説明

太陽電池デバイス及び太陽電池デバイスの製造方法

【課題】光電変換発電効率を高めた太陽電池デバイスを得るため、光電変換効率を向上させる諸因子を改善した太陽電池デバイス及びその製造方法等を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するため、半導体の太陽電池デバイスであって、前記半導体に、元素周期律表の第IV属元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を添加したことを特徴とする太陽電池デバイスの構成とした。また半導体の太陽電池デバイスの製造方法において、拡散工程前の半導体ウエハに対し、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる表層からドーピングし、アニーリングにより結晶ダメージを修復することを特徴とする太陽電池デバイスの製造方法の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池デバイス及びその製造方法に関する。より詳しくは、半導体の太陽電池デバイスにおいて、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を添加した太陽電池デバイス及びその製造方法に関するものである。さらに、太陽電池デバイスの光電変換発電効率(PV・Eff)を向上に寄与する短絡電流(Isc)のp−n接合の飽和電流(Io)の改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池デバイスを製造する場合、元素周期律表の第IV族元素(シリコンやゲルマニウム等)層中に、第III族元素(ホウ素等)を添加して形成したP型層と、第V族元素(リン等)を添加して形成したN型層とを接合(P−N接合)させている。
【0003】
また、P型層とN型層の間にホウ素やリン等の不純物を意識的に添加していないI型層を挿入(P−I−N接合)すること、或いはP−I−N接合の一部を変法したP−I−N系接合とする場合もある。
【0004】
しかしながら、従来技術による太陽電池デバイスの製造方法で得られる太陽電池デバイスでは、太陽光を利用した光電変換効率は、極めて低い状況であった。例えば、商用生産レベルの太陽電池デバイスの光電変換効率は、シリコン薄膜系で概ね8%〜14%、シリコン多結晶系で概ね15%〜19%、シリコン単結晶系で概ね19%〜22%であった。
【0005】
他方、特許文献1に記載されているように、イオン注入法を用いて半導体基板の拡散層が形成されていない領域に裏面(太陽光の反受光面側)からシリコン、ゲルマニウム、水素、フッ素、酸素、炭素などを注入して欠陥の存在する層を形成する太陽電池セル及びその製造方法の発明も公開されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、結晶構造を乱すために注入される材料はシリコン、ゲルマニウム、水素、フッ素、酸素、炭素などであり、それらが裏面イオン注入されることにより、注入部をアモルファス状にし、その注入物質が欠陥の核となり、欠陥層形成が容易になるというものである。従って、特許文献1と太陽電池の光電変換効率の改善とでは、発明の作用、効果等で全くの別物であると理解すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−17201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、光電変換発電効率を高めた太陽電池デバイスを得るため、光電変換効率を向上させる諸因子を改善した太陽電池デバイス及びその製造方法等を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、半導体の太陽電池デバイスであって、前記半導体に、元素周期律表の第IV属元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を添加したことを特徴とする太陽電池デバイスの構成とした。そして、 前記添加が、前記半導体の太陽電池デバイスの原料である単結晶バルク(母体)又は多結晶バルク(母体)或いは薄膜原料中に元素周期律表の第IV属元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を添加することであることを特徴とする前記記載の太陽電池デバイスの構成とし、或いは前記添加が、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる半導体ウエハの表層からドーピングし、アニーリングにより結晶ダメージを修復することであることを特徴とする前記記載の太陽電池デバイスの構成とした。
【0010】
さらに、前記第IV族元素が、炭素であることを特徴とする前記何れかに記載の太陽電池デバイスの構成とし、前記半導体が、P−N接合又はP−I−N系接合を有するシリコン、或いはP−N接合又はP−I−N系接合を有するゲルマニウムであることを特徴とする前記何れかに記載の太陽電池デバイスの構成とし、前記半導体が、P−N接合又はP−I−N系接合を有するシリコン・ゲルマニウム系(SixGex−1、0<x<1)であることを特徴とする前記何れかに記載の太陽電池デバイスの構成とした。
【0011】
また、前記添加が、イオン注入法によるドーピングであることを特徴とする前記何れかに記載の太陽電池デバイスの構成とし、また前記第IV族元素或いはその化合物或いはその何れかを含む混合物をドーピングするに際して、第IV族元素のイオンドーズ量が、2×1014/cm以上であることを特徴とする前記記載の太陽電池デバイスの構成とした。
【0012】
そして、半導体の太陽電池デバイスの製造方法において、拡散工程前の半導体ウエハに対し、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる表層からドーピングし、アニーリングにより結晶ダメージを修復することを特徴とする太陽電池デバイスの製造方法の構成とした。そして前記第IV族元素が炭素であり、イオン注入法により0.1KeV以上の加速電圧でドーピングされたことを特徴とする前記記載の太陽電池デバイスの製造方法の構成とし、また前記アニーリングが、前記ドーピング直後の加熱であること、又は拡散工程或いは焼成工程の加熱であることを特徴とする前記記載の太陽電池デバイスの製造方法の構成とした。
【0013】
加えて、半導体の太陽電池デバイスの製造工程において、拡散工程前の半導体ウエハに対し、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる半導体ウエハの表層からドーピングし、アニーリングすることを特徴とする太陽電池デバイスのIscのIo改善方法の構成とした。
【0014】
そして、太陽電池デバイス用の半導体材料に、元素周期律表の第IV族元素が2×1017/cm以上の濃度になるように、第IV属元素又はその化合物或いはその何れかの混合物を添加したことを特徴とする太陽電池デバイス用原料の構成とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記構成であるので、従来にない極めて高いIo(太陽電池の短絡電流IscのIo)を実現する太陽電池デバイスのIo改善方法を提供するものであるこのことは、従来にない極めて高い光電変換効率(PV・Eff(%))の実現を示唆し、従来にない高い発電効率の太陽電池デバイスを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明である太陽電池デバイスの製造方法のフローの一例である。
【図2】本発明である太陽電池デバイスの説明図である。
【図3】炭素イオン注入量を変えたときの光変換効率に影響を及ぼす諸因子の分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1に示すように、従来の太陽電池デバイスの製造方法は、(1)予備洗浄工程、(2)ダメージ層除去・テクスチャ形成工程、(3)拡散工程、(4)酸化膜除去工程、(5)反射防止膜形成工程、(6)電極形成工程、(7)焼成工程(1200℃)、(8)特性検査工程の順で一般に行われる。なお、従来の太陽電池デバイスの製造方法は、図1に限定されるものではない。
【0019】
一方、本発明である太陽電池デバイスの製造方法は、従来の太陽電池デバイスの製造方法において、(2)ダメージ層除去・テクスチャ形成工程の後であって(3)拡散工程の前に受光側となる表面から接合面付近に向けイオン添加(A)、或いは(3)拡散工程の後であって(4)酸化膜除去工程の前に表面層から接合面付近に向けイオン添加(B)される。
【0020】
そして、イオン注入によって、乱れた結晶を熱処理で修復する(アニーリング)。アニーリングは、図1(A)でのイオン添加の場合では、1)イオン添加(A)の直後、又は2)(3)拡散工程の直後に行う。或いは3)(7)焼成工程がアニーリングを兼ねる。
【0021】
また、図1(B)でのイオン添加の場合では、1)イオン添加(B)の直後に行うこと、又は2)(7)焼成工程がアニーイングを兼ねる。
【0022】
アニーリング温度は、概ね950℃〜1200℃とすればよいが、勿論、添加するイオンの種類、加速電圧、濃度により最適条件は異なる。
【0023】
添加されるイオンの種類は、元素周期律表の第IV族元素或いはその化合物又は何れかを含む混合物である。特に、炭素イオンが取り扱い、コスト、イオン注入装置の汎用性から最も好ましい。注入される半導体としては、従来から用いられているP−N接合或いはP−I−N系接合を有するシリコン又はゲルマニウムでよい。尚、注入される半導体は、シリコンやゲルマニウム以外に、p−n接合を有する他の半導体材料であってもよい。
【0024】
イオン添加方法は、従来の手法を採用できるが、特に、イオン注入法により、太陽電池デバイスの受光層側となる表面から接合面に向け注入することが望ましい。この場合には、接合付近に注入することが望ましが、表層付近にドーピングしてもよい。
【0025】
ドーピング(添加)されるイオン濃度(イオンドーズ量)は、2×1014/cm以上であることを要する。上限については、Io(p−n接合の飽和電流)値が従来技術による太陽電池デバイスの値以下とならない範囲で、添加できる濃度まで可能である。
【0026】
図2(A)に示すように、拡散層3(n型層)と基盤4(p型層)との接合面2aに向け炭素イオンドーピングされた本発明である太陽電池デバイス2は、図2(B)に示すような濃度部分でドーピングされた炭素が存在することとなる。図2(2)の横軸は炭素イオン濃度、縦軸が表面からの深さ方向(μm)である。図2(B)に示すように、注入された炭素は、表面から0.3μmの接合面2aよりやや深い0.5μm付近を最大濃度として存在し、その上下方向に行くしたがってその濃度が低下する。
【0027】
図3に、従来の太陽電池ウエハ#1と#2の諸性能とドーピングされる炭素イオン濃度を変えた本発明である太陽電池ウエハ#3〜#10の諸性能を対比した表を示す。
【0028】
[試験方法]
まず初めに、シリコン単結晶系の太陽電池デバイスでの従来法と本発明法で比較実験について図3を参照しながら説明する。
【0029】
シリコン単結晶ウエハ#1と#2は、終始一貫して従来の量産太陽電池デバイスの製造方法に基づいて製造した比較参照のための太陽電池ウエハである。シリコン単結晶ウエハ#3〜#10は、従来の量産製造工程のほぼ初期段階であるシリコン単結晶ウエハをダメージ層除去・テクスチャ形成工程(図1(2))終了後に一旦工程外に取り出され、各実施区の濃度の炭素イオンをイオン注入法により表層から注入した(図1イオン添加(A)でのイオン注入)。その後、再びテクスチャ形成工程の終了時点に戻した。そして、従来法にしたがい本発明である太陽電池デバイスとしてのウエハを作成した。
【0030】
なお、本発明の方法による処理が付加されたウエハ#3〜#10は、元素周期律表の第IV族元素である炭素(C)のイオン注入添加量(イオンドーズ量)が2×1014/cmから3×1015/cmまで変化させたウエハである。また、イオン注入法によるイオンの加速電圧は115KeVであった。なお、加速電圧は、0.1KeV〜300KeVの範囲で変更しても、分析値に差異は見られなかった。即ち、注入された炭素イオンは、表面付近に存在しても、接合面付近に存在していても、或いは、接合面をより更に深い位置に存在していても、Ioの改善効果があるということである。従って、加速電圧は、0.1KeV以上、好ましくは0.1〜300KeVである。
【0031】
一般に、太陽電池デバイスの光電変換効率PV・Eff(%)は、太陽光の照射入力エネルギーを100mW/cmで規格化した測定で、次のような関係式(1)で表さる。

PV・Eff(%)=Isc × Voc × FF ・・・・・(1)

ここで、式(1)における
Iscは、太陽電池デバイスのI−V特性における短絡電流(mA/cm)、
Vocは、太陽電池デバイスのI−V特性における開放電圧(V)、
FFは、曲線因子(フィル・ファクター)である。
【0032】
また、式(1)の諸条件について、次の式(2)の関係もある。

FF=(Vmax × Imax)/(Isc × Voc) ・・・・・(2)

ここで、式(2)における
Vmaxは、太陽電池デバイスのI−V特性における最大出力点電圧(V)、
Imaxは、太陽電池デバイスのI−V特性における最大出力点電流(mA)である。
【0033】
更に、Iscは、次の(3)式により定義される。

Isc=Io〔exp(qVoc/nKT)−1〕 ・・・・・(3)

ここで、式(3)における
Ioは、p−n接合の飽和電流(mA)、
qは、電子電荷(1.602×10−19C)、
nは、理想因子、
Kは、Boltzmann定数(1.38×10−23J/K)、
Tは、絶対温度(K)である。
【0034】
また、理想的なダイオードI−V特性の場合は、n(理想因子)=1である。従って、本実施例においては、絶対値の比較でなくとも、従来技術と本発明との相対比による比較でも、本発明の効果が十分に実証できることから、図3の分析値においては、Iscは便宜上、太陽電池デバイスの単位面積での規格(mA/cm)ではなくA(アンペア)として示した。
【0035】
[結果]
図3の結果のPV・Eff(%)値について見ると、従来法は、ほぼ最高点(平均約17%)を獲得していることから、最良の太陽電池デバイスであったといえる。一方、本発明である元素周期律表の第IV族元素である炭素イオンを注入量した場合では、このイオン注入量(イオンドーズ量)が増大すればするほど、PV・Eff(%)値は下降し続け、イオン注入量が3×1015/cmの場合では、PV・Eff(%)値は、最低点(平均約15.7%)を示した。
【0036】
他方、上記の式(3)で示されるように、光電変換効率に大きく影響する短絡電流IscのIo値を見ると、従来法では平均9.06×10−11であったが、本発明ではイオン注入量が増大すればするほど、Io値は上昇を続け、イオン注入量が3×1015/cmの場合では、Io値は4.41×10−10(♯9、♯10の平均)と最高点を示した。そして、本発明におけるIo相対比(実施区/従来技術)を見た場合、全ての実施区で従来技術を上回り、♯9、♯10の平均値では、従来技術におけるIo相対比の4.8倍と驚異的な数値を示した。
【0037】
即ち、本発明の太陽電池デバイスの製造方法によれば、従来法のPV・Eff(%)を驚異的な数値(4.8倍化(♯9、♯10の平均))にさせる潜在能力を有しているということがいえる。この驚異的な潜在能力が得られた原理については、太陽光に対するSiの光対応エネルギー・バンドがマルチ・バンド化したことによるものではないかと考えている。
【0038】
従来、シリコンやゲルマニウムのような半導体原材料には、ごく微量の炭素、概ね、その
濃度にして1010〜1011/cm程度以下の炭素が含有する場合があるが、光電変換効率に対してそれら微量の炭素イオンの存在は悪影響であると考えられており、本発明のようにそれらの濃度と比較して、数万倍以上と極めて高い濃度の炭素をウエハに注入することは従来想定されていなかったため、他の研究者においてもその原理について検討されていない。
【0039】
一方、Io相対比について驚異的な潜在能力を現実にしながら、図3において本発明の実施区では、光電変換効率が向上しなかった。それは、イオン注入量の増大に伴い、太陽電池デバイスの単結晶シリコン部に結晶欠陥が発生し、発生した結晶欠陥がイオン注入後のアニーリング工程において十分に結晶性が回復しなかったためと思われる。
【実施例2】
【0040】
そこで、新たに前述の量産製造工程のダメージ層除去・テクスチャ形成工程(図1(2))からウエハを一旦取り出し、本発明法のイオン注入処理を行い、新たに、1000℃で40分の加熱処理(アニーリング)を加えた。その後、再び、量産工程へ戻し、従来(図1)通りの太陽電池デバイスの製作をした。
【0041】
得られた太陽電池デバイスを分析したところ、その光電変換効率(PV・Eff(%))は25%であり、従来技術より飛躍的に向上した光電変換効率を示した。
【0042】
なお、ここで示したSi結晶系は単結晶であるが、多結晶、Si薄膜、或いはp−型基板にnー型不純物を添加した層からなる構造、n−型基板にpー型不純物を添加した層からなる構造、さらにはn−i−p構造やp−i−n構造であった場合でも、適切な制御で表面近傍から接合近傍、或いは、接合近傍より更に深い領域までの、広い部位に炭素イオンを添加することで、Ioを従来技術より高くすることができる。また、Si1−x合金において炭素イオン添加量を制御することで異なるバンドギャップも形成できる。
【0043】
実施例1、2では、p−型Si基板にn-型不純物が添加されたp−n型太陽電池用ウエハに対して、炭素をイオン注入した太陽電池の製造方法について説明したが、本発明の変法として、上記半導体ウエハの材料であるインゴット(単結晶バルク(母体)や多結晶バルク(母体))や薄膜原料中に、元素周期律表の第IV族元素或いはその化合物又は何れかを含む混合物を意図的に添加したもの、例えば、面密度2×1014/cm以上に相当する程度の濃度2×1017/cm以上に元素周期律表の第IV族元素或いはその化合物又は何れかを含む混合物を添加した場合であっても、同様にIoが向上し、高発電効率の太陽電池が実現される。
【0044】
実施例1、2では、p−型Si基板にn-型不純物が添加されたp−n型太陽電池用ウエハに対して、炭素イオンを当該ウエハの表面方向から内部方向へ注入した太陽電池の製造方法について説明したが、太陽電池デバイスは、裏面での反射光、或いは裏面からの入射光を利用でる場合もあるため、本発明の変法として、太陽電池の裏面側から内部方向へ炭素イオンを注入してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 太陽電池
2 太陽電池デバイス
2a 接合面
3 拡散層
4 基盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体の太陽電池デバイスであって、前記半導体に、元素周期律表の第IV属元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を添加したことを特徴とする太陽電池デバイス。
【請求項2】
前記添加が、前記半導体の太陽電池デバイスの原料である単結晶バルク(母体)又は多結晶バルク(母体)或いは薄膜原料中に元素周期律表の第IV属元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を添加することであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池デバイス。
【請求項3】
前記添加が、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる半導体ウエハの表層からドーピングし、アニーリングにより結晶ダメージを修復することであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池デバイス。
【請求項4】
前記第IV族元素が、炭素であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の太陽電池デバイス。
【請求項5】
前記半導体が、P−N接合又はP−I−N系接合を有するシリコン、或いはP−N接合又はP−I−N系接合を有するゲルマニウムであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の太陽電池デバイス。
【請求項6】
前記半導体が、P−N接合又はP−I−N系接合を有するシリコン・ゲルマニウム系(SixGex−1、0<x<1)であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の太陽電池デバイス。
【請求項7】
前記添加が、イオン注入法によるドーピングであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の太陽電池デバイス。
【請求項8】
前記第IV族元素或いはその化合物或いはその何れかを含む混合物をドーピングするに際して、第IV族元素のイオンドーズ量が、2×1014/cm以上であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池デバイス。
【請求項9】
半導体の太陽電池デバイスの製造方法において、拡散工程前の半導体ウエハに対し、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる表層からドーピングし、アニーリングにより結晶ダメージを修復することを特徴とする太陽電池デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記第IV族元素が炭素であり、イオン注入法により0.1KeV以上の加速電圧でドーピングされたことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池デバイスの製造方法。
【請求項11】
前記アニーリングが、前記ドーピング直後の加熱であること、又は拡散工程或いは焼成工程の加熱であることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池デバイスの製造方法。
【請求項12】
半導体の太陽電池デバイスの製造工程において、拡散工程前の半導体ウエハに対し、元素周期律表の第IV族元素又はその化合物或いはその何れかを含む混合物を受光面側となる半導体ウエハの表層からドーピングし、アニーリングすることを特徴とする太陽電池デバイスのIscのIo改善方法。
【請求項13】
太陽電池デバイス用の半導体材料に、元素周期律表の第IV族元素が2×1017/cm以上の濃度になるように、第IV属元素又はその化合物或いはその何れかの混合物を添加したことを特徴とする太陽電池デバイス用原料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−43945(P2012−43945A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183258(P2010−183258)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(500326204)瀬戸技研工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】