説明

太陽電池のドープ領域の形成方法、太陽電池及び太陽電池の製造方法

【課題】本発明は、太陽電池のドープされた領域を形成する工程を開示する。
【解決手段】シリコン基板の第1面には第1ドーパントでドープされた第1ドープされた領域が形成され、第1面の上にはシリコン酸化膜が形成される。シリコン酸化膜は、第1ドープされた領域と対応する第1シリコン酸化膜および第1ドープされた領域と対応しない第2シリコン酸化膜を有する。第1シリコン酸化膜は第2シリコン酸化膜よりも厚い。シリコン酸化膜には第2ドーパントが注入され、第2ドープされた領域が、第2シリコン酸化膜に対応するシリコン基板の第1面の部分に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池のドープ領域の形成方法、太陽電池及び太陽電池の製造方法に関、特に、ドープされた領域が形成される太陽電池およびそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、シリコン基板とその表面にp−ドープされた領域及びn−ドープされた領域を有する。太陽電池上に入射する太陽光、つまり、光子(photons)が基板内に入ると、基板に電子−正孔対が生成され、生成された電子はn−ドープされた領域に移動し、生成された正孔はp−ドープされた領域に移動する。電子と正孔の移動により光起電力効果(photovoltaic effect)が生じ、p−n接合の両端に電位差が発生する。また、自由電子と正孔がそれぞれn−ドープされた領域及びp−ドープされた領域に移動して電流が発生する。電位差と電流により発生した電力が太陽電池に連結された負荷回路に供給され、太陽光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
【0003】
後面接触太陽電池(Back contact solar cell)は、基板、反射防止層、ドープされた領域、保護膜及び接触電極を有する。基板は、単結晶シリコン(single crystal silicon)又は多結晶シリコン(poly crystal silicon)のウエハー又はプレートであり、電子と正孔が移動する通路となる。基板の前面は構造化されたものであり、この基板上には、窒化シリコン及び/又は酸化シリコンの反射防止層が設けられる。前面と向き合う後面には、n−ドープされた領域とp−ドープされた領域とが交互に配置されている。後面上には、保護層が塗布される。保護層は、その部分が除去されてビアホールが形成される。接触電極は、ビアホールを通過してドープされた領域と電気的に連結される。
【0004】
上記の太陽電池のドープされた領域と反射防止膜とは、p−ドープされた領域形成段階、構造化された前面形成段階、反射防止膜形成段階、n−ドープされた領域形成段階の順序で製造される。ドープされた領域を形成する段階は、二酸化シリコン層が浸漬される段階と前記二酸化シリコン層が選択的に蝕刻される段階と、を有する。二酸化シリコン層が浸漬される段階は、n−型又はp−型物質が含まれているドープされた二酸化シリコン(doped silicon dioxide)層とドープされていない二酸化シリコン(undoped silicon dioxide)層が常圧化学気相蒸着(Atmospheric Pressure Chemical‐Vapor Depositionition;APCVD)により積層される細部段階である。二酸化シリコン層を選択的に蝕刻する細部段階は、前記二酸化シリコン層の部分が印刷工程により二酸化シリコン層の上に塗布されたエッチングレジストによって選択的に蝕刻される細部段階を含む。
【0005】
前述した太陽電池の製造方法は、ドープされた領域を形成するための段階数の増加に従う工程の複雑性と、製造費用の増加の問題が発生する。したがって、製造工程の単純性と製造費用の減少が要求される。
【0006】
前述の方法で製造された太陽電池は、互いに隣接している反対の極性でドープされた領域(すなわち、p−ドープされた領域及びn−ドープされた領域)が互いに接触する。したがって、接触部分で光子によって発生した電子−正孔対は、容易に再結合(recombination)することができるため、太陽電池の太陽光エネルギー使用効率が低くなる。したがって、太陽電池は互いに反対の極性でドープされ、隣接する領域が離隔されるように製造されることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、製造工程の単純性と低い製造費用を有する太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、太陽光エネルギー使用効率が高い太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような本発明の目的を達成するための本発明の一実施形態による、太陽電池のドープ領域を形成する方法は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有するシリコン基板を準備する段階と、前記シリコン基板の前記第1面の部分に対し、第1ドーパントでドープされた第1ドープ領域を形成する段階と、前記第1面上にシリコン酸化膜を形成して、前記第1面における前記第1ドープ領域上の第1シリコン酸化膜の厚さである第1厚さを、前記第1面における前記第1ドーパントでドープされていない部分上の第2シリコン酸化膜の厚さである第2厚さよりも大きくする段階と、前記第1面の外部から第2ドーパントを前記第1面上に形成された前記第1シリコン酸化膜及び前記第2シリコン酸化膜に注入する段階と、前記第1シリコン酸化膜、前記第2シリコン酸化膜及び前記シリコン基板を熱処理して、前記第1ドープ領域に隣接する第2ドープ領域を形成する段階と、を含む。
【0010】
前記第1ドープ領域を形成する段階は、前記第1ドーパントを前記シリコン基板の前記第1面に注入する段階と、注入された前記第1ドーパントを活性化させる段階と、を含んでいてもよい。
【0011】
また、前記第1面に注入された前記第1ドーパントを活性化させる段階と、前記第1面にシリコン酸化膜を形成させる段階とは、同時に実施されてもよい。
【0012】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、1800Å以上であることが好ましい。
【0013】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、2000Å以上であることがより好ましい。
【0014】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域とは、離隔して設けられてもよい。
【0015】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域とは、100μm以上離隔していることが好ましい。
【0016】
前記太陽電池のドープ領域の形成方法は、前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間に、前記第1ドープ領域よりも低濃度の前記第1ドーパントを注入する段階と、前記第2ドープ領域よりも低濃度の前記第2ドーパントを注入する段階と、をさらに含んでいてもよい。
【0017】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間に、前記第1ドープ領域よりも低濃度の第1ドーパントを注入する段階は、前記第1ドープ領域に前記第1ドーパントを注入する段階と同時に実施されてもよい。
【0018】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間に、前記第1ドープ領域よりも低濃度の前記第1ドーパントを注入する段階は、前記第1ドープ領域に前記第1ドーパントを注入する段階の後に実施されてもよい。
【0019】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間の領域は、中和領域を含み、前記中和領域の前記第1ドーパントの濃度は、前記第2ドーパントの濃度よりも高くてもよい。
【0020】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間の領域は、中和領域を含み、前記中和領域の前記第1ドーパントの濃度は、前記第2ドーパントの濃度よりも低くてもよい。
【0021】
前記第1ドープ領域を形成する工程は、前記シリコン基板の前記第1面に、少なくとも一つのイオン透過部と、当該イオン透過部の間に配置されるイオン遮断部と、を有するハードマスクを近接させる段階と、前記シリコン基板の第1面の前記イオン透過部と対応する部分に、前記第1ドーパントを注入させる段階と、を含んでいてもよい。
【0022】
少なくとも一つの前記イオン透過部は、閉多角形形状であり、一つの前記イオン透過部は、隣接する前記イオン透過部と離隔していてもよい。
【0023】
前記ハードマスクは、前記イオン透過部に接するイオン半透過部を更に含んでいてもよい。
【0024】
前記ハードマスクの前記イオン半透過部は、前記イオン遮断部の厚さよりも薄くてもよい。
【0025】
前記ハードマスクの前記イオン半透過部には、前記透過部よりも小さい面積を有する少なくとも一つの微小開口が形成されていてもよい。
【0026】
前記太陽電池のドープ領域の形成方法は、前記第1ドープ領域の周辺に中和領域を形成する段階を更に含み、前記中和領域を形成する段階は、中和領域形成用イオン透過部と、隣接する前記中和領域形成用イオン透過部の間に配置されたイオン遮断部と、を有する中和領域形成用ハードマスクを、前記シリコン基板の第1面に近接させる段階と、前記シリコン基板の前記第1面に近接させた前記中和領域形成用ハードマスクの前記イオン透過部を通過する前記第1ドーパントを前記第1面に注入する段階と、を含み、前記中和領域形成用イオン透過部は、当該中和領域形成用イオン透過部の面積が前記第1ドープ領域の面積よりも大きく、前記第1ドープ領域の位置に対応して整列していてもよい。
【0027】
前記第1ドープ領域を形成する段階の後に、前記中和領域を形成する段階が実施されてもよい。
【0028】
前記第1ドープ領域を形成する段階の前に、前記中和領域を形成する段階が実施されてもよい。
【0029】
前記第1ドープ領域の前記第1ドーパントはn型の物質であり、前記第2ドープ領域の前記第2ドーパントはp型の物質であってもよい。
【0030】
前記太陽電池のドープ領域の形成方法は、前記第1ドープ領域を形成するために、前記第1ドーパントを基板に注入した後、前記シリコン基板を熱処理する段階を更に含んでいてもよい。
【0031】
本発明の他の実施形態によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池は、第1面と当該第1面に対向する第2面と、を有するシリコン基板と、前記第1面の内に形成され、第1ドーパントでドープされた第1ドープ領域と、前記第1面の内に、前記第1ドープ領域に隣接して形成され、第2ドーパントでドープされた第2ドープ領域と、前記第1ドープ領域上に配置された第1シリコン酸化膜と、前記第2ドープ領域上に配置された第2シリコン酸化膜と、を備え、前記第1シリコン酸化膜は、前記第2シリコン酸化膜よりも厚い。
【0032】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、1800Å以上であることが好ましい。
【0033】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、2000Å以上であることが更に好ましい。
【0034】
前記第1ドープ領域の前記第1ドーパントは、前記第1シリコン酸化膜と前記第2シリコン酸化膜に含まれていてもよい。
【0035】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域とは、離隔して設けられてもよい。
【0036】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間には、中和領域が配設され、前記中和領域は、前記第1ドーパントと前記第2ドーパントを含む領域であってもよい。
【0037】
前記中和領域上には、第3シリコン酸化膜が配設され、前記第3シリコン酸化膜の厚さは、前記第1シリコン酸化膜よりも小さく、前記第2シリコン酸化膜よりも大きくてもよい。
【0038】
本発明のさらに他の実施形態によれば、半導体基板の第1面上に第1導電型の領域と前記第1導電型と反対の特性を有する第2導電型の領域とを有する太陽電池の製造方法は、前記第1面上に第1導電型の領域を形成する過程と、前記第1面を酸化する過程と、を含み、前記第1面上の酸化によって前記第1導電型の領域上に形成された第1酸化膜の厚さは、前記第1酸化膜を除いた前記第1面上の第2酸化膜の厚さよりも厚く、前記第1酸化膜を自己整列マスクとして使用し、前記第2導電型のイオンの注入によって前記第2導電型の領域を形成する過程を含む。
【0039】
本発明のさらに他の実施形態によれば、太陽電池は、半導体基板の第1面上に形成された第1導電型の領域と、前記第1導電型の領域と隣接した前記第1面上に形成された、前記第1導電型と反対の特性を有する第2導電型の領域と、を備え、前記第1導電型の領域上に形成された第1酸化膜の厚さは、前記第2導電型の領域上に形成された第2酸化膜の厚さよりも厚く、前記第2導電型の領域が形成されるように前記第2導電型のイオン注入時に前記第1酸化膜はマスクとして使用され、前記第2酸化膜は前記イオン注入の透過膜として使用される。
【発明の効果】
【0040】
本発明による自己整列マスクとして利用されるシリコン酸化膜により太陽電池が製造されると、工程の段階と製造原価および製造時間を減少させることが可能である。また、反対極性でドープされた領域が離隔されるため、太陽電池の効率が改善され得る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図1B】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図1C】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図1D】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図1E】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図1F】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図1G】本発明の一実施形態により後面接触太陽電池を製造する工程を示す概略的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、イオン注入のためのハードマスクの概略的な平面図である。
【図3】基板に注入されるドーズとシリコン酸化膜の厚さとの関係を示すグラフである。
【図4】約2、500Å厚さのシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板の表面抵抗を測定した実験の結果を示すグラフである。
【図5】シリコン酸化膜の深さとシリコン酸化膜内のホウ素イオンの分布との関係を示したシミュレーショングラフである。
【図6A】本発明の他の実施形態によるn−ドープされた領域が形成される概略的な断面図である。
【図6B】本発明の他の実施形態によるn−ドープされた領域が形成される概略的な断面図である。
【図6C】本発明の他の実施形態によるn−ドープされた領域が形成される概略的な断面図である。
【図7A】本発明の他の実施形態による、ハードマスクの概略的な部分断面図である。
【図7B】図7Aのハードマスクの使用によって、ドープされた領域がシリコン基板に形成される工程の概略的な断面図である。
【図7C】図7Aのハードマスクの使用によって、ドープされた領域がシリコン基板に形成される工程の概略的な断面図である。
【図7D】図7Aのハードマスクの使用によって、ドープされた領域がシリコン基板に形成される工程の概略的な断面図である。
【図8A】本発明の他の実施形態によって、リンイオンの二回注入によりドープされた領域が形成される概略的な断面図である。
【図8B】本発明の他の実施形態によって、リンイオンの二回注入によりドープされた領域が形成される概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態による太陽電池の製造方法を詳しく説明する。本明細書の図面と詳細な説明において、同一の参照符号は同一の部品または構成要素を示すことに留意しなければならない。また、本明細書の実施形態に多様な数値が開示されているが、かかる数値が特許請求の範囲に記載されない限り、かかる数値は特許請求の範囲を限定しないことに留意しなければならない。
【0043】
図1A〜図1Gは、本発明の一実施形態により後面接触太陽電池が作られる過程を示す、基板の前面と後面上に形成される各層を示す概略的な断面図である。本発明の特徴により、基板の後面内のドープされた領域の表面の上で成長されたシリコン酸化膜は、ドープされていない領域の上で成長されたシリコン酸化膜よりも厚い。そして、前記ドープされた領域上の相対的に厚いシリコン酸化膜は、ドープされていない領域内にドーパントのイオン注入を行う段階で自己整列マスク(self−alignment mask)として利用され得ることに留意しなければならない。
【0044】
図1Aを参照すれば、本発明の一実施形態による太陽電池の製造に使用されるシリコン基板の概略的な断面図が示される。シリコン基板102は、(1、1、0)の格子構造を有する単結晶シリコンウエハーに、n−型であるリン(Phosphorus、P)、ヒ素(Arsenic、As)、アンチモン(Antimony、Sb)およびこれらの混合物の中から選択された一つの物質のドーパントで低くドープされたウエハーである。例えば、前記基板は、リン原子が1×1015/cmの濃度でドープされた基板であってもよい。基板は、多結晶のシリコンであってもよい。
【0045】
太陽光が入射される基板102の前面110は、水酸化カリウム(potassiumhydroxide、KOH)とイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)または水酸化カリウムとNMP(N−methyl−2−pyrrolidone)の混合溶液で蝕刻することによって構造化され、これによってランダムピラミッドのような構造化された前面112を有する。基板102の後面120は、その結晶欠陥、切断欠陥、自然酸化膜、または不必要な不純物などを除去した研磨された平坦な表面を有する。基板102は、約150μm〜約170μmの厚さを有してもよい。
【0046】
図1Bを参照すれば、構造化された前面112上に、前面フィールド層(front surface field layer)114が形成される概略的な断面図が示される。前面フィールド層114は、1.0×1013/cm〜7×1015/cmの低いドーズのリンイオン(phosphorus ion)が構造化された前面112に注入される段階と活性化(activation)される段階を通じて基板の構造化された前面112の上に形成される。前面フィールド層114は、その付近の正孔を基板102の内部と後面120方向に反射させ、太陽電池の太陽光エネルギー使用効率を増加させる。
【0047】
図1Cを参照すれば、n−イオン注入された領域205が、基板102の後面120に形成される概略的な断面が示される。n−イオン注入された領域またはベース領域205は、n−型物質のドーパントで基板の予め決められた位置にイオン注入工程(ion implantation process)によって形成されてもよい。例えば、リンイオン注入段階は、常温のチェンバで、20KeVの電気エネルギーと、約1.5×1015イオン/cm〜約4.5×1015イオン/cmのドーズで、リンイオンが約800nmだけ深くシリコンに注入されるように行われてもよい。イオン注入段階には、イオン透過部602とイオン遮断部606を有するハードマスク600が利用されてもよい。ハードマスク600は、約1mm厚さのグラファイト(graphite)またはセラミックで作られた高耐熱性の基板であり、そのイオン透過部602はレーザービームの加工によって形成されてもよい。
【0048】
ハードマスク600のイオン透過部602の模様および位置は、基板102のn−イオン注入された領域205の模様および位置と実質的に同一である。n−イオン注入された領域205は、後述される工程によりn−ドープされた領域になるため、イオン透過部602の模様および位置は、n−ドープされた領域の模様および位置と実質的に同一である。このために、ハードマスク600は基板102の後面120に近接して配置される。例えば、ハードマスク600は、基板102の後面120と約500μmの距離に離隔されてもよい。本実施形態によるイオン注入段階は、多様なシリコン化合物の膜が化学気相蒸着方法により作られ、そのシリコン化合物の膜の一部が蝕刻される工程よりも、製造工程が単純であり、その所要費用が低くなり得る。
【0049】
本実施形態は、基板の前面110が構造化された後、後面120にn−イオン注入された領域205が形成されることと説明されたが、後面の段階後に、前面の段階が行われることも可能であることは、当該分野の通常の知識を有する者に簡単に理解され得る。
【0050】
n−イオン注入された領域205は、基板102の後面120の全体に均一に分布する複数の点イオン注入された領域(point ion implanted region)であってもよい。図2を参照すれば、本発明の一実施形態により、基板の後面にn−イオン注入された領域205が形成される段階に利用される、図1Cに示されたハードマスク600の概略的な平面図が示される。ハードマスク600の隣接したイオン透過部602の間にはイオン遮断部606が配置される。イオン透過部602は、それぞれ約100μm〜約800μmの直径を有してもよく、ハードマスク600内で約1000μm〜約2000μmの間隔で一定に配置されてもよい。前述のように、イオン透過部602の模様、大きさおよび位置は、基板102の後面120に形成されるn−ドープされた領域210の模様、大きさおよび位置と実質的に同一である。
【0051】
本実施形態により、n−イオン注入された領域205とイオン透過部602のそれぞれは、円形の形状を有し、基板の後面120とハードマスク600に分布することと説明したが、異なる方式として、n−イオン注入された領域205とイオン透過部602のそれぞれは、楕円形、四角形などの他の形状または幹とその幹から分岐される複数の枝を有する先形状を有することもできる。
【0052】
前記図1Cの製造段階後、予め注入されたイオンの活性化と同時に行われる酸化膜形成段階の断面図が図1Dに示される。シリコン酸化膜400は、基板102の前面部と後面部の表面110、120上に酸化工程によって形成された二酸化シリコン(silicondi oxide;SiO)であってもよい。シリコン酸化膜400を形成または成長させるためのイオンの活性化および酸化段階は、約6:9の体積比を有する酸素ガスと水素ガスの流れ率(flow ratio)で約800℃〜約1000℃の温度で約10分〜約120分間行われてもよく、これによってイオン注入された領域205はドープされた領域210になる。
【0053】
前記の段階で形成されたシリコン酸化膜400の一つは、前面フィールド層114の上で成長された前面シリコン酸化膜410である。シリコン酸化膜400の他の一つは、基板の後面120で成長された後面保護膜420である。後面保護膜420のうち、n−イオン注入された領域210上に形成された第1シリコン酸化膜422の成長された厚さは、注入されたイオンの濃度に比例した厚さを有することを本発明者らは発見した。これによって、n−イオン注入された領域205の活性化と酸化段階によって形成されたn−ドープされた領域210上の第1シリコン酸化膜422の厚さ(t(SOL1))は、ドープされていない領域124上の第2シリコン酸化膜424の厚さ(t(SOL2))よりも大きい。そして、シリコン酸化膜は、基板に水平な方向にも形成されることを考慮する時、第1シリコン酸化膜422の幅(w(SOL1))はn−ドープされた領域210の幅(w(DR))よりも大きい。
【0054】
図3を参照すれば、約20KeVのエネルギーで各ドーズの値でリン−イオン注入された領域とイオン注入されていない領域とを有する基板が、約3:2の体積比を有する酸素ガスと水素ガスの流れ率で約45分〜約50分間、約900℃の温度の炉またはチェンバで酸化されたデータを示す実験のグラフが示されている。グラフは、イオン注入されていない領域上に、約1、000Åの酸化シリコンが成長される反面、イオン注入の量がより高い領域の上に、より厚い酸化シリコンの成長を示している。例えば、3.00×1015イオン/cmのドーズで、リン−イオン注入された領域上に成長された酸化シリコンの厚さは、約2、500Å以上であった。
【0055】
図4を参照すれば、厚さ約2、500Åの酸化シリコンを有するシリコン基板がホウ素イオン注入されて十分な熱処理後、シリコン基板の表面抵抗を示す実験のグラフが示されている。ホウ素イオン注入段階は、約20KeV〜40KeVのエネルギーと1.5×1015イオン/cm〜4.5×1015イオン/cmのドーズで行われ、熱処理段階は、約1050℃の温度で約60分間行われた。その後、1:10のフッ化水素(hydrogen fluoride;HF)と脱イオン水(deionized water)の混合溶液の中で酸化シリコンが除去された後、シリコン基板の表面抵抗が測定された。図4から分かるように、酸化シリコンが成長されていないシリコン基板上にホウ素イオン注入されたシリコン基板の表面抵抗値は、厚さ約2、500Åの酸化シリコンを有するシリコン基板上にホウ素イオン注入された表面抵抗値よりも非常に低いため、約1.5×1015イオン/cm〜約4.5×1015イオン/cmのドーズと約20KeV〜約40KeVのエネルギーでホウ素イオン注入時、厚さ約2、500Åの酸化シリコンはマスクとして作用し得ることを確認した。
【0056】
前記図1Dの熱処理によるn−イオン注入された領域205の活性化と酸化段階後、p−イオン注入を行う概略的な断面図が図1Eに示される。図1Dのシリコン基板102の後面120には、ホウ素のようなp−型物質のイオンが注入され、その後、シリコン基板102の熱処理によって注入されたイオンは活性化され、p−ドープされた領域250が形成される。ホウ素イオンがシリコン基板に注入される時、相対的に厚い第1シリコン酸化膜422は、前述した通り、前記ホウ素イオンがシリコン基板102の内部に注入されることを防止する自己整列マスク(self−alignment mask)500として利用される。反面、第2シリコン酸化膜424は相対的に薄いため、前記ホウ素イオンがシリコン基板102の内部に注入される。したがって、シリコン基板102のn−ドープされた領域210の間にはホウ素イオンでp−ドープされた領域250が形成される。
【0057】
ここで、第1シリコン酸化膜422のそれぞれの幅(w(SOL1))はn−ドープされた領域210のそれぞれの幅(w(nDR))よりも広いため、シリコン基板の後面120のp−ドープされた領域250は、n−ドープされた領域210と離隔して形成されてもよい。例えば、隣接するドープされた領域210、250の間の距離は数百Å程度であってもよい。
【0058】
前記のように、n−ドープされた領域210上のシリコン酸化膜422が自己整列マスク500として使用されるため、ホウ素イオンが通過できないシリコン酸化膜の厚さの臨界値を求めることが必要である。図5は、シリコン酸化膜の深さとシリコン酸化膜に入っているホウ素イオンとの分布の関係を示したシミュレーショングラフである。シミュレーションは、ホウ素イオンがシリコン膜の上に成長されたシリコン酸化膜に注入され活性化された後、シリコン酸化膜の深さとホウ素イオンの濃度との関係を確認するためのものであり、下記表1に羅列された条件が利用されることに留意しなければならない。
【0059】
【表1】

【0060】
シミュレーション結果によれば、シリコン酸化膜に注入されたホウ素原子はシリコン酸化膜の表面から約1800Å、つまり、180nmの深さまで分布する。したがって、シリコン酸化膜は約1800Åよりも厚いことが好ましいと発明者らは考えた。もし、シミュレーションが約10パーセントの誤差を有すると仮定すれば、ホウ素イオンを通過させないマスクとして作用するシリコン酸化膜は2000Å(約200nm)よりも厚いことが好ましいと発明者らは考えた。
【0061】
図1Eのシリコン基板のn−ドープされた領域210は、図1Cおよび図2と関連して、前述した通り一定の間隔に離隔した複数の閉多角形であってもよい。もし、n−ドープされた領域210の間にp−ドープされた領域250を形成する段階において、前記厚いシリコン酸化膜422である自己整列マスク500が使用されず、n−ドープされた領域210が形成される時に利用されたようなハードマスクが利用される場合、ハードマスクのホウ素イオンの注入を防止する複数のイオン遮断部が互いに離隔して配置されなければならないため、ハードマスクの製作が不可能になり得る。
【0062】
このような問題は、二酸化シリコン層の形成、写真マスクの形成、蝕刻、他の二酸化シリコン層の形成および拡散のような段階によって解決され得る。しかし、このような工程は、太陽電池の製造方法の複雑性に起因して製造費用と時間の増加を招き得る。これに対して、本発明の厚いシリコン酸化膜を自己整列マスクとして利用する工程は、太陽電池の製造方法の簡単性のため、製造費用と時間の減少を招き得る。
【0063】
図1Fを参照すれば、前面シリコン酸化膜410の上に、反射防止膜116が形成される概略的な断面図が示される。シリコン基板前面の前面シリコン酸化膜410上には、窒化シリコンのような反射防止膜116が通常の化学気相蒸着方法により形成される。反射防止膜116は、その下に配置された前面シリコン酸化膜410および高くn−ドープされた前面フィールド層114と共にシリコン基板102の内部102に入った光が外部に抜け出ることを防止する。
【0064】
図1Gを参照すれば、シリコン基板の後面にビアホール150を通じて接触電極140、145が形成される概略的な断面図が示される。基板102の後面120内のn−ドープされた領域210に集まった電子とp−ドープされた領域250に集まった正孔は接触電極140、145を通じてそれぞれ外部負荷(図示せず)と接続されなければならない。このために、ビアホール150、フォトリソグラフィまたはスクリーン印刷技術によってn−ドープされた領域および/またはp−ドープされた領域210、250上の第1および第2シリコン酸化膜422、424が蝕刻されて形成される。ビアホール150には、銅、チタニウム、タングステンまたはこれらの合金の中から選択された金属で作られた接触電極140、145が配置され得ることは、当該技術分野の通常の知識を有する者は簡単に理解できるだろう。
【0065】
本発明の他の実施形態として、図示されてはいないが、ビアホール150は、後面シリコン酸化膜420の上にドープされていないシリコンガラスが塗布された後、前記保護膜とドープされていないシリコンガラスの一部が除去されて形成されることもできることを当該技術分野の通常の知識を有する者は簡単に理解できるだろう。
【0066】
前述した図1A〜図1Gに図示及び説明された太陽電池の製造方法では、n−ドープされた領域210が先に形成され、p−ドープされた領域250が後に形成されると説明されたが、本発明の他の実施形態による太陽電池の製造方法では、その逆順序に太陽電池を製造することが可能である。言い換えると、n−ドープされた領域は、p−ドープされた領域の形成段階でp−ドープされた領域上に形成された厚い酸化シリコンを自己整列マスクとして形成され得ることは、当該技術分野で通常の知識を有する者に前述の本発明の特徴により理解され得る。
【0067】
本発明の他の実施形態によれば、ドープされた領域の上で厚く形成されたシリコン酸化膜が自己整列マスクとして利用される段階は、後面接触太陽電池の製造方法以外にも、n−ドープされた領域とp−ドープされた領域とが隣接する構造を有する他のモードの太陽電池の製造方法にも適用され得る。
【0068】
本発明の他の実施形態によれば、n−ドープされた領域とp−ドープされた領域のうち、先に形成されるドープされた領域は、ハードマスクを利用したイオン注入工程と異なる方法で形成されてもよい。図6A〜図6Cを参照すれば、シリコンガラス層が利用されてn−ドープされた領域が形成される工程の概略的な断面図が示される。図6Aに示したように、ドープされたシリコンガラス層710とエッチングレジスト層730がシリコン基板102の後面120の上に順次に塗布される。図6Bから分かるように、図6Aのドープされたシリコンガラス層710は、エッチングレジスト層730のマスクの使用によって蝕刻され、熱処理段階によってn−ドープされた領域210が形成される。図6Cは、図6Bのドープされたシリコンガラス層710とエッチングレジスト層730が除去され、シリコン基板102の後面120内にn−ドープされた領域210が形成された工程を示す。前記の段階後、図1D〜図1Gと関連して説明された通り、p−ドープされた領域が形成される段階が適用されてもよい。
【0069】
本発明の他の実施形態による、互いに異なる極性を有するドープされた領域が、シリコン基板の一面で互いに十分に離隔して配置される太陽電池の製造方法では、半透過部が含まれたハードマスクが利用されてもよい。図7A〜図7Dは、シリコン基板の表面にn−ドープされた領域が形成される段階に利用されるハードマスクの概略的なの部分平面図と、前記ハードマスクの使用によってn−ドープされた領域と、前記n−ドープされた領域に離隔されるp−ドープされた領域とが形成される概略的な断面図が示される。ハードマスクは図1Cに示されたように、シリコン基板の一面に近接して配置され、リンのようなn−型物質のイオンを通過させることに留意しなければならない。
【0070】
図7Aを参照すれば、ハードマスク600は、イオン遮断部606、イオン透過部602およびイオン半透過部604を有する。イオン透過部602とイオン遮断部606は、図2と関連して説明されたものが適用され得ることに留意しなければならない。イオン半透過部604は、それを通過するイオンの数がイオン透過部602を通過するイオンの数よりも少なく、イオン遮断部606を通過するイオンの数よりも多い部分である。イオン半透過部604は、イオン透過部602の周辺に配置され、その厚さがイオン遮断部606の厚さよりも小さく形成されてもよい。例えば、イオン遮断部606の厚さが1mmである場合、イオン半透過部604はそれよりも薄い0.5mmであってもよい。異なる方式として、イオン半透過部604は、その一部が微細に除去された複数の微小開口(minute opening、図示せず)を有するものであってもよい。例えば、イオン半透過部604の幅が100μmである場合、直径数nmの複数の微小開口が前記イオン半透過部604に配置されてもよい。
【0071】
図7Bを参照すれば、図7Aに示されたハードマスクがシリコン基板の表面126に近接して配置され、リンイオンが前記ハードマスクを通過してシリコン基板の表面126に注入される概略的な部分断面図が示される。ハードマスク600のイオン透過部602に対応するシリコン基板の表面126の部分には、リンイオンが高濃度に注入された第1n−イオン注入された領域212が形成され、イオン半透過部604に対応する基板の表面126の部分には、リンイオンが低濃度に注入された第2n−イオン注入された領域214が形成される。前記イオン注入された領域212、214は基板の露出した表面のみならず、イオンが基板に通常注入される程度の深さを意味することは当該技術分野の通常の知識を有する者に簡単に理解され得る。
【0072】
図7Cを参照すれば、図7Bに示されたシリコン基板に図1Dと関連して前述のシリコン酸化段階によってシリコン酸化膜が形成される断面図が示される。前述のように、後面シリコン酸化膜420の厚さは、シリコン基板の表面126のn−ドープされた領域210のイオン濃度に比例するため、シリコン酸化膜420は、その第1シリコン酸化膜422が最も厚く、第2酸化膜424が最も薄く、第3酸化膜426が他の二つの酸化膜422、424の中間程度に厚い。
【0073】
図7Dを参照すれば、図7Cに示されたシリコン基板に図1Eと関連して前述のホウ素イオンが注入される断面図が示される。シリコン基板102の表面126の部分のうち、最も薄い厚さの第2シリコン酸化膜424の領域に対応する部分はp−ドープされた領域250になる。反面、低濃度のn−イオン注入された領域である第2n−イオン注入された領域214は、それに注入された微量のホウ素イオンによって中和され、電子または正孔の濃度が非常に低かったり中性である中和された領域230になり得る。したがって、シリコン基板表面126のn−ドープされた領域210とp−ドープされた領域250は、前記中和された領域の幅だけ離隔されてもよい。例えば、前記中和された領域230の幅は、約100μmであってもよい。前述のように、n−ドープされた領域210とp−ドープされた領域250との間の距離が適切に広くなれば、ドープされた領域210、250で電子と正孔が再結合する確率が低くなるため、太陽電池の効率が向上することができる。
【0074】
本発明の他の実施形態によれば、前述のイオンが高濃度に注入された第1n−イオン注入された領域212とイオンが低濃度に注入された第2n−ドープされた領域214は、低濃度のリンイオンが複数回基板の表面126上に注入されること、または高濃度のリンイオンと低濃度のリンイオンがそれぞれ基板の表面126上に注入されることによって形成されてもよい。図8A〜図8Bを参照すれば、リンイオンの注入が二回行われる概略的な断面図が示される。図8Aに示された第1ハードマスク610は、そのイオン透過部612の幅(w(IPP1))が高濃度にリンイオンが注入された第1n−ドープされた領域216の幅(w(nDR1))と実質的に同一に作られてもよい。図8Bに示された第2ハードマスク620は、図8Aの第1リン人イオン注入後に行われる第2リンイオン注入で使用される。第2ハードマスク620のイオン透過部622の幅(w(IPP2))は、高濃度にリンイオンが注入された第1n−ドープされた領域216の幅(w(nDR1))と低濃度にリンイオンが注入された第2n−イオン注入された領域218の幅(w(nDR2))との合計であってもよい。
【0075】
異なる方式として、前記第1と第2リンイオン注入段階に使用されるハードマスク610、620は互いに使用される順序が変わってもよい。順序が変わっても、シリコン基板102に形成される第1および第2n−ドープされた領域216、218の模様と面積は実質的に同一になり得る。
【0076】
本発明の他の実施形態によれば、リンイオンがシリコン基板に高濃度と低濃度にドープされた領域216、218は、シリコン基板の表面216に塗布されるフォトレジスト(photo resist)が利用されるフォトリソグラフィ工程で作られ得ることは当該技術分野の通常の知識を有する者に簡単に理解され得る。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0078】
102 シリコン基板
110 基板の前面
112 構造化された前面
114 前面フィールド層
120 基板の後面
400 シリコン酸化膜
500 自己整列マスク
600 ハードマスク



【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池のドープ領域を形成する方法であって、
第1面及び当該第1面に対向する第2面を有するシリコン基板を準備する段階と、
前記シリコン基板の前記第1面の部分に対し、第1ドーパントでドープされた第1ドープ領域を形成する段階と、
前記第1面上にシリコン酸化膜を形成して、前記第1面における前記第1ドープ領域上の第1シリコン酸化膜の厚さである第1厚さを、前記第1面における前記第1ドーパントでドープされていない部分上の第2シリコン酸化膜の厚さである第2厚さよりも大きくする段階と、
前記第1面の外部から第2ドーパントを前記第1面上に形成された前記第1シリコン酸化膜及び前記第2シリコン酸化膜に注入する段階と、
前記第1シリコン酸化膜、前記第2シリコン酸化膜及び前記シリコン基板を熱処理して、前記第1ドープ領域に隣接する第2ドープ領域を形成する段階と、
を含むことを特徴とする、太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項2】
前記第1ドープ領域を形成する段階は、
前記第1ドーパントを前記シリコン基板の前記第1面に注入する段階と、
注入された前記第1ドーパントを活性化させる段階と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項3】
前記第1面に注入された前記第1ドーパントを活性化させる段階と、前記第1面にシリコン酸化膜を形成させる段階と、は、同時に実施される
ことを特徴とする、請求項2に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項4】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、1800Å以上である
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項5】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、2000Å以上である
ことを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項6】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域とは、離隔して設けられる
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項7】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域とは、100μm以上離隔している
ことを特徴とする、請求項6に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項8】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間に、前記第1ドープ領域よりも低濃度の前記第1ドーパントを注入する段階と、
前記第2ドープ領域よりも低濃度の前記第2ドーパントを注入する段階と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項9】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間に、前記第1ドープ領域よりも低濃度の第1ドーパントを注入する段階は、前記第1ドープ領域に前記第1ドーパントを注入する段階と同時に実施される
ことを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項10】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間に、前記第1ドープ領域よりも低濃度の前記第1ドーパントを注入する段階は、前記第1ドープ領域に前記第1ドーパントを注入する段階の後に実施される
ことを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項11】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間の領域は、中和領域を含み、
前記中和領域の前記第1ドーパントの濃度は、前記第2ドーパントの濃度よりも高い
ことを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項12】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間の領域は、中和領域を含み、
前記中和領域の前記第1ドーパントの濃度は、前記第2ドーパントの濃度よりも低い
ことを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項13】
前記第1ドープ領域を形成する工程は、
前記シリコン基板の前記第1面に、少なくとも一つのイオン透過部と、当該イオン透過部の間に配置されるイオン遮断部と、を有するハードマスクを近接させる段階と、
前記シリコン基板の第1面の前記イオン透過部と対応する部分に、前記第1ドーパントを注入させる段階と、
を含むことを特徴とする、請求項1〜12の何れか1項に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項14】
少なくとも一つの前記イオン透過部は、閉多角形形状であり、一つの前記イオン透過部は、隣接する前記イオン透過部と離隔している
ことを特徴とする、請求項13に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項15】
前記ハードマスクは、前記イオン透過部に接するイオン半透過部を更に含む
ことを特徴とする、請求項13に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項16】
前記ハードマスクの前記イオン半透過部は、前記イオン遮断部の厚さよりも薄い
ことを特徴とする、請求項15に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項17】
前記ハードマスクの前記イオン半透過部には、前記透過部よりも小さい面積を有する少なくとも一つの微小開口が形成される
ことを特徴とする、請求項15に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項18】
前記第1ドープ領域の周辺に中和領域を形成する段階を更に含み、
前記中和領域を形成する段階は、
中和領域形成用イオン透過部と、隣接する前記中和領域形成用イオン透過部の間に配置されたイオン遮断部と、を有する中和領域形成用ハードマスクを、前記シリコン基板の第1面に近接させる段階と、
前記シリコン基板の前記第1面に近接させた前記中和領域形成用ハードマスクの前記イオン透過部を通過する前記第1ドーパントを前記第1面に注入する段階と、
を含み、
前記中和領域形成用イオン透過部は、当該中和領域形成用イオン透過部の面積が前記第1ドープ領域の面積よりも大きく、前記第1ドープ領域の位置に対応して整列している
ことを特徴とする、請求項13に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項19】
前記第1ドープ領域を形成する段階の後に、前記中和領域を形成する段階が実施される
ことを特徴とする、請求項18に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項20】
前記第1ドープ領域を形成する段階の前に、前記中和領域を形成する段階が実施される
ことを特徴とする、請求項18に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項21】
前記第1ドープ領域の前記第1ドーパントはn型の物質であり、
前記第2ドープ領域の前記第2ドーパントはp型の物質である
ことを特徴とする、請求項1〜20の何れか1項に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項22】
前記第1ドープ領域を形成するために、前記第1ドーパントを基板に注入した後、前記シリコン基板を熱処理する段階を更に含む
ことを特徴とする、請求項21に記載の太陽電池のドープ領域の形成方法。
【請求項23】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池において、
第1面と当該第1面に対向する第2面と、を有するシリコン基板と、
前記第1面の内に形成され、第1ドーパントでドープされた第1ドープ領域と、
前記第1面の内に、前記第1ドープ領域に隣接して形成され、第2ドーパントでドープされた第2ドープ領域と、
前記第1ドープ領域上に配置された第1シリコン酸化膜と、
前記第2ドープ領域上に配置された第2シリコン酸化膜と、
を備え、
前記第1シリコン酸化膜は、前記第2シリコン酸化膜よりも厚い
ことを特徴とする、太陽電池。
【請求項24】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、1800Å以上である
ことを特徴とする、請求項23に記載の太陽電池。
【請求項25】
前記第1シリコン酸化膜の厚さは、2000Å以上である
ことを特徴とする、請求項24に記載の太陽電池。
【請求項26】
前記第1ドープ領域の前記第1ドーパントは、前記第1シリコン酸化膜と前記第2シリコン酸化膜に含まれる
ことを特徴とする、請求項23〜25の何れか1項に記載の太陽電池。
【請求項27】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域とは、離隔して設けられる
ことを特徴とする、請求項23〜26の何れか1項に記載の太陽電池。
【請求項28】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間には、中和領域が配設され、
前記中和領域は、前記第1ドーパントと前記第2ドーパントを含む領域である
ことを特徴とする、請求項27に記載の太陽電池。
【請求項29】
前記中和領域上には、第3シリコン酸化膜が配設され、
前記第3シリコン酸化膜の厚さは、前記第1シリコン酸化膜よりも小さく、前記第2シリコン酸化膜よりも大きい
ことを特徴とする、請求項28に記載の太陽電池。
【請求項30】
半導体基板の第1面上に第1導電型の領域と前記第1導電型と反対の特性を有する第2導電型の領域とを有する太陽電池の製造方法において、
前記第1面上に第1導電型の領域を形成する過程と、
前記第1面を酸化する過程と、
を含み、
前記第1面上の酸化によって前記第1導電型の領域上に形成された第1酸化膜の厚さは、前記第1酸化膜を除いた前記第1面上の第2酸化膜の厚さよりも厚く、
前記第1酸化膜を自己整列マスクとして使用し、前記第2導電型のイオンの注入によって前記第2導電型の領域を形成する過程を含む
ことを特徴とする、太陽電池の製造方法。
【請求項31】
半導体基板の第1面上に形成された第1導電型の領域と、
前記第1導電型の領域と隣接した前記第1面上に形成された、前記第1導電型と反対の特性を有する第2導電型の領域と、
を備え、
前記第1導電型の領域上に形成された第1酸化膜の厚さは、前記第2導電型の領域上に形成された第2酸化膜の厚さよりも厚く、前記第2導電型の領域が形成されるように前記第2導電型のイオン注入時に前記第1酸化膜はマスクとして使用され、前記第2酸化膜は前記イオン注入の透過膜として使用される
ことを特徴とする、太陽電池。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2012−235084(P2012−235084A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11973(P2012−11973)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】