太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法
【課題】太陽電池セルの電極への接着フィルムの貼り合わせ位置の位置ズレを検出する検査方法の提供。
【解決手段】複数の太陽電池セルと、太陽電池セルの受光面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極11,13上に接着フィルム17を介して接着され、複数の太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、接着フィルム17は、画像処理されたときに、太陽電池セルの接着面の色と異なる色として識別される色である。
【解決手段】複数の太陽電池セルと、太陽電池セルの受光面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極11,13上に接着フィルム17を介して接着され、複数の太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、接着フィルム17は、画像処理されたときに、太陽電池セルの接着面の色と異なる色として識別される色である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブ線によって複数の太陽電池セルが接続された太陽電池モジュールに関し、特にタブ線を太陽電池セルの電極に接着する接着フィルムを太陽電池セルの電極上に貼り合わせる太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、複数の隣接する太陽電池セルが、インターコネクタとなるタブ線により接続されている。タブ線は、その一端側を一の太陽電池セルの表面電極に接続され、他端側を隣接する太陽電池セルの裏面電極に接続することにより、各太陽電池セルを直列に接続する。このとき、タブ線は、一端側の一面側が一の太陽電池セルの表面電極に接着され、他端側の他面側が隣接する太陽電池セルの裏面電極に接着されている。
【0003】
具体的に、太陽電池セルは、銀ペーストをスクリーン印刷すること等により、受光面にバスバー電極が形成され、裏面接続部にAg電極が形成されている。なお、太陽電池セル裏面の接続部以外の領域はAl電極やAg電極が形成されている。
【0004】
また、タブ線は、リボン状銅箔の両面にハンダコート層が設けられること等により形成される。具体的に、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして得た幅1〜3mmの平角銅線に、ハンダメッキやディップハンダ付け等を施すことにより形成される。
【0005】
太陽電池セルとタブ線との接続は、タブ線を太陽電池セルの各電極上に配置し、加熱ボンダーによって熱加圧することにより、タブ線表面に形成したハンダを溶融、冷却することにより行う(特許文献1)。
【0006】
しかし、ハンダ付けでは約260℃と高温による接続処理が行われるため、太陽電池セルの反りや割れ、タブ線と表面電極及び裏面電極との接続部に生じる内部応力、さらにフラックスの残渣等により、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との間の接続信頼性が低下することが懸念される。
【0007】
そこで、従来、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との接続に、比較的低い温度での熱圧着処理による接続が可能な導電性接着フィルムが使用されている(特許文献2)。このような導電性接着フィルムとしては、平均粒径が数μmオーダーの球状または鱗片状の導電性粒子を熱硬化型バインダー樹脂組成物に分散してフィルム化したものが使用されている。
【0008】
図16に示すように、導電性接着フィルム50は、表面電極及び裏面電極上に貼り合わせた後、タブ線51が重畳され、タブ線51の上から加熱ボンダーによって熱加圧される。これにより、図17に示すように、導電性接着フィルム50は、バインダー樹脂が流動性を示して電極、タブ線51間より流出されるとともに、導電性粒子54が電極53とタブ線51間に挟持されてこの間の導通を図り、この状態でバインダー樹脂が熱硬化する。このように、タブ線51によって複数の太陽電池セル52が直列接続されたストリングスが形成される。
【0009】
導電性接着フィルム50を用いてタブ線51と表面電極及び裏面電極とが接続された複数の太陽電池セル52は、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面保護材と、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等のフィルムからなる背面保護材との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材により封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−356349号公報
【特許文献2】特開2008−135654号公報
【特許文献3】特開2010−16245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、導電性接着フィルム50を太陽電池セルの電極53上に貼り合わせる工程で位置ズレが発生した場合、タブ線51を貼り付ける装置側ではこの位置ズレを認識せずにタブ線51の貼り付けを行う。そして、タブ線51は、導電性接着フィルム50と完全に重畳せずに位置ズレが生じた状態で、熱加圧工程に付され、本圧着されてしまう。
【0012】
これにより、太陽電池モジュールは、タブ線51と電極53との接着面積が少なくなり、機械的な接続強度や、電気的な接続信頼性を損なってしまう。導電性接着フィルム50の貼り合わせ位置の位置ズレが大きい場合には、太陽電池セルとタブ線51との接続不良が実使用に耐えられない程度まで大きくなり、ストリングそのものの歩留まりが低下してしまう。
【0013】
一方で、導電性接着フィルム50の貼り合わせ工程において、貼り合わせ位置の位置ズレが認識できれば、再度導電性接着フィルム50を張り直す(リペア)ことが可能であり、太陽電池セルとタブ線51との接続不良の発生を防止することができる。
【0014】
そこで、本発明は、太陽電池セルの電極上に貼り合わせる接着フィルムの貼り合わせ位置の位置ズレを検出可能な太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの受光面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着フィルムを介して接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、上記接着フィルムは、画像処理されたときに、上記太陽電池セルの接着面の色と異なる色として識別される色である。
【0016】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程と、タブ線を上記太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に上記接着フィルム上から仮貼りするタブ線配置工程と、上記タブ線の上から熱加圧し、上記接着フィルムによって上記タブ線を上記太陽電池セルの表面に接続する接続工程とを有し、上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する。
【0017】
また、本発明に係る接着フィルムの貼り合わせ方法は、太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する。
【0018】
また、本発明に係る接着フィルムの検査方法は、太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、タブ線の接続前に、導電性接着フィルムの位置ズレの有無を検出するため、タブ線を導電性接着フィルムに完全に重畳させて接続することができる。これにより、本発明では、タブ線の機械的な接続強度や、電気的な接続信頼性を維持することができ、またストリングの歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】太陽電池モジュールを示す分解斜視図である。
【図2】太陽電池セルのストリングを示す断面図である。
【図3】太陽電池セルの裏面電極及び接続部を示す平面図である。
【図4】導電性接着フィルムを示す断面図である。
【図5】リール状に巻回された導電性接着フィルムを示す図である。
【図6】太陽電池モジュールの製造工程を示すフローチャートである。
【図7】導電性接着フィルムの仮貼り工程を示す側面図である。
【図8】貼着位置検査装置の構成を示すブロック図である。
【図9】太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図10】実施例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図11】実施例に係るバスバーレス太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図12】比較例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図13】比較例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図14】比較例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図15】太陽電池モジュールの他の製造工程を示すフローチャートである。
【図16】従来の太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図17】従来の太陽電池モジュールにおけるタブ線の接続工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が適用された太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[太陽電池モジュール]
本発明が適用された太陽電池モジュール1は、図1〜図3に示すように、複数の太陽電池セル2がインターコネクタとなるタブ線3によって直列に接続されたストリングス4を有し、このストリングス4を複数配列したマトリクス5を備える。そして、太陽電池モジュール1は、このマトリクス5が封止接着剤のシート6で挟まれ、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられたバックシート8とともに一括してラミネートされ、最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより形成される。
【0023】
封止接着剤としては、例えばエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性封止材が用いられる。また、表面カバー7としては、例えば、ガラスや透光性プラスチック等の透光性の材料が用いられる。また、バックシート8としては、ガラスや、アルミニウム箔を樹脂フィルムで挟持した積層体等が用いられる。
【0024】
太陽電池モジュール1の各太陽電池セル2は、光電変換素子10を有する。光電変換素子10は、単結晶型シリコン光電変換素子、多結晶型光電変換素子を用いる結晶シリコン系太陽電池や、アモルファスシリコンからなる薄膜シリコン系太陽電池、アモルファスシリコンからなるセルと微結晶シリコンやアモルファスシリコンゲルマニウムからなるセルとを積層させた多接合型の薄膜シリコン系太陽電池、いわゆる化合物薄膜系太陽電池、有機系、量子ドット型など、各種光電変換素子10を用いることができる。
【0025】
また、光電変換素子10は、受光面側に内部で発生した電気を集電するフィンガー電極12とフィンガー電極12の電気を集電するバスバー電極11とが設けられている。バスバー電極11及びフィンガー電極12は、太陽電池セル2の受光面となる表面に、例えばAgペーストがスクリーン印刷等により塗布された後、焼成されることにより形成される。また、フィンガー電極12は、受光面の全面に亘って、例えば約50〜200μm程度の幅を有するラインが、所定間隔、例えば2mmおきに、ほぼ平行に複数形成されている。バスバー電極11は、フィンガー電極12と略直交するように形成され、また、太陽電池セル2の面積に応じて複数形成されている。
【0026】
また、光電変換素子10は、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられている。裏面電極13は、図2及び図3に示すように、例えばアルミニウムや銀からなる電極が、スクリーン印刷やスパッタ等により太陽電池セル2の裏面に形成される。裏面電極13は、後述する導電性接着フィルム17が貼り付けられるとともに、この導電性接着フィルム17を介してタブ線3が接続されるタブ線接続部14を有する。
【0027】
そして、太陽電池セル2は、タブ線3によって、表面に形成された各バスバー電極11と、隣接する太陽電池セル2の裏面電極13とが電気的に接続され、これにより直列に接続されたストリングス4を構成する。タブ線3とバスバー電極11及び裏面電極13とは、後述する導電性接着フィルム17によって接続される。
【0028】
太陽電池セル2は、一般に受光面が濃紺とされ、受光面の撮影画像は例えば2値化による画像処理によって黒に変換される。また、太陽電池セル2は、裏面全面に亘ってアルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられることにより、裏面の撮影画像は例えば2値化による画像処理によって白に変換される。
【0029】
[タブ線]
タブ線3は、図2に示すように、隣接する太陽電池セル2X、2Y、2Zの各間を電気的に接続する長尺状の導電性基材である。タブ線3は、例えば厚さ50〜300μmに圧延された銅箔やアルミ箔をスリットし、あるいは銅やアルミなどの細い金属ワイヤーを平板状に圧延することにより、導電性接着フィルム17とほぼ同じ幅の1〜3mm幅の平角の銅線を得る。そして、タブ線3は、この平角銅線に、金メッキ、銀メッキ、スズメッキ、ハンダメッキ等を施すことにより形成される。
【0030】
[導電性接着フィルム]
導電性接着フィルム17は、図4に示すように、バインダー樹脂22に球状の導電性粒子23が高密度に含有された熱硬化性のバインダー樹脂層である。本発明が適用された導電性接着フィルム17は、撮影画像が画像処理されたときに、当該導電性接着フィルム17が接続される太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である。これにより、太陽電池モジュール1は、導電性接着フィルム17を貼り合わせた太陽電池セル2の画像データを元に画像処理を行うことで、正確に貼り合わせ位置の位置ズレを検出することができる。詳しくは後述する。
【0031】
なお、導電性接着フィルム17は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂22の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。導電性接着フィルム17は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
【0032】
[導電性粒子]
導電性接着フィルム17に用いられる導電性粒子23は、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子や、樹脂粒子をコア材とし最外層に金めっきなどを施したものなどを挙げることができる。
【0033】
なお、導電性接着フィルム17は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。導電性接着フィルム17の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、導電性接着フィルム17をリール状に巻装した場合において、いわゆるはみ出しによるブロッキングを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
【0034】
[バインダー樹脂]
導電性接着フィルム17のバインダー樹脂22の組成は、上述のような特徴を害さない限り、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
【0035】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0036】
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
【0037】
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。なかでも、本願では、加熱硬化型の潜在性硬化剤が好適に用いられ、バスバー電極11や裏面電極13に加熱押圧されることにより本硬化される。液状エポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。
【0038】
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
【0039】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。
【0040】
図5は、導電性接着フィルム17の製品形態の一例を模式的に示す図である。この導電性接着フィルム17は、剥離基材24上にバインダー樹脂22が積層され、テープ状に成型されている。このテープ状の導電性接着フィルムは、リール25に剥離基材24が外周側となるように巻回積層される。剥離基材24としては、特に制限はなく、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などを用いることができる。また、導電性接着フィルム17は、バインダー樹脂22上に透明なカバーフィルムを有する構成としてもよい。
【0041】
[着色剤の添加]
導電性接着フィルム17の色は、画像処理されたときに、太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である。例えば、太陽電池セル2の受光面側に貼り合わせられる導電性接着フィルム17の色は、2値化画像処理によって白と識別される色である。これは、結晶シリコン系の太陽電池セル2の場合、受光面がシリコン特有の濃紺色をしていることから2値化画像処理によって黒と識別されるためである。また、太陽電池セル2の裏面に貼り合わせられる導電性接着フィルム17の色は、2値化画像処理によって黒と識別される色である。これは、結晶シリコン系の太陽電池セル2の裏面には、上述したようにAgやAlによる裏面電極が全面に亘って形成されていることから2値化画像処理によって白と識別されるためである。
【0042】
この場合、太陽電池セル2の受光面側に貼り合わせられる導電性接着フィルム17は、2値化画像処理によって白と識別されるように、バインダー樹脂22に酸化チタンや酸化亜鉛等を添加することにより白色系の色に着色される。また、太陽電池セル2の裏面に貼り合わせられる導電性接着フィルム17は、2値化画像処理によって黒と識別されるように、バインダー樹脂22にカーボンブラック等を添加することにより黒色系の色に着色される。
【0043】
なお、導電性接着フィルム17は、リール形状に限らず、バスバー電極11や裏面電極13のタブ線接続部14の形状に応じた短冊形状であってもよい。
【0044】
図5に示すように導電性接着フィルム17が巻き取られたリール製品として提供される場合、導電性接着フィルム17の粘度を10〜10000kPa・sの範囲とすることにより、導電性接着フィルム17の変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。また、導電性接着フィルム17が短冊形状で2枚以上積層された場合も同様に、変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。
【0045】
[製造方法・検査方法]
太陽電池モジュール1の製造工程は、図6に示すように、導電性接着フィルム17を製造し(ステップS1)、導電性接着フィルム17を太陽電池セル2の受光面及び裏面に仮貼りした後(ステップS2)、貼着位置の検査工程に付される(ステップS3)。貼着位置の検査によって位置ズレが検出された場合はリペア工程に付され(ステップS4)、再度導電性接着フィルム17が仮貼りされる。また、位置ズレが検出されなかった場合は、複数の太陽電池セル2間に亘ってタブ線3が仮貼りされ、ストリングスが形成される(ステップS5)。その後、タブ線3上より熱加圧されることにより導電性接着フィルム17を介してタブ線3と太陽電池セル2の各電極とが本厚着され(ステップS6)、EVA等の封止材シートによって、表面カバー及びバックシートの間に封止されることにより(ステップS7)、太陽電池モジュール1が製造される。以下、詳述する。
【0046】
上述した導電性接着フィルム17は、導電性粒子23と、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤と、酸化チタンや酸化亜鉛あるいはカーボンブラック等の着色材を溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離シート上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、導電性接着フィルム17を得る。
【0047】
そして、導電性接着フィルム17は、表面電極用2本及び裏面電極用2本を所定の長さにカットされ、太陽電池セル2の表裏面の所定位置に仮貼りされる。このとき、白色系に着色された導電性接着フィルム17は、太陽電池セル2の表面にほぼ平行に複数形成されている各バスバー電極11上に仮貼りされ、黒色系に着色された導電性接着フィルム17は、裏面電極13のタブ線接続部14上に仮貼りされる。
【0048】
導電性接着フィルム17を電極11,13上に仮貼りする工程では、図7に示すように、リール25より引き出された導電性接着フィルム17を各電極11,13の長さに応じてカットし各電極11,13上に搬送する。次いで、加熱ボンダー26によってバインダー樹脂層が本硬化しないが流動性を示す程度に仮硬化させて仮貼りする。
【0049】
次いで、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17の貼り位置のズレを検出する工程に付される。この工程は、例えば貼着位置検査装置30を用いて行うことができる。貼着位置検査装置30は、太陽電池セル2の表面画像の輝度ないし色差に基づいて多値化データ、例えば2値化データを生成し、予め登録されている基準データと照合することにより、導電性接着フィルム17が所定の位置に仮貼りされているかどうかを判定するものである。なお、本技術は、以下に説明する貼着位置検査装置30に限らず、同様の機能を奏するあらゆる検査技術を用いることができることはもちろんである。
【0050】
貼着位置検査装置30は、図8に示すように、太陽電池セル2の表面画像を撮像する撮像部31と、撮像部31から供給された画像信号に対して、所定の信号処理を行う2値化部32と、信号処理後の導電性接着フィルム17の適正な位置情報が登録される不揮発性記憶部33と、導電性接着フィルム17の位置ズレを検出する位置ズレ検出部34と、装置全体を制御する制御部35とを備える。
【0051】
撮像部31は、画像を取り込む撮像レンズユニット31aと、撮像レンズユニット31aを介して入射した映像を取り込むCCDやCMOS等の撮像素子ユニット31bとを備える。そして、撮像部31は、太陽電池セル2の受光面や裏面に予め設けられたアライメントマークや、太陽電池セル2の外側縁などの基準との位置合わせを行ったうえで、導電性接着フィルム17が仮貼りされた太陽電池セル2の受光面や裏面を撮影する。
【0052】
2値化部32は、撮像素子ユニット31bに取り込まれた信号をA/D変換するAD変換部32aと、AD変換部32aで変換されたデータを2値化処理する2値化処理部32bとを有する。2値化処理部32bは、AD変換部32aから供給されたデジタルデータを所定の方式で2値化処理する。2値化処理された太陽電池セル2の画像データは、太陽電池セル2の表面と導電性接着フィルム17を構成する各画素が、それぞれ0又は1の値をもつ2値画像に変換される。2値化処理の方式には、画像全体の平均値と各画素の大小を比べる方式や、注目している画素の周囲の適当な範囲の平均値と大小を比べる方式等、公知の方式を用いることができる。
【0053】
2値化部32は、太陽電池セル2の受光面画像においては、白系の導電性接着フィルム17を白色の画像に変換し、受光面のその他の領域は黒の画像として変換する。また、2値化部32は、全面に亘ってAl電極あるいはAg電極が形成された太陽電池セル2の裏面においては、黒系の導電性接着フィルム17を黒色の画像に変換し、裏面のその他の領域は白色として変換する。
【0054】
不揮発性記憶部33は、例えば、EEPROM又はフラッシュROM等で構成されており、予め太陽電池セル2のバスバー電極11上あるいはタブ線接続部14上に適正に仮貼りされた導電性接着フィルム17の基準位置情報(座標値)を記憶保持する。基準位置情報は、例えば、各画素の座標と各座標に対応付けられた2値化情報からなり、太陽電池セル2に予め設けられたアライメントマークや太陽電池セル2の外側縁を基準に設定される。
【0055】
位置ズレ検出部34は、2値化部32において2値化されたデータが一時記憶される2値化データエリア34aと、不揮発性記憶部33に格納された基準位置情報(座標値)と2値化部32で生成された太陽電池セル2上における導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)とを照合する照合部34bと、照合の結果、位置ズレ量が所定の範囲内であるか判定する判定部34cとからなる。照合部34bは、2値化データエリア34aに記憶された太陽電池セル2の座標と不揮発性記憶部33に記憶されている対応する座標との各2値化情報を対比し、導電性接着フィルム17の貼着位置が不揮発性記憶部33に記憶されている所定の位置からどの程度ずれているかを算出する。判定部34cは、照合部34bによって算出されたズレ量が、所定の許容値以内か否かを判定する。
【0056】
制御部35は、太陽電池セル2に導電性接着フィルム17が仮貼りされると、撮像部31によって導電性接着フィルム17が仮貼りされた太陽電池セル2の表面(受光面及び裏面)を撮像し、2値化部32によって太陽電池セル2表面の2値化画像データ(座標値)を生成する。
【0057】
次いで、制御部35は、位置ズレ検出部34によって、導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)と、不揮発性記憶部33に予め記憶されている適正に仮貼りされた導電性接着フィルム17の基準位置情報(座標値)とを照合する。そして、制御部35は、照合結果を元に判定部34cによって位置ズレの量が所定の範囲か否かを判定する。
【0058】
判定の結果、導電性接着フィルム17の仮貼り位置がズレていないか、ズレ量が所定の範囲内である太陽電池セル2は、適正に仮貼りされたものとしてタブ線3の接続工程に付され、ズレ量が所定の範囲を超えている太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17を剥がし、再度仮貼りするリペア工程に付される。
【0059】
図9に、太陽電池セル2の2値化画像の一例を示す。図9(a)に示すように、太陽電池セル2の受光面側において、2本のバスバー電極11が設けられ、各バスバー電極11上に導電性接着フィルム17が仮貼りされた状態では、フィンガー電極12及び導電性接着フィルム17が白く変換され、受光面のその他の領域は黒く反転される。また、図9(b)に示すように、太陽電池セル2の裏面においては、AlあるいはAgからなる裏面電極13が全面に亘って形成され、タブ線接続部14上に2本の導電性接着フィルム17が仮貼りされた状態では、導電性接着フィルム17が黒く変換され、裏面のその他の領域は白く変換される。
【0060】
制御部35は、照合部34bにおいて、2値化データエリア34aに格納されたデータ及び不揮発性記憶部33に記憶されている2値化画像データのうち、導電性接着フィルム17が仮貼りされる領域及びその周辺の画素に注目し、当該注目画素における座標及び当該座標に対応付けられた2値化情報を対比し、ズレ量を算出する。そして、制御部35は、判定部34cにおいて、ズレ量が所定の範囲にあるか否かを判定し、ズレ量が所定の範囲内である太陽電池セル2は、適正に仮貼りされたものとしてタブ線3の接続工程に付される。
【0061】
[タブ線接続工程]
導電性接着フィルム17が適正に仮貼りされた太陽電池セル2は、所定の長さにカットされたタブ線3が導電性接着フィルム17上に重畳配置される。その後、導電性接着フィルム17は、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧されることにより、余剰のバインダー樹脂22が各電極11,13とタブ線3との間より流出されるとともに導電性粒子23がタブ線3と各電極11,13との間で挟持され、この状態でバインダー樹脂22が硬化する。これにより、導電性接着フィルム17は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導電性粒子23がバスバー電極11や裏面電極13に接触し導通接続させることができる。
【0062】
このようにして、太陽電池セル2を順次タブ線3によって接続し、ストリングス4、マトリクス5を形成していく。次いで、マトリクス5を構成する複数の太陽電池セル2は、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面カバー7と、ガラスやPET(Poly Ethylene Terephthalate)フィルム等からなるバックシート8との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材のシート6により封止される。最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより太陽電池モジュール1が形成される。
【0063】
[バスバーレス]
なお、太陽電池モジュール1は、上述したように、太陽電池セル2の受光面側にフィンガー電極12と略直交するバスバー電極11を設け、当該バスバー電極11上に導電性接着フィルム17及びタブ線3を積層させる構成の他、バスバー電極11を設けることなく、フィンガー電極12と直交するように導電性接着フィルム17及びタブ線3を積層させるいわゆるバスバーレス構造としてもよい。
【0064】
[一括ラミネート]
また、太陽電池モジュール1は、上述したように太陽電池セル2の各電極11,13上に導電性接着フィルム17及びタブ線3を配置した後、加熱ボンダーによってタブ線3上を熱加圧させる工法の他、太陽電池セル2の表面及び裏面に導電性接着フィルム17、タブ線3及び太陽電池セル2を封止するEVA等の透光性封止材シートを順次積層させ、減圧ラミネータを用いて一括してラミネート処理を行うことにより、タブ線3を各電極11,13上に熱加圧してもよい。
【0065】
[本発明の効果]
本発明によれば、タブ線3の接続前に、導電性接着フィルム17の位置ズレの有無を検出するため、タブ線3を導電性接着フィルム17に完全に重畳させて接続することができる。これにより、太陽電池モジュール1は、タブ線3とバスバー電極11あるいはタブ線接続部14との接着面積を確保し、機械的な接続強度や、電気的な接続信頼性を維持することができ、またストリングの歩留まりを向上させることができる。
【0066】
また、本発明によれば、タブ線3の接続前に導電性接着フィルム17の位置ズレの有無を検出し、許容量を超える位置ズレが生じた場合にはリペア工程に付すことができ、位置ズレが生じた状態でタブ線3の接続を行うこともない。
【実施例1】
【0067】
次いで、2値化画像を用いた導電性接着フィルムの位置ズレ検査において、画像処理されたときに太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である導電性接着フィルム17を用いた場合と、その他の導電性接着フィルムを用いた場合とを対比した実施例について説明する。
【0068】
この位置ズレ検査は、太陽電池セルの受光面及び裏面に導電性接着フィルムを仮貼りし、上述したように、導電性接着フィルムが仮貼りされた太陽電池セルの画像データを2値化処理し、各座標及び座標に対応付けられた2値化情報を求め、適正に仮貼りされた導電性接着フィルムの基準位置情報と対比することにより位置ズレ量を求めるものである。本実施例では、2本の導電性接着フィルムの一方を適正な仮貼り位置に、他方を適正な仮貼り位置よりズレた位置に仮貼りし、位置ズレを検出できるか否か検証した。
【0069】
太陽電池セルは、6インチの多結晶シリコンセルを用い、各導電性接着フィルムの熱加圧条件は、180℃、15秒、2MPaである。各導電性接着フィルムは、エポキシ樹脂と線材硬化剤を有機溶剤で溶解した混合液に導電性粒子を均一に分散させた樹脂生成用溶液を剥離基材上に一定の厚み(乾燥後25μm)に塗布し、乾燥させることにより作成した。また各導電性接着フィルムのサイズは、2mm×150mmとした。
【0070】
実施例1では、画像処理されたときに太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である導電性接着フィルム17を用いた。すなわち、太陽電池セル2の受光面側に仮貼りされる導電性接着フィルム17は樹脂生成用溶液に酸化チタンや酸化亜鉛を添加し白系に着色され、裏面に仮貼りされる導電性接着フィルム17は樹脂生成用溶液にカーボンブラックを添加し黒系に着色されている。
【0071】
比較例1では、なんら着色処理をしていない従来の導電性接着フィルム18を用いた。比較例1の導電性接着フィルム18は半透明である。
【0072】
比較例2では、樹脂生成用溶液に酸化チタンや酸化亜鉛を添加し白色に着色した導電性接着フィルム19を用いた。
【0073】
比較例3では、樹脂生成用溶液にカーボンブラックを添加し黒色に着色した導電性接着フィルム20を用いた。
【0074】
検出結果を表1に示すとともに、図10〜図14に、実施例及び各比較例に係る2値化画像を示す。
【0075】
【表1】
図10に実施例1にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。実施例1では、受光面においては黒に変換された受光面に対して導電性接着フィルムが白く変換され(図10(A))、裏面においては白く変換された裏面に対して導電性接着フィルムが黒く変換される(図10(B))。したがって、実施例1は、適正な仮貼り位置周辺を含む注目画素における2値化データの対比、判定を確実に行うことができる。
【0076】
すなわち、図10(A)に示すように、受光面において、左側の導電性接着フィルム17は適正な位置に仮貼りされていることがわかる。一方、右側の導電性接着フィルム17は適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされているため、白く変換されたバスバー電極11が露出している。このため、本来は黒に変換されるべき座標が白く変換されていることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0077】
また、図10(B)に示すように、裏面においても、適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合は、本来は白に変換されるべき座標が導電性接着フィルム17によって黒く変換され、黒に変換されるべき座標が裏面電極13によって白く変換されることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0078】
また、実施例1にかかる導電性接着フィルム17を用いることにより、バスバー電極12を有しない、いわゆるバスバーレス構造の太陽電池セルにおいても、仮貼り位置からのズレが容易に分かる。すなわち、図11(A)に示すように、受光面において、適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合は、本来は白に変換されるべき座標が受光面によって黒く変換され、黒に変換されるべき座標が導電性接着フィルム17によって白く変換されることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0079】
また、図11(B)に示すように、裏面においても、適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合は、本来は白に変換されるべき座標が導電性接着フィルム17によって黒く変換され、黒に変換されるべき座標が裏面電極13によって白く変換されることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0080】
図12に比較例1にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。図12(A)に示すように、比較例1では、導電性接着フィルム18が半透明であるため、2値化されることにより黒く変換される。このため、受光面側では、導電性接着フィルム18と太陽電池セルの受光面とを区別できず、位置ズレの有無や量を検出することができなかった。
【0081】
図13に比較例2にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。図13(B)に示すように、比較例2では、導電性接着フィルム19が2値化されることにより白く変換されるように着色されているため、裏面側では、導電性接着フィルム19と太陽電池セルの裏面電極13とを区別できず、位置ズレの有無や量を検出することができなかった。
【0082】
図14に比較例3にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。図14(A)に示すように、比較例3では、導電性接着フィルム20が2値化されることにより黒く変換されるように着色されているため、受光面側では、導電性接着フィルム20と太陽電池セルの受光面とを区別できず、位置ズレの有無や量を検出することができなかった。特にバスバーレス構造の太陽電池セル2においては、白く変換されるバスバー電極12が設けられていないため、バスバー電極12との相対的な位置関係より位置ズレの量を検出することもできない。
【0083】
[タブ線の仮貼り位置の検査]
また、他の実施の形態として、図15に示すように、太陽電池セル2に導電性接着フィルム17を仮貼りし、導電性接着フィルム17上にタブ線3を仮貼りした後、本圧着する前に貼着位置の検査を行ってもよい。すなわち、太陽電池モジュール1は、図15に示すように、導電性接着フィルム17を製造し(ステップS11)、導電性接着フィルム17を太陽電池セル2の受光面及び裏面に仮貼りした後(ステップS12)、複数の太陽電池セル2間に亘ってタブ線3が仮貼りされ、ストリングス4が形成される(ステップS13)。その後、貼着位置の検査工程に付され(ステップS14)、貼着位置の検査によって位置ズレが検出された場合はリペア工程に付され(ステップS15)、再度導電性接着フィルム17が仮貼りされる。また、位置ズレが検出されなかった場合は、タブ線3上より熱加圧されることにより導電性接着フィルム17を介してタブ線3と太陽電池セル2の各電極とが本厚着され(ステップS16)、EVA等の封止材シートによって、表面カバー7及びバックシート8の間に封止されることにより(ステップS17)、太陽電池モジュール1が製造される。
【0084】
ここで、タブ線3は、ハンダ等によってコーティングされることにより2値化されると白色に変換され、また、導電性接着フィルム17の幅以上の幅に形成されている。
【0085】
太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされている場合、受光面側においては、タブ線3のみが写る。したがって、このタブ線3の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とがほぼ一致することで導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされていることがわかる。
【0086】
一方、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17又はタブ線3のいずれかが適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合、受光面側においては、白色に変換されたタブ線3及び導電性接着フィルム17の幅が所定の幅よりも広がる。したがって、これらタブ線3及び導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とが一致せず、貼りズレが生じていることがわかる。
【0087】
また、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされている場合、裏面側においては、導電性接着フィルム17がタブ線3によって覆われ、裏面前面が白く変換される。したがって、このタブ線3の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とが一致することで導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされていることがわかる。
【0088】
一方、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17又はタブ線3のいずれかが適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合、裏面側においては、黒く変換された導電性接着フィルム17が露出する。したがって、これらタブ線3及び導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とが一致せず、貼りズレが生じていることがわかる。
【0089】
照合の結果、タブ線3及び導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置に仮貼りされている場合には、太陽電池セル2は、タブ線3の本圧着工程に移る。照合の結果、タブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされていない場合には、太陽電池セル2は、タブ線3を張り直すリペア工程に付される。
【0090】
なお、タブ線3を仮貼りした後、本圧着する前に貼着位置の検査を行う場合、タブ線3を太陽電池セル2の受光面、裏面及び導電性接着フィルム17と異なる色の材料でコーティングすると共に、タブ線3が仮貼りされた太陽電池セル2の表面画像の輝度ないし色差に基づいて3値化データを生成し、予め登録されている基準データと照合してもよい。このように、導電性接着フィルム17とタブ線3と太陽電池セル2表面のその他の領域とを識別し、基準データの座標値と照合することで、導電性接着フィルム17とタブ線3のいずれが、どの程度ズレて仮貼りされているかを判定することができる。
【0091】
貼着位置の検査の結果、太陽電池セル2は、タブ線3及び導電性接着フィルム17のいずれも適正な位置に仮貼りされている場合は、タブ線3の本圧着工程に付される。本圧着工程では、加熱ボンダーによってタブ線3上を熱加圧させる工法の他、太陽電池セル2の表面及び裏面に太陽電池セル2を封止するEVA等の透光性封止材シートを順次積層させ、減圧ラミネータを用いて一括してラミネート処理を行うことにより、タブ線3を各電極11,13上に熱加圧してもよい。
【0092】
[両面受光タイプ]
また、本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、太陽電池セルの両面が受光面となるいわゆる両面受光タイプの太陽電池セルに適用することもできる。
【符号の説明】
【0093】
1 太陽電池モジュール、2 太陽電池セル、3 タブ線、4 ストリングス、5 マトリクス、6 シート、7 表面カバー、8 バックシート、9 金属フレーム、10 光電変換素子、11 バスバー電極、12 フィンガー電極、13 裏面電極、14 タブ線接続部、17 導電性接着フィルム、22 バインダー樹脂、23 導電性粒子、24 剥離基材、25 リール、30 貼着位置検査装置、31 撮像部
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブ線によって複数の太陽電池セルが接続された太陽電池モジュールに関し、特にタブ線を太陽電池セルの電極に接着する接着フィルムを太陽電池セルの電極上に貼り合わせる太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、複数の隣接する太陽電池セルが、インターコネクタとなるタブ線により接続されている。タブ線は、その一端側を一の太陽電池セルの表面電極に接続され、他端側を隣接する太陽電池セルの裏面電極に接続することにより、各太陽電池セルを直列に接続する。このとき、タブ線は、一端側の一面側が一の太陽電池セルの表面電極に接着され、他端側の他面側が隣接する太陽電池セルの裏面電極に接着されている。
【0003】
具体的に、太陽電池セルは、銀ペーストをスクリーン印刷すること等により、受光面にバスバー電極が形成され、裏面接続部にAg電極が形成されている。なお、太陽電池セル裏面の接続部以外の領域はAl電極やAg電極が形成されている。
【0004】
また、タブ線は、リボン状銅箔の両面にハンダコート層が設けられること等により形成される。具体的に、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして得た幅1〜3mmの平角銅線に、ハンダメッキやディップハンダ付け等を施すことにより形成される。
【0005】
太陽電池セルとタブ線との接続は、タブ線を太陽電池セルの各電極上に配置し、加熱ボンダーによって熱加圧することにより、タブ線表面に形成したハンダを溶融、冷却することにより行う(特許文献1)。
【0006】
しかし、ハンダ付けでは約260℃と高温による接続処理が行われるため、太陽電池セルの反りや割れ、タブ線と表面電極及び裏面電極との接続部に生じる内部応力、さらにフラックスの残渣等により、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との間の接続信頼性が低下することが懸念される。
【0007】
そこで、従来、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との接続に、比較的低い温度での熱圧着処理による接続が可能な導電性接着フィルムが使用されている(特許文献2)。このような導電性接着フィルムとしては、平均粒径が数μmオーダーの球状または鱗片状の導電性粒子を熱硬化型バインダー樹脂組成物に分散してフィルム化したものが使用されている。
【0008】
図16に示すように、導電性接着フィルム50は、表面電極及び裏面電極上に貼り合わせた後、タブ線51が重畳され、タブ線51の上から加熱ボンダーによって熱加圧される。これにより、図17に示すように、導電性接着フィルム50は、バインダー樹脂が流動性を示して電極、タブ線51間より流出されるとともに、導電性粒子54が電極53とタブ線51間に挟持されてこの間の導通を図り、この状態でバインダー樹脂が熱硬化する。このように、タブ線51によって複数の太陽電池セル52が直列接続されたストリングスが形成される。
【0009】
導電性接着フィルム50を用いてタブ線51と表面電極及び裏面電極とが接続された複数の太陽電池セル52は、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面保護材と、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等のフィルムからなる背面保護材との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材により封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−356349号公報
【特許文献2】特開2008−135654号公報
【特許文献3】特開2010−16245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、導電性接着フィルム50を太陽電池セルの電極53上に貼り合わせる工程で位置ズレが発生した場合、タブ線51を貼り付ける装置側ではこの位置ズレを認識せずにタブ線51の貼り付けを行う。そして、タブ線51は、導電性接着フィルム50と完全に重畳せずに位置ズレが生じた状態で、熱加圧工程に付され、本圧着されてしまう。
【0012】
これにより、太陽電池モジュールは、タブ線51と電極53との接着面積が少なくなり、機械的な接続強度や、電気的な接続信頼性を損なってしまう。導電性接着フィルム50の貼り合わせ位置の位置ズレが大きい場合には、太陽電池セルとタブ線51との接続不良が実使用に耐えられない程度まで大きくなり、ストリングそのものの歩留まりが低下してしまう。
【0013】
一方で、導電性接着フィルム50の貼り合わせ工程において、貼り合わせ位置の位置ズレが認識できれば、再度導電性接着フィルム50を張り直す(リペア)ことが可能であり、太陽電池セルとタブ線51との接続不良の発生を防止することができる。
【0014】
そこで、本発明は、太陽電池セルの電極上に貼り合わせる接着フィルムの貼り合わせ位置の位置ズレを検出可能な太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの受光面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着フィルムを介して接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、上記接着フィルムは、画像処理されたときに、上記太陽電池セルの接着面の色と異なる色として識別される色である。
【0016】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程と、タブ線を上記太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に上記接着フィルム上から仮貼りするタブ線配置工程と、上記タブ線の上から熱加圧し、上記接着フィルムによって上記タブ線を上記太陽電池セルの表面に接続する接続工程とを有し、上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する。
【0017】
また、本発明に係る接着フィルムの貼り合わせ方法は、太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する。
【0018】
また、本発明に係る接着フィルムの検査方法は、太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、タブ線の接続前に、導電性接着フィルムの位置ズレの有無を検出するため、タブ線を導電性接着フィルムに完全に重畳させて接続することができる。これにより、本発明では、タブ線の機械的な接続強度や、電気的な接続信頼性を維持することができ、またストリングの歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】太陽電池モジュールを示す分解斜視図である。
【図2】太陽電池セルのストリングを示す断面図である。
【図3】太陽電池セルの裏面電極及び接続部を示す平面図である。
【図4】導電性接着フィルムを示す断面図である。
【図5】リール状に巻回された導電性接着フィルムを示す図である。
【図6】太陽電池モジュールの製造工程を示すフローチャートである。
【図7】導電性接着フィルムの仮貼り工程を示す側面図である。
【図8】貼着位置検査装置の構成を示すブロック図である。
【図9】太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図10】実施例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図11】実施例に係るバスバーレス太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図12】比較例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図13】比較例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図14】比較例に係る太陽電池セルの2値化画像を示す図である。
【図15】太陽電池モジュールの他の製造工程を示すフローチャートである。
【図16】従来の太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図17】従来の太陽電池モジュールにおけるタブ線の接続工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が適用された太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[太陽電池モジュール]
本発明が適用された太陽電池モジュール1は、図1〜図3に示すように、複数の太陽電池セル2がインターコネクタとなるタブ線3によって直列に接続されたストリングス4を有し、このストリングス4を複数配列したマトリクス5を備える。そして、太陽電池モジュール1は、このマトリクス5が封止接着剤のシート6で挟まれ、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられたバックシート8とともに一括してラミネートされ、最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより形成される。
【0023】
封止接着剤としては、例えばエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性封止材が用いられる。また、表面カバー7としては、例えば、ガラスや透光性プラスチック等の透光性の材料が用いられる。また、バックシート8としては、ガラスや、アルミニウム箔を樹脂フィルムで挟持した積層体等が用いられる。
【0024】
太陽電池モジュール1の各太陽電池セル2は、光電変換素子10を有する。光電変換素子10は、単結晶型シリコン光電変換素子、多結晶型光電変換素子を用いる結晶シリコン系太陽電池や、アモルファスシリコンからなる薄膜シリコン系太陽電池、アモルファスシリコンからなるセルと微結晶シリコンやアモルファスシリコンゲルマニウムからなるセルとを積層させた多接合型の薄膜シリコン系太陽電池、いわゆる化合物薄膜系太陽電池、有機系、量子ドット型など、各種光電変換素子10を用いることができる。
【0025】
また、光電変換素子10は、受光面側に内部で発生した電気を集電するフィンガー電極12とフィンガー電極12の電気を集電するバスバー電極11とが設けられている。バスバー電極11及びフィンガー電極12は、太陽電池セル2の受光面となる表面に、例えばAgペーストがスクリーン印刷等により塗布された後、焼成されることにより形成される。また、フィンガー電極12は、受光面の全面に亘って、例えば約50〜200μm程度の幅を有するラインが、所定間隔、例えば2mmおきに、ほぼ平行に複数形成されている。バスバー電極11は、フィンガー電極12と略直交するように形成され、また、太陽電池セル2の面積に応じて複数形成されている。
【0026】
また、光電変換素子10は、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられている。裏面電極13は、図2及び図3に示すように、例えばアルミニウムや銀からなる電極が、スクリーン印刷やスパッタ等により太陽電池セル2の裏面に形成される。裏面電極13は、後述する導電性接着フィルム17が貼り付けられるとともに、この導電性接着フィルム17を介してタブ線3が接続されるタブ線接続部14を有する。
【0027】
そして、太陽電池セル2は、タブ線3によって、表面に形成された各バスバー電極11と、隣接する太陽電池セル2の裏面電極13とが電気的に接続され、これにより直列に接続されたストリングス4を構成する。タブ線3とバスバー電極11及び裏面電極13とは、後述する導電性接着フィルム17によって接続される。
【0028】
太陽電池セル2は、一般に受光面が濃紺とされ、受光面の撮影画像は例えば2値化による画像処理によって黒に変換される。また、太陽電池セル2は、裏面全面に亘ってアルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられることにより、裏面の撮影画像は例えば2値化による画像処理によって白に変換される。
【0029】
[タブ線]
タブ線3は、図2に示すように、隣接する太陽電池セル2X、2Y、2Zの各間を電気的に接続する長尺状の導電性基材である。タブ線3は、例えば厚さ50〜300μmに圧延された銅箔やアルミ箔をスリットし、あるいは銅やアルミなどの細い金属ワイヤーを平板状に圧延することにより、導電性接着フィルム17とほぼ同じ幅の1〜3mm幅の平角の銅線を得る。そして、タブ線3は、この平角銅線に、金メッキ、銀メッキ、スズメッキ、ハンダメッキ等を施すことにより形成される。
【0030】
[導電性接着フィルム]
導電性接着フィルム17は、図4に示すように、バインダー樹脂22に球状の導電性粒子23が高密度に含有された熱硬化性のバインダー樹脂層である。本発明が適用された導電性接着フィルム17は、撮影画像が画像処理されたときに、当該導電性接着フィルム17が接続される太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である。これにより、太陽電池モジュール1は、導電性接着フィルム17を貼り合わせた太陽電池セル2の画像データを元に画像処理を行うことで、正確に貼り合わせ位置の位置ズレを検出することができる。詳しくは後述する。
【0031】
なお、導電性接着フィルム17は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂22の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。導電性接着フィルム17は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
【0032】
[導電性粒子]
導電性接着フィルム17に用いられる導電性粒子23は、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子や、樹脂粒子をコア材とし最外層に金めっきなどを施したものなどを挙げることができる。
【0033】
なお、導電性接着フィルム17は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。導電性接着フィルム17の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、導電性接着フィルム17をリール状に巻装した場合において、いわゆるはみ出しによるブロッキングを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
【0034】
[バインダー樹脂]
導電性接着フィルム17のバインダー樹脂22の組成は、上述のような特徴を害さない限り、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
【0035】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0036】
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
【0037】
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。なかでも、本願では、加熱硬化型の潜在性硬化剤が好適に用いられ、バスバー電極11や裏面電極13に加熱押圧されることにより本硬化される。液状エポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。
【0038】
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
【0039】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。
【0040】
図5は、導電性接着フィルム17の製品形態の一例を模式的に示す図である。この導電性接着フィルム17は、剥離基材24上にバインダー樹脂22が積層され、テープ状に成型されている。このテープ状の導電性接着フィルムは、リール25に剥離基材24が外周側となるように巻回積層される。剥離基材24としては、特に制限はなく、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などを用いることができる。また、導電性接着フィルム17は、バインダー樹脂22上に透明なカバーフィルムを有する構成としてもよい。
【0041】
[着色剤の添加]
導電性接着フィルム17の色は、画像処理されたときに、太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である。例えば、太陽電池セル2の受光面側に貼り合わせられる導電性接着フィルム17の色は、2値化画像処理によって白と識別される色である。これは、結晶シリコン系の太陽電池セル2の場合、受光面がシリコン特有の濃紺色をしていることから2値化画像処理によって黒と識別されるためである。また、太陽電池セル2の裏面に貼り合わせられる導電性接着フィルム17の色は、2値化画像処理によって黒と識別される色である。これは、結晶シリコン系の太陽電池セル2の裏面には、上述したようにAgやAlによる裏面電極が全面に亘って形成されていることから2値化画像処理によって白と識別されるためである。
【0042】
この場合、太陽電池セル2の受光面側に貼り合わせられる導電性接着フィルム17は、2値化画像処理によって白と識別されるように、バインダー樹脂22に酸化チタンや酸化亜鉛等を添加することにより白色系の色に着色される。また、太陽電池セル2の裏面に貼り合わせられる導電性接着フィルム17は、2値化画像処理によって黒と識別されるように、バインダー樹脂22にカーボンブラック等を添加することにより黒色系の色に着色される。
【0043】
なお、導電性接着フィルム17は、リール形状に限らず、バスバー電極11や裏面電極13のタブ線接続部14の形状に応じた短冊形状であってもよい。
【0044】
図5に示すように導電性接着フィルム17が巻き取られたリール製品として提供される場合、導電性接着フィルム17の粘度を10〜10000kPa・sの範囲とすることにより、導電性接着フィルム17の変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。また、導電性接着フィルム17が短冊形状で2枚以上積層された場合も同様に、変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。
【0045】
[製造方法・検査方法]
太陽電池モジュール1の製造工程は、図6に示すように、導電性接着フィルム17を製造し(ステップS1)、導電性接着フィルム17を太陽電池セル2の受光面及び裏面に仮貼りした後(ステップS2)、貼着位置の検査工程に付される(ステップS3)。貼着位置の検査によって位置ズレが検出された場合はリペア工程に付され(ステップS4)、再度導電性接着フィルム17が仮貼りされる。また、位置ズレが検出されなかった場合は、複数の太陽電池セル2間に亘ってタブ線3が仮貼りされ、ストリングスが形成される(ステップS5)。その後、タブ線3上より熱加圧されることにより導電性接着フィルム17を介してタブ線3と太陽電池セル2の各電極とが本厚着され(ステップS6)、EVA等の封止材シートによって、表面カバー及びバックシートの間に封止されることにより(ステップS7)、太陽電池モジュール1が製造される。以下、詳述する。
【0046】
上述した導電性接着フィルム17は、導電性粒子23と、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤と、酸化チタンや酸化亜鉛あるいはカーボンブラック等の着色材を溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離シート上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、導電性接着フィルム17を得る。
【0047】
そして、導電性接着フィルム17は、表面電極用2本及び裏面電極用2本を所定の長さにカットされ、太陽電池セル2の表裏面の所定位置に仮貼りされる。このとき、白色系に着色された導電性接着フィルム17は、太陽電池セル2の表面にほぼ平行に複数形成されている各バスバー電極11上に仮貼りされ、黒色系に着色された導電性接着フィルム17は、裏面電極13のタブ線接続部14上に仮貼りされる。
【0048】
導電性接着フィルム17を電極11,13上に仮貼りする工程では、図7に示すように、リール25より引き出された導電性接着フィルム17を各電極11,13の長さに応じてカットし各電極11,13上に搬送する。次いで、加熱ボンダー26によってバインダー樹脂層が本硬化しないが流動性を示す程度に仮硬化させて仮貼りする。
【0049】
次いで、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17の貼り位置のズレを検出する工程に付される。この工程は、例えば貼着位置検査装置30を用いて行うことができる。貼着位置検査装置30は、太陽電池セル2の表面画像の輝度ないし色差に基づいて多値化データ、例えば2値化データを生成し、予め登録されている基準データと照合することにより、導電性接着フィルム17が所定の位置に仮貼りされているかどうかを判定するものである。なお、本技術は、以下に説明する貼着位置検査装置30に限らず、同様の機能を奏するあらゆる検査技術を用いることができることはもちろんである。
【0050】
貼着位置検査装置30は、図8に示すように、太陽電池セル2の表面画像を撮像する撮像部31と、撮像部31から供給された画像信号に対して、所定の信号処理を行う2値化部32と、信号処理後の導電性接着フィルム17の適正な位置情報が登録される不揮発性記憶部33と、導電性接着フィルム17の位置ズレを検出する位置ズレ検出部34と、装置全体を制御する制御部35とを備える。
【0051】
撮像部31は、画像を取り込む撮像レンズユニット31aと、撮像レンズユニット31aを介して入射した映像を取り込むCCDやCMOS等の撮像素子ユニット31bとを備える。そして、撮像部31は、太陽電池セル2の受光面や裏面に予め設けられたアライメントマークや、太陽電池セル2の外側縁などの基準との位置合わせを行ったうえで、導電性接着フィルム17が仮貼りされた太陽電池セル2の受光面や裏面を撮影する。
【0052】
2値化部32は、撮像素子ユニット31bに取り込まれた信号をA/D変換するAD変換部32aと、AD変換部32aで変換されたデータを2値化処理する2値化処理部32bとを有する。2値化処理部32bは、AD変換部32aから供給されたデジタルデータを所定の方式で2値化処理する。2値化処理された太陽電池セル2の画像データは、太陽電池セル2の表面と導電性接着フィルム17を構成する各画素が、それぞれ0又は1の値をもつ2値画像に変換される。2値化処理の方式には、画像全体の平均値と各画素の大小を比べる方式や、注目している画素の周囲の適当な範囲の平均値と大小を比べる方式等、公知の方式を用いることができる。
【0053】
2値化部32は、太陽電池セル2の受光面画像においては、白系の導電性接着フィルム17を白色の画像に変換し、受光面のその他の領域は黒の画像として変換する。また、2値化部32は、全面に亘ってAl電極あるいはAg電極が形成された太陽電池セル2の裏面においては、黒系の導電性接着フィルム17を黒色の画像に変換し、裏面のその他の領域は白色として変換する。
【0054】
不揮発性記憶部33は、例えば、EEPROM又はフラッシュROM等で構成されており、予め太陽電池セル2のバスバー電極11上あるいはタブ線接続部14上に適正に仮貼りされた導電性接着フィルム17の基準位置情報(座標値)を記憶保持する。基準位置情報は、例えば、各画素の座標と各座標に対応付けられた2値化情報からなり、太陽電池セル2に予め設けられたアライメントマークや太陽電池セル2の外側縁を基準に設定される。
【0055】
位置ズレ検出部34は、2値化部32において2値化されたデータが一時記憶される2値化データエリア34aと、不揮発性記憶部33に格納された基準位置情報(座標値)と2値化部32で生成された太陽電池セル2上における導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)とを照合する照合部34bと、照合の結果、位置ズレ量が所定の範囲内であるか判定する判定部34cとからなる。照合部34bは、2値化データエリア34aに記憶された太陽電池セル2の座標と不揮発性記憶部33に記憶されている対応する座標との各2値化情報を対比し、導電性接着フィルム17の貼着位置が不揮発性記憶部33に記憶されている所定の位置からどの程度ずれているかを算出する。判定部34cは、照合部34bによって算出されたズレ量が、所定の許容値以内か否かを判定する。
【0056】
制御部35は、太陽電池セル2に導電性接着フィルム17が仮貼りされると、撮像部31によって導電性接着フィルム17が仮貼りされた太陽電池セル2の表面(受光面及び裏面)を撮像し、2値化部32によって太陽電池セル2表面の2値化画像データ(座標値)を生成する。
【0057】
次いで、制御部35は、位置ズレ検出部34によって、導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)と、不揮発性記憶部33に予め記憶されている適正に仮貼りされた導電性接着フィルム17の基準位置情報(座標値)とを照合する。そして、制御部35は、照合結果を元に判定部34cによって位置ズレの量が所定の範囲か否かを判定する。
【0058】
判定の結果、導電性接着フィルム17の仮貼り位置がズレていないか、ズレ量が所定の範囲内である太陽電池セル2は、適正に仮貼りされたものとしてタブ線3の接続工程に付され、ズレ量が所定の範囲を超えている太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17を剥がし、再度仮貼りするリペア工程に付される。
【0059】
図9に、太陽電池セル2の2値化画像の一例を示す。図9(a)に示すように、太陽電池セル2の受光面側において、2本のバスバー電極11が設けられ、各バスバー電極11上に導電性接着フィルム17が仮貼りされた状態では、フィンガー電極12及び導電性接着フィルム17が白く変換され、受光面のその他の領域は黒く反転される。また、図9(b)に示すように、太陽電池セル2の裏面においては、AlあるいはAgからなる裏面電極13が全面に亘って形成され、タブ線接続部14上に2本の導電性接着フィルム17が仮貼りされた状態では、導電性接着フィルム17が黒く変換され、裏面のその他の領域は白く変換される。
【0060】
制御部35は、照合部34bにおいて、2値化データエリア34aに格納されたデータ及び不揮発性記憶部33に記憶されている2値化画像データのうち、導電性接着フィルム17が仮貼りされる領域及びその周辺の画素に注目し、当該注目画素における座標及び当該座標に対応付けられた2値化情報を対比し、ズレ量を算出する。そして、制御部35は、判定部34cにおいて、ズレ量が所定の範囲にあるか否かを判定し、ズレ量が所定の範囲内である太陽電池セル2は、適正に仮貼りされたものとしてタブ線3の接続工程に付される。
【0061】
[タブ線接続工程]
導電性接着フィルム17が適正に仮貼りされた太陽電池セル2は、所定の長さにカットされたタブ線3が導電性接着フィルム17上に重畳配置される。その後、導電性接着フィルム17は、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧されることにより、余剰のバインダー樹脂22が各電極11,13とタブ線3との間より流出されるとともに導電性粒子23がタブ線3と各電極11,13との間で挟持され、この状態でバインダー樹脂22が硬化する。これにより、導電性接着フィルム17は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導電性粒子23がバスバー電極11や裏面電極13に接触し導通接続させることができる。
【0062】
このようにして、太陽電池セル2を順次タブ線3によって接続し、ストリングス4、マトリクス5を形成していく。次いで、マトリクス5を構成する複数の太陽電池セル2は、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面カバー7と、ガラスやPET(Poly Ethylene Terephthalate)フィルム等からなるバックシート8との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材のシート6により封止される。最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより太陽電池モジュール1が形成される。
【0063】
[バスバーレス]
なお、太陽電池モジュール1は、上述したように、太陽電池セル2の受光面側にフィンガー電極12と略直交するバスバー電極11を設け、当該バスバー電極11上に導電性接着フィルム17及びタブ線3を積層させる構成の他、バスバー電極11を設けることなく、フィンガー電極12と直交するように導電性接着フィルム17及びタブ線3を積層させるいわゆるバスバーレス構造としてもよい。
【0064】
[一括ラミネート]
また、太陽電池モジュール1は、上述したように太陽電池セル2の各電極11,13上に導電性接着フィルム17及びタブ線3を配置した後、加熱ボンダーによってタブ線3上を熱加圧させる工法の他、太陽電池セル2の表面及び裏面に導電性接着フィルム17、タブ線3及び太陽電池セル2を封止するEVA等の透光性封止材シートを順次積層させ、減圧ラミネータを用いて一括してラミネート処理を行うことにより、タブ線3を各電極11,13上に熱加圧してもよい。
【0065】
[本発明の効果]
本発明によれば、タブ線3の接続前に、導電性接着フィルム17の位置ズレの有無を検出するため、タブ線3を導電性接着フィルム17に完全に重畳させて接続することができる。これにより、太陽電池モジュール1は、タブ線3とバスバー電極11あるいはタブ線接続部14との接着面積を確保し、機械的な接続強度や、電気的な接続信頼性を維持することができ、またストリングの歩留まりを向上させることができる。
【0066】
また、本発明によれば、タブ線3の接続前に導電性接着フィルム17の位置ズレの有無を検出し、許容量を超える位置ズレが生じた場合にはリペア工程に付すことができ、位置ズレが生じた状態でタブ線3の接続を行うこともない。
【実施例1】
【0067】
次いで、2値化画像を用いた導電性接着フィルムの位置ズレ検査において、画像処理されたときに太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である導電性接着フィルム17を用いた場合と、その他の導電性接着フィルムを用いた場合とを対比した実施例について説明する。
【0068】
この位置ズレ検査は、太陽電池セルの受光面及び裏面に導電性接着フィルムを仮貼りし、上述したように、導電性接着フィルムが仮貼りされた太陽電池セルの画像データを2値化処理し、各座標及び座標に対応付けられた2値化情報を求め、適正に仮貼りされた導電性接着フィルムの基準位置情報と対比することにより位置ズレ量を求めるものである。本実施例では、2本の導電性接着フィルムの一方を適正な仮貼り位置に、他方を適正な仮貼り位置よりズレた位置に仮貼りし、位置ズレを検出できるか否か検証した。
【0069】
太陽電池セルは、6インチの多結晶シリコンセルを用い、各導電性接着フィルムの熱加圧条件は、180℃、15秒、2MPaである。各導電性接着フィルムは、エポキシ樹脂と線材硬化剤を有機溶剤で溶解した混合液に導電性粒子を均一に分散させた樹脂生成用溶液を剥離基材上に一定の厚み(乾燥後25μm)に塗布し、乾燥させることにより作成した。また各導電性接着フィルムのサイズは、2mm×150mmとした。
【0070】
実施例1では、画像処理されたときに太陽電池セル2の接着面の色と異なる色として識別される色である導電性接着フィルム17を用いた。すなわち、太陽電池セル2の受光面側に仮貼りされる導電性接着フィルム17は樹脂生成用溶液に酸化チタンや酸化亜鉛を添加し白系に着色され、裏面に仮貼りされる導電性接着フィルム17は樹脂生成用溶液にカーボンブラックを添加し黒系に着色されている。
【0071】
比較例1では、なんら着色処理をしていない従来の導電性接着フィルム18を用いた。比較例1の導電性接着フィルム18は半透明である。
【0072】
比較例2では、樹脂生成用溶液に酸化チタンや酸化亜鉛を添加し白色に着色した導電性接着フィルム19を用いた。
【0073】
比較例3では、樹脂生成用溶液にカーボンブラックを添加し黒色に着色した導電性接着フィルム20を用いた。
【0074】
検出結果を表1に示すとともに、図10〜図14に、実施例及び各比較例に係る2値化画像を示す。
【0075】
【表1】
図10に実施例1にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。実施例1では、受光面においては黒に変換された受光面に対して導電性接着フィルムが白く変換され(図10(A))、裏面においては白く変換された裏面に対して導電性接着フィルムが黒く変換される(図10(B))。したがって、実施例1は、適正な仮貼り位置周辺を含む注目画素における2値化データの対比、判定を確実に行うことができる。
【0076】
すなわち、図10(A)に示すように、受光面において、左側の導電性接着フィルム17は適正な位置に仮貼りされていることがわかる。一方、右側の導電性接着フィルム17は適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされているため、白く変換されたバスバー電極11が露出している。このため、本来は黒に変換されるべき座標が白く変換されていることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0077】
また、図10(B)に示すように、裏面においても、適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合は、本来は白に変換されるべき座標が導電性接着フィルム17によって黒く変換され、黒に変換されるべき座標が裏面電極13によって白く変換されることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0078】
また、実施例1にかかる導電性接着フィルム17を用いることにより、バスバー電極12を有しない、いわゆるバスバーレス構造の太陽電池セルにおいても、仮貼り位置からのズレが容易に分かる。すなわち、図11(A)に示すように、受光面において、適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合は、本来は白に変換されるべき座標が受光面によって黒く変換され、黒に変換されるべき座標が導電性接着フィルム17によって白く変換されることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0079】
また、図11(B)に示すように、裏面においても、適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合は、本来は白に変換されるべき座標が導電性接着フィルム17によって黒く変換され、黒に変換されるべき座標が裏面電極13によって白く変換されることから、導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされていることがわかる。
【0080】
図12に比較例1にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。図12(A)に示すように、比較例1では、導電性接着フィルム18が半透明であるため、2値化されることにより黒く変換される。このため、受光面側では、導電性接着フィルム18と太陽電池セルの受光面とを区別できず、位置ズレの有無や量を検出することができなかった。
【0081】
図13に比較例2にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。図13(B)に示すように、比較例2では、導電性接着フィルム19が2値化されることにより白く変換されるように着色されているため、裏面側では、導電性接着フィルム19と太陽電池セルの裏面電極13とを区別できず、位置ズレの有無や量を検出することができなかった。
【0082】
図14に比較例3にかかる太陽電池セルの2値化画像を示す。図14(A)に示すように、比較例3では、導電性接着フィルム20が2値化されることにより黒く変換されるように着色されているため、受光面側では、導電性接着フィルム20と太陽電池セルの受光面とを区別できず、位置ズレの有無や量を検出することができなかった。特にバスバーレス構造の太陽電池セル2においては、白く変換されるバスバー電極12が設けられていないため、バスバー電極12との相対的な位置関係より位置ズレの量を検出することもできない。
【0083】
[タブ線の仮貼り位置の検査]
また、他の実施の形態として、図15に示すように、太陽電池セル2に導電性接着フィルム17を仮貼りし、導電性接着フィルム17上にタブ線3を仮貼りした後、本圧着する前に貼着位置の検査を行ってもよい。すなわち、太陽電池モジュール1は、図15に示すように、導電性接着フィルム17を製造し(ステップS11)、導電性接着フィルム17を太陽電池セル2の受光面及び裏面に仮貼りした後(ステップS12)、複数の太陽電池セル2間に亘ってタブ線3が仮貼りされ、ストリングス4が形成される(ステップS13)。その後、貼着位置の検査工程に付され(ステップS14)、貼着位置の検査によって位置ズレが検出された場合はリペア工程に付され(ステップS15)、再度導電性接着フィルム17が仮貼りされる。また、位置ズレが検出されなかった場合は、タブ線3上より熱加圧されることにより導電性接着フィルム17を介してタブ線3と太陽電池セル2の各電極とが本厚着され(ステップS16)、EVA等の封止材シートによって、表面カバー7及びバックシート8の間に封止されることにより(ステップS17)、太陽電池モジュール1が製造される。
【0084】
ここで、タブ線3は、ハンダ等によってコーティングされることにより2値化されると白色に変換され、また、導電性接着フィルム17の幅以上の幅に形成されている。
【0085】
太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされている場合、受光面側においては、タブ線3のみが写る。したがって、このタブ線3の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とがほぼ一致することで導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされていることがわかる。
【0086】
一方、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17又はタブ線3のいずれかが適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合、受光面側においては、白色に変換されたタブ線3及び導電性接着フィルム17の幅が所定の幅よりも広がる。したがって、これらタブ線3及び導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とが一致せず、貼りズレが生じていることがわかる。
【0087】
また、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされている場合、裏面側においては、導電性接着フィルム17がタブ線3によって覆われ、裏面前面が白く変換される。したがって、このタブ線3の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とが一致することで導電性接着フィルム17及びタブ線3がいずれも適正な位置に仮貼りされていることがわかる。
【0088】
一方、太陽電池セル2は、導電性接着フィルム17又はタブ線3のいずれかが適正な仮貼り位置よりズレて仮貼りされている場合、裏面側においては、黒く変換された導電性接着フィルム17が露出する。したがって、これらタブ線3及び導電性接着フィルム17の位置情報(座標値)とタブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされたときのタブ線3の基準位置情報(座標値)とが一致せず、貼りズレが生じていることがわかる。
【0089】
照合の結果、タブ線3及び導電性接着フィルム17が適正な仮貼り位置に仮貼りされている場合には、太陽電池セル2は、タブ線3の本圧着工程に移る。照合の結果、タブ線3が適正な仮貼り位置に仮貼りされていない場合には、太陽電池セル2は、タブ線3を張り直すリペア工程に付される。
【0090】
なお、タブ線3を仮貼りした後、本圧着する前に貼着位置の検査を行う場合、タブ線3を太陽電池セル2の受光面、裏面及び導電性接着フィルム17と異なる色の材料でコーティングすると共に、タブ線3が仮貼りされた太陽電池セル2の表面画像の輝度ないし色差に基づいて3値化データを生成し、予め登録されている基準データと照合してもよい。このように、導電性接着フィルム17とタブ線3と太陽電池セル2表面のその他の領域とを識別し、基準データの座標値と照合することで、導電性接着フィルム17とタブ線3のいずれが、どの程度ズレて仮貼りされているかを判定することができる。
【0091】
貼着位置の検査の結果、太陽電池セル2は、タブ線3及び導電性接着フィルム17のいずれも適正な位置に仮貼りされている場合は、タブ線3の本圧着工程に付される。本圧着工程では、加熱ボンダーによってタブ線3上を熱加圧させる工法の他、太陽電池セル2の表面及び裏面に太陽電池セル2を封止するEVA等の透光性封止材シートを順次積層させ、減圧ラミネータを用いて一括してラミネート処理を行うことにより、タブ線3を各電極11,13上に熱加圧してもよい。
【0092】
[両面受光タイプ]
また、本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、太陽電池セルの両面が受光面となるいわゆる両面受光タイプの太陽電池セルに適用することもできる。
【符号の説明】
【0093】
1 太陽電池モジュール、2 太陽電池セル、3 タブ線、4 ストリングス、5 マトリクス、6 シート、7 表面カバー、8 バックシート、9 金属フレーム、10 光電変換素子、11 バスバー電極、12 フィンガー電極、13 裏面電極、14 タブ線接続部、17 導電性接着フィルム、22 バインダー樹脂、23 導電性粒子、24 剥離基材、25 リール、30 貼着位置検査装置、31 撮像部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの受光面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着フィルムを介して接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、
上記接着フィルムは、画像処理されたときに、上記太陽電池セルの接着面の色と異なる色として識別される色である太陽電池モジュール。
【請求項2】
上記接着フィルムは、画像処理されたときに、上記太陽電池セルの接着面の色と異なる色に着色されている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
上記画像処理は、少なくとも上記太陽電池セルの接着面と上記接着フィルムとを区別する請求項1又は請求項2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
上記画像処理は、2値化処理である請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
バスバー電極を有しないバスバーレス構造である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
上記画像処理は、さらに上記接着フィルムを介して上記太陽電池セルの接着面に接着されるタブ線とを区別する請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムと、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムとで、画像処理されたときに、互いに異なる色として認識される請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに白色に識別される色であり、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに黒色に識別される色である請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、
上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、
上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程と、
タブ線を上記太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に上記接着フィルム上から仮貼りするタブ線配置工程と、
上記タブ線の上から熱加圧し、上記接着フィルムによって上記タブ線を上記太陽電池セルの表面に接続する接続工程とを有し、
上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、
上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
上記検出工程において、上記接着フィルムの配置ズレが検出された場合、上記接着フィルムを剥離し、再度、上記接着フィルム配置工程に付す請求項9記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
上記検出工程は、上記接着フィルム配置工程、上記タブ線配置工程に次いで行う請求項9記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項12】
上記画像処理は、2値化処理である請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項13】
上記画像処理は、さらに上記接着フィルムを介して上記太陽電池セルの接着面に接着されるタブ線とを区別する請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項14】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムと、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムとで、画像処理されたときに、互いに異なる色として認識される請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項15】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに白色に識別される色であり、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに黒色に識別される色である請求項14に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項16】
太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、
上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、
上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、
上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、
上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項17】
上記検出工程において、上記接着フィルムの配置ズレが検出された場合、上記接着フィルムを剥離し、再度、上記接着フィルム配置工程に付す請求項16記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項18】
上記画像処理は、2値化処理である請求項16又は請求項17に記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項19】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムと、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムとで、画像処理されたときに、互いに異なる色として認識される請求項16〜請求項18のいずれか1項に記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項20】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに白色に識別される色であり、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに黒色に識別される色である請求項19に記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項21】
太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、
上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、
上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、
上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、
上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する接着フィルムの検査方法。
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの受光面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に接着フィルムを介して接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、
上記接着フィルムは、画像処理されたときに、上記太陽電池セルの接着面の色と異なる色として識別される色である太陽電池モジュール。
【請求項2】
上記接着フィルムは、画像処理されたときに、上記太陽電池セルの接着面の色と異なる色に着色されている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
上記画像処理は、少なくとも上記太陽電池セルの接着面と上記接着フィルムとを区別する請求項1又は請求項2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
上記画像処理は、2値化処理である請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
バスバー電極を有しないバスバーレス構造である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
上記画像処理は、さらに上記接着フィルムを介して上記太陽電池セルの接着面に接着されるタブ線とを区別する請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムと、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムとで、画像処理されたときに、互いに異なる色として認識される請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに白色に識別される色であり、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに黒色に識別される色である請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、
上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、
上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程と、
タブ線を上記太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に上記接着フィルム上から仮貼りするタブ線配置工程と、
上記タブ線の上から熱加圧し、上記接着フィルムによって上記タブ線を上記太陽電池セルの表面に接続する接続工程とを有し、
上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、
上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
上記検出工程において、上記接着フィルムの配置ズレが検出された場合、上記接着フィルムを剥離し、再度、上記接着フィルム配置工程に付す請求項9記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
上記検出工程は、上記接着フィルム配置工程、上記タブ線配置工程に次いで行う請求項9記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項12】
上記画像処理は、2値化処理である請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項13】
上記画像処理は、さらに上記接着フィルムを介して上記太陽電池セルの接着面に接着されるタブ線とを区別する請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項14】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムと、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムとで、画像処理されたときに、互いに異なる色として認識される請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項15】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに白色に識別される色であり、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに黒色に識別される色である請求項14に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項16】
太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、
上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、
上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、
上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、
上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項17】
上記検出工程において、上記接着フィルムの配置ズレが検出された場合、上記接着フィルムを剥離し、再度、上記接着フィルム配置工程に付す請求項16記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項18】
上記画像処理は、2値化処理である請求項16又は請求項17に記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項19】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムと、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムとで、画像処理されたときに、互いに異なる色として認識される請求項16〜請求項18のいずれか1項に記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項20】
上記太陽電池セルの受光面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに白色に識別される色であり、上記太陽電池セルの裏面に配置される上記接着フィルムは、2値化画像処理されたときに黒色に識別される色である請求項19に記載の接着フィルムの貼り合わせ方法。
【請求項21】
太陽電池セル表面の所定の貼り付け位置に接着フィルムを仮貼りする接着フィルム配置工程と、
上記接着フィルムが仮貼りされた上記太陽電池セルの表面を撮像する撮像工程と、
上記太陽電池セル表面の画像データを画像処理することにより、上記接着フィルムが所定の位置に仮貼りされているかを検出する検出工程とを有し、
上記接着フィルムは、上記画像データが画像処理されたときに、上記太陽電池セル表面の色と異なる色として識別される色であり、
上記検出工程において、画像処理後の上記太陽電池セル表面上における上記接着フィルムの位置情報より、上記接着面における所定の位置に仮貼りされているか否かを検出する接着フィルムの検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−256697(P2012−256697A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128507(P2011−128507)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000108410)デクセリアルズ株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000108410)デクセリアルズ株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]