太陽電池システム

【課題】本発明の目的は、回路構成を簡単にして、電力の取り出し効率の高い太陽電池システムを提供することにある。
【解決手段】太陽電池システム10は、複数の太陽電池アレイ12が備えられている。制御モジュール14は、太陽電池アレイ12に接続された電力計測回路16、電力計測回路16の出力を受けるDC−DCコンバータ18、MTTP制御をおこなう制御回路20、DC−DCコンバータ18の出力に接続されたインピーダンス22を備える。制御モジュール14の出力が1つのインバータ回路24に入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の太陽電池アレイから電力を出力する太陽電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料に代わる新エネルギーとして、ほとんど無尽蔵でクリーンな太陽光を電気に変える太陽電池の開発が盛んである。その中で、電力の取り出し効率を高めるために最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御を利用した太陽電池システムがある(下記の特許文献1や非特許文献1など)。全ての太陽電池アレイに対して一括にMPPT制御をおこなうのではなく、個々の太陽電池アレイに対しておこなっている。
【0003】
しかし、MPPT制御を太陽電池アレイごとにおこなったとしても、太陽電池アレイごとの電力は最大であるが、それらの電力が合成されたときのことも考慮する必要がある。そのため、MPPT制御をおこなう制御回路が、出力後のインバータに太陽電池アレイの電力の情報を送り、インバータのスイッチングを制御している。MPPT制御が複雑になっている。MPPT制御をおこなうための回路が複雑になり、高価になるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−302130号公報
【非特許文献1】http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2010/pr20100614/pr20100614.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、回路構成を簡単にして、電力の取り出し効率の高い太陽電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の太陽電池システムは、複数の太陽電池アレイと、前記太陽電池アレイごとに備えられた制御モジュールと、前記制御モジュールとは独立して動作し、複数の制御モジュールの出力を受けて直流電力を交流電力に変換するインバータ回路とを備える。
【0007】
前記制御モジュールは、前記太陽電池アレイの出力電圧および出力電流を計測する電力計測回路と、スイッチング素子を備え、スイッチングによって前記太陽電池アレイの直流電力を最大出力にするDC−DCコンバータと、前記電力計測回路で計測した電圧と電流のVI特性の変動から、DC−DCコンバータの直流電力の最大出力を求め、該最大出力となるようにスイッチング素子をスイッチングする制御回路とを備える。
【0008】
太陽電池アレイの出力電圧と電流が電力計測回路で計測され、そのVI特性から制御回路が最大電力点を求める。制御回路は、求めた最大電力点になるようにDC−DCコンバータのスイッチング素子を制御する。DC−DCコンバータの出力は最大電力となっており、その最大電力を受けて電圧と電流とが反比例する。
【0009】
前記DC−DCコンバータは、出力電圧を一定電圧にするフィードバック制御をせずに、制御回路からスイッチングがおこなわれる。前記制御回路は、インバータ回路に通信接続されず、制御回路とインバータ回路とが独立動作する。
【0010】
前記DC−DCコンバータの出力にインピーダンスが接続されている。インピーダンスは、電解コンデンサを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、各制御モジュールの最大電力が出力されており、インバータ回路から出力される電力は最大になる。DC−DCコンバータはフィードバック制御をおこなわず、また制御回路とインバータとが通信をおこなわず、複雑な回路構成とはならない。そのため、安価に太陽電池システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の太陽電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】太陽電池アレイのVI特性を示す図である。
【図3】電圧と電流とが反比例された特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の太陽電池システムについて図面を使用して説明する。
【0014】
図1に示す太陽電池システム10は、複数の太陽電池アレイ12が備えられている。太陽電池アレイ12ごとに制御モジュール14が構成される。各太陽電池アレイ12は、例えば約50〜100Wの出力である。制御モジュール14同士は、直列、並列、または直列と並列を組み合わせて接続する。
【0015】
制御モジュール14は、太陽電池アレイ12に接続された電力計測回路16、電力計測回路16の出力を受けるDC−DCコンバータ18、DC−DCコンバータ18を制御する制御回路20、DC−DCコンバータ18の出力に接続されたインピーダンス22を備える。
【0016】
電力計測回路16は、太陽電池アレイ12の出力電圧および出力電流を計測する回路である。電力計測回路16は、電圧計と電流計が含まれる。計測された出力電圧および出力電流は制御回路20に入力される。電流値は、シャント抵抗などで電流を測定し、電流値に応じた電圧値に変換し、その電圧値を制御回路20で利用しても良い。
【0017】
DC−DCコンバータ18は、太陽電池アレイ12が出力した直流電力の値を変換する回路である。DC−DCコンバータ18は、スイッチング素子を備える。スイッチング素子が制御回路20によってスイッチングされる。このスイッチングによって太陽電池アレイ12の直流電力が最大出力になるようにする。スイッチング素子としては、例えばパワーMOSFETが挙げられる。パワーMOSFETのゲートにパルスが入力されて、スイッチングされる。
【0018】
また、DC−DCコンバータ18には、リアクトルを設け、スイッチング素子のスイッチングによって、電気エネルギーの蓄電と放電をおこなう。さらに、ダイオードを介してインピーダンス22に最大電力を出力するようにする。
【0019】
DC−DCコンバータ18は、出力電圧を一定電圧にするためのフィードバック制御をおこなわない。DC−DCコンバータ18は独立制御され、スイッチング素子を制御するための制御回路20を単純にすることができる。
【0020】
制御回路20は、電力計測回路16で計測された電圧と電流のVI特性の変化を検出し、このVI特性における最大電力点を検出する(図2)。そして、DC−DCコンバータ18の出力がこの最大電力点になるように、DC−DCコンバータ18のスイッチング素子に対してパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)されたパルスを入力する。すなわち、制御回路20はMPPT制御をおこなう回路であり、制御モジュール14ごとにMPPT制御をおこなっている。各太陽電池アレイ12への光量が変化しても、その光量において最大電力となるように制御される。
【0021】
制御回路20の制御によって、DC−DCコンバータ18の出力は、太陽電池アレイ12のVI特性における電圧と電流との関係が反比例する。DC−DCコンバータ18の出力は、電圧と電流の関係が図2から図3になる。図3では、どの値がインバータ回路24に入力されても最大電力となる。
【0022】
図3においては、光量の異なる特性が示されているが、4つの太陽電池アレイ12への光量が図3のようにそれぞれ異なるとする。制御モジュール14が直列接続されている場合、直列動作点を選択すれば各制御モジュール14の電流値は同じになる。制御モジュール14が並列接続されている場合、並列動作点を選択すれば各制御モジュール14の電圧値は同じになる。電圧値または電流値の一方によって他方が決定されるが、上記のように図3においては、決定された電圧値と電流値とから得られる電力は最大値である。最大電力がインバータ回路24に入力される。
【0023】
DC−DCコンバータ18の出力にインピーダンス22が接続される。DC−DCコンバータ18の出力に含まれる交流成分を除去する働きがある。また、DC−DCコンバータ18の出力が変化する時間を長くし、変化率を小さくできる。安全範囲で長く動作させることができる。
【0024】
インピーダンス22としては、例えば、2.2μF、200Vの電解コンデンサが挙げられる。電解コンデンサの+端子がDC−DCコンバータ18の出力に接続され、−端子がアース電位になるようにする。
【0025】
直列、並列、または直並列に接続された複数の制御モジュール14の出力が1つのインバータ回路24に入力される。上述したように、制御モジュール14がどのように直列または並列に接続されても、各制御モジュール14の最大電力をインバータ回路24に入力することができる。
【0026】
インバータ回路24は、直流電力を交流電力に変換する。インバータ回路24はスイッチング素子やスイッチングを制御する回路を備え、スイッチングによって交流電力を出力する。インバータ回路24は、制御回路20と通信接続されていず、制御回路20に対して独立して駆動する。インバータ回路24は、入力に対して所定の電力を出力するように駆動する。このため従来のように入力電圧範囲の広い設計ではなく、固定入力電圧設計が出来る。この効果によりインバータ回路24の構成が簡単になり、低価格化が容易になる。
【0027】
以上のように、本発明は各制御モジュール14の最大電力が出力されており、インバータ回路24から出力される電力は最大になる。DC−DCコンバータ18の出力のフィードバックをおこなっていず、DC−DCコンバータ18への制御か簡単である。制御回路20とインバータ回路24とが通信によって最大電力を出力するような複雑な構成にはなっていず、制御回路20とインバータ回路24とが互いに独立して動作するため、構成が単純になる。そのため、安価に太陽電池システム10を構成することができる。
【0028】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0029】
10:太陽電池システム
12:太陽電池アレイ
14:制御モジュール
16:電力計測回路
18:DC−DCコンバータ
20:制御回路
22:インピーダンス
24:インバータ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池アレイと、
前記太陽電池アレイごとに備えられた制御モジュールと、
前記制御モジュールとは独立して動作し、複数の制御モジュールの出力を受けて直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
を備えた太陽電池システムであって、
前記制御モジュールが、
前記太陽電池アレイの出力電圧および出力電流を計測する電力計測回路と、
スイッチング素子を備え、スイッチングによって前記太陽電池アレイの直流電力を最大出力にするDC−DCコンバータと、
前記電力計測回路で計測した電圧と電流のVI特性の変動から、DC−DCコンバータの直流電力の最大出力を求め、該最大出力となるようにスイッチング素子をスイッチングする制御回路と、
を備え、
前記DC−DCコンバータが、該DC−DCコンバータの出力電圧を一定電圧にするフィードバック制御をせずに、制御回路からスイッチングがおこなわれ、
前記制御回路とインバータ回路とが独立して動作する
太陽電池システム。
【請求項2】
前記DC−DCコンバータの出力に接続されたインピーダンスを備えた請求項1の太陽電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−199519(P2012−199519A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32589(P2012−32589)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【出願人】(397022368)上新電機株式会社 (4)
【出願人】(505462471)株式会社イー・プランニング (4)
【Fターム(参考)】