説明

太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法

【課題】タブ線の端部付近における接着力の向上、及び集電効率の向上を図る。
【解決手段】複数の太陽電池セル2と、太陽電池セル2の表面及び隣接する太陽電池セル2の裏面にそれぞれ形成された電極11,13上に球状の導電性粒子23を含有する導電性接着剤17を介して接着され、複数の太陽電池セル2同士を接続するタブ線3とを備え、タブ線3は、長手方向の端部が電極11,13側に屈曲されている屈曲部18が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブ線によって複数の太陽電池セルが接続された太陽電池モジュールに関し、特に導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して太陽電池セルの電極と接続されるタブ線を改良した太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、複数の隣接する太陽電池セルが、インターコネクタとなるタブ線により接続されている。タブ線は、その一端側を一の太陽電池セルの表面電極に接続され、他端側を隣接する太陽電池セルの裏面電極に接続することにより、各太陽電池セルを直列に接続する。このとき、タブ線は、一端側の一面側が一の太陽電池セルの表面電極に接着され、他端側の他面側が隣接する太陽電池セルの裏面電極に接着されている。
【0003】
具体的に、太陽電池セルは、受光面に銀ペースト等のスクリーン印刷によりバスバー電極が形成され、太陽電池セルの裏面接続部にAg電極が形成されている。なお、太陽電池セル裏面の接続部以外の領域はAl電極やAg電極が形成されている。
【0004】
また、タブ線は、リボン状銅箔の両面にハンダコート層が設けられることにより形成される。具体的に、タブ線は、厚さ0.05〜0.2mm程度に圧延した銅箔をスリットし、あるいは銅ワイヤーを平板状に圧延するなどして得た幅1〜3mmの平角銅線に、ハンダメッキやディップハンダ付け等を施すことにより形成される。
【0005】
太陽電池セルとタブ線との接続は、タブ線を太陽電池セルの各電極上に配置し、加熱ボンダーによって熱加圧することにより、タブ線表面に形成したハンダを溶融、冷却することにより行う(特許文献1)。
【0006】
しかし、半田付けでは約260℃と高温による接続処理が行われるため、太陽電池セルの反りや、タブ線と表面電極及び裏面電極との接続部に生じる内部応力、さらにフラックスの残渣等により、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との間の接続信頼性が低下することが懸念される。
【0007】
そこで、従来、太陽電池セルの表面電極及び裏面電極とタブ線との接続に、比較的低い温度での熱圧着処理による接続が可能な導電性接着フィルムが使用されている(特許文献2)。このような導電性接着フィルムとしては、平均粒径が数μmオーダーの球状または鱗片状の導電性粒子を熱硬化型バインダー樹脂組成物に分散してフィルム化したものが使用されている。
【0008】
図9に示すように、導電性接着フィルム50は、表面電極及び裏面電極とタブ線51との間に介在された後、タブ線51の上から加熱ボンダーによって熱加圧されることにより、バインダー樹脂が流動性を示して電極、タブ線51間より流出されるとともに、導電性粒子が電極とタブ線51間に挟持されてこの間の導通を図り、この状態でバインダー樹脂が熱硬化する。これにより、タブ線51によって複数の太陽電池セル52が直列接続されたストリングスが形成される。
【0009】
導電性接着フィルム50を用いてタブ線51と表面電極及び裏面電極とが接続された複数の太陽電池セル52は、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面保護材と、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等のフィルムからなる背面保護材との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材により封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−356349号公報
【特許文献2】特開2008−135654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、導電性接着フィルム50を用いたタブ線51の接続方法においては、タブ線51の全長に亘って均一に加熱、加圧することにより所望の接着性、導通性を得られる。一方で、タブ線51の均一な加熱、加圧は、電極の形状や凹凸による影響を受けやすく、特に、タブ線51の端部付近は、加熱、加圧のかかり方が不安定となることがある。
【0012】
これにより、図10(a)に示すように、タブ線51の端部付近では、加熱ボンダーによって熱加圧されると、図10(b)に示すように、バインダー樹脂53や導電性粒子54が外に流れることがある。そして、タブ線51は、端部付近における電極との接着力が弱くなり、また導電性粒子54の捕捉率が下がることにより、接続信頼性、集電効率が低下するおそれがある。
【0013】
そこで、本発明は、タブ線の端部付近における接着力の向上、及び集電効率の向上を図る太陽電池モジュールと太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に球状の導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、上記タブ線は、長手方向の端部が上記電極側に屈曲されている屈曲部が形成されたものである。
【0015】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池セルの表面電極に球状の導電性粒子を含有する導電性接着剤を介してタブ線の一端側を配置し、上記太陽電池セルと隣接する太陽電池セルの裏面電極に導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して上記タブ線の他端側を配置する工程と、上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧し、上記導電性接着剤によって上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ接着する工程とを有し、上記タブ線は、長手方向の端部が上記電極側に屈曲されている屈曲部が形成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、タブ線は、屈曲部が流動性を示す導電性接着剤を押さえ込み、タブ線と電極との間から導電性接着剤のバインダー樹脂が必要以上に流出することを防止するとともに、バインダー樹脂内に分散されている導電性粒子を捕捉する。したがって、本発明によれば、タブ線の端部付近における電極との接着力の低下を防止できると共に、また導電性粒子の捕捉率の低下を防止し、接続信頼性、集電効率を維持、向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】太陽電池モジュールを示す分解斜視図である。
【図2】太陽電池セルのストリングスを示す断面図である。
【図3】太陽電池セルの裏面電極及び接続部を示す平面図である。
【図4】タブ線の屈曲部を示す断面図である。
【図5】導電性接着フィルムを示す断面図である。
【図6】リール状に巻回された導電性接着フィルムを示す図である。
【図7】タブ線の接続工程を示す断面図である。
【図8】実施例及び比較例を示す断面図である。
【図9】従来の太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図10】従来の太陽電池モジュールにおけるタブ線の接続工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明が適用された太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0019】
[太陽電池モジュール]
本発明が適用された太陽電池モジュール1は、図1〜図3に示すように、複数の太陽電池セル2がインターコネクタとなるタブ線3によって直列に接続されたストリングス4を有し、このストリングス4を複数配列したマトリクス5を備える。そして、太陽電池モジュール1は、このマトリクス5が封止接着剤のシート6で挟まれ、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられたバックシート8とともに一括してラミネートされ、最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより形成される。
【0020】
封止接着剤としては、例えばエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性封止材が用いられる。また、表面カバー7としては、例えば、ガラスや透光性プラスチック等の透光性の材料が用いられる。また、バックシート8としては、ガラスや、アルミニウム箔を樹脂フィルムで挟持した積層体等が用いられる。
【0021】
太陽電池モジュールの各太陽電池セル2は、光電変換素子10を有する。光電変換素子10は、単結晶型シリコン光電変換素子、多結晶型光電変換素子を用いる結晶シリコン系太陽電池や、アモルファスシリコンからなる薄膜シリコン系太陽電池、アモルファスシリコンからなるセルと微結晶シリコンやアモルファスシリコンゲルマニウムからなるセルとを積層させた多接合型の薄膜シリコン系太陽電池、いわゆる化合物薄膜系太陽電池、有機系、量子ドット型など、各種光電変換素子10を用いることができる。
【0022】
また、光電変換素子10は、受光面側に内部で発生した電気を集電するフィンガー電極12とフィンガー電極12の電気を集電するバスバー電極11とが設けられている。バスバー電極11及びフィンガー電極12は、太陽電池セル2の受光面となる表面に、例えばAgペーストがスクリーン印刷等により塗布された後、焼成されることにより形成される。また、フィンガー電極12は、受光面の全面に亘って、例えば約50〜200μm程度の幅を有するラインが、所定間隔、例えば2mmおきに、ほぼ平行に複数形成されている。バスバー電極11は、フィンガー電極12と略直交するように形成され、また、太陽電池セル2の面積に応じて複数形成されている。
【0023】
また、光電変換素子10は、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムや銀からなる裏面電極13が設けられている。裏面電極13は、図2及び図3に示すように、例えばアルミニウムや銀からなる電極が、スクリーン印刷やスパッタ等により太陽電池セル2の裏面に形成される。裏面電極13は、後述する導電性接着フィルム17を介してタブ線3が接続されるタブ線接続部14を有する。
【0024】
そして、太陽電池セル2は、タブ線3によって、表面に形成された各バスバー電極11と、隣接する太陽電池セル2の裏面電極13とが電気的に接続され、これにより直列に接続されたストリングス4を構成する。タブ線3とバスバー電極11及び裏面電極13とは、後述する導電性接着フィルム17によって接続される。
【0025】
[タブ線]
タブ線3は、図2に示すように、隣接する太陽電池セル2X、2Y、2Zの各間を電気的に接続する長尺状の導電性基材である。タブ線3は、例えば厚さ50〜300μmに圧延された銅箔やアルミ箔をスリットし、あるいは銅やアルミなどの細い金属ワイヤーを平板状に圧延することにより、導電性接着フィルム17とほぼ同じ幅の1〜3mm幅の平角の銅線を得る。そして、タブ線3は、この平角銅線に、必要に応じて金メッキ、銀メッキ、スズメッキ、ハンダメッキ等を施すことにより形成される。
【0026】
[屈曲部]
また、図4に示すように、タブ線3は、太陽電池セル2の各電極11,13上に配置されたとき、長手方向の端部が電極11,13側に屈曲される屈曲部18が形成されている。屈曲部18は、タブ線3が加熱ボンダー等により、導電性接着フィルム17を介してバスバー電極11や裏面電極13に加熱押圧される際に、タブ線3の端部におけるバインダー樹脂22や導電性粒子23がタブ線3と電極11,13との間から流出することを防止し、接着力や電気的な接続信頼性を向上させるものである。
【0027】
タブ線3は、屈曲部18が流動性を示すバインダー樹脂22を押さえ込み、タブ線3と電極11,13との間からバインダー樹脂22が必要以上に流出することを防止するとともに、バインダー樹脂22内に分散されている導電性粒子23を捕捉する。したがって、太陽電池モジュール1は、タブ線3の端部付近における電極11,13との接着力の低下を防止できると共に、タブ線3の末端部における導電性粒子23の捕捉率の低下を防止し、接続信頼性、集電効率を維持、向上させることができる。
【0028】
また、屈曲部18は、図4に示すように、タブ線3の導電性接着フィルム17と接する一主面3aから屈曲部18の先端部18aまでの折り曲げ距離(L)と、導電性接着フィルム17に含有されている導電性粒子23の平均粒子径(R)とが、L≦R(L≠0)、且つR−L≦30μmを満たす。
【0029】
屈曲部18の折り曲げ距離(L)が、導電性粒子23の平均粒子径(R)よりも長くなると、導電性接着フィルム17のバインダー樹脂の流出が阻害され、また、導電性粒子23がタブ線3の端部において電極11,13との間で挟持されなくなるおそれもあり、かえって導通性が阻害されることになる。
【0030】
また、導電性粒子23の平均粒子径(R)と屈曲部18の折り曲げ距離(L)との差が30μmより大きくなると、バインダー樹脂や導電性粒子23の流出を防止できず、接着力の低下や、導電性粒子23の捕捉率の低下による集電効率の低下を招く。
【0031】
また、この導電性粒子23の平均粒子径(R)と屈曲部18の折り曲げ距離(L)との差は、30μm以下の範囲で使用可能であり、0〜20μmとすることが好ましい。屈曲部18は、R−L≦0〜20μm(0≦R−L≦20μm)とすることにより、バインダー樹脂の流出を防止すると共に導電性粒子23の捕捉率を向上させ、効果的にタブ線3と電極11,13との接着力、集電効率の向上を図ることができる。
【0032】
なお、屈曲部18の折り曲げ距離(L)は、平角の銅線を押し切りにより切断する際の圧力や、カッターの上歯と下歯のスペースをコントロールすることにより、調整することができる。また、屈曲部18の折り曲げ距離(L)は10〜50μmの範囲で使用可能であり、10〜30μmの範囲で好ましく使用できる。
【0033】
[接着フィルム]
導電性接着フィルム17は、図5に示すように、バインダー樹脂22に球状の導電性粒子23が高密度に含有された熱硬化性のバインダー樹脂層である。また、導電性接着フィルム17は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂22の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。導電性接着フィルム17は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
【0034】
導電性接着フィルム17に用いられる球状の導電性粒子23としては、特に制限されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子、樹脂粒子に金めっきなどを施したもの、樹脂粒子に金めっきを施した粒子の最外層に絶縁被覆を施したものなどを挙げることができる。本実施の形態では、ニッケル粒子を好適に用いることができる。なお、本発明における球状とは、いわゆる球形に限らず、断面が略円形や楕円形の球形の他、平坦面や湾曲面からなる多面体など、一般に金属粒子や樹脂粒子がとり得る、粒径を観念できるあらゆる形態をいう。
【0035】
また、導電性接着フィルム17は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。導電性接着フィルム17の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、導電性接着フィルム17をリール状に巻装した場合において、いわゆるはみ出しによるブロッキングを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
【0036】
導電性接着フィルム17のバインダー樹脂22の組成は、上述のような特徴を害さない限り、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
【0037】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0038】
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
【0039】
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。なかでも、本願では、加熱硬化型の潜在性硬化剤が好適に用いられ、バスバー電極11や裏面電極13に加熱押圧されることにより本硬化される。液状エポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。
【0040】
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
【0041】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。
【0042】
図6は、導電性接着フィルム17の製品形態の一例を模式的に示す図である。この導電性接着フィルム17は、剥離基材24上にバインダー樹脂22が積層され、テープ状に成型されている。このテープ状の導電性接着フィルムは、リール25に剥離基材24が外周側となるように巻回積層される。剥離基材24としては、特に制限はなく、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などを用いることができる。また、導電性接着フィルム17は、バインダー樹脂22上に透明なカバーフィルムを有する構成としてもよい。
【0043】
このとき、バインダー樹脂22上に貼付されるカバーフィルムとして上述したタブ線3を用いてもよい。導電性接着フィルム17は、バインダー樹脂22がタブ線3の屈曲部18の屈曲方向となる一主面3aに積層される。このように、予めタブ線3と導電性接着フィルム17とを積層一体化させておくことにより、実使用時においては、剥離基材24を剥離し、導電性接着フィルム17のバインダー樹脂22をバスバー電極11や裏面電極13のタブ線接続部14上に貼着することによりタブ線3と各電極11,13との接続が図られる。
【0044】
上記では、フィルム形状を有する導電性接着フィルムについて説明したが、ペースト状であっても問題は無い。本願では、導電性粒子を含有するフィルム状の導電性接着フィルム17またはペースト状の導電性接着ペーストを「導電性接着剤」と定義する。
【0045】
なお、導電性接着フィルム17は、リール形状に限らず、バスバー電極11や裏面電極13のタブ線接続部14の形状に応じた短冊形状であってもよい。
【0046】
図6に示すように導電性接着フィルム17が巻き取られたリール製品として提供される場合、導電性接着フィルム17の粘度を10〜10000kPa・sの範囲とすることにより、導電性接着フィルム17の変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。また、導電性接着フィルム17が短冊形状で2枚以上積層された場合も同様に、変形を防止し、所定の寸法を維持することができる。
【0047】
上述した導電性接着フィルム17は、導電性粒子23と、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離シート上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、導電性接着フィルム17を得る。
【0048】
そして、導電性接着フィルム17は、表面電極用2本及び裏面電極用2本を所定の長さにカットされ、太陽電池セル2の表裏面の所定位置に仮貼りされる。このとき、導電性接着フィルム17は、太陽電池セル2の表面にほぼ平行に複数形成されている各バスバー電極11及び裏面電極13のタブ線接続部14上に仮貼りされる。なお、導電性接着剤として導電性接着ペーストを用いる場合は、バスバー電極11及び裏面電極13のタブ線接続部14上に導電性接着ペーストが塗布される。
【0049】
次いで、同様に所定の長さにカットされたタブ線3が導電性接着フィルム17上に一主面3aが重畳配置される。その後、導電性接着フィルム17は、タブ線3の上から加熱ボンダーによって所定の温度、圧力で熱加圧されることにより、バインダー樹脂22が各電極11,13とタブ線3との間より流出されるとともに導電性粒子23がタブ線3と各電極11,13との間で挟持され、この状態でバインダー樹脂22が硬化する。これにより、導電性接着フィルム17は、タブ線3を各電極上に接着させると共に、導電性粒子23がバスバー電極11や裏面電極13に接触し導通接続させることができる。
【0050】
[本発明の効果]
このとき、太陽電池モジュール1は、バスバー電極11上に導電性接着フィルム17を介して配置されたタブ線3の末端に屈曲部18が設けられている。このため、図7(a)に示すように、タブ線3は、加熱ボンダーによって熱加圧されることにより、図7(b)に示すように、当該屈曲部18が流動性を呈した導電性接着フィルム17のバインダー樹脂22内に埋入し、バインダー樹脂22をタブ線3の下部に押さえ込む。
【0051】
これにより、太陽電池モジュール1は、タブ線3の屈曲部18が、タブ線3と電極11,13との間からバインダー樹脂22が必要以上に流出することを防止するとともに、バインダー樹脂22内に分散されている導電性粒子23を捕捉する。したがって、太陽電池モジュール1は、タブ線3の端部付近における電極11,13との接着力の低下を防止できると共に、タブ線3の末端部における導電性粒子23の捕捉率の低下を防止し、接続信頼性、集電効率を維持、向上させることができる。
【0052】
また、太陽電池モジュール1は、タブ線3の屈曲部18が、図4に示すように、タブ線3の導電性接着フィルム17と接する一主面3aから先端までの折り曲げ距離(L)と、導電性接着フィルム17に含有されている導電性粒子23の平均粒子径(R)とが、L≦R(L≠0)、且つR−L≦30μmを満たしてもよい。これにより、タブ線3は、屈曲部18によってバインダー樹脂22の流出を適度に防止し、かつ導電性粒子23を確実に捕捉することができる。
【0053】
さらに、太陽電池モジュール1は、導電性粒子23の平均粒子径(R)と屈曲部18の折り曲げ距離(L)との差を、0〜20μmとしてもよい。これにより、タブ線3は、屈曲部18がバインダー樹脂22の流出を防止すると共に導電性粒子23の捕捉率を向上させ、効果的にタブ線3と電極11,13との接着力、接続信頼性、集電効率の維持、向上を図ることができる。
【0054】
このようにして、太陽電池セル2を順次タブ線3によって接続し、ストリングス4、マトリクス5を形成していく。次いで、マトリクス5を構成する複数の太陽電池セル2は、ガラス、透光性プラスチックなどの透光性を有する表面カバー7と、ガラスやPET(Poly Ethylene Terephthalate)フィルム等からなるバックシート8との間に、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性を有する封止材のシート6により封止される。最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより太陽電池モジュール1が形成される。
【0055】
[バスバーレス]
なお、太陽電池モジュール1は、上述したように、太陽電池セル2の受光面側にフィンガー電極12と略直交するバスバー電極11を設け、当該バスバー電極11上に導電性接着剤及びタブ線3を積層させる構成の他、バスバー電極11を設けることなく、フィンガー電極12と直交するように導電性接着剤及びタブ線3を積層させるいわゆるバスバーレス構造としてもよい。
【0056】
[一括ラミネート]
また、太陽電池モジュール1は、上述したように太陽電池セル2の各電極11,13上に導電性接着剤及びタブ線3を配置した後、加熱ボンダーによってタブ線3上を熱加圧させる工法の他、太陽電池セル2の表面及び裏面に導電性接着剤、タブ線3及び太陽電池セル2を封止するEVA等の透光性封止材シートを順次積層させ、減圧ラミネータを用いて一括してラミネート処理を行うことにより、タブ線3を各電極11,13上に熱加圧してもよい。
【実施例1】
【0057】
次いで、本発明の実施例について説明する。実施例は、図8に示すように、屈曲部18の折り曲げ距離(L)を変えたタブ線のサンプル40と、導電性粒子23の平均粒子径(R)を変えた導電性接着フィルムのサンプル41を作成した。タブ線3としては、Pb入りはんだディップ銅線(銅厚150μm、はんだ厚30μm、幅4mm)を用いた。そして、これらタブ線のサンプル40を導電性接着フィルムのサンプル41を介して、表面に全面Ag電極30が形成されたガラス基板31の当該Ag電極30に2本ずつ熱加圧して接着した。熱加圧条件は、いずれも180℃、10sec、2MPaとした。
【0058】
導電性接着フィルムのサンプル41の構成は、
フェノキシ樹脂(YP−50:新日鐵化学株式会社製);20質量部
液状エポキシ樹脂(EP828:三菱化学株式会社製);50質量部
ニッケル粒子(バーレインコ社製);10質量部
イミダゾール系潜在性硬化剤(HX3941HP:旭化成株式会社製);20質量部
トルエン;100質量部
を混合し樹脂組成物を調整した。
【0059】
その後、この樹脂組成物を、50μm厚の剥離処理ポリエチレンテレフタレートフィルムに、25μm厚となるように塗布し、80℃のオーブン中で5分間加熱乾燥処理して成膜することにより導電性接着フィルムのサンプル41を作成した。
【0060】
そして、各サンプルについて、接着されたタブ線の接着力(N/cm)、粒子捕捉率(%)、2つのタブ線間における初期の導通抵抗(Ω)及び熱衝撃試験(80℃、80%RH、500hr)後の導通抵抗(Ω)を測定した。
【0061】
接着力(N/cm)は、タブ線を90°方向で剥離する90°剥離試験(JIS K6854−1)を行い、測定した。また、粒子捕捉率(%)は、タブ線の接着前におけるタブ線の面積に対応する粒子数と、タブ線の接着後におけるタブ線とAg電極30間に存在する粒子数から算出した。抵抗値は2本のタブ線上より電流端子及び電圧端子をそれぞれ接続する4端子法により測定した。
【0062】
実施例1は、タブ線3として、屈曲部18の折り曲げ距離(L)が10μmのものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、バインダー樹脂22に含有するニッケル粒子の平均粒子径(R)が10μmのものを用いた。実施例1では、R−L=0μmとなる。
【0063】
実施例2は、タブ線3として実施例1と同一のものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、バインダー樹脂22に含有するニッケル粒子の平均粒子径(R)が15μmのものを用いた。実施例2では、R−L=5μmとなる。
【0064】
実施例3は、タブ線3として実施例1と同一のものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、バインダー樹脂22に含有するニッケル粒子の平均粒子径(R)が30μmのものを用いた。実施例3では、R−L=20μmとなる。
【0065】
実施例4は、タブ線3として実施例1と同一のものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、バインダー樹脂22に含有するニッケル粒子の平均粒子径(R)が40μmのものを用いた。実施例4では、R−L=30μmとなる。
【0066】
実施例5は、タブ線3として屈曲部18の折り曲げ距離(L)が20μmのものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、実施例3と同一のものを用いた。実施例5では、R−L=10μmとなる。
【0067】
実施例6は、タブ線3として屈曲部18の折り曲げ距離(L)が30μmのものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、実施例3と同一のものを用いた。実施例6では、R−L=0μmとなる。
【0068】
実施例7は、タブ線3として実施例6と同一のものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、実施例4と同一のものを用いた。実施例6では、R−L=10μmとなる。
【0069】
比較例1は、タブ線として、屈曲部を設けないもの(L=0)を用いた。また、導電性接着フィルムとして、バインダー樹脂22に含有するニッケル粒子の平均粒子径(R)が6μmのものを用いた。
【0070】
比較例2は、タブ線3として実施例5と同一のものを用いた。また、導電性接着フィルム17として、比較例1と同一のものを用いた。比較例2では、R−L=−14μmとなる。
【0071】
比較例3は、タブ線として、屈曲部を設けないもの(L=0)を用いた。また、導電性接着フィルムとして、バインダー樹脂22に含有するニッケル粒子の平均粒子径(R)が15μmのものを用いた。
【0072】
【表1】

測定結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1〜7では、いずれも接着力が4N/cm以上となり、タブ線3がAg電極30と強固に接着されていることが分かる。一方、比較例1、3では、接着力が1.5N/cmと接着強度が不足した。これは、実施例1〜7では、タブ線3の末端に屈曲部18を設けることで、タブ線3とAg電極30との間からバインダー樹脂22が必要以上に流出することを防止することができたのに対し、比較例1では、屈曲部が設けられていないためバインダー樹脂が過剰に流出したためである。
【0073】
また、実施例1〜7では、いずれも粒子捕捉率が60%以上となり、電気的な接続信頼性が向上されている。一方、比較例1〜3では、粒子捕捉率が40%程度に留まる。これは、実施例1〜7では、タブ線3の屈曲部18によりバインダー樹脂22内に分散されているニッケル粒子を捕捉することができたのに対し、比較例1、3では当該屈曲部18による粒子の捕捉効果が得られないためである。また、比較例2では、屈曲部の折り曲げ距離(L)がニッケル粒子の平均粒子径(R)よりも大きく、導電性接着フィルム17のバインダー樹脂22の流出が阻害されるとともに、ニッケル粒子がタブ線の端部においてAg電極30との間で挟持されなくなるためである。
【0074】
また、実施例1〜7では、いずれも初期の導通抵抗が平均6Ω以下で、最大9Ωであり、熱衝撃試験後の導通抵抗も平均12Ω以下で、最大15Ωと、低抵抗が維持されている。一方、比較例1では初期の導通抵抗値が平均8Ω、最大15Ωと高く、比較例2では、熱衝撃試験後の導通抵抗値が平均30Ω、最大100Ωと上昇し、比較例3でも初期導通抵抗が平均7Ω、最大10Ωと高く、熱衝撃試験後の導通抵抗値も最大20Ωまで上昇した。以上より、実施例1〜7によれば、接着力、粒子捕捉率、導通抵抗の信頼性、いずれの面でも実用に耐えられるものであることが分かる。
【0075】
また、実施例3、5、6を比較すると、タブ線3の折り曲げ長さLが増加すると接着力が増加ことが分かった。Lが増加することにより、タブ線3と太陽電池セル2間で挟持できる導電性接着フィルム17の体積が増加する。つまり溶融/硬化後の導電性接着フィルム17の厚みが増すことにより、接着力が増加するためと思われる。更に、タブ線3の端部に屈曲部18を備えていることにより、タブ線3の端部におけるタブ線3からはみ出す導電性接着フィルム17の量が増加し、接着力が更に向上すると考えられるためである。
【0076】
また、実施例1〜3、5〜7では、R−L≦0〜20μmを満たすことにより、導電性粒子の粒子捕捉率がさらに向上し、初期導通抵抗値のみならず熱衝撃試験後の抵抗値も安定し、信頼性の維持が可能となった。
【0077】
また、実施例1〜7では、屈曲部の折り曲げ距離(L)が10〜30μmとすることにより、R−L≦30μmを満たす導電性粒子23の選択の幅が広がる。
【符号の説明】
【0078】
1 太陽電池モジュール、2 太陽電池セル、3 タブ線、3a 一主面、4 ストリングス、5 マトリクス、6 シート、7 表面カバー、8 バックシート、9 金属フレーム、10 光電変換素子、11 バスバー電極、12 フィンガー電極、13 裏面電極、14 タブ線接続部、17 導電性接着フィルム、18 屈曲部、23 導電性粒子、24 剥離基材、25 リール、30 Ag電極、31 ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、上記太陽電池セルの表面及び隣接する太陽電池セルの裏面にそれぞれ形成された電極上に球状の導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して接着され、複数の上記太陽電池セル同士を接続するタブ線とを備え、
上記タブ線は、長手方向の端部が上記電極側に屈曲されている屈曲部が形成された太陽電池モジュール。
【請求項2】
上記屈曲部は、上記タブ線の主面から先端までの折り曲げ距離(L)と、上記導電性粒子の平均粒子径(R)とが、L≦R(L≠0)、且つR−L≦30μmを満たす請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
上記屈曲部は、上記タブ線の主面から先端までの折り曲げ距離(L)と、上記導電性粒子の平均粒子径(R)とが、R−L≦0〜20μmを満たす請求項2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
上記屈曲部は、上記タブ線の主面から先端までの折り曲げ距離(L)が、10〜30μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
上記導電性粒子がニッケル粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
太陽電池セルの表面電極に球状の導電性粒子を含有する導電性接着剤を介してタブ線の一端側を配置し、上記太陽電池セルと隣接する太陽電池セルの裏面電極に球状の導電性粒子を含有する導電性接着剤を介して上記タブ線の他端側を配置する工程と、
上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧し、上記導電性接着剤によって上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ接着する工程とを有し、
上記タブ線は、長手方向の端部が上記電極側に屈曲されている屈曲部が形成されている太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
上記接着工程では、上記太陽電池セルの表面及び裏面に上記導電性接着剤、上記タブ線及び上記太陽電池セルを封止する封止材を順次積層させ、一括してラミネート処理を行うことにより、上記タブ線を上記表面電極及び上記裏面電極へ熱加圧する請求項6記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
上記屈曲部は、上記タブ線の主面から先端までの折り曲げ距離(L)と、上記導電性粒子の平均粒子径(R)とが、L≦R(L≠0)、且つR−L≦30μmを満たす請求項6又は請求項7に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
上記屈曲部は、上記タブ線の主面から先端までの折り曲げ距離(L)と、上記導電性粒子の平均粒子径(R)とが、R−L≦0〜20μmを満たす請求項8記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
上記屈曲部は、上記タブ線の主面から先端までの折り曲げ距離(L)が、10〜30μmである請求項6〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
上記導電性粒子がニッケル粒子である請求項6〜10のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−209349(P2012−209349A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72440(P2011−72440)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】