当する個別メッシュの天気予報データを特定する天気予報決定手段と、
特定された天気予報データを受信装置に接続された外部表示装置に表示する外部表示手段とからなっていることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータが、郵便番号区域または行政区画の境界線内に設定された内点を郵便番号区域または行政区画の代表点とする緯度、経度座標からなっており、
地域別天気予報テーブルが、個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュのエリアに属する代表点を有する郵便番号群または行政区画群のデータと、前記個別メッシュに対応する天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルとからなっており、
入力手段で、郵便番号または行政区画を入力すると、該郵便番号区域または行政区画に対応する代表点が照合され、その代表点が属する個別メッシュが特定され、該個別メッシュの天気予報データが外部表示装置に表示されることを特徴とする。
請求項3の発明では、
前記データ送信手段が、地域別天気予報テーブルをデジタルデータ放送として放送するデジタル放送手段からなっており、
受信装置が、前記デジタルデータ放送を受信して記憶するメモリを備えていることを特徴とする。
請求項4の発明では、
前記データ送信手段が、地域別天気予報テーブルをメモリに記憶したホストコンピュータと通信ネットワークとからなっており、
該ホストコンピュータに通信ネットワークを介して接続された受信装置が、前記地域別天気予報テーブルにアクセスして、入力手段により入力した緯度、経度座標を基に、該緯度、経度座標が属する個別メッシュを判定し、判定された個別メッシュの天気予報データを外部表示手段に外部表示しうることを特徴とする。
また、請求項5の発明では、
郵便番号区域または行政区画の代表点が、郵便番号区域または行政区画の境界線を示すポリゴンデータを基に算出された重心点座標または該重心点座標を補正した補正点座標からなっていることを特徴とする。
更に、請求項6の発明では、
経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される第1天気予報データの各第1個別メッシュを指定するデータと、指定された第1個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記第1個別メッシュに対応する天気予報データとからなる第1地域別天気予報テーブルを作成する第1テーブル作成手段と、
前記第1地域別天気予報テーブルを記録してデジタルデータ放送により放送する放送手段と、
分割するメッシュ単位を前記天気予報データのメッシュ単位よりも短い間隔に分割してメッシュ単位に提供される第2天気予報データの各第2個別メッシュを指定するデータと、指定された第2個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記第2個別メッシュに対応する天気予報データとからなる第2地域別天気予報テーブルを作成する第2テーブル作成手段と、
前記第2地域別天気予報テーブルをメモリに記憶したホストコンピュータからなっており、
放送された前記第1地域別天気予報テーブルを受信する受信装置と、
受信装置に接続されて、緯度・経度を入力する入力手段と、
前記入力された緯度・経度を基に第1地域別天気予報テーブルと照合し、該当する第1個別メッシュの天気予報データを特定する第1天気予報決定手段と、
特定された天気予報が雨天などの要注意天気情報の場合に、前記ホストコンピュータに通信ネットワークを介して接続する接続手段と、前記入力された緯度、経度を基に第2地域別天気予報テーブルと照合し、該当する第2個別メッシュの天気予報データを特定する第2天気予報決定手段と、
前記第1または第2天気予報決定手段で特定された天気予報データを受信装置に接続された外部表示装置に表示する外部表示手段とからなっていることを特徴とする。
請求項7の発明では、
経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データの前記各個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記個別メッシュに対応する天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルを受信する受信装置からなって、
前記緯度、経度データは、前記個別メッシュのエリア内に含まれる緯度、経度データからなっており、
前記受信装置に接続されたメモリに前記地域別天気予報テーブルを記録し、
前記受信装置に接続された入力手段で位置座標を入力すると、記録された前記地域別天気予報テーブルと照合し、該当する個別メッシュの天気予報データを特定して、外部表示装置に表示することを特徴とする。
請求項8の発明では、
前記緯度、経度データが、郵便番号区域もしくは行政区画の境界線内に設定された内点を郵便番号区域または行政区画の代表点とする緯度、経度データであって、該代表点が前記個別メッシュのエリア内に含まれると判定され緯度、経度データからなっており、入力手段で郵便番号または行政区画を入力すると、記録された前記地域別天気予報テーブルと照合し、該当する個別メッシュの天気予報データを特定して、外部表示装置に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明は、従来のアメダスポイントに依拠せず、郵便番号区域または行政区画の重心点やその境界線内の内点を代表点として、該代表点が個別メッシュに含まれるか否か判定することで、郵便番号区域または行政区画の地域の天気予報を取得することができる。
従って、郵便番号の統廃合が行われても、天気予報が偏ることなく、より正確な天気予報データを取得することができる。
また、移動型や携帯型においては、移動する物や人の位置座標がどの個別メッシュのエリアに属するかを判定するだけで気象情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明は、郵便番号区域または行政地区の代表点、もしくは現在地などの位置データを基に、その地区の天気予報データをメッシュ型の天気予報データから照合することで、正確な天気予報データを簡単に外部表示しうることを実現した。
【実施例1】
【0007】
以下に、この発明の天気予報表示システムの好適実施例について図1を参照しながら説明する。
本実施例では、まず、郵便番号区域のポリゴンデータと、メッシュ単位で提供される天気予報データとを基にして、コンピュータによって地域別天気予報テーブル5を作成することができる。
【0008】
[代表点の算出]
7桁の郵便番号に対応する地域の二次元での概略の境界線を示すデータとして、郵便番号毎のポリゴンデータ1がある。
この郵便番号区域のポリゴンデータ1を用いれば、郵便番号区域の重心点の緯度経度座標を算出することができ、この重心点の座標を前記郵便番号区域の代表点の座標とする。
ここで重心点の座標が、例えば、人があまり居住しない山林や谷、あるいは川や湖など過疎地の場合には、境界線内に含まれる他の地点(内点とする)を代表点とすることができる。
例えば、重心点に直近の町や村、あるいは郵便番号区域の中で最大の人口を擁する町や村の中心を代表点に修正することが好ましい(代表点算出手段3)。
【0009】
[個別メッシュの判定]
また、経線と緯線によって一定間隔、例えば20Km間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データ2、即ち、20kmメッシュ地域の天気予報データが気象庁などから提供されている。
上記メッシュの間隔は一例であって、気象情報会社では、適宜間隔に狭めてメッシュを細分化し、該メッシュの1つである個別メッシュについて、これに対応する天気予報データの予報を修正したものも提供している。
この発明では、このような適宜間隔のメッシュ単位で提供される天気予報データを用いる。
【0010】
ここで、メッシュを構成する各個別メッシュは、経線と緯線によって一点間隔で分割されているので、個別メッシュのエリアについては、個別メッシュを定義する4つの交点のうち1つの座標を特定すれば他の交点は容易に算出することができるし、個別メッシュの範囲についても緯度経度座標によって特定することができる(図4(a)参照)。
そこで、判定手段4によって前記郵便番号区域の代表点の座標が、どの個別メッシュのエリアに属するかを判定する。
【0011】
[地域別天気予報テーブル]
このようにして、個別メッシュ単位で、個別メッシュの識別子と、該個別メッシュに属する郵便番号区域のグループ(郵便番号群)と、個別メッシュ毎に提供される天気予報データとからなる地域別天気予報テーブル5が作成される。
一例を示すと、前記テーブル5には、個別メッシュのIDとして例えば個別メッシュの北西側の交点(図4(a)では左上の交点)の座標が用いられる。
【0012】
個別メッシュに属する郵便番号群としては、前記個別メッシュのエリアに前記代表点が属すると判定された全ての郵便番号区域が用いられる。
次いで、前記個別メッシュについての天気予報データとして例えば3時間予報(3時間毎の天気予報)が用いられる。
このようにして地域別天気予報テーブルには、各個別メッシュと、これに関連づけられた郵便番号区域と天気予報のデータとが記録される。
【0013】
[デジタル放送]
上記のように作成された地域別天気予報テーブル5は、コンピュータによって、例えばデジタルハイビジョン放送などのデジタルデータ放送のコンテンツとして放送局から放送6される。
【0014】
[受信装置]
前記デジタルデータ放送を受信する受信装置10として、例えば、ハイビジョンテレビ、携帯電話、カーナビゲーション、放送受信機能を持つパーソナルコンピュータなどが用いられる。
この受信装置10では、前記デジタルデータ放送を受信し、その受信データの中から前記地域別天気予報テーブル5を、前記受信装置10に接続されたメモリ11に順次記録していく。
【0015】
また、受信装置10には、入力手段12が接続されており、ユーザーが郵便番号を入力すると、コントローラ10aが、メモリ11に記録された前記地域別天気予報テーブル5のデータを照合して、入力された郵便番号区域が属する個別メッシュを判定し、該当する個別メッシュの天気予報データを読み出し、受信装置10に接続されたディスプレイなどの外部表示手段13に前記天気予報データを表示する。
【実施例2】
【0016】
上記実施例では、郵便番号区域を基にして天気予報を照合する場合を例示したが、図2に示す実施例2の天気予報表示システムのように、市や字丁目などで分割された行政区画の地域を基準にしてもよい。
即ち、行政区画の地域(例えば丁目・字界)に対応する二次元での境界線も、ポリゴンデータ1によって表現される。
【0017】
この行政区画の境界線のポリゴンデータ1を用いて、代表点算出手段3により、行政区画の地域の重心点の緯度経度座標を算出し、この座標を前記行政区画地域の代表点とする。
そして、郵便番号区域の代表点に代えて行政区画の代表点を用いてこれが属する個別メッシュの判定を判定手段4で行い、地域別天気予報テーブル5を作成する。
【0018】
また、個別メッシュに属する行政区画群としては、前記個別メッシュのエリアに前記代表点が属すると判定された全ての行政区画が表示されるが、文字に限らず、行政区画に付与された番号などで特定してもよい。
その他の構成は、前記実施例1と同様であり、受信装置10では郵便番号区域に代えて行政区画を入力することで、当該行政区画の天気予報を外部表示することができる。
【実施例3】
【0019】
地域別天気予報テーブルには、個別メッシュに属する郵便番号群と行政区画群の両方を関連づけてもよい。
この発明では、郵便番号区域と行政区画のそれぞれの代表点を算出して、代表点が属する個別メッシュを判定してもよいが、いずれか一方の代表点を算出して個別メッシュを判定した後に、いずれか他方を自動的に決めてもよい。
【0020】
即ち、図3に示す実施例3の天気予報表示システムでは、郵便番号区域とこれに対応する行政区画が記録されたテーブル25を用い、郵便番号区域の代表点により判定手段4で個別メッシュを判定し、該個別メッシュに属する郵便番号群が決まった後に、該郵便番号群のそれぞれに対応する行政区画を前記テーブル25を用いて照合し、個別メッシュに属する行政区画群として、地域別天気予報テーブル5を形成してもよい。
その他の構成は前記実施例と同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【0021】
また、この実施例3では郵便番号区域の代表点を求める場合を示したが、逆に行政区画の代表点を求め、前記テーブル25で郵便番号区域(郵便番号で表す)を照合して地域別天気予報テーブル5の郵便番号群のデータを取得する構成としてもよい。
【実施例4】
【0022】
個別メッシュは、前述のように座標で特定できるので、前記地域別天気予報テーブル5には、個別メッシュのエリアを特定する座標データを記録しておくことが好ましい。
実施例4の天気予報表示システムでは、図4(a)に示すように、個別メッシュのIDを前述のように各個別メッシュの北西(図中左上)の交点座標とすれば、個別メッシュのエリアを、緯度と経度の幅で表現することができる。
【0023】
例えば個別メッシュのIDをP1(x1,y1)とする個別メッシュの場合、各メッシュの緯度の間隔はaKmとし、経度の間隔はbKmとした場合に、個別メッシュP1のエリアは、(x1〜x1+a,y1〜y1+b)となるので、このエリアの座標を前記地域別天気予報テーブル5に追加する(図4(b)参照)。
本実施例では実施例1の地域別天気予報テーブル5に追加した場合を例示したが、その他の実施例の地域別天気予報テーブル5でもよい。
【0024】
地域別天気予報テーブル5が上記構成から成っている場合、例えば自動車のGPSなどの位置測定機能付きカーナビゲーション装置が受信装置の場合に、GPSで走行中の現在位置の座標を取得し、この現在位置の座標を基に、前記地域別天気予報テーブル5の個別メッシュのエリアの座標データと照合し、現在位置の座標が属する個別メッシュを判定して、該個別メッシュの天気予報データを外部表示することができる。
【0025】
例えば図5に示すように、自動車の経路がM1−M2−M3−M6の個別メッシュを通過する場合に、自動車の現在位置座標が得られれば地域別天気予報テーブルから直ちに個別メッシュが判定され、天気予報データを読み出すことができる。
従って、受信装置10がカーナビゲーション装置の場合、到達目的地点を設定し、所定の条件に基づいて経路判定手段で図5に曲線で示す経路が判定される。
この経路を構成する通過予定地点の位置座標を基に、地域別天気予報テーブル5からP1、P2、P3、P6のそれぞれの個別メッシュを通過することが分かる。
【0026】
そして、設定時刻を基に経路判定手段で経路の通過予定時間を判定し、各個別メッシュの通過予定時間(または個別メッシュ中の任意の地点の通過予定時間でもよい)を基に、各個別メッシュの時間別天気予報データ(例えば3時間間隔の天気予報データ)から、前記通過予定時間が属する時間帯の天気予報データを取得する。
これにより、各通過予定地点の通過予定時間における天気予報を受信装置10の画面上に同時に表示することができる(図6参照)。
【0027】
これを利用して、例えば、受信装置10に、図7に示す推奨経路判定手段を設けてもよい。
まず、入力手段で到達目的地点と到達予定時間を入力する。そして推奨経路判定手段で到達目的地点の経路となりうる範囲内の個別メッシュであって、且つ前記到達予定時間の範囲で、晴れまたは曇天などの所定の天気予報となる個別メッシュを前記地域別天気予報テーブル5と照合して判定する。
そして、この判定された個別メッシュの組合せにより目的地への到達が可能な推奨経路を1または複数判定し、複数ある場合にはその中から最適の経路を決定することができる。
これによれば、雨天を避けた経路を選択することが可能となる。
【実施例5】
【0028】
上記実施例では、デジタルデータ放送を用いた場合を例示したが、コンピュータネットワークを利用して地域別天気予報テーブルを提供する構造としてもよい。
例えば、図8に示すように、ホストコンピュータ20のデーターベース21に地域別天気予報テーブル5を格納しておく。
カーナビゲーション装置の受信装置10がコンピュータ通信機能を有している場合に、携帯電話などの通信回線を介して前記ホストコンピュータ20と接続する。
そして、受信装置10では、GPSなどの位置測定機能から得た位置データ(緯度経度座標)をホストコンピュータ20へ送り、ホストコンピュータ20では、前記位置データを地域別天気予報テーブル5と照合して、位置データに対応する個別メッシュの天気予報データを判定し、判定した天気予報データを受信装置10に出力する。
受信装置10では得られた天気予報データを基に外部表示する。
【0029】
上記実施例では、ホストコンピュータ20側で位置データを基に天気予報を判定する天気予報判定手段を設けた場合を例示したが、受信装置10がホストコンピュータ20に接続されるとホストコンピュータ20から前記地域別天気予報テーブル5のデータを受信装置10のメモリにダウンロードさせる構成とし、受信装置10側でメモリに記録された地域別天気予報テーブル5から位置データに対応する天気予報データを照合する構成としてもよい。
なお、いずれの場合も、経路判定手段を用いて、目的地までの全ての通過予定地点の天気予報を判定し同時に外部表示しうる点は前記と同様である。
【実施例6】
【0030】
更に、デジタルデータ放送を用いた天気予報システムと、通信ネットワークを用いた天気予報ネットワークを補完して使用するシステムであってもよい。
これはデジタルデータ放送で送信する地域別天気予報テーブル(説明の便宜上、第1地域別天気予報テーブル5とする)は、個別メッシュが比較的大きく、データ容量も少ないものが用いられるが、通信ネットワークで用いる地域別天気予報テーブル(説明の便宜上、第2地域別天気予報テーブル25とする)は、受信装置10でアクセスするだけであればデータ容量が大きくても良いので、個別メッシュが小さく、詳細な天気予報データを用いることができる。
【0031】
そこで、図9に示す天気予報システムでは、前記実施例1〜4と同様にデジタルデータ放送を用いて第1地域別天気予報テーブル5を放送し、これを受信し記録した受信装置10によって前記実施例と同様に天気予報データを得る。
上記構成は、前記実施例と同様であるのでその説明を省略する。なお、説明上、個別メッシュは第1個別メッシュとし、テーブル作成手段は第1テーブル作成手段として区別する。
そして、例えば、GPSで得られた現在位置や入力手段で入力した任意の位置座標、あるいは受信装置10に設けられた経路判定手段によって通過予定地点が設定され、該設定された通過予定地点の天気予報が判定された場合に、要注意天気判定手段24により、上記天気予報が雨天や台風などの予め設定した要注意天気と判定された場合に、自動的に、または手動により受信装置10が通信ネットワークと接続できるようになっている。
【0032】
この場合、要注意天気情報となった地点の位置座標と時間のデータが受信装置10からホストコンピュータ30に送信され、より詳細な第2地域別天気予報テーブル25と照合して、より詳細な気象情報を出力し、受信装置10に送信することができる。
これにより、受信装置10には、必要に応じてより詳細な気象情報を表示させることができる。
この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうるこ勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例1の天気予報表示システムのブロック図である。
【図2】実施例2の天気予報表示システムのブロック図である。
【図3】実施例3の天気予報表示システムのブロック図である。
【図4】(a)は個別メッシュを説明する図、(b)は実施例4の地域別天気予報テーブルの一部を示す図である。
【図5】自動車の位置を基に天気予報データを取得するための説明図である。
【図6】経路判定手段を示すブロック図である。
【図7】推奨経路判定手段を示すブロック図である。
【図8】実施例5の天気予報表示システムのブロック図である。
【図9】実施例6の天気予報表示システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ポリゴンデータ
2 天気予報データ
3 代表点算出手段
4 判定手段
5 地域別天気予報テーブル
6 放送
10 受信装置
11 メモリ
12 入力手段
13 外部表示手段
20 ホストコンピュータ
25 第2地域別天気予報テーブル
30 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データの各個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記個別メッシュに対応する天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記地域別天気予報テーブルを記録して、放送または通信により受信装置にデータ送信するデータ送信手段と、
前記地域別天気予報テーブルを受信する受信装置と、
受信装置に接続されて、緯度・経度を入力する入力手段と、
前記入力された緯度・経度を基に地域別天気予報テーブルと照合し、該当する個別メッシュの天気予報データを特定する天気予報決定手段と、
特定された天気予報データを受信装置に接続された外部表示装置に表示する外部表示手段とからなっていることを特徴とする天気予報表示システム。
【請求項2】
個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータが、郵便番号で指定される区域または行政区画の境界線内に設定された内点を郵便番号で指定される区域または行政区画の代表点とする緯度、経度座標からなっており、
地域別天気予報テーブルが、個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュのエリアに属する代表点を有する郵便番号群または行政区画群のデータと、前記個別メッシュに対応する天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルとからなっており、
入力手段で、郵便番号または行政区画を入力すると、該郵便番号で指定される区域または行政区画に対応する代表点が照合され、その代表点が属する個別メッシュが特定され、該個別メッシュの天気予報データが外部表示装置に表示されることを特徴とする請求項1に記載の天気予報表示システム。
【請求項3】
データ送信手段が、地域別天気予報テーブルをデジタルデータ放送として放送するデジタル放送手段からなっており、
受信装置が、前記デジタルデータ放送を受信して記憶するメモリを備えていることを特徴とする請求項1に記載の天気予報表示システム。
【請求項4】
データ送信手段が、地域別天気予報テーブルをメモリに記憶したホストコンピュータと通信ネットワークとからなっており、
該ホストコンピュータに通信ネットワークを介して接続された受信装置が、前記地域別天気予報テーブルにアクセスして、入力手段により入力した緯度、経度座標を基に、該緯度、経度座標が属する個別メッシュを判定し、判定された個別メッシュの天気予報データを外部表示手段に外部表示しうることを特徴とする請求項1に記載の天気予報表示システム。
【請求項5】
郵便番号で指定される区域または行政区画の代表点が、郵便番号で指定される区域または行政区画の境界線を示すポリゴンデータを基に算出された重心点座標または該重心点座標を補正した補正点座標からなっていることを特徴とする請求項1に記載の天気予報表示システム。
【請求項6】
経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される第1天気予報データの各第1個別メッシュを指定するデータと、指定された第1個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記第1個別メッシュに対応する天気予報データとからなる第1地域別天気予報テーブルを作成する第1テーブル作成手段と、
前記第1地域別天気予報テーブルを記録してデジタルデータ放送により放送する放送手段と、
分割するメッシュ単位を前記天気予報データのメッシュ単位よりも短い間隔に分割してメッシュ単位に提供される第2天気予報データの各第2個別メッシュを指定するデータと、指定された第2個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記第2個別メッシュに対応する天気予報データとからなる第2地域別天気予報テーブルを作成する第2テーブル作成手段と、
前記第2地域別天気予報テーブルをメモリに記憶したホストコンピュータからなっており、
放送された前記第1地域別天気予報テーブルを受信する受信装置と、
受信装置に接続されて、緯度・経度を入力する入力手段と、
前記入力された緯度・経度を基に第1地域別天気予報テーブルと照合し、該当する第1個別メッシュの天気予報データを特定する第1天気予報決定手段と、
特定された天気予報が雨天などの要注意天気情報の場合に、前記ホストコンピュータに通信ネットワークを介して接続する接続手段と、前記入力された緯度、経度を基に第2地域別天気予報テーブルと照合し、該当する第2個別メッシュの天気予報データを特定する第2天気予報決定手段と、
前記第1または第2天気予報決定手段で特定された天気予報データを受信装置に接続された外部表示装置に表示する外部表示手段とからなっていることを特徴とする天気予報表示システム。
【請求項7】
経線と緯線によって一定間隔に分割されたメッシュ単位に提供される天気予報データの前記各個別メッシュを指定するデータと、指定された個別メッシュのエリアに属する緯度、経度のデータと、前記個別メッシュに対応する天気予報データとからなる地域別天気予報テーブルを受信する受信装置からなって、
前記緯度、経度データは、前記個別メッシュのエリア内に含まれる緯度、経度データからなっており、
前記受信装置に接続されたメモリに前記地域別天気予報テーブルを記録し、
前記受信装置に接続された入力手段で位置座標を入力すると、記録された前記地域別天気予報テーブルと照合し、該当する個別メッシュの天気予報データを特定して、外部表示装置に表示することを特徴とする天気予報表示システム。
【請求項8】
緯度、経度データが、郵便番号で指定される区域もしくは行政区画の境界線内に設定された内点を郵便番号で指定される区域または行政区画の代表点とする緯度、経度データであって、該代表点が前記個別メッシュのエリア内に含まれると判定され緯度、経度データからなっており、入力手段で郵便番号または行政区画を入力すると、記録された前記地域別天気予報テーブルと照合し、該当する個別メッシュの天気予報データを特定して、外部表示装置に表示することを特徴とする請求項7に記載の天気予報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−292566(P2007−292566A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119942(P2006−119942)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(503322308)有限会社ワンパス (4)