説明

太陽電池検査装置及び太陽電池欠陥判定方法

【課題】 太陽電池をEL発光させ、発光状態から太陽電池の良否を検査判定可能とすると共に、将来不良となる可能性のあるものも良否判定可能な太陽電池検査装置及び欠陥判定方法を提供する。
【解決手段】 太陽電池セルに一定電流を供給してEL発光させ(S7)、セル毎にセルよりの発光光を撮影し(S10)、撮影したセル画像を強調処理して暗部の形状を解析して(S50)セルの良否判断を行う。また問題があると判定した欠陥部分を強調した強調画像を視認可能に表示(S16)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池セル(太陽電池セルを一列に接続したストリング、ストリングを平行に複数配置した太陽電池パネルなどを含む)を検査する太陽電池検査装置及び太陽電池欠陥判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーの利用方法として、シリコン型の太陽電池が知られている。太陽電池の製造においては、太陽電池が目的の発電能力を有しているかどうかの性能評価が重要である。一般的な性能評価方法として、出力特性の測定を行っていた。
【0003】
出力特性の測定は、光照射下において、太陽電池の電流電圧特性を測定する光電変換特性として行われる。光源としては、太陽光が望ましいのであるが、天候により強度が変化することから、ソーラーシミュレーターが使用されている。ソーラーシミュレーターでは、太陽光に代えてキセノンランプやメタルハライドランプ等を使用している。そして、これらの光源を長時間点灯していると、温度上昇などにより光量が変化する。そこで、これらのランプのフラッシュ光を用い、横軸を電圧、縦軸を電流として、収集したデータをプロットすることにより太陽電池の出力特性曲線を得て、出力特性が一定値以上であったときに良品としていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記したソーラーシミュレーターと異なる方法として、特許文献2の方法があった。この方法では、シリコンの多結晶型の太陽電池素子に対して順方向に電圧を印加することで、順方向に電流を流しエレクトロルミネッセンス(EL)作用を生じさせ、発光状態から太陽電池素子の良否を判定する方法を提案している。太陽電池素子から発光されるEL光を観察することによって、電流密度分布が分かり、電流密度分布の不均一から太陽電池素子の発光していない部分を欠陥部分と判断し、この欠陥部分の面積が予め決められた量より少なければ、所定の発電能力を有するものと判断していた。
【0005】
【特許文献1】特開2007−88419
【特許文献2】WO/2006/059615
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の方法では、欠陥部分の面積が予め決められた量より多いか少ないかで太陽電池のパネルの良否を判断しているに過ぎないため、現時点で使用に耐えれるか否かが判定できるのみであり、太陽電池パネルの状況がどのようなものか、詳細に知ることができず、ましてや長期使用した場合に不具合が発生する可能性があるか否かは考慮していなかった。
【0007】
太陽電池は、野外で使用するものであるため、使用環境は厳しいものがある。このため、使用による劣化が避けられない面があり、製造時には良品であっても、使用していた結果発電効率が下がることもあった。従来はこのような事態を考慮していなかった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、太陽電池に一定電流を流してEL発光させ、発光状態から太陽電池の良否を検査判定可能とすると共に、将来不良となる可能性のあるクラック(マイクロクラックを含む)も良否判定可能な太陽電池検査装置及び太陽電池欠陥判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明に係る一実施の形態例は、例えば以下の構成を備える。
1.太陽電池内の太陽電池セルの良否を判定可能な太陽電池検査装置であって、遮光空間で検査対象太陽電池に一定電流を供給する電源供給手段と前記電源供給手段により電源が供給された前記検査対象太陽電池セル毎にセルよりの発光光を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影したセル撮影画像を解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果を可視表示する表示手段とを備え、前記解析手段は、前記撮影手段で撮影したセル撮影画像を強調処理することによりセル撮影画像の暗部の形状を解析してセルの良否判断を可能とすることを特徴とする。
【0010】
2.前記の太陽電池検査装置の前記表示手段に前記解析手段が問題があると判定した暗部を強調して表示することもできる。
【0011】
3.前記撮影手段は、複数の太陽電池セルを連続して撮影し、前記解析手段は、前記撮影手段の撮影した隣接するセル間隔に対する良否判定を行うこともできる。
4.前記解析手段は、マイクロクラックの検出判定を行うことで将来不良に発展するおそれのある太陽電池セルの状態を判定することもできる。
【0012】
5.前記解析手段は、セル撮影画像の暗部の形状に加えて暗部の方向及び位置も解析してセルの状態判断をすることもできる。
6.前記表示手段は、前記解析手段が問題があると判定した暗部を強調して表示したセル画像と、前記撮影手段で撮影したセル撮影画像とを同時に視認可能に表示することもできる。
【0013】
7.太陽電池セルの良否を判定可能な前記太陽電池検査装置における太陽電池欠陥判定方法であって、遮光空間で検査対象太陽電池セルに一定電流を供給し、電源が供給されたことによる前記検査対象太陽電池セル毎にセルよりの発光光を撮影し、前記撮影したセル撮影画像を強調処理することによりセル撮影画像の暗部の形状を解析してセルの良否判断を行う太陽電池欠陥判定方法を採用することができる。
【0014】
8.前記解析結果において問題があると判定した暗部を強調して表示する太陽電池欠陥判定方法を採用することができる。
【0015】
9.前記太陽電池セルの撮影は、複数の太陽電池セルを連続して撮影し、セル撮影画像の暗部の判定は隣接するセル間隔に対しても行い、隣接するセルの配設状況の良否判定も行う太陽電池欠陥判定方法を採用することができる。
【0016】
10.前記撮影画像の解析において、マイクロクラックの検出判定を行うことで将来不良に発展するおそれのある太陽電池セルの状態を判定可能とする太陽電池欠陥判定方法を採用することができる。
【0017】
11.前記撮影画像の解析において、セル撮影画像の暗部の形状に加えて暗部の方向及び位置も解析してセルの状態判断を行なうことを可能とする太陽電池欠陥判定方法を採用することができる。
【0018】
12.前記問題があると判定した暗部を強調して表示したセル画像と、撮影したセル撮影画像とを同時に視認可能に表示可能とする太陽電池欠陥判定方法を採用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の太陽電池検査装置および太陽電池欠陥判定方法によれば、撮影したセル画像において問題があると判定した暗部を強調して表示部に表示するので、検査者が表示部を目視確認可能にて簡単且つ確実に太陽電池を判定することが可能となる。
【0020】
また本発明の太陽電池検査装置および太陽電池欠陥判定方法では、太陽電池の現在の不良箇所のみならず、将来不良箇所になるおそれのある箇所を簡単且つ確実に判定することが可能になる。これにより太陽電池を長期使用する場合の品質や耐久性が更に向上することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る一発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る一発明の実施の形態例の太陽電池検査装置の概略構成を説明するためのブロック図、図2は本実施の形態例の装置におけるカメラとカメラ駆動装置の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図3は本実施の形態例の太陽電池検査方法を説明するためのフローチャート、図4は本実施の撮影画像処理及び良否判定の工程を詳細説明するためのフロチャート、図5は本実施の形態例の検査結果の表示例を示す図で、(a)は撮影(元)画像、(b)は強調処理した撮影画像である。図6は、検査対象である太陽電池の内部の太陽電池セル・ストリング・マトリックスが分かるように記載した平面図、図7は太陽電池の構造を示す断面図である。図8は、本実施の形態例の検査装置にて測定する太陽電池セルの構成の説明図である。図9・図10・図11は、検査対象である太陽電池内のセルの欠陥の状態の説明図である。図12は、多結晶シリコンセルのEL撮影画像の例である。図13は、セル撮影画像から暗部をクラックと判断する方法の説明図である。
【0022】
<1>検査対象(太陽電池セル、太陽電池パネル)
まず本実施の形態例の検査装置が扱う検査対象100の例について説明する。
図6の平面図に示す様に、検査対象100である太陽電池パネルは角型の太陽電池セル28がリード線29により複数個直列に接続されたストリング25を形成し、さらにそのストリングを複数列リード線により接続した構成となっている。
【0023】
検査対象である太陽電池としては、太陽電池セル28を1枚でもよく、太陽電池セルを複数枚直線的につないだストリング25の状態でもよく、ストリングを平行に複数列並べ、太陽電池セルがマトリックス状に配置された太陽電池パネル30でもよい。
【0024】
また検査対象100の太陽電池パネルの断面構造は、図7に示す様に、上側に配置された裏面材22と下側に配置された透明カバーガラス21の間に、充填材23、24を介して複数列のストリング25をサンドイッチした構成を有する。
【0025】
裏面材22は例えばポリエチレン樹脂などの材料が使用される。充填材23,24には例えばEVA樹脂(ポリエチレンビニルアセテート樹脂)などが使用される。ストリング25は、上記のように電極26,27の間に、太陽電池セル28をリード線29を介して接続した構成である。
【0026】
このような太陽電池パネルは、上記のように構成部材を積層しラミネート装置などにより、真空の加熱状態下で圧力を加え、EVAを架橋反応させてラミネート加工して得られる。
さらに、角型の太陽電池セル28の例について説明する。図8は、太陽電池セルを受光面から見た平面図である。セルは薄板状のシリコン半導体の表面に電気を取り出すための電極であるバスバーが印刷されている。加えてシリコン半導体の表面には効率よく電流をバスバーに集めるためにバスバーと垂直方向にフィンガーと呼ばれる細い導体が印刷されている。
【0027】
また検査対象100としては、一般に薄膜式と呼ばれる太陽電池を対象とすることができる。
この薄膜式の代表的な構造例では、図7において下側に配置された透明なカバーガラスには、予め透明電極、半導体、裏面電極からなる発電素子が蒸着してある。
【0028】
このような薄膜型太陽電池パネルは、ガラスを下向きに配置し、ガラス上の太陽電池素子の上に充填材を被せ、更に、充填材の上に裏面材を被せた構造で、同じようにラミネート加工することにより得られる。
【0029】
このように検査対象100としての薄膜式の太陽電池パネルは、結晶系セルが蒸着された発電素子に変わるだけで、基本的な封止構造は前記した結晶系セルの場合と同じである。
【0030】
<2>太陽電池セルの欠陥
太陽電池セルの欠陥は、その発生原因によってその形状に特徴を有している。図9はフィンガーが断線した場合の暗部の特徴を示している。フィンガー断線の場合はこのようにフィンガーの方向に沿って長方形の暗部が現れる。
【0031】
図10はその発生原因によるクラック状の暗部の特徴を示している。バスバーの近辺の領域Mおよび領域Nには、バスバーにリード線をハンダ付けする際に生じる熱変形によって発生するクラックが存在する。このクラックは比較的寸法が小さい傾向がある。
それに対してラミネート加工による圧縮や輸送中、およびモジュール製作工程中のハンドリングによる荷重や衝撃力に起因するクラックはバスバーの近辺には限らず領域Lにも発生する。このクラックは前述のハンダ付けによるクラックより寸法が大きくなる傾向がある。またこれらのクラックは半導体が硬くもろい物性を有しているため、折れ曲がった部分を持っているが、比較的単純な形状になる傾向がある。
【0032】
図11は面積を持った暗部の特徴を示している。クラックによる半導体自身の乖離具合によって暗部の出方が変わってくる。同図のC1部のようにクラックによって半導体が完全に分離されてしまうと、バスバーと反対側に面積を持った暗部が現れる。また、同図のC2部のように半導体の一部が完全に脱落してしまうと、脱落した部分は発光しないので、その部分が面積を持った暗部となる。また同図のC3部のように完全に脱落しなくても半導体自身が分離していると、そのクラックから半導体の端までの部分が面積を持った暗部となる。これらの面積を持った暗部は暗部の内面の暗さの程度が比較的安定した傾向があり、明るい部分と暗い部分が複雑に混在することは少ない。
【0033】
撮影画像には欠陥以外でも暗部が写ることがある。図12は多結晶シリコンセルの撮影画像の例である。この画像でセルの全面に分布している複雑な形状をした模様状の暗部は、欠陥ではなく結晶の境界にできる暗部である。セルの良否判定を行う場合、これらの実際には欠陥ではない暗部と欠陥による暗部を判別する必要がある。そのためには後述する各種の画像処理や良否判定基準の工夫が必要になる。
【0034】
<3>本発明の太陽電池検査装置の構成
図1の本発明に係る一発明の実施の形態例の太陽電池検査装置の概略構成を示すブロック図において、10は本実施の形態例の全体制御を司ると共に、本実施の形態例の太陽電池良否判定処理を実行する制御部であり、パーソナルコンピュータシステムで構成できる。20は制御部10で実行するプログラムや各種処理データを記憶するメモリ、30は検査対象の太陽電池パネルの良否判定の基準データが登録されている基準データファイルである。
【0035】
基準データファイル30には、検査対象の種類(セル/ストリング/マトリックス:図6参照)毎の設定値が登録されている。登録される設定値は以下のとおりである。
(1)太陽電池セルに対する発光条件、
(2)セル間隔(カメラの移動ピッチ)、
(3)ストリング/マトリックスの場合のセル数(縦、横)、
(4)セル寸法情報(バスバー位置、角の面取り、フィンガーの配置、ディップ位置など)の設定情報
セルの寸法情報設定は、基本パターンの穴埋め方式と図形情報から設定する方式の両方法が設定可能であり、図形情報から設定する場合には図形情報としてDXF形式、BMP形式ファイルの対応しており、穴埋め方式の場合には例えばバスバーの本数が1本の場合、2本の場合、3本の場合など、複数のパターンを選択可能である。
(5)画像処理条件
(6)撮影条件
【0036】
40は各種の指示入力や良否判定結果を入力するキーボード400などの入出力装置を制御する入出力制御部、50は検査対象である太陽電池パネル100よりの画像を撮影する太陽電池撮影カメラ500を制御するカメラ制御部、60は、撮影した画像を表示する表示部600を制御する表示制御部、70は検査対象である太陽電池パネル100にプローブ75を介して一定電流(所定の順方向電流)を印加する測定電流制御部、75は太陽電池パネルに電流を供給するプローブ、80はカメラ500を撮影位置に搬送位置決めするカメラ位置決め機構800を制御する位置決め機構制御部である。カメラ位置決め機構800を含むカメラ撮影部の詳細を図2に示す。
【0037】
本実施の形態例装置では、測定電流制御部70から、プローブ75を介して太陽電池パネル100に順方向に所定電流を供給することにより、太陽電池パネル100をEL(エレクトロルミネッセンス)光源として作用させ、太陽電池撮影カメラ500でこの発光状態を撮影する。撮影は、太陽電池パネルの各セル毎に順次撮影していくことになるため、カメラ位置決め機構800でカメラ位置をセル毎に移動させる。
【0038】
カメラ500で撮影するEL発光による発光光量は、1,000nmから1,300nmの波長の微弱な光であり、暗室内で発光させて微弱な光を撮影している。このため、カメラ500としては微量感度の良いカメラを用いる必要がある。本実施の形態例では、浜松ホトニクス製の型式C9299―02(Si−CCDカメラ)を用いている。
【0039】
次に図2を参照して本実施の形態例のカメラ500とカメラ駆動機構800の構成・制御を説明する。図2は、カメラ位置決め機構800を含むカメラ撮影部500(図面では太陽電池撮影カメラ)の詳細を示す。
カメラ駆動機構800は、四角の箱形の暗室810の平らな上面811に、アクリル樹脂などの合成樹脂製又はガラス製の透明板812が取り付けられている。透明板812以外は、暗室810に光を入れないような遮光性の素材からなる構成にしている。透明板812と検査対象100との隙間は適宜遮光材で覆う必要がある。もっとも、上面811に検査対象100として太陽電池を載せた後、検査対象100を含む上面811の全体を、遮光手段で覆うことにすれば、上面811全体を透明板にしてもよい。上面以外の4つの側面と底面は全て遮光性の部材としている。上面811には、検査対象100の搬送をガイドする一対のガイド部材814が設けられている。
【0040】
暗室810内には、カメラ500と、このカメラ500をy軸方向に移動するy軸ガイド部830がある。y軸ガイド部830の一端には、モータ832があり、これが回転することで、カメラ500をy軸方向に進退させることができる。
【0041】
y軸ガイド部830の両端は、x軸ガイド部840、840に支持されている。そして、モータ842と両側のタイミングベルト844、844とによって、y軸ガイド部830は、x軸ガイド部840、840上を、x軸方向に沿って進退可能となっている。
【0042】
以上の構成において、x軸ガイド部840、840、y軸ガイド部830、モータ832、842、タイミングベルト844、844とで、カメラ500の駆動機構を構成している。本実施例では、x軸ガイド部840、840及びy軸ガイド部830をモータおよびボールネジにて駆動している。駆動方式は、上記の実施例に限定されることなく、各種のリニアアクチュエータを使用することができる。
【0043】
駆動機構のモータ832,842を回転制御することで、カメラ500を、x−y平面内の任意の位置に移動し、検査対象100の隅から隅までの全面を撮影することが可能となっている。
【0044】
検査対象の太陽電池としては、太陽電池セル1枚でもよく、図6の様に太陽電池セルを複数枚直線的につないだストリングの状態でもよく、ストリングを平行に複数本並べ、太陽電池セルがマトリックス状に配置された太陽電池パネルでもよい。カメラ500による撮影も、太陽電池セル1枚ごとでもよいし、数枚ずつでもよく、太陽電池パネル全体としてもよい。
【0045】
検査対象である太陽電池パネル100は、太陽電池セルを一列に配置して電気的に接続したストリングを複数本平行に並べ、太陽電池セルが縦横にマトリックス状に配置したものである。そして図7に示す様に、一番下側に透明なガラス板が配置され、次に充填材としてのEVA(エチレンビニルアセテート)、次に太陽電池セル、さらにEVAが積層され、上側に樹脂製のバックシートが配置されている。これらをラミネート装置において、真空の加熱状態下で圧力を加え、EVAを架橋反応させて積層してラミネート構造としている。ラミネート装置から搬出された太陽電池パネルは、次に、コンベアなどで本発明の太陽電池の検査装置に搬送される。搬送されてきた太陽電池パネルは、ガイド部材814、814の間にガイドされて暗室810の上に達する。
【0046】
図2に示すように暗室810の上に達した太陽電池パネル100は、透明なガラス板を下に向けて暗室810の透明板812の上で停止し、プローブ75を接続し測定電流制御部70と接続する。検査対象100の方が透明板812より小さいので、周囲から暗室内に光が入るから、検査対象100の上から暗室810の上面全体を図示しない遮光手段で覆う。または透明板812と測定対象100との隙間は適宜遮光材で覆う必要がある。
【0047】
遮光手段であるが、上記では、暗室810の上面全部を覆うものとして説明したが、太陽電池パネルの場合、裏側の樹脂製のバックシートは、不透明であり、遮光性が十分である。また、暗室810の上面811も、透明板812以外を遮光性の部材で構成されている。したがって、検査対象100が透明板812より大きくて、透明板812の全体が検査対象100で覆われる場合には、遮光シートは不要である。
しかし、検査対象100の方が透明板より小さければ、隙間から光が暗室810内に入るので、遮光手段で覆う必要がある。覆う範囲は、最低で、透明板812と測定対象100との間に額縁状にできる隙間だけである。したがって、遮光手段は、最低で、この隙間を覆う大きさがあればよいことになる。
【0048】
検査対象100に測定電流制御部70から順方向の電流を流す。検査対象100がEL発光するので、カメラ500で撮影する。
駆動機構のモータ832、842の回転制御によって、カメラ500は、太陽電池パネルにマトリックス状に配置されている太陽電池セルを1枚ずつ撮影し、図示しないパソコンなどからなる画像処理装置に画像データを送る。画像処理装置は、各太陽電池セルの画像から発光しない部分(暗部またはカゲ)を取り出して分析し、太陽電池セルごとの良否を判断し、全ての太陽電池セルについての良否の結果から、太陽電池パネル全体としての良否を判断する。
【0049】
本実施の形態例では、太陽電池を特別の暗室内で検査するのではなく、図2のように簡単な機構の装置に載置すればよい。また本実施の形態例では、図2に示す機構とコンピュータシステムを備えるのみで足りるため、以下のような長所がある。
【0050】
太陽電池パネルのラミネート加工など、通常の加工工程では、太陽電池パネルのガラス面を下にして搬送している。この検査装置は、暗室の上面811に太陽電池の受光面を下側にして載置することができるので反転する動作が不要となる。したがって太陽電池パネルなどの製造工程中に容易に配置することができる。
【0051】
<4>太陽電池パネルの検査フロー
以上の構成を備える本実施の形態例の検査装置による太陽電池パネルの欠陥検査の方法を図3のフローチャートを参照して以下に説明する。
先ずステップS1において、図2に示す暗室810の上面811に検査対象100として太陽電池パネルを位置決め載置する。続くステップS3において、載置した検査対象の太陽電池パネルの端子部にプローブ75を接続して測定電流制御部70より電流を印加できるようにする。
【0052】
つぎのステップS5において、制御部10は位置決め機構制御部80を制御してカメラ500を最初の太陽電池パネル撮影位置に位置決めする。ステップS7において、測定電流制御部70を制御して検査対象である太陽電池パネル100に所定の順方向電流を印加してEL発光させる。発光条件(通電電流値、通電時間など)は検査対象ごとに予め設定し、基準データファイル30に登録しておく。また、この発光条件は、本実施の形態例では、一つの撮影条件に3セット設定可能に構成されている。これは、セルの特性によっては、単一の条件ではEL発光過多や発光不足が発生する可能性があるからである。
【0053】
この様に複数の発光条件を設定しておくことにより、撮影画像処理実行時に、撮影結果が不十分と判断した場合にはその状況により発光条件を変更して再度ステップS7の処理から再実行することができるようにしている。以下の説明では、再試行についての説明を省略している。
【0054】
そしてステップS10において、制御部10はカメラ制御部50を制御してカメラ500でEL発光している太陽電池パネルセルを撮影し、撮影画像を取り込み、例えばメモリ20と外部記憶装置900の所定領域に書き込む。
【0055】
続くステップS12で表示制御部60を制御して先に撮影したオリジナル画像をメモリ20から読み出して表示部600に表示する。制御部10は、ステップS50に示す撮影画像に対する画像処理を行い、撮影画像情報の解析処理を行う。ステップ50における欠陥の判断方法などの詳細は<5>にて後述する。そしてステップS16において、ステップS50の画像処理結果に従って欠陥部分を強調した画像を表示制御部60を介して表示部600に表示する。画像の強調処理の方法は<8>にて後述する。
【0056】
なおステップS18は、強調表示した画像を使用した検査者による手動判定の工程であり詳細は<7>にて後述する。
【0057】
制御部はステップS20でセルの判定結果を例えば外部記憶装置900に保存する。
次にステップS22において、検査対象の太陽電池パネルのセル毎に割り当てたシーケンス番号を一つカウントアップ(歩進)する。そして続くステップS24において、カウントアップしたシーケンス番号を調べ、検査対象の太陽電池パネルのすべてのセルに対する撮影及び判定処理が修了したか否かを調べる。すべてのセルに対する処理を終了していない場合にはステップS30に進み、位置決め機構制御部80に指示を出してカメラ位置決め機構800を制御してカメラ500を次のセル撮影位置に移動位置決めする。そしてステップS7に進み、次のセルに対する撮影処理及び判定処理を行う。
【0058】
一方、ステップS24ですべてのセルに対する判定処理が終了している場合にはステップS26に進み以下の様に総合判定を行う。その後各セル同士の間隔などを確認して太陽電池パネル全体として良品とできるか否かを総合的に判定し判定結果をたとえば外部記憶装置900の所定領域に書き込む。そして1枚の太陽電池パネルに対する総合判定処理を終了する。
【0059】
<5>S50撮影画像処理の詳細説明
次に図4を参照して図3のステップS50に示す撮影画像処理の詳細を説明する。
画像処理は、まず撮影したセル画像に対して光量が少ない領域を抽出する。次に、抽出した光量の少ない領域又は形状を図9・図10・図11の太陽電池セルの欠陥のパターンに基づき画像処理する。画像処理条件は基準データファイル30に登録されており、以下の処理を順次行うことになる。
【0060】
先ずステップS52において、スケーリング処理を実行する。セルの特性によって全体的な発光量には違いがある。スケーリング処理は、もっとも明るい部分をある明度に正規化して、より一定の条件で比較検討できるように画像全体の明るさを調整する処理である。
【0061】
次にステップS54でセル領域抽出処理を実行する。この処理は、太陽電池セルの外周形状を、予め基準データファイル30に設定し登録していたセルの寸法情報と照合して自動計算する処理である。セルの位置や角度がたとえずれていても正確にセルの外周形状を求めることができる。
【0062】
次のステップS56において、バスバー除外処理を行って撮影画像からバスバー領域を除外してセルの良否判定を行えるような画像処理を行う。太陽電池セルにはバスバーが設けられており、基準データファイル30に予め設定しておいたセルの寸法情報と照合して自動計算してバスバー領域を求め、セルの良否判定のための領域から除外する。なお、セルの位置や角度がずれていても正確にバスバー領域を求めることができる。
【0063】
続いてステップS58において、シェーディング補正処理を行う。カメラ500に装着するレンズの特性により、どうしても中心が明るく端に行くほど暗くなる。このため、この処理でカメラのレンズ特性による明度の変化を補正する。
【0064】
次にステップS60において、欠け検出処理を行う。欠け検出処理は、セル周辺部で暗く見える面積をもった暗部のうちある面積以上のものを欠けとして抽出する処理である。なお、影であるか否かは周辺との明度の低下割合を閾値にして判定を行う。これは以後の各処理においても同様である。
【0065】
欠陥が原因の欠けによる暗部は、図11のように周辺の明るい部分に比べて比較的安定して暗くなる傾向がある。それに対して図12のように欠陥以外が原因の暗部は、暗い部分と明るい部分が複雑に混在している。
【0066】
このような複雑に明るい部分と暗い部分が混在する画像に対して明度の分布を平均化する処理を施すと、明るい部分と暗い部分の差が縮まり境界がなくなってしまう。それに対して欠陥が原因の欠けでは、同様の平均化処理を行っても明るい部分と暗い部分の境界が残る。この境界を検出すれば容易に欠け部分を抽出することができる。
【0067】
判定結果を強調して表示するための強調画像を生成する場合には、欠けと判定した暗部には、判定結果に対応した色を付けて表示する、等の上述したステップS16に示す表示を可能とする画像強調処理を施す。
【0068】
続いてステップS62でフィンガー断線検出処理を行う。この処理は、セル内部で暗く見える面積をもった影状に見える部分のうちある面積以上のものをフィンガー断線として検出する処理である。この処理でも欠け検出で行ったのと同様の明度の平均化処理を行い、安定した暗部を抽出している。さらにフィンガー断線の暗部は図9のようにフィンガーの方向に沿って長方形の形状を示す特徴がある。そこで予め基準データファイル30に設定されているフィンガーの方向と合致して且つ形状が長方形に近似した暗部をフィンガー断線と判定するようにする。
【0069】
判定結果を強調して表示するための強調画像を生成する場合には、フィンガー断線と判定した暗部には、判定結果に対応した色を付けて表示する、等の上述したステップS16に示す表示を可能とする画像強調処理を施す。
【0070】
次にステップS64において、クラック検出処理を行う。ここでは、フィンガー断線以外で暗く見える線状の暗部のうちある長さ以上のものをクラックとして検出する処理である。クラックの暗部は、図10のように一部折れ曲がった部分を有するが、比較的単純な形状をしている。以下に図13によりクラックを判断する方法について説明する。
【0071】
クラックの暗部は以下のように比較的単純な線分の集合になっている。クラック検出の処理では、クラックによる暗部(イ)(ロ)(ハ)を1つのクラックとして認識し、それぞれの長さを合算してそのクラックの長さとしている。クラックによる暗部だけの場合は、単に各暗部のつなぎ目(接合点)でつながって(接合して)いるかを見るだけで各暗部が一つの暗部の一部であるか否かの判定をすることができる。
【0072】
「<2>太陽電池セルの欠陥」で述べた通り撮影画像にはクラックによる暗部以外の暗部が存在する可能性がある。それがクラックによる暗部の結合点と重なった場合、線の接合を見ただけでは正確にクラック全体を把握することができない。
【0073】
クラックによる暗部は図13のように比較的単純な形状(接合点が鈍角に折れ曲がっている)をしているので、各線分同士の方向は近いと考えられる。それに対してクラック以外の暗部はランダムな方向になっているので、クラックの方向と一致する確率が低い。
【0074】
暗部の接合点でつながっている次の暗部を判定する場合、上述のようにそれまでの暗部の方向と近いものを優先して次の暗部であると判定すれば、容易にクラックの全体を把握できることになる。
【0075】
判定結果を強調して表示するための強調画像を生成する場合には、クラックと判定した暗部には、判定結果に対応した色を付けて表示する等の上述したステップS16に示す表示を可能とする画像強調処理を施す。
【0076】
そしてステップS66で各検出処理で抽出した「欠け」「フィンガー断線」「クラック」のそれぞれの大きさ(面積、長さ)、個数を予め定めた閾値と比較し、セルの良否を判定する。そして続くステップS68で判定結果を出力する。
【0077】
「<2>太陽電池セルの欠陥」で述べた通り撮影画像にはクラックによる暗部以外の暗部が存在する可能性がある。クラックであるとする判定基準(クラックと認識するクラックの長さのしきい値)を下げると、クラック以外の暗部もクラックと誤認してしまう可能性があります。そこで以下のような判定基準によりクラックと判定する。
【0078】
ステップS66の総合判定処理における判定基準としては、セルの領域特性に応じた3種の基準を用意している。図10のように太陽電池セルをバスバー近辺の領域(領域M、領域N)とそれ以外の領域Lに分ける。第1の判定基準は、領域Mおよび領域N以外の領域Lに適用され、クラック以外の暗部を排除して正確に抽出を行うために寸法の大きなものに限定して抽出することが望ましい。第2の判定基準は、領域Mに適用され、クラックはバスバーにリード線をハンダ付けする際に生じる寸法の小さいものも含めて抽出する。第3の判定基準は、領域Nに適用され、第2の判定基準と同様である。第1の判定基準でより長さの長い線状の暗部をクラックとすることで、クラック以外の暗部を排除し、より正確にクラックを抽出することができる。第2と第3の判定基準で短い線状の暗部をクラックとすることで、小さな寸法のクラックまで抽出可能となる。
【0079】
セル良否の自動判定処理では、まず「欠け」「フィンガー断線」「クラック」の有無を判定する。これらがない場合には良品とする。検出された場合には、検出された「欠け」「フィンガー断線」「クラック」の情報をもとにセルの良否をランク分けすることになる。
【0080】
ランク分けは以下の項目を基に判定する。(1)検出された「欠け」の面積の合計、(2)検出された「フィンガー断線」の面積の合計、(3)検出された「クラック」の長さの合計の3つについて予め設定した閾値と比較して項目毎のランクを決定している。ランクは、例えば、A、B、C、D、Eの5ランクとし、Aがもっともよく、Eが最も低いランクとする。欠陥ありと判断したセルのランクは、自動判定の最低ランクであるEランクに分類する。セルのランクが所定ランク以下の場合に不良(NG)と判定する。この所定ランクは任意に設定変更可能である。
【0081】
<6>自動判定S26
そして、検査対象がセル単体である場合にはセルの判定結果がそのまま製品としての総合判定結果となる。一方、検査対象がストリング、マトリックスの場合、製品としての良否の自動判定を以下の手順で行うこととしている。
【0082】
各セルの判定基準を基に判断することになるが、ランク付けされた各セルのランク別のセルの枚数によって総合判断する。例えば、設定したランク以下のセルの枚数が設定以上の場合、不良と判断することになる。例えば、Cランク以下が5枚以上、Dランク以下が3枚以上、Eランク以下が1枚以上のいずれかの場合に製品の良否を不良と判定するなどの判断基準を設定する。
【0083】
<7>S18検査者による手動判定
本実施の形態例の太陽電池欠陥検査装置においては、撮影画像を解析して問題があると判定した暗部を、その表示部に強調表示する機能を有している。本太陽電池欠陥検査装置による自動判定を止め、図3のS18においてこの機能を使用して検査者が表示部を見て手動判定することもできる。検査者による手動判定の場合は、以下のとおりとなる。
検査者は、図3のステップS18において、検査者は強調表示した画像を見て良否判定結果キーボード400から指示入力する。なお、表示部600がタッチパネルである場合には、表示部600の表示画面にタッチすることで指示入力としても良い。
【0084】
本実施の形態例の検査装置には、検査者が表示部の撮影画像を確認して良否判断するために、判定機能の「有効/無効」、自動判定機能の「有効/無効」、手動判定機能の「有効/無効」を設定可能としている。検査者がストリング、マトリクスの製品を検査し、検査者がすべてのセルを判定し終わったと判断したときに「製品判定完了」ボタンを入力し、次の太陽電池パネルの検査を行う様にしている。
【0085】
本実施の形態例のステップS12のオリジナル画像とステップS16における欠陥部分を強調した判定画像の例を図5に示す。図5の(A)がオリジナル画像(B)が強調表示した判定画像である。例えば、検査者が手動判定を行う場合には、この画像を見比べて判断することにより、より容易にまた確実にセル撮影画像の良否が判別できる。
【0086】
<8>S16強調画像処理
上述したステップS16の判定画像における欠陥部分を強調した画像とは、以上に説明した解析処理において撮影画像の暗部を解析した結果、バスバー部分などの本来的に発光しない部分に対応する暗部を除く、通常EL発光していなければならない部分が暗部として認識された場合には、以下の強調画像となる。
【0087】
(1)係る部分が上述した判定処理で欠陥が原因の欠けによる暗部であると判定された場合、例えば図5の左端部近傍に示す暗部の場合には、暗部と判定された部分のすべてを周辺部分と容易に区別可能な明度で(図5(b)イ参照)表示する。カラー表示が可能な場合には、例えば黄色など係る暗部に特有の色で表示することが望ましい。
【0088】
(2)係る部分が上述した判定処理でフィンガー断線と判定された場合、例えば図5の中央やや上部に示す部分の場合には、フィンガー断線と判定された暗部を中心とした一定の幅の領域を周辺部分と容易に区別可能な明度で(図5(b)ロ参照)で表示する。カラー表示が可能な場合には、例えば黄緑色など係る暗部に特有の色で表示することが望ましい。
【0089】
(3)係る部分が上述した判定処理でクラックによる暗部と判定された、例えば図5の左側中央よりやや下側に示す部分の場合には、かかる部分を中心とした一定の太さを持った線として他の部分と容易に区別可能な明度で(図5(b)ハ参照)で表示する。カラー表示が可能な場合には、例えば赤色など係る暗部に特有の色で表示することが望ましい。
【0090】
係る部分は、当該暗部が原因で他の周辺部分に欠陥を示す暗部は生じていないが、長期間の使用により当該暗部が拡大し他の周辺部分に欠陥が生じる可能性がある。係る部分を一定太さの線として表示するため、係る部分が撮影画像のどの部分かを容易に認識可能にしている。良否を判定しようとする者は、撮影画像とこの強調画像の両方の画像を確認することで、解析の結果、問題があると判定された撮影画像の箇所を容易且つ確実に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本実施の形態例のカメラ位置決め機構の詳細構造を示す図である。
【0092】
【図3】本実施の形態例の太陽電池検査制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3の撮影画像処理S50の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0093】
【図5】本実施の形態例の太陽電池セルの検査結果の表示例を示す図である。
【図6】検査対象の太陽電池のセル・ストリング・マトリックスの説明図である。
【0094】
【図7】検査対象の太陽電池パネルの構成の説明図である。
【図8】本実施の形態例の検査装置にて測定する太陽電池セルの説明図である。
【0095】
【図9】検査対象の太陽電池パネル内のセルの欠陥の形態の説明図である。
【図10】検査対象の太陽電池パネル内のセルの欠陥の形態の説明図である。
【0096】
【図11】検査対象の太陽電池パネル内のセルの欠陥の形態の説明図である。
【図12】多結晶シリコンセルの撮影画像の例。
【0097】
【図13】セル撮影画像から暗部をクラックと判断する方法の説明図である。
【符号の説明】
【0098】
10 制御部
20 メモリ
30 基準データファイル
40 入出力制御部
50 カメラ制御部
70 測定電流制御部
75 プローブ
80 位置決め機構制御部
900 外部記憶装置
100 太陽電池パネル(検査対象)
500 カメラ
800 カメラ位置決め機構
810 暗室
811 検査装置の上面
812 透明板
830 y軸ガイド部
840 x軸ガイド部
832,842 駆動機構のモータ
814 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池内の太陽電池セルの良否を判定可能な太陽電池検査装置であって、
遮光空間で検査対象太陽電池に一定電流を供給する電源供給手段と、
前記電源供給手段により電源が供給された前記検査対象太陽電池セル毎にセルよりの発光光を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影したセル撮影画像を解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果を可視表示する表示手段とを備え、
前記解析手段は、前記撮影手段で撮影したセル撮影画像を強調処理することによりセル撮影画像の暗部の形状を解析してセルの良否判断を可能とすることを特徴とする太陽電池検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池検査装置であって、
前記表示手段は前記解析手段が問題があると判定した暗部を強調して表示することを特徴とする太陽電池検査装置。
【請求項3】
前記撮影手段は、複数の太陽電池セルを連続して撮影し、前記解析手段は、前記撮影手段の撮影した隣接するセル間隔に対する良否判定も行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池検査装置。
【請求項4】
前記解析手段は、マイクロクラックの検出判定を行うことで将来不良に発展するおそれのある太陽電池セルの状態を判断可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の太陽電池検査装置。
【請求項5】
前記解析手段は、セル撮影画像の暗部の形状に加えて暗部の方向及び位置も解析してセルの状態判断を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池検査装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記解析手段が問題があると判定した暗部を強調して表示したセル画像と、前記撮影手段で撮影したセル撮影画像とを同時に視認可能に表示可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の太陽電池検査装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載の太陽電池検査装置における太陽電池欠陥判定方法であって、
遮光空間で検査対象太陽電池セルに一定電流を供給し、電源が供給されたことによる前記検査対象太陽電池セル毎にセルよりの発光光を撮影し、
前記撮影したセル撮影画像を強調処理することによりセル撮影画像の暗部の形状を解析してセルの良否判断を可能とすることを特徴とする太陽電池欠陥判定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の太陽電池欠陥判定方法であって、
前記解析結果において問題があると判定した暗部を強調して表示することを特徴とする太陽電池欠陥判定方法。
【請求項9】
前記太陽電池セルの撮影は、複数の太陽電池セルを連続して撮影し、セル撮影画像の暗部の判定は隣接するセル間隔に対しても行い、隣接するセルの配設状況の良否判定も行うことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の太陽電池欠陥判定方法。
【請求項10】
前記撮影画像の解析において、マイクロクラックの検出判定を行うことで将来不良に発展するおそれのある太陽電池セルの状態を判断可能とすることを特徴とする請求項7乃至請求項9に記載の太陽電池欠陥判定方法。
【請求項11】
前記撮影画像の解析において、セル撮影画像の暗部の形状に加えて暗部の方向及び位置も解析してセルの状態判断を行なうことを特徴とする請求項7乃至請求項10に記載の太陽電池欠陥判定方法。
【請求項12】
前記問題があると判定した暗部を強調して表示したセル画像と、撮影したセル撮影画像とを同時に視認可能に表示可能とすることを特徴とする請求項7乃至請求項11に記載の太陽電池欠陥判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図5】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−164165(P2009−164165A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339198(P2007−339198)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】