説明

太陽光発電機能付照明装置

【課題】構造を簡略化できる太陽光発電機能付照明装置を提供する。
【解決手段】太陽光発電機能付照明装置10は、太陽電池12と、太陽電池12により発電した電力を蓄える蓄電池13と、蓄電池13の電力により点灯する照明部15と、太陽電池12の発電電圧および蓄電池13から照明部15へ供給される供給電力の平均値の低下を監視するとともに、照明部15を制御する制御部14と、を備え、発電電圧が基準電圧以下を一定時間継続したときに、制御部14が外部に報知する報知制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を取り込んで電力を発生する太陽電池を装備して街路灯や天井灯等に適用される太陽光発電機能付照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自然エネルギーにて発電する発電手段と、発電手段により発生した電力を蓄電する蓄電池とを備えた太陽光発電機能付照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、発電手段にて発生した電力の蓄電池への充電量を調整する充電量調整手段と、蓄電池から供給された電力にて動作する外部負荷と、蓄電池から外部負荷への電力供給を導通/遮断するスイッチを備えた独立電源装置を備える。
特許文献1は、独立電源装置の状態をセンサにて計測することにより独立電源装置の異常状態を判断する異常判断手段と、異常判断手段での判断結果をともに充電量調整手段、スイッチを制御して蓄電池への充電および放電を停止する異常制御手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−25480号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、照度センサの計測値があらかじめ定められた値以上であるのに太陽電池電圧センサの出力があらかじめ定められた値以下の場合に、太陽電池異常として異常の有無を表示手段にて表示する太陽電池異常監視手段を備える。
通常、太陽電池の損傷や接続外れおよび太陽電池の表面に積雪があった場合、太陽電池の発電電力が下がって蓄電池へ充電することができなくなり、このような状態は、数日以上継続することが一般的である。
ところが、特許文献1は、照度センサという専用の機器が必要である。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、照度センサが必要なく、構造が簡単な太陽光発電機能付照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る太陽光発電機能付照明装置は、太陽電池と、前記太陽電池により発電した電力を蓄える蓄電池と、前記蓄電池の前記電力により点灯する照明部と、前記太陽電池の発電電圧および前記蓄電池から前記照明部へ供給される供給電力の平均値の低下を監視するとともに、前記照明部を制御する制御部と、を備え、前記発電電圧が基準電圧以下を一定時間継続したときに、前記制御部が外部に報知する報知制御を行う。
【0007】
本発明に係る太陽光発電機能付照明装置は、前記照明部が最大照度で発光できる供給電力を前記蓄電池が前記照明部に供給できる程度に前記蓄電池に蓄電されたときから24時間経過後に、前記制御部が前記報知制御を行う。
【0008】
本発明に係る太陽光発電機能付照明装置は、前記制御部が、前記照明部を通常点灯とは異なる報知点灯させる。
【0009】
本発明に係る太陽光発電機能付照明装置は、表示装置を有し、前記制御部が、前記表示装置により前記報知制御を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る太陽光発電機能付照明装置によれば、照度センサが必要なく、構造を簡略化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置の側面図
【図2】本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置の回路構成図
【図3】本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置の太陽電池が正常のときの晴天時のタイミングチャート
【図4】本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置の太陽電池が正常のときの雨天時のタイミングチャート
【図5】本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置の太陽電池の不具合時のタイミングチャート
【図6】本発明に係る第2実施形態の太陽光発電機能付照明装置の太陽電池の不具合時のタイミングチャート
【図7】本発明に係る第3実施形態の太陽光発電機能付照明装置の回路構成図
【図8】本発明に係る第4実施形態の太陽光発電機能付照明装置の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る複数の実施形態の太陽光発電機能付照明装置について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置10は、地面90に埋設されるポール11と、ポール11の上端部に取り付けられた太陽電池パネル12と、ポール11の下部に取り付けられた蓄電池13および制御部14とを備える。
また、太陽光発電機能付照明装置10は、ポール11の上部に取り付けられた照明部15を備える。
【0013】
太陽電池パネル12は、太陽光を取り込んで電力を発生する。蓄電池13は、太陽電池パネル12が発電した電力を蓄える。照明部15は、蓄電池13に蓄電された電力により点灯する。照明部15は、下方に向けた配光特性を有する。
制御部14は、太陽電池パネル12の発電電圧および蓄電池13から照明部15へ供給される供給電力の平均値の低下を監視するとともに照明部15を制御する。
【0014】
図2に示すように、照明部15は、点灯装置16と、光源17とを備える。光源17には、LEDや電球が適用される。光源17がLEDである場合は点灯装置16が電源ユニットになる。光源17が電球である場合は点灯装置16がパワーコンディショナになる。
制御部14は、演算処理回路(マイコン)18を備え、太陽電池パネル12に電気的に接続された太陽電池発電電圧検知部19から演算処理回路18に太陽電池発電電圧測定値が与えられる。
制御部14は、タイマーとしてあらかじめ24時間が設定されていて、照明制御時間設定部20により日没後に点灯してから日出後に消灯するまでの時間が設定される。
また、演算処理回路18には、照明制御時間設定部20から判定時間値が与えられる。
【0015】
制御部14は、太陽電池パネル12にアノードが接続されたダイオードである逆流防止部21を備え、逆流防止部21のカソードが接続された充電制御部22を備える。
充電制御部22は、リレー等であり、演算処理回路18により検出された蓄電池13の蓄電容量値が所定値になるまで演算処理回路18より与えられる充電許可信号によりオンされることにより、太陽電池パネル12が発電した直流電力を蓄電池13に与える。
これとは異なり、充電制御部22は、演算処理回路18により検出された蓄電池13の蓄電容量値が所定値を超えると、演算処理回路18より与えられる充電禁止信号によりオフされることにより、蓄電池13への通電経路を遮断する。
【0016】
制御部14は、照明点灯制御部23と、蓄電池電圧検知部24とを備える。照明点灯制御部23は、リレー等であり、演算処理回路18より与えられる照明許可信号によりオンして蓄電池13に蓄電された電力を点灯装置16に与える。
これとは異なり、照明点灯制御部23は、演算処理回路18より与えられる照明禁止信号によりオフして蓄電池13から点灯装置16への通電経路を遮断する。
蓄電池電圧検知部24は、蓄電池13に蓄電されている電力を常時検知しており、検知した電力値信号を演算処理回路18に与えることにより、蓄電池13が過充電および過放電されないように制御する。
【0017】
制御部14は、演算処理回路18が、太陽電池発電電圧検知部19から与えられる太陽電池発電電圧測定値により太陽電池パネル12の発電電圧値を常時監視しており、与えられた太陽電池発電電圧測定値に基づいて点灯装置16を制御する。
具体的に、制御部14は、演算処理回路18が、日没を検知する発電電圧閾値V1および日出を検知する発電電圧閾値V2を格納している(図3参照)。
【0018】
制御部14は、演算処理回路18により、太陽電池パネル12の発電電圧が、発電電圧閾値V1を下回った時点を日没と検知して照明点灯制御部23をオンさせて照明部15の光源17を点灯させる。
制御部14は、演算処理回路18が、日没を検知してから一定時間経過後または日出を検知したときに照明点灯制御部23をオフさせて照明部15の光源17を消灯させる。
【0019】
制御部14は、演算処理回路18により、太陽電池パネル12の発電電圧が、発電電圧閾値V2および発電電圧閾値V1を下回ったことを検知したときに、クロックタイマ等により時間計測を開始する。
そして、演算処理回路18は、太陽電池パネル12の発電電圧が、発電電圧閾値V2を上回る時点まで時間計測を継続する。
すなわち、演算処理回路18は、照明部15が最大照度で発光できる供給電力を蓄電池13が照明部15に供給できる程度に蓄電池13に蓄電されたときから、時間計測を開始する。
そして、演算処理回路18は、計測された時間計測値が、照明制御時間設定部20から与えられた24時間の判定時間値を超えたときに、照明部15の光源17を、通常の点灯とは異なる間欠点灯で報知点灯させることにより、外部へ報知する報知制御を実行する。
【0020】
次に、太陽光発電機能付照明装置10の制御動作について説明する。
図3に示すように、太陽電池パネル12が正常のときの晴天時に、時点T10において日出があると、制御部14は、演算処理回路18により、太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V2を上回ったことが検知されるために、照明部15の光源17を消灯させる。
時点T11において日没があると、制御部14は、演算処理回路18により、太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V1を下回ったことが検知されるために、照明部15の光源17を点灯させる。
【0021】
このとき、制御部14は、演算処理回路18が、時点T11において時間計測を開始しており、時点T12において日出があり、太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V2を上回るまで時間計測が継続される。
そして、時点T12における演算処理回路18の時間計測値が、照明制御時間設定部20から与えられた時点T12から時点T13の以後の時点T14までに相当する24時間の判定時間値を超えないために、制御部14は報知制御を行わない。
【0022】
図4に示すように、太陽電池パネル12が正常のときの雨天時等に、日照が低い状態や、太陽電池パネル12の表面に影がかかる状態であっても、日中であれば、1日に1回は発電電圧閾値V2を上回る発電電圧が太陽電池パネル12から発生する。
晴天の日の時点T15において日出があり、時点T16において日没があって太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V1を下回ったことが検知される。
【0023】
制御部14は、演算処理回路18が、時点T16において時間計測を開始しており、雨天の日になった時点T17の以後の時点T18において太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V2を上回るまで時間計測が継続される。
そして、時点T18において、演算処理回路18の時間計測値が、24時間の判定時間値を超えないために、制御部14は報知制御を行わない。
【0024】
図5に示すように、時点T21において日出があり、時点T22において日没があって太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V1を下回ったことが検知されるために、制御部14は、演算処理回路18が、時点T22において時間計測を開始している。
このとき、太陽電池パネル12に破損や接続外れや太陽電池パネル12の表面への積雪等が生じていて、太陽電池パネル12が発電不能となっている場合、太陽電池パネル12は、発電電圧閾値V2および発電電圧閾値V1を下回る発電電圧しか発生しない。
【0025】
そのため、時点T23における日出の後の時点T24における日没および時点T24における日没の以後の時点T25において、演算処理回路18の時間計測値が、照明制御時間設定部20から与えられた24時間の判定時間値を超える。
つまり、太陽電池パネル12の発電電圧が、発電電圧閾値V1を上回らない時間が24時間の判定時間値を超えることになる。
これにより、制御部14は、時点T25から、照明部15の光源17を、通常の点灯とは異なる間欠点灯で報知点灯させることにより、外部へ報知する報知制御を実行する。
なお、演算処理回路18は、発電電圧閾値V2とは異なる判定電圧を設定することも可能であり、想定される夜間の時間以上の継続であれば不具合が発生したと検知することも可能である。
【0026】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の太陽光発電機能付照明装置10によれば、太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V1を下回る状態が一定時間以上継続したときに、制御部14が外部に報知する報知制御を行う。
従って、太陽光発電機能付照明装置10によれば、照度センサが必要なく、従来に比較して構造を簡略化できる。
【0027】
太陽光発電機能付照明装置10によれば、太陽電池パネル12の発電電圧の低下が24時間を超えて継続した場合について検知できることにより、早期の点検補修を促して可用性を向上できる。
【0028】
太陽光発電機能付照明装置10によれば、太陽電池パネル12の発電電圧の低下が24時間を超えて継続したときに、照明部15を通常の点灯とは異なる間欠点灯で報知点灯させることにより、新たな機器を付加することなく簡単に外部へ報知できる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の太陽光発電機能付照明装置について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0030】
図6に示すように、本発明に係る第2実施形態の太陽光発電機能付照明装置30は、制御部14による外部への報知制御が、照明部15の光源17を通常とは異なるものとして、連続的に調光する制御である。
演算処理回路18は、時点T22から時点T25までの間に計測した時間計測値が、時点T25において、24時間の判定時間値を超えたことを検知する。
そのため、制御部14は、照明部15の光源17を、消灯させない程度において、通常の点灯とは異なる連続的な調光により報知点灯させることにより、外部へ報知する報知制御を実行する。
【0031】
第2実施形態の太陽光発電機能付照明装置30によれば、太陽電池パネル12に不具合が生じたときに、消灯させない程度において、通常の点灯とは異なる連続的な調光による報知点灯で外部へ報知できる。
【0032】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の太陽光発電機能付照明装置について説明する。
図7に示すように、本発明に係る第3実施形態の太陽光発電機能付照明装置40は、液晶パネルやLEDパネル等である表示装置41を備えている。
表示装置41は、太陽電池パネル12の発電電圧が発電電圧閾値V1を下回る状態が24時間を超えて継続したときに、演算処理回路18から与えられる電気信号により、文字情報や画像情報として外部報知を行う。
【0033】
第3実施形態の太陽光発電機能付照明装置40によれば、太陽電池パネル12の不具合を表示装置41により明確に表示できる。
【0034】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の太陽光発電機能付照明装置について説明する。
図8に示すように、本発明に係る第4実施形態の太陽光発電機能付照明装置50は、演算処理回路18から与えられる不具合信号を送信する送信機51を備えている。
太陽光発電機能付照明装置50は、アンテナ52を通じて送信機51から不図示の外部の受信機に対して、太陽電池パネル12に不具合が生じていることを無線信号で伝送する。
なお、送信機51と受信機との信号の伝送は、無線に代えて有線であってもよい。
【0035】
第4実施形態の太陽光発電機能付照明装置50によれば、複数の太陽光発電機能付照明装置50を管理する管理棟等に受信機を設置することにより、複数の太陽電池パネル12の不具合を一括的に管理できる。
【0036】
なお、本発明の太陽光発電機能付照明装置においてポール,太陽電池パネル,蓄電池,照明部等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0037】
10,30,40,50 太陽光発電機能付照明装置
12 太陽電池パネル(太陽電池)
13 蓄電池
14 制御部
15 照明部
41 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と、
前記太陽電池により発電した電力を蓄える蓄電池と、
前記蓄電池の前記電力により点灯する照明部と、
前記太陽電池の発電電圧および前記蓄電池から前記照明部へ供給される供給電力の平均値の低下を監視するとともに、前記照明部を制御する制御部と、を備え、
前記発電電圧が基準電圧以下を一定時間継続したときに、前記制御部が外部に報知する報知制御を行う太陽光発電機能付照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽光発電機能付照明装置であって、
前記照明部が最大照度で発光できる供給電力を前記蓄電池が前記照明部に供給できる程度に前記蓄電池に蓄電されたときから24時間経過後に、前記制御部が前記報知制御を行う太陽光発電機能付照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽光発電機能付照明装置であって、
前記制御部が、前記照明部を通常点灯とは異なる報知点灯させる太陽光発電機能付照明装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の太陽光発電機能付照明装置であって、
表示装置を有し、
前記制御部が、前記表示装置により前記報知制御を行う太陽光発電機能付照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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