説明

媒体処理装置およびフレキシブルケーブル

【課題】記録再生ヘッドのコストを低減することが可能になるとともに、記録再生ヘッドの信号端子へのフレキシブルケーブルの接続作業を容易に行うことが可能で、かつ、データの不正取得を防止することが可能な媒体処理装置を提供する。
【解決手段】媒体処理装置は、記録再生ヘッド3に接続されるフレキシブルケーブル4を備えている。フレキシブルケーブル4は、記録再生ヘッド3からのデータ信号を伝えるデータ信号パターンが形成されるデータ信号層と、データ信号層の表面および裏面を覆うとともに自身が断線したことを検知するための断線検知信号を伝える断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層とを有する多層構造に形成されている。また、フレキシブルケーブル4は、記録再生ヘッド3の信号端子16が接続される端子接続部4aと、端子接続部4aを覆うように折り返されて端子接続部4aに固定される端子覆部4bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録されたデータの読取りおよび/または記録媒体へのデータの書込みを行う媒体処理装置に関する。また、本発明は、記録媒体に記録されたデータの読取りおよび/または記録媒体へのデータの書込みを行う媒体処理装置に用いられるフレキシブルケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記録された磁気データを読み取るカードリーダが広く利用されている。この種のカードリーダでは、たとえば、カードが通過するカード通過路に配置された磁気ヘッドによって、カードに記録された磁気データが読み取られている。また、カードリーダが利用される業界においては、従来、犯罪者が磁気ヘッド等に信号線を取り付けて、カードに記録された磁気情報を不正に取得するいわゆるスキミングが大きな問題となっている。
【0003】
そこで、従来、このスキミングを防止することが可能な磁気ヘッドおよびフレキシブルケーブルが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1では、磁気ヘッドのヘッドケースの内部において、磁気ヘッドの信号端子とフレキシブルケーブルとが接続されており、信号端子とフレキシブルケーブルとの接続部分を覆うように、ヘッドケースの内部に樹脂が充填されている。また、特許文献1では、信号端子に接続されるフレキシブルケーブルにおいて、磁気ヘッドからのデータ信号が送られる導線が形成された信号配線層の上下両面は、保護層によって覆われており、保護層には、断線検出機能を有する断線検出配線と、短絡検出配線とが形成されている。
【0004】
そのため、特許文献1に記載の技術を用いれば、磁気ヘッドの信号端子、および、フレキシブルケーブルの導線にスキミング用の信号線が取り付けられるのを防止することが可能になり、その結果、スキミングを防止することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−293628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、磁気ヘッドでは、信号端子の端部は外部に露出している。一方で、特許文献1に記載の磁気ヘッドでは、ヘッドケースの内部で信号端子とフレキシブルケーブルとが接続されるようにヘッドケースの内部に信号端子が収容されている。すなわち、特許文献1に記載の磁気ヘッドは、特殊な構造をしている。そのため、この磁気ヘッドは高価である。また、特許文献1に記載の磁気ヘッドでは、作業のやりにくいヘッドケースの内部で、信号端子にフレキシブルケーブルを接続しなければならないため、信号端子へのフレキシブルケーブルの接続作業が煩雑になる。
【0007】
そこで、本発明の課題は、記録媒体に記録されたデータの読取りや記録媒体へのデータの書込みを行う記録再生ヘッドのコストを低減することが可能になるとともに、記録再生ヘッドの信号端子へのフレキシブルケーブルの接続作業を容易に行うことが可能で、かつ、スキミング等のデータの不正取得を防止することが可能な媒体処理装置を提供することにある。また、本発明の課題は、接続される記録再生ヘッドのコストを低減することが可能であるとともに、記録再生ヘッドの信号端子への接続作業を容易に行うことが可能で、かつ、スキミング等のデータの不正取得を防止することが可能となるフレキシブルケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の媒体処理装置は、記録媒体に記録されたデータの読取りおよび/または記録媒体へのデータの書込みを行う記録再生ヘッドと、記録再生ヘッドに接続されるフレキシブルケーブルとを備え、フレキシブルケーブルは、記録再生ヘッドからのデータ信号および/または記録再生ヘッドへのデータ信号を伝えるデータ信号パターンが形成されるデータ信号層と、データ信号層の表面および裏面を覆うとともに自身が断線したことを検知するための断線検知信号を伝える断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層とを有する多層構造に形成され、かつ、フレキシブルケーブルは、記録再生ヘッドの信号端子が挿通されるスルーホールが形成される端子接続部と、端子接続部を覆うように折り返されて端子接続部に固定される端子覆部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の媒体処理装置では、記録再生ヘッドの信号端子が挿通されるスルーホールが形成された端子接続部を覆うように、端子覆部が折り返されて端子接続部に固定されている。そのため、記録再生ヘッドの外部に信号端子の端部が露出していても、端子覆部によって信号端子を覆うことが可能になる。したがって、記録再生ヘッドの信号端子へのデータ不正取得用の信号線の取付を防止することが可能になる。また、本発明のフレキシブルケーブルでは、データ信号パターンが形成されるデータ信号層の表面および裏面は、断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層によって覆われている。そのため、犯罪者がデータ信号パターンへデータ不正取得用の信号線を取り付けようとしたときに、犯罪行為が行われていることを断線検知信号パターンを用いて検知することが可能になる。したがって、本発明では、フレキシブルケーブルのデータ信号パターンへのデータ不正取得用の信号線の取付を防止することが可能になる。このように、本発明では、記録再生ヘッドの信号端子およびデータ信号パターンへのデータ不正取得用の信号線の取付を防止することが可能になるため、スキミング等のデータの不正取得を防止することが可能になる。
【0010】
また、本発明では、記録再生ヘッドの外部に信号端子の端部が露出していても、データの不正取得を防止することが可能になるため、外部に信号端子の端部が露出している標準的な記録再生ヘッド(すなわち、記録再生ヘッドの汎用品)を使用しても、データの不正取得を防止することが可能になる。したがって、本発明では、記録再生ヘッドのコストを低減することが可能になる。また、本発明では、記録再生ヘッドの外部に信号端子の端部が露出していても、データの不正取得を防止することが可能になるため、データの不正取得を防止しつつ、信号端子へのフレキシブルケーブルの接続作業を容易に行うことが可能になる。
【0011】
本発明において、フレキシブルケーブルは、一方向へ細長い長尺状に形成され、端子覆部は、フレキシブルケーブルの長手方向で端子接続部に繋がるように形成されていることが好ましい。このように構成すると、フレキシブルケーブルの幅方向で端子接続部に繋がるように端子覆部が形成されている場合と比較して、フレキシブルケーブルの構成を簡素化することが可能になる。
【0012】
本発明において、フレキシブルケーブルは、フレキシブルケーブルの幅方向で端子接続部に繋がるように形成され、端子覆部を覆うように折り返されて端子覆部に固定される外側覆部を備えることが好ましい。このように構成すると、フレキシブルケーブルの幅方向における端子接続部の端面および端子覆部の端面を外側覆部で覆うことが可能になる。したがって、フレキシブルケーブルの幅方向における端子接続部の端面と端子覆部の端面との間からフレキシブルケーブルの信号端子にデータ不正取得用の信号線が取り付けられるのを、外側覆部によって防止することが可能になる。
【0013】
本発明において、フレキシブルケーブルは、外側覆部を覆う第2の外側覆部を備え、外側覆部は、フレキシブルケーブルの幅方向における端子接続部の一端に繋がるように形成され、第2の外側覆部は、フレキシブルケーブルの幅方向における端子接続部の他端に繋がるように形成され、外側覆部を覆うように折り返されて外側覆部に固定されていることが好ましい。このように構成すると、フレキシブルケーブルの幅方向の両側において、端子接続部の端面および端子覆部の端面を外側覆部および第2の外側覆部で覆うことが可能になる。したがって、フレキシブルケーブルの幅方向の両側において、端子接続部の端面と端子覆部の端面との間から信号端子にデータ不正取得用の信号線が取り付けられるのを、外側覆部および第2の外側覆部によって防止することが可能になる。
【0014】
本発明において、第2の外側覆部は、外側覆部に半田付けされて固定されていることが好ましい。このように構成すると、外側覆部から第2の外側覆部を剥がしにくくなる。したがって、端子接続部の端面と端子覆部の端面との間から信号端子にデータ不正取得用の信号線が取り付けられるのを効果的に防止することが可能になる。
【0015】
本発明において、断線検知信号層には、断線検知信号の入力側の断線検知信号パターンである第1断線検知信号パターンと、断線検知信号の出力側の断線検知信号パターンである第2断線検知信号パターンとが形成され、外側覆部および第2の外側覆部には、第1断線検知信号パターンと第2断線検知信号パターンとを繋げるためのランドが形成され、第2の外側覆部のランドが外側覆部のランドに半田付けされることで、第2の外側覆部が外側覆部に固定され、第2の外側覆部のランドが外側覆部のランドに半田付けされると、第1断線検知信号パターンと第2断線検知信号パターンとが繋がることが好ましい。この場合には、外側覆部から第2の外側覆部が剥がされると、第2の外側覆部のランドが外側覆部のランドから離れるため、外側覆部から第2の外側覆部が剥がされたときに、断線検知信号パターンの断線を検知することが可能になる。したがって、犯罪者による犯罪行為を早期に検知することが可能になる。
【0016】
本発明において、フレキシブルケーブルは、一方向へ細長い長尺状に形成され、断線検知信号パターンは、フレキシブルケーブルの幅方向で複数回折り返されて形成されていることが好ましい。このように構成すると、データ不正取得用の信号線をデータ信号パターンに取り付けようとして、断線検知信号層を切ったときに、断線検知信号パターンが断線しやすくなる。したがって、犯罪者による犯罪行為を検知しやすくなる。
【0017】
本発明において、断線検知信号層には、断線検知信号パターンとの間の短絡を検知するための短絡検知信号を伝える短絡検知信号パターンが形成されていることが好ましい。このように構成すると、断線検知信号が機能しないようにするために犯罪者が断線検知信号パターンに所定の細工を行った場合に、短絡検知信号パターンの短絡検知機能によって、犯罪行為が行われていることを検知することが可能になる。
【0018】
本発明において、媒体処理装置は、フレキシブルケーブルが接続されるコネクタを備え、断線検知信号パターンは、コネクタからのフレキシブルケーブルの抜けを検知する機能を果たしていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者がデータ不正取得用の信号線をデータ信号パターンに取り付けようとして、フレキシブルケーブルをコネクタから引き抜いた場合に、断線検知信号パターンの抜け検知機能によって、犯罪行為が行われていることを検知することが可能になる。したがって、犯罪者による犯罪行為を早期に検知することが可能になる。
【0019】
本発明において、記録再生ヘッドは、たとえば、磁気データの読取りおよび/または磁気データの書込みを行う磁気ヘッドである。
【0020】
また、上記の課題を解決するため、本発明のフレキシブルケーブルは、データ信号を伝えるデータ信号パターンが形成されるデータ信号層と、データ信号層の表面および裏面を覆うとともに自身が断線したことを検知するための断線検知信号を伝える断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層とを有する多層構造に形成され、かつ、記録媒体に記録されたデータの読取りおよび/または記録媒体へのデータの書込み行う記録再生ヘッドの信号端子が挿通されるスルーホールが形成される端子接続部と、端子接続部を覆うように折り返されて端子接続部に固定される端子覆部とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明のフレキシブルケーブルは、記録再生ヘッドの信号端子が挿通されるスルーホールが形成された端子接続部を覆うように折り返されて端子接続部に固定される端子覆部を備えている。そのため、接続される記録再生ヘッドの外部に信号端子の端部が露出していても、端子覆部によって信号端子を覆うことが可能になる。したがって、接続される記録再生ヘッドの信号端子へのデータ不正取得用の信号線の取付を防止することが可能になる。また、本発明では、データ信号パターンが形成されるデータ信号層の表面および裏面は、断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層によって覆われている。そのため、データ信号パターンへのデータ不正取得用の信号線の取付を防止することが可能になる。したがって、本発明では、スキミング等のデータの不正取得を防止することが可能になる。
【0022】
また、本発明では、接続される記録再生ヘッドの外部に信号端子の端部が露出していても、データの不正取得を防止することが可能になるため、外部に信号端子の端部が露出している標準的な記録再生ヘッドを使用しても、データの不正取得を防止することが可能になる。したがって、本発明では、接続される記録再生ヘッドのコストを低減することが可能になる。また、本発明では、接続される記録再生ヘッドの外部に信号端子の端部が露出していても、データの不正取得を防止することが可能になるため、データの不正取得を防止しつつ、信号端子への接続作業を容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明の媒体処理装置では、スキミング等のデータの不正取得を防止しつつ、記録再生ヘッドのコストを低減することが可能になるとともに、記録再生ヘッドの信号端子へのフレキシブルケーブルの接続作業を容易に行うことが可能になる。また、本発明のフレキシブルケーブルでは、スキミング等のデータの不正取得を防止しつつ、接続される記録再生ヘッドのコストを低減することが可能になるとともに、記録再生ヘッドの信号端子への接続作業を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態にかかる媒体処理装置の概略構成を説明するための側面図である。
【図2】図1に示す磁気ヘッドとフレキシブルケーブルとの接続部分を説明するための側面図である。
【図3】図1に示すフレキシブルケーブルの展開図である。
【図4】図1に示す磁気ヘッドへのフレキシブルケーブルの取付手順を示す斜視図である。
【図5】図3のE−E断面の断面図である。
【図6】図1に示すフレキシブルケーブル内の信号パターンの接続関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
(媒体処理装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる媒体処理装置1の概略構成を説明するための側面図である。
【0027】
本形態の媒体処理装置1は、記録媒体であるカード2に記録されたデータの読取りやカード2へのデータの書込みを行うカードリーダである。具体的には、媒体処理装置1は、ユーザが手動でカード2を装置内部に挿入するとともに装置内部から抜き取るいわゆるディップ式のカードリーダである。この媒体処理装置1は、所定の上位装置に搭載されて使用される。
【0028】
媒体処理装置1は、カード2に記録された磁気データの読取りを行う記録再生ヘッドとしての磁気ヘッド3と、磁気ヘッド3に接続されるフレキシブルケーブル4とを備えている。また、媒体処理装置1は、カード2に形成される接触端子に接触してデータのやりとりを行うIC接点5を備えている。媒体処理装置1の内部には、カード2が通過するカード通過路8が形成されている。
【0029】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の一方の面には、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。また、カード2の他方の面には、IC接点5が接触する接触端子が形成されている。すなわち、本形態のカード2は、磁気ストライプ付きの接触式ICカードである。なお、カード2には、通信用のアンテナが内蔵されても良い。すなわち、カード2は、磁気ストライプ付きの非接触式ICカードであっても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0030】
磁気ヘッド3は、その磁気ギャップがカード通過路8に臨むように配置されている。本形態では、ユーザが装置内部へカード2を差し込む際、あるいは、装置内部に差し込まれたカード2を引き抜く際に、磁気ヘッド3によって、カード2の磁気データが読み取られる。フレキシブルケーブル4の一端側は、磁気ヘッド3に接続され、フレキシブルケーブル4の他端側は、媒体処理装置1が搭載される上位装置に設けられたコネクタ(図示省略)に接続されている。このコネクタは、上位装置の、セキュリティ性が確保された領域に実装されている。磁気ヘッド3およびフレキシブルケーブル4の構成については後述する。
【0031】
IC接点5は、媒体処理装置1の奥端側に配置されており、IC接点ブロック9に固定されている。IC接点ブロック9には、レバー部材10と、カード2の挿入側に向かってIC接点ブロック9を付勢する引張りコイルバネ(図示省略)とが取り付けられている。本形態では、IC接点ブロック9の奥端に形成されるカード当接部9aにカード2が当接すると、レバー部材10が回動して、IC接点5がカード2に形成される接触端子に接触するように、IC接点ブロック9が移動する。カード2の接触端子にIC接点5が接触すると、媒体処理装置1とカード2との間で、データのやりとりが行われる。また、この状態でカード2が引き抜かれると、引張りコイルバネの付勢力で、IC接点ブロック9が移動して、IC接点5がカード通過路8から退避する。
【0032】
(磁気ヘッドおよびフレキシブルケーブルの構成)
図2は、図1に示す磁気ヘッド3とフレキシブルケーブル4との接続部分を説明するための側面図である。図3は、図1に示すフレキシブルケーブル4の展開図である。図4は、図1に示す磁気ヘッド3へのフレキシブルケーブル4の取付手順を示す斜視図である。図5は、図3のE−E断面の断面図である。図6は、図1に示すフレキシブルケーブル4内の信号パターンの接続関係を示すブロック図である。
【0033】
磁気ヘッド3は、図示を省略するコア、コイルおよびボビンを備えている。コア、コイルおよびボビンは、ヘッドケース15の内部に収容されている。コイルの端部は、信号端子16の一端側に電気的に接続され、固定されている。コア、コイル、ボビンおよび信号端子16の一端側は、ヘッドケース15の内部に充填される樹脂で覆われている。本形態の磁気ヘッド3は、3チャンネル型の磁気ヘッドであり、6本の信号端子16を備えている。信号端子16の他端側は、ヘッドケース15から突出しており、磁気ヘッド3の外部に露出している。
【0034】
フレキシブルケーブル4は、一方向へ細長い長尺状に形成されている。このフレキシブルケーブル4は、図2〜図4に示すように、信号端子16が挿通されるスルーホール18が形成される端子接続部4aと、端子接続部4aを覆うように折り返されて端子接続部4aに固定される端子覆部としての折返し部4bと、折返し部4bを覆うように折り返されて折返し部4bに固定される外側覆部としての第1折畳み部4cと、第1折畳み部4cを覆うように折り返されて第1折畳み部4cに固定される第2の外側覆部としての第2折畳み部4dとを備えている。また、フレキシブルケーブル4の長手方向の一端側には、上位装置のコネクタに接続される接続端子部19が形成されている。
【0035】
端子接続部4aは、フレキシブルケーブル4の長手方向の他端側に形成されている。端子接続部4aには、磁気ヘッド3が有する6本の信号端子16に対応するように、6個のスルーホール18が形成されている。折返し部4bは、フレキシブルケーブル4の長手方向で端子接続部4aに繋がるように形成されている。フレキシブルケーブル4の長手方向に直交するフレキシブルケーブル4の幅方向において、折返し部4bの幅は、端子接続部4aの幅と等しくなっている。また、折返し部4bの面積は、端子接続部4aの面積と等しくなっている。
【0036】
第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dは、フレキシブルケーブル4の幅方向で端子接続部4aに繋がるように形成されている。具体的には、フレキシブルケーブル4の幅方向における端子接続部4aの一端に繋がるように第1折畳み部4cが形成され、フレキシブルケーブル4の幅方向における端子接続部4aの他端に繋がるように第2折畳み部4dが形成されている。すなわち、フレキシブルケーブル4は、略T形状に形成されている。第1折畳み部4cには、ランド20が形成され、第2折畳み部4dには、ランド21が形成されている。
【0037】
フレキシブルケーブル4の長手方向において、第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dの幅は、端子接続部4aの幅と等しくなっている。また、第1折畳み部4cの面積は、端子接続部4aの面積と等しくなっている。一方、第2折畳み部4dの面積は、端子接続部4aの面積よりも小さくなっている。たとえば、第2折畳み部4dの面積は、端子接続部4aの面積の1/6程度となっている。
【0038】
端子接続部4aは、図4(A)に示すように、信号端子16が突出する磁気ヘッド3の端子面に固定されている。具体的には、スルーホール18に信号端子16が挿通された状態で、接着によって、端子接続部4aが磁気ヘッド3の端子面に固定されている。また、スルーホール18と信号端子16とは半田付けされている。折返し部4bは、図4(B)に示すように、端子接続部4aおよび信号端子16の端部を図4(B)の上側から覆うように折り返されて、端子接続部4aに固定されている。また、折返し部4bは、接着によって端子接続部4aに固定されている。
【0039】
第1折畳み部4cは、図4(C)に示すように、図4(C)の上側から折返し部4bを覆うように折り返されて、折返し部4bに固定されている。また、第1折畳み部4cは、接着によって折返し部4bに固定されている。第2折畳み部4dは、図4(D)に示すように、図4(D)の上側から第1折畳み部4cの一部を覆うように折り返されて、第1折畳み部4cに固定されている。第2折畳み部4dが折り返されると、第1折畳み部4cのランド20に第2折畳み部4dのランド21が重なる。本形態では、ランド20にランド21が半田付けされることで、第2折畳み部4dが第1折畳み部4cに固定されている。
【0040】
また、フレキシブルケーブル4は、図5に示すように、データ信号層23と、断線検知信号層24と、絶縁層25とを備える多層構造に形成されている。フレキシブルケーブル4では、フレキシブルケーブル4の表面から裏面に向かって、絶縁層25、断線検知信号層24、絶縁層25、データ信号層23、絶縁層25、断線検知信号層24および絶縁層25がこの順番に積層されている。すなわち、データ信号層23の表面および裏面は、絶縁層25を介して断線検知信号層24に覆われている。
【0041】
データ信号層23には、媒体処理装置1が搭載される上位装置へ磁気ヘッド3からのデータ信号を伝えるデータ信号パターン27(図6参照)が形成されている。本形態では、6本の信号端子16に対応するように、6本のデータ信号パターン27がデータ信号層23に形成されている。データ信号パターン27の一端は、スルーホール18に電気的に繋がっている。また、図6に示すように、データ信号パターン27の他端は、接続端子部19に形成される磁気ヘッド信号端子28に電気的に繋がっている。すなわち、データ信号パターン27は、信号端子16と磁気ヘッド信号端子28とを電気的に繋いでいる。なお、本形態では、第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dのデータ信号層23には、データ信号パターン27は形成されていない。
【0042】
断線検知信号層24には、断線検知信号パターン29、30(図6参照)が形成されている。断線検知信号パターン29、30は、データ信号パターン27へのスキミング用の信号線の取付を防止するため、断線検知信号パターン29、30自身が断線したことを検知するための断線検知信号を伝えている。本形態では、断線検知信号の入力側の断線検知信号パターン29と、断線検知信号の出力側の断線検知信号パターン30とが断線検知信号層24に形成されている。本形態の断線検知信号パターン29は、第1断線検知信号パターンであり、断線検知信号パターン30は、第2断線検知信号パターンである。
【0043】
図6に示すように、断線検知信号パターン29の一端は、第2折畳み部4dのランド21に電気的に繋がっており、断線検知信号パターン29の他端は、接続端子部19に形成される断線検知端子31に電気的に繋がっている。断線検知信号パターン30の一端は、第1折畳み部4cのランド20に電気的に繋がっており、断線検知信号パターン30の他端は、接続端子部19に形成される断線検知端子32に電気的に繋がっている。なお、断線検知信号パターン29の一端がランド20に繋がり、断線検知信号パターン30の一端がランド21に繋がっていても良い。
【0044】
上述のように、ランド20とランド21とは半田付けされているため、断線検知端子31と断線検知端子32とは、断線検知信号パターン29、30およびランド20、21を介して電気的に接続されている。本形態では、断線検知端子31を介して上位装置から入力される断線検知信号が断線検知端子32を介して上位装置へ戻らないと、断線検知信号パターン29、30が断線したことが検知される。このように、本形態では、ランド20、21は、断線検知信号パターン29、30が機能するように、断線検知信号パターン29と断線検知信号パターン30とを繋いでいる。
【0045】
また、上位装置に設けられたコネクタからフレキシブルケーブル4が抜けていると、上位装置からフレキシブルケーブル4へ断線検知信号が入力されず、その結果、上位装置へ断線検知信号が戻らない。そのため、本形態では、断線検知信号パターン29、30を利用して、コネクタからのフレキシブルケーブル4の抜けを検知することもできる。すなわち、断線検知信号パターン29、30は、コネクタからのフレキシブルケーブル4の抜けを検知する機能も果たしている。なお、断線検知信号パターン29、30は、フレキシブルケーブル4の幅方向に複数回折り返されて形成されており、全体として略網状に形成されている。
【0046】
また、断線検知信号層24には、短絡検知信号パターン33(図6参照)が形成されている。短絡検知信号パターン33は、断線検知信号パターン29、30と短絡検知信号パターン33との間の短絡を検知するための短絡検知信号を伝えている。図6に示すように、短絡検知信号パターン33の一端は、接続端子部19に形成される短絡検知端子34に電気的に繋がっており、短絡検知信号パターン33の他端は、接続端子部19に形成される短絡検知端子35に電気的に繋がっている。なお、本形態では、第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dの断線検知信号層24にも、断線検知信号パターン29、30および短絡検知信号パターン33が形成されている。
【0047】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、信号端子16が挿通されるスルーホール18が形成された端子接続部4aを覆うように、折返し部4bが折り返されて端子接続部4aに固定されている。そのため、磁気ヘッド3のヘッドケース15から信号端子16の他端側が突出していても、折返し部4bによって信号端子16を覆うことができる。したがって、本形態では、信号端子16へのスキミング用の信号線の取付を防止することが可能になる。また、本形態では、データ信号層23の表面および裏面は、断線検知信号層24によって覆われているため、犯罪者がデータ信号パターン27へスキミング用の信号線を取り付けようとしたときに、犯罪行為が行われていることを断線検知信号パターン29、30を用いて検知することが可能になる。したがって、本形態では、データ信号パターン27へのスキミング用の信号線の取付を防止することが可能になる。このように、本形態では、信号端子16およびデータ信号パターン27へのスキミング用の信号線の取付を防止することが可能になるため、スキミングを防止することが可能になる。
【0048】
また、本形態では、ヘッドケース15から信号端子16の他端側が突出していても、スキミングを防止することが可能になるため、ヘッドケース15から信号端子16の他端側が突出している標準的な磁気ヘッド3(すなわち、磁気ヘッド3の汎用品)を使用しても、スキミングを防止することが可能になる。したがって、本形態では、磁気ヘッド3のコストを低減することが可能になる。また、本形態では、ヘッドケース15から信号端子16の他端側が突出していても、スキミングを防止することが可能になるため、スキミングを防止しつつ、信号端子16へのフレキシブルケーブル4の接続作業が容易になる。なお、本形態では、ヘッドケース15から信号端子16の他端側が突出していても、スキミングを防止することが可能になるため、汎用品でない特殊な磁気ヘッド3を使用する場合には、ヘッドケース15を小型化して、磁気ヘッド3を小型化することが可能になる。
【0049】
本形態では、フレキシブルケーブル4の長手方向で端子接続部4aに繋がる折返し部4bが、フレキシブルケーブル4の幅方向の一端側で端子接続部4aに繋がる第1折畳み部4cによって覆われ、かつ、第1折畳み部4cの一部が、フレキシブルケーブル4の幅方向の他端側で端子接続部4aに繋がる第2折畳み部4dによって覆われている。そのため、フレキシブルケーブル4の幅方向の両側において、端子接続部4aの端面および折返し部4bの端面を第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dで覆うことができる。したがって、本形態では、フレキシブルケーブル4の幅方向の両側において、端子接続部4aの端面と折返し部4bの端面との間から信号端子16にスキミング用の信号線が取り付けられるのを防止することが可能になる。
【0050】
特に本形態では、第2折畳み部4dは、第1折畳み部4cに半田付けされて固定されているため、第1折畳み部4cから第2折畳み部4dを容易に剥がすことができない。したがって、本形態では、フレキシブルケーブル4の幅方向の両側において、端子接続部4aの端面と折返し部4bの端面との間から信号端子16にスキミング用の信号線が取り付けられるのを効果的に防止することが可能になる。
【0051】
本形態では、半田付けされて固定される第1折畳み部4cのランド20と第2折畳み部4dのランド21とによって、断線検知信号パターン29と断線検知信号パターン30とが繋がれている。そのため、第1折畳み部4cから第2折畳み部4dが剥がされると、断線検知信号パターン29、30の断線が検知される。したがって、本形態では、犯罪者による犯罪行為を早期に検知することが可能になる。
【0052】
本形態では、断線検知信号パターン29、30は、フレキシブルケーブル4の幅方向に複数回折り返されて形成されており、全体として略網状に形成されている。そのため、スキミング用の信号線をデータ信号パターン27に取り付けようとして、断線検知信号層24を切ったときに、断線検知信号パターン29、30が断線しやすくなる。したがって、本形態では、犯罪者による犯罪行為を検知しやすくなる。
【0053】
本形態では、断線検知信号層24に、断線検知信号パターン29、30との間の短絡を検知するための短絡検知信号を伝える短絡検知信号パターン33が形成されている。そのため、断線検知信号が機能しないようにするために、犯罪者が断線検知信号パターン29、30に所定の細工を行った場合に、短絡検知信号パターン33の短絡検知機能によって、犯罪行為が行われていることを検知することが可能になる。すなわち、本形態では、犯罪者による犯罪行為を検知しやすくなる。
【0054】
本形態では、断線検知信号パターン29、30を利用して、コネクタからのフレキシブルケーブル4の抜けを検知することが可能である。そのため、犯罪者がスキミング用の信号線をデータ信号パターン27に取り付けようとして、フレキシブルケーブル4をコネクタから引き抜いたときに、断線検知信号パターン29、30の抜け検知機能によって、犯罪行為が行われていることを検知することが可能になる。したがって、本形態では、犯罪者による犯罪行為を早期に検知することが可能になる。
【0055】
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0056】
上述した形態では、折返し部4bが端子接続部4aを覆うように折り返されて端子接続部4aに固定されている。この他にもたとえば、第1折畳み部4cが端子接続部4aを覆うように折り返されて端子接続部4aに固定されても良い。この場合には、第2折畳み部4dが第1折畳み部4cを覆うように折り返されて第1折畳み部4cに固定されるとともに、折返し部4bが第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dを覆うように折り返されて第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dに固定されても良いし、折返し部4bが第1折畳み部4cを覆うように折り返されて第1折畳み部4cに固定されるとともに、第2折畳み部4dが折返し部4bを覆うように折り返されて折返し部4bに固定されても良い。また、この場合には、折返し部4bは折り返されなくても良い。なお、この場合の第1折畳み部4cは、端子接続部4aを覆うように折り返されて端子接続部4aに固定される端子覆部である。
【0057】
上述した形態では、第2折畳み部4dが第1折畳み部4cを覆うように折り返されて第1折畳み部4cに固定されている。この他にもたとえば、第2折畳み部4dが第1折畳み部4cに重ならないように、第1折畳み部4cが形成されるとともに、第1折畳み部4cと第2折畳み部4dとによって折返し部4bが覆われるように、第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dが折り返されて折返し部4bに固定されても良い。この場合の第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dは、端子覆部である折返し部4bを覆うように折り返されて折返し部4bに固定される外側覆部である。
【0058】
上述した形態では、フレキシブルケーブル4は、第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dを備えているが、フレキシブルケーブル4は、第1折畳み部4cおよび第2折畳み部4dを備えていなくても良い。この場合には、フレキシブルケーブル4の構成を簡素化することができる。また、上述した形態では、断線検知信号層24に、短絡検知信号パターン33が形成されているが、断線検知信号層24に、短絡検知信号パターン33が形成されていなくても良い。
【0059】
上述した形態では、磁気ヘッド3は、カード2に記録された磁気データの読取りを行うデータ再生用の磁気ヘッドである。この他にもたとえば、磁気ヘッド3は、カード2への磁気データの書込みを行うデータ記録用の磁気ヘッドであっても良いし、磁気データの読取りおよび磁気データの書込みを行うデータ再生記録用の磁気ヘッドであっても良い。
【0060】
上述した形態では、媒体処理装置1は、ユーザが手動でカード2を装置内部に挿入するとともに装置内部から抜き取るディップ式のカードリーダである。この他にもたとえば、本発明の構成が適用される媒体処理装置は、カード2の短手幅よりも浅い溝状に形成されたカード通過路に沿って手動でカード2を移動させながらカード2の磁気データの読取りを行ういわゆるスワイプ式のカードリーダであっても良いし、カードの搬送機構を備えるカード搬送式のカードリーダであっても良い。また、本発明の構成が適用される媒体処理装置は、カードリーダ以外の装置であっても良い。
【0061】
上述した形態では、フレキシブルケーブル4は、記録再生ヘッドとしての磁気ヘッド3に接続されているが、フレキシブルケーブル4は、データの読取りおよび/またはデータの書込みを行う磁気ヘッド3以外の記録再生ヘッドに接続されても良い。たとえば、フレキシブルケーブル4は、カード2等の記録媒体に記録されたバーコードの読取りを行う光学ヘッド(光学センサ)に接続されても良い。この場合には、バーコードデータの不正取得を防止しつつ、光学ヘッドのコストを低減することが可能になるとともに、光学ヘッドの信号端子へのフレキシブルケーブル4の接続作業を容易に行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0062】
1 媒体処理装置
2 カード(記録媒体)
3 磁気ヘッド(記録再生ヘッド)
4 フレキシブルケーブル
4a 端子接続部
4b 折返し部(端子覆部)
4c 第1折畳み部(外側覆部)
4d 第2折畳み部(第2の外側覆部)
16 信号端子
18 スルーホール
20、21 ランド
23 データ信号層
24 断線検知信号層
27 データ信号パターン
29 断線検知信号パターン(第1断線検知信号パターン)
30 断線検知信号パターン(第2断線検知信号パターン)
33 短絡検知信号パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されたデータの読取りおよび/または記録媒体へのデータの書込みを行う記録再生ヘッドと、前記記録再生ヘッドに接続されるフレキシブルケーブルとを備え、
前記フレキシブルケーブルは、前記記録再生ヘッドからのデータ信号および/または前記記録再生ヘッドへのデータ信号を伝えるデータ信号パターンが形成されるデータ信号層と、前記データ信号層の表面および裏面を覆うとともに自身が断線したことを検知するための断線検知信号を伝える断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層とを有する多層構造に形成され、かつ、
前記フレキシブルケーブルは、前記記録再生ヘッドの信号端子が挿通されるスルーホールが形成される端子接続部と、前記端子接続部を覆うように折り返されて前記端子接続部に固定される端子覆部とを備えることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記フレキシブルケーブルは、一方向へ細長い長尺状に形成され、
前記端子覆部は、前記フレキシブルケーブルの長手方向で前記端子接続部に繋がるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記フレキシブルケーブルは、前記フレキシブルケーブルの幅方向で前記端子接続部に繋がるように形成され、前記端子覆部を覆うように折り返されて前記端子覆部に固定される外側覆部を備えることを特徴とする請求項2記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記フレキシブルケーブルは、前記外側覆部を覆う第2の外側覆部を備え、
前記外側覆部は、前記フレキシブルケーブルの幅方向における前記端子接続部の一端に繋がるように形成され、
前記第2の外側覆部は、前記フレキシブルケーブルの幅方向における前記端子接続部の他端に繋がるように形成され、前記外側覆部を覆うように折り返されて前記外側覆部に固定されていることを特徴とする請求項3記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記第2の外側覆部は、前記外側覆部に半田付けされて固定されていることを特徴とする請求項4記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記断線検知信号層には、前記断線検知信号の入力側の前記断線検知信号パターンである第1断線検知信号パターンと、前記断線検知信号の出力側の前記断線検知信号パターンである第2断線検知信号パターンとが形成され、
前記外側覆部および前記第2の外側覆部には、前記第1断線検知信号パターンと前記第2断線検知信号パターンとを繋げるためのランドが形成され、
前記第2の外側覆部の前記ランドが前記外側覆部の前記ランドに半田付けされることで、前記第2の外側覆部が前記外側覆部に固定され、
前記第2の外側覆部の前記ランドが前記外側覆部の前記ランドに半田付けされると、前記第1断線検知信号パターンと前記第2断線検知信号パターンとが繋がることを特徴とする請求項5記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記フレキシブルケーブルは、一方向へ細長い長尺状に形成され、
前記断線検知信号パターンは、前記フレキシブルケーブルの幅方向で複数回折り返されて形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記断線検知信号層には、前記断線検知信号パターンとの間の短絡を検知するための短絡検知信号を伝える短絡検知信号パターンが形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記フレキシブルケーブルが接続されるコネクタを備え、
前記断線検知信号パターンは、前記コネクタからの前記フレキシブルケーブルの抜けを検知する機能を果たしていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記記録再生ヘッドは、磁気データの読取りおよび/または磁気データの書込みを行う磁気ヘッドであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項11】
データ信号を伝えるデータ信号パターンが形成されるデータ信号層と、前記データ信号層の表面および裏面を覆うとともに自身が断線したことを検知するための断線検知信号を伝える断線検知信号パターンが形成される断線検知信号層とを有する多層構造に形成され、かつ、
記録媒体に記録されたデータの読取りおよび/または記録媒体へのデータの書込み行う記録再生ヘッドの信号端子が挿通されるスルーホールが形成される端子接続部と、前記端子接続部を覆うように折り返されて前記端子接続部に固定される端子覆部とを備えることを特徴とするフレキシブルケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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