媒体供給装置および画像形成装置
【課題】媒体を吸着して搬送する際に、小さな媒体でも効率的に吸着可能とすること。
【解決手段】媒体(S)が積載される積載部材(11)に対向して配置され且つ前記媒体の搬送方向に沿って移動可能に支持された保持部材本体(23)と、保持部材本体(23)に形成された気体吸引用の開口(31)と、開口(31)を囲むように配置された囲み部材と、を有し、媒体(S)を吸着して保持する保持部材(22)と、媒体(S)の搬送方向および搬送方向に交差する幅方向の少なくとも一方において、媒体(S)の長さが囲み部材(36)の長さよりも短い場合、囲み部材(36)の端より内側且つ媒体(S)の端側よりも外側に配置された気体吸引用の開口(31b)からの気体の吸引を遮断する遮断手段(62)と、を備えた媒体供給装置(U2)。
【解決手段】媒体(S)が積載される積載部材(11)に対向して配置され且つ前記媒体の搬送方向に沿って移動可能に支持された保持部材本体(23)と、保持部材本体(23)に形成された気体吸引用の開口(31)と、開口(31)を囲むように配置された囲み部材と、を有し、媒体(S)を吸着して保持する保持部材(22)と、媒体(S)の搬送方向および搬送方向に交差する幅方向の少なくとも一方において、媒体(S)の長さが囲み部材(36)の長さよりも短い場合、囲み部材(36)の端より内側且つ媒体(S)の端側よりも外側に配置された気体吸引用の開口(31b)からの気体の吸引を遮断する遮断手段(62)と、を備えた媒体供給装置(U2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体供給装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置において、媒体を吸引して搬送する媒体供給装置に関して、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2002−19978号公報には、用紙給送装置プレナム(58)に形成された小開口(124)から排気を行うことで、プレナム(58)の周囲に吊り下げられた状態で配置された封止機構(300)の下端に用紙が吸着、捕捉され、用紙の捕捉によって封止された封止機構(300)の内部がさらに排気されることで、吊り下げられた封止機構(300)が用紙と共に上昇し、駆動装置(600)によりプレナム(58)が下流側に移動することで、給送ローラ(55)に用紙が受け渡されて下流側に搬送される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−19978号公報(「0023」〜「0029」、図2〜図5、図16,図17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体を吸着して搬送する際に、小さな媒体でも効率的に吸着可能とすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の媒体供給装置は、
媒体が収容される収容容器と、
前記収容容器の内部に支持されて、表面に媒体が積載される積載部材と、
前記積載部材に対向して配置され且つ前記媒体の搬送方向に沿って移動可能に支持された保持部材本体と、前記保持部材本体に形成された気体吸引用の開口と、前記保持部材本体から前記積載部材側に延び且つ前記開口を囲むように配置された囲み部材と、前記囲み部材の内部に形成され且つ前記囲み部材により周囲を囲まれた空間と、前記気体吸引用の開口に接続されて気体を吸引する吸引装置と、を有し、前記吸引装置の吸引に伴って前記囲み部材の前記積載部材側の一端に媒体を吸着して保持する保持部材と、
前記保持部材に対して前記媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記保持部材に吸着された媒体を下流側に向けて搬送する搬送部材と、
前記媒体の搬送方向および搬送方向に交差する幅方向の少なくとも一方において、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合、前記囲み部材の端より内側且つ前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の媒体供給装置において、
前記気体吸引用の開口を開放または閉塞する開閉部材により構成され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記媒体の端よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を塞ぐことで、気体の吸引を遮断する前記遮断手段、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の媒体供給装置において、
前記保持部材本体に支持され、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を閉塞する閉塞位置と、前記気体吸引用の開口を開放する開放位置と、の間で移動可能に支持され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記端揃え部材の接触面が前記囲み部材の内側に位置する場合に、前記閉塞位置に移動して、前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を塞いで、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の媒体供給装置において、
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動可能に支持された遮断部材本体と、前記遮断部材本体に支持された被連動部と、前記遮断部材本体を前記開放位置側に付勢する付勢部材と、を有する前記遮断部材と、
前記被連動部に対応する位置に配置され且つ前記端揃え部材に支持されて、前記被連動部に接触した場合に前記遮断部材本体を前記開放位置から前記閉塞位置に移動させる連動部であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部に接触可能、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部から離間する位置に配置された前記連動部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の媒体供給装置において、
前記媒体の供給を行う場合に、前記保持部材に対して接近した接近位置に移動して、媒体を前記囲み部材に近接させる前記積載部材と、
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記保持部材に対して接近、離間する方向に移動可能に前記端揃え部材に支持され、且つ、前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体に前記端接触部材の接触面が接触した場合に前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口に対応する位置に配置された遮断部材であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材から離間し、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材に係合して、前記積載部材の前記接近位置への移動に連動して移動し、前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を遮断して、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の媒体供給装置において、
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも内側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第1の流路と、
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第2の流路と、
媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記第2の流路を閉塞することで、前記端揃え部材よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の媒体供給装置において、
前記収容容器に収容可能な最小の大きさの媒体に対して、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも外側に配置された第1の囲み部材と、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも内側に配置された第2の囲み部材と、を有する前記囲み部材と、
前記第1の囲み部材と前記第2の囲み部材との間に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体供給装置、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、8記載の発明によれば、遮断手段を有しない場合に比べて、媒体を吸着して搬送する際に、小さな媒体でも効率的に吸着することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体の端よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を塞いで、気体の吸引を遮断することができる。
請求項3に記載の発明によれば、保持部材本体に支持された遮断部材を閉塞位置に移動させて、気体の吸引を遮断することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、媒体の長さが囲み部材の長さよりも短い場合に、連動部材が支持された端揃え部材を媒体に接触する位置に移動させて、遮断部材を閉塞位置に移動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、媒体の長さが囲み部材の長さよりも短い場合に、積載部材の移動に応じて気体吸引用の開口を遮断することができる。
請求項6に記載の発明によれば、媒体の長さが囲み部材の長さよりも短い場合に、第2の流路を遮断して、端揃え部材よりも外側に配置された気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断できる。
請求項7に記載の発明によれば、第2の囲み部材を有しない場合に比べて、第2の囲み部材の内側の空間を封止しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の給紙トレイの要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の給紙トレイの平面図である。
【図4】図4は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、図4Aは正面図、図4Bは平面図である。
【図5】図5は実施例1の吸着ヘッドを斜め下方から見た斜視図である。
【図6】図6は図4BのVI−VI線断面図である。
【図7】図7は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、最小の大きさの媒体が収容された状態における平面図である。
【図8】図8は実施例1の遮断手段の説明図であり、図8Aは遮断手段が取り外された状態の説明図、図8Bは遮断手段が装着された状態の説明図である。
【図9】図9は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図9Aは画像形成動作が開始される前の積載プレートが下降位置に移動した状態の給紙トレイの説明図、図9Bは画像形成動作が開始されて積載プレートが上昇位置に移動した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図10Aは図9Bに示す状態から媒体が吸着されると共に媒体分離用のエアが吹き付けられた状態の説明図、図10Bは図10Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置から供給位置に移動した状態の説明図である。
【図11】図11は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図11Aは図10Bに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に向けて移動を開始した状態の説明図、図11Bは図11Aに示す状態から吸着ヘッドがさらに移動して吸着位置に到達した状態の説明図である。
【図12】図12は実施例2の給紙トレイの説明図であり、図12Aは大サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの状態の説明図、図12Bは小サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの説明図である。
【図13】図13は実施例2のサイドガイドの分解説明図である。
【図14】図14は実施例3の給紙装置の前面部分の説明図である。
【図15】図15は実施例3の遮断手段の要部説明図である。
【図16】図16は実施例3の作用説明図であり、図16Aは遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態から遮断部材が閉塞位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bに示す状態から遮断部材を開放位置に向けて移動を開始させる状態の説明図、図16Dは図16Cに示す状態から遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図である。
【図17】図17は実施例4の遮断手段の要部説明図である。
【図18】図18は実施例5の遮断手段の要部説明図である。
【図19】図19は実施例5の遮断手段の作用説明図であり、図19Aは吸着ヘッドが吸着位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図である。
【図20】図20は実施例5の作用説明図であり、図20Aは吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が閉塞位置に移動した状態の説明図、図20Bは図20Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に移動した状態の説明図である。
【図21】図21は実施例5の作用説明図であり、図21Aは吸着ヘッドが図20Bに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図、図21Bは図21Aに示す状態から吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図である。
【図22】図22は実施例6の遮断手段の要部説明図である。
【図23】図23は実施例7の遮断手段の要部説明図である。
【図24】図24は実施例7の気体の流路の説明図であり、図24Aは要部断面図、図24Bは弁が開いた状態の説明図、図24Cは弁が閉じた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像情報の入力装置の一例としてのイメージスキャナU1、媒体供給装置の一例としての給紙装置U2、画像形成装置本体U3、および用紙処理装置U4を有している。
【0019】
前記ユーザインタフェースUIは、入力部の一例としてのコピースタートキー、コピー枚数設定キー、テンキー等の入力キーや表示部UI1を有している。
前記イメージスキャナU1は、原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置および画像読取装置の一例としてのスキャナ本体等により構成されている。図1において、イメージスキャナU1では、図示しない原稿を読取って画像情報に変換し、画像形成装置本体U3に入力する。
給紙装置U2は、収容容器の一例であって、給紙部の一例としての複数の給紙トレイTR1、TR2と、前記各給紙トレイTR1、TR2から送り出された媒体の一例としての記録用紙Sを画像形成装置本体U3に搬送する搬送路の一例としての給紙路SH1等を有している。
【0020】
図1において、画像形成装置本体U3は、前記給紙装置U2から搬送された記録用紙Sに画像記録を行う画像記録部、現像剤の補給部の一例としてのトナーディスペンサー装置U3a、および用紙搬送路SH2、用紙排出路SH3、用紙反転路SH4、用紙循環路SH6等を有している。なお、前記画像記録部については後述する。
また、画像形成装置本体U3は、制御部C、および、前記制御部Cにより制御される潜像書込用の駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路D、前記制御部Cにより制御される電源回路E等を有している。制御部Cにより作動を制御されるレーザ駆動回路Dは、前記イメージ入力装置U1から入力されたY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像情報に応じたレーザ駆動信号を予め設定された時期に、各色の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。
【0021】
図1において、黒の像保持体ユニットUKは、像保持体の一例としての感光体ドラムPk、帯電器CCk、および像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLkを有している。また、他の色Y,M,Cの像保持体ユニットUY,UM,UCも、感光体ドラムPy,Pm,Pc、放電器の一例としての帯電器CCy,CCm,CCc、感光体クリーナCLy,CLm,CLcを有している。なお、実施例1では、使用頻度の高く表面の磨耗が多いK色の感光体ドラムPkは、他の色の感光体ドラムPy,Pm,Pcに比べて大径に構成され、高速回転対応および長寿命化がされている。
前記各像保持体ユニットUY,UM,UC,UKと現像ロールR0を有する現像器GY,GM,GC,GKとによりトナー像形成部材UY+GY,UM+GM,UC+GC,UK+GKが構成されている。
【0022】
図1において、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkは、それぞれ帯電器CCy,CCm,CCc,CCkにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkによりその表面に静電潜像が形成される。前記感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像は、現像器GY,GM,GC,GKにより、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の色の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0023】
感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面上のトナー像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像、いわゆる、カラー画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラー画像は、画像記録領域の一例としての2次転写領域Q4に搬送される。
なお、黒画像データのみの場合はK:黒の感光体ドラムPkおよび現像器GKのみが使用され、黒のトナー像のみが形成される。
1次転写後、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。
【0024】
像保持体ユニットUY〜UKの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体の支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aと、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有している。ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを有する。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0025】
前記バックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtの二次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに離隔および接触可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、前記バックアップロールT2aには電圧印加用接触部材の一例としてのコンタクトロールT2cが当接しており、前記ロールT2a〜T2cにより2次転写器T2が構成されている。
前記コンタクトロールT2cには制御部Cにより制御される電源回路から、予め設定された時期に、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
【0026】
前記ベルトモジュールBM下方には用紙搬送路SH2が配置されている。前記給紙装置U2の給紙路SH1から給紙された記録用紙Sは、複数の媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、用紙搬送路SH2に搬送され、送出時期の調節部材の一例としてのレジロールRrにより、トナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、媒体案内部材SGr、転写前の媒体案内部材SG1を通って2次転写領域Q4に送り出される。 前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録用紙Sに転写される。なお、フルカラー画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
【0027】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃、すなわち、クリーニングされる。なお、前記2次転写ロールT2Bは、中間転写ベルトBに対して離隔および接触可能に支持されている。
前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1k、中間転写ベルトB、二次転写器T2、ベルトクリーナCLB等により、感光体ドラムPy〜Pk表面の画像を記録用紙Sに転写する転写装置T1+B+T2+CLBが構成されている。
前記感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk、前記現像器GY,GM,GC,GK、前記転写装置T1+B+T2+CLB等により、実施例1の画像記録装置の一例としてのプリンタ部U3bが構成されている。
【0028】
トナー像が2次転写された前記記録用紙Sは、転写後の媒体案内部材SG2、定着前の媒体搬送部材の一例としての用紙搬送ベルトBHを通って定着装置Fに搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが圧接する領域により定着領域Q5が形成されている。
前記記録用紙S上のトナー像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。前記定着装置Fの下流側には搬送路の切替部材の一例としての第1ゲートGT1が設けられている。前記第1ゲートGT1は用紙搬送路SH2を搬送されて定着領域Q5で加熱定着された記録用紙Sを、用紙処理装置U4の用紙排出路SH3または用紙反転路SH4に選択的に切り替える。前記用紙排出路SH3に搬送された用紙Sは、用紙処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。
【0029】
用紙搬送路SH5の途中には、湾曲補正装置の一例としてのカール補正装置U4aが配置されており、前記用紙搬送路SH5には搬送路の切替部材の一例としてのカール切替ゲートG4が配置されている。前記カール切替ゲートG4は、前記画像形成装置本体U3の用紙搬送路SH3から搬送された記録用紙Sを、湾曲、いわゆる、カールの方向に応じて、第1カール補正部材h1または第2カール補正部材h2の側に搬送する。前記第1カール補正部材h1または第2カール補正部材h2に搬送された記録用紙Sは、通過時にカールが補正される。カールが補正された記録用紙Sは、排出部材の一例としての排出ロールRhから用紙処理装置U4の排出部の一例としての排出トレイTH1に用紙の画像定着面が上向きの状態、いわゆる、フェイスアップ状態で排出される。
【0030】
前記第1ゲートGT1により画像形成装置本体U3の前記用紙反転路SH4側に搬送された用紙Sは、弾性薄膜状の部材により構成された搬送方向の規制部材の一例としての第2ゲートGT2を押しのける形で通過して、画像形成装置本体U3の前記用紙反転路SH4に搬送される。
前記画像形成装置本体U3の用紙反転路SH4の下流端には、用紙循環路SH6および用紙反転路SH7が接続されており、その接続部にも、搬送方向の規制部材の一例としての第3ゲートGT3が配置されている。前記第1ゲートGT1を通って用紙搬送路SH4に搬送された用紙は、前記第3ゲートGT3を通過して前記用紙処理装置U4の用紙反転路SH7側に搬送される。両面印刷を行う場合には、用紙反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sは、前記第3ゲートGT3をそのまま一旦通過して、用紙反転路SH7に搬送された後、逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックさせられると、第3ゲートGT3により搬送方向が規制され、スイッチバックした記録用紙Sが用紙循環路SH6側に搬送される。前記用紙循環路SH6に搬送された記録用紙Sは前記給紙路SH1を通って前記2次転写領域Q4に再送される。
【0031】
一方、用紙反転路SH4を搬送される記録用紙Sを、記録用紙Sの媒体搬送方向後端が第2ゲートGT2を通過後、第3ゲートGT3を通過する前に、スイッチバックすると、第2ゲートGT2により記録用紙Sの搬送方向が規制され、記録用紙Sは表裏が反転された状態で用紙搬送路SH5に搬送される。表裏が反転された記録用紙Sは、カール補正部材U4aによりカールが補正された後、前記用紙処理装置U4の用紙排出トレイTH1に、用紙Sの画像定着面が下向きの状態、いわゆる、フェイスダウン状態で排出することができる。
前記符号SH1〜SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,V,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH、GT1〜GT3等で示された要素により媒体搬送系SUが構成されている。
【0032】
(給紙トレイTR1〜TR4の説明)
図2は実施例1の給紙トレイの要部拡大図である。
ここで、実施例1の前記各給紙トレイTR1、TR2については、第2給紙トレイTR2についてのみ詳細に説明し、その他の前記各給紙トレイTR1については、前記第2給紙トレイTR2と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0033】
図2において、前記第2給紙トレイTR2の左右両端の外方にはそれぞれ、前後方向、すなわち、X軸方向に延びる案内部材の一例としてのレール1が配置されている。前記レール1の下面下側にはそれぞれ回転部材の一例としてのローラ2が回転可能に支持されている。前記ローラ2の上部は、レール1の下面に形成された孔からレール1の上方に突出している。
また、前記各給紙トレイTR1、TR2の左右両側の下部にはそれぞれ、外方に膨出する被案内部材の一例としての被ガイドレール3が前後に延びて設けられており、前記被ガイドレール3は前記レール1下面の前記ローラ2上面に支持されている。したがって、前記第2給紙トレイTR2は、前記左右の各レール1に沿って前後方向に出入可能に構成されている。すなわち、前記第2給紙トレイTR2は、前記給紙装置U2から引出された引出位置と、前記給紙装置U2に挿入された挿入位置との間で移動可能に構成されている。
【0034】
図3は実施例1の給紙トレイの平面図である。
図2、図3において、第2給紙トレイTR2は、底板4と、底板4の前後左右を囲むように上方に延びる前壁6、後壁7、左壁8および右壁9と、を有する。図3において、前記第2給紙トレイTR2の底板4の左部には、第1の案内部の一例として、左右方向に延びる溝状のエンドガイド溝4aが形成されており、底板4の右部には、第2の案内部の一例として、前後方向に延びる溝状のサイドガイド溝4bが形成されている。図2、図3において、前記右壁9の上端部には、上方に行くほど右方に傾斜する傾斜部9aが形成されており、傾斜部9aは送り出される記録用紙Sを搬送ロールRaに案内する。
【0035】
前記底板4の上面には、積載部材の一例として、記録用紙Sが積載される平板状の積載プレート11が配置されている。前記積載プレート11には、前記エンドガイド溝4aに対応して、左方から中央部に向けて延びる左開口11aと、サイドガイド溝4bに対応して前後両端から中央部に向けて延びる前開口11bおよび後開口11cと、が形成されている。実施例1の積載プレート11は、図示しない線状部材の一例としてのワイヤを用いた昇降機構により、上昇および下降可能に構成されている。すなわち、積載プレート11は、下降して記録用紙Sを積載可能な下降位置と、記録用紙Sを送り出すために上昇させる上昇位置との間で昇降可能に構成されている。なお、ワイヤを利用した記録用紙Sの昇降機構は、例えば、特開2010−143658号公報や特開2010−149982号公報等に記載されているように従来公知であり、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
前記エンドガイド溝4aには、第1の端揃え部材の一例としてのエンドガイド12がエンドガイド溝4aに沿って左右方向に移動可能に支持されている。前記エンドガイド12は、移動部の一例として、底板4に沿った平板状のスライド部12aと、揃え部本体の一例として、スライド部12aの左端から上方に延びるエンドガイド本体12bとを有し、前方から見た場合に略L字形状に形成されている。前記エンドガイド本体12bの右側面には、積載プレート11上に積載される記録用紙Sの端縁である左端に接触可能な接触面12cが形成されており、記録用紙Sの左端が接触すると、記録用紙Sの束の左端が揃えられる。
【0037】
前記サイドガイド溝4bには、第2の端揃え部材の一例として、前後一対のサイドガイド13が、サイドガイド溝4bに沿って前後方向に移動可能に支持されている。各サイドガイド13は、エンドガイド12と同様に、スライド部13aと、サイドガイド本体13bとを有し、サイドガイド本体13bの内側面には、記録用紙Sの前後の端縁に接触可能な接触面13cが形成されている。
なお、一対のサイドガイド13は、図示しない歯車の一例としてのピニオンギアと平板に歯車が形成されたラックとにより、互いに接近、離間する方向に連動して移動可能に構成されている。なお、ピニオンギアやラックギアにより互いに接近、離間する方向に連動して移動する構成は、例えば、特開2007−106567号公報や特開2010−24057号公報等に記載されており、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
したがって、サイドガイド13が互いに接近、離間する方向に移動して、記録用紙Sの端縁に接触すると、記録用紙Sの束の前後両端が揃えられる。
【0038】
図4は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、図4Aは正面図、図4Bは平面図である。
図5は実施例1の吸着ヘッドを斜め下方から見た斜視図である。
図6は図4BのVI−VI線断面図である。
図2、図4〜図6において、前記第2給紙トレイTR2の上方には、媒体の取出部材の一例としてのシート取出装置21が配置されている。前記シート取出装置21は、保持部材の一例として、積載プレート11上の記録用紙Sを吸着して保持可能な吸着ヘッド22を有する。前記吸着ヘッド22は、保持部材本体の一例として箱形のヘッド本体23を有する。前記ヘッド本体23は、平板状の底板部24と、底板部24の前後左右から上下方向に延びる側壁26,27,28,29とを有する。
【0039】
図7は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、最小の大きさの媒体が収容された状態における平面図である。
前記底板部24には、気体吸引用の開口の一例として、上下方向に貫通する吸気口31が複数形成されている。前記吸気口31は、第1の吸気口の一例として、ヘッド本体23の中央部に配置された内吸気口31aと、第2の吸気口の一例として、ヘッド本体23の前後方向外側に配置された外吸気口31bと、を有する。図7において、実施例1の内吸気口31aは、画像形成装置Uで使用可能な最小の媒体の一例としての葉書S1の前後方向の幅の内側に収まるように配置されており、外吸気口31bは、葉書S1の前後方向の幅の外側に配置されている。
【0040】
図8は実施例1の遮断手段の説明図であり、図8Aは遮断手段が取り外された状態の説明図、図8Bは遮断手段が装着された状態の説明図である。
前記底板部24の下面の右部には、湾曲付与部の一例として、右方に行くほど下方に傾斜すると共に前後方向中央部に行くほど左方に傾斜する傾斜面32が形成されている。また、底板部24の下面の前後両端部には、湾曲付与部の一例として、下方に延びる板状のリブ33が間隔をあけて複数形成されている。
図4A、図6、図8において、前記各側壁26〜29の外表面には、第1の囲み支持部材の一例として、外方に突出する外側ピン34が複数支持されている。また、図8において、底壁部24の上面には、前記内吸気口31aと外吸気口31bとの間の位置に、上方に延びる支持壁35が支持されており、支持壁35には、第2の囲み支持部材の一例として、内側に突出する内側ピン35aが複数支持されている。
【0041】
図4A、図5、図6において、ヘッド本体23の外表面には、囲み部材の一例として、下方に延びる板状の封止スカート36が配置されている。実施例1の封止スカート36は、第1の囲み部材の一例として、前記外側ピン34に支持されて、ヘッド本体23の外周を囲むように配置された前後左右の4つの外スカート36aと、第2の囲み部材の一例として、内側ピン35aに支持されて、ヘッド本体23の左右方向の一端側から他端側まで延びる前後一対の内スカート36bと、を有する。
なお、実施例1では、葉書S1の媒体搬送方向の長さL1に対して、吸着ヘッド22の外スカート36aの搬送方向の長さLaの方が短く設定されている。また、葉書S1の幅方向の長さL2に対して、吸着ヘッド22の外スカート36aの幅方向の長さLbの方が長く設定されている。すなわち、実施例1では、L1>La、且つ、L2<Lbに設定されている。したがって、実施例1の外スカート36aは、葉書S1の幅方向の外端よりも外側に配置されると共に、内スカート36bは、葉書S1の幅方向の外端よりも内側に配置される。
【0042】
前記各封止スカート36a,36bには、ピン34,35aに対応する位置に、上下方向に延びる長孔36cが形成されており、長孔36cには、ピン34,35aが貫通した状態で支持されている。したがって、実施例1の封止スカート36は、ヘッド本体23に対して、上下方向、すなわち、積載プレート11や積載された記録用紙Sに対して接近、離間する方向に移動可能に支持されている。
したがって、前記封止スカート36や側壁26〜29により囲まれた内側に、吸気口31が配置されており、前記封止スカート36や底板部24の下面、側壁26〜29により囲まれた空間によって、実施例1の吸気空間37が構成されている。なお、実施例1の吸気空間37は、内スカート36bで内側と外側とがほぼ仕切られた構成となっており、第1の空間の一例として、内スカート36bの内側で封止スカート36に囲まれた内側吸気空間37aと、第2の空間の一例として、内スカート36bと外スカート36aとで囲まれた外側吸気空間37bと、を有する。
【0043】
ヘッド本体23の上部には、覆い部材の一例として、蓋状のカバー部39が支持されている。カバー部39は、底板部24および側壁26〜29で囲まれた空間の上方を塞ぐ板状の上板部39aと、上板部39aの前後左右から下方に延びる側板部39b,39c,39d,39eとを有する。図4B、図5において、前側の側板部39bの右部には、接続部の一例として、前方に延びる排気ダクト39fが形成されている。前記排気ダクト39fには、可撓性部材の一例としての蛇腹40の一端が接続されており、蛇腹40の他端には、吸引装置の一例としての排気ファンHFが接続されている。
したがって、前記前側の側壁26に形成された開口の一例としての排気口26aや排気ダクト39f、蛇腹40を介して、排気ファンHFが吸気口31に接続されており、排気ファンHFが作動すると、吸気口31から吸気空間37内の気体、空気が排気される。
前記符号23〜39を付した部材等により、実施例1の吸着ヘッド22が構成されている。
【0044】
図4〜図6において、前記カバー部39の右側部39eには、前端支持部の一例として、右方に延びる板状のシート前端ガイド39gが支持されている。実施例1のシート前端ガイド39gは、前後方向に間隔をあけて配置された搬送ロールRaの間を通過できるように、前後方向の長さが設定されている。
なお、実施例1の搬送ロールRaは、ヘッド本体23の前後方向の外端よりも内側に、少なくともローラの一部が差し掛かるように配置されており、搬送ロールRaの内端どうしの間隔が、最小サイズの記録用紙Sの幅よりも狭い間隔に設定されている。したがって、最小サイズの記録用紙Sを供給する場合でも、搬送ロールRaが記録用紙Sを挟んで下流側に搬送可能となっている。
【0045】
前記カバー部39の上面には、被案内部の一例としてのシャフトガイド部41が支持されている。前記シャフトガイド部41は、案内部材の一例として、給紙装置U2の本体に支持され且つ媒体の搬送方向である左右方向に沿って延びるガイドシャフト42が貫通した状態で支持されている。実施例1のシャフトガイド部41は、軸受け部材の一例としてのリニアボールベアリング43を介して、ガイドシャフト42に沿って左右方向に移動可能且つ回転不能な状態で支持されている。
前記シャフトガイド部41の上面には、連結部材の一例としてのワイヤ固定部44が支持されている。前記ワイヤ固定部44には、線材の一例としてのワイヤ46が固定支持されている。前記ワイヤ46は、支持部材の一例として、ワイヤ固定部44の左右に配置された一対のプーリ47や駆動プーリ48、従動プーリ49に張架されており、駆動プーリ48には、駆動源の一例としての正逆回転可能なモータM1から回転が伝達される。したがって、モータM1の正逆回転に伴って、ワイヤ46が図4Bにおいて時計回りまたは反時計回りに回転し、吸着ヘッド22が、ガイドシャフト42に沿って左右方向に移動可能に構成されている。
【0046】
図2において、前記吸着ヘッド22と搬送ロールRaとの間には、媒体分離装置の一例として、吸着ヘッド22に対して下方から媒体分離用のエアを吹き付けるエア吹き付け装置50が配置されている。なお、エアを吹き付けて媒体を分離する構成に関しては、例えば、特開平11−89625号公報や特開2008−94603号公報、特開2005−194027号公報等に記載されており、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
前記ワイヤ46やプーリ47〜49、モータM1等により、保持部材の駆動装置の一例として、実施例1のヘッド駆動装置46〜49+M1が構成されている。また、前記吸着ヘッド22や、蛇腹40,排気ファンHF、ヘッド駆動装置46〜49+M1、エア吹き付け装置50等により実施例1のシート取出装置21が構成されている。
【0047】
図4において、実施例1の画像形成装置Uの制御部Cは、給紙装置U2を制御する給紙制御手段C1を有する。給紙制御手段C1は、搬送制御手段の一例としてのヘッド駆動手段C11と、吸着制御手段の一例としてのファン制御手段C12と、捌き制御手段の一例としての吹付制御手段C13とを有する。
前記ヘッド駆動手段C11は、供給制御手段C11Aを有し、モータM1の正逆回転を制御して、吸着ヘッド22の駆動、位置を制御する。
前記供給制御手段C11Aは、記録用紙Sの供給動作時に、記録用紙Sの供給時期に基づいて、モータM1を正回転または逆回転させて、吸着ヘッド22を吸着位置と供給位置との間で移動させる。
【0048】
ファン制御手段C12は、排気ファンHFを制御して、吸着ヘッド22に記録用紙Sを吸着させる。実施例1のファン制御手段C12は、給紙動作が開始されて、記録用紙Sを吸着する時期になると、排気ファンHFを作動させて、記録用紙Sの吸着を開始し、吸着ヘッド22が供給位置に移動したと判別されると、排気ファンHFの排気を停止する。
吹付制御手段C13は、エア吹き付け装置50を制御して、吸着ヘッド22に吸着された記録用紙Sにエアを吹き付けて、記録用紙Sを分離して、捌く。実施例1の吹付制御手段C13は、ファン制御手段C12が吸引を開始してから、予め設定された吹付開始時間t3が経過した後に、エア吹き付け装置50を作動させてエアの吹付を開始し、吹付開始後、予め設定された吹付時間t4が経過するとエアの吹付を終了する。なお、実施例1では、吹付開始時間t3は、排気ファンHFが作動してから封止スカート36が上端まで上昇するまでの時間が、実験等で予め測定され、設定されており、吹付時間t4は、エアの吹付で十分に記録用紙Sが分離可能な程度の時間が、実験等で予め測定され、設定されている。
【0049】
(遮断手段の説明)
図5において、前記ヘッド本体23の底板部24の前後両端部には、取付部の一例として、左右一対の開口により構成されたシャッタ支持孔61が形成されている。
図5、図8において、実施例1の画像形成装置Uでは、遮断手段の一例であって、遮断部材の一例として、前後一対の板状のシャッタプレート62がヘッド本体23に対して着脱可能に装着される。図5において、前記シャッタプレート62は、遮断部の一例として、ヘッド本体23に装着された場合に、外吸気口31bを閉塞可能な板状のシャッタ本体62aを有する。前記シャッタ本体62aには、リブ33に対応する位置に切欠部62bが形成されている。シャッタ本体62aには、各シャッタ支持孔61に対応する位置に、被取付部の一例として、シャッタ本体62aの上面から上方に延びる左右一対の爪部62cが形成されている。なお、実施例1のシャッタプレート62は、プラスチック等の樹脂材料により一体成形されており、前記爪部62cは、弾性変形可能に構成されている。
【0050】
したがって、シャッタプレート62が、ヘッド本体23に取り付けられる場合、爪部62cがシャッタ支持孔61に挿入されると、爪部62cが一時的に弾性変形する。そして、爪部62cの先端がシャッタ支持孔61を通過すると弾性復元して、シャッタ支持孔61の上縁に引っ掛かった状態となり、シャッタプレート62がヘッド本体23に装着される。前記シャッタプレート62がヘッド本体23から取り外される場合、シャッタプレート62が下方に引っ張られると、爪部62cやシャッタ本体62aが弾性変形して、爪部62cがシャッタ支持孔61から離れ、シャッタプレート62がヘッド本体23から取り外される。
したがって、実施例1のシャッタプレート62は、いわゆるスナップフィット構造により、ヘッド本体23に着脱可能に装着される。
なお、実施例1のシャッタプレート62は、外スカート36aの幅方向の長さよりも幅方向の長さが短い媒体である葉書S1が使用される場合に、利用者によって手動で装着される。
【0051】
(実施例1の作用)
図9は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図9Aは画像形成動作が開始される前の積載プレートが下降位置に移動した状態の給紙トレイの説明図、図9Bは画像形成動作が開始されて積載プレートが上昇位置に移動した状態の説明図である。
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、画像形成動作としてのジョブが開始される前は、図9Aに示すように、給紙トレイTR1,TR2の積載プレート11が下降位置に移動し、吸着ヘッド22は吸着位置に移動している。図3に示すように記録用紙Sの幅および長さが吸着ヘッド22の幅および長さよりも大きい大サイズシートが使用される場合、ジョブが開始されると、積載プレート11が図9Bに示す上昇位置に上昇して、積載プレート11に積載された記録用紙Sの束の最上面の記録用紙Sが封止スカート36の下端に近接した状態となる。
【0052】
図10は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図10Aは図9Bに示す状態から媒体が吸着されると共に媒体分離用のエアが吹き付けられた状態の説明図、図10Bは図10Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置から供給位置に移動した状態の説明図である。
次に、排気ファンHFが作動して、吸気空間37の吸気が行われると、最上面の記録用紙Sが封止スカート36の下端に吸着され、吸気空間37がほぼ密閉された状態となる。すなわち、吸気空間37に対して、外部から気体の流入が制限された状態となる。
この状態から、さらに吸気空間37の排気が行われると、密閉された吸気空間37が低圧状態となって、封止スカート36と共に記録用紙Sが上昇し、図10Aに示す状態となる。
【0053】
このとき、最上面の記録用紙Sの下面に静電気等で1枚または複数の記録用紙Sが吸着されて、共に上昇する場合がある。実施例1の画像形成装置Uでは、吸気空間37の排気が開始されるとエア吹き付け装置50も作動して、記録用紙Sに対してエアが吹き付けられる。
封止スカート36と共に上昇した記録用紙Sは、封止スカート36が上端まで移動した状態で更に排気が行われると、記録用紙Sが撓み、傾斜面32やリブ33に接触して、波打った状態となる。前記記録用紙Sの波打ち状態は、最上面の記録用紙Sとその下のシートとでは差が発生し、記録用紙S間に隙間が発生する。したがって、記録用紙S間の隙間にエアが吹き付けられて、最上面の記録用紙Sに対して、その他の記録用紙Sが分離され、落下して積載プレート11に積載される。
【0054】
なお、実施例1の吸着ヘッド22では、分離用のエアが記録用紙Sに吹き付けられても、記録用紙Sの前端部の上面がシート前端ガイド39gで支持され、記録用紙Sが上方に捲れたり、湾曲したりすることが低減されている。
そして、吸着ヘッド22に吸着された記録用紙Sは、吸着ヘッド22が図10Aに示す吸着位置から図10Bに示す供給位置への移動に伴って前進し、搬送方向の前端が、シート前端ガイド39gに案内されながら搬送ローラRaに到達し、搬送ローラRaの回転に伴って下流側に搬送される。
【0055】
図11は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図11Aは図10Bに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に向けて移動を開始した状態の説明図、図11Bは図11Aに示す状態から吸着ヘッドがさらに移動して吸着位置に到達した状態の説明図である。
図10B、図11Aにおいて、記録用紙Sが搬送ローラRaに到達して搬送され始めると、排気ファンHFの作動が停止して、吸気空間37の排気が停止されると共に、吸着ヘッド22が吸着位置に向けて復帰を始める。
図11A、図11Bにおいて、記録用紙Sが搬送されて、後端が封止スカート36を通過すると、吸気空間37の密閉が解除されて、気圧が大気圧に戻り、封止スカート36が重力で下降する。したがって、図9Bに示す状態に戻り、図10A〜図11Bに示す工程が繰り返されて、記録用紙Sが供給される。
【0056】
図8において、葉書等の小サイズの記録用紙S1を使用する場合、サイドガイド13を記録用紙S1の側端に接触させた状態で、図9において前述したように、積載プレート11が上昇し、吸気空間37の排気が行われる。
このとき、小サイズの記録用紙S1を使用すると、記録用紙S1の幅が、外スカート36aどうしの幅よりも短く、外側吸気空間37bの下方が密閉されない状態となる。したがって、シャッタプレート62が取り付けられていない従来の構成では、外吸気口31bが開放された状態では、排気ファンHFが吸気を行っても、外吸気口31bから外気が吸引され続け、吸気空間37を負圧にすることが困難であり、記録用紙S1の吸引能力が低下する。
これに対して、実施例1では、小サイズの記録用紙S1が使用される場合に、シャッタプレート62が取り付けられると、外吸気口31bが閉塞される。したがって、排気ファンHFの排気が内吸気口31aに集中し、単位面積当たりの排気量、すなわち、吸引力が向上する。よって、小サイズの記録用紙S1の吸引能力が向上し、小サイズの記録用紙S1を給紙することが可能となり、吸引力不足での給紙不良の発生も低減される。
【0057】
特に、実施例1では、小サイズの記録用紙S1の幅方向の外端よりも内側に、内スカート36bが配置されており、小サイズ記録用紙S1が使用される場合には、外側吸気空間37bは密閉されないが、内側吸気空間37aは密閉可能な状態となる。したがって、内スカート36bが配置されない場合に比べて、さらに、吸引能力が向上している。なお、内スカート36bは、設けることが望ましいが、内吸気口31aに排気が集中することで、吸引力が向上しており、記録用紙S1を吸引、保持可能な吸引力が確保できる場合、内スカート36bは省略することも可能である。
なお、小サイズの記録用紙S1は、図10、図11に示す大サイズ記録用紙Sの場合と同様にして、吸着ヘッド22に吸着された後、吸着ヘッド22の移動に応じて、下流側に搬送され、画像形成装置本体U3に供給される。
【実施例2】
【0058】
次に本発明の実施例2の給紙トレイの説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0059】
図12は実施例2の給紙トレイの説明図であり、図12Aは大サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの状態の説明図、図12Bは小サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの説明図である。
図12において、実施例2の給紙トレイTR1,TR2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62が設けられておらず、実施例1と異なる構成のサイドガイド71を有する。次に、実施例2のサイドガイド71の説明を行うが、前後一対のサイドガイド71は、前後対称に配置されているだけで同様に構成されているため、後側のサイドガイド71について説明を行い、前側のサイドガイド71については、詳細な説明を省略する。
【0060】
図13は実施例2のサイドガイドの分解説明図である。
図12、図13において、実施例2のサイドガイド71は、移動部の一例として、底部に配置されてサイドガイド溝4bに沿って前後方向に移動可能に支持されるスライド部72と、揃え部本体の一例として、スライド部72の後端から上方に延びるサイドガイド本体73と、を有する。
前記スライド部72の上面には、係合部の収容部の一例として、左右方向中央部で前後方向に延びる収容溝72aが形成されている。
前記サイドガイド本体73の前面には、遮断案内部の一例として、左右方向中央部で上下方向に延びるシャッタガイド溝73aが形成されている。実施例2のシャッタガイド溝73aは、下端が収容溝72aの後端に接続されている。また、実施例2のシャッタガイド溝73aは、上方から見た溝73aの断面形状が、前側に比べて、後側の方が左右方向の幅が広い台形状に形成されている。
【0061】
前記サイドガイド71には、遮断部材の一例としての昇降シャッタ76が上下方向に移動可能に支持されている。実施例2の昇降シャッタ76は、下部に配置された連動部77を有する。前記連動部77は、下側の案内部の一例として、シャッタガイド溝73aの形状に合わせて断面形状が台形状に形成された上下方向に延びる板状の下ガイド部77aを有する。前記下ガイド部77aは、シャッタガイド溝73aに上方から挿入されることで、台形形状の嵌り合いで前方への抜け止めがされると共に、上下方向に移動可能な状態で支持される。
前記下ガイド部77aの下端には、連動部本体の一例として、前方に延びる板状の連動板77bが形成されている。前記連動板77bは、左右方向の幅および上下方向の厚さが、収容溝72aに収容可能な幅および厚さに設定されると共に、前後方向の長さは、スライド部72の長さよりも長く形成されている。
【0062】
図12において、実施例2の連動板77bの前後方向の長さは、外スカート36aの前後方向の幅Lb以上の媒体Sが収容されて、媒体Sの端縁に合わせてサイドガイド71が移動した場合には、連動板77bの先端、すなわち前端が積載プレート11に到達せず、且つ、外スカート36aの前後方向の幅Lbより短い媒体Sの端縁に合わせてサイドガイド71が移動した場合には、連動板77bの前端が積載プレート11に到達する長さに設定されている。なお、図12Aにおいて、実施例2の積載プレート11には、連動板77bの前端が到達する位置に対応して、被連動部の一例として、連動板77bの前端が係合可能な連動凹部11dが形成されている。
【0063】
前記連動部77の上端には、間隔調整部材の一例としてのスプリング78を介して、遮断部材本体の一例としてのシャッタ本体79が支持されている。前記シャッタ本体79は、上側の案内部の一例として、下ガイド部77aと同様に構成され且つシャッタガイド溝73aに上下方向に移動可能な状態で支持される上ガイド部79aを有する。前記上ガイド部79aの上端には、遮断部の一例として、葉書S1が使用される場合の外側吸気空間37bに対応する位置に配置されて、外側吸気空間37bの下端を閉塞可能な板状のシャッタ板79bが支持されている。なお、実施例2のシャッタ板79bの左右方向の長さは、吸着ヘッド22が吸着位置に移動した状態では、外側吸気空間37bの下端を完全に閉塞して、少なくとも、葉書S1の吸着時には、外側吸気空間37bが閉塞された状態となり、且つ、吸着ヘッド22が供給位置に移動しても、外側吸気空間37bの下端の少なくとも一部が閉塞され、葉書S1が脱落しない程度の吸着力が確保されるように、設定されている。
前記連動部77、スプリング78、シャッタ本体79等により、実施例2の遮断手段の一例であって、遮断部材の一例としての昇降シャッタ76が構成されている。
【0064】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の給紙トレイTR1,TR2では、小サイズの記録用紙S1が使用される場合、図12Bに示すように、連動板77bが連動凹部11dに嵌り、昇降シャッタ76と昇降プレート11とが係合した状態となる。この状態から、給紙動作が開始されて、昇降プレート11が上昇すると、シャッタガイド溝73aに沿って、昇降シャッタ76が上昇して、シャッタ板79bが外側吸気空間37bの下端を閉塞する。したがって、実施例1と同様に、小サイズの記録用紙S1が使用される場合には、外吸気口31bからの吸気が規制され、内吸気口31aから吸気が集中された状態で、記録用紙S1の吸着が行われる。
なお、実施例2では、連動部77とシャッタ本体79との間がスプリング78で連結されており、記録用紙S1の供給に伴って昇降プレート11が上昇していっても、スプリング78が縮んで上昇分を吸収可能である。したがって、スプリング78が設けられてない構成では、シャッタ本体79がヘッド本体23に接触すると、昇降プレート11が上昇できなくなる恐れがあったり、シャッタ本体79をヘッド本体23を過剰な力で押して、破損等する恐れがあるが、実施例2では、昇降プレート11の上昇時に、スプリング78が縮んで、昇降プレート11の上昇が許容され、ヘッド本体23の破損等も低減されている。
【0065】
また、実施例2では、連動板77bの長さが、外吸気口31bの閉塞が必要な場合に連動凹部11dに係合し、記録用紙Sの幅が外スカート36aの幅Lb以上で、閉塞が不要な場合には、図12Aに示すように、連動板77bが連動凹部11dに係合しないように設定されている。したがって、記録用紙Sの幅が外スカート36aの幅Lb以上の場合には、昇降シャッタ76が昇降プレート11の昇降に連動せず、下降した状態で保持される。
【実施例3】
【0066】
次に本発明の実施例3の給紙トレイの説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0067】
図14は実施例3の給紙装置の前面部分の説明図である。
図15は実施例3の遮断手段の要部説明図である。
図16は実施例3の作用説明図であり、図16Aは遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態から遮断部材が閉塞位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bに示す状態から遮断部材を開放位置に向けて移動を開始させる状態の説明図、図16Dは図16Cに示す状態から遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図である。
【0068】
実施例3の給紙装置U2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62および対応する構成が設けられていない。図14において、実施例3の給紙装置U2では、給紙装置U2の前面に、シート取出装置21の前面に対応する位置に、遮断移動部材の一例としてのシャッタ開閉用のノブ81が支持されている。図15において、前記シャッタ開閉用のノブ81は、作業者が摘んで操作が可能な摘み部82と、摘み部82から後方に延びる軸部83とを有する。図15、図16において、前記軸部83の後端には、連動部の一例として、半円中状のカム部84が支持されており、カム部84は、下面84aが平面状に切除された形状に形成されている。
前記軸部83には、復帰部材の一例として、ノブ81が回転しても、カム部84の下面84aが下方になる初期状態に復帰する方向の回転力を付与するネジリバネ86が支持されている。すなわち、作業者が摘み部82を摘んでノブ81を回転させた場合、ネジリバネ86が弾性変形して、前記初期位置に向けて回転させる弾性復元力が作用し、作業者が摘み部82を離した場合に、弾性復元力で初期位置に復帰するように構成されている。
【0069】
図15、図16において、前記底板部24の上面には、遮断手段の一例であって、遮断部材の一例として、板状のシャッタ板91が左右方向に移動可能に支持されている。前記シャッタ板91は、前後の外吸気口31bに対応して配置された前後一対のシャッタ部92を有し、シャッタ部92どうしの、右端で前後方向に延びる連結部93により連結されている。
前記シャッタ部92には、外吸引口31bに対応する通気口92aが左右方向に間隔を開けて形成されている。したがって、図16A、図16Dに示すように、通気口92aが外吸引口31bの上方に移動すると外吸引口31bが開放された状態となって吸気空間37の気体が外吸引口31bを通じて吸引可能な状態となり、図16B、図16Cに示すように、通気口92aが外吸引口31bからずれた状態となると、外吸引口31bがシャッタ部92により閉塞された状態となって、外吸引口31bを通じた吸気空間37の吸気が遮断される。
【0070】
図15、図16において、前側のシャッタ部92の左端には、被連動部の一例として、カム部84に対応する位置に下方から上方に延びる連動バー94が支持されている。前記連動バー94は、カバー部39の上板部39aに形成された左右方向に延びる長孔96を貫通して上方に延びており、初期位置に移動したカム部84の下面84aに対して、先端が接近し且つ非接触の状態となる長さに設定されている。なお、前記長孔96には、密閉部材の一例として、図示しない弾性材料製のシール部材が支持されており、連動バー94が貫通する部分以外の長孔96を通じて外気が流入しにくくなるように、すなわち、記録用紙Sの吸引能力に影響を及ぼさない程度に気密の状態が確保されるように構成されている。
【0071】
したがって、実施例3のシャッタ板91は、ノブ81が、第1の方向の一例としての反時計回り方向に回転されると、図16Aに示す状態から図16Bに示す状態にカム部84が回転し、カム部84の下面84aに連動バー94が右方に押されて、図16Aに示す開放位置から図16Bに示す閉塞位置にシャッタ板91が移動する。この状態では、外吸引口31bが閉塞される。なお、実施例3では、停止部材の一例としての図示しないストッパが設けられており、ノブ81は図16Bに示す状態よりも反時計回り方向に回転しないように設定されている。
そして、ノブ81の摘み部82から作業者の指が離れると、シャッタ板91は図16Bに示す閉塞位置に保持されたまま、カム部84はネジリバネ86の弾性力で図16Aに示すように初期位置に復帰する。
【0072】
図16C、図16Dにおいて、前記ノブ81が、第2の方向の一例としての時計回り方向に回転されると、カム部84が初期位置から回転して、図16C、図16Dに示すように、カム部84の下面84aに連動バー94が左方に押されて、図16Cに示す閉塞位置から図16Dに示す開放位置にシャッタ板91が移動する。この状態では、外吸引口31bは開放される。なお、実施例3では、停止部材の一例としての図示しないストッパが設けられており、ノブ81は図16Dに示す状態よりも時計回り方向に回転しないように設定されている。
そして、ノブ81の摘み部82から作業者の指が離れると、シャッタ板91は図16A、図16Dに示す開放位置に保持されたまま、カム部84はネジリバネ86の弾性力で図16Aに示すように初期位置に復帰する。
【0073】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の給紙装置U2では、ノブ81が手動で回転されると、シャッタ板91は、開放位置と閉塞位置との間で移動する。したがって、小サイズの記録用紙S1が使用される場合、ノブ81が手動で反時計回り方向に回転されると、外吸引口31bが閉塞されて、実施例1,2と同様に、内吸気口31aから吸気が集中した状態で記録用紙S1の吸着が行われる。したがって、実施例1,2と同様に、吸引力不足の発生が低減される。
【0074】
なお、実施例3では、ネジリバネ86がノブ81を初期位置に復帰させており、給紙トレイTR1,TR2が給紙装置U2に装着された状態では、給紙トレイTR1,TR2の前面でノブ81の前面が塞がれる。したがって、作業者が指をノブ81に触れることが不能となり、カム部84は初期位置に復帰しており、連動バー94から離間した状態で保持される。したがって、給紙動作が開始されて、吸着ヘッド22が左右方向に移動しても、カム部84が連動バー94に接触せず、シャッタ板91が移動することが低減されている。
また、大サイズの記録用紙Sが使用される場合、ノブ81が手動で時計回り方向に回転されると、外吸引口31bが開放されて、外吸引口31bも使用されて、記録記録用紙Sの吸着が行われる。
【実施例4】
【0075】
次に本発明の実施例4の給紙トレイの説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例4は、下記の点で前記実施例1〜3と相違しているが、他の点では前記実施例1〜3と同様に構成されている。
【0076】
図17は実施例4の遮断手段の要部説明図である。
実施例4の給紙装置U2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62および対応する構成が設けられていない。図17において、実施例4の給紙装置U2では、前側のサイドガイド13の上端には、連動部の一例として、シャッタ作動部材101が支持されている。前記シャッタ作動部材101は、サイドガイド13の上端から底板部24よりも上方まで延びる延長部101aと、延長部101aの上端から後方に延びる作動部本体101bと、作動部本体101bの後端に形成され且つ後方に行くに連れて左方に傾斜する連動面101cと、を有する。
【0077】
図17において、実施例4の遮断手段は、実施例3のシャッタ板91において、連動バー94に替えて、前側のシャッタ部92の左端から前方に延びる被連動部の一例としての被連動プレート102を有する。前記被連動プレート102は、シャッタ作動部材101に対応する位置に配置されており、前端には、連動面101cに対向して、前方に行くに連れて右方に傾斜する被連動面102aが形成されている。
なお、実施例4では、幅Lbよりも小サイズの記録用紙S1の幅方向の端にサイドガイド13が接触した場合に、連動面101cと被連動面102aとが接触して、シャッタ板91が右方の閉塞位置に移動し、且つ、幅Lb以上の大サイズの記録用紙Sの幅方向の端にサイドガイド13が接触した場合に、連動面101cと被連動面102aとが離間するように、作動部本体101bおよび被連動プレート102の前後方向の長さが設定されている。
【0078】
また、実施例4では、シャッタ板91の右端と右側壁29の内面との間には、シャッタ部材91を左方に常時付勢する付勢部材の一例としてのスプリング103が支持されている。
なお、実施例4では、実施例3の場合と同様に、被連動プレート102が貫通する前側壁26に、図示しないシール部材が支持されている。
【0079】
したがって、実施例4では、大サイズの記録用紙Sが収容されて、サイドガイド13が前後方向の外側に移動した状態では、給紙トレイTR1,TR2が給紙装置U2から引き出された状態から挿入されても、作動部本体101bと被連動プレート102とが離間した状態となり、シャッタ板91は、スプリング103に押されて、左方の開放位置に移動する。
そして、小サイズの記録用紙S1が収容されて、サイドガイド13が前後方向の内側に移動した状態では、給紙トレイTR1,TR2が給紙装置U2内に挿入されると、連動面101cと被連動面102aとが接触して、被連動面102aが右方に押される。したがって、スプリング103の弾性力に抗して、シャッタ板91が開放位置から右方の閉塞位置に移動する。
【0080】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の給紙装置U2では、給紙トレイTR1,TR2に収容された記録用紙Sの幅に合わせてサイドガイド13が移動されると、シャッタ作動部材101が連動して移動する。収容された記録用紙Sが、大サイズの場合、シャッタ作動部材101が被連動プレート102に接触、係合せず、シャッタ板91は、開放位置に保持され、外吸引口31bが使用されて、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われる。
収容された記録用紙S1が小サイズの場合、シャッタ作動部材101が被連動プレート102に接触、係合し、シャッタ板91を閉塞位置に移動させる。したがって、記録用紙Sの吸着時は、外吸引口31bが閉塞された状態となり、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われる。
【0081】
なお、実施例4では、小サイズの記録用紙S1が使用される場合、吸着ヘッド22が、吸着が行われる左方の吸着位置に移動した状態では、外吸引口31bが閉塞されるが、右方の供給位置に移動するに連れて、シャッタ作動部材101と被連動プレート102との係合が解除されていき、シャッタ板91は開放位置に向けて相対的に移動する。吸引力が最も必要となる吸着位置では、外吸引口31bが閉塞された状態で吸引が行われることが望ましいが、記録用紙Sが吸着されて封止スカート36が上端に移動した状態では、記録用紙Sが吸着された状態で保持すればよく、積載プレート11上から吸引する場合に比べて、吸引力が低くても保持することが可能である。したがって、実施例4では、少なくとも吸着位置において外吸引口31bが閉塞されており、小サイズの記録用紙Sの吸引能力が向上している。なお、吸着ヘッド22に吸着された小サイズの記録用紙Sが、下流側の搬送ローラRaに受け渡されるまで吸着力が保持されるように、極力閉塞状態が保持されるように、構成されることが望ましく、例えば、記録用紙Sの搬送方向の前端が搬送ローラRaに到達した後に、外吸引口31bが完全に開放されるように、シャッタ作動部材101および被連動プレート102の左右方向の幅や面101c,102aの傾斜角等が設定されることが望ましい。
【実施例5】
【0082】
次に本発明の実施例5の給紙トレイの説明を行うが、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例5は、下記の点で前記実施例1〜4と相違しているが、他の点では前記実施例1〜4と同様に構成されている。
【0083】
図18は実施例5の遮断手段の要部説明図である。
図19は実施例5の遮断手段の作用説明図であり、図19Aは吸着ヘッドが吸着位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図である。
図20は実施例5の作用説明図であり、図20Aは吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が閉塞位置に移動した状態の説明図、図20Bは図20Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に移動した状態の説明図である。
図21は実施例5の作用説明図であり、図21Aは吸着ヘッドが図20Bに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図、図21Bは図21Aに示す状態から吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図である。
【0084】
実施例5の給紙装置U2では、実施例4のシャッタ板91において、被連動プレート102およびスプリング103が省略されている。そして、実施例5の給紙装置U2では、第1の連動部材の一例として、吸着ヘッド22の左方に配置され且つ右方に突出する閉塞位置移動突起111が給紙装置U2の本体に支持されている。また、吸着ヘッド22の右方には、第2の連動部材の一例として、左方に突出する開放位置移動突起112が支持されている。実施例5では、前記閉塞位置移動突起111は、吸着ヘッド22が吸着位置に移動した場合の左端よりも左方に先端が配置されており、開放位置移動突起112は、吸着ヘッド22が供給位置に移動した場合の右端よりも右方に先端が配置されている。
【0085】
図18において、ヘッド本体23の左の側壁28およびカバー部39の左の側壁部39dには、閉塞位置移動突起111に対応する位置に配置され且つ閉塞位置移動突起111が貫通可能な左貫通孔113が形成されている。同様に、ヘッド本体23の右の側壁29およびカバー部39の右の側壁部39eには、開放位置移動突起112に対応する位置に配置され且つ開放位置移動突起112が貫通可能な右貫通孔114が形成されている。なお、前記側壁28,29に形成された各貫通孔113,114には、気体の通過を低減するための従来公知のシール部材が支持されており、シール部材は、例えば、円板状のゴムに中心から放射状にスリットが形成されて、突起111,112の貫通時に弾性変形すると共に、突起111,112が抜けると弾性復元する構成を採用可能である。
【0086】
図19〜図21において、実施例5では、吸着ヘッド22は、図19A、図20Bに示す吸着位置と図19B、図21Aに示す供給位置に加えて、吸着位置よりも搬送方向の上流側に設定された図20Aに示す閉塞作動位置と、供給位置よりも搬送方向の下流側に設定された図21Bに示す開放作動位置と、の間で移動可能に支持されている。
実施例5の閉塞作動位置は、図20Aに示すように、閉塞位置移動突起111が左貫通孔113を貫通してシャッタ板91の左端面に接触して、シャッタ板91を右方の閉塞位置に移動させる位置に設定されている。また、実施例5の開放作動位置は、図21Bに示すように、開放位置移動突起112が右貫通孔114を貫通してシャッタ板91の右端面に接触して、シャッタ板91を左方の開放位置に移動させる位置に設定されている。
【0087】
(制御部の説明)
図19において、実施例5の給紙制御手段C1は、実施例1のファン制御手段C12および吹付制御手段C13に加えて、媒体種類判別手段の一例としてのサイズ判別手段C10と、実施例1とは異なる搬送制御手段の一例としてのヘッド駆動手段C11と、を有する。
前記サイズ判別手段C10は、ユーザインタフェースUIからの入力に基づいて、給紙トレイTR1,TR2に収容された記録用紙Sの大きさが、予め設定された大きさよりも小さいか否かを判別する。なお、実施例5では、一例として、記録用紙Sの大きさが、幅Lbよりも幅が小さい記録用紙Sであるか否か、すなわち、記録用紙Sがはがきであるか否かを判別する。なお、サイズの判別の基準は、はがきに限定されず、例えば、A5サイズを基準として、A5以下か、A5より大きいかといった判別も可能である。
【0088】
前記ヘッド駆動手段C11は、実施例1と同様に構成された供給制御手段C11Aと、遮断制御手段の一例としてのシャッタ移動手段C11Bとを有し、モータM1の正逆回転を制御して、吸着ヘッド22の駆動、位置を制御する。
シャッタ移動手段C11Bは、サイズ判別手段C10で判別された記録用紙Sの種類に基づいて、モータM1を正回転または逆回転させて、吸着ヘッド22を、開放作動位置または閉塞作動位置に移動させる。実施例5のシャッタ移動手段C11Bは、記録用紙Sが小サイズの場合、給紙動作が開始される前に、モータM1を予め設定された閉塞時間t1だけ逆回転させて、吸着ヘッド22を吸着位置から閉塞作動位置に移動させて、シャッタ板91を閉塞位置に移動させる。その後、閉塞時間t1だけモータM1を正回転させて吸着ヘッド22を吸着位置に戻す。
【0089】
また、実施例5のシャッタ移動手段C11Bは、記録用紙Sが大サイズの場合、給紙動作が開始される前に、モータM1を予め設定された開放時間t2だけ正回転させて、吸着ヘッド22を吸着位置から開放作動位置に移動させて、シャッタ板91を開放位置に移動させる。その後、開放時間t2だけモータM1を逆回転させて吸着ヘッド22を吸着位置に戻す。なお、前記閉塞時間t1や開放時間t2は、吸着ヘッド22が、閉塞作動位置や開放作動位置に到達するのに必要な時間が、実験等で予め測定され、設定されているが、これに限定されず、閉塞作動位置や開放作動位置に吸着ヘッド22を検出する検出部材の一例としてのセンサを配置して、センサの検出結果に基づいて、吸着ヘッド22を停止させる構成とすることも可能である。
【0090】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の給紙装置U2では、記録用紙Sの大きさに応じて、給紙動作が開始される前に、吸着ヘッド22が閉塞作動位置または開放作動位置に移動して、外吸引口31bの開閉が行われる。そして、外吸引口31bの開閉が行われた後に、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われ、下流への搬送が行われる。よって、小サイズの記録用紙S1の場合は、外吸引口31bが閉塞され、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われ、小サイズの記録用紙S1に対する吸引能力が向上している。
【実施例6】
【0091】
次に本発明の実施例6の給紙トレイの説明を行うが、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例6は、下記の点で前記実施例1〜5と相違しているが、他の点では前記実施例1〜5と同様に構成されている。
【0092】
図22は実施例6の遮断手段の要部説明図である。
実施例6の給紙装置U2では、実施例4のシャッタ板91において、被連動プレート102およびスプリング103が省略されている。そして、実施例6の給紙装置U2では、シャッタ板91の後側のシャッタ部92の左端に、連動部の一例として、上方に延びる連結部材121が支持されている。前記連結部材121は、カバー部39の上板部39aに形成された左右方向に延びる長孔122を貫通して上方に延びている。なお、前記長孔122には、実施例3の場合と同様に、図示しないシール部材が支持されており、気密が確保されている。
【0093】
前記カバー部39の上板部39aの上面には、連結部材121の右方に対応する位置に、遮断作動部材の一例としてのキープソレノイド123が支持されている。前記キープソレノイド123は、可動部の一例としてのプランジャ123aを有し、プランジャ123aの先端は、連結部材121の上端に連結されている。
前記キープソレノイド123は、作動時にプランジャ123aが伸縮して、連結部材121を介してシャッタ板91を開放位置または閉塞位置に移動させる。
【0094】
(制御部の説明)
図22において、実施例6の給紙制御手段C1は、実施例5のシャッタ移動手段C11Bとは異なるシャッタ制御手段C11Cを有する。
実施例6のシャッタ移動手段C11Cは、サイズ判別手段C10で判別された記録用紙Sの種類に基づいて、キープソレノイド123を作動させて、シャッタ板91を開放位置または閉塞位置に移動させる。実施例6のシャッタ移動手段C11Cは、記録用紙Sが小サイズの場合、給紙動作が開始される前に、キープソレノイド123が作動して、プランジャ123が伸びた状態となり、シャッタ板91が閉塞位置に移動し、キープソレノイド123により、閉塞位置に保持される。また、シャッタ移動手段C11Cは、記録用紙Sが大サイズの場合、給紙動作が開始される前に、キープソレノイド123が作動して、プランジャ123が縮んだ状態となり、シャッタ板91が開放位置に移動し、キープソレノイド123により、開放位置に保持される。
【0095】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6の給紙装置U2では、記録用紙Sの大きさに応じて、給紙動作が開始される前に、キープソレノイド123が作動して、シャッタ板91が閉塞位置または開放位置に移動して、外吸引口31bの開閉が行われる。そして、外吸引口31bの開閉が行われた後に、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われ、下流への搬送が行われる。よって、実施例1〜5の場合と同様に、小サイズの記録用紙S1の場合は、外吸引口31bが閉塞され、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われ、小サイズの記録用紙S1に対する吸引能力が向上している。
【実施例7】
【0096】
次に本発明の実施例7の給紙トレイの説明を行うが、この実施例7の説明において、前記実施例1〜6の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例7は、下記の点で前記実施例1〜6と相違しているが、他の点では前記実施例1〜6と同様に構成されている。
【0097】
図23は実施例7の遮断手段の要部説明図である。
図24は実施例7の気体の流路の説明図であり、図24Aは要部断面図、図24Bは弁が開いた状態の説明図、図24Cは弁が閉じた状態の説明図である。
実施例7の給紙装置U2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62および対応する構成が設けられておらず、排気ダクト39fも省略されている。
図23、図24において、実施例7のヘッド本体23では、底板部24の上面に配置された前記支持壁131が、内吸引口31aと外吸引口31bとの間を仕切るように配置され、左側壁28から右側壁29まで左右方向に延びており、仕切部材の一例としての隔壁としての機能を有する。
【0098】
したがって、前後一対の支持壁131と左右両側壁28,29と底板部24と、カバー部39の上板部39aとで囲まれる空間により内排気空間132が構成される。そして、前側壁26、前側の支持壁131、左右両側壁28,29、底板部24および上板部39aにより囲まれた空間により前排気空間133が構成され、後側壁27、後側の支持壁131、左右両側壁28,29、底板部24および上板部39aにより囲まれた空間により後排気空間134が構成される。前記前排気空間133および後排気空間134により、実施例7の外排気空間133+134が構成される。
【0099】
前記カバー部39には、内排気空間132に一端が接続され且つ前方に延びる内排気ダクト136と、各外排気空間133,134に端が接続され且つ前方に延びる外排気ダクト137と、が支持されている。前記内排気ダクト136の内部には、第1の流路の一例として、内排気空間132の気体が排気される内排気路136aが形成されており、外排気ダクト137の内部には、第2の流路の一例として、外排気空間133,134の気体が排気される外排気路137aが形成されている。
【0100】
前記外排気ダクト137の前端には、遮断手段の一例であって、遮断部材の一例としての開閉弁138が接続されている。前記開閉弁138は、外排気路137aに接続される後流路部138aと、中央部に設けられた弁体収容部138bと、蛇腹40に接続される前流路部138cと、を有し、前記弁体収容部138bには、弁体139が回転可能に支持されている。前記弁体139には、内部を貫通する弁流路部139aが形成されている。前記弁体139は、駆動源の一例としてのマニピュレータ138dにより、弁流路部139aと開閉弁138内の流路部138a,138cとが接続される図24Bに示す接続位置と、弁流路139aと流路部138a,138cとが遮断される図24Cに示す遮断位置と、の間で回転移動される。
図23、図24において、前記内排気ダクト136の前端と開閉弁138の前端は、蛇腹40を介して排気ファンHFに接続されている。
【0101】
(制御部の説明)
図24において、実施例7の給紙制御手段C1は、実施例5のシャッタ移動手段C11Bに替えて、シャッタ制御手段C11Dを有する。
実施例7のシャッタ移動手段C11Dは、サイズ判別手段C10で判別された記録用紙Sの種類に基づいて、弁体139を接続位置または遮断位置に移動させる。実施例7のシャッタ移動手段C11Dは、記録用紙Sが小サイズの場合、給紙動作が開始される前に、マニピュレータ138dを作動させて、弁体139を、閉塞位置に対応する図24Cに示す遮断位置に移動させる。また、シャッタ移動手段C11Dは、記録用紙Sが大サイズの場合、給紙動作が開始される前に、マニピュレータ138dを作動させて、弁体139を、開放位置に対応する図24Bに示す接続位置に移動させる。
【0102】
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7の給紙装置U2では、記録用紙Sの大きさに応じて、給紙動作が開始される前に、マニピュレータ138dが作動して、弁体139が接続位置または遮断位置に移動して、外排気路137aの接続、遮断が行われる。すなわち、外吸引口31bを通じて排気が行われるか否かが切り替えられる。そして、弁体139の移動が行われた後に、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われ、下流への搬送が行われる。よって、実施例7記載の給紙装置U2では、小サイズの記録用紙S1の場合は、弁体139が遮断位置に移動し、外吸引口31bからの気体の吸引が停止される。したがって、実施例1〜6の場合と同様に、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われ、小サイズの記録用紙S1に対する吸引能力が向上している。
【0103】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機に限定されず、プリンタ、FAX等の画像形成装置にも適用可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。さらに、タンデム型の画像形成装置に限定されず、ロータリ型の画像形成装置にも適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式や熱転写方式等の他の方式の画像形成装置にも適用可能である。
【0104】
(H02)前記実施例において、内スカート36bは設けることが望ましいが、省略することも可能である。また、最小の記録用紙S1の搬送方向の長さL1が、外スカート36aの搬送方向の長さLaよりも長いため、搬送方向の両側の内スカートは配置する必要がなかったが、最小の記録用紙S1の搬送方向の長さが、外スカート36aの搬送方向の長さよりも短い場合、搬送方向の後側すなわち左側、または両側に、内スカートを追加することも可能である。
(H03)前記実施例において、前後一対のサイドガイド13が互いに接近、離間する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、幅方向の一方は固定の壁面とし、幅方向の他方にのみ幅方向に移動可能なサイドガイド13を設けた構成とすることも可能である。また、サイドガイド13は、スライド移動可能に支持される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、底板4に対して、抜き差しすることで、サイドガイド13の位置を変更可能な構成や、通常退避していて、ある条件下(この場合は小サイズの場合)で退避位置から使用位置へ動かすことが可能な構成とすることも可能である。なお、エンドガイド12も同様である。
【0105】
(H04)前記実施例において、内吸引口31aと外吸引口31bとに区分けして、外吸引口31bからの気体の吸引を実行、停止させる構成を例示したが、これに限定されず、例えば、内吸引口と外吸引口との間に、1つまたは複数の中間の吸引口を区分けして、区分けされた吸引口に対しても実施例1〜7のシャッタ等を設けて、記録用紙Sのサイズに応じて、吸引口を開閉するように構成することも可能である。
(H05)前記実施例において、シャッタ等の具体的な形状や作動させるための構成については、実施例に例示した構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、カム部84の形状を偏心カム状に変更したり、回転範囲を変更したり、モータで自動的に回転させる構成としたり、キープソレノイド123や開閉弁138を実施例に例示した構成以外の従来公知の別の部品を使用したり、シャッタの移動機構をモータとラックおよびピニオンの組み合わせといった変更も可能である。また、キープソレノイド123や開閉弁138を使用して、制御部Cにより媒体の種類に応じて自動で作動させる構成とすることが望ましいが、実施例3に記載の構成のように手動でシャッタ板91や弁体139を移動させる構成とすることも可能である。
【0106】
(H06)前記実施例において、囲み部材の一例としての封止スカート36の構成は、実施例に例示した板状の形態に限定されず、例えば、記録用紙Sを分離する際に発生する記録用紙Sの撓みに封止スカートを沿わせるために、複数の短冊状の部材が垂れ下がった「のれん」状の形態としたり、撓み発生時に弾性変形する弾性体で構成したり、カーテン状の形態としたり等、形態や構成について変更可能である。
(H07)前記実施例において、最小の媒体の幅方向の長さが、封止スカート36の幅方向の長さよりも短い場合について説明を行ったが、これに限定されず、媒体の搬送方向の長さが、封止スカート36の搬送方向の長さよりも短い場合にも適用可能であり、実施例1〜7において、幅方向の両側、すなわち、前後両側に配置した構成を、搬送方向の一方または両側、すなわち、左方または左右両側に配置する構成とすることも可能である。また、最小の媒体が、封止スカート36に対して、幅方向も搬送方向も長さが短い場合には、幅方向および搬送方向の両方に対応して、実施例1〜7のシャッタ等を配置することも可能である。
【0107】
(H08)前記実施例において、媒体の一例として、記録用紙Sを例示したが、これに限定されず、OHPシート等のフィルム状、薄膜状の媒体を供給する構成にも適用可能である。
(H09)前記実施例において、シャッターの位置は吸着ヘッドの吸着面を閉塞する構成としたが、閉塞したい領域への流路を遮断するようにシャッターを配置する構成も適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
11…積載部材、
13…端揃え部材、
13c…接触面、
22…保持部材、
23…保持部材本体、
31,31b…気体吸引用の開口、
36…囲み部材、
36a…第1の囲み部材、
36b…第2の囲み部材、
37…空間、
51…端揃え部材、
51c…接触面、
52,64…可動体、
52a,64a…可動体本体、
52c,64c…近接部、
62,76,91,138…遮断手段、
79…遮断部材本体、
84,101…連動部、
94,102…被連動部、
103…付勢部材、
136a…第1の流路、
137a…第2の流路、
HF…吸引装置、
Ra…搬送部材、
S,S1…媒体、
TR1,TR2…収容容器、
U…画像形成装置、
U2…媒体供給装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体供給装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置において、媒体を吸引して搬送する媒体供給装置に関して、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2002−19978号公報には、用紙給送装置プレナム(58)に形成された小開口(124)から排気を行うことで、プレナム(58)の周囲に吊り下げられた状態で配置された封止機構(300)の下端に用紙が吸着、捕捉され、用紙の捕捉によって封止された封止機構(300)の内部がさらに排気されることで、吊り下げられた封止機構(300)が用紙と共に上昇し、駆動装置(600)によりプレナム(58)が下流側に移動することで、給送ローラ(55)に用紙が受け渡されて下流側に搬送される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−19978号公報(「0023」〜「0029」、図2〜図5、図16,図17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体を吸着して搬送する際に、小さな媒体でも効率的に吸着可能とすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の媒体供給装置は、
媒体が収容される収容容器と、
前記収容容器の内部に支持されて、表面に媒体が積載される積載部材と、
前記積載部材に対向して配置され且つ前記媒体の搬送方向に沿って移動可能に支持された保持部材本体と、前記保持部材本体に形成された気体吸引用の開口と、前記保持部材本体から前記積載部材側に延び且つ前記開口を囲むように配置された囲み部材と、前記囲み部材の内部に形成され且つ前記囲み部材により周囲を囲まれた空間と、前記気体吸引用の開口に接続されて気体を吸引する吸引装置と、を有し、前記吸引装置の吸引に伴って前記囲み部材の前記積載部材側の一端に媒体を吸着して保持する保持部材と、
前記保持部材に対して前記媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記保持部材に吸着された媒体を下流側に向けて搬送する搬送部材と、
前記媒体の搬送方向および搬送方向に交差する幅方向の少なくとも一方において、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合、前記囲み部材の端より内側且つ前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の媒体供給装置において、
前記気体吸引用の開口を開放または閉塞する開閉部材により構成され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記媒体の端よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を塞ぐことで、気体の吸引を遮断する前記遮断手段、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の媒体供給装置において、
前記保持部材本体に支持され、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を閉塞する閉塞位置と、前記気体吸引用の開口を開放する開放位置と、の間で移動可能に支持され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記端揃え部材の接触面が前記囲み部材の内側に位置する場合に、前記閉塞位置に移動して、前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を塞いで、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の媒体供給装置において、
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動可能に支持された遮断部材本体と、前記遮断部材本体に支持された被連動部と、前記遮断部材本体を前記開放位置側に付勢する付勢部材と、を有する前記遮断部材と、
前記被連動部に対応する位置に配置され且つ前記端揃え部材に支持されて、前記被連動部に接触した場合に前記遮断部材本体を前記開放位置から前記閉塞位置に移動させる連動部であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部に接触可能、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部から離間する位置に配置された前記連動部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の媒体供給装置において、
前記媒体の供給を行う場合に、前記保持部材に対して接近した接近位置に移動して、媒体を前記囲み部材に近接させる前記積載部材と、
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記保持部材に対して接近、離間する方向に移動可能に前記端揃え部材に支持され、且つ、前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体に前記端接触部材の接触面が接触した場合に前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口に対応する位置に配置された遮断部材であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材から離間し、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材に係合して、前記積載部材の前記接近位置への移動に連動して移動し、前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を遮断して、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の媒体供給装置において、
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも内側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第1の流路と、
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第2の流路と、
媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記第2の流路を閉塞することで、前記端揃え部材よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の媒体供給装置において、
前記収容容器に収容可能な最小の大きさの媒体に対して、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも外側に配置された第1の囲み部材と、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも内側に配置された第2の囲み部材と、を有する前記囲み部材と、
前記第1の囲み部材と前記第2の囲み部材との間に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体供給装置、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、8記載の発明によれば、遮断手段を有しない場合に比べて、媒体を吸着して搬送する際に、小さな媒体でも効率的に吸着することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体の端よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を塞いで、気体の吸引を遮断することができる。
請求項3に記載の発明によれば、保持部材本体に支持された遮断部材を閉塞位置に移動させて、気体の吸引を遮断することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、媒体の長さが囲み部材の長さよりも短い場合に、連動部材が支持された端揃え部材を媒体に接触する位置に移動させて、遮断部材を閉塞位置に移動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、媒体の長さが囲み部材の長さよりも短い場合に、積載部材の移動に応じて気体吸引用の開口を遮断することができる。
請求項6に記載の発明によれば、媒体の長さが囲み部材の長さよりも短い場合に、第2の流路を遮断して、端揃え部材よりも外側に配置された気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断できる。
請求項7に記載の発明によれば、第2の囲み部材を有しない場合に比べて、第2の囲み部材の内側の空間を封止しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の給紙トレイの要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の給紙トレイの平面図である。
【図4】図4は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、図4Aは正面図、図4Bは平面図である。
【図5】図5は実施例1の吸着ヘッドを斜め下方から見た斜視図である。
【図6】図6は図4BのVI−VI線断面図である。
【図7】図7は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、最小の大きさの媒体が収容された状態における平面図である。
【図8】図8は実施例1の遮断手段の説明図であり、図8Aは遮断手段が取り外された状態の説明図、図8Bは遮断手段が装着された状態の説明図である。
【図9】図9は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図9Aは画像形成動作が開始される前の積載プレートが下降位置に移動した状態の給紙トレイの説明図、図9Bは画像形成動作が開始されて積載プレートが上昇位置に移動した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図10Aは図9Bに示す状態から媒体が吸着されると共に媒体分離用のエアが吹き付けられた状態の説明図、図10Bは図10Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置から供給位置に移動した状態の説明図である。
【図11】図11は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図11Aは図10Bに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に向けて移動を開始した状態の説明図、図11Bは図11Aに示す状態から吸着ヘッドがさらに移動して吸着位置に到達した状態の説明図である。
【図12】図12は実施例2の給紙トレイの説明図であり、図12Aは大サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの状態の説明図、図12Bは小サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの説明図である。
【図13】図13は実施例2のサイドガイドの分解説明図である。
【図14】図14は実施例3の給紙装置の前面部分の説明図である。
【図15】図15は実施例3の遮断手段の要部説明図である。
【図16】図16は実施例3の作用説明図であり、図16Aは遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態から遮断部材が閉塞位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bに示す状態から遮断部材を開放位置に向けて移動を開始させる状態の説明図、図16Dは図16Cに示す状態から遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図である。
【図17】図17は実施例4の遮断手段の要部説明図である。
【図18】図18は実施例5の遮断手段の要部説明図である。
【図19】図19は実施例5の遮断手段の作用説明図であり、図19Aは吸着ヘッドが吸着位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図である。
【図20】図20は実施例5の作用説明図であり、図20Aは吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が閉塞位置に移動した状態の説明図、図20Bは図20Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に移動した状態の説明図である。
【図21】図21は実施例5の作用説明図であり、図21Aは吸着ヘッドが図20Bに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図、図21Bは図21Aに示す状態から吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図である。
【図22】図22は実施例6の遮断手段の要部説明図である。
【図23】図23は実施例7の遮断手段の要部説明図である。
【図24】図24は実施例7の気体の流路の説明図であり、図24Aは要部断面図、図24Bは弁が開いた状態の説明図、図24Cは弁が閉じた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像情報の入力装置の一例としてのイメージスキャナU1、媒体供給装置の一例としての給紙装置U2、画像形成装置本体U3、および用紙処理装置U4を有している。
【0019】
前記ユーザインタフェースUIは、入力部の一例としてのコピースタートキー、コピー枚数設定キー、テンキー等の入力キーや表示部UI1を有している。
前記イメージスキャナU1は、原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置および画像読取装置の一例としてのスキャナ本体等により構成されている。図1において、イメージスキャナU1では、図示しない原稿を読取って画像情報に変換し、画像形成装置本体U3に入力する。
給紙装置U2は、収容容器の一例であって、給紙部の一例としての複数の給紙トレイTR1、TR2と、前記各給紙トレイTR1、TR2から送り出された媒体の一例としての記録用紙Sを画像形成装置本体U3に搬送する搬送路の一例としての給紙路SH1等を有している。
【0020】
図1において、画像形成装置本体U3は、前記給紙装置U2から搬送された記録用紙Sに画像記録を行う画像記録部、現像剤の補給部の一例としてのトナーディスペンサー装置U3a、および用紙搬送路SH2、用紙排出路SH3、用紙反転路SH4、用紙循環路SH6等を有している。なお、前記画像記録部については後述する。
また、画像形成装置本体U3は、制御部C、および、前記制御部Cにより制御される潜像書込用の駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路D、前記制御部Cにより制御される電源回路E等を有している。制御部Cにより作動を制御されるレーザ駆動回路Dは、前記イメージ入力装置U1から入力されたY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像情報に応じたレーザ駆動信号を予め設定された時期に、各色の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。
【0021】
図1において、黒の像保持体ユニットUKは、像保持体の一例としての感光体ドラムPk、帯電器CCk、および像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLkを有している。また、他の色Y,M,Cの像保持体ユニットUY,UM,UCも、感光体ドラムPy,Pm,Pc、放電器の一例としての帯電器CCy,CCm,CCc、感光体クリーナCLy,CLm,CLcを有している。なお、実施例1では、使用頻度の高く表面の磨耗が多いK色の感光体ドラムPkは、他の色の感光体ドラムPy,Pm,Pcに比べて大径に構成され、高速回転対応および長寿命化がされている。
前記各像保持体ユニットUY,UM,UC,UKと現像ロールR0を有する現像器GY,GM,GC,GKとによりトナー像形成部材UY+GY,UM+GM,UC+GC,UK+GKが構成されている。
【0022】
図1において、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkは、それぞれ帯電器CCy,CCm,CCc,CCkにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkによりその表面に静電潜像が形成される。前記感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像は、現像器GY,GM,GC,GKにより、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の色の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0023】
感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面上のトナー像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像、いわゆる、カラー画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラー画像は、画像記録領域の一例としての2次転写領域Q4に搬送される。
なお、黒画像データのみの場合はK:黒の感光体ドラムPkおよび現像器GKのみが使用され、黒のトナー像のみが形成される。
1次転写後、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。
【0024】
像保持体ユニットUY〜UKの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体の支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aと、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有している。ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを有する。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0025】
前記バックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtの二次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに離隔および接触可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、前記バックアップロールT2aには電圧印加用接触部材の一例としてのコンタクトロールT2cが当接しており、前記ロールT2a〜T2cにより2次転写器T2が構成されている。
前記コンタクトロールT2cには制御部Cにより制御される電源回路から、予め設定された時期に、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
【0026】
前記ベルトモジュールBM下方には用紙搬送路SH2が配置されている。前記給紙装置U2の給紙路SH1から給紙された記録用紙Sは、複数の媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、用紙搬送路SH2に搬送され、送出時期の調節部材の一例としてのレジロールRrにより、トナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、媒体案内部材SGr、転写前の媒体案内部材SG1を通って2次転写領域Q4に送り出される。 前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録用紙Sに転写される。なお、フルカラー画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
【0027】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃、すなわち、クリーニングされる。なお、前記2次転写ロールT2Bは、中間転写ベルトBに対して離隔および接触可能に支持されている。
前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1k、中間転写ベルトB、二次転写器T2、ベルトクリーナCLB等により、感光体ドラムPy〜Pk表面の画像を記録用紙Sに転写する転写装置T1+B+T2+CLBが構成されている。
前記感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk、前記現像器GY,GM,GC,GK、前記転写装置T1+B+T2+CLB等により、実施例1の画像記録装置の一例としてのプリンタ部U3bが構成されている。
【0028】
トナー像が2次転写された前記記録用紙Sは、転写後の媒体案内部材SG2、定着前の媒体搬送部材の一例としての用紙搬送ベルトBHを通って定着装置Fに搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが圧接する領域により定着領域Q5が形成されている。
前記記録用紙S上のトナー像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。前記定着装置Fの下流側には搬送路の切替部材の一例としての第1ゲートGT1が設けられている。前記第1ゲートGT1は用紙搬送路SH2を搬送されて定着領域Q5で加熱定着された記録用紙Sを、用紙処理装置U4の用紙排出路SH3または用紙反転路SH4に選択的に切り替える。前記用紙排出路SH3に搬送された用紙Sは、用紙処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。
【0029】
用紙搬送路SH5の途中には、湾曲補正装置の一例としてのカール補正装置U4aが配置されており、前記用紙搬送路SH5には搬送路の切替部材の一例としてのカール切替ゲートG4が配置されている。前記カール切替ゲートG4は、前記画像形成装置本体U3の用紙搬送路SH3から搬送された記録用紙Sを、湾曲、いわゆる、カールの方向に応じて、第1カール補正部材h1または第2カール補正部材h2の側に搬送する。前記第1カール補正部材h1または第2カール補正部材h2に搬送された記録用紙Sは、通過時にカールが補正される。カールが補正された記録用紙Sは、排出部材の一例としての排出ロールRhから用紙処理装置U4の排出部の一例としての排出トレイTH1に用紙の画像定着面が上向きの状態、いわゆる、フェイスアップ状態で排出される。
【0030】
前記第1ゲートGT1により画像形成装置本体U3の前記用紙反転路SH4側に搬送された用紙Sは、弾性薄膜状の部材により構成された搬送方向の規制部材の一例としての第2ゲートGT2を押しのける形で通過して、画像形成装置本体U3の前記用紙反転路SH4に搬送される。
前記画像形成装置本体U3の用紙反転路SH4の下流端には、用紙循環路SH6および用紙反転路SH7が接続されており、その接続部にも、搬送方向の規制部材の一例としての第3ゲートGT3が配置されている。前記第1ゲートGT1を通って用紙搬送路SH4に搬送された用紙は、前記第3ゲートGT3を通過して前記用紙処理装置U4の用紙反転路SH7側に搬送される。両面印刷を行う場合には、用紙反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sは、前記第3ゲートGT3をそのまま一旦通過して、用紙反転路SH7に搬送された後、逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックさせられると、第3ゲートGT3により搬送方向が規制され、スイッチバックした記録用紙Sが用紙循環路SH6側に搬送される。前記用紙循環路SH6に搬送された記録用紙Sは前記給紙路SH1を通って前記2次転写領域Q4に再送される。
【0031】
一方、用紙反転路SH4を搬送される記録用紙Sを、記録用紙Sの媒体搬送方向後端が第2ゲートGT2を通過後、第3ゲートGT3を通過する前に、スイッチバックすると、第2ゲートGT2により記録用紙Sの搬送方向が規制され、記録用紙Sは表裏が反転された状態で用紙搬送路SH5に搬送される。表裏が反転された記録用紙Sは、カール補正部材U4aによりカールが補正された後、前記用紙処理装置U4の用紙排出トレイTH1に、用紙Sの画像定着面が下向きの状態、いわゆる、フェイスダウン状態で排出することができる。
前記符号SH1〜SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,V,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH、GT1〜GT3等で示された要素により媒体搬送系SUが構成されている。
【0032】
(給紙トレイTR1〜TR4の説明)
図2は実施例1の給紙トレイの要部拡大図である。
ここで、実施例1の前記各給紙トレイTR1、TR2については、第2給紙トレイTR2についてのみ詳細に説明し、その他の前記各給紙トレイTR1については、前記第2給紙トレイTR2と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0033】
図2において、前記第2給紙トレイTR2の左右両端の外方にはそれぞれ、前後方向、すなわち、X軸方向に延びる案内部材の一例としてのレール1が配置されている。前記レール1の下面下側にはそれぞれ回転部材の一例としてのローラ2が回転可能に支持されている。前記ローラ2の上部は、レール1の下面に形成された孔からレール1の上方に突出している。
また、前記各給紙トレイTR1、TR2の左右両側の下部にはそれぞれ、外方に膨出する被案内部材の一例としての被ガイドレール3が前後に延びて設けられており、前記被ガイドレール3は前記レール1下面の前記ローラ2上面に支持されている。したがって、前記第2給紙トレイTR2は、前記左右の各レール1に沿って前後方向に出入可能に構成されている。すなわち、前記第2給紙トレイTR2は、前記給紙装置U2から引出された引出位置と、前記給紙装置U2に挿入された挿入位置との間で移動可能に構成されている。
【0034】
図3は実施例1の給紙トレイの平面図である。
図2、図3において、第2給紙トレイTR2は、底板4と、底板4の前後左右を囲むように上方に延びる前壁6、後壁7、左壁8および右壁9と、を有する。図3において、前記第2給紙トレイTR2の底板4の左部には、第1の案内部の一例として、左右方向に延びる溝状のエンドガイド溝4aが形成されており、底板4の右部には、第2の案内部の一例として、前後方向に延びる溝状のサイドガイド溝4bが形成されている。図2、図3において、前記右壁9の上端部には、上方に行くほど右方に傾斜する傾斜部9aが形成されており、傾斜部9aは送り出される記録用紙Sを搬送ロールRaに案内する。
【0035】
前記底板4の上面には、積載部材の一例として、記録用紙Sが積載される平板状の積載プレート11が配置されている。前記積載プレート11には、前記エンドガイド溝4aに対応して、左方から中央部に向けて延びる左開口11aと、サイドガイド溝4bに対応して前後両端から中央部に向けて延びる前開口11bおよび後開口11cと、が形成されている。実施例1の積載プレート11は、図示しない線状部材の一例としてのワイヤを用いた昇降機構により、上昇および下降可能に構成されている。すなわち、積載プレート11は、下降して記録用紙Sを積載可能な下降位置と、記録用紙Sを送り出すために上昇させる上昇位置との間で昇降可能に構成されている。なお、ワイヤを利用した記録用紙Sの昇降機構は、例えば、特開2010−143658号公報や特開2010−149982号公報等に記載されているように従来公知であり、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
前記エンドガイド溝4aには、第1の端揃え部材の一例としてのエンドガイド12がエンドガイド溝4aに沿って左右方向に移動可能に支持されている。前記エンドガイド12は、移動部の一例として、底板4に沿った平板状のスライド部12aと、揃え部本体の一例として、スライド部12aの左端から上方に延びるエンドガイド本体12bとを有し、前方から見た場合に略L字形状に形成されている。前記エンドガイド本体12bの右側面には、積載プレート11上に積載される記録用紙Sの端縁である左端に接触可能な接触面12cが形成されており、記録用紙Sの左端が接触すると、記録用紙Sの束の左端が揃えられる。
【0037】
前記サイドガイド溝4bには、第2の端揃え部材の一例として、前後一対のサイドガイド13が、サイドガイド溝4bに沿って前後方向に移動可能に支持されている。各サイドガイド13は、エンドガイド12と同様に、スライド部13aと、サイドガイド本体13bとを有し、サイドガイド本体13bの内側面には、記録用紙Sの前後の端縁に接触可能な接触面13cが形成されている。
なお、一対のサイドガイド13は、図示しない歯車の一例としてのピニオンギアと平板に歯車が形成されたラックとにより、互いに接近、離間する方向に連動して移動可能に構成されている。なお、ピニオンギアやラックギアにより互いに接近、離間する方向に連動して移動する構成は、例えば、特開2007−106567号公報や特開2010−24057号公報等に記載されており、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
したがって、サイドガイド13が互いに接近、離間する方向に移動して、記録用紙Sの端縁に接触すると、記録用紙Sの束の前後両端が揃えられる。
【0038】
図4は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、図4Aは正面図、図4Bは平面図である。
図5は実施例1の吸着ヘッドを斜め下方から見た斜視図である。
図6は図4BのVI−VI線断面図である。
図2、図4〜図6において、前記第2給紙トレイTR2の上方には、媒体の取出部材の一例としてのシート取出装置21が配置されている。前記シート取出装置21は、保持部材の一例として、積載プレート11上の記録用紙Sを吸着して保持可能な吸着ヘッド22を有する。前記吸着ヘッド22は、保持部材本体の一例として箱形のヘッド本体23を有する。前記ヘッド本体23は、平板状の底板部24と、底板部24の前後左右から上下方向に延びる側壁26,27,28,29とを有する。
【0039】
図7は実施例1の吸着ヘッドの説明図であり、最小の大きさの媒体が収容された状態における平面図である。
前記底板部24には、気体吸引用の開口の一例として、上下方向に貫通する吸気口31が複数形成されている。前記吸気口31は、第1の吸気口の一例として、ヘッド本体23の中央部に配置された内吸気口31aと、第2の吸気口の一例として、ヘッド本体23の前後方向外側に配置された外吸気口31bと、を有する。図7において、実施例1の内吸気口31aは、画像形成装置Uで使用可能な最小の媒体の一例としての葉書S1の前後方向の幅の内側に収まるように配置されており、外吸気口31bは、葉書S1の前後方向の幅の外側に配置されている。
【0040】
図8は実施例1の遮断手段の説明図であり、図8Aは遮断手段が取り外された状態の説明図、図8Bは遮断手段が装着された状態の説明図である。
前記底板部24の下面の右部には、湾曲付与部の一例として、右方に行くほど下方に傾斜すると共に前後方向中央部に行くほど左方に傾斜する傾斜面32が形成されている。また、底板部24の下面の前後両端部には、湾曲付与部の一例として、下方に延びる板状のリブ33が間隔をあけて複数形成されている。
図4A、図6、図8において、前記各側壁26〜29の外表面には、第1の囲み支持部材の一例として、外方に突出する外側ピン34が複数支持されている。また、図8において、底壁部24の上面には、前記内吸気口31aと外吸気口31bとの間の位置に、上方に延びる支持壁35が支持されており、支持壁35には、第2の囲み支持部材の一例として、内側に突出する内側ピン35aが複数支持されている。
【0041】
図4A、図5、図6において、ヘッド本体23の外表面には、囲み部材の一例として、下方に延びる板状の封止スカート36が配置されている。実施例1の封止スカート36は、第1の囲み部材の一例として、前記外側ピン34に支持されて、ヘッド本体23の外周を囲むように配置された前後左右の4つの外スカート36aと、第2の囲み部材の一例として、内側ピン35aに支持されて、ヘッド本体23の左右方向の一端側から他端側まで延びる前後一対の内スカート36bと、を有する。
なお、実施例1では、葉書S1の媒体搬送方向の長さL1に対して、吸着ヘッド22の外スカート36aの搬送方向の長さLaの方が短く設定されている。また、葉書S1の幅方向の長さL2に対して、吸着ヘッド22の外スカート36aの幅方向の長さLbの方が長く設定されている。すなわち、実施例1では、L1>La、且つ、L2<Lbに設定されている。したがって、実施例1の外スカート36aは、葉書S1の幅方向の外端よりも外側に配置されると共に、内スカート36bは、葉書S1の幅方向の外端よりも内側に配置される。
【0042】
前記各封止スカート36a,36bには、ピン34,35aに対応する位置に、上下方向に延びる長孔36cが形成されており、長孔36cには、ピン34,35aが貫通した状態で支持されている。したがって、実施例1の封止スカート36は、ヘッド本体23に対して、上下方向、すなわち、積載プレート11や積載された記録用紙Sに対して接近、離間する方向に移動可能に支持されている。
したがって、前記封止スカート36や側壁26〜29により囲まれた内側に、吸気口31が配置されており、前記封止スカート36や底板部24の下面、側壁26〜29により囲まれた空間によって、実施例1の吸気空間37が構成されている。なお、実施例1の吸気空間37は、内スカート36bで内側と外側とがほぼ仕切られた構成となっており、第1の空間の一例として、内スカート36bの内側で封止スカート36に囲まれた内側吸気空間37aと、第2の空間の一例として、内スカート36bと外スカート36aとで囲まれた外側吸気空間37bと、を有する。
【0043】
ヘッド本体23の上部には、覆い部材の一例として、蓋状のカバー部39が支持されている。カバー部39は、底板部24および側壁26〜29で囲まれた空間の上方を塞ぐ板状の上板部39aと、上板部39aの前後左右から下方に延びる側板部39b,39c,39d,39eとを有する。図4B、図5において、前側の側板部39bの右部には、接続部の一例として、前方に延びる排気ダクト39fが形成されている。前記排気ダクト39fには、可撓性部材の一例としての蛇腹40の一端が接続されており、蛇腹40の他端には、吸引装置の一例としての排気ファンHFが接続されている。
したがって、前記前側の側壁26に形成された開口の一例としての排気口26aや排気ダクト39f、蛇腹40を介して、排気ファンHFが吸気口31に接続されており、排気ファンHFが作動すると、吸気口31から吸気空間37内の気体、空気が排気される。
前記符号23〜39を付した部材等により、実施例1の吸着ヘッド22が構成されている。
【0044】
図4〜図6において、前記カバー部39の右側部39eには、前端支持部の一例として、右方に延びる板状のシート前端ガイド39gが支持されている。実施例1のシート前端ガイド39gは、前後方向に間隔をあけて配置された搬送ロールRaの間を通過できるように、前後方向の長さが設定されている。
なお、実施例1の搬送ロールRaは、ヘッド本体23の前後方向の外端よりも内側に、少なくともローラの一部が差し掛かるように配置されており、搬送ロールRaの内端どうしの間隔が、最小サイズの記録用紙Sの幅よりも狭い間隔に設定されている。したがって、最小サイズの記録用紙Sを供給する場合でも、搬送ロールRaが記録用紙Sを挟んで下流側に搬送可能となっている。
【0045】
前記カバー部39の上面には、被案内部の一例としてのシャフトガイド部41が支持されている。前記シャフトガイド部41は、案内部材の一例として、給紙装置U2の本体に支持され且つ媒体の搬送方向である左右方向に沿って延びるガイドシャフト42が貫通した状態で支持されている。実施例1のシャフトガイド部41は、軸受け部材の一例としてのリニアボールベアリング43を介して、ガイドシャフト42に沿って左右方向に移動可能且つ回転不能な状態で支持されている。
前記シャフトガイド部41の上面には、連結部材の一例としてのワイヤ固定部44が支持されている。前記ワイヤ固定部44には、線材の一例としてのワイヤ46が固定支持されている。前記ワイヤ46は、支持部材の一例として、ワイヤ固定部44の左右に配置された一対のプーリ47や駆動プーリ48、従動プーリ49に張架されており、駆動プーリ48には、駆動源の一例としての正逆回転可能なモータM1から回転が伝達される。したがって、モータM1の正逆回転に伴って、ワイヤ46が図4Bにおいて時計回りまたは反時計回りに回転し、吸着ヘッド22が、ガイドシャフト42に沿って左右方向に移動可能に構成されている。
【0046】
図2において、前記吸着ヘッド22と搬送ロールRaとの間には、媒体分離装置の一例として、吸着ヘッド22に対して下方から媒体分離用のエアを吹き付けるエア吹き付け装置50が配置されている。なお、エアを吹き付けて媒体を分離する構成に関しては、例えば、特開平11−89625号公報や特開2008−94603号公報、特開2005−194027号公報等に記載されており、従来公知の種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
前記ワイヤ46やプーリ47〜49、モータM1等により、保持部材の駆動装置の一例として、実施例1のヘッド駆動装置46〜49+M1が構成されている。また、前記吸着ヘッド22や、蛇腹40,排気ファンHF、ヘッド駆動装置46〜49+M1、エア吹き付け装置50等により実施例1のシート取出装置21が構成されている。
【0047】
図4において、実施例1の画像形成装置Uの制御部Cは、給紙装置U2を制御する給紙制御手段C1を有する。給紙制御手段C1は、搬送制御手段の一例としてのヘッド駆動手段C11と、吸着制御手段の一例としてのファン制御手段C12と、捌き制御手段の一例としての吹付制御手段C13とを有する。
前記ヘッド駆動手段C11は、供給制御手段C11Aを有し、モータM1の正逆回転を制御して、吸着ヘッド22の駆動、位置を制御する。
前記供給制御手段C11Aは、記録用紙Sの供給動作時に、記録用紙Sの供給時期に基づいて、モータM1を正回転または逆回転させて、吸着ヘッド22を吸着位置と供給位置との間で移動させる。
【0048】
ファン制御手段C12は、排気ファンHFを制御して、吸着ヘッド22に記録用紙Sを吸着させる。実施例1のファン制御手段C12は、給紙動作が開始されて、記録用紙Sを吸着する時期になると、排気ファンHFを作動させて、記録用紙Sの吸着を開始し、吸着ヘッド22が供給位置に移動したと判別されると、排気ファンHFの排気を停止する。
吹付制御手段C13は、エア吹き付け装置50を制御して、吸着ヘッド22に吸着された記録用紙Sにエアを吹き付けて、記録用紙Sを分離して、捌く。実施例1の吹付制御手段C13は、ファン制御手段C12が吸引を開始してから、予め設定された吹付開始時間t3が経過した後に、エア吹き付け装置50を作動させてエアの吹付を開始し、吹付開始後、予め設定された吹付時間t4が経過するとエアの吹付を終了する。なお、実施例1では、吹付開始時間t3は、排気ファンHFが作動してから封止スカート36が上端まで上昇するまでの時間が、実験等で予め測定され、設定されており、吹付時間t4は、エアの吹付で十分に記録用紙Sが分離可能な程度の時間が、実験等で予め測定され、設定されている。
【0049】
(遮断手段の説明)
図5において、前記ヘッド本体23の底板部24の前後両端部には、取付部の一例として、左右一対の開口により構成されたシャッタ支持孔61が形成されている。
図5、図8において、実施例1の画像形成装置Uでは、遮断手段の一例であって、遮断部材の一例として、前後一対の板状のシャッタプレート62がヘッド本体23に対して着脱可能に装着される。図5において、前記シャッタプレート62は、遮断部の一例として、ヘッド本体23に装着された場合に、外吸気口31bを閉塞可能な板状のシャッタ本体62aを有する。前記シャッタ本体62aには、リブ33に対応する位置に切欠部62bが形成されている。シャッタ本体62aには、各シャッタ支持孔61に対応する位置に、被取付部の一例として、シャッタ本体62aの上面から上方に延びる左右一対の爪部62cが形成されている。なお、実施例1のシャッタプレート62は、プラスチック等の樹脂材料により一体成形されており、前記爪部62cは、弾性変形可能に構成されている。
【0050】
したがって、シャッタプレート62が、ヘッド本体23に取り付けられる場合、爪部62cがシャッタ支持孔61に挿入されると、爪部62cが一時的に弾性変形する。そして、爪部62cの先端がシャッタ支持孔61を通過すると弾性復元して、シャッタ支持孔61の上縁に引っ掛かった状態となり、シャッタプレート62がヘッド本体23に装着される。前記シャッタプレート62がヘッド本体23から取り外される場合、シャッタプレート62が下方に引っ張られると、爪部62cやシャッタ本体62aが弾性変形して、爪部62cがシャッタ支持孔61から離れ、シャッタプレート62がヘッド本体23から取り外される。
したがって、実施例1のシャッタプレート62は、いわゆるスナップフィット構造により、ヘッド本体23に着脱可能に装着される。
なお、実施例1のシャッタプレート62は、外スカート36aの幅方向の長さよりも幅方向の長さが短い媒体である葉書S1が使用される場合に、利用者によって手動で装着される。
【0051】
(実施例1の作用)
図9は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図9Aは画像形成動作が開始される前の積載プレートが下降位置に移動した状態の給紙トレイの説明図、図9Bは画像形成動作が開始されて積載プレートが上昇位置に移動した状態の説明図である。
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、画像形成動作としてのジョブが開始される前は、図9Aに示すように、給紙トレイTR1,TR2の積載プレート11が下降位置に移動し、吸着ヘッド22は吸着位置に移動している。図3に示すように記録用紙Sの幅および長さが吸着ヘッド22の幅および長さよりも大きい大サイズシートが使用される場合、ジョブが開始されると、積載プレート11が図9Bに示す上昇位置に上昇して、積載プレート11に積載された記録用紙Sの束の最上面の記録用紙Sが封止スカート36の下端に近接した状態となる。
【0052】
図10は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図10Aは図9Bに示す状態から媒体が吸着されると共に媒体分離用のエアが吹き付けられた状態の説明図、図10Bは図10Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置から供給位置に移動した状態の説明図である。
次に、排気ファンHFが作動して、吸気空間37の吸気が行われると、最上面の記録用紙Sが封止スカート36の下端に吸着され、吸気空間37がほぼ密閉された状態となる。すなわち、吸気空間37に対して、外部から気体の流入が制限された状態となる。
この状態から、さらに吸気空間37の排気が行われると、密閉された吸気空間37が低圧状態となって、封止スカート36と共に記録用紙Sが上昇し、図10Aに示す状態となる。
【0053】
このとき、最上面の記録用紙Sの下面に静電気等で1枚または複数の記録用紙Sが吸着されて、共に上昇する場合がある。実施例1の画像形成装置Uでは、吸気空間37の排気が開始されるとエア吹き付け装置50も作動して、記録用紙Sに対してエアが吹き付けられる。
封止スカート36と共に上昇した記録用紙Sは、封止スカート36が上端まで移動した状態で更に排気が行われると、記録用紙Sが撓み、傾斜面32やリブ33に接触して、波打った状態となる。前記記録用紙Sの波打ち状態は、最上面の記録用紙Sとその下のシートとでは差が発生し、記録用紙S間に隙間が発生する。したがって、記録用紙S間の隙間にエアが吹き付けられて、最上面の記録用紙Sに対して、その他の記録用紙Sが分離され、落下して積載プレート11に積載される。
【0054】
なお、実施例1の吸着ヘッド22では、分離用のエアが記録用紙Sに吹き付けられても、記録用紙Sの前端部の上面がシート前端ガイド39gで支持され、記録用紙Sが上方に捲れたり、湾曲したりすることが低減されている。
そして、吸着ヘッド22に吸着された記録用紙Sは、吸着ヘッド22が図10Aに示す吸着位置から図10Bに示す供給位置への移動に伴って前進し、搬送方向の前端が、シート前端ガイド39gに案内されながら搬送ローラRaに到達し、搬送ローラRaの回転に伴って下流側に搬送される。
【0055】
図11は実施例1の大サイズのシートが供給される場合の作用説明図であり、図11Aは図10Bに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に向けて移動を開始した状態の説明図、図11Bは図11Aに示す状態から吸着ヘッドがさらに移動して吸着位置に到達した状態の説明図である。
図10B、図11Aにおいて、記録用紙Sが搬送ローラRaに到達して搬送され始めると、排気ファンHFの作動が停止して、吸気空間37の排気が停止されると共に、吸着ヘッド22が吸着位置に向けて復帰を始める。
図11A、図11Bにおいて、記録用紙Sが搬送されて、後端が封止スカート36を通過すると、吸気空間37の密閉が解除されて、気圧が大気圧に戻り、封止スカート36が重力で下降する。したがって、図9Bに示す状態に戻り、図10A〜図11Bに示す工程が繰り返されて、記録用紙Sが供給される。
【0056】
図8において、葉書等の小サイズの記録用紙S1を使用する場合、サイドガイド13を記録用紙S1の側端に接触させた状態で、図9において前述したように、積載プレート11が上昇し、吸気空間37の排気が行われる。
このとき、小サイズの記録用紙S1を使用すると、記録用紙S1の幅が、外スカート36aどうしの幅よりも短く、外側吸気空間37bの下方が密閉されない状態となる。したがって、シャッタプレート62が取り付けられていない従来の構成では、外吸気口31bが開放された状態では、排気ファンHFが吸気を行っても、外吸気口31bから外気が吸引され続け、吸気空間37を負圧にすることが困難であり、記録用紙S1の吸引能力が低下する。
これに対して、実施例1では、小サイズの記録用紙S1が使用される場合に、シャッタプレート62が取り付けられると、外吸気口31bが閉塞される。したがって、排気ファンHFの排気が内吸気口31aに集中し、単位面積当たりの排気量、すなわち、吸引力が向上する。よって、小サイズの記録用紙S1の吸引能力が向上し、小サイズの記録用紙S1を給紙することが可能となり、吸引力不足での給紙不良の発生も低減される。
【0057】
特に、実施例1では、小サイズの記録用紙S1の幅方向の外端よりも内側に、内スカート36bが配置されており、小サイズ記録用紙S1が使用される場合には、外側吸気空間37bは密閉されないが、内側吸気空間37aは密閉可能な状態となる。したがって、内スカート36bが配置されない場合に比べて、さらに、吸引能力が向上している。なお、内スカート36bは、設けることが望ましいが、内吸気口31aに排気が集中することで、吸引力が向上しており、記録用紙S1を吸引、保持可能な吸引力が確保できる場合、内スカート36bは省略することも可能である。
なお、小サイズの記録用紙S1は、図10、図11に示す大サイズ記録用紙Sの場合と同様にして、吸着ヘッド22に吸着された後、吸着ヘッド22の移動に応じて、下流側に搬送され、画像形成装置本体U3に供給される。
【実施例2】
【0058】
次に本発明の実施例2の給紙トレイの説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0059】
図12は実施例2の給紙トレイの説明図であり、図12Aは大サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの状態の説明図、図12Bは小サイズのシートが収容された場合のサイドガイドの説明図である。
図12において、実施例2の給紙トレイTR1,TR2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62が設けられておらず、実施例1と異なる構成のサイドガイド71を有する。次に、実施例2のサイドガイド71の説明を行うが、前後一対のサイドガイド71は、前後対称に配置されているだけで同様に構成されているため、後側のサイドガイド71について説明を行い、前側のサイドガイド71については、詳細な説明を省略する。
【0060】
図13は実施例2のサイドガイドの分解説明図である。
図12、図13において、実施例2のサイドガイド71は、移動部の一例として、底部に配置されてサイドガイド溝4bに沿って前後方向に移動可能に支持されるスライド部72と、揃え部本体の一例として、スライド部72の後端から上方に延びるサイドガイド本体73と、を有する。
前記スライド部72の上面には、係合部の収容部の一例として、左右方向中央部で前後方向に延びる収容溝72aが形成されている。
前記サイドガイド本体73の前面には、遮断案内部の一例として、左右方向中央部で上下方向に延びるシャッタガイド溝73aが形成されている。実施例2のシャッタガイド溝73aは、下端が収容溝72aの後端に接続されている。また、実施例2のシャッタガイド溝73aは、上方から見た溝73aの断面形状が、前側に比べて、後側の方が左右方向の幅が広い台形状に形成されている。
【0061】
前記サイドガイド71には、遮断部材の一例としての昇降シャッタ76が上下方向に移動可能に支持されている。実施例2の昇降シャッタ76は、下部に配置された連動部77を有する。前記連動部77は、下側の案内部の一例として、シャッタガイド溝73aの形状に合わせて断面形状が台形状に形成された上下方向に延びる板状の下ガイド部77aを有する。前記下ガイド部77aは、シャッタガイド溝73aに上方から挿入されることで、台形形状の嵌り合いで前方への抜け止めがされると共に、上下方向に移動可能な状態で支持される。
前記下ガイド部77aの下端には、連動部本体の一例として、前方に延びる板状の連動板77bが形成されている。前記連動板77bは、左右方向の幅および上下方向の厚さが、収容溝72aに収容可能な幅および厚さに設定されると共に、前後方向の長さは、スライド部72の長さよりも長く形成されている。
【0062】
図12において、実施例2の連動板77bの前後方向の長さは、外スカート36aの前後方向の幅Lb以上の媒体Sが収容されて、媒体Sの端縁に合わせてサイドガイド71が移動した場合には、連動板77bの先端、すなわち前端が積載プレート11に到達せず、且つ、外スカート36aの前後方向の幅Lbより短い媒体Sの端縁に合わせてサイドガイド71が移動した場合には、連動板77bの前端が積載プレート11に到達する長さに設定されている。なお、図12Aにおいて、実施例2の積載プレート11には、連動板77bの前端が到達する位置に対応して、被連動部の一例として、連動板77bの前端が係合可能な連動凹部11dが形成されている。
【0063】
前記連動部77の上端には、間隔調整部材の一例としてのスプリング78を介して、遮断部材本体の一例としてのシャッタ本体79が支持されている。前記シャッタ本体79は、上側の案内部の一例として、下ガイド部77aと同様に構成され且つシャッタガイド溝73aに上下方向に移動可能な状態で支持される上ガイド部79aを有する。前記上ガイド部79aの上端には、遮断部の一例として、葉書S1が使用される場合の外側吸気空間37bに対応する位置に配置されて、外側吸気空間37bの下端を閉塞可能な板状のシャッタ板79bが支持されている。なお、実施例2のシャッタ板79bの左右方向の長さは、吸着ヘッド22が吸着位置に移動した状態では、外側吸気空間37bの下端を完全に閉塞して、少なくとも、葉書S1の吸着時には、外側吸気空間37bが閉塞された状態となり、且つ、吸着ヘッド22が供給位置に移動しても、外側吸気空間37bの下端の少なくとも一部が閉塞され、葉書S1が脱落しない程度の吸着力が確保されるように、設定されている。
前記連動部77、スプリング78、シャッタ本体79等により、実施例2の遮断手段の一例であって、遮断部材の一例としての昇降シャッタ76が構成されている。
【0064】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の給紙トレイTR1,TR2では、小サイズの記録用紙S1が使用される場合、図12Bに示すように、連動板77bが連動凹部11dに嵌り、昇降シャッタ76と昇降プレート11とが係合した状態となる。この状態から、給紙動作が開始されて、昇降プレート11が上昇すると、シャッタガイド溝73aに沿って、昇降シャッタ76が上昇して、シャッタ板79bが外側吸気空間37bの下端を閉塞する。したがって、実施例1と同様に、小サイズの記録用紙S1が使用される場合には、外吸気口31bからの吸気が規制され、内吸気口31aから吸気が集中された状態で、記録用紙S1の吸着が行われる。
なお、実施例2では、連動部77とシャッタ本体79との間がスプリング78で連結されており、記録用紙S1の供給に伴って昇降プレート11が上昇していっても、スプリング78が縮んで上昇分を吸収可能である。したがって、スプリング78が設けられてない構成では、シャッタ本体79がヘッド本体23に接触すると、昇降プレート11が上昇できなくなる恐れがあったり、シャッタ本体79をヘッド本体23を過剰な力で押して、破損等する恐れがあるが、実施例2では、昇降プレート11の上昇時に、スプリング78が縮んで、昇降プレート11の上昇が許容され、ヘッド本体23の破損等も低減されている。
【0065】
また、実施例2では、連動板77bの長さが、外吸気口31bの閉塞が必要な場合に連動凹部11dに係合し、記録用紙Sの幅が外スカート36aの幅Lb以上で、閉塞が不要な場合には、図12Aに示すように、連動板77bが連動凹部11dに係合しないように設定されている。したがって、記録用紙Sの幅が外スカート36aの幅Lb以上の場合には、昇降シャッタ76が昇降プレート11の昇降に連動せず、下降した状態で保持される。
【実施例3】
【0066】
次に本発明の実施例3の給紙トレイの説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0067】
図14は実施例3の給紙装置の前面部分の説明図である。
図15は実施例3の遮断手段の要部説明図である。
図16は実施例3の作用説明図であり、図16Aは遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図、図16Bは図16Aに示す状態から遮断部材が閉塞位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bに示す状態から遮断部材を開放位置に向けて移動を開始させる状態の説明図、図16Dは図16Cに示す状態から遮断部材が開放位置に移動した状態の説明図である。
【0068】
実施例3の給紙装置U2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62および対応する構成が設けられていない。図14において、実施例3の給紙装置U2では、給紙装置U2の前面に、シート取出装置21の前面に対応する位置に、遮断移動部材の一例としてのシャッタ開閉用のノブ81が支持されている。図15において、前記シャッタ開閉用のノブ81は、作業者が摘んで操作が可能な摘み部82と、摘み部82から後方に延びる軸部83とを有する。図15、図16において、前記軸部83の後端には、連動部の一例として、半円中状のカム部84が支持されており、カム部84は、下面84aが平面状に切除された形状に形成されている。
前記軸部83には、復帰部材の一例として、ノブ81が回転しても、カム部84の下面84aが下方になる初期状態に復帰する方向の回転力を付与するネジリバネ86が支持されている。すなわち、作業者が摘み部82を摘んでノブ81を回転させた場合、ネジリバネ86が弾性変形して、前記初期位置に向けて回転させる弾性復元力が作用し、作業者が摘み部82を離した場合に、弾性復元力で初期位置に復帰するように構成されている。
【0069】
図15、図16において、前記底板部24の上面には、遮断手段の一例であって、遮断部材の一例として、板状のシャッタ板91が左右方向に移動可能に支持されている。前記シャッタ板91は、前後の外吸気口31bに対応して配置された前後一対のシャッタ部92を有し、シャッタ部92どうしの、右端で前後方向に延びる連結部93により連結されている。
前記シャッタ部92には、外吸引口31bに対応する通気口92aが左右方向に間隔を開けて形成されている。したがって、図16A、図16Dに示すように、通気口92aが外吸引口31bの上方に移動すると外吸引口31bが開放された状態となって吸気空間37の気体が外吸引口31bを通じて吸引可能な状態となり、図16B、図16Cに示すように、通気口92aが外吸引口31bからずれた状態となると、外吸引口31bがシャッタ部92により閉塞された状態となって、外吸引口31bを通じた吸気空間37の吸気が遮断される。
【0070】
図15、図16において、前側のシャッタ部92の左端には、被連動部の一例として、カム部84に対応する位置に下方から上方に延びる連動バー94が支持されている。前記連動バー94は、カバー部39の上板部39aに形成された左右方向に延びる長孔96を貫通して上方に延びており、初期位置に移動したカム部84の下面84aに対して、先端が接近し且つ非接触の状態となる長さに設定されている。なお、前記長孔96には、密閉部材の一例として、図示しない弾性材料製のシール部材が支持されており、連動バー94が貫通する部分以外の長孔96を通じて外気が流入しにくくなるように、すなわち、記録用紙Sの吸引能力に影響を及ぼさない程度に気密の状態が確保されるように構成されている。
【0071】
したがって、実施例3のシャッタ板91は、ノブ81が、第1の方向の一例としての反時計回り方向に回転されると、図16Aに示す状態から図16Bに示す状態にカム部84が回転し、カム部84の下面84aに連動バー94が右方に押されて、図16Aに示す開放位置から図16Bに示す閉塞位置にシャッタ板91が移動する。この状態では、外吸引口31bが閉塞される。なお、実施例3では、停止部材の一例としての図示しないストッパが設けられており、ノブ81は図16Bに示す状態よりも反時計回り方向に回転しないように設定されている。
そして、ノブ81の摘み部82から作業者の指が離れると、シャッタ板91は図16Bに示す閉塞位置に保持されたまま、カム部84はネジリバネ86の弾性力で図16Aに示すように初期位置に復帰する。
【0072】
図16C、図16Dにおいて、前記ノブ81が、第2の方向の一例としての時計回り方向に回転されると、カム部84が初期位置から回転して、図16C、図16Dに示すように、カム部84の下面84aに連動バー94が左方に押されて、図16Cに示す閉塞位置から図16Dに示す開放位置にシャッタ板91が移動する。この状態では、外吸引口31bは開放される。なお、実施例3では、停止部材の一例としての図示しないストッパが設けられており、ノブ81は図16Dに示す状態よりも時計回り方向に回転しないように設定されている。
そして、ノブ81の摘み部82から作業者の指が離れると、シャッタ板91は図16A、図16Dに示す開放位置に保持されたまま、カム部84はネジリバネ86の弾性力で図16Aに示すように初期位置に復帰する。
【0073】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の給紙装置U2では、ノブ81が手動で回転されると、シャッタ板91は、開放位置と閉塞位置との間で移動する。したがって、小サイズの記録用紙S1が使用される場合、ノブ81が手動で反時計回り方向に回転されると、外吸引口31bが閉塞されて、実施例1,2と同様に、内吸気口31aから吸気が集中した状態で記録用紙S1の吸着が行われる。したがって、実施例1,2と同様に、吸引力不足の発生が低減される。
【0074】
なお、実施例3では、ネジリバネ86がノブ81を初期位置に復帰させており、給紙トレイTR1,TR2が給紙装置U2に装着された状態では、給紙トレイTR1,TR2の前面でノブ81の前面が塞がれる。したがって、作業者が指をノブ81に触れることが不能となり、カム部84は初期位置に復帰しており、連動バー94から離間した状態で保持される。したがって、給紙動作が開始されて、吸着ヘッド22が左右方向に移動しても、カム部84が連動バー94に接触せず、シャッタ板91が移動することが低減されている。
また、大サイズの記録用紙Sが使用される場合、ノブ81が手動で時計回り方向に回転されると、外吸引口31bが開放されて、外吸引口31bも使用されて、記録記録用紙Sの吸着が行われる。
【実施例4】
【0075】
次に本発明の実施例4の給紙トレイの説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例4は、下記の点で前記実施例1〜3と相違しているが、他の点では前記実施例1〜3と同様に構成されている。
【0076】
図17は実施例4の遮断手段の要部説明図である。
実施例4の給紙装置U2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62および対応する構成が設けられていない。図17において、実施例4の給紙装置U2では、前側のサイドガイド13の上端には、連動部の一例として、シャッタ作動部材101が支持されている。前記シャッタ作動部材101は、サイドガイド13の上端から底板部24よりも上方まで延びる延長部101aと、延長部101aの上端から後方に延びる作動部本体101bと、作動部本体101bの後端に形成され且つ後方に行くに連れて左方に傾斜する連動面101cと、を有する。
【0077】
図17において、実施例4の遮断手段は、実施例3のシャッタ板91において、連動バー94に替えて、前側のシャッタ部92の左端から前方に延びる被連動部の一例としての被連動プレート102を有する。前記被連動プレート102は、シャッタ作動部材101に対応する位置に配置されており、前端には、連動面101cに対向して、前方に行くに連れて右方に傾斜する被連動面102aが形成されている。
なお、実施例4では、幅Lbよりも小サイズの記録用紙S1の幅方向の端にサイドガイド13が接触した場合に、連動面101cと被連動面102aとが接触して、シャッタ板91が右方の閉塞位置に移動し、且つ、幅Lb以上の大サイズの記録用紙Sの幅方向の端にサイドガイド13が接触した場合に、連動面101cと被連動面102aとが離間するように、作動部本体101bおよび被連動プレート102の前後方向の長さが設定されている。
【0078】
また、実施例4では、シャッタ板91の右端と右側壁29の内面との間には、シャッタ部材91を左方に常時付勢する付勢部材の一例としてのスプリング103が支持されている。
なお、実施例4では、実施例3の場合と同様に、被連動プレート102が貫通する前側壁26に、図示しないシール部材が支持されている。
【0079】
したがって、実施例4では、大サイズの記録用紙Sが収容されて、サイドガイド13が前後方向の外側に移動した状態では、給紙トレイTR1,TR2が給紙装置U2から引き出された状態から挿入されても、作動部本体101bと被連動プレート102とが離間した状態となり、シャッタ板91は、スプリング103に押されて、左方の開放位置に移動する。
そして、小サイズの記録用紙S1が収容されて、サイドガイド13が前後方向の内側に移動した状態では、給紙トレイTR1,TR2が給紙装置U2内に挿入されると、連動面101cと被連動面102aとが接触して、被連動面102aが右方に押される。したがって、スプリング103の弾性力に抗して、シャッタ板91が開放位置から右方の閉塞位置に移動する。
【0080】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の給紙装置U2では、給紙トレイTR1,TR2に収容された記録用紙Sの幅に合わせてサイドガイド13が移動されると、シャッタ作動部材101が連動して移動する。収容された記録用紙Sが、大サイズの場合、シャッタ作動部材101が被連動プレート102に接触、係合せず、シャッタ板91は、開放位置に保持され、外吸引口31bが使用されて、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われる。
収容された記録用紙S1が小サイズの場合、シャッタ作動部材101が被連動プレート102に接触、係合し、シャッタ板91を閉塞位置に移動させる。したがって、記録用紙Sの吸着時は、外吸引口31bが閉塞された状態となり、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われる。
【0081】
なお、実施例4では、小サイズの記録用紙S1が使用される場合、吸着ヘッド22が、吸着が行われる左方の吸着位置に移動した状態では、外吸引口31bが閉塞されるが、右方の供給位置に移動するに連れて、シャッタ作動部材101と被連動プレート102との係合が解除されていき、シャッタ板91は開放位置に向けて相対的に移動する。吸引力が最も必要となる吸着位置では、外吸引口31bが閉塞された状態で吸引が行われることが望ましいが、記録用紙Sが吸着されて封止スカート36が上端に移動した状態では、記録用紙Sが吸着された状態で保持すればよく、積載プレート11上から吸引する場合に比べて、吸引力が低くても保持することが可能である。したがって、実施例4では、少なくとも吸着位置において外吸引口31bが閉塞されており、小サイズの記録用紙Sの吸引能力が向上している。なお、吸着ヘッド22に吸着された小サイズの記録用紙Sが、下流側の搬送ローラRaに受け渡されるまで吸着力が保持されるように、極力閉塞状態が保持されるように、構成されることが望ましく、例えば、記録用紙Sの搬送方向の前端が搬送ローラRaに到達した後に、外吸引口31bが完全に開放されるように、シャッタ作動部材101および被連動プレート102の左右方向の幅や面101c,102aの傾斜角等が設定されることが望ましい。
【実施例5】
【0082】
次に本発明の実施例5の給紙トレイの説明を行うが、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例5は、下記の点で前記実施例1〜4と相違しているが、他の点では前記実施例1〜4と同様に構成されている。
【0083】
図18は実施例5の遮断手段の要部説明図である。
図19は実施例5の遮断手段の作用説明図であり、図19Aは吸着ヘッドが吸着位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図である。
図20は実施例5の作用説明図であり、図20Aは吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が閉塞位置に移動した状態の説明図、図20Bは図20Aに示す状態から吸着ヘッドが吸着位置に移動した状態の説明図である。
図21は実施例5の作用説明図であり、図21Aは吸着ヘッドが図20Bに示す状態から吸着ヘッドが供給位置に移動した状態の説明図、図21Bは図21Aに示す状態から吸着ヘッドが閉塞作動位置に移動し且つシャッタ板が開放位置に移動した状態の説明図である。
【0084】
実施例5の給紙装置U2では、実施例4のシャッタ板91において、被連動プレート102およびスプリング103が省略されている。そして、実施例5の給紙装置U2では、第1の連動部材の一例として、吸着ヘッド22の左方に配置され且つ右方に突出する閉塞位置移動突起111が給紙装置U2の本体に支持されている。また、吸着ヘッド22の右方には、第2の連動部材の一例として、左方に突出する開放位置移動突起112が支持されている。実施例5では、前記閉塞位置移動突起111は、吸着ヘッド22が吸着位置に移動した場合の左端よりも左方に先端が配置されており、開放位置移動突起112は、吸着ヘッド22が供給位置に移動した場合の右端よりも右方に先端が配置されている。
【0085】
図18において、ヘッド本体23の左の側壁28およびカバー部39の左の側壁部39dには、閉塞位置移動突起111に対応する位置に配置され且つ閉塞位置移動突起111が貫通可能な左貫通孔113が形成されている。同様に、ヘッド本体23の右の側壁29およびカバー部39の右の側壁部39eには、開放位置移動突起112に対応する位置に配置され且つ開放位置移動突起112が貫通可能な右貫通孔114が形成されている。なお、前記側壁28,29に形成された各貫通孔113,114には、気体の通過を低減するための従来公知のシール部材が支持されており、シール部材は、例えば、円板状のゴムに中心から放射状にスリットが形成されて、突起111,112の貫通時に弾性変形すると共に、突起111,112が抜けると弾性復元する構成を採用可能である。
【0086】
図19〜図21において、実施例5では、吸着ヘッド22は、図19A、図20Bに示す吸着位置と図19B、図21Aに示す供給位置に加えて、吸着位置よりも搬送方向の上流側に設定された図20Aに示す閉塞作動位置と、供給位置よりも搬送方向の下流側に設定された図21Bに示す開放作動位置と、の間で移動可能に支持されている。
実施例5の閉塞作動位置は、図20Aに示すように、閉塞位置移動突起111が左貫通孔113を貫通してシャッタ板91の左端面に接触して、シャッタ板91を右方の閉塞位置に移動させる位置に設定されている。また、実施例5の開放作動位置は、図21Bに示すように、開放位置移動突起112が右貫通孔114を貫通してシャッタ板91の右端面に接触して、シャッタ板91を左方の開放位置に移動させる位置に設定されている。
【0087】
(制御部の説明)
図19において、実施例5の給紙制御手段C1は、実施例1のファン制御手段C12および吹付制御手段C13に加えて、媒体種類判別手段の一例としてのサイズ判別手段C10と、実施例1とは異なる搬送制御手段の一例としてのヘッド駆動手段C11と、を有する。
前記サイズ判別手段C10は、ユーザインタフェースUIからの入力に基づいて、給紙トレイTR1,TR2に収容された記録用紙Sの大きさが、予め設定された大きさよりも小さいか否かを判別する。なお、実施例5では、一例として、記録用紙Sの大きさが、幅Lbよりも幅が小さい記録用紙Sであるか否か、すなわち、記録用紙Sがはがきであるか否かを判別する。なお、サイズの判別の基準は、はがきに限定されず、例えば、A5サイズを基準として、A5以下か、A5より大きいかといった判別も可能である。
【0088】
前記ヘッド駆動手段C11は、実施例1と同様に構成された供給制御手段C11Aと、遮断制御手段の一例としてのシャッタ移動手段C11Bとを有し、モータM1の正逆回転を制御して、吸着ヘッド22の駆動、位置を制御する。
シャッタ移動手段C11Bは、サイズ判別手段C10で判別された記録用紙Sの種類に基づいて、モータM1を正回転または逆回転させて、吸着ヘッド22を、開放作動位置または閉塞作動位置に移動させる。実施例5のシャッタ移動手段C11Bは、記録用紙Sが小サイズの場合、給紙動作が開始される前に、モータM1を予め設定された閉塞時間t1だけ逆回転させて、吸着ヘッド22を吸着位置から閉塞作動位置に移動させて、シャッタ板91を閉塞位置に移動させる。その後、閉塞時間t1だけモータM1を正回転させて吸着ヘッド22を吸着位置に戻す。
【0089】
また、実施例5のシャッタ移動手段C11Bは、記録用紙Sが大サイズの場合、給紙動作が開始される前に、モータM1を予め設定された開放時間t2だけ正回転させて、吸着ヘッド22を吸着位置から開放作動位置に移動させて、シャッタ板91を開放位置に移動させる。その後、開放時間t2だけモータM1を逆回転させて吸着ヘッド22を吸着位置に戻す。なお、前記閉塞時間t1や開放時間t2は、吸着ヘッド22が、閉塞作動位置や開放作動位置に到達するのに必要な時間が、実験等で予め測定され、設定されているが、これに限定されず、閉塞作動位置や開放作動位置に吸着ヘッド22を検出する検出部材の一例としてのセンサを配置して、センサの検出結果に基づいて、吸着ヘッド22を停止させる構成とすることも可能である。
【0090】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の給紙装置U2では、記録用紙Sの大きさに応じて、給紙動作が開始される前に、吸着ヘッド22が閉塞作動位置または開放作動位置に移動して、外吸引口31bの開閉が行われる。そして、外吸引口31bの開閉が行われた後に、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われ、下流への搬送が行われる。よって、小サイズの記録用紙S1の場合は、外吸引口31bが閉塞され、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われ、小サイズの記録用紙S1に対する吸引能力が向上している。
【実施例6】
【0091】
次に本発明の実施例6の給紙トレイの説明を行うが、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例6は、下記の点で前記実施例1〜5と相違しているが、他の点では前記実施例1〜5と同様に構成されている。
【0092】
図22は実施例6の遮断手段の要部説明図である。
実施例6の給紙装置U2では、実施例4のシャッタ板91において、被連動プレート102およびスプリング103が省略されている。そして、実施例6の給紙装置U2では、シャッタ板91の後側のシャッタ部92の左端に、連動部の一例として、上方に延びる連結部材121が支持されている。前記連結部材121は、カバー部39の上板部39aに形成された左右方向に延びる長孔122を貫通して上方に延びている。なお、前記長孔122には、実施例3の場合と同様に、図示しないシール部材が支持されており、気密が確保されている。
【0093】
前記カバー部39の上板部39aの上面には、連結部材121の右方に対応する位置に、遮断作動部材の一例としてのキープソレノイド123が支持されている。前記キープソレノイド123は、可動部の一例としてのプランジャ123aを有し、プランジャ123aの先端は、連結部材121の上端に連結されている。
前記キープソレノイド123は、作動時にプランジャ123aが伸縮して、連結部材121を介してシャッタ板91を開放位置または閉塞位置に移動させる。
【0094】
(制御部の説明)
図22において、実施例6の給紙制御手段C1は、実施例5のシャッタ移動手段C11Bとは異なるシャッタ制御手段C11Cを有する。
実施例6のシャッタ移動手段C11Cは、サイズ判別手段C10で判別された記録用紙Sの種類に基づいて、キープソレノイド123を作動させて、シャッタ板91を開放位置または閉塞位置に移動させる。実施例6のシャッタ移動手段C11Cは、記録用紙Sが小サイズの場合、給紙動作が開始される前に、キープソレノイド123が作動して、プランジャ123が伸びた状態となり、シャッタ板91が閉塞位置に移動し、キープソレノイド123により、閉塞位置に保持される。また、シャッタ移動手段C11Cは、記録用紙Sが大サイズの場合、給紙動作が開始される前に、キープソレノイド123が作動して、プランジャ123が縮んだ状態となり、シャッタ板91が開放位置に移動し、キープソレノイド123により、開放位置に保持される。
【0095】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6の給紙装置U2では、記録用紙Sの大きさに応じて、給紙動作が開始される前に、キープソレノイド123が作動して、シャッタ板91が閉塞位置または開放位置に移動して、外吸引口31bの開閉が行われる。そして、外吸引口31bの開閉が行われた後に、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われ、下流への搬送が行われる。よって、実施例1〜5の場合と同様に、小サイズの記録用紙S1の場合は、外吸引口31bが閉塞され、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われ、小サイズの記録用紙S1に対する吸引能力が向上している。
【実施例7】
【0096】
次に本発明の実施例7の給紙トレイの説明を行うが、この実施例7の説明において、前記実施例1〜6の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例7は、下記の点で前記実施例1〜6と相違しているが、他の点では前記実施例1〜6と同様に構成されている。
【0097】
図23は実施例7の遮断手段の要部説明図である。
図24は実施例7の気体の流路の説明図であり、図24Aは要部断面図、図24Bは弁が開いた状態の説明図、図24Cは弁が閉じた状態の説明図である。
実施例7の給紙装置U2では、実施例1と異なり、手動で着脱可能なシャッタプレート62および対応する構成が設けられておらず、排気ダクト39fも省略されている。
図23、図24において、実施例7のヘッド本体23では、底板部24の上面に配置された前記支持壁131が、内吸引口31aと外吸引口31bとの間を仕切るように配置され、左側壁28から右側壁29まで左右方向に延びており、仕切部材の一例としての隔壁としての機能を有する。
【0098】
したがって、前後一対の支持壁131と左右両側壁28,29と底板部24と、カバー部39の上板部39aとで囲まれる空間により内排気空間132が構成される。そして、前側壁26、前側の支持壁131、左右両側壁28,29、底板部24および上板部39aにより囲まれた空間により前排気空間133が構成され、後側壁27、後側の支持壁131、左右両側壁28,29、底板部24および上板部39aにより囲まれた空間により後排気空間134が構成される。前記前排気空間133および後排気空間134により、実施例7の外排気空間133+134が構成される。
【0099】
前記カバー部39には、内排気空間132に一端が接続され且つ前方に延びる内排気ダクト136と、各外排気空間133,134に端が接続され且つ前方に延びる外排気ダクト137と、が支持されている。前記内排気ダクト136の内部には、第1の流路の一例として、内排気空間132の気体が排気される内排気路136aが形成されており、外排気ダクト137の内部には、第2の流路の一例として、外排気空間133,134の気体が排気される外排気路137aが形成されている。
【0100】
前記外排気ダクト137の前端には、遮断手段の一例であって、遮断部材の一例としての開閉弁138が接続されている。前記開閉弁138は、外排気路137aに接続される後流路部138aと、中央部に設けられた弁体収容部138bと、蛇腹40に接続される前流路部138cと、を有し、前記弁体収容部138bには、弁体139が回転可能に支持されている。前記弁体139には、内部を貫通する弁流路部139aが形成されている。前記弁体139は、駆動源の一例としてのマニピュレータ138dにより、弁流路部139aと開閉弁138内の流路部138a,138cとが接続される図24Bに示す接続位置と、弁流路139aと流路部138a,138cとが遮断される図24Cに示す遮断位置と、の間で回転移動される。
図23、図24において、前記内排気ダクト136の前端と開閉弁138の前端は、蛇腹40を介して排気ファンHFに接続されている。
【0101】
(制御部の説明)
図24において、実施例7の給紙制御手段C1は、実施例5のシャッタ移動手段C11Bに替えて、シャッタ制御手段C11Dを有する。
実施例7のシャッタ移動手段C11Dは、サイズ判別手段C10で判別された記録用紙Sの種類に基づいて、弁体139を接続位置または遮断位置に移動させる。実施例7のシャッタ移動手段C11Dは、記録用紙Sが小サイズの場合、給紙動作が開始される前に、マニピュレータ138dを作動させて、弁体139を、閉塞位置に対応する図24Cに示す遮断位置に移動させる。また、シャッタ移動手段C11Dは、記録用紙Sが大サイズの場合、給紙動作が開始される前に、マニピュレータ138dを作動させて、弁体139を、開放位置に対応する図24Bに示す接続位置に移動させる。
【0102】
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7の給紙装置U2では、記録用紙Sの大きさに応じて、給紙動作が開始される前に、マニピュレータ138dが作動して、弁体139が接続位置または遮断位置に移動して、外排気路137aの接続、遮断が行われる。すなわち、外吸引口31bを通じて排気が行われるか否かが切り替えられる。そして、弁体139の移動が行われた後に、記録用紙Sの吸着ヘッド22への吸着が行われ、下流への搬送が行われる。よって、実施例7記載の給紙装置U2では、小サイズの記録用紙S1の場合は、弁体139が遮断位置に移動し、外吸引口31bからの気体の吸引が停止される。したがって、実施例1〜6の場合と同様に、内吸引口31aから吸引が集中された状態で記録用紙S1の吸着が行われ、小サイズの記録用紙S1に対する吸引能力が向上している。
【0103】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機に限定されず、プリンタ、FAX等の画像形成装置にも適用可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。さらに、タンデム型の画像形成装置に限定されず、ロータリ型の画像形成装置にも適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式や熱転写方式等の他の方式の画像形成装置にも適用可能である。
【0104】
(H02)前記実施例において、内スカート36bは設けることが望ましいが、省略することも可能である。また、最小の記録用紙S1の搬送方向の長さL1が、外スカート36aの搬送方向の長さLaよりも長いため、搬送方向の両側の内スカートは配置する必要がなかったが、最小の記録用紙S1の搬送方向の長さが、外スカート36aの搬送方向の長さよりも短い場合、搬送方向の後側すなわち左側、または両側に、内スカートを追加することも可能である。
(H03)前記実施例において、前後一対のサイドガイド13が互いに接近、離間する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、幅方向の一方は固定の壁面とし、幅方向の他方にのみ幅方向に移動可能なサイドガイド13を設けた構成とすることも可能である。また、サイドガイド13は、スライド移動可能に支持される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、底板4に対して、抜き差しすることで、サイドガイド13の位置を変更可能な構成や、通常退避していて、ある条件下(この場合は小サイズの場合)で退避位置から使用位置へ動かすことが可能な構成とすることも可能である。なお、エンドガイド12も同様である。
【0105】
(H04)前記実施例において、内吸引口31aと外吸引口31bとに区分けして、外吸引口31bからの気体の吸引を実行、停止させる構成を例示したが、これに限定されず、例えば、内吸引口と外吸引口との間に、1つまたは複数の中間の吸引口を区分けして、区分けされた吸引口に対しても実施例1〜7のシャッタ等を設けて、記録用紙Sのサイズに応じて、吸引口を開閉するように構成することも可能である。
(H05)前記実施例において、シャッタ等の具体的な形状や作動させるための構成については、実施例に例示した構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、カム部84の形状を偏心カム状に変更したり、回転範囲を変更したり、モータで自動的に回転させる構成としたり、キープソレノイド123や開閉弁138を実施例に例示した構成以外の従来公知の別の部品を使用したり、シャッタの移動機構をモータとラックおよびピニオンの組み合わせといった変更も可能である。また、キープソレノイド123や開閉弁138を使用して、制御部Cにより媒体の種類に応じて自動で作動させる構成とすることが望ましいが、実施例3に記載の構成のように手動でシャッタ板91や弁体139を移動させる構成とすることも可能である。
【0106】
(H06)前記実施例において、囲み部材の一例としての封止スカート36の構成は、実施例に例示した板状の形態に限定されず、例えば、記録用紙Sを分離する際に発生する記録用紙Sの撓みに封止スカートを沿わせるために、複数の短冊状の部材が垂れ下がった「のれん」状の形態としたり、撓み発生時に弾性変形する弾性体で構成したり、カーテン状の形態としたり等、形態や構成について変更可能である。
(H07)前記実施例において、最小の媒体の幅方向の長さが、封止スカート36の幅方向の長さよりも短い場合について説明を行ったが、これに限定されず、媒体の搬送方向の長さが、封止スカート36の搬送方向の長さよりも短い場合にも適用可能であり、実施例1〜7において、幅方向の両側、すなわち、前後両側に配置した構成を、搬送方向の一方または両側、すなわち、左方または左右両側に配置する構成とすることも可能である。また、最小の媒体が、封止スカート36に対して、幅方向も搬送方向も長さが短い場合には、幅方向および搬送方向の両方に対応して、実施例1〜7のシャッタ等を配置することも可能である。
【0107】
(H08)前記実施例において、媒体の一例として、記録用紙Sを例示したが、これに限定されず、OHPシート等のフィルム状、薄膜状の媒体を供給する構成にも適用可能である。
(H09)前記実施例において、シャッターの位置は吸着ヘッドの吸着面を閉塞する構成としたが、閉塞したい領域への流路を遮断するようにシャッターを配置する構成も適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
11…積載部材、
13…端揃え部材、
13c…接触面、
22…保持部材、
23…保持部材本体、
31,31b…気体吸引用の開口、
36…囲み部材、
36a…第1の囲み部材、
36b…第2の囲み部材、
37…空間、
51…端揃え部材、
51c…接触面、
52,64…可動体、
52a,64a…可動体本体、
52c,64c…近接部、
62,76,91,138…遮断手段、
79…遮断部材本体、
84,101…連動部、
94,102…被連動部、
103…付勢部材、
136a…第1の流路、
137a…第2の流路、
HF…吸引装置、
Ra…搬送部材、
S,S1…媒体、
TR1,TR2…収容容器、
U…画像形成装置、
U2…媒体供給装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が収容される収容容器と、
前記収容容器の内部に支持されて、表面に媒体が積載される積載部材と、
前記積載部材に対向して配置され且つ前記媒体の搬送方向に沿って移動可能に支持された保持部材本体と、前記保持部材本体に形成された気体吸引用の開口と、前記保持部材本体から前記積載部材側に延び且つ前記開口を囲むように配置された囲み部材と、前記囲み部材の内部に形成され且つ前記囲み部材により周囲を囲まれた空間と、前記気体吸引用の開口に接続されて気体を吸引する吸引装置と、を有し、前記吸引装置の吸引に伴って前記囲み部材の前記積載部材側の一端に媒体を吸着して保持する保持部材と、
前記保持部材に対して前記媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記保持部材に吸着された媒体を下流側に向けて搬送する搬送部材と、
前記媒体の搬送方向および搬送方向に交差する幅方向の少なくとも一方において、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合、前記囲み部材の端より内側且つ前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する遮断手段と、
を備えたことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項2】
前記気体吸引用の開口を開放または閉塞する開閉部材により構成され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記媒体の端よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を塞ぐことで、気体の吸引を遮断する前記遮断手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項3】
前記保持部材本体に支持され、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を閉塞する閉塞位置と、前記気体吸引用の開口を開放する開放位置と、の間で移動可能に支持され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記端揃え部材の接触面が前記囲み部材の内側に位置する場合に、前記閉塞位置に移動して、前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を塞いで、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項4】
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動可能に支持された遮断部材本体と、前記遮断部材本体に支持された被連動部と、前記遮断部材本体を前記開放位置側に付勢する付勢部材と、を有する前記遮断部材と、
前記被連動部に対応する位置に配置され且つ前記端揃え部材に支持されて、前記被連動部に接触した場合に前記遮断部材本体を前記開放位置から前記閉塞位置に移動させる連動部であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部に接触可能、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部から離間する位置に配置された前記連動部と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の媒体供給装置。
【請求項5】
前記媒体の供給を行う場合に、前記保持部材に対して接近した接近位置に移動して、媒体を前記囲み部材に近接させる前記積載部材と、
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記保持部材に対して接近、離間する方向に移動可能に前記端揃え部材に支持され、且つ、前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体に前記端接触部材の接触面が接触した場合に前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口に対応する位置に配置された遮断部材であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材から離間し、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材に係合して、前記積載部材の前記接近位置への移動に連動して移動し、前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を遮断して、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項6】
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも内側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第1の流路と、
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第2の流路と、
媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記第2の流路を閉塞することで、前記端揃え部材よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の媒体供給装置。
【請求項7】
前記収容容器に収容可能な最小の大きさの媒体に対して、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも外側に配置された第1の囲み部材と、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも内側に配置された第2の囲み部材と、を有する前記囲み部材と、
前記第1の囲み部材と前記第2の囲み部材との間に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の媒体供給装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体供給装置、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
媒体が収容される収容容器と、
前記収容容器の内部に支持されて、表面に媒体が積載される積載部材と、
前記積載部材に対向して配置され且つ前記媒体の搬送方向に沿って移動可能に支持された保持部材本体と、前記保持部材本体に形成された気体吸引用の開口と、前記保持部材本体から前記積載部材側に延び且つ前記開口を囲むように配置された囲み部材と、前記囲み部材の内部に形成され且つ前記囲み部材により周囲を囲まれた空間と、前記気体吸引用の開口に接続されて気体を吸引する吸引装置と、を有し、前記吸引装置の吸引に伴って前記囲み部材の前記積載部材側の一端に媒体を吸着して保持する保持部材と、
前記保持部材に対して前記媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記保持部材に吸着された媒体を下流側に向けて搬送する搬送部材と、
前記媒体の搬送方向および搬送方向に交差する幅方向の少なくとも一方において、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合、前記囲み部材の端より内側且つ前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する遮断手段と、
を備えたことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項2】
前記気体吸引用の開口を開放または閉塞する開閉部材により構成され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記媒体の端よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を塞ぐことで、気体の吸引を遮断する前記遮断手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項3】
前記保持部材本体に支持され、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を閉塞する閉塞位置と、前記気体吸引用の開口を開放する開放位置と、の間で移動可能に支持され、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記端揃え部材の接触面が前記囲み部材の内側に位置する場合に、前記閉塞位置に移動して、前記媒体の端よりも外側に配置される前記気体吸引用の開口を塞いで、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項4】
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動可能に支持された遮断部材本体と、前記遮断部材本体に支持された被連動部と、前記遮断部材本体を前記開放位置側に付勢する付勢部材と、を有する前記遮断部材と、
前記被連動部に対応する位置に配置され且つ前記端揃え部材に支持されて、前記被連動部に接触した場合に前記遮断部材本体を前記開放位置から前記閉塞位置に移動させる連動部であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部に接触可能、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記被連動部から離間する位置に配置された前記連動部と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の媒体供給装置。
【請求項5】
前記媒体の供給を行う場合に、前記保持部材に対して接近した接近位置に移動して、媒体を前記囲み部材に近接させる前記積載部材と、
前記積載部材に積載される媒体の端縁に接触可能な接触面を有し、前記収容容器の内部に支持されて、接触した媒体の端縁を揃えることが可能な端揃え部材と、
前記保持部材に対して接近、離間する方向に移動可能に前記端揃え部材に支持され、且つ、前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体に前記端接触部材の接触面が接触した場合に前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口に対応する位置に配置された遮断部材であって、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さ以上且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材から離間し、且つ、前記媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短く且つ前記媒体の端に前記端揃え部材の前記接触面が接触した場合に前記積載部材に係合して、前記積載部材の前記接近位置への移動に連動して移動し、前記媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口を遮断して、気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項6】
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも内側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第1の流路と、
前記囲み部材の長さよりも長さが短い媒体の端側よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口と、前記吸引装置と、を接続する第2の流路と、
媒体の長さが前記囲み部材の長さよりも短い場合に、前記第2の流路を閉塞することで、前記端揃え部材よりも外側に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断部材により構成された前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の媒体供給装置。
【請求項7】
前記収容容器に収容可能な最小の大きさの媒体に対して、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも外側に配置された第1の囲み部材と、前記最小の大きさの媒体の端縁よりも内側に配置された第2の囲み部材と、を有する前記囲み部材と、
前記第1の囲み部材と前記第2の囲み部材との間に配置された前記気体吸引用の開口からの気体の吸引を遮断する前記遮断手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の媒体供給装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体供給装置、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−23354(P2013−23354A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160803(P2011−160803)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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