説明

太陽電池モジュール、端子構造体、端子構造体結合装置、および太陽電池モジュールの製造方法

【課題】接続の信頼性を向上させた太陽電池モジュール、端子構造体、端子構造体結合装置、太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール1は、透光性基板10と、透光性基板10の裏面10r側に配置された太陽電池セル11と、太陽電池セル11を覆って保護する裏面保護部材14と、太陽電池セル11の出力が導かれ裏面保護部材14から取り出された出力リード線15と、裏面保護部材14の外側に配置されて出力リード線15が接続された端子板21とを備える。端子板21は、出力リード線15が通過する通過部22と、通過部22と端部23との間で出力リード線15が載置された載置部24と、載置部24が太陽電池セル11の側へ凹んだ凹部25とを備え、出力リード線15は、凹部25に押し込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池セルからの出力を取り出す出力リード線と端子板に形成された凹部とを接続した太陽電池モジュール、接続対象物からの出力リード線と端子板とを接続した端子構造体、出力リード線と端子構造体の端子板とを結合させる端子構造体結合装置、および太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池セル(太陽電池セル群。太陽電池モジュール)の出力は、太陽電池セルからの出力リード線を外部へ引き出し、出力リード線を端子板(端子構造体)に接続することで取り出される。
【0003】
太陽電池モジュールは、過酷な自然環境にそのまま曝されることから長期に渡る信頼性が求められる。特に、出力リード線と端子構造との接続は、出力を取り出すときの基本的な構成部分であることから種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1では、出力リード線をクリップで固定する技術が提案されている。特許文献1の技術によれば、クリップという別部材が必要となり、また、自動化が困難であるという課題がある。
【0005】
また、出力リード線の先端を折り曲げて端子台に固定する技術(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。また、出力リード線は、端子板(端子台)に半田で接続されることが多い。しかし、半田による接続は、半田付けの条件を高精度に制御することが難しいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−9587号公報
【特許文献2】特開2010−4068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したとおり、従来技術によっては、出力リード線と端子板との接続の信頼性を十分に確保することは困難が多い。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的を次に示す。
【0009】
本発明は、端子板に設けた凹部に出力リード線を配置することにより、出力リード線と端子板との機械的結合を確実にして接続の信頼性を向上させた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、凹部を備える端子板により、出力リード線を端子板へ高精度に結合して接続の信頼性を向上させる端子構造体を提供することを他の目的とする。
【0011】
また、本発明は、端子板の凹部へ出力リード線を押し込む押し込み治具と押し込み治具を制御する押し込み制御機構部とを備えることにより、出力リード線を端子板の凹部へ自動的に実行して生産性を向上させる端子構造体結合装置を提供することを他の目的とする。
【0012】
また、本発明は、凹部に出力リード線を押し込むことにより、出力リード線と端子板との間の機械的結合強度を向上させて接続の信頼性が高い太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽光が表面側から入射される透光性基板と、前記透光性基板の裏面側に配置された太陽電池セルと、前記太陽電池セルを覆って保護する裏面保護部材と、前記太陽電池セルの出力が導かれ前記裏面保護部材から取り出された出力リード線と、前記裏面保護部材の外側に配置されて前記出力リード線が接続された端子板とを備える太陽電池モジュールであって、前記端子板は、前記太陽電池セルの側から外側へ前記出力リード線が通過する通過部と、前記通過部から離れて配置された端部と、前記通過部と前記端部との間で前記出力リード線が載置された載置部と、前記載置部が前記太陽電池セルの側へ凹んだ凹部とを備え、前記出力リード線は、前記凹部に配置されていることを特徴とする。
【0014】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、載置部が凹んだ凹部へ出力リード線が挿入されていることから、出力リード線が凹部に配置された状態となるので、出力リード線が端子板に確実に結合され、出力リード線と端子板との間の機械的結合強度を向上させて接続の信頼性を向上させる。
【0015】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記出力リード線は、前記凹部の深さの中央より底の方に延長されていることを特徴とする。
【0016】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、出力リード線が凹部から抜けにくくなるので、出力リード線を端子板(凹部)に対して確実に連結することができる。
【0017】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記出力リード線は、前記凹部によって挟まれていることを特徴とする。
【0018】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、凹部が出力リード線を挟む状態とされるので、出力リード線を凹部によって確実に固定し、出力リード線と端子板(凹部)との結合強度を向上させる。
【0019】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記凹部の内側面は、凹凸面とされていることを特徴とする。
【0020】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、凹部の内側面が凹凸面であることから、凹凸面が出力リード線に対する返しを形成して出力リード線の移動を防止するので、出力リード線と端子板との結合強度を向上させる。
【0021】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記凹凸面は、板厚方向での断面が鋸歯状であることを特徴とする。
【0022】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、凹部の内側面が鋸歯状の凹凸面であることから、高精度の凹凸面が形成されるので、出力リード線と端子板とを高精度に結合させる。
【0023】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記凹凸面は、板厚方向での断面が波形状であることを特徴とする。
【0024】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、凹部の内側面が波形状の凹凸面であることから、高精度で滑らかな凹凸面が形成されるので、出力リード線と端子板とを高精度に結合させる。
【0025】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記凹凸面は、相互に他方の波形に沿う形状とされていることを特徴とする。
【0026】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、波形状の凹凸面が長い距離に渡って出力リード線を挟持することが可能となるので、出力リード線と端子板との結合強度を向上させ、更に出力リード線と端子板との接続抵抗を抑制する。
【0027】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記出力リード線は、帯状であることを特徴とする。
【0028】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、端子板に対する出力リード線の接続が容易となり、接続抵抗を抑制することができる。
【0029】
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記出力リード線は、前記凹部の入り口で導電性の接着部材によって前記端子板に接着されていることを特徴とする。
【0030】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、出力リード線が凹部の入り口で接着部材によって接着(接続)されることから、出力リード線と端子板との結合を確実にして高い信頼性の接続を実現する。
【0031】
また、本発明に係る端子構造体は、接続対象物から取り出された出力リード線が接続される端子板と、前記接続対象物に取り付けられて前記端子板を支持する支持部とを備える端子構造体であって、前記端子板は、前記接続対象物の側から外側へ前記出力リード線を通過させる通過部と、前記通過部から離れて配置された端部と、前記出力リード線が前記通過部から前記端部にかけて載置される載置部と、前記載置部が前記接続対象物の側へ凹んだ凹部とを備え、前記支持部は、前記載置部の裏面を支持する構成とされていることを特徴とする。
【0032】
したがって、本発明に係る端子構造体は、接続対象物に取り付けられた支持部によって端子板(載置部の裏面)を支持するので凹部の入り口が外側に露出した形態となるので、外側から出力リード線を凹部へ押し込むことが容易となり、出力リード線を端子板へ高精度に結合して接続の信頼性を向上させる。
【0033】
また、本発明に係る端子構造体結合装置は、接続対象物から取り出された出力リード線が接続される端子板と、前記接続対象物に取り付けられて前記端子板を支持する支持部とを備える端子構造体に前記出力リード線を結合する端子構造体結合装置であって、前記端子板は、前記接続対象物の側から外側へ前記出力リード線を通過させる通過部と、前記通過部から離れて配置された端部と、前記出力リード線が前記通過部から前記端部にかけて載置される載置部と、前記載置部が前記接続対象物の側へ凹んだ凹部とを備えてあり、前記載置部に載置された出力リード線を前記凹部へ押し込む押し込み治具と、前記押し込み治具の位置を制御する押し込み制御機構部とを備えることを特徴とする。
【0034】
したがって、本発明に係る端子構造体結合装置は、制御機構部によって押し込み治具の位置を制御することから、出力リード線の凹部への押し込みを自動的に実行できるので、生産性を向上させる。
【0035】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽光が表面側から入射される透光性基板と、前記透光性基板の裏面側に配置された太陽電池セルと、前記太陽電池セルを覆って保護する裏面保護部材と、前記太陽電池セルの出力が導かれ前記裏面保護部材から取り出された出力リード線と、前記裏面保護部材の外側に配置されて前記出力リード線が接続された端子板とを備える太陽電池モジュールの製造方法であって、前記端子板が有する通過部を前記出力リード線に通過させるステップと、前記端子板が有する載置部に前記出力リード線を載置するステップと、前記載置部に載置された前記出力リード線を前記載置部が凹んだ凹部に押し込むステップとを備えることを特徴とする。
【0036】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、載置部が凹んだ凹部へ出力リード線を容易にかつ高精度に挿入できることから、出力リード線と端子板との間の機械的結合強度を容易にかつ高精度に向上させて接続の信頼性が高い太陽電池モジュールを製造する。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る太陽電池モジュールは、出力リード線と、出力リード線が接続された端子板とを備え、端子板は、出力リード線が載置された載置部と、載置部が太陽電池セルの側へ凹んだ凹部とを備え、出力リード線は、凹部に配置されている。
【0038】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、載置部が凹状に曲げられて形成された凹部へ出力リード線を挿入することから、出力リード線が凹部に嵌め込まれた状態となるので、出力リード線が端子板に確実に結合され、出力リード線と端子板との間の機械的結合強度を向上させて接続の信頼性を向上させるという効果を奏する。
【0039】
また、本発明に係る端子構造体は、出力リード線が接続される端子板と、端子板を支持する支持部とを備える端子構造体であって、端子板は、出力リード線が通過部から端部にかけて載置される載置部と、載置部が接続対象物の側へ凹んだ凹部とを備える。
【0040】
したがって、本発明に係る端子構造体は、接続対象物に取り付けられた支持部によって端子板(載置部の裏面)を支持することから凹部の入り口が外側に露出した形態となるので、外側から出力リード線を凹部へ押し込むことが容易となり、出力リード線を端子板へ高精度に結合して接続の信頼性を向上させるという効果を奏する。
【0041】
また、本発明に係る端子構造体結合装置は、端子板と、支持部とを備える端子構造体に出力リード線を結合する端子構造体結合装置であって、端子板は、載置部が接続対象物の側へ凹んだ凹部を備えてあり、載置部に載置された出力リード線を凹部へ押し込む押し込み治具と、押し込み治具の位置を制御する押し込み制御機構部とを備える。
【0042】
したがって、本発明に係る端子構造体結合装置は、制御機構部によって押し込み治具の位置を制御することから、出力リード線の凹部への押し込みを自動的に実行できるので、生産性を向上させるという効果を奏する。
【0043】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池セルの出力が導かれ裏面保護部材から取り出された出力リード線が接続された端子板を備えた太陽電池モジュールの製造方法であって、端子板が有する通過部を出力リード線に通過させるステップと、端子板が有する載置部に出力リード線を載置するステップと、載置部に載置された出力リード線を載置部が凹んだ凹部に押し込むステップとを備える。
【0044】
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、載置部が凹んだ凹部へ出力リード線を容易にかつ高精度に挿入できることから、出力リード線と端子板との間の機械的結合強度を容易にかつ高精度に向上させて接続の信頼性が高い太陽電池モジュールを製造するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュールおよび端子構造体について出力リード線の延長方向での断面状態を示す断面図である。
【図2A】本発明の実施の形態1に係る端子構造体の一部を構成する端子板の斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2B】本発明の実施の形態1に係る端子板の載置部に出力リード線を載置した状態を示す斜視図である。
【図2C】本発明の実施の形態1に係る端子板の載置部に載置した出力リード線を押し込み治具によって凹部に押し込むときの断面状態を示す斜視断面図である。
【図2D】本発明の実施の形態1に係る端子板に形成した凹部へ出力リード線を挿入した後、出力リード線と凹部の入り口とを接着部材で接着した状態を示す斜視図である。
【図2E】図2Dで示した端子構造体の変形例であり、接着部材の代わりに溶接治具によって出力リード線を端子板(載置部)に溶接するときの状態を示す斜視図である。
【図3A】本発明の実施の形態1に係る端子板の凹部に挿入された出力リード線を圧接治具によって挟み込む圧接工程での断面状態を示す断面図である。
【図3B】図3Aの圧接工程によって凹部が出力リード線を挟持した断面状態を示す断面図である。
【図4A】本発明の実施の形態2に係る端子構造体(端子板)が有する凹部の内側面の断面状態を示す断面図である。
【図4B】図4Aに示した凹部の内側面を圧接させたときの断面状態を示す断面図である。
【図4C】本発明の実施の形態2に係る端子構造体(端子板)が有する凹部の内側面の断面状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0047】
<実施の形態1>
図1ないし図3Bを参照して、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1、太陽電池モジュール1に適用された端子構造体20、端子構造体20を形成する端子構造体結合装置40、および太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。
【0048】
図1は、本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュール1および端子構造体20について出力リード線15の延長方向での断面状態を示す断面図である。
【0049】
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、太陽光が表面10s側から入射される透光性基板10と、透光性基板10の裏面10r側に配置された太陽電池セル11と、太陽電池セル11を覆って保護する裏面保護部材14と、太陽電池セル11の出力が導かれ裏面保護部材14から取り出された出力リード線15と、裏面保護部材14の外側に配置されて出力リード線15が接続された端子板21とを備える。
【0050】
太陽電池モジュール1において、端子板21は、太陽電池セル11の側から外側へ出力リード線15が通過する通過部22と、通過部22から離れて配置された端部23と、通過部22と端部23との間で出力リード線15が載置された載置部24と、載置部24が太陽電池セル11の側へ凹んだ凹部25とを備え、出力リード線15は、凹部25に配置され(挿入され)ている。
【0051】
したがって、太陽電池モジュール1は、載置部24が凹んだ凹部25へ出力リード線15が挿入されていることから、出力リード線15が凹部25に配置された(挿入された)状態となるので、出力リード線15が端子板21に確実に結合され、出力リード線15と端子板21との間の機械的結合強度を向上させて接続の信頼性を向上させる。
【0052】
なお、凹部25は、例えば平板をプレス加工して端子板21を形成するときに併せて平板を折り曲げることによって形成することができる。
【0053】
通過部22は、本実施の形態では開口部27(具体的な形状は、図2A参照。)としているが、その他、例えば切り欠き形状(開口部27を構成する枠の一方を除去して開放した形状)とすることができる。つまり、通過部22は、開口部27に限らず、出力リード線15が太陽電池セル11の側から外側へ通過する形状とされていれば良い。
【0054】
出力リード線15は、帯状である。したがって、太陽電池モジュール1は、端子板21に対する出力リード線15の接続が容易となり、接続抵抗を抑制することができる。つまり、出力リード線15は、銅で形成され、帯状の薄板(銅板、銅箔)であることが好ましい。例えば、板厚は、太陽電池セル11(太陽電池モジュール1)の仕様に応じて50μmないし200μmなど適宜設定される。なお、出力リード線15は、裏面保護部材14に開口された裏面窓14wを介して太陽電池セル11から外側へ取り出されている。
【0055】
本実施の形態において、太陽電池セル11は、多数が直列あるいは並列に接続されて太陽電池セル群とされている。しかし、以下では、太陽電池セル群を単に太陽電池セル11として示す。
【0056】
太陽電池セル11は、種々の形態の太陽電池素子として形成される。例えば、透光性基板10の裏面10rに直接形成された薄膜太陽電池素子、封止部材13を透光性基板10の側にも配置し、封止部材13を介して配置された薄膜太陽電池素子(あるいは、基板型太陽電池素子)など種々の形態の素子とすることができる。
【0057】
なお、太陽電池セル11と裏面保護部材14との間には、太陽電池セル11を封止して保護する封止部材13が形成されている。封止部材13は、太陽電池セル11と裏面保護部材14との間に限らず、透光性基板10と太陽電池セル11との間にも配置されることもある。
【0058】
また、出力リード線15は、凹部25の深さの中央より底の方に延長されていることが好ましい。この構成によれば、太陽電池モジュール1は、出力リード線15が凹部25の深さの中央より底の方へ延長され(押し込まれ)ていることから、出力リード線15が凹部25から抜けにくくなるので、出力リード線15を端子板21(凹部25)に対して確実に連結することができる。
【0059】
また、凹部25は、両側から板厚方向で圧接されてあり、出力リード線15は、凹部25によって挟まれていることが好ましい。この構成によれば、太陽電池モジュール1は、凹部25が出力リード線15を挟む状態とされるので、出力リード線15を凹部25によって確実に固定し、出力リード線15と端子板21(凹部25)との結合強度を向上させる。なお、凹部25は、例えば、両側から圧接されることによって出力リード線15を挟む構成とされている。
【0060】
出力リード線15は、凹部25の入り口25wで導電性の接着部材30によって端子板21に接着されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、出力リード線15が凹部25の入り口25wで接着部材30によって接着(接続)されることから、出力リード線15と端子板21との結合を確実にして高い信頼性の接続を実現する。接着部材30としては、半田、あるいは、導電性接着剤(導電性ペースト)などを適用することができる。接着部材30を用いずに、溶接治具46(図2E参照。溶接装置)による溶接を施すことも可能である。
【0061】
透光性基板10、裏面保護部材14は、例えばガラス板で形成され、封止部材13は、例えばEVA(エチレンビニールアセテート)樹脂、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂などで形成されている。
【0062】
また、端部23において、出力リード線15の端部は載置部24の裏面24rの側へ折り曲げられている。したがって、出力リード線15は、端子板21に更に確実に結合(電気的に接続)される。
【0063】
本実施の形態に係る端子構造体20は、接続対象物(本実施の形態では、太陽電池セル11)から取り出された出力リード線15が接続される端子板21と、接続対象物(太陽電池セル11。直接的には、太陽電池モジュール1あるいは裏面保護部材14。)に取り付けられて端子板21を支持する支持部29とを備える。なお、出力ケーブル(不図示)は、端子板21にねじ止めなどによって接続される。
【0064】
端子構造体20において、端子板21は、接続対象物(太陽電池セル11)の側から外側へ出力リード線15を通過させる通過部22と、通過部22から離れて配置された端部23と、出力リード線15が通過部22から端部23にかけて載置される載置部24と、載置部24が接続対象物(太陽電池セル11)の側へ凹んだ凹部25とを備え、支持部29は、載置部24の裏面24rを支持する構成とされている。
【0065】
したがって、端子構造体20は、接続対象物(太陽電池セル11)に取り付けられた支持部29によって端子板21(載置部24の裏面24r)を支持することから凹部25の入り口25wが外側に露出した形態となるので、外側から出力リード線15を凹部25へ押し込むことが容易となり、出力リード線15を端子板21へ高精度に結合して接続の信頼性を向上させる。
【0066】
つまり、凹部25の入り口25wが外側を向くことから容易に出力リード線15を凹部25へ押し込むことが可能となる。なお、支持部29は、例えばエポキシ樹脂、PETなど成型が容易で高い絶縁性を有する適宜の合成樹脂で形成される。
【0067】
太陽電池モジュール1において、端子構造体20は、適宜の端子ボックス(不図示)で被覆され、外部環境からの影響を排除する構成とされる。また、端子構造体20(端子板21)には、外部へ光発電の電力を供給する電力ケーブル(不図示)が接続される。
【0068】
なお、端子構造体20については、実施の形態2で更に詳細を説明する。また、端子構造体20は、本実施の形態では、太陽電池モジュール1(太陽電池セル11)に対して適用された場合を例示したが、太陽電池モジュール1以外の装置(接続対象物)に対しても適用が可能である。
【0069】
次に、図2Aないし図2Dに基づいて、端子板21(端子構造体20)に出力リード線15を接続するときの各工程、端子構造体20を形成する端子構造体結合装置40、および端子板21に出力リード線15を接続する方法(太陽電池モジュール1の製造方法)について説明する。
【0070】
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る端子構造体20の一部を構成する端子板21の斜め上方から見た状態を示す斜視図である。なお、太陽電池モジュール1の主要部を構成する透光性基板10、太陽電池セル11、裏面保護部材14、支持部29などは、説明の便宜上図示を省略している(以下において同様である。)。
【0071】
端子板21は、細長い平板状の導電体(例えば、銅、アルミニウム合金など)で形成され、一方の端に通過部22(開口部27)が配置され、通過部22と反対側に離れた位置に端部23が配置されている。また、通過部22と端部23との間には、出力リード線15が載置されて当接される載置部24が配置されている。なお、端子板21の平面寸法は適宜設定される。端子板21の板厚は、例えば、0.5mmないし数mm程度とすることが可能であるが、特にこれに限定されるものでは無い。
【0072】
平板状とされた載置部24の一部は、太陽電池セル11(裏面保護部材14)の側へ折り曲げられて溝状の凹部25が形成されている。凹部25の入り口25wは、外側(太陽電池セル11に対して反対側)に配置されていることから、載置部24に載置された出力リード線15を容易に収容(係合、嵌合)することができる。
【0073】
図2Bは、本発明の実施の形態1に係る端子板21の載置部24に出力リード線15を載置した状態を示す斜視図である。
【0074】
太陽電池セル11から引き出された出力リード線15は、通過部22を通過して載置部24に載置(当接)される。なお、出力リード線15は、載置部24から端部23までの長さに加え、更に端部23から突出する長さとされている。つまり、出力リード線15は、凹部25に収容され、更に端部23で裏側へ折り曲げられる長さを有する。
【0075】
図2Cは、本発明の実施の形態1に係る端子板21の載置部24に載置した出力リード線15を押し込み治具41によって凹部25に押し込むときの断面状態を示す斜視断面図である。なお、理解を容易にするため、出力リード線15の幅方向の側面に対応する位置での端子板21の断面を示す。
【0076】
載置部24に載置された出力リード線15は、押し込み治具41によって凹部25に押し込まれる。押し込み治具41は、押し込み制御機構部42によって高精度に位置決めされるので、高精度に出力リード線15を凹部25に押し込むことができる。
【0077】
なお、押し込み治具41は、手操作によって移動させることも可能であるが、本実施の形態では、押し込み制御機構部42を用いることによって自動的に移動および位置決めを制御している。押し込み制御機構部42は、適宜のメカニズムを適用して構築される。
【0078】
押し込み治具41は、出力リード線15の幅方向で全体を均一に押し込む薄い楔型とされ、凹部25の入り口25wから出力リード線15を凹部25の深さ方向で深さの半分より深い位置へ出力リード線15が押し込まれるように位置を制御されることが好ましい。この構成によって、出力リード線15は、凹部25の深さの半分以上のところへ挿入されるので、凹部25(端子板21)に対して十分に結合(接続)される。
【0079】
上述したとおり、本実施の形態に係る端子構造体結合装置40は、接続対象物(本実施の形態では、太陽電池セル11。太陽電池モジュール1)から取り出された出力リード線15が接続される端子板21と、接続対象物(太陽電池セル11)に取り付けられて端子板21を支持する支持部29とを備える端子構造体20に出力リード線15を結合する。
【0080】
なお、上述したとおり、端子構造体20が備える端子板21は、接続対象物(太陽電池セル11)の側から外側へ出力リード線15を通過させる通過部22(開口部27)と、通過部22から離れて配置された端部23と、出力リード線15が通過部22から端部23にかけて載置される載置部24と、載置部24が接続対象物(太陽電池セル11)の側へ凹んだ凹部25とを備える。
【0081】
端子構造体結合装置40は、載置部24に載置された出力リード線15を凹部25へ押し込む押し込み治具41と、押し込み治具41の位置を制御する押し込み制御機構部42とを備える。
【0082】
したがって、本発明に係る端子構造体結合装置40は、制御機構部によって押し込み治具41の位置を制御することから、出力リード線15の凹部25への押し込みを自動的に実行できるので、生産性を向上させる。
【0083】
なお、出力リード線15は、凹部25において、深さ方向の中央より深く挿入されることが好ましい。したがって、押し込み治具41は、入り口25wの隙間を通って凹部25の内部へ深さ方向で挿入できる形状とされていることが好ましい。
【0084】
また、押し込み治具41の先端は面取りされて局面とされていることが好ましい。押し込み治具41の先端を面取りすることによって、出力リード線15を凹部25へ押し込むとき、出力リード線15を損傷することが防止される。
【0085】
なお、凹部25は、適宜の弾性を有して入り口25wで出力リード線15を挟む形状とされていても良い。この形態とされた場合は、出力リード線15の強度は、入り口25wの弾性による圧接力に対抗できる程度であることが必要となる。また、出力リード線15は、凹部25の両側から弾性によってクリップ状で挟まれた状態となる(挟まれて固定される)。しかし、出力リード線15の板厚が薄い場合は、出力リード線15を凹部25に押し込んだ後に、凹部25の両側から出力リード線15を圧接することが好ましい。
【0086】
図2Dは、本発明の実施の形態1に係る端子板21に形成した凹部25へ出力リード線15を挿入した後、出力リード線15と凹部25の入り口25wとを接着部材30で接着した状態を示す斜視図である。
【0087】
出力リード線15と端子板21との接続を確実にするため、本実施の形態では、接着部材30を用いて、出力リード線15と端子板21(凹部25、載置部24)とを接着(固定)している。なお、接着部材30としては、半田が好ましく、また、適宜導電性接着剤(例えば、銅ペースト、銀ペースト)を適用することができる。
【0088】
なお、凹部25に押し込まれた出力リード線15に対して、押し込み治具41と同様の形状を有する栓(好ましくは、導電性の栓)を押し込み治具41として機能させ、出力リード線15を押し込んだ状態を栓によって維持させることも可能である。このときは、栓の頂面と出力リード線15、載置部24とを固定するように適宜の接着剤(導電性の栓としたときは、好ましくは導電性接着剤)を形成しても良い。
【0089】
図2Eは、図2Dで示した端子構造体20の変形例であり、接着部材30の代わりに溶接治具46によって出力リード線15を端子板21(載置部24)に溶接するときの状態を示す斜視図である。
【0090】
溶接装置が有する溶接治具46を出力リード線15に押し当てて出力リード線15を載置部24に当接させた状態で溶接電力46eを供給することによって、出力リード線15と載置部24とを溶接して固定することができる。
【0091】
上述した出力リード線15を凹部25に接続する工程は、そのまま太陽電池モジュール1を製造する製造方法でもある。
【0092】
つまり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、太陽光が表面10s側から入射される透光性基板10と、透光性基板10の裏面10r側に配置された太陽電池セル11と、太陽電池セル11を覆って保護する裏面保護部材14と、太陽電池セル11の出力が導かれ裏面保護部材14から取り出された出力リード線15と、裏面保護部材14の外側に配置されて出力リード線15が接続された端子板21とを備える太陽電池モジュール1の製造方法である。
【0093】
太陽電池モジュール1の製造方法は、端子板21が有する通過部22を出力リード線15に通過させるステップ(図2A、図2B参照)と、端子板21が有する載置部24に出力リード線15を載置するステップ(図2B参照)と、載置部24に載置された出力リード線15を載置部24が凹んだ凹部25に押し込むステップ(図2C参照)とを備える。
【0094】
したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、載置部24が凹んだ凹部25へ出力リード線15を容易にかつ高精度に挿入できることから、出力リード線15と端子板21との間の機械的結合強度を容易にかつ高精度に向上させて接続の信頼性が高い太陽電池モジュール1を製造する。
【0095】
次に、図3Aおよび図3Bに基づいて、凹部25を両側から板厚方向で圧接し、出力リード線15と凹部25(端子板21)との接続を更に確実にする工程について説明する。
【0096】
図3Aは、本発明の実施の形態1に係る端子板21の凹部25に挿入された出力リード線15を圧接治具44によって挟み込む圧接工程での断面状態を示す断面図である。
【0097】
図3Bは、図3Aの圧接工程によって凹部25が出力リード線15を挟持した断面状態を示す断面図である。
【0098】
上述したとおり、凹部25は、両側から板厚方向で圧接治具44によって圧接され、出力リード線15は、凹部25(内側面25s)によって挟み込まれる(圧接工程)。したがって、太陽電池モジュール1は、凹部25の両側が圧接されていることから、出力リード線15を凹部25が挟む状態とされるので、出力リード線15を凹部25によって確実に固定し、出力リード線15と端子板21(凹部25)との結合強度を向上させる。
【0099】
なお、凹部25を圧接させるとき、出力リード線15を凹部25の両側から圧接する圧接治具44と、圧接治具44の位置を制御する圧接制御機構部45とが適用される。圧接治具44および圧接制御機構部45は、端子構造体結合装置40の一部を構成することができる。つまり、端子構造体結合装置40は、圧接治具44および圧接制御機構部45を備えることが好ましい。
【0100】
また、圧接工程は、太陽電池モジュール1の製造方法の一部でもあり、太陽電池モジュール1の製造方法は、上述した工程に加えて、凹部25を両側から板厚方向で圧接するステップ(圧接工程)を備え、出力リード線15を凹部25の内側面25sで圧接して出力リード線15と端子板21との結合強度を向上させる。
【0101】
なお、凹部25の圧接工程の後、入り口25wに対して接着部材30を接着することによって、より確実な固定と接続が可能となる(図2D)。凹部25に弾性を持たせて入り口25wで出力リード線15を挟み込む場合は、圧接工程を設ける必要は無い。
【0102】
<実施の形態2>
図4Aないし図4Cを参照して、実施の形態1で説明した太陽電池モジュール1が備える端子構造体20(端子板21)の凹部25の変形例(図4A:凹部25a。図4B:凹部25b)を本実施の形態に係る端子構造体20として説明する。なお、以下において、凹部25aと凹部25bとを特に区別する必要が無い場合は、単に凹部25とすることがある。
【0103】
なお、本実施の形態に係る端子構造体20(端子板21、凹部25)の基本的な構成は、実施の形態1に係る端子構造体20と同様であるので、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
【0104】
図4Aは、本発明の実施の形態2に係る端子構造体20(端子板21)が有する凹部25(凹部25a)の内側面25sの断面状態を示す断面図である。
【0105】
図4Bは、図4Aに示した凹部25(凹部25a)の内側面25sを圧接させたときの断面状態を示す断面図である。
【0106】
本実施の形態に係る端子構造体20(端子板21)において、凹部25aの内側面25sは、凹凸面とされていることが好ましい。
【0107】
したがって、太陽電池モジュール1は、凹部25aの内側面25sが凹凸面であることから、凹凸面が出力リード線15に対する返しを形成して出力リード線15の移動を防止するので、出力リード線15と端子板21との結合強度を向上させる。
【0108】
また、凹部25aの凹凸面は、板厚方向での断面が鋸歯状である。したがって、太陽電池モジュール1は、凹部25aの内側面25sが鋸歯状の凹凸面であることから、高精度の凹凸面が形成されるので、出力リード線15と端子板21とを高精度に結合させる。
【0109】
また、凹部25aを圧接させることによって更に確実な結合状態を確保することができ、接続の作業歩留まりと信頼性を向上させる。
【0110】
図4Cは、本発明の実施の形態2に係る端子構造体20(端子板21)が有する凹部25(凹部25b)の内側面25sの断面状態を示す断面図である。
【0111】
本実施の形態に係る端子構造体20(端子板21)において、凹部25bの内側面25sは、凹凸面とされていることが好ましい。
【0112】
したがって、太陽電池モジュール1は、凹部25bの内側面25sが凹凸面であることから、凹凸面が出力リード線15に対する返しを形成して出力リード線15の移動を防止するので、出力リード線15と端子板21との結合強度を向上させる。
【0113】
また、凹部25bの凹凸面は、板厚方向での断面が波形状である。したがって、太陽電池モジュール1は、凹部25bの内側面25sが波形状の凹凸面であることから、高精度で滑らかな凹凸面が形成されるので、出力リード線15と端子板21とを高精度に結合させる。
【0114】
さらに、凹部25bの凹凸面は、相互に他方の波形に沿う形状とされている。したがって、太陽電池モジュール1は、波形状の凹凸面が長い距離に渡って出力リード線15を挟持することが可能となるので、出力リード線15と端子板21との結合強度を向上させ、更に出力リード線15と端子板21との接続抵抗を抑制する。
【0115】
なお、実施の形態1および実施の形態2は、相互に矛盾の生じない範囲で相互に適用される。
【符号の説明】
【0116】
1 太陽電池モジュール
10 透光性基板
10s 表面
10r 裏面
11 太陽電池セル
13 封止部材
14 裏面保護部材
14w 裏面窓
15 出力リード線
20 端子構造体
21 端子板
22 通過部
23 端部
24 載置部
24r 裏面
25、25a、25b 凹部
25w 入り口
25s 内側面
27 開口部
29 支持部
30 接着部材
31 溶接部
40 端子構造体結合装置
41 押し込み治具
42 押し込み制御機構部
44 圧接治具
45 圧接制御機構部
46 溶接治具
46e 溶接電力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光が表面側から入射される透光性基板と、前記透光性基板の裏面側に配置された太陽電池セルと、前記太陽電池セルを覆って保護する裏面保護部材と、前記太陽電池セルの出力が導かれ前記裏面保護部材から取り出された出力リード線と、前記裏面保護部材の外側に配置されて前記出力リード線が接続された端子板とを備える太陽電池モジュールであって、
前記端子板は、前記太陽電池セルの側から外側へ前記出力リード線が通過する通過部と、前記通過部から離れて配置された端部と、前記通過部と前記端部との間で前記出力リード線が載置された載置部と、前記載置部が前記太陽電池セルの側へ凹んだ凹部とを備え、
前記出力リード線は、前記凹部に配置されていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
前記出力リード線は、前記凹部の深さの中央より底の方に延長されていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュールであって、
前記出力リード線は、前記凹部によって挟まれていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
前記凹部の内側面は、凹凸面とされていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の太陽電池モジュールであって、
前記凹凸面は、板厚方向での断面が鋸歯状であること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項6】
請求項4に記載の太陽電池モジュールであって、
前記凹凸面は、板厚方向での断面が波形状であること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の太陽電池モジュールであって、
前記凹凸面は、相互に他方の波形に沿う形状とされていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
前記出力リード線は、帯状であること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
前記出力リード線は、前記凹部の入り口で導電性の接着部材によって前記端子板に接着されていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項10】
接続対象物から取り出された出力リード線が接続される端子板と、前記接続対象物に取り付けられて前記端子板を支持する支持部とを備える端子構造体であって、
前記端子板は、前記接続対象物の側から外側へ前記出力リード線を通過させる通過部と、前記通過部から離れて配置された端部と、前記出力リード線が前記通過部から前記端部にかけて載置される載置部と、前記載置部が前記接続対象物の側へ凹んだ凹部とを備え、
前記支持部は、前記載置部の裏面を支持する構成とされていること
を特徴とする端子構造体。
【請求項11】
接続対象物から取り出された出力リード線が接続される端子板と、前記接続対象物に取り付けられて前記端子板を支持する支持部とを備える端子構造体に前記出力リード線を結合する端子構造体結合装置であって、
前記端子板は、前記接続対象物の側から外側へ前記出力リード線を通過させる通過部と、前記通過部から離れて配置された端部と、前記出力リード線が前記通過部から前記端部にかけて載置される載置部と、前記載置部が前記接続対象物の側へ凹んだ凹部とを備えてあり、
前記凹部に挿入されて前記載置部に載置された出力リード線を前記凹部へ押し込む押し込み治具と、
前記押し込み治具の位置を制御する押し込み制御機構部とを備えること
を特徴とする端子構造体結合装置。
【請求項12】
太陽光が表面側から入射される透光性基板と、前記透光性基板の裏面側に配置された太陽電池セルと、前記太陽電池セルを覆って保護する裏面保護部材と、前記太陽電池セルの出力が導かれ前記裏面保護部材から取り出された出力リード線と、前記裏面保護部材の外側に配置されて前記出力リード線が接続された端子板とを備える太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記端子板が有する通過部を前記出力リード線に通過させるステップと、
前記端子板が有する載置部に前記出力リード線を載置するステップと、
前記載置部に載置された前記出力リード線を前記載置部が凹んだ凹部に押し込むステップとを備えること
を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2013−98399(P2013−98399A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240806(P2011−240806)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】