説明

太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法

【課題】端子ボックス用タブ線の接続強度及び透光性絶縁基板の反りや破損を防止する。
【解決手段】一面に正極9及び負極10が配置されている太陽電池1と、導電性接着剤層16を介して太陽電池1の正極9上及び負極10上に接続された一対の電力取出し用タブ線11,15と、絶縁性接着剤層22を介して太陽電池1の一面上に設けられるとともに、一端24aが正極上9及び負極10上に配設され、端子ボックス23と一対の電力取出し用タブ線11,15とを接続する一対の端子ボックス用タブ線24とを備え、電力取出し用タブ線11,15は、正極9上及び負極10上において、端子ボックス用タブ線24の一端24aに、導電性接着剤層16を介して接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の面に正極及び負極が臨まされているとともに端子ボックス用タブ線が設けられる太陽電池に関し、特に、端子ボックス用タブ線と電極取出し用の集電用タブ線との接続に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減が地球的な課題となる中、クリーンでかつ再生可能なエネルギーとして、太陽光発電に大きな期待が寄せられている。太陽電池の主流は、現在までのところ、単結晶シリコンや多結晶シリコンの結晶を製造し、これをスライス加工して板状の半導体として使用するバルクシリコン太陽電池である。しかし、バルクシリコン太陽電池は、シリコン結晶の成長に多くのエネルギーと時間を要し、また製造工程においても複雑な工程が必要となる。
【0003】
一方で、ガラスやステンレススチールなどの基板上に、光電変換層である半導体層を形成したいわゆる薄膜太陽電池は、薄型で軽量、製造コストの安さ、大面積化が容易であることなどから、今後の太陽電池の主流になると考えられている。薄膜太陽電池としては、アモルファスシリコンや微結晶シリコン膜、あるいはこれらのタンデム型等の薄膜シリコン太陽電池、Cu(銅)、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Se(セレン)に代表される元素を混ぜ合わせた化合物半導体を用いたCIGS系太陽電池等がある。
【0004】
これらの薄膜太陽電池は、大面積の安価な基板上に、プラズマCVD装置又はスパッタ装置のような形成装置を用いて半導体層又は金属電極膜を積層させ、その後、同一基板上に作製した光電変換層をレーザパターニング等により分離接続させることにより、太陽電池ストリングを形成する。
【0005】
図7に、従来の太陽電池ストリングを構成する薄膜太陽電池の一構成例を示す。この薄膜太陽電池100は、透光性絶縁基板101上に図示しない透明導電膜からなる透明電極膜、光電変換層、裏面電極膜が積層されてなる複数の太陽電池セル102からなる。各太陽電池セル102は、細長い短冊状で、透光性絶縁基板101のほぼ全幅にわたる長さを有している。また、薄膜太陽電池100は、隣接する太陽電池セル102,102同士において一方の透明電極膜と他方の裏面電極膜とが互いに接続されることで複数の太陽電池セル102が直列に接続されて構成されている。
【0006】
この薄膜太陽電池100における一端部の太陽電池セル102の透明電極膜の端部上に、太陽電池セル102とほぼ同一長さの線状のP型電極端子部103が形成され、他端部の太陽電池セル102の裏面電極膜の端部上に、太陽電池セル102とほぼ同一長さの線状のN型電極端子部104が形成されている。これらP型電極端子部103及びN型電極端子部104が電極取出し部になる。
【0007】
P型電極端子部103には、銅箔からなる正極集電用タブ線105が、バスバーと呼ばれるP型電極端子部103の全面に対して電気的かつ機械的に接合されている。同様に、N型電極端子部104には、銅箔からなる負極集電用タブ線106が、N型電極端子部104の全面に対して電気的かつ機械的に接合されている。これらの接合手段としては、一般に半田付けで行われている。
【0008】
また、図8(A)に示すように、薄膜太陽電池100の裏面には、P型電極端子部103及びN型電極端子部104と接続され外部に電気を出力する端子ボックス110と、この端子ボックス110とP型電極端子部103及びN型電極端子部104とを接続する端子ボックス用タブ線111とが接続されている。
【0009】
端子ボックス110は、例えば絶縁性接着剤を介して薄膜太陽電池100の裏面中央に固定されている。端子ボックス用タブ線111は、上記正極集電用タブ線105や負極集電用タブ線106と同様に長尺状の銅箔やAl箔からなり、薄膜太陽電池100の裏面と絶縁テープ112を介して配設されている。
【0010】
この端子ボックス用タブ線111は、一端が端子ボックス110とハンダ接続され、他端が絶縁テープ112を介してP型電極端子部103又はN型電極端子部104上に配設される。
【0011】
端子ボックス用タブ線111と正極集電用タブ線105との接続部は、図8(B)に示すように、絶縁テープ112及び端子ボックス用タブ線111を挟んだ両側に接続された第1、第2の正極集電用タブ線105a、105b間に亘って第3の正極集電用タブ線105cが、絶縁テープ112及び端子ボックス用タブ線111を跨いで接続されている。また、第3の正極集電用タブ線105cは端子ボックス用タブ線111と接続されている。これら、第1、第2の正極集電用タブ線105a、105bと第3の正極集電用タブ線105cとの接続(2箇所)、及び第3の正極集電用タブ線105cと端子ボックス用タブ線111との接続(1箇所)は、超音波ハンダ接合によって行われている。負極集電用タブ線106と端子ボックス用タブ線111との接続も同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−295744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、薄膜太陽電池100は、P型電極端子部103やN型電極端子部104を製造手法や構成等に応じて、Al、Ag、ZnO等様々材料で形成され、材料によってはハンダによって正極集電用タブ線105や負極集電用タブ線106との接続強度が保てないものもある。このため、接続抵抗値の上昇や発電効率の低下を招くおそれがある。
【0014】
また、第1、第2の正極集電用タブ線105a、105bと第3の正極集電用タブ線105cとの接続や、第3の正極集電用タブ線105cと端子ボックス用タブ線111との接続時に、ハンダ接続に伴う高温域の熱履歴が局部的に加わることにより、ガラス等からなる透光性絶縁基板101に反りが生じたり、破損する場合もあった。
【0015】
そこで、本発明は、端子ボックス用タブ線の接続強度及び透光性絶縁基板の反りや破損を防止できる太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、一面に正極及び負極が配置されている太陽電池と、導電性粒子を含有した導電性接着剤層を介して上記太陽電池の正極上及び負極上に接続された一対の電力取出し用タブ線と、導電性粒子を含有しない絶縁性接着剤層を介して上記太陽電池の一面上に設けられるとともに、一端が上記正極上及び負極上に配設され、端子ボックスと一対の上記電力取出し用タブ線とを接続する一対の端子ボックス用タブ線とを備え、電力取出し用タブ線は、上記正極上及び負極上において、端子ボックス用タブ線の上記一端に、上記導電性接着剤層を介して接続されている。
【0017】
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、一面に正極及び負極が配置されている太陽電池の上記一面上に、導電性粒子を含有しない絶縁性接着剤層を介して一対の端子ボックス用タブ線を配設するとともに、上記絶縁性接着剤層を介して上記正極上及び負極上に上記端子ボックス用タブ線の端部を配設し、一対の電力取出し用タブ線を、導電性粒子を含有した導電性接着剤層を介して、上記太陽電池の上記正極上及び負極上に接続するとともに、上記正極上及び負極上において、上記導電性接着剤層を介して上記端子ボックス用タブ線の上記端部上に接続する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電力取出し用タブ線上に端子ボックス用タブ線を接続させる構成に比して、導電性接着剤層を介しての端子ボックス用タブ線と電力取出し用タブ線との接触面積が増え、接続強度の向上、抵抗値の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用された太陽電池を示す図であり、(A)はタブ線の接続前の状態を示す斜視図であり、(B)はタブ線を接続した状態を示す平面図である。
【図2】太陽電池モジュールの分解斜視図である。
【図3】集電タブ用線と端子ボックス用タブ線との接続箇所を示す断面図である。
【図4】導電性接着フィルムの構成を示す断面図である。
【図5】導電性接着フィルムが貼付された集電用タブ線を示す断面図である。
【図6】絶縁性接着剤層の他の構成例を示す断面図である。
【図7】従来の薄膜太陽電池の一例を示す分解斜視図である。
【図8】従来の薄膜太陽電池の一例を示す図であり(A)は平面図、(B)は電極端子部における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明が適用された太陽電池モジュール及び、太陽電池モジュールの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0021】
[太陽電池モジュール]
本発明が適用された薄膜太陽電池1は、図1(A)(B)に示すように、複数の太陽電池セル2がコンタクトラインによって接続された太陽電池ストリングを構成する。図2に示すように、このストリング構造を有する薄膜太陽電池1は、単体で、又は複数枚連結されたマトリクスを構成して、裏面側に設けられた封止剤のシート3およびバックシート5とともに一括してラミネートされることにより太陽電池モジュール6が形成される。なお、太陽電池モジュール6は、適宜、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム7が取り付けられる。
【0022】
封止剤としては、例えばエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)等の透光性封止材が用いられる。また、バックシート5としては、ガラスや、アルミニウム箔を樹脂フィルムで挟持した積層体等が用いられる。
【0023】
[太陽電池セル]
本発明が適用された薄膜太陽電池1は、透光性絶縁基板8上に、図示は省略しているが、透明導電膜からなる透明電極膜、光電変換層、裏面電極膜がこの順に積層されて形成され、透光性絶縁基板8側から光を入射させるスーパーストレート型の太陽電池である。なお、薄膜太陽電池には、基材、裏面電極、光電変換層、透明電極の順で形成されたサブストレート型太陽電池もある。以下では、スーパーストレート型の薄膜太陽電池1を例に説明するが、本技術は、サブストレート型の薄膜太陽電池に用いることもできる。
【0024】
透光性絶縁基板8としては、ガラスやポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いることができる。
【0025】
透明電極膜としては、例えばSnO、ZnO、ITOなどを用いることができる。光電変換層としては、アモルファスシリコン、微結晶シリコンあるいは多結晶シリコンなどのシリコン系光電変換膜や、CdTe,CuInSe、Cu(In,Ga)Seなどの化合物系光電変換膜を用いることができる。
【0026】
裏面電極膜としては、例えば透明導電膜と金属膜の積層構造を有する。透明電極膜は、SnO、ZnO、ITOなどを用いることができる。金属膜は、銀、アルミニウム等を用いることができる。
【0027】
このように構成された薄膜太陽電池1は、図1(A)に示すように、透光性絶縁基板8のほぼ全幅にわたる長さを有する矩形状の太陽電池セル2が複数形成されている。各太陽電池セル2は、電極分割ラインによって分離されるとともに、コンタクトラインによって隣接する太陽電池セル2,2同士において一方の透明電極膜と他方の裏面電極膜とが互いに接続されることで、複数の太陽電池セル2が直列に接続された太陽電池ストリングが構成されている。
【0028】
そして、薄膜太陽電池1は、太陽電池ストリングにおける一端部の太陽電池セル2の透明電極膜の端部上に、太陽電池セル2とほぼ同一長さの線状のP型電極端子部9が形成され、他端部の太陽電池セル2の裏面電極膜の端部上に、太陽電池セル2とほぼ同一長さの線状のN型電極端子部10が形成されている。薄膜太陽電池1は、これらP型電極端子部9及びN型電極端子部10が電極取出し部となり、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15を介して端子ボックス23へ電気を供給する。
【0029】
[集電用タブ線]
正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15は、例えば厚さ50〜300μmに圧延された銅箔やアルミ箔をスリットし、あるいは銅やアルミなどの細い金属ワイヤーを平板状に圧延することにより、P型電極端子部9やN型電極端子部10とほぼ同じ幅の1〜3mm幅の平角線である。
【0030】
正極集電用タブ線11は、P型電極端子部9に導電性接着剤層16を介して電気的かつ機械的に接合され、負極集電用タブ線15は、N型電極端子部10に導電性接着剤層16を介して電気的かつ機械的に接合されている。
【0031】
[導電性接着剤層]
図3に示すように、導電性接着剤層16は、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15の各一面11a,15aに設けられている。導電性接着剤層16は、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15の一面11a,15aの全面に設けられ、例えば導電性接着フィルム17によって構成される。
【0032】
導電性接着フィルム17は、図4に示すように、熱硬化性のバインダー樹脂層18に導電性粒子19が高密度に含有されてなる。また、導電性接着フィルム17は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。導電性接着フィルム17は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
【0033】
導電性接着フィルム17に用いられる導電性粒子19としては、特に制限されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子、樹脂粒子に金めっきなどを施したもの、樹脂粒子に金めっきを施した粒子の最外層に絶縁被覆を施したものなどを挙げることができる。
【0034】
導電性粒子は、1個、1個が個別に存在する粉体であってもよいが、一次粒子が連なった鎖状のものであることが好ましい。前者の例としてはスパイク状の突起をもつ球状のニッケルパウダがあり、好ましく用いられる後者の例としては、フィラメント状ニッケルパウダがある。後者を用いることにより導電性粒子19が弾性を備え、互いに物性の異なる正極集電用タブ線11とP型電極端子部9との接続信頼性、及び負極集電用タブ線15とN型電極端子部10との接続信頼性を、それぞれ向上させることができる。
【0035】
なお、導電性接着フィルム17は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。導電性接着フィルム17の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、導電性接着フィルム17を正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15の一面11a,15aに設け、リール21に巻装した場合において、いわゆるはみ出しによるブロッキングを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
【0036】
導電性接着フィルム17のバインダー樹脂層18の組成は、上述のような特徴を害さない限り、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
【0037】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0038】
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
【0039】
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。なかでも、本願では、加熱硬化型の潜在性硬化剤が好適に用いられ、バスバー電極11や裏面電極13に加熱押圧されることにより本硬化される。液状エポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。
【0040】
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
【0041】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。
【0042】
図5は、導電性接着フィルム17の製品形態の一例を模式的に示す図である。この導電性接着フィルム17は、剥離基材20上にバインダー樹脂層18が積層され、テープ状に成型されている。このテープ状の導電性接着フィルム17は、リール21に剥離基材20が外周側となるように巻回積層される。剥離基材20としては、特に制限はなく、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などを用いることができる。
【0043】
導電性接着フィルム17は、バインダー樹脂層18上に、上述した正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15が一体積層される。具体的に、導電性接着フィルム17は、バインダー樹脂層18が広幅のリボン銅箔上に積層されてラミネートされ、更にスリッターによって細幅にスリットされる。これにより、剥離基材付き導電性接着フィルム17は、正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15の一面11a,15aに全面に亘って積層される。このように、予め正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15と導電性接着フィルム17とを積層一体化させておくことにより、実使用時においては、剥離基材20を剥離し、導電性接着フィルム17のバインダー樹脂層18をP型電極端子部9やN型電極端子部10上に貼着することにより正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15と各電極端子部9,10との仮貼りが図られる。
【0044】
上述した導電性接着フィルム17は、導電性粒子19と、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離基材20上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、導電性接着フィルム17を得る。その後、上述したように、導電性接着フィルム17は、正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15の一面11a,15aに積層一体化され、正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15の一面11a,15aの全面に亘って形成される。
【0045】
正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15は、一面11a,15aに設けられた導電性接着フィルム17を介して、P型電極端子部9上及びN型電極端子部10上に仮貼りされる。このとき、後述するように、P型電極端子部9上及びN型電極端子部10上には、絶縁性接着剤層22を介して端子ボックス用タブ線24の一端24aが仮設置されている。
【0046】
その後、薄膜太陽電池1は、裏面側に封止材のシート3、バックシート5が積層された後、導電性接着フィルム17、正極集電用タブ線11、負極集電用タブ線15及び端子ボックス用タブ線24が、真空ラミネーターによって熱加圧され一括して接続される。このとき、導電性接着フィルム17は、真空ラミネーターによって所定の温度、圧力で熱加圧されることにより、バインダー樹脂がP型電極端子部9と正極集電用タブ線11との間、及びN型電極端子部10と負極集電用タブ線15との間より流出されるとともに導電性粒子19が各集電用タブ線11,15と各電極端子部9,10との間で挟持され、この状態でバインダー樹脂が硬化する。これにより、導電性接着フィルム17は、各集電用タブ線11,15を各電極端子部9,10上に接着させると共に、各集電用タブ線11,15と各電極端子部9,10とを導通接続させることができる。
【0047】
[変形例]
また、導電性接着剤層16は、正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15の一面11a,15aに予め積層されていなくともよい。この場合、導電性接着剤層16は、フィルム状の導電性接着フィルムの他、ペースト状の導電性接着ペーストを用いてもよい。
【0048】
本願では、導電性粒子19を含有するフィルム状の導電性接着フィルム17やペースト状の導電性接着ペーストを「導電性接着剤」と定義する。
【0049】
このような導電性接着剤層16は、導電性接着フィルム17が、正極集電用タブ線11等の接合時に、P型電極端子部9やN型電極端子部10に応じた所定の長さにカットされ、薄膜太陽電池1のP型電極端子部9上、及びN型電極端子部10上に仮貼りされる。あるいは、導電性接着剤層16は、導電性接着ペーストがP型電極端子部9上、及びN型電極端子部10上に塗布される。次いで、所定の長さにカットされた正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15が導電性接着剤層16上に重畳配置され、熱加圧されることにより導通接続される。
【0050】
[端子ボックス]
また、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上には、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15と端子ボックス用タブ線24を介して電気的に接続する端子ボックス23が設けられている。端子ボックス23は、外部出力線が電気的に接続され、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15が集電した電力を外部に供給する。
【0051】
この端子ボックス23は、詳細を省略する絶縁性接着フィルム25を介して薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に固定されている。絶縁性接着フィルム25は、導電性粒子19を含有しない点を除き、上述した導電性接着フィルム17とほぼ同一の成分を有し、バインダー樹脂層が熱硬化することにより端子ボックス23を薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に固定する。なお、絶縁性接着フィルム25は、化学的に安定なフッ素系の樹脂を混合することにより、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に仮貼りされたときにも、裏面電極膜と反応することなく腐食を防止することができる。
【0052】
なお、端子ボックス23は、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上において、正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15の長手方向と直交する幅方向の略中間に沿った位置に設けられることにより、同一サイズの端子ボックス用タブ線24を正極集電用タブ線11側及び負極集電用タブ線15側に用いることができる。
【0053】
[端子ボックス用タブ線]
端子ボックス23と正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15とを接続する端子ボックス用タブ線24は、上記正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15と同様に、例えば厚さ50〜300μmに圧延された銅箔やアルミ箔をスリットし、あるいは銅やアルミなどの細い金属ワイヤーを平板状に圧延した平角線である。
【0054】
端子ボックス用タブ線24は、絶縁性接着剤層22を介して薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に設けられている。端子ボックス用タブ線24は、薄膜太陽電池1の裏面電極膜との間に絶縁性接着剤層22を介在させることにより、薄膜太陽電池1の裏面電極膜との短絡が防止されている。
【0055】
絶縁性接着剤層22は、図1に示すように、予め端子ボックス用タブ線24の薄膜太陽電池1の裏面電極膜に接する一面に、全面に亘って設けられ、例えば絶縁性接着フィルム25によって構成される。絶縁性接着フィルム25は、バインダー樹脂層に導電性粒子が含まれていない他は、導電性接着フィルム17と同様の構成を有する。
【0056】
端子ボックス用タブ線24に設けられる絶縁性接着フィルム25においても、化学的に安定なフッ素系の樹脂を混合することにより、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に仮貼りされたときにも、裏面電極膜と反応することなく腐食を防止することができる。
【0057】
また、絶縁性接着剤層22は、絶縁性接着フィルム25以外にも、例えば図6に示すように、絶縁性の接着層30付きフレキシブル基板31や、絶縁性の接着層32付きフィルム33によって構成してもよい。この場合、フレキシブル基板31及びフィルム33は、絶縁性の接着層30,32が、少なくとも端子ボックス用タブ線24が接続される一面に設けられる。フレキシブル基板31及びフィルム33は、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に面する他面に接着層34を形成することは任意であり、また、他面に形成される接着層34としてSi系接着剤を用いて、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に軽く止めておくようにしてもよい。
【0058】
なお、絶縁性接着フィルム25等の絶縁性接着剤層22は、端子ボックス用タブ線24の幅以上の幅を有することが好ましい。これにより、絶縁性接着フィルム25は、端子ボックス用タブ線24と薄膜太陽電池1の裏面電極膜とを確実に絶縁することができる。
【0059】
端子ボックス用タブ線24は、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に少なくとも一対設けられ、一方がP型電極端子部9と端子ボックス23とを接続し、他方がN型電極端子部10と端子ボックス23とを接続している。
【0060】
また、端子ボックス用タブ線24は、一端24aがP型電極端子部9、N型電極端子部10に配設され、他端24bが端子ボックス23に接続されている。そして、端子ボックス用タブ線24は、一端24a上に導電性接着剤層16を介して正極集電用タブ線11、負極集電用タブ線15が重畳される。
【0061】
すなわち、図3に示すように、端子ボックス用タブ線24と正極集電用タブ線11あるいは負極集電用タブ線15との接続部においては、P型電極端子部9及びN型電極端子部10上に絶縁性接着フィルム25等の絶縁性接着剤層22を介して端子ボックス用タブ線24の一端24aが接続され、その一端24aの側面及び上面に導電性接着フィルム17等の導電性接着剤層16を介して正極集電用タブ線11あるいは負極集電用タブ線15が接続されている。
【0062】
これにより、薄膜太陽電池1は、集電タブ用線上に端子ボックス用タブ線を接続させる構成に比して、導電性接着フィルム17を介しての端子ボックス用タブ線24と正極集電用タブ線11あるいは負極集電用タブ線15との接触面積が増え、接続強度の向上、抵抗値の増大を防止することができる。
【0063】
また、薄膜太陽電池1は、端子ボックス用タブ線24と正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15との接続を真空ラミネーターにより一括して接続するため、接続箇所に気泡の混入もなく、長期に亘って接続信頼性を向上させることができる。なお、超音波ハンダ接続の場合には、ボイドの発生によって、接続強度の低下や接続抵抗の上昇、また亀裂の発生による接続信頼性の低下といった危険があるが、薄膜太陽電池1によれば、このような危険もない。
【0064】
[製造方法]
次いで、正極集電用タブ線11、負極集電用タブ線15と及び端子ボックス用タブ線24の接続工程について説明する。先ず、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に絶縁性接着剤層22を介して一対の端子ボックス用タブ線24を配設するとともに、絶縁性接着剤層22を介して端子ボックス用タブ線24の一端24aをP型電極端子部9上及びN型電極端子部10上に配設する。
【0065】
この工程は、予め一面に絶縁性接着フィルム25等の絶縁性接着剤層22を形成した端子ボックス用タブ線24を薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に仮貼りするとともに、その一端24aをP型電極端子部9上及びN型電極端子部10上に仮貼りすることにより行う。また、この工程は、薄膜太陽電池1の裏面電極膜上における端子ボックス用タブ線24の接続箇所に沿って、絶縁性接着フィルム25を仮貼りした後、絶縁性接着フィルム25上に端子ボックス用タブ線24を仮貼りすることにより行ってもよい。
【0066】
絶縁性接着フィルム25が貼着された端子ボックス用タブ線24や、絶縁性接着フィルム25及び端子ボックス用タブ線24の仮貼りは、ロールラミネートによって絶縁性接着フィルム25が本硬化しない程度に粘着性を奏するまで熱加圧されることにより行われる。また、端子ボックス用タブ線24は、他端24bが刃物及び熱を利用することによって絶縁性接着剤層22を剥離され、導通可能とされた後、端子ボックス23に接続される。
【0067】
なお、絶縁性接着フィルム25等の絶縁性接着剤層22を、端子ボックス用タブ線24の幅以上の幅で形成することにより、絶縁性接着剤層22は、端子ボックス用タブ線24と薄膜太陽電池1の裏面電極膜とを確実に絶縁することができる。
【0068】
次に、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15を、導電性接着剤層16を介してP型電極端子部9及びN型電極端子部10上に接続するとともに、P型電極端子部9及びN型電極端子部10上において、導電性接着剤層16を介して端子ボックス用タブ線24の一端24a上に接続する。
【0069】
この工程は、予め一面に導電性接着フィルム17等の導電性接着剤層16を形成した正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15を、P型電極端子部9上、N型電極端子部10上及びこれら電極端子部9,10上に配設されている端子ボックス用タブ線24の一端24a上に、導電性接着剤層16を向けて仮貼りすることにより行う。また、この工程は、P型電極端子部9上、N型電極端子部10上及びこれら電極端子部9,10上に配設されている端子ボックス用タブ線24の一端24a上に導電性接着フィルム17を仮貼りした後、導電性接着フィルム17上に正極集電用タブ線11又は負極集電用タブ線15を仮設置することにより行ってもよい。
【0070】
導電性接着フィルム17が貼着された集電用タブ線11,15や、導電性接着フィルム17及び集電用タブ線11,15の仮設置は、ロールラミネートによって導電性接着フィルム17が本硬化しない程度に粘着性を奏するまで熱加圧されることにより行われる。
【0071】
これにより、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15は、導電性接着フィルム17を介して、端子ボックス用タブ線24の一端24a上を跨ぐようにして仮設置される。
【0072】
このように絶縁性接着フィルム25、端子ボックス用タブ線24、導電性接着フィルム17、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15が仮貼りされた薄膜太陽電池1は、裏面電極膜側に設けられたEVA等の透光性封止材のシート3及びバックシート5とともに、真空ラミネーターによって一括してラミネートされる。
【0073】
このとき、薄膜太陽電池1が所定の温度、圧力で熱加圧されるため、絶縁性接着フィルム25が熱硬化し端子ボックス用タブ線24を薄膜太陽電池1の裏面電極膜上に接続するとともに、一端24aがP型電極端子部9上又はN型電極端子部10上に接続する。また、導電性接着フィルム17の各バインダー樹脂が流動し、導電性粒子19が正極集電用タブ線11とP型電極端子部9及び端子ボックス用タブ線24の一端24aとの間で挟持され、この状態でバインダー樹脂が硬化する。同様に、導電性粒子19が負極集電用タブ線15とN型電極端子部10及び端子ボックス用タブ線24の一端24aとの間で挟持され、この状態でバインダー樹脂が硬化する。これにより、導電性接着フィルム17は、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15をP型電極端子部9やN型電極端子部10上に接着させると共に、導通接続させることができ、また正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15を端子ボックス用タブ線24と導通接続させることができる。
【0074】
このように、本技術によれば、端子ボックス用タブ線24、正極集電用タブ線11及び負極集電用タブ線15を効率的に接続することができる。また、本技術によれば、正極集電用タブ線11や負極集電用タブ線15を加熱押圧ヘッド等によって熱加圧することにより接続する工程に比して、局部的な熱加圧をかけることがない。したがって、透光性絶縁基板10の反りや損傷を与えるおそれもない。特に、図3に示すように、端子ボックス用タブ線24の一端24aが接続される箇所は、他の部位よりも突出しているため、加熱押圧ヘッド等によって熱加圧した場合、端子ボックス用タブ線24の接続部に熱や応力が集中してしまい、透光性絶縁基板8の反りや破損、集電用タブ線や端子ボックス用タブ線の接続不良が発生する。したがって、一括ラミネート方式を採用することにより、このような熱や応力の集中を回避し、透光性絶縁基板8等の反りや破損を効果的に防止することができ、また集電用タブ線11,15と電極端子部9,10や端子ボックス用タブ線24との接続を良好に行うことができる。
【0075】
次いで、本発明が適用された端子ボックス用タブ線の実施例について説明する。サンプル1は、幅10mm、厚さ35μmの電解銅箔からなるタブ線を用いた。サンプル2は、片面に絶縁性接着剤層として厚さ25μm〜50μmのPETフィルムを貼着した幅10mm、厚さ35μmの電解銅箔からなるタブ線を用いた。サンプル3は、両面に15μm程度ハンダメッキした幅10mm、厚さ120μmの電解銅箔からなるタブ線を用いた。サンプル4は、両面に15μm程度ハンダメッキした幅10mm、厚さ150μmの電解銅箔からなるタブ線を用いた。
【0076】
集電用タブ線には、導電性接着樹脂が塗布された厚さ35μm、幅2.0mmの電解銅箔を用いた。導電性接着樹脂の塗布面には、表面粗さRz:7〜9μmに粗面化処理が施されている(GTS−MP:古河電工株式会社製)。また、バインダー樹脂には、Ni粒子(バーレインコ社製)を30重量添加した。
【0077】
上記各サンプルを粘着剤を用いてガラス基板に95℃程度に加熱しながらロールラミネートにより仮貼りし、次いで、集電用タブ線をガラス基板に95℃程度に加熱しながらロールラミネートにより仮貼りした。このとき集電用タブ線は、導電性接着樹脂を介して各サンプルを跨ぐように接する。
【0078】
その後、160℃、20minの加熱と、100KPa程度の圧力を加えながら、ガラス基板を封止樹脂(EVA)によって真空ラミネートし、各サンプルと集電用タブ線との接続を行い(接続面積:2.0mm×10mm)、4つの接続体サンプルを作成した。
【0079】
各接続体サンプルにて、1Aを通電させた状態での接続抵抗値を測定したところ、いずれも10mΩ以下であった。すなわち、集電用タブ線と端子ボックス用タブ線との導電性接着樹脂を介した接続は、従来のハンダ接続に置き換えることが可能な接続方法であることが分かった。
【0080】
また、超音波ハンダ接続に比して、ハンダ溶融に伴う局所的な高温高圧による熱加圧が不要となり、ガラス基板の反りや破損を防止することができた。さらに、集電用タブ線と端子ボックス用タブ線との導電性接着樹脂を介した接続をロールラミネートによって行うと、簡易なプロセスで薄膜太陽電池を製造することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 薄膜太陽電池、2 太陽電池セル、3 シート、5 バックシート、6 太陽電池モジュール、7 金属フレーム、8 透光性絶縁基板、9 P型電極端子部、10 N型電極端子部、11 正極集電用タブ線、15 負極集電用タブ線、17 導電性接着フィルム、18 バインダー樹脂層、19 導電性粒子、20 剥離基材、21 リール、23 端子ボックス、24 端子ボックス用タブ線、25 絶縁性接着フィルム、30 接着層、31 フレキシブル基板、32 接着層、33 フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に正極及び負極が配置されている太陽電池と、
導電性粒子を含有した導電性接着剤層を介して上記太陽電池の正極上及び負極上に接続された一対の電力取出し用タブ線と、
導電性粒子を含有しない絶縁性接着剤層を介して上記太陽電池の一面上に設けられるとともに、一端が上記正極上及び負極上に配設され、端子ボックスと一対の上記電力取出し用タブ線とを接続する一対の端子ボックス用タブ線とを備え、
電力取出し用タブ線は、上記正極上及び負極上において、端子ボックス用タブ線の上記一端に、上記導電性接着剤層を介して接続されている太陽電池モジュール。
【請求項2】
一対の上記端子ボックス用タブ線は上記正極上又は負極上に設けられ、
一対の上記電力取出し用タブ線は、上記端子ボックス用タブ線の端部上を跨って設けられている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
上記導電性粒子は、フィラメント状の導電性粒子である請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
上記電力取出し用タブ線と、上記端子ボックス用タブ線とは、ラミネートにより一括して接続される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
上記絶縁性接着剤層は、接着剤付きフィルム又は接着剤付きフレキシブル基板である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
上記端子ボックス用タブ線は、上記絶縁性接着剤層の幅以下の幅である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
上記導電性接着剤層は、フッ素系樹脂を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
一面に正極及び負極が配置されている太陽電池の上記一面上に、導電性粒子を含有しない絶縁性接着剤層を介して一対の端子ボックス用タブ線を配設するとともに、上記絶縁性接着剤層を介して上記正極上及び負極上に上記端子ボックス用タブ線の端部を配設し、
一対の電力取出し用タブ線を、導電性粒子を含有した導電性接着剤層を介して、上記太陽電池の上記正極上及び負極上に接続するとともに、上記正極上及び負極上において、上記導電性接着剤層を介して上記端子ボックス用タブ線の上記端部上に接続する太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
上記一面に端子ボックスを固定し、
一対の上記端子ボックス用タブ線の各端部を上記端子ボックスに接続する請求項8記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
上記電力取出し用タブ線と、上記端子ボックス用タブ線とは、ラミネートにより一括して接続される請求項8又は請求項9に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
上記電力取出し用タブ線は、予め上記導電性接着剤層が設けられ、
上記端子ボックス用タブ線は、予め上記絶縁性接着剤層が設けられている請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−8922(P2013−8922A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141986(P2011−141986)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000108410)デクセリアルズ株式会社 (595)
【Fターム(参考)】