太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、タブ線
【課題】製造が容易で、かつシャドーロスの低減を図ることができるタブ線を提供する。
【解決手段】複数の太陽電池セル2と、太陽電池セル2の表面及び隣接する太陽電池セル2の裏面にそれぞれ形成された電極11,13上に接着され、複数の太陽電池セル2同士を接続するタブ線3とを備え、タブ線3は、線状をなし、電極11,13との接着部を含む外周面を覆う接着剤層16によって電極11,13と接着されている。
【解決手段】複数の太陽電池セル2と、太陽電池セル2の表面及び隣接する太陽電池セル2の裏面にそれぞれ形成された電極11,13上に接着され、複数の太陽電池セル2同士を接続するタブ線3とを備え、タブ線3は、線状をなし、電極11,13との接着部を含む外周面を覆う接着剤層16によって電極11,13と接着されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブ線によって複数の太陽電池セルが接続された太陽電池モジュールに関し、特に線状のタブ線、このタブ線を用いた太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、複数の隣接する太陽電池セルが、インターコネクタとなるタブ線により接続されている。タブ線は、その一端側を一の太陽電池セルの表面電極に接続され、他端側を隣接する太陽電池セルの裏面電極に接続することにより、各太陽電池セルを直列に接続する。このとき、タブ線は、一端側の一面側が一の太陽電池セルの表面電極に接着され、他端側の他面側が隣接する太陽電池セルの裏面電極に接着されている。
【0003】
具体的に、太陽電池セルは、受光面に銀ペーストのスクリーン印刷によりバスバー電極が形成され、太陽電池セルの裏面接続部にAg電極が形成されている。なお、太陽電池セル裏面の接続部以外の領域はAl電極やAg電極が形成されている。
【0004】
また、図11に示すように、タブ線50は、リボン状銅箔51の両面にハンダコート層52が設けられることにより形成される。具体的に、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして得た幅1〜3mmの平角銅線に、ハンダメッキやディップハンダ付け等を施すことにより形成される。
【0005】
太陽電池セルとタブ線との接続は、タブ線を太陽電池セルの各電極上に配置し、加熱ボンダーによって熱加圧することにより、タブ線表面に形成したハンダを溶融、冷却することにより行う(特許文献1)。
【0006】
しかし、半田付けでは約260℃と高温による接続処理が行われるため、太陽電池セルの反りや、タブ線と表面電極及び裏面電極との接続部に生じる内部応力、さらにフラックスの残渣等により、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との間の接続信頼性が低下することが懸念される。
【0007】
そこで、従来、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との接続に、比較的低い温度での熱圧着処理による接続が可能な導電性接着フィルムが使用されている(特許文献2)。このような導電性接着フィルムとしては、平均粒径が数μmオーダーの球状または鱗片状の導電性粒子を熱硬化型バインダー樹脂組成物に分散してフィルム化したものが使用されている。
【0008】
導電性接着フィルムは、表面電極及び裏面電極とタブ線との間に介在された後、タブ線の上から加熱ボンダーによって熱加圧されることにより、バインダー樹脂が流動性を示して電極、タブ線間より流出されるとともに、導電性粒子が電極とタブ線間の導通を図り、この状態でバインダー樹脂が熱硬化する。これにより、タブ線によって複数の太陽電池セルが直列接続されたストリングスが形成される。
【0009】
導電性接着フィルムを用いてタブ線と表面電極及び裏面電極とが接続された複数の太陽電池セルは、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面保護材と、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等のフィルムからなる背面保護材との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材により封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−356349号公報
【特許文献2】特開2008−135654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述したように、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして、平角銅線を形成する必要があり、製造工数が増える。
【0012】
また、平角導線からなるタブ線は、幅2〜3mm程度の幅を有し、これを太陽電池セルの受光面に接着した場合、タブ線の幅に応じたシャドーロスが発生してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、製造が容易で、またシャドーロスの低減を図ることができるタブ線、当該タブ線を用いた太陽電池セル及び太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、上記タブ線は、線状をなし、上記電極との接着部を含む外周面を覆う接着剤層によって上記電極と接着されているものである。
【0015】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、線状のタブ線を用い、太陽電池セルの表面電極に上記タブ線の一端側を配置し、上記太陽電池セルと隣接する太陽電池セルの裏面電極に上記タブ線の他端側を配置する工程と、上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧し、上記表面電極及び上記裏面電極と上記タブ線との間に流動した接着剤層によって上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ接着する工程とを有するものである。
【0016】
また、本発明に係るタブ線は、太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線において、線状をなし、長手方向に亘って少なくとも外周面の50%が接着剤層によって覆われ、上記接着剤層によって上記電極と接着されるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、線状のタブ線を用いることにより、圧延銅箔を形成しスリットする工程や、銅線を平板状に圧延する工程が不要となり、製造設備や工数の削減を図ることができ、また、製造コストを抑えることもできる。また、本発明によれば、線状のタブ線を用いることにより、平板状のタブ線を用いた場合に比して、太陽電池セルの受光面に載置される面積を狭小化することができ、シャドーロスによる光電変換効率の低減を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】太陽電池モジュールを示す分解斜視図である。
【図2】太陽電池セルのストリングスを示す断面図である。
【図3】太陽電池セルの裏面電極及び接続部を示す平面図である。
【図4】タブ線の接着状態を示す断面図である。
【図5】線材の断面寸法を説明するための図である。
【図6】予め線材が接着剤層によって被覆されたタブ線を示す図であり、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図7】導電性接着フィルムを示す断面図である。
【図8】リール状に巻回された導電性接着フィルムを示す図である。
【図9】実施例を示す斜視図である。
【図10】比較例を示す斜視図である。
【図11】従来のタブ線を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明が適用されたタブ線、このタブ線を用いた太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0020】
[太陽電池モジュール]
本発明が適用された太陽電池モジュール1は、図1〜図3に示すように、複数の太陽電池セル2がインターコネクタとなるタブ線3によって直列に接続されたストリングス4を有し、このストリングス4を複数配列したマトリクス5を備える。そして、太陽電池モジュール1は、このマトリクス5が封止接着剤のシート6で挟まれ、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられたバックシート8とともに一括してラミネートされ、最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより形成される。
【0021】
封止接着剤としては、例えばエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性封止材が用いられる。また、表面カバー7としては、例えば、ガラスや透光性プラスチック等の透光性の材料が用いられる。また、バックシート8としては、ガラスやアルミニウム箔を樹脂フィルムで挟持した積層体等が用いられる。
【0022】
太陽電池モジュールの各太陽電池セル2は、光電変換素子10を有する。光電変換素子10は、単結晶型シリコン光電変換素子、多結晶型光電変換素子を用いる結晶シリコン系太陽電池や、アモルファスシリコンからなるセルと微結晶シリコンやアモルファスシリコンゲルマニウムからなるセルとを積層させた光電変換素子を用いた薄膜シリコン系太陽電池、いわゆる化合物薄膜系、有機系、量子ドット型など、各種光電変換素子10を用いることができる。
【0023】
また、光電変換素子10は、受光面側に内部で発生した電気を集電するフィンガー電極12とフィンガー電極12の電気を集電するバスバー電極11とが設けられている。バスバー電極11及びフィンガー電極12は、太陽電池セル2の受光面となる表面にAgペーストがスクリーン印刷等により塗布された後、焼成されることにより形成される。また、フィンガー電極12は、受光面の全面に亘って、例えば約50〜200μm程度の幅を有するラインが、所定間隔、例えば2mmおきに、ほぼ平行に複数形成されている。バスバー電極11は、フィンガー電極12と略直交するように形成され、また、太陽電池セル2の面積に応じて複数形成されている。
【0024】
また、光電変換素子10は、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられている。裏面電極13は、図2及び図3に示すように、アルミニウムや銀からなる電極が例えばスクリーン印刷やスパッタ等により太陽電池セル2の裏面に形成される。裏面電極13は、後述するタブ線3が接続されるタブ線接続部14を有する。
【0025】
そして、太陽電池セル2は、タブ線3によって、表面に形成された各バスバー電極11と、隣接する太陽電池セル2の裏面電極13とが電気的に接続され、これにより直列に接続されたストリングス4を構成する。タブ線3とバスバー電極11及び裏面電極13とは、タブ線3の外周面に設けられた接着剤層16によって接続される。
【0026】
[タブ線]
タブ線3は、図2に示すように、隣接する太陽電池セル2X、2Y、2Zの各間を電気的に接続するものであり、図4に示すように、例えば、直径が0.2mm〜2.0mの線材15を備え、線材15の外周面には太陽電池セル2のバスバー電極11や裏面電極13との接着を図る接着剤層16が設けられている。
【0027】
線材15は、線状の導電材からなり、例えば銅ワイヤーや金ワイヤー、アルミワイヤーなどの導電性を有する材料が用いられる。太陽電池モジュール1は、タブ線3として、線状の導電性のワイヤーからなる線材15を用いることにより、圧延銅箔を形成しスリットする工程や、銅線を平板状に圧延する工程が不要となり、製造設備や工数の削減を図ることができ、また、製造コストを抑えることもできる。また、太陽電池モジュール1は、タブ線3として、線材15を用いることにより、平板状のタブ線を用いた場合に比して、太陽電池セル2の受光面に載置される面積を狭小化することができ、シャドーロスによる光電変換効率の低減を抑えることができる。
【0028】
[断面積]
線材15は、断面積が0.5〜13.0mm2の範囲のものを用いる。これは、太陽電池モジュール1は、タブ線3を介して各太陽電池セル2を電気的に接続するものであるため、線材15の断面積が0.5mm2よりも小さいとタブ線3の導通抵抗が高くなり、光電変換効率が低減するおそれがあるためである。また、太陽電池モジュール1は、タブ線3が太陽電池セル2の受光面に接着されるため、線材15の断面積が13.0mm2よりも大きくなると、タブ線3によるシャドーロスの影響が大きくなるおそれがあるためである。
【0029】
[楕円形]
また、線材15は、断面が円形又は楕円形のものを用いることができる。この場合、図5に示すように、線材15は、断面を構成する円(楕円)の中心を通る直交座標のx軸(長軸)の半径をb、y軸(短軸)の半径をaとした場合、以下の関係を満たす。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
これにより、タブ線3は、上述した断面積の範囲を満たし、導通抵抗の上昇やシャドーロスの影響を抑えることができる。
【0030】
[接着剤層]
接着剤層16は、線材15の外周面を覆うことにより、タブ線3を太陽電池セル2のバスバー電極11や裏面電極13に接着させるものである。接着剤層16は、図6(a)(b)に示すように、ペースト状に形成し、予めタブ線3の線材15の外周面を被覆してもよく、あるいはフィルム状に形成し、太陽電池セル2の各電極11,13にタブ線3を接着させる際に、電極11,13上に配置し、線材15をこの接着フィルム上に配置した後、加熱ボンダー20により加熱押圧することにより線材15の外周面を被覆してもよい(図4)。また、太陽電池セル2に未硬化の接着剤層16、封止材を積層させ、ラミネート工程にて接着層16を硬化させる一括接続方法を用いることもできる。
【0031】
接着剤層16は、図7に示すように、導電性粒子23が高密度に含有された熱硬化性のバインダー樹脂層である。また、接着剤層16は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。接着剤層16は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
【0032】
接着剤層16に用いられる導電性粒子23としては、特に制限されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子、樹脂粒子に金めっきなどを施したもの、樹脂粒子に金めっきを施した粒子の最外層に絶縁被覆を施したものなどを挙げることができる。なお、導電性粒子23として、扁平なフレーク状金属粒子を含有することにより、互いに重なり合う導電性粒子23の数を増加させ、良好な導通信頼性を確保することができる。
【0033】
また、接着剤層16は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。接着剤層16の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、接着剤層16をテープ状のリール巻とした場合において、いわゆるはみ出しを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
【0034】
接着剤層16のバインダー樹脂層の組成は、上述のような特徴を害さない限り、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
【0035】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0036】
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
【0037】
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。液状エポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。
【0038】
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
【0039】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。
【0040】
図8は、接着剤層16の製品形態の一例を模式的に示す図である。この接着剤層16は、剥離基材24上にバインダー樹脂層が積層され、テープ状に成型されている。このテープ状の導電性接着フィルムは、リール25に剥離基材24が外周側となるように巻回積層される。剥離基材24としては、特に制限はなく、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などを用いることができる。また、接着剤層16は、バインダー樹脂層上に透明なカバーフィルムを有する構成としてもよい。
【0041】
上記では、接着剤層16として、フィルム形状を有する導電性接着フィルムについて説明したが、ペースト状であっても問題は無い。また、接着剤層16は、バインダー樹脂層に導電性粒子を含有しない絶縁性接着剤であってもよい。絶縁性接着剤を用いた場合、タブ線3は、線材15が直接バスバー電極11や裏面電極13と接触し、導通が図られ、接着剤層16はその周囲を封止することにより接着する。本願では、導電性粒子23を含有するフィルム状またはペースト状の導電性接着剤、及び導電性粒子23を含有しないフィルム状またはペースト状の絶縁性接着剤を「接着剤層16」と定義する。
【0042】
なお、接着剤層16は、リール形状に限らず、短冊形状であってもよい。図8に示すように接着剤層16が巻き取られたリール製品として提供される場合、接着剤層16の粘度を10〜10000kPa・sの範囲とすることにより、接着剤層16の変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。また、接着剤層16が短冊形状で2枚以上積層された場合も同様に、変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。
【0043】
このような接着剤層16は、導電性粒子23と、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。
【0044】
溶解させて得られた樹脂生成用溶液は、線材15に塗布された後、乾燥させて溶剤を揮発させることにより、予め接着剤層16が線材15の外周面に設けられたタブ線3を得る。タブ線3を各電極11,13に接着する際には、タブ線3がバスバー電極11上及び裏面電極13のタブ線接続部14上に配置され、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧される。これにより、タブ線3は、接着剤層16のバインダー樹脂が線材15の外周面を流動して各電極11,13と接触する接着部の間で硬化し、導電性粒子23がタブ線3とバスバー電極11や裏面電極13との間で挟持される。これにより、接着剤層16は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導通接続させることができる。
【0045】
一方、接着剤層16をフィルム状に形成する場合、溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離シート上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、接着フィルムを得る。接着フィルムは、バスバー電極用及び裏面電極用に所定の長さにカットされ、剥離シートが剥離された後、接着剤層16が太陽電池セル2の表裏面の各電極11,13上に仮貼りされる。同様に、所定の長さにカットされた線材15が接着剤層16上に重畳配置される。その後、接着剤層16は、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧される。これにより、タブ線3は、バインダー樹脂が流動して線材15の各電極11,13と接触する接着部を含む外周面を覆った後に硬化して、導電性粒子23がタブ線3とバスバー電極11や裏面電極13との間で挟持される。これにより、接着剤層16は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導通接続させることができる。
【0046】
[接着剤層16の被覆率]
接着剤層16は、少なくとも線材15の外周面の50%を覆い、好ましくは50〜80%を覆う。これは、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率が50%より低いと、線材15と各電極11,13との接着に必要な量を確保できず、接着強度が足りなくなるおそれがあるためである。また、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率は、80%程度まであれば接着強度の確保に十分であるが、90%より高くなると、線材15の熱加圧時に、バインダー樹脂がバスバー電極11上から太陽電池セル2の受光面上にはみ出し、受光効率が低下するおそれがあるためである。
【0047】
接着剤層16による線材15の外周面の被覆率は、予め線材15の外周面に接着剤層16を設けたタブ線3では、線材15の表面積のうち、接着剤層16によって被覆されている面積と、線材15が露出している面積との比によって求める。
【0048】
また、各電極11,13上に配置されるフィルム状の接着剤層16の線材15の被覆率は、線材15を熱加圧した際に、線材15の表面積のうち、接着剤層16によって被覆されている面積と、線材15が露出している面積との比によって求める。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、太陽電池セル2として、バスバー電極11を有するものを例に説明したが、本発明は、バスバー電極11を有さずタブ線3を直接フィンガー電極12上に接着するいわゆるバスバーレス構造の太陽電池セル2に適用することもできる。なお、バスバーレス構造には、例えば太陽電池セル2の中央部にバスバー電極11を設けない間欠部を有するとともに太陽電池セルの外側縁部にのみ部分的にバスバー電極11を備えた構造も含む。
【実施例】
【0050】
次いで、本発明の実施例について比較例とともに説明する。図9は実施例を説明する斜視図であり、図10は比較例を説明する斜視図である。実施例、比較例ともに、予め接着剤層16によって被覆された長さ5cmのタブ線を用い、各タブ線を、表面に全面Ag電極30が形成されたガラス基板31の当該Ag電極30に2本ずつ熱加圧して接着した。熱加圧条件は、いずれも180℃、15sec、0.5MPaとした。サンプル作成後、タブ線の接着強度(N/mm)、2つのタブ線間における初期抵抗値(mΩ)及び熱衝撃試験(85℃、85%RH、500hr)後の抵抗値(mΩ)を測定した。
【0051】
接着強度、抵抗値測定の具体的な方法としては、接着強度は、各タブ線をAg電極30に接着された接着剤層16から90°方向で剥離する90°剥離試験(JIS K6854−1)を行い、接着強度(N/mm)を測定した。また、抵抗値は2本のタブ線上より電流端子及び電圧端子をそれぞれ接続する4端子法により抵抗値(mΩ)を測定した。
【0052】
実施例1は、線材15として円柱状の銅ワイヤーを用いた。線材15の断面は、半径1.0mmの円形で、断面積が3.14mm2である。また、導電性粒子を含有した接着剤層16によって線材15の外周面を被覆し、被覆率は50%とした。また、接着剤層16の厚さは10μmである。
【0053】
実施例2は、接着剤層16の被覆率を60%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0054】
実施例3は、接着剤層16の被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0055】
実施例4は、接着剤層16の被覆率を90%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0056】
実施例5は、線材15の断面が、半径0.45mmの円形で、断面積が0.64mm2であり、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0057】
実施例6は、線材15の断面が、半径2.00mmの円形で、断面積が12.56mm2であり、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0058】
実施例7は、線材15として断面楕円形状の銅ワイヤーを用いた。線材15の断面は、長軸bが0.70mm、短軸aが0.60mmの楕円形で、断面積が1.32mm2である。また、導電性粒子を含有した接着剤層16によって線材15の外周面を被覆し、被覆率は80%とした。また、接着剤層16の厚さは10μmである。
【0059】
実施例8は、導電性粒子を含有しない接着剤層16によって線材15の外周面を被覆し、被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0060】
比較例1は、平角形状の銅箔を用いた。銅箔は、幅2mm、厚さ50μmであり、断面積が1.26mm2である。また、導電性粒子を含有した接着剤層16によって銅箔の両面を被覆した。また、接着剤層16の厚さは20μmである。
【0061】
なお、接着剤層16は、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤、これらを希釈するための有機溶剤(トルエン)を配合し、接着剤溶液を作成した。導電性を有する接着剤層16では、さらに2〜5μmのニッケル粒子を重量比5%tとなるように配合した。実施例1〜8では、この接着剤溶液を線材15の外周面を50〜90%覆うように塗布、乾燥させた。また比較例1では、この接着剤溶液を厚さ50μmの銅箔上に塗布、乾燥させた後、幅2mm、長さ5cmにカットした。
【0062】
測定結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1に示すように、実施例1〜8では、0.5MPaといった低圧力での押圧にもかかわらず、いずれも接着強度が、0.6〜2.0N/mmとなり、実用に耐えられるものであることがわかる。また、実施例1〜8では、いずれも初期の導通抵抗値が5〜10mΩであり、また、熱衝撃試験後においても8〜13mΩであった。これにより、実施例1〜8では、初期値及び熱衝撃試験後の抵抗値の上昇も殆ど見られず、光電変換効率が低減することがない。一方、比較例1においては、接着強度は1.6N/mmと良好であったが、初期の導通抵抗が50mΩと高く、熱衝撃試験後は導通不良のために抵抗値を検出することができなかった。
【符号の説明】
【0065】
1 太陽電池モジュール、2 太陽電池セル、3 タブ線、4 ストリングス、5 マトリクス、6 シート、7 表面カバー、8 バックシート、9 金属フレーム、10 光電変換素子、11 バスバー電極、12 フィンガー電極、13 裏面電極、14 タブ線接続部、15 線材、16 接着剤層、23 導電性粒子、24 剥離基材、25 リール、30 Ag電極、31 ガラス基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブ線によって複数の太陽電池セルが接続された太陽電池モジュールに関し、特に線状のタブ線、このタブ線を用いた太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、複数の隣接する太陽電池セルが、インターコネクタとなるタブ線により接続されている。タブ線は、その一端側を一の太陽電池セルの表面電極に接続され、他端側を隣接する太陽電池セルの裏面電極に接続することにより、各太陽電池セルを直列に接続する。このとき、タブ線は、一端側の一面側が一の太陽電池セルの表面電極に接着され、他端側の他面側が隣接する太陽電池セルの裏面電極に接着されている。
【0003】
具体的に、太陽電池セルは、受光面に銀ペーストのスクリーン印刷によりバスバー電極が形成され、太陽電池セルの裏面接続部にAg電極が形成されている。なお、太陽電池セル裏面の接続部以外の領域はAl電極やAg電極が形成されている。
【0004】
また、図11に示すように、タブ線50は、リボン状銅箔51の両面にハンダコート層52が設けられることにより形成される。具体的に、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして得た幅1〜3mmの平角銅線に、ハンダメッキやディップハンダ付け等を施すことにより形成される。
【0005】
太陽電池セルとタブ線との接続は、タブ線を太陽電池セルの各電極上に配置し、加熱ボンダーによって熱加圧することにより、タブ線表面に形成したハンダを溶融、冷却することにより行う(特許文献1)。
【0006】
しかし、半田付けでは約260℃と高温による接続処理が行われるため、太陽電池セルの反りや、タブ線と表面電極及び裏面電極との接続部に生じる内部応力、さらにフラックスの残渣等により、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との間の接続信頼性が低下することが懸念される。
【0007】
そこで、従来、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との接続に、比較的低い温度での熱圧着処理による接続が可能な導電性接着フィルムが使用されている(特許文献2)。このような導電性接着フィルムとしては、平均粒径が数μmオーダーの球状または鱗片状の導電性粒子を熱硬化型バインダー樹脂組成物に分散してフィルム化したものが使用されている。
【0008】
導電性接着フィルムは、表面電極及び裏面電極とタブ線との間に介在された後、タブ線の上から加熱ボンダーによって熱加圧されることにより、バインダー樹脂が流動性を示して電極、タブ線間より流出されるとともに、導電性粒子が電極とタブ線間の導通を図り、この状態でバインダー樹脂が熱硬化する。これにより、タブ線によって複数の太陽電池セルが直列接続されたストリングスが形成される。
【0009】
導電性接着フィルムを用いてタブ線と表面電極及び裏面電極とが接続された複数の太陽電池セルは、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面保護材と、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等のフィルムからなる背面保護材との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材により封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−356349号公報
【特許文献2】特開2008−135654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述したように、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして、平角銅線を形成する必要があり、製造工数が増える。
【0012】
また、平角導線からなるタブ線は、幅2〜3mm程度の幅を有し、これを太陽電池セルの受光面に接着した場合、タブ線の幅に応じたシャドーロスが発生してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、製造が容易で、またシャドーロスの低減を図ることができるタブ線、当該タブ線を用いた太陽電池セル及び太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、上記タブ線は、線状をなし、上記電極との接着部を含む外周面を覆う接着剤層によって上記電極と接着されているものである。
【0015】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、線状のタブ線を用い、太陽電池セルの表面電極に上記タブ線の一端側を配置し、上記太陽電池セルと隣接する太陽電池セルの裏面電極に上記タブ線の他端側を配置する工程と、上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧し、上記表面電極及び上記裏面電極と上記タブ線との間に流動した接着剤層によって上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ接着する工程とを有するものである。
【0016】
また、本発明に係るタブ線は、太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線において、線状をなし、長手方向に亘って少なくとも外周面の50%が接着剤層によって覆われ、上記接着剤層によって上記電極と接着されるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、線状のタブ線を用いることにより、圧延銅箔を形成しスリットする工程や、銅線を平板状に圧延する工程が不要となり、製造設備や工数の削減を図ることができ、また、製造コストを抑えることもできる。また、本発明によれば、線状のタブ線を用いることにより、平板状のタブ線を用いた場合に比して、太陽電池セルの受光面に載置される面積を狭小化することができ、シャドーロスによる光電変換効率の低減を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】太陽電池モジュールを示す分解斜視図である。
【図2】太陽電池セルのストリングスを示す断面図である。
【図3】太陽電池セルの裏面電極及び接続部を示す平面図である。
【図4】タブ線の接着状態を示す断面図である。
【図5】線材の断面寸法を説明するための図である。
【図6】予め線材が接着剤層によって被覆されたタブ線を示す図であり、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図7】導電性接着フィルムを示す断面図である。
【図8】リール状に巻回された導電性接着フィルムを示す図である。
【図9】実施例を示す斜視図である。
【図10】比較例を示す斜視図である。
【図11】従来のタブ線を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明が適用されたタブ線、このタブ線を用いた太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0020】
[太陽電池モジュール]
本発明が適用された太陽電池モジュール1は、図1〜図3に示すように、複数の太陽電池セル2がインターコネクタとなるタブ線3によって直列に接続されたストリングス4を有し、このストリングス4を複数配列したマトリクス5を備える。そして、太陽電池モジュール1は、このマトリクス5が封止接着剤のシート6で挟まれ、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられたバックシート8とともに一括してラミネートされ、最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより形成される。
【0021】
封止接着剤としては、例えばエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性封止材が用いられる。また、表面カバー7としては、例えば、ガラスや透光性プラスチック等の透光性の材料が用いられる。また、バックシート8としては、ガラスやアルミニウム箔を樹脂フィルムで挟持した積層体等が用いられる。
【0022】
太陽電池モジュールの各太陽電池セル2は、光電変換素子10を有する。光電変換素子10は、単結晶型シリコン光電変換素子、多結晶型光電変換素子を用いる結晶シリコン系太陽電池や、アモルファスシリコンからなるセルと微結晶シリコンやアモルファスシリコンゲルマニウムからなるセルとを積層させた光電変換素子を用いた薄膜シリコン系太陽電池、いわゆる化合物薄膜系、有機系、量子ドット型など、各種光電変換素子10を用いることができる。
【0023】
また、光電変換素子10は、受光面側に内部で発生した電気を集電するフィンガー電極12とフィンガー電極12の電気を集電するバスバー電極11とが設けられている。バスバー電極11及びフィンガー電極12は、太陽電池セル2の受光面となる表面にAgペーストがスクリーン印刷等により塗布された後、焼成されることにより形成される。また、フィンガー電極12は、受光面の全面に亘って、例えば約50〜200μm程度の幅を有するラインが、所定間隔、例えば2mmおきに、ほぼ平行に複数形成されている。バスバー電極11は、フィンガー電極12と略直交するように形成され、また、太陽電池セル2の面積に応じて複数形成されている。
【0024】
また、光電変換素子10は、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられている。裏面電極13は、図2及び図3に示すように、アルミニウムや銀からなる電極が例えばスクリーン印刷やスパッタ等により太陽電池セル2の裏面に形成される。裏面電極13は、後述するタブ線3が接続されるタブ線接続部14を有する。
【0025】
そして、太陽電池セル2は、タブ線3によって、表面に形成された各バスバー電極11と、隣接する太陽電池セル2の裏面電極13とが電気的に接続され、これにより直列に接続されたストリングス4を構成する。タブ線3とバスバー電極11及び裏面電極13とは、タブ線3の外周面に設けられた接着剤層16によって接続される。
【0026】
[タブ線]
タブ線3は、図2に示すように、隣接する太陽電池セル2X、2Y、2Zの各間を電気的に接続するものであり、図4に示すように、例えば、直径が0.2mm〜2.0mの線材15を備え、線材15の外周面には太陽電池セル2のバスバー電極11や裏面電極13との接着を図る接着剤層16が設けられている。
【0027】
線材15は、線状の導電材からなり、例えば銅ワイヤーや金ワイヤー、アルミワイヤーなどの導電性を有する材料が用いられる。太陽電池モジュール1は、タブ線3として、線状の導電性のワイヤーからなる線材15を用いることにより、圧延銅箔を形成しスリットする工程や、銅線を平板状に圧延する工程が不要となり、製造設備や工数の削減を図ることができ、また、製造コストを抑えることもできる。また、太陽電池モジュール1は、タブ線3として、線材15を用いることにより、平板状のタブ線を用いた場合に比して、太陽電池セル2の受光面に載置される面積を狭小化することができ、シャドーロスによる光電変換効率の低減を抑えることができる。
【0028】
[断面積]
線材15は、断面積が0.5〜13.0mm2の範囲のものを用いる。これは、太陽電池モジュール1は、タブ線3を介して各太陽電池セル2を電気的に接続するものであるため、線材15の断面積が0.5mm2よりも小さいとタブ線3の導通抵抗が高くなり、光電変換効率が低減するおそれがあるためである。また、太陽電池モジュール1は、タブ線3が太陽電池セル2の受光面に接着されるため、線材15の断面積が13.0mm2よりも大きくなると、タブ線3によるシャドーロスの影響が大きくなるおそれがあるためである。
【0029】
[楕円形]
また、線材15は、断面が円形又は楕円形のものを用いることができる。この場合、図5に示すように、線材15は、断面を構成する円(楕円)の中心を通る直交座標のx軸(長軸)の半径をb、y軸(短軸)の半径をaとした場合、以下の関係を満たす。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
これにより、タブ線3は、上述した断面積の範囲を満たし、導通抵抗の上昇やシャドーロスの影響を抑えることができる。
【0030】
[接着剤層]
接着剤層16は、線材15の外周面を覆うことにより、タブ線3を太陽電池セル2のバスバー電極11や裏面電極13に接着させるものである。接着剤層16は、図6(a)(b)に示すように、ペースト状に形成し、予めタブ線3の線材15の外周面を被覆してもよく、あるいはフィルム状に形成し、太陽電池セル2の各電極11,13にタブ線3を接着させる際に、電極11,13上に配置し、線材15をこの接着フィルム上に配置した後、加熱ボンダー20により加熱押圧することにより線材15の外周面を被覆してもよい(図4)。また、太陽電池セル2に未硬化の接着剤層16、封止材を積層させ、ラミネート工程にて接着層16を硬化させる一括接続方法を用いることもできる。
【0031】
接着剤層16は、図7に示すように、導電性粒子23が高密度に含有された熱硬化性のバインダー樹脂層である。また、接着剤層16は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。接着剤層16は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
【0032】
接着剤層16に用いられる導電性粒子23としては、特に制限されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子、樹脂粒子に金めっきなどを施したもの、樹脂粒子に金めっきを施した粒子の最外層に絶縁被覆を施したものなどを挙げることができる。なお、導電性粒子23として、扁平なフレーク状金属粒子を含有することにより、互いに重なり合う導電性粒子23の数を増加させ、良好な導通信頼性を確保することができる。
【0033】
また、接着剤層16は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。接着剤層16の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、接着剤層16をテープ状のリール巻とした場合において、いわゆるはみ出しを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
【0034】
接着剤層16のバインダー樹脂層の組成は、上述のような特徴を害さない限り、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
【0035】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0036】
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
【0037】
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。液状エポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。
【0038】
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
【0039】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。
【0040】
図8は、接着剤層16の製品形態の一例を模式的に示す図である。この接着剤層16は、剥離基材24上にバインダー樹脂層が積層され、テープ状に成型されている。このテープ状の導電性接着フィルムは、リール25に剥離基材24が外周側となるように巻回積層される。剥離基材24としては、特に制限はなく、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などを用いることができる。また、接着剤層16は、バインダー樹脂層上に透明なカバーフィルムを有する構成としてもよい。
【0041】
上記では、接着剤層16として、フィルム形状を有する導電性接着フィルムについて説明したが、ペースト状であっても問題は無い。また、接着剤層16は、バインダー樹脂層に導電性粒子を含有しない絶縁性接着剤であってもよい。絶縁性接着剤を用いた場合、タブ線3は、線材15が直接バスバー電極11や裏面電極13と接触し、導通が図られ、接着剤層16はその周囲を封止することにより接着する。本願では、導電性粒子23を含有するフィルム状またはペースト状の導電性接着剤、及び導電性粒子23を含有しないフィルム状またはペースト状の絶縁性接着剤を「接着剤層16」と定義する。
【0042】
なお、接着剤層16は、リール形状に限らず、短冊形状であってもよい。図8に示すように接着剤層16が巻き取られたリール製品として提供される場合、接着剤層16の粘度を10〜10000kPa・sの範囲とすることにより、接着剤層16の変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。また、接着剤層16が短冊形状で2枚以上積層された場合も同様に、変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。
【0043】
このような接着剤層16は、導電性粒子23と、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。
【0044】
溶解させて得られた樹脂生成用溶液は、線材15に塗布された後、乾燥させて溶剤を揮発させることにより、予め接着剤層16が線材15の外周面に設けられたタブ線3を得る。タブ線3を各電極11,13に接着する際には、タブ線3がバスバー電極11上及び裏面電極13のタブ線接続部14上に配置され、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧される。これにより、タブ線3は、接着剤層16のバインダー樹脂が線材15の外周面を流動して各電極11,13と接触する接着部の間で硬化し、導電性粒子23がタブ線3とバスバー電極11や裏面電極13との間で挟持される。これにより、接着剤層16は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導通接続させることができる。
【0045】
一方、接着剤層16をフィルム状に形成する場合、溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離シート上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、接着フィルムを得る。接着フィルムは、バスバー電極用及び裏面電極用に所定の長さにカットされ、剥離シートが剥離された後、接着剤層16が太陽電池セル2の表裏面の各電極11,13上に仮貼りされる。同様に、所定の長さにカットされた線材15が接着剤層16上に重畳配置される。その後、接着剤層16は、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧される。これにより、タブ線3は、バインダー樹脂が流動して線材15の各電極11,13と接触する接着部を含む外周面を覆った後に硬化して、導電性粒子23がタブ線3とバスバー電極11や裏面電極13との間で挟持される。これにより、接着剤層16は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導通接続させることができる。
【0046】
[接着剤層16の被覆率]
接着剤層16は、少なくとも線材15の外周面の50%を覆い、好ましくは50〜80%を覆う。これは、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率が50%より低いと、線材15と各電極11,13との接着に必要な量を確保できず、接着強度が足りなくなるおそれがあるためである。また、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率は、80%程度まであれば接着強度の確保に十分であるが、90%より高くなると、線材15の熱加圧時に、バインダー樹脂がバスバー電極11上から太陽電池セル2の受光面上にはみ出し、受光効率が低下するおそれがあるためである。
【0047】
接着剤層16による線材15の外周面の被覆率は、予め線材15の外周面に接着剤層16を設けたタブ線3では、線材15の表面積のうち、接着剤層16によって被覆されている面積と、線材15が露出している面積との比によって求める。
【0048】
また、各電極11,13上に配置されるフィルム状の接着剤層16の線材15の被覆率は、線材15を熱加圧した際に、線材15の表面積のうち、接着剤層16によって被覆されている面積と、線材15が露出している面積との比によって求める。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、太陽電池セル2として、バスバー電極11を有するものを例に説明したが、本発明は、バスバー電極11を有さずタブ線3を直接フィンガー電極12上に接着するいわゆるバスバーレス構造の太陽電池セル2に適用することもできる。なお、バスバーレス構造には、例えば太陽電池セル2の中央部にバスバー電極11を設けない間欠部を有するとともに太陽電池セルの外側縁部にのみ部分的にバスバー電極11を備えた構造も含む。
【実施例】
【0050】
次いで、本発明の実施例について比較例とともに説明する。図9は実施例を説明する斜視図であり、図10は比較例を説明する斜視図である。実施例、比較例ともに、予め接着剤層16によって被覆された長さ5cmのタブ線を用い、各タブ線を、表面に全面Ag電極30が形成されたガラス基板31の当該Ag電極30に2本ずつ熱加圧して接着した。熱加圧条件は、いずれも180℃、15sec、0.5MPaとした。サンプル作成後、タブ線の接着強度(N/mm)、2つのタブ線間における初期抵抗値(mΩ)及び熱衝撃試験(85℃、85%RH、500hr)後の抵抗値(mΩ)を測定した。
【0051】
接着強度、抵抗値測定の具体的な方法としては、接着強度は、各タブ線をAg電極30に接着された接着剤層16から90°方向で剥離する90°剥離試験(JIS K6854−1)を行い、接着強度(N/mm)を測定した。また、抵抗値は2本のタブ線上より電流端子及び電圧端子をそれぞれ接続する4端子法により抵抗値(mΩ)を測定した。
【0052】
実施例1は、線材15として円柱状の銅ワイヤーを用いた。線材15の断面は、半径1.0mmの円形で、断面積が3.14mm2である。また、導電性粒子を含有した接着剤層16によって線材15の外周面を被覆し、被覆率は50%とした。また、接着剤層16の厚さは10μmである。
【0053】
実施例2は、接着剤層16の被覆率を60%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0054】
実施例3は、接着剤層16の被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0055】
実施例4は、接着剤層16の被覆率を90%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0056】
実施例5は、線材15の断面が、半径0.45mmの円形で、断面積が0.64mm2であり、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0057】
実施例6は、線材15の断面が、半径2.00mmの円形で、断面積が12.56mm2であり、接着剤層16による線材15の外周面の被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0058】
実施例7は、線材15として断面楕円形状の銅ワイヤーを用いた。線材15の断面は、長軸bが0.70mm、短軸aが0.60mmの楕円形で、断面積が1.32mm2である。また、導電性粒子を含有した接着剤層16によって線材15の外周面を被覆し、被覆率は80%とした。また、接着剤層16の厚さは10μmである。
【0059】
実施例8は、導電性粒子を含有しない接着剤層16によって線材15の外周面を被覆し、被覆率を80%とした以外は、実施例1と同条件とした。
【0060】
比較例1は、平角形状の銅箔を用いた。銅箔は、幅2mm、厚さ50μmであり、断面積が1.26mm2である。また、導電性粒子を含有した接着剤層16によって銅箔の両面を被覆した。また、接着剤層16の厚さは20μmである。
【0061】
なお、接着剤層16は、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤、これらを希釈するための有機溶剤(トルエン)を配合し、接着剤溶液を作成した。導電性を有する接着剤層16では、さらに2〜5μmのニッケル粒子を重量比5%tとなるように配合した。実施例1〜8では、この接着剤溶液を線材15の外周面を50〜90%覆うように塗布、乾燥させた。また比較例1では、この接着剤溶液を厚さ50μmの銅箔上に塗布、乾燥させた後、幅2mm、長さ5cmにカットした。
【0062】
測定結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1に示すように、実施例1〜8では、0.5MPaといった低圧力での押圧にもかかわらず、いずれも接着強度が、0.6〜2.0N/mmとなり、実用に耐えられるものであることがわかる。また、実施例1〜8では、いずれも初期の導通抵抗値が5〜10mΩであり、また、熱衝撃試験後においても8〜13mΩであった。これにより、実施例1〜8では、初期値及び熱衝撃試験後の抵抗値の上昇も殆ど見られず、光電変換効率が低減することがない。一方、比較例1においては、接着強度は1.6N/mmと良好であったが、初期の導通抵抗が50mΩと高く、熱衝撃試験後は導通不良のために抵抗値を検出することができなかった。
【符号の説明】
【0065】
1 太陽電池モジュール、2 太陽電池セル、3 タブ線、4 ストリングス、5 マトリクス、6 シート、7 表面カバー、8 バックシート、9 金属フレーム、10 光電変換素子、11 バスバー電極、12 フィンガー電極、13 裏面電極、14 タブ線接続部、15 線材、16 接着剤層、23 導電性粒子、24 剥離基材、25 リール、30 Ag電極、31 ガラス基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、
上記タブ線は、線状をなし、上記電極との接着部を含む外周面を覆う接着剤層によって上記電極と接着されている太陽電池モジュール。
【請求項2】
上記タブ線は、上記接着剤層が長手方向に亘って形成されることにより、上記接着剤層によって少なくとも外周面の50%が覆われている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
上記タブ線は、上記接着剤層によって外周面の50〜80%が覆われている請求項2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
上記タブ線は、断面円形状又は楕円形状をなし、
断面長軸方向の半径をbとし、断面短軸方向の半径をaとしたとき、下記式を満たす請求項1記載の太陽電池モジュール。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
【請求項5】
上記タブ線は、断面積が0.5〜13.0(mm2)である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
線状のタブ線を用い、
太陽電池セルの表面電極に上記タブ線の一端側を配置し、上記太陽電池セルと隣接する太陽電池セルの裏面電極に上記タブ線の他端側を配置する工程と、
上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧し、上記表面電極及び上記裏面電極と上記タブ線との間に流動した接着剤層によって上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ接着する工程とを有する太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
上記タブ線は、外周面に予め設けられた上記接着剤層によって、外周面の50〜80%が覆われている請求項6記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
上記タブ線は、上記表面電極及び上記裏面電極に配置された接着剤層によって、外周面の50〜80%が覆われている請求項6記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
上記タブ線は、断面円形状又は楕円形状をなし、
断面長軸方向の半径をbとし、断面短軸方向の半径をaとしたとき、下記式を満たす請求項6〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
【請求項10】
上記タブ線は、断面積が0.5〜13.0(mm2)である請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線において、
線状をなし、長手方向に亘って少なくとも外周面の50%が接着剤層によって覆われ、上記接着剤層によって上記電極と接着されるタブ線。
【請求項12】
上記接着剤層によって外周面の50〜80%が覆われている請求項11記載のタブ線。
【請求項13】
断面円形状又は楕円形状をなし、
断面長軸方向の半径をbとし、断面短軸方向の半径をaとしたとき、下記式を満たす請求項11又は請求項12に記載のタブ線。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
【請求項14】
断面積が0.5〜13.0(mm2)である請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載のタブ線。
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、
上記タブ線は、線状をなし、上記電極との接着部を含む外周面を覆う接着剤層によって上記電極と接着されている太陽電池モジュール。
【請求項2】
上記タブ線は、上記接着剤層が長手方向に亘って形成されることにより、上記接着剤層によって少なくとも外周面の50%が覆われている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
上記タブ線は、上記接着剤層によって外周面の50〜80%が覆われている請求項2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
上記タブ線は、断面円形状又は楕円形状をなし、
断面長軸方向の半径をbとし、断面短軸方向の半径をaとしたとき、下記式を満たす請求項1記載の太陽電池モジュール。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
【請求項5】
上記タブ線は、断面積が0.5〜13.0(mm2)である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
線状のタブ線を用い、
太陽電池セルの表面電極に上記タブ線の一端側を配置し、上記太陽電池セルと隣接する太陽電池セルの裏面電極に上記タブ線の他端側を配置する工程と、
上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧し、上記表面電極及び上記裏面電極と上記タブ線との間に流動した接着剤層によって上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ接着する工程とを有する太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
上記タブ線は、外周面に予め設けられた上記接着剤層によって、外周面の50〜80%が覆われている請求項6記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
上記タブ線は、上記表面電極及び上記裏面電極に配置された接着剤層によって、外周面の50〜80%が覆われている請求項6記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
上記タブ線は、断面円形状又は楕円形状をなし、
断面長軸方向の半径をbとし、断面短軸方向の半径をaとしたとき、下記式を満たす請求項6〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
【請求項10】
上記タブ線は、断面積が0.5〜13.0(mm2)である請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線において、
線状をなし、長手方向に亘って少なくとも外周面の50%が接着剤層によって覆われ、上記接着剤層によって上記電極と接着されるタブ線。
【請求項12】
上記接着剤層によって外周面の50〜80%が覆われている請求項11記載のタブ線。
【請求項13】
断面円形状又は楕円形状をなし、
断面長軸方向の半径をbとし、断面短軸方向の半径をaとしたとき、下記式を満たす請求項11又は請求項12に記載のタブ線。
0.4≦a≦2 (単位mm)
a≦b≦2 (単位mm)
【請求項14】
断面積が0.5〜13.0(mm2)である請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載のタブ線。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−204666(P2012−204666A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68685(P2011−68685)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
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