説明

女性用排尿補助パッド、およびそれを有する吸収性物品

【課題】女性の着用者の体型差に関わらず、排尿部周りのフィット性を高め、尿の横漏れを効果的に防止できる女性用排尿補助パッド、および当該補助パッドが設けられた吸収性物品を提供する。
【解決手段】本発明の女性用排尿補助パッドは、環状の弾性体2を有し、女性用排尿補助パッド1を吸収性物品に取り付けるための固定手段4を有する。弾性体2は、液不透過性または撥水性シート3で被覆されていることが好ましい。本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性コアとを有し、女性用排尿補助パッド1が、トップシートの女性の排尿部が面する位置に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性用排尿補助パッド、およびそれが取り付けられた吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有し、前記吸収体が、肌面側に長手方向に延びるくぼみが形成された中高部を有する吸収性物品が知られている(特許文献1)。前記吸収性物品は、中高部が着用者の排尿部に当てられるように使用され、尿等の排泄物は中高部のくぼみで受け止められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−112590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された吸収性物品は、中高部およびそこに形成されたくぼみが、吸収性物品上の予め決められた位置に設けられているため、着用者の体型によっては良好なフィット性を確保することが難しい。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、女性の着用者の体型差に関わらず、排尿部周りのフィット性を高め、尿の横漏れを効果的に防止できる女性用排尿補助パッド、および当該補助パッドが設けられた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の女性用排尿補助パッドとは、環状の弾性体を有し、女性用排尿補助パッドを吸収性物品に取り付けるための固定手段を有するところに特徴を有する。本発明の女性用排尿補助パッドは、吸収性物品に取り付けられて尿の堰として作用するため、尿の横漏れを防止しやすくできる。また、本発明の女性用排尿補助パッドは、着用者の体型に応じて、着用者の排尿部が面する位置に自在に調整可能に吸収性物品に取り付けることができるため、本発明の女性用排尿補助パッドを用いれば、いずれの着用者であっても、排尿部周りのフィット性を高めて、尿の横漏れを防止しやすくできる。
【0007】
前記弾性体は、液不透過性または撥水性シートで被覆されていることが好ましい。弾性体が液不透過性または撥水性シートで被覆されていれば、着用者が補助パッドに触れる部分で濡れた感触を覚えにくくなるため補助パッドの着用感が向上し、また、着用者が肌にダメージを受けにくくなる。
【0008】
前記環状の弾性体は、横方向と、横方向より長い縦方向とを有し、前記弾性体は、縦方向両端部が他の部分よりも厚いことが好ましい。環状の弾性体の縦方向両端部が厚ければ、補助パッドを吸収性物品に取り付けて使用する際、補助パッドが着用者の肌に沿って湾曲しても、縦方向両端部において、特に横方向中央部と着用者の肌との間に隙間が生じにくくなり、着用者との密着性が増す。その結果、補助パッドの前後端部からの漏れが生じにくくなる。
【0009】
前記弾性体は、略楕円形状であることが好ましい。弾性体が略楕円形状であれば、開口に女性の排尿部を配置しやすくなる。また、排尿部を囲んで堰が形成され、吸収性物品による尿の吸収が主に開口内でされやすくなり、横漏れが起こりにくくなる。
【0010】
前記弾性体は、ひょうたん形状であることも好ましい。弾性体がひょうたん形状であれば、ひょうたん形状のくびれ部分が着用者の股間部に位置するように補助パッドを吸収性物品に取り付けることで、補助パッド使用時、補助パッドが歪みにくくなる。従って、補助パッドの着用者へのフィット性が高まり、尿の横漏れが生じにくくなる。
【0011】
本発明はまた、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性コアとを有し、本発明の女性用排尿補助パッドが、トップシートの女性の排尿部が面する位置に取り付けられている吸収性物品も提供する。本発明の吸収性物品は、トップシートの女性の排尿部が面する位置に補助パッドが取り付けられているため、排尿部周りのフィット性が高まるとともに、補助パッドが尿の堰として作用し、尿の横漏れが起こりにくくなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の女性用排尿補助パッドおよび吸収性物品は、女性の着用者の体型差に関わらず、排尿部周りのフィット性を高めて、尿の横漏れを防止しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の女性用排尿補助パッドを構成する環状の弾性体の例を表す。図1(a)は、略楕円形状の弾性体の例を表し、図1(b)は、ひょうたん形状の弾性体の例を表す。
【図2】ひょうたん形状の弾性体の他の例を表す。
【図3】図1(a)に示した略楕円形状の弾性体の三面図を表す。
【図4】本発明の女性用排尿補助パッドの一実施態様を表す。図4(a)は、本発明の女性用排尿補助パッドの平面図を表し、図4(b)は図4(a)のA−A断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の女性用排尿補助パッドは、吸収性物品に取り付けて使用するものであり、女性の着用者の排尿部が面する位置に取り付けて使用される。本発明の女性用排尿補助パッドは、例えば、使い捨ておむつ、尿パッド、失禁パッド、生理用ナプキン等に取り付けることができ、特に扱う尿量の多い使い捨ておむつや尿パッドに好適に用いられる。本発明の女性用排尿補助パッドは、女性の着用者の体型に応じて、着用者の排尿部が面する位置に自在に調整可能に吸収性物品に取り付けることができるため、本発明の女性用排尿補助パッドを用いれば、いずれの着用者であっても、排尿部周りのフィット性を高めて、尿の横漏れを防止しやすくできる。
【0015】
本発明の女性用排尿補助パッドは、環状の弾性体を有するとともに、女性用排尿補助パッドを吸収性物品に取り付けるための固定手段を有する。本発明の女性用排尿補助パッドは、環状の弾性体の開口に女性の排尿部が位置するように、吸収性物品のトップシートに取り付けて使用する。吸収性物品に取り付けられた補助パッドは、尿の堰として作用するため、尿がトップシート上を広がりにくくなる。その結果、尿が環状の弾性体により形成される開口内の領域で吸収されやすくなり、横漏れが起こりにくくなる。
【0016】
弾性体としては、一般的な吸収性物品の取り扱い条件で、弾性変形可能な部材であることが好ましい。また、弾性体は、吸収性物品に取り付けたときに、吸収性物品の捻れや曲げに対して追従可能な部材であることが好ましい。弾性体としては、例えば、発泡ウレタン、発泡ゴム、発泡ポリエステル等の発泡ポリマー;天然ゴム;ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等の合成ゴム;木綿、海綿、パルプ繊維、合成繊維等の繊維の集合体である繊維塊等を用いることができる。前記繊維塊には、吸水性樹脂が含まれていてもよい。弾性体としては、クッション性に優れるものとして、発泡ポリマーまたは繊維塊を用いることが好ましい。
【0017】
弾性体の形状は環状であれば特に限定されない。具体的には、円形、楕円形、四角形、ひょうたん形状、角の丸まった四角形等が挙げられる。好ましくは、弾性体は一方向に長い形状を有する。つまり、弾性体は、横方向と、横方向より長い縦方向とを有することが好ましい。この場合、弾性体は、縦方向が吸収性物品の前後方向(長手方向)と一致するように、吸収性物品に取り付けられる。なお、吸収性物品の前後方向とは、吸収性物品を着用時、腹側から背中側にかけての方向を意味する。また、吸収性物品と同一面上にあり前後方向と直交する方向を、吸収性物品の横方向と定義付ける。
【0018】
図1に環状の弾性体の例を示す。図1(a)には、略楕円形状の弾性体の例を示し、図1(b)には、ひょうたん形状の弾性体の例を示した。図1を参照しながら、環状の弾性体の好ましい大きさ等について、説明する。
【0019】
環状の弾性体の環は一定範囲の幅(太さ)11を有する。従って、環状の弾性体は内縁と外縁とを有する。環の幅11は、5mm〜50mmの範囲(より好ましくは、10mm〜30mmの範囲)であることが好ましい。環の幅11が5mm以上であれば、女性用排尿補助パッドを吸収性物品に取り付けた際、当該補助パッドにより好適に堰が形成されやすくなる。環の幅11が50mm以下であれば、補助パッドを吸収性物品に取り付けた箇所で、実用上支障を来さない程度に柔軟性が確保される。
【0020】
環状の弾性体の内縁より内側部分、すなわち環状の弾性体の開口は、短径20mm、長径50mmの楕円形(より好ましくは、短径50mm、長径100mmの楕円形)よりも大きい形状を有することが好ましい。環状の弾性体の開口が少なくとも前記楕円形を含む大きさを有していれば、開口に女性の排尿部を配置しやすくなるとともに、補助パッドにより形成された堰から溢れることなく尿を貯めやすくなる。
【0021】
環状の弾性体の外縁は、横方向の長さ12が300mm以下であることが好ましく、250mm以下であることがより好ましい。環状の弾性体の外縁の横方向の長さ12が300mm以下であれば、弾性体の外縁の横方向の長さが吸収性物品の横方向の長さ以下となりやすく、弾性体を吸収性物品のトップシート上に取り付けやすくなる。
【0022】
環状の弾性体の外縁は、縦方向の長さ13が350mm以下であることが好ましく、300mm以下であることがより好ましい。環状の弾性体の外縁の縦方向の長さ13が350mm以下であれば、弾性体が尿に対する堰として機能する適度な大きさを有するようになる。
【0023】
環状の弾性体の形状としては、図1(a)に一例として示されるような略楕円形状であることが好ましい。なお、略楕円形状には、角の丸まった長方形も含まれる。弾性体が略楕円形状であれば、開口に女性の排尿部を配置しやすくなる。また、排尿部を囲んで堰が形成され、吸収性物品による尿の吸収が主に開口内でされやすくなり、横漏れが起こりにくくなる。環状の弾性体が略楕円形状である場合、開口は、横方向の長さ14が50mm以上、250mm以下、縦方向の長さ15が100mm以上、300mm以下であることが好ましい。
【0024】
環状の弾性体の形状としては、図1(b)に一例として示されるようなひょうたん形状であることも好ましい。ひょうたん形状としては、環形状の縦方向の一部が幅狭になっているものであれば、特に限定されない。弾性体がひょうたん形状であれば、ひょうたん形状のくびれ部分が着用者の股間部に位置するように補助パッドを吸収性物品に取り付けることで、補助パッド使用時、補助パッドが歪みにくくなる。従って、補助パッドの着用者へのフィット性が高まり、尿の横漏れが生じにくくなる。
【0025】
環状の弾性体がひょうたん形状である場合、開口は、縦方向の長さ15が100mm以上、300mm以下であることが好ましい。開口の横方向の長さ16は、250mm以下であることが好ましい。なお、ひょうたん形状の場合、開口の横方向の長さ16とは、横方向に最も長い部分の長さを意味する。ひょうたん形状のくびれ部分の横方向の長さ17は50mm以上であることが好ましい。
【0026】
ひょうたん形状の弾性体としては、図1(b)に示すように、くびれ部分を挟んでほぼ同じ大きさを有するものであってもよい。また、図2に示すように、くびれ部分を挟んで一方が大きく他方が小さいひょうたん形状であってもよい。しかしながら、ひょうたん形状としては、後者のものが好ましい。この場合、補助パッドは、くびれ部分を挟んで大きい方の部分が排尿部に位置するように吸収性物品に取り付けて使用することが好ましい。弾性体が図2に示すような形状を有していれば、補助パッドは、フィット性と漏れ防止に優れたものとなる。
【0027】
環状の弾性体は、縦方向両端部が他の部分よりも厚いことが好ましい。弾性体の横方向中央部分は、縦方向両端部のみに存在するため、弾性体の縦方向両端部が他の部分よりも厚ければ、弾性体は横方向中央部の厚みが増す。つまり、環状の弾性体は、縦方向両端部の横方向中央部が、他の部分よりも厚いことが好ましい。環状の弾性体の縦方向両端部が厚ければ、補助パッドを吸収性物品に取り付けて使用する際、補助パッドが着用者の肌に沿って湾曲しても、縦方向両端部において、特に横方向中央部と着用者の肌との間に隙間が生じにくくなり、着用者との密着性が増す。その結果、補助パッドの前後端部からの漏れが生じにくくなる。前記効果は、特に、補助パッドが横方向断面で着用者の肌に沿って湾曲する場合に、有効である。
【0028】
図3には、図1(a)に示した略楕円形状の弾性体の三面図を示す。図3では、弾性体の縦方向両端部が他の部分よりも厚くなっているとともに、横方向中央部が他の部分より厚くなっている。
【0029】
弾性体の大きさに関する上記説明は、後述するように弾性体がシートで被覆されている場合は、シートに被覆された状態での弾性体の大きさや形状を意味する。例えば、弾性体がシートに被覆されることにより、弾性体が圧縮された状態となる場合は、圧縮された状態での弾性体の大きさや形状を意味する。
【0030】
本発明の女性用排尿補助パッドは、環状の弾性体を有するとともに、女性用排尿補助パッドを吸収性物品に取り付けるための固定手段を有する。本発明の女性用排尿補助パッドは、吸収性物品のトップシートに取り付けて使用され、従って、固定手段としては、トップシートに固定可能なものであれば特に限定されない。
【0031】
トップシートは、一般に、液透過性の不織布から構成されるため、固定手段としては、不織布に取り付け可能な部材を用いることが好ましい。具体的には、固定手段としては、粘着剤(例えば、粘着テープ、粘着剤層等)やフック部材(例えば、錨形や鉤形やきのこ型等の形状のフックを有する部材)等を採用すればよい。
【0032】
固定手段として粘着剤を用いる場合は、補助パッドと吸収性物品のトップシートとの密着性が高まり、補助パッドが堰となって尿がトップシート上を広がりにくくなる。従って、尿の横漏れが効果的に防止される。
【0033】
固定手段としてフック部材を用いる場合は、補助パッドが吸収性物品に対し着脱可能となり、補助パッドの吸収性物品への取付位置の調整が自在となる。
【0034】
固定手段は、環状の弾性体の一方の面に、直接的または間接的に取り付けられる。後述するように、弾性体がシートで被覆されている場合は、固定手段はシートに取り付ければよい。固定手段は、弾性体の一方の面の全体に設けられてもよく、部分的に設けられてもよい。
【0035】
本発明の女性用排尿補助パッドは、弾性体が、液不透過性または撥水性シート(以下、「被覆シート」と称する場合がある)で被覆されていることが好ましい。補助パッドは、吸収性物品に取り付けて使用する際、着用者の肌と頻繁に触れる。しかし、補助パッドの着用者に触れる部分が、親水性材料あるいは液体を保持可能な材料で構成される場合、着用者は補助パッドの触れる部分で濡れた感触を覚え、着用感が悪化しやすくなるとともに、当該部分で肌が湿潤状態に置かれることにより、肌がダメージを受けるおそれがある。このような観点から、弾性体は、液不透過性または撥水性シートで被覆されていることが好ましい。弾性体が液不透過性または撥水性シートで被覆されていれば、補助パッドの着用感が向上し、着用者が肌にダメージを受けにくくなる。
【0036】
液不透過性または撥水性シートとしては、不織布、プラスチックフィルム、プラスチックフィルムと不織布との積層体等を用いればよい。液不透過性または撥水性の不織布としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布を用いることができる。着用者の肌触りが良好となる点を考慮すると、被覆シートとしては、液不透過性または撥水性の不織布を用いることが好ましい。
【0037】
弾性体は、1枚の被覆シートで被覆されていてもよく、2枚以上の被覆シートに挟まれることにより、被覆されていてもよい。いずれの場合であっても、弾性体は、被覆シートにより、全表面が被覆されていることが好ましい。
【0038】
弾性体と被覆シートとの好ましい組み合わせは、弾性体として発泡ポリマーまたは繊維塊を用い、被覆シートとして液不透過性または撥水性の不織布を用いる組み合わせである。このような組み合わせで補助パッドが構成されていれば、クッション性と肌触りに優れ、尿の堰止め効果の高い補助パッドが得られる。
【0039】
本発明の女性用排尿補助パッドの一実施態様を、図4を用いて説明する。図4(a)は、本発明の女性用排尿補助パッドの平面図を表す。図4(b)は図4(a)の補助パッドのA−A断面図を表す。なお、本発明は、下記実施態様に限定されるものではない。
【0040】
女性用排尿補助パッド1は、環状の弾性体2と被覆シート3と固定手段4とを有する。弾性体2は、略楕円形状を有している。被覆シート3は、液不透過性または撥水性であり、弾性体2が2枚の被覆シート3に挟まれて被覆されている。固定手段4は、補助パッド1の一方の面の被覆シート3に取り付けられている。
【0041】
補助パッド1は、固定手段4により吸収性物品の女性の排尿部が面する位置に取り付けられる。補助パッド1が取り付けられた吸収性物品は、環状の弾性体2により形成される開口5に尿が貯められ、尿の横漏れが防止される。
【0042】
次に、本発明の女性用排尿補助パッドが取り付けられた吸収性物品について説明する。本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性コアとを有し、本発明の女性用排尿補助パッドが、トップシートの女性の排尿部が面する位置に取り付けられている。
【0043】
トップシートは、液透過性のシート材料であることが好ましい。例えば、セルロース、レーヨン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布であって、当該疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。
【0044】
バックシートは、液透過性または液不透過性のシート材料であることが好ましい。例えば、吸収性物品が尿パッドである場合、バックシートは液透過性であってもよい。液透過性のシート材料としては、トップシートで使用可能な材料を用いればよい。液不透過性のシート材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
【0045】
吸収性コアは、トップシートとバックシートの間に設けられ、尿等の排泄物を吸収できるものであれば特に限定されない。吸収性コアとしては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは吸収性材料を紙シート(例えば、ティッシュペーパー)や液透過性不織布シート等で覆ったものを用いることができる。吸収性コアに含まれる吸収性材料としては、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。吸収性材料としては、少なくとも吸水性樹脂を含んでいることが好ましい。また、吸収性材料として、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いてもよい。
【0046】
本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性コアとを有し、本発明の女性用排尿補助パッドが、トップシートの女性の排尿部が面する位置に取り付けられている限り、吸収性物品の具体的態様は特に限定されない。吸収性物品としては、例えば、使い捨ておむつ、尿パッド、失禁パッド、生理用ナプキン等が挙げられる。
【0047】
吸収性物品が、尿パッド、失禁パッド、生理用ナプキンである場合、これらの形状としては、略長方形、砂時計型、ひょうたん型等が示される。
【0048】
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは左右に一対の止着部材が設けられ、当該止着部材により着用時にパンツ型に形成するオープン型使い捨ておむつであったり、前腹部と後背部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつであってもよい。なお、前腹部、後背部、股部とは、使い捨ておむつを着用の際に、着用者の腹側に当てる部分を前腹部と称し、着用者の尻側に当てる部分を後背部と称し、前腹部と後背部との間に位置し着用者の股間に当てる部分を股部と称する。
【0049】
吸収性物品が、パンツ型使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、例えば、パンツ型に形成された外装部材の股部に、トップシートとバックシートと吸収性コアとを有する吸収性本体が備えられていてもよい。また、使い捨ておむつは、例えば、トップシートとバックシートとの間に吸収性コアが配された積層体からなり、この積層体がパンツ型に形成されていてもよい。
【0050】
本発明の吸収性物品は、トップシートの女性の排尿部が面する位置に補助パッドが取り付けられているため、排尿部周りのフィット性が高まるとともに、補助パッドが尿の堰として作用し、尿の横漏れが起こりにくくなる。
【0051】
補助パッドに固定手段としてフック部材が取り付けられていれば、本発明の吸収性物品は、一旦補助パッドがトップシートに取り付けられても、補助パッドは着脱自在に取り扱えるようになる。従って、着用者の体型や吸収性物品の形状に合わせて、補助パッドの取付位置をいつでも自在に調整でき、吸収性物品の補助パッドのフィット性が高まる。
【0052】
補助パッドが吸収性物品に取り付けられた場合、補助パッドは着用者の肌へ頻繁に接触することとなる。このとき、補助パッドが液不透過性または撥水性シートで被覆されていれば、吸収性物品の着用者は補助パッドの部分で濡れた感触を覚えにくくなり、装着感が向上する。また、女性の排尿部が補助パッドに囲まれることにより保護され、トップシートに強く押し当てられにくくなるので、着用者はトップシートの濡れ感を覚えにくくなる。
【0053】
補助パッドの弾性体が、縦方向両端部が他の部分よりも厚ければ、吸収性物品は、補助パッドが取り付けられた部分での着用者との密着性が増し、補助パッドの前後端部からの漏れが生じにくくなる。
【符号の説明】
【0054】
1: 女性用排尿補助パッド
2: 弾性体
3: 被覆シート(液不透過性または撥水性シート)
4: 固定手段
5: 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の弾性体を有する女性用排尿補助パッドであって、
前記女性用排尿補助パッドを吸収性物品に取り付けるための固定手段を有することを特徴とする女性用排尿補助パッド。
【請求項2】
前記弾性体は、液不透過性または撥水性シートで被覆されている請求項1に記載の女性用排尿補助パッド。
【請求項3】
前記環状の弾性体は、横方向と、横方向より長い縦方向とを有し、
前記弾性体は、縦方向両端部が他の部分よりも厚い請求項1または2に記載の女性用排尿補助パッド。
【請求項4】
前記弾性体は、略楕円形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の女性用排尿補助パッド。
【請求項5】
前記弾性体は、ひょうたん形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の女性用排尿補助パッド。
【請求項6】
トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性コアとを有する吸収性物品であって、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の女性用排尿補助パッドが、前記トップシートの女性の排尿部が面する位置に取り付けられていることを特徴とする吸収性物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−67407(P2011−67407A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221106(P2009−221106)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】