説明

太陽電池およびその製造方法

【課題】太陽電池に入射する太陽光の吸収率が増加した太陽電池を提供する。また、前記太陽電池を含む多様な種類の太陽電池も製造することができる太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池の製造方法において、太陽光が入射する第1面に対向する基板の第2面上に半導体層が形成される。前記半導体層上に第1不純物ガスが吸着する。前記半導体層にレーザーを加えて第1ドーピングパターンが形成される。したがって、太陽電池の基板の前面に入射する太陽光の損失を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池およびその製造方法に関し、より詳細には、後面コンタクトタイプの太陽電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、太陽電池は、太陽光が入射する前面および前記前面に対向する後面を含み、前記太陽光による前記太陽電池の光起電力(photovoltaic effect)を利用することにより、太陽光エネルギーを電気的エネルギーに変えるエネルギー変換素子である。前記太陽電池は、前記前面を介して太陽光が入射すると、基板の内部で電子と正孔が発生し、発生した電子と正孔が太陽電池の第1電極および第2電極に移動することにより、第1電極と第2電極の間の電位差である光起電力が発生する。このとき、前記太陽電池に負荷を連結すれば、電流が流れるようになる。
【0003】
前記太陽電池は、前記前面上に形成された第1電極を含み、前記後面上に形成された第2電極を含む。このとき、前記第1電極は、太陽光が入射する前面上に形成されるため、前記第1電極が形成された面積だけ太陽光の吸収率が減少する。
【0004】
また、前記太陽電池は、前記前面上に形成された第1電極を含む場合、前記前面上に正孔または電子を収集するP型またはN型の非晶質シリコンと、前記非晶質シリコンと前記第1電極をオーミック接触する透明導電性酸化物(Transparent Conductive Oxides:TCO)とをさらに含む。前記非晶質シリコンおよび前記透明導電性酸化物は太陽光を吸収するため、前記前面に入射する太陽光の吸収率が減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明は、太陽電池に入射する太陽光の吸収率が増加した太陽電池を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、前記太陽電池を含む多様な種類の太陽電池も製造することができる太陽電池の製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記本発明の目的を実現するために、一実施形態に係る太陽電池は、基板、半導体層、第1ドーピングパターン、および第2ドーピングパターンを含む。前記基板は、太陽光が入射する第1面、および前記第1面に対向する第2面を有する。前記半導体層は、前記第2面上に部分的に形成された絶縁パターン、および前記絶縁パターンが形成された領域外に形成された半導体パターンを含む。前記第1および第2ドーピングパターンは、前記半導体パターンに形成される。
【0008】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは、100Å〜200Åであってもよい。前記半導体パターンは、第1半導体パターン、および前記第1半導体パターンと離隔した第2半導体パターンを含んでもよい。前記第1ドーピングパターンは前記第1半導体パターン内に形成され、前記第2ドーピングパターンは前記第2半導体パターン内に形成されてもよい。
【0009】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは、50Å〜100Åであってもよい。前記半導体パターンは、第1半導体パターン、および前記第1半導体パターンと離隔した第2半導体パターンを含んでもよい。前記第1ドーピングパターンは前記第1半導体パターン上に形成され、前記第2ドーピングパターンは前記第2半導体パターン上に形成されてもよい。
【0010】
前記本発明の目的を実現するために、他の実施形態に係る太陽電池の製造方法は、前記太陽電池の製造方法であって、太陽光が入射する第1面に対向する基板の第2面上に半導体層が形成される。前記半導体層上に第1不純物ガスが吸着する。前記半導体層にレーザーを加えて第1ドーピングパターンが形成される。
【0011】
一実施形態において、前記太陽電池の製造方法であって、前記第1ドーピングパターン上に、反応性プラズマ蒸着法、イオンプレーティング蒸着法、およびインクジェットプリンティング法のうちの1つを利用してコンタクト層が形成されてもよい。
【0012】
一実施形態において、前記太陽電池の製造方法であって、前記コンタクト層上に前記第1ドーピングパターンと電気的に連結する電極が形成されてもよい。
【0013】
一実施形態において、前記太陽電池の製造方法であって、前記第1ドーピングパターンが形成された半導体層上に第2不純物ガスが吸着してもよい。前記半導体層に前記レーザーを加えることで、前記第1ドーピングパターンに隣接した第2ドーピングパターンが形成されてもよい。
【0014】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、前記第1および第2ドーピングパターンは前記半導体層内に形成されてもよい。
【0015】
一実施形態において、前記第1不純物ガスは塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)のうちの1つであり、前記第2不純物ガスはホスフィン(PH)であってもよい。
【0016】
一実施形態において、前記半導体層は、絶縁パターンおよび半導体パターンを含んでもよい。前記半導体層を形成する段階において、インクジェットプリンティング法によって前記絶縁パターンが形成され、前記絶縁パターンが形成された領域外に前記半導体パターンが形成されてもよい。
【0017】
前記本発明の目的を実現するために、他の実施形態に係る太陽電池の製造方法を提供する。前記太陽電池の製造方法において、太陽光が入射する第1面に対向する基板の第2面上に半導体層が形成される。前記半導体層上に、部分的に開口した第1マスクが配置される。前記第1マスクが配置された前記半導体層に第1プラズマを提供することで、第1ドーピングパターンが形成される。
【0018】
一実施形態において、前記太陽電池の製造方法であって、前記第1ドーピングパターン上に、反応性プラズマ蒸着法、イオンプレーティング蒸着法、およびインクジェットプリンティング法のうちの1つを利用してコンタクト層が形成されてもよい。
【0019】
一実施形態において、前記太陽電池の製造方法であって、前記コンタクト層上に前記第1ドーピングパターンと電気的に連結する電極が形成されてもよい。
【0020】
一実施形態において、前記太陽電池の製造方法であって、前記第1ドーピングパターンが形成された前記半導体層上に、部分的に開口した第2マスクが配置される。前記第2マスクが配置された前記半導体層に第2プラズマを提供することで、前記第1ドーピングパターンに隣接した第2ドーピングパターンが形成されてもよい。
【0021】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、前記第1および第2ドーピングパターンは前記半導体層内に形成されてもよい。
【0022】
一実施形態において、前記第1プラズマは塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)を利用して生成され、第2プラズマはホスフィン(PH)を利用して生成されてもよい。
【0023】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは50Å〜100Åであり、前記第1および第2ドーピングパターンは前記半導体層上に蒸着されてもよい。
【0024】
一実施形態において、前記第1プラズマは、塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)、シラン(SiH)、および水素(H)を利用して生成され、第2プラズマは、ホスフィン(PH)、シラン(SiH)、および水素(H)を利用して生成されてもよい。
【0025】
一実施形態において、前記半導体層は、絶縁パターンおよび半導体パターンを含んでもよい。前記半導体層を形成する段階において、インクジェットプリンティング法によって前記絶縁パターンが形成され、前記絶縁パターンが形成された領域外に前記半導体パターンが形成されてもよい。
【0026】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、前記第1ドーピングパターンは前記半導体パターン内に形成されてもよい。
【0027】
一実施形態において、前記半導体層の厚さは50Å〜100Åであり、前記第1ドーピングパターンは前記半導体パターン上に蒸着されてもよい。
【発明の効果】
【0028】
このような太陽電池および太陽電池の製造方法によれば、太陽電池の基板の後面に第1および第2ドーピングパターンを形成することにより、太陽電池の基板の前面に入射する太陽光の損失を減少させることができる。
【0029】
また、第1および第2ドーピングパターンをI型の非晶質半導体である半導体層に形成することにより、前記第1ドーピングパターンを前記第2ドーピングパターンから電気的に絶縁することができる。
【0030】
さらに、第1パッシベーション膜をI型の非晶質半導体で形成することにより、太陽光の吸収率を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池の斜視図である。
【図2】図1のI−I’ラインに沿って切断した太陽電池の断面図である。
【図3A】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図3B】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図3C】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図3D】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図3E】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図3F】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図3G】図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図4A】本発明の他の実施形態に係る太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図4B】本発明の他の実施形態に係る太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る太陽電池の斜視図である。
【図6】図5のII−II’ラインに沿って切断した太陽電池の断面図である。
【図7A】図5の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図7B】図5の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図7C】図5の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図7D】図5の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る太陽電池の斜視図である。
【図9】図8のIII−III’ラインに沿って切断した太陽電池の断面図である。
【図10A】図8の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図10B】図8の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図10C】図8の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図10D】図8の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図10E】図8の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【図10F】図8の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池の斜視図である。図2は、図1のI−I’ラインに沿って切断した太陽電池の断面図である。
【0034】
図1および図2を参照すれば、太陽電池100は、基板110、保護層120、半導体層130、コンタクト層140、および電極層150を含む。
【0035】
前記基板110は、太陽光が入射する前面111と、前記前面111に対向する後面112とを含む。前記基板110は、N(negative)型の結晶質シリコン基板またはP(positive)型の結晶質シリコン基板であってもよい。例えば、図1の実施形態では、前記基板110がN型の結晶質シリコン基板である。前記基板110は、前記太陽光が入射すれば、前記太陽光の光子(photon)によって前記基板110内で正孔(hole)と電子(electron)を生成する。前記正孔は、N型の結晶質シリコン基板の前記基板110と後述するP型の非晶質シリコンの第1ドーピングパターン(DP1)に向かって移動し、前記電子は後述するN型の非晶質シリコンの第2ドーピングパターン(DP2)に向かって移動する。前記第1ドーピングパターン(DP1)に移動した前記正孔および前記第2ドーピングパターン(DP2)に移動した前記電子は、前記電極層150に蓄積される。前記基板110は、前記太陽光の吸収率を増加させるために、前記前面111に凹凸を含む。
【0036】
前記保護層120は、第1パッシベーション膜121および反射防止膜122を含む。前記保護層120は、第2パッシベーション膜123をさらに含んでもよい。
【0037】
前記第1パッシベーション膜121は、前記凹凸が形成された前記基板110の前面111上に形成される。前記第1パッシベーション膜121は、前記基板110内に生成された正孔と電子の再結合を防ぐ。前記第1パッシベーション膜121は、I型の非晶質シリコン(intrinsic a−Si)、酸化シリコン(SiOx)、および酸化アルミニウム(Al)のうちの1つを含んでもよい。例えば、前記第1パッシベーション膜121が前記I型の非晶質シリコンを含む場合、前記I型の非晶質シリコンはP型またはN型の非晶質シリコンに比べて膜特性が良いため、前記基板110内に生成された電子および正孔の損失を減少させることができる。前記第1パッシベーション膜121の厚さは、約50Å〜約200Åであってもよい。
【0038】
前記反射防止膜122は、前記第1パッシベーション膜121上に形成される。前記反射防止膜122は、前記太陽光が前記前面111に入射するときに、前記太陽光の反射を防ぐ。前記反射防止膜122は、窒化シリコン(SiNx)を含んでもよい。前記反射防止膜122の厚さは、約700Å〜約1000Åであってもよい。
【0039】
前記第2パッシベーション膜123は、前記第1パッシベーション膜121上に形成され、前記第1パッシベーション膜121および前記反射防止膜122の間に形成されてもよい。前記第2パッシベーション膜123は、N型の非晶質シリコン(n a−Si)を含んでもよい。
【0040】
前記半導体層130は、前記基板110の後面112上に形成される。前記半導体層130は、I型の非晶質シリコン(intrinsica−Si)を含む。前記半導体層130の厚さは、約100Å〜約200Åであってもよい。前記半導体層130は、第1ドーピングパターン(DP1)および第2ドーピングパターン(DP2)を含む。前記第1ドーピングパターン(DP1)は第1不純物ガスであって、ドーピングされたP型のシリコンを含む。前記第1不純物ガスは、塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)であってもよい。前記第2ドーピングパターン(DP2)は第2不純物ガスであって、ドーピングされたN型のシリコン(N+型シリコン)を含む。前記第2不純物ガスは、ホスフィン(PH)であってもよい。
【0041】
前記第1ドーピングパターン(DP1)および前記第2ドーピングパターン(DP2)は、互いに離隔して形成される。例えば、本実施形態によれば、前記第1ドーピングパターン(DP1)は、第1方向(D1)に延長し、前記第1方向(D1)に交差する第2方向(D2)に平行に配列された第1パターン、および前記第2方向(D2)に延長し、前記第1パターンを連結する第2パターンを含む。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、前記第1方向(D1)に延長し、前記第2方向(D2)に平行に配列された第3パターン、および前記第2方向(D2)に延長し、前記第3パターンを連結する第4パターンを含む。前記第1パターンおよび前記第3パターンは順番に配置され、前記第2パターンおよび前記第4パターンは互いに対向する。
【0042】
前記コンタクト層140は、前記半導体層130の前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)上に形成される。前記コンタクト層140は、前記半導体層130と前記電極層150の間に形成され、オーミックコンタクト(ohmic contact)を形成する。前記コンタクト層140は、インジウム酸化物(Indium oxide)、酸化スズ(Tin oxide)、ジルコニウム酸化物(Zirconium oxide)にスズ(Sn)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)のうちの少なくとも1つを添加した透明導電性酸化物(Transparent Conductive Oxides:TCO)であってもよい。前記コンタクト層140の厚さは、約100Å〜約700Åであってもよい。前記コンタクト層140は、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)上に形成されるため、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)と同じ形状を有してもよい。
【0043】
前記電極層150は、前記コンタクト層140上に形成される。前記電極層150は、前記コンタクト層140のように、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)と同じ形状を有する。前記電極層150は、前記第1ドーピングパターン(DP1)に沿って形成された第1電極151、および前記第2ドーピングパターン(DP2)に沿って形成された第2電極152を含む。前記第1および第2電極151、152それぞれは、シード層(seed layer)、メイン電極、およびキャッピング層(capping layer)を含んでもよい。前記メイン電極は前記シード層上に形成され、前記キャッピング層は前記メイン電極上に形成される。前記シード層は銀(Ag)またはニッケル(Ni)を含み、前記メイン電極は銀(Ag)または銅(Cu)を含み、前記キャッピング層はスズ(Sn)を含んでもよい。
【0044】
前記第1電極151は、前記第1パターンに沿って形成された第1フィンガー電極151a、および前記第2パターンに沿って形成された第1バス電極151bを含み、前記第2電極152は、前記第3パターンに沿って形成された第2フィンガー電極152a、および前記第4パターンに沿って形成された第4バス電極152bを含んでもよい。したがって、前記第1フィンガー電極151aおよび前記第2フィンガー電極152aは順番に配置され、前記第1バス電極151bおよび前記第2バス電極152bは互いに対向する。
【0045】
図3A〜図3Gは、図1の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【0046】
図3Aを参照すれば、前記基板110の前面111にピラミッド形状の凹凸を形成(texturing)する。例えば、前記基板110の前面111に凹凸を形成するために、ウェットエッチングしたりドライエッチングしてもよい。
【0047】
前記ウェットエッチングの場合、前記基板110を、エッチング溶液を利用して、前記基板110の前面111および後面112に凹凸を形成する。前記エッチング溶液は、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)のアルカリ溶液にイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)または界面活性剤を添加した溶液である。前記凹凸が形成された前記前面111上に保護膜を形成する。前記保護膜は酸化シリコン(SiOx)を含む。次に、前記凹凸が形成された前記後面112を、水酸化カリウム(KOH)のアルカリ溶液を利用して前記凹凸を除去する。次に、前記保護膜が形成された前記前面111を洗浄して前記保護膜を除去する。したがって、前記基板110は、前記前面111にのみ凹凸を含む。
【0048】
これとは異なり、前記ドライエッチングの場合、前記基板110を反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)し、前記基板110の前面111にピラミッド形状の凹凸を形成する。前記反応性イオンエッチングには、塩素(Cl)、炭素テトラフルオロメタン(CF)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、および酸素(O)のうちの少なくとも1つ以上を利用してもよい。
【0049】
図3Bを参照すれば、前記凹凸が形成された前記前面111上に保護層120を形成する。例えば、前記凹凸が形成された前記前面111上に、前記第1パッシベーション膜121および前記反射防止膜122を順に形成する。前記第1パッシベーション膜121および前記反射防止膜122は、化学気相蒸着法(chemical vapor deposition:CVD)、スパッタリング法(sputtering)などの蒸着法を利用して形成されてもよい。前記第1パッシベーション膜121は、I型の非晶質シリコン(intrinsic a−Si)、酸化シリコン(SiOx)、および酸化アルミニウム(Al)のうちの1つを含んでもよい。前記反射防止膜122は、シリコンナイトライド(SiNx)を含んでもよい。例えば、前記第1パッシベーション膜121は約50Å〜約200Åの厚さに形成され、前記反射防止膜122は約700Å〜約1000Åの厚さに形成されてもよい。
【0050】
これとは異なり、前記第1パッシベーション膜121と前記反射防止膜122の間に、前記第2パッシベーション膜123をさらに形成してもよい。前記第2パッシベーション膜123は、化学気相蒸着法、スパッタリング法などの蒸着法を利用して形成されてもよい。前記第2パッシベーション膜123は、N型の非晶質シリコン(na−Si)を含んでもよい。
【0051】
図3Cを参照すれば、前記保護層120が形成された前記基板110の後面112上に半導体層130を形成する。前記半導体層130は、プラズマ補強化学気相蒸着法(plasma enhanced chemical vapor deposition:PECVD)を利用して形成されてもよい。例えば、前記半導体層130は、I型の非晶質シリコン、シラン(SiH)、および水素(H)のプラズマを利用して蒸着される。前記半導体層130は、後続工程で形成される第1ドーピングパターンの厚さおよび第2ドーピングパターンの厚さを考慮した上で、約100Å〜約200Åの厚さに形成されてもよい。
【0052】
図3Dを参照すれば、前記半導体層130内にガスエマルジョンレーザードーピング法(gas immersion laser doping:GILD)を利用して、第1不純物ガス(DG1)を第1ドーピング領域(DA1)にドーピングする。例えば、前記半導体層130が形成された前記基板110を第1不純物ガス(DG1)が発生するチャンバ内に配置し、前記半導体層130の表面に前記第1不純物ガス(DG1)を吸着させる。前記第1不純物ガス(DG1)は、塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)であってもよい。
【0053】
次に、前記第1不純物ガス(DG1)が吸着した前記半導体層130の表面上にエネルギーとしてレーザー(LS)を加えることで、前記第1不純物ガス(DG1)を前記半導体層130の第1ドーピング領域(DA1)に選択的にドーピングする。前記第1ドーピング領域(DA1)の深さは、約50Å〜約100Åであってもよい。前記第1不純物ガス(DG1)のドーピング後に、前記半導体層130の表面上に残存する前記第1不純物ガス(DG1)は、乾式洗浄によって除去されてもよい。
【0054】
図3Eを参照すれば、前記図3Dの工程によって前記第1ドーピング領域(DA1)に形成された第1ドーピングパターン(DP1)を有する前記半導体層130内に、ガスエマルジョンレーザードーピング法を利用して、第2不純物ガス(DG2)を前記第1ドーピング領域(DA1)から離隔した前記第2ドーピング領域(DP2)にドーピングする。例えば、前記第1ドーピングパターン(DP1)が形成された前記基板110を第2不純物ガス(DG2)が発生するチャンバ内に配置し、前記半導体層130の表面に前記第2不純物ガス(DG2)を吸着させる。前記第2不純物ガス(DG2)は、ホスフィン(PH)であってもよい。
【0055】
次に、前記第2不純物ガス(DG2)が吸着した前記半導体層130の表面上にエネルギーとしてレーザー(LS)を加えることで、前記第2不純物ガス(DG2)を前記第1ドーピング領域(DA1)に離隔した前記半導体層130の第2ドーピング領域(DA2)に選択的にドーピングする。前記第2ドーピング領域(DA2)の深さは、約50Å〜約100Åであってもよい。
【0056】
図3Fを参照すれば、前記図3Eの工程によって前記第2ドーピング領域(DA2)に第2ドーピングパターン(DP2)が形成される。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、前記第1ドーピングパターン(DP1)の幅よりも小さい幅を有してもよい。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、前記第1ドーピングパターン(DP1)から所定の間隔だけ離隔し、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)が形成されない半導体層130によって前記第1ドーピングパターン(DP1)と絶縁する。前記第2不純物ガス(DG2)のドーピング後に、前記半導体層130の表面上に残存する前記第2不純物ガス(DG2)は、乾式洗浄によって除去されてもよい。
【0057】
図3Gを参照すれば、前記半導体層130の前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)上に、反応性プラズマ蒸着法(reactive plasma deposition:RPD)、イオンプレーティング蒸着法(ion plating deposition)、またはインクジェットプリンティング法を利用してコンタクト層140を形成する。前記反応性プラズマ蒸着法または前記イオンプレーティング蒸着法の場合、前記コンタクト層140は、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)に対応する部分が開口したシャドーマスク(shadow mask)を利用して、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)上にインジウム酸化物(Indium oxide)、酸化スズ(Tin oxide)、ジルコニウム酸化物(Zirconium oxide)にスズ(Sn)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)のうちの少なくとも1つを添加した透明導電性酸化物を蒸着してもよい。
【0058】
これとは異なり、前記インクジェットプリンティング法の場合、前記コンタクト層140は、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)上に前記透明導電性酸化物を蒸着してもよい。前記コンタクト層140は、約100Å〜約700Åの厚さに形成されてもよい。
【0059】
再び図2を参照すれば、前記コンタクト層140上にスクリーンプリンティング法(screen printing)利用して電極層150を形成する。前記スクリーンプリンティング法の場合、前記コンタクト層140が形成された前記基板110上に、前記コンタクト層140に対応する部分が開口したマスクを配置し、前記マスクが配置された前記基板110上に銀(Ag)または銅(Cu)を塗布して単一層の電極層150を形成する。
【0060】
これとは異なり、図に示されてはいないが、前記コンタクト層140上にインクジェットプリンティング法を利用して銀(Ag)またはニッケル(Ni)でシード層を形成し、前記シード層上に前記スクリーンプリンティング法を利用して銀(Ag)または銅(Cu)でメイン電極を形成し、前記メイン電極上にメッキ法を利用してスズ(Sn)でキャッピング層を形成することにより、三層の電極層を形成してもよい。
【0061】
前記電極層150は、前記第1ドーピングパターン(DP1)に対応する第1電極151と、前記第2ドーピングパターン(DP2)に対応する第2電極152とを含む。
【0062】
図1の実施形態によれば、前記太陽電池100は、前記基板110の後面112上に形成された半導体層130内に、第1不純物ガスおよびレーザーを利用して前記第1および第2ドーピングパターンを形成することにより、前記前面111に入射する太陽光の損失を減少させることができる。
【0063】
図4Aおよび図4Bは、本発明の他の実施形態に係る太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【0064】
図4Aおよび図4Bの実施形態に係る太陽電池は、第1および第2ドーピングパターンを形成する方法を除いては、図1の実施形態に係る太陽電池と実質的に同じであるため、図1の実施形態に係る太陽電池と同じ構成要素には同じ図面番号を付与し、繰り返される説明は省略する。
【0065】
図4Aを参照すれば、I型の非晶質シリコンを含む前記半導体層130内に、プラズマドーピング法(plasma doping:PLAD)を利用して、第1不純物ガスを第1ドーピング領域(DA1)にドーピングする。例えば、前記半導体層130が形成された前記基板110上に、前記第1ドーピング領域(DA1)に対応する部分が開口した第1シャドーマスク(SM1)を配置する。前記第1シャドーマスク(SM1)が配置された前記基板110を、第1不純物ガスが流入するチャンバ内に配置する。前記チャンバ内で、放電などによる高エネルギーが前記第1不純物ガスに加わることによって前記第1不純物ガスをプラズマ化し、3族イオンを含む第1プラズマ(PL1)を前記半導体層130の前記第1ドーピング領域(DA1)に選択的にドーピングする。前記第1不純物ガスは塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)であり、前記3族イオンはホウ素(B)イオンであってもよい。前記第1ドーピングパターン(DP1)は、約50Å〜約100Åの厚さに形成されてもよい。次に、前記第1ドーピングパターン(DP1)は、熱処理またはレーザー加工を利用して活性化されてもよい。
【0066】
図2および図4Bを参照すれば、前記図4Aの工程によって前記第1ドーピング領域(DA1)に形成された第1ドーピングパターン(DP1)を有する前記半導体層130内に、プラズマドーピング法(plasma doping:PLAD)を利用して、第2不純物ガスを第2ドーピング領域(DA2)にドーピングする。例えば、前記第1ドーピングパターン(DP1)が形成された前記基板110上に、前記第2ドーピング領域(DA2)に対応する部分が開口した第2シャドーマスク(SM2)を配置する。前記第2シャドーマスク(SM2)が配置された前記基板110を、第2不純物ガスが流入するチャンバ内に配置する。前記チャンバ内で、放電などによる高エネルギーが前記第2不純物ガスに加わることによって前記第2不純物ガスをプラズマ化し、5族イオンを含む第2プラズマ(PL2)を前記半導体層130の前記第2ドーピング領域(DA2)に選択的にドーピングする。前記第2不純物ガス(DG2)はホスフィン(PH)であり、前記5族イオンはリン(P)イオンであってもよい。前記図4Bの工程により、前記第2ドーピング領域(DA2)に第2ドーピングパターン(DP2)が形成される。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、約50Å〜約100Åの厚さに形成されてもよい。次に、前記第2ドーピングパターン(DP2)は、熱処理またはレーザー加工を利用して活性化されてもよい。
【0067】
図4Aおよび図4Bに示した実施形態によれば、前記太陽電池100は、前記基板110の後面112上に形成された半導体層130内に、プラズマを利用して前記第1および第2ドーピングパターンを形成することにより、前記前面111に入射する太陽光の損失を減少させることができる。
【0068】
図5は、本発明の他の実施形態に係る太陽電池の斜視図である。図6は、図5のII−II’ラインに沿って切断した太陽電池の断面図である。
【0069】
図5の実施形態に係る太陽電池は、第1および第2ドーピングパターンを形成する方法を除いては、図1の実施形態に係る太陽電池と実質的に同じであるため、図1の実施形態に係る太陽電池と同じ構成要素には同じ図面番号を付与し、繰り返される説明は省略する。
【0070】
図5および図6を参照すれば、太陽電池200は、基板110、保護層120、半導体層160、第1ドーピングパターン(DP3)、第2ドーピングパターン(DP4)、コンタクト層140、および電極層150を含む。
【0071】
前記半導体層160は、前記基板110の後面112上に形成される。前記半導体層130は、I型の非晶質シリコン(intrinsic a−Si)を含む。前記半導体層160の厚さは、約50Å〜約100Åであってもよい。
【0072】
前記第1ドーピングパターン(DP3)は、前記半導体層160上に形成される。前記第1ドーピングパターン(DP3)は、第1不純物ガスとして蒸着されたP型シリコンを含む。前記第1不純物ガスは、塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)であってもよい。前記第2ドーピングパターン(DP4)は、前記半導体層160上に前記第1ドーピングパターン(DP3)と離隔して形成される。前記第2ドーピングパターン(DP4)は、第2不純物ガスとして蒸着されたN型シリコン(N+型シリコン)を含む。前記第2不純物ガスはホスフィン(PH)であってもよい。前記第1および第2ドーピングパターン(DP3、DP4)は、図1の実施形態に係る第1および第2ドーピングパターンと同じ形状を有してもよい。
【0073】
図7A〜図7Dは、図5および6に示す太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【0074】
図7Aを参照すれば、I型の非晶質シリコンを含む前記半導体層160上に、プラズマ補強化学気相蒸着法(PECVD)を利用して第1ドーピングパターン(DP3)を形成する。例えば、前記半導体層160が形成された前記基板110上に、前記第1ドーピングパターン(DP3)に対応する部分が開口した第1シャドーマスク(SM3)を配置する。前記第1シャドーマスク(SM3)が配置された前記基板110を、第1不純物ガスが流入するチャンバ内に配置する。前記チャンバ内で、放電などによる高エネルギーが前記第1不純物ガスに加わることで、前記第1不純物ガスを利用して第1プラズマ(PL3)を生成する。前記第1プラズマ(PL3)は、前記第1不純物ガスから生成された原子またはイオンを含み、前記原子またはイオン同士が反応し、前記半導体層160上に選択的に薄膜が蒸着される。前記第1不純物ガスは、シラン(SiH)および水素(H)に塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)を添加した混合ガスであってもよい。
【0075】
図7Bおよび図7Cを参照すれば、前記第1ドーピングパターン(DP3)が形成された前記半導体層160上に、前記プラズマ補強化学気相蒸着法(PECVD)を利用して第2ドーピングパターン(DP4)を形成する。例えば、前記第1ドーピングパターン(DP3)が形成された前記基板110上に、前記第2ドーピングパターン(DP4)に対応する部分が開口した第2シャドーマスク(SM4)を配置する。前記第2シャドーマスク(SM4)が配置された前記基板110を、第2不純物ガスが流入するチャンバ内に配置する。前記チャンバ内で、放電などによる高エネルギーが前記第2不純物ガスに加わることで、前記第2不純物ガスを利用して第2プラズマ(PL4)を生成する。前記第2プラズマ(PL4)は、前記第2不純物ガスから生成された原子またはイオンを含み、前記原子またはイオン同士が反応し、前記第1ドーピングパターン(DP3)から離隔した前記半導体層160上に選択的に薄膜が蒸着される。前記第2不純物ガスは、シラン(SiH)および水素(H)にホスフィン(PH)を添加した混合ガスであってもよい。前記第1ドーピングパターン(DP3)は約50Å〜約100Åの厚さに形成され、前記第2ドーピングパターン(DP4)は約50Å〜約100Åの厚さに形成されてもよい。
【0076】
図7Dを参照すれば、前記第1および第2ドーピングパターン(DP3、DP4)上に、反応性プラズマ蒸着法(reactive plasma deposition:RPD)、イオンプレーティング蒸着法(ion plating deposition)、またはインクジェットプリンティング法を利用してコンタクト層140を形成する。
【0077】
再び図6を参照すれば、前記コンタクト層140上に、スクリーンプリンティング法(screen printing)利用して電極層150を形成する。
【0078】
図5の実施形態によれば、前記太陽電池200は、前記基板110の後面112上に形成された半導体層160上に、プラズマを利用して前記第1および第2ドーピングパターンを形成することにより、前記前面111に入射する太陽光の損失を減少させることができる。
【0079】
図8は、本発明の他の実施形態に係る太陽電池の斜視図である。図9は、図8のIII−III’ラインに沿って切断した太陽電池の断面図である。
【0080】
図8および図9の実施形態に係る太陽電池は、半導体層を形成する方法を除いては、図1の実施形態に係る太陽電池と実質的に同じであるため、図1の実施形態に係る太陽電池と同じ構成要素には同じ図面番号を付与し、繰り返される説明は省略する。
【0081】
図8および図9を参照すれば、太陽電池300は、基板110、保護層120、半導体層170、第1ドーピングパターン(DP1)、第2ドーピングパターン(DP2)、コンタクト層140、および電極層150を含む。
【0082】
前記半導体層170は、前記基板110の後面112上に形成される。前記半導体層170は、絶縁パターン171および半導体パターン172を含む。前記絶縁パターン171は、前記基板110の後面112の第1領域に形成される。前記半導体パターン172は、前記第1領域を除いた前記基板110の後面112の第2領域に形成される。図7の実施形態によれば、前記半導体パターン172は、互いに離隔した第1半導体パターン172aおよび第2半導体パターン172bを含む。前記絶縁パターン171は、前記第1半導体パターン172aおよび前記第2半導体パターン172bの間に配置される。
【0083】
前記絶縁パターン171は、酸化シリコン(SiO)を含む。前記半導体パターン172は、I型の非晶質シリコン(intrinsic a−Si)を含む。前記絶縁パターン171および前記半導体パターン172それぞれの厚さは、約50Å〜約100Åであってもよい。
【0084】
前記第1半導体パターン172aは前記第1ドーピングパターン(DP1)を含み、前記第2半導体パターン172bは前記第2ドーピングパターン(DP2)を含む。前記第1ドーピングパターン(DP1)は、第1不純物ガスとしてドーピングされたP型シリコンを含む。前記第1不純物ガスは、塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)であってもよい。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、第2不純物ガスとしてドーピングされたN型シリコン(N+型シリコン)を含む。前記第2不純物ガスは、ホスフィン(PH)であってもよい。
【0085】
前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)をそれぞれ含む前記第1および第2半導体パターン172a、172b上に前記コンタクト層140が形成され、前記コンタクト層140上に前記電極層150が形成される。
【0086】
図10A〜図10Fは、図8および図9の太陽電池の製造工程を示す断面図である。
【0087】
図10Aを参照すれば、前記後面112の第1領域に、インクジェットプリンティング法を利用して前記絶縁パターン171を形成する。
【0088】
図10Bを参照すれば、前記後面112上に前記第1領域を除いた前記後面112の第2領域が開口したシャドーマスクを配置し、前記基板110上にプラズマ補強化学気相蒸着法(plasma enhanced chemical vapor deposition:PECVD)を利用して前記半導体パターン172を形成する。
【0089】
前記半導体パターン172は、前記絶縁パターン171を間において、第1半導体パターン172aおよび第2半導体パターン172bに分離する。前記半導体層170は、後続工程で形成される第1ドーピングパターンの厚さおよび第2ドーピングパターンの厚さを考慮した上で、約100Å〜約200Åの厚さに形成されてもよい。
【0090】
その結果、前記保護層120が形成された前記基板110の後面112上に、絶縁パターン171および半導体パターン172を含む半導体層170が形成される。
【0091】
図10Cを参照すれば、前記第1半導体パターン172a内に、ガスエマルジョンレーザードーピング法(gas immersion laser doping:GILD)を利用して、第1不純物ガスDG1を第1ドーピング領域DA1にドーピングする。例えば、前記半導体層170が形成された前記基板110を前記第1不純物ガス(DG1)が発生するチャンバ内に配置し、前記半導体層170の表面に前記第1不純物ガス(DG1)を吸着させる。前記第1不純物ガス(DG1)は、塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)であってもよい。
【0092】
次に、前記第1不純物ガス(DG1)が吸着した前記半導体層170の表面上にエネルギーとしてレーザー(LS)を加えることで、前記第1不純物ガス(DG1)を前記第1半導体パターン172aに選択的にドーピングする。前記第1ドーピングパターンDP1は、約50Å〜約100Åの厚さに形成されてもよい。
【0093】
前記第1不純物ガス(DG1)のドーピング後に、前記半導体層170の表面上に残存する前記第1不純物ガス(DG1)は、乾式洗浄によって除去されてもよい。
【0094】
図10Dを参照すれば、図10Cの工程によって前記第1ドーピング領域(DA1)に形成された第1ドーピングパターン(DP1)を有する前記第2半導体パターン172b内に、ガスエマルジョンレーザードーピング法を利用して、第2不純物ガス(DG2)を前記第1ドーピング領域(DA1)と離隔した前記第2ドーピング領域(DA2)にドーピングする。例えば、前記第1ドーピングパターン(DP1)が形成された前記基板110を第2不純物ガス(DG2)が発生するチャンバ内に配置し、前記半導体層170の表面に前記第2不純物ガス(DG2)を吸着させる。前記第2不純物ガス(DG2)は、ホスフィン(PH)であってもよい。
【0095】
次に、前記第2不純物ガス(DG2)が吸着した前記半導体層170の表面上にエネルギーとしてレーザー(LS)を加えることで、前記第2不純物ガス(DG2)を前記第1半導体パターン172aから離隔した前記第2半導体パターン172bに選択的にドーピングする。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、約50Å〜約100Åの厚さに形成されてもよい。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、前記第1ドーピングパターン(DP1)の幅よりも小さい幅を有してもよい。
【0096】
図10Eを参照すれば、前記図10Dの工程によって前記第2ドーピング領域(DA2)に第2ドーピングパターン(DP2)が形成される。前記第2ドーピングパターン(DP2)は、前記第1および第2半導体パターン172a、172bの間に形成された前記絶縁パターン171によって前記第1ドーピングパターン(DP1)と絶縁してもよい。前記第2不純物ガス(DG2)のドーピング後に、前記半導体層170の表面上に残存する前記第2不純物ガス(DG2)は、乾式洗浄によって除去されてもよい。
【0097】
図10Fを参照すれば、前記半導体層170の前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)上に、反応性プラズマ蒸着法(reactive plasma deposition:RPD)、イオンプレーティング蒸着法(ion plating deposition)、またはインクジェットプリンティング法を利用してコンタクト層140を形成する。
【0098】
再び図9を参照すれば、前記コンタクト層140上に、スクリーンプリンティング法(screen printing)利用して電極層150を形成する。
【0099】
図8の実施形態によれば、前記半導体層170が絶縁パターン171、第1半導体パターン172a、および第2半導体パターン172bを含み、前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)が不純物ガスおよびレーザーを利用して、前記第1および第2半導体パターン172a、172b内にそれぞれ形成される。
【0100】
これとは異なり、図4Aおよび図4Bの実施形態により、不純物ガスをプラズマ化し、前記第1および第2半導体パターン172a、172b内に前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)をそれぞれ形成してもよい。
【0101】
これとは異なり、図5の実施形態により、不純物ガスをプラズマ化し、前記第1および第2半導体パターン172a、172b上に前記第1および第2ドーピングパターン(DP1、DP2)をそれぞれ形成してもよい。
【0102】
図7の実施形態によれば、前記太陽電池300は、前記基板110の後面112上に形成された半導体層170内に、第1不純物ガスおよびレーザーを利用して前記第1および第2ドーピングパターンを形成することにより、前記前面111に入射する太陽光の損失を減少させることができる。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0104】
100、200、300:太陽電池
110:基板
120:保護層
130、160、170:半導体層
140:コンタクト層
150:電極層
DP1:第1ドーピングパターン
DP2:第2ドーピングパターン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光が入射する第1面、および前記第1面に対向する第2面を有する基板と、
前記第2面上に部分的に形成された絶縁パターン、および前記絶縁パターンが形成された領域外に形成された半導体パターンを含む半導体層と、
前記半導体パターンに形成された第1および第2ドーピングパターンと、
を含む、太陽電池。
【請求項2】
前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、
前記半導体パターンは、第1半導体パターンおよび前記第1半導体パターンから離隔した第2半導体パターンを含み、
前記第1ドーピングパターンは前記第1半導体パターン内に形成され、前記第2ドーピングパターンは前記第2半導体パターン内に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記半導体層の厚さは50Å〜100Åであり、
前記半導体パターンは、第1半導体パターンおよび前記第1半導体パターンと離隔した第2半導体パターンを含み、
前記第1ドーピングパターンは前記第1半導体パターン上に形成され、前記第2ドーピングパターンは前記第2半導体パターン上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
太陽光が入射する第1面に対向する基板の第2面上に半導体層を形成する段階と、
前記半導体層上に第1不純物ガスを吸着させる段階と、
前記半導体層にレーザーを加えて第1ドーピングパターンを形成する段階と、
を含む、太陽電池の製造方法。
【請求項5】
前記第1ドーピングパターン上に、反応性プラズマ蒸着法、イオンプレーティング蒸着法、およびインクジェットプリンティング法のうちの1つを利用してコンタクト層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項6】
前記コンタクト層上に、前記第1ドーピングパターンと電気的に接続する電極を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項7】
前記第1ドーピングパターンが形成された半導体層上に第2不純物ガスを吸着させる段階と、
前記半導体層に前記レーザーを加えて前記第1ドーピングパターンと離隔した第2ドーピングパターンを形成する段階と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項8】
前記第1ドーピングパターンは、第1方向に延長した複数の第1パターン、および前記第1パターンを連結する第2パターンを含み、
前記第2ドーピングパターンは、前記第1方向に延長して前記第1パターンに隣接するように形成された複数の第3パターン、および前記第3パターンを連結する第4パターンを含み、
前記第1パターンと前記第3パターンは順番に配置されることを特徴とする、請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、
前記第1および第2ドーピングパターンは、前記半導体層内に形成されることを特徴とする、請求項7または8に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項10】
前記第1不純物ガスは塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)のうちの1つであり、前記第2不純物ガスはホスフィン(PH)であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記半導体層は、絶縁パターンおよび半導体パターンを含み、
前記半導体層を形成する段階は、
インクジェットプリンティング法によって前記絶縁パターンを形成する段階と、
前記絶縁パターンが形成された領域外に前記半導体パターンを形成する段階と、
を含む、請求項4〜10のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項12】
太陽光が入射する第1面に対向する基板の第2面上に半導体層を形成する段階と、
前記半導体層上に部分的に開口した第1マスクを配置する段階と、
前記第1マスクが配置された前記半導体層に、第1プラズマを提供して第1ドーピングパターンを形成する段階と、
を含む、太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記第1ドーピングパターン上に、反応性プラズマ蒸着法、イオンプレーティング蒸着法、およびインクジェットプリンティング法のうちの1つを利用してコンタクト層を形成する段階をさらに含む、請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記コンタクト層上に、前記第1ドーピングパターンと電気的に接続する電極を形成する段階をさらに含む、請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記第1ドーピングパターンが形成された前記半導体層上に、部分的に開口した第2マスクを配置する段階と、
前記第2マスクが配置された前記半導体層に第2プラズマを提供し、前記第1ドーピングパターンと離隔した第2ドーピングパターンを形成する段階と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、
前記第1および第2ドーピングパターンは、前記半導体層内に形成されることを特徴とする、請求項15に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記第1プラズマは塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)を利用して生成され、第2プラズマはホスフィン(PH)を利用して生成されることを特徴とする、請求項16に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記半導体層の厚さは50Å〜100Åであり、
前記第1および第2ドーピングパターンは、前記半導体層上に蒸着されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項19】
前記第1プラズマは塩化ホウ素(BCl)またはジボラン(B)、シラン(SiH)、および水素(H)を利用して生成され、第2プラズマはホスフィン(PH)、シラン(SiH)、および水素(H)を利用して生成されることを特徴とする、請求項18に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項20】
前記半導体層は、絶縁パターンおよび半導体パターンを含み、
前記半導体層を形成する段階は、
インクジェットプリンティング法によって前記絶縁パターンを形成する段階と、
前記絶縁パターンが形成された領域外に前記半導体パターンを形成する段階と、
を含む、請求項12〜19のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項21】
前記半導体層の厚さは100Å〜200Åであり、
前記第1ドーピングパターンは、前記半導体パターン内に形成されることを特徴とする、請求項20に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項22】
前記半導体層の厚さは50Å〜100Åであり、
前記第1ドーピングパターンは、前記半導体パターン上に蒸着されることを特徴とする、請求項20に記載の太陽電池の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【公開番号】特開2012−164961(P2012−164961A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242378(P2011−242378)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】