説明

媒体発行機

【課題】複数の種別の媒体の識別を容易に行うことができると共に、使用済の媒体をそのまま資源として再利用することができる手段を提供する。
【解決手段】種別毎に媒体3を収納するホッパ4a、4bと、ホッパ4a、4bから繰出された媒体3a、3bを搬送する搬送路6a、6bと、搬送された媒体3のおもて面に、種別に応じた種別情報を印刷する印刷部7とを備えた媒体発行機1において、媒体3の裏面の、搬送方向に沿った一の側縁部の搬送方向の前端部に、種別毎に搬送方向の印刷長さLを異なる長さに設定した識別マーク15を印刷しておき、印刷部7の上流側の搬送路6cに、識別マーク15を検出するマーク検出センサ14を配置し、マーク検出センサ14からの出力によって、識別マーク15の印刷長さLを検出し、検出した印刷長さLにより、媒体3の種別を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空券や鉄道の乗車券、予約券等の媒体に、予約内容や乗車区間等の種別情報を印刷して発行する媒体発行機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の媒体発行機は、新たな航空券を発行する場合に、上位装置から発券指令を受信すると、媒体発行機が、複数のホッパのいずれかに収納された航空券を1枚搬送路に繰出し、繰出された航空券が搬送路に配置された重送検出センサを通過する際に、その検出信号に基づいて重送の発生を判定し、重送が発生していない場合は、航空券が磁気エンコーダを通過する際に、その裏面に貼付された磁気ストライプに予約内容等の磁気情報を書込み、印字部を通過する際に、そのおもて面に予約内容等の種別情報等を印字し、これを排出口から排出して航空券を発行し、重送が発生した場合は、搬送を停止し、搬送方向を逆転させて一時スタッカに収納し、再度一時スタッカから繰出して重送を解消した後に、重送が発生していない場合と同様にして、航空券を発行している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−266864号公報(主に、段落0039−段落0043、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、循環型社会の構築のために、資源ごみのリサイクル活動が推進され、使用済の紙資源を活用した古紙の製造や、使用済の合成樹脂材料の再利用が促進されている。
しかしながら、上述した従来の技術においては、裏面に磁気ストライプを貼付した航空券等の媒体を用いているため、使用済の媒体を資源として再利用するためには、裏面に貼付された磁気ストライプを媒体から分離しなければならず、資源の円滑な再利用を阻害する虞があるという問題がある。
【0004】
また、媒体に磁気ストライプを貼付するための費用を要し、媒体自体の製造コストも増加するという問題がある。
更に、磁気ヘッドを用いて磁気ストライプに磁気情報を書込んでいるため、磁気ヘッドを設けるための搬送路長さが必要になり、媒体発行機が大型化するという問題がある。
上記に加えて、特許文献1の技術において、複数の種別の媒体を1台で処理しようとすると、媒体を種別毎にホッパに収納しておき、発券に用いる媒体が収納されたホッパを特定して繰出すことになるため、種別の異なる媒体が混入した場合や、装填するホッパを取り違えた場合には、種別の異なる媒体に種別情報の印刷が行われてしまい、これを受取った利用者が戸惑う虞があるという問題が生ずる。
【0005】
また、特許文献1の技術における重送の判定が、搬送される媒体の長さによって行われているとすると、媒体が2枚、真に重なって搬送された場合に重送を判定できず、ジャム等の発生の要因になるという問題が生ずる。
これらのことは、結果として、媒体発行機の稼動効率を低下させることになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、種別毎に媒体を収納する複数の媒体収納部と、前記媒体収納部から繰出された媒体を搬送する搬送路と、搬送された媒体のおもて面に、前記種別に応じた種別情報を印刷する印刷部とを備えた媒体発行機において、媒体の裏面の、搬送方向に沿った一の側縁部の搬送方向の前端部に、前記種別毎に搬送方向の印刷長さを異なる長さに設定した識別マークを印刷しておき、前記印刷部の上流側の前記搬送路に、前記識別マークを検出するマーク検出センサを配置し、前記マーク検出センサからの出力によって、前記識別マークの印刷長さを検出し、前記検出した印刷長さにより、媒体の前記種別を判定することを特徴とする。
【0007】
また、上記の媒体発行機において、搬送される媒体の、前記一の側縁部の前端部に、前記識別マークを検出するための、最長の前記印刷長さより長い距離Mのマーク検出領域を設定すると共に、前記マーク検出領域に連続して、前記マーク検出領域から媒体の後端までの長さより短い距離Nの重送検出領域を設定しておき、前記マーク検出センサと前記媒体収納部との間の前記搬送路に、媒体を透過する光の透過量を検出する重送検出センサを配置し、前記重送検出センサが検出した前記重送検出領域を透過する光の透過量が、予め設定された重送判定閾値未満のときに、媒体の重送を判定し、前記透過量によって重送を判定できなかった場合に、前記重送検出センサが検出した搬送される媒体の先端から後端までの検出長さが、1枚の媒体の搬送方向長さに、前記距離Mと前記距離Nとを加えた長さ以上のときは、媒体の重送と判定することを特徴とする。
【0008】
また、上記の媒体発行機において、搬送される媒体の、前記一の側縁部の前端部に、前記識別マークを検出するための、最長の前記印刷長さより長い距離Mのマーク検出領域を設定すると共に、前記マーク検出領域に連続して、前記マーク検出領域から媒体の後端までの長さより短い距離Nの重送検出領域を設定しておき、前記マーク検出センサを、媒体を透過する光の透過量により前記識別マークを検出するセンサとして、前記複数の媒体収納部から繰出された媒体を搬送するそれぞれの搬送路の合流部の下流側の搬送路に配置し、前記合流部と前記複数の媒体収納部との間の前記搬送路に、前記マーク検出センサから、搬送長さで、1枚の媒体の搬送方向長さに前記距離Mと前記距離Nとを加えた長さ離間させて、前記媒体収納部から繰出された媒体を検出する繰出監視センサを配置し、前記マーク検出センサによる媒体の先端の検出時に、前記繰出監視センサが媒体を検出している場合は、媒体の重送と判定し、前記繰出監視センサが媒体を検出していない場合は、マーク検出センサが検出した前記重送検出領域を透過する光の透過量が、予め設定された重送判定閾値未満のときに、媒体の重送と判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
これにより、本発明は、媒体収納部に収納された媒体に種別の異なる媒体が混入した場合や、装填する媒体収納部を取り違えた場合においても、その種別の識別を容易に行うことができ、種別の異なる媒体に種別情報が印刷されてしまうことを防止することができると共に、使用済の媒体をそのまま資源として再利用することができ、資源のリサイクルの円滑化を図ることができるという効果が得られる。
【0010】
また、媒体が2枚、真に重なって搬送された場合を含む全てのケースにおける媒体の重送を判定することができ、媒体の重送に伴うジャム等の発生を防止して、媒体発行機の稼動効率を向上させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照して本発明による媒体発行機の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は実施例1の媒体発行機の内部構成の側面を示す説明図、図2は実施例1の媒体発行機を示すブロック図、図3は実施例1の媒体の裏面を示す説明図である。
図1、図2において、1は媒体発行機であり、本実施例では、空港等の施設に設置された、上位装置としての航空券発行装置に搭載され、紙製の媒体を用いて、航空機に搭乗するための航空券を発行するユニットである。
【0013】
本実施例の媒体発行機1は、航空券としての搭乗券や予約券、購入時の領収書等の用途の異なる複数の種別(本実施例では2つ)の媒体3a、媒体3b(例えば、予約券と領収書、これらを区別する必要がない場合は、媒体3という。)を発行する図示しない航空券発行装置に搭載されている。
4a、4bは媒体収納部としてのホッパであり、それぞれ媒体3a、3bを種別毎に複数収納しており、それぞれ収納された媒体3a、3bを1枚毎に分離して搬送路6a、6bへ繰出す機能を有する、ピッカローラ5a、繰出ローラ5b、分離ローラ5c等からなる分離部5を備えている。
【0014】
6は搬送部であり、搬送路に沿って配設されたベルト対またはローラ対で媒体3を挟持して搬送する搬送路6a〜6d、図示しないステッピングモータやサーボモータ等の駆動源を有する駆動機構等で構成されており、媒体発行機1内の各部の間を接続して媒体3を搬送する機能を有している。
また、各搬送路の合流部および分岐部には、媒体3の搬送方向を切替える図示しない切替ブレード等からなる切替機構が設けられている。
【0015】
7は印刷部であり、印刷ヘッド7aと、これに対向配置されたプラテン7b等を備えており、ホッパ4a、4bにそれぞれ接続する搬送路6a、6bが合流した後の共通の搬送路6cにより搬送された媒体3のおもて面に、媒体3の種別に応じた種別情報(例えば、航空券の予約券であれば、便名、出発日、出発時刻、出発地、到着地等の予約情報、領収書であれば、購入した航空券の種別、受領金額、受領日時等の領収書情報)を印刷する機能を有している。
【0016】
8は排出口であり、印刷部7に接続する搬送路6dの最下流に配置されており、印刷部7で種別情報が印刷された媒体3を集積して、顧客に引渡す機能を有している。
10は繰出監視センサであり、搬送路6a、6bを挟んで発光部と受光部とを対向配置した光学式センサであって、それぞれのホッパ4a、4bの出口の分離部5に近接して配置されており、発光部からの光を媒体3が遮ったことを受光部で検出し、媒体3の搬送方向の先端および後端を検出して、ON、OFFからなる検出信号を送出する機能を有しており、ホッパ4a、4bからそれぞれ繰出される媒体3a、3bの繰出状態を兼用で監視する。
【0017】
12は重送検出センサであり、搬送路6cを挟んで発光部と受光部とを対向配置した透過型の光学式センサであって、搬送路6a、6bの合流部の搬送方向下流側の搬送路6cに配置されており、媒体3を透過した発光部からの照射光の透過量を受光部が受光して、その出力信号を送出する機能を有しており、搬送路6cを搬送される媒体3の重送を検出する。
【0018】
14はマーク検出センサであり、媒体3で反射した発光部からの光を、受光部で受光して、反射面の色の濃淡を検出する反射型の光学式センサであって、重送検出センサ12と印刷部7との間の、搬送路6cを搬送される媒体3の裏面側に配置されており、媒体3の裏面に印刷された識別マーク15(図3参照)を検出する機能を有している。
17は印刷開始センサであり、搬送路6cを挟んで発光部と受光部とを対向配置した繰出監視センサ10と同様の機能を有する光学式センサであって、搬送路6cの印刷部7の上流側に、搬送路6cの搬送方向に沿った所定の長さ(所定の搬送長さという。)で離間して配置されており、搬送路6cを搬送される媒体3の先端および後端を検出して、ON、OFFからなる検出信号を送出する機能を有している。
【0019】
18は排出監視センサであり、搬送路6dを挟んで発光部と受光部とを対向配置した繰出監視センサ10と同様の機能を有する光学式センサであって、搬送路6dの排出口8の上流側に近接して配置されており、搬送路6dを搬送され、排出口8へ排出される媒体3の先端および後端を検出して、ON、OFFからなる検出信号を送出する機能を有している。
【0020】
図2において、21は媒体発行機1の制御部であり、図示しない上位装置からの指令に基づいて、上記の各部を制御して発券処理等を実行する機能を有している。
22は媒体発行機1の記憶部であり、制御部21が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび制御部21による処理結果等が格納される。
上記の重送検出センサ12およびマーク検出センサ14は、それらが配置された搬送路6cにおいて、搬送路6cを搬送される媒体3の搬送方向に沿った一の側縁部の図3に破線で示すセンサ設置位置に設置されている。
【0021】
本実施例の媒体3の裏面には、媒体3の種別を識別するために、図3に示すように、センサ設置位置に相当する一の側縁部の搬送方向の前端部に、センサ設置位置を含む搬送方向直交方向の印刷幅で、搬送方向の印刷長さLを異なる長さに設定した識別マーク15が印刷されており、媒体3aの裏面には、図3(a)に示すように、印刷長さがLaの短い識別マーク15aが印刷され、媒体3bの裏面には、図3(b)に示すように、印刷長さがLbの長い識別マーク15bが印刷され、印刷長さLaとLbと距離Mとの関係は、
Lb = 2La < M ・・・・・・・・・・・・・・(1)
となるように設定されている。
【0022】
また、媒体3a、3bは、紙製のシートを所定の大きさに切断した同じ大きさのカット紙である。
本実施例の搬送される媒体3の搬送方向に沿った一の側縁部には、搬送路6cを搬送される媒体3の識別マーク15を検出するための領域として、識別マーク15の印刷幅と同等の幅で、媒体3の搬送方向の先端からの長さが、最長の印刷長さL(本実施例では、印刷長さLb)より長い搬送方向の長さの距離Mのマーク検出領域25(図3に1点差線で示した領域)が設定されている。
【0023】
また、このマーク検出領域25に連続して搬送方向下流側に、搬送路6cを搬送される媒体3の重送(2枚以上の媒体3が重なった状態で搬送されることをいう。)を検出するための領域として、識別マーク15の印刷幅と同等の幅で、マーク検出領域25の後端から媒体3の後端までの長さより短い搬送方向の長さである距離Nの重送検出領域27(図3に2点差線で示した領域)が設定されており、重送検出センサ12を通過する媒体3の重送検出領域27における光の透過量の多寡によって、媒体3の重送の有無を判定するようになっている。
【0024】
上記の媒体発行機1の記憶部22には、図示しない上位装置からの発券指令により、指示された種別の媒体3を当該ホッパ4から繰出し、図6を用いて説明する媒体3の重送を監視する重送監視処理(詳細は後述する。)、媒体3のホッパ4へのセットエラーを報知するセットエラー報知処理、および媒体3のおもて面に所定の種別情報を印刷する種別情報印刷処理を実行した後に、印刷された媒体3を発行する機能を有する発券処理プログラム等が予め格納されており、制御部21が実行する発券処理プログラムのステップにより本実施例の媒体発行機1のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0025】
また、記憶部22には、図4に示すように、重送検出センサ12からの出力により、媒体3の重送を判定するための、1枚の媒体3を透過した透過量より少なく、2枚の媒体3を透過した透過量より多く、かつ1枚の媒体3に印刷された識別マーク15を透過した透過量より多い透過量で設定された重送判定閾値、重送検出センサ12を通過する媒体3の存在を検出して、その長さを計測するための、媒体3が存在しない場合の透過量より少なく、1枚の媒体3を透過した透過量より多い透過量で設定された媒体検出閾値が、予め設定されて格納されている。
【0026】
なお、本実施例の識別マーク15は、その透過量が2枚の媒体3を透過した透過量と同等になるような色に設定されている。
更に、記憶部22には、図5に示すように、マーク検出センサ14からの出力により、媒体3の裏面に印刷された識別マーク15を検出するための、媒体3の用紙面の素材色による反射光の光量より少なく、識別マーク15の色による反射光の光量より多い光量で設定されたマーク検出閾値、媒体3が存在しない場合、つまり反射光がない場合の光量より多く、識別マーク15の色による反射光の光量より少ない透過量で設定された用紙検出閾値、計測された識別マーク15の印刷長さLを用いて媒体3a、3bの種別を識別するための、印刷長さLa、Lbにそれぞれ所定の許容代を増減した長さの範囲である印刷長さLa、Lbのそれぞれの種別判定範囲、印刷開始センサ17から印刷部7で印刷を開始する印刷開始位置までの搬送長さに相当する所定の搬送長さが、予め設定されて格納されている。
【0027】
更に、記憶部22には、駆動源、本実施例ではステッピングモータのステップ数をカウントして搬送される媒体3の長さを計測するための媒体長計測エリア、および同様にして識別マーク15の印刷長さLを計測するためのマーク長計測エリアが、予め確保されている。
以下に、図6に示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って本実施例の媒体発行機の発券処理について説明する。
【0028】
施設の係員が、始業時等に図示しない航空券発行装置に電源を投入すると、媒体発行機1に電力が供給され、媒体発行機1の記憶部22に格納されている発券処理プログラムが自動的に起動される。
S1、発券処理プログラムが起動すると、媒体発行機1の制御部21は、発券処理プログラムにより、航空券発行装置からの、発行する媒体3の種別、印刷部7で印刷する種別情報等を添付した発券指令の着信を待って待機する。
【0029】
そして、発券指令を受信すると、制御部21は、発券指令の媒体3の指示種別(本実施例では、媒体3a)とその種別情報を記憶部22に一時保存して、ステップS2へ移行する。発券指令を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
S2、発券指令を受信した制御部21は、指示種別の媒体3、本実施例では媒体3aを収納したホッパ4aから分離部5によって、媒体3aを搬送路6aへ繰出し、繰出監視センサ10がONになったことにより媒体3の繰出を認識してステップS3へ移行する。
【0030】
S3、媒体3aの繰出を認識した制御部21は、搬送部6によって媒体3aを搬送すると共に、重送検出センサ12からの出力を監視しながら待機し、重送検出センサ12からの出力、つまり透過量が媒体検出閾値未満になったときに、媒体3aの搬送方向の先端が重送検出センサ12に達したことを認識し、記憶部22の媒体長計測エリアにより搬送路6cを搬送される媒体3の長さの計測を開始してステップS4へ移行する。
【0031】
重送検出センサ12からの出力が、媒体検出閾値以上の場合は前記の待機を継続する。
S4、媒体3の先端が重送検出センサ12に達したことを認識して媒体3aの長さの計測を開始した制御部21は、重送検出センサ12からの出力が媒体検出閾値未満で継続していることを確認しながら、媒体長計測エリアで計測した媒体3aの検出長さがマーク検出領域25の距離M以上になるのを待って待機し、検出長さが距離M以上になったときに、搬送される媒体3aに設定された重送検出領域27の先端が、重送検出センサ12を通過したことを認識してステップS5へ移行する。検出長さが距離M未満の場合は、前記の待機を継続する。
【0032】
S5、重送検出センサ12が、重送検出領域27に入ったことを認識した制御部21は、重送検出センサ12からの出力を認識し、その透過量が重送判定閾値未満のときは、重送の発生を判定してステップS9へ移行する。
重送検出センサ12からの出力が重送判定閾値以上、媒体検出閾値未満のときは、正常搬送と判定してステップS6へ移行する。
【0033】
S6、正常搬送が行われていることを判定した制御部21は、上記ステップS4と同様にして、検出長さが、マーク検出領域25の距離Mに重送検出領域27の距離Nを加えた長さ以上になるのを待って待機し、検出長さが距離M+N以上になったときに、設定された重送検出領域27の後端が、重送検出センサ12を通過したことを認識してステップS7へ移行する。
【0034】
検出長さが距離M+N未満の場合は、ステップS5へ戻って、重送の監視を継続する。
以下に、上記ステップS5における重送の判定を、複数のケースに分けて説明する。
ケース1、図3に示す媒体3a、3bが、2枚以上、真に重なった状態で搬送された場合は、重送検出領域27における重送検出センサ12からの出力は、図4に示す媒体2枚の出力となり、重送判定閾値未満になるので、重送と判定される。
【0035】
ケース2、図7に示す媒体3a、3bのように、1枚目と2枚目が識別マーク15aの印刷長さLaずれた状態(本実施例では、識別マーク15の印刷長さLが、媒体3bの印刷長さLbに相当する長さになった状態)で重なって搬送された場合は、重送検出領域27における重送検出センサ12からの出力は、媒体3aのときは、図4に示す媒体2枚以下の出力となり、重送判定閾値未満になるので、重送と判定される。
【0036】
また、媒体3bのときは、重送検出領域27上に2枚目の媒体3bの識別マーク15bが重なるが、重送検出領域27における重送検出センサ12からの出力は、識別マーク15が重なった領域およびそれ以外の領域のいずれの領域においても、図4に示す媒体2枚以下の出力となり、重送判定閾値未満になるので、重送と判定される。
ケース3、図8に示す媒体3a、3bのように、1枚目と2枚目が識別マーク15aの印刷長さLaとマーク検出領域25の距離Mとの間の範囲でずれた状態で重なって搬送された場合は、重送検出領域27上に2枚目の媒体3の識別マーク15が重なるが、重送検出領域27における重送検出センサ12からの出力は、識別マーク15が重なった領域およびそれ以外の領域のいずれの領域においても、図4に示す媒体2枚以下の出力となり、重送判定閾値未満になるので、重送と判定される。
【0037】
ケース4、図9に示す媒体3a、3bのように、1枚目と2枚目がマーク検出領域25の距離M以上ずれた状態で、2枚目の先端が距離Nの範囲に重なって搬送された場合は、ケース3の場合と同様に、重送検出領域27における重送検出センサ12からの出力は、識別マーク15が重なった領域およびそれ以外の領域のいずれの領域においても、図4に示す媒体2枚以下の出力となり、重送判定閾値未満になるので、重送と判定される。
【0038】
ケース5、図10に示す媒体3a、3bのように、1枚目と2枚目がマーク検出領域25の距離Mに重送検出領域27の距離Nを加えた長さ以上ずれた状態で重なって搬送された場合は、重送検出領域27における重送検出センサ12からの出力は、識別マーク15が、図4に示す媒体1枚の出力となり、重送判定閾値以上となるので、正常搬送と判定される。
【0039】
このように、ステップS5における重送の判定においては、ケース1ないしケース4の場合は、重送と判定されて、後述するステップS9において発券処理を終了させるが、ケース5の場合は、重送が発生しているにも関らず、正常搬送と判定してしまう誤判定が生じる可能性が存在する。
S7、重送検出領域27の後端が重送検出センサ12を通過したことにより、媒体3aが正常搬送(上記ケース5による誤判定を含む。)されていることを認識した制御部21は、重送検出センサ12からの出力が媒体検出閾値未満で継続していることを確認しながら、その出力が媒体検出閾値以上になるのを待って待機し、重送検出センサ12からの出力が媒体検出閾値以上になったときに、記憶部22の媒体長計測エリアによる媒体3aの長さの計測を終了してステップS8へ移行する。重送検出センサ12からの出力が媒体検出閾値未満の場合は、前記の待機を継続する。
【0040】
S8、搬送される媒体3aの長さの計測を終えた制御部21は、媒体長計測エリアに記録されている媒体3aの検出長さを読出し、読出した検出長さが、図10に示す、1枚の媒体3の搬送方向長さKに距離Mと距離Nとを加えた長さT未満の場合は正常搬送と判定してステップ10へ移行する。
読出した検出長さが、長さT以上の場合は、重送の発生を判定してステップS9へ移行する。
【0041】
このように、本実施例では、重送検出領域27における透過量によって重送を判定できなかった場合に、重送検出センサ12が検出した搬送される媒体3aの先端から後端までの検出長さによって、再度重送の有無の判定を行うので、上記ケース5による誤判定が生じた場合においても、その重送を看過することはない。
S9、重送の発生を判定した制御部21は、搬送部6によって媒体3aの搬送を停止し、重送が発生した旨を記した重送発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させる。
【0042】
これを受信した上位装置は、図示しない表示部にその旨を表示すると共に、ブザー等で警報を発して、係員に重送の発生を報知する。
これにより、係員は重送が発生した媒体3aを搬送路6cから手作業で除去し、その後に再生発券のために媒体発行機1を再稼動させて、新たな媒体3aによる発券指令を航空券発行装置から送信させる。
【0043】
S10、媒体3aの正常搬送を判定した制御部21は、マーク検出センサ14からの出力を監視しながら待機し、マーク検出センサ14からの出力、つまり媒体3aからの反射光の光量が用紙検出閾値以上になったときに、ステップS11へ移行する。マーク検出センサ14からの出力が、用紙検出閾値未満の場合は、前記の待機を継続する。
S11、マーク検出センサ14が媒体3aを検出したことを認識した制御部21は、マーク検出センサ14からの出力が用紙検出閾値以上で継続していることを確認しながらマーク検出閾値未満になるのを待って待機し、マーク検出センサ14からの出力が用紙検出閾値以上、マーク検出閾値未満になったときに、記憶部22のマーク長計測エリアによる識別マーク15の印刷長さLの計測を開始してステップS12へ移行する。マーク検出センサ14からの出力が、マーク検出閾値以上の場合は、前記の待機を継続する。
【0044】
S12、識別マーク15の印刷長さLの計測を開始した制御部21は、マーク検出センサ14の出力が用紙検出閾値以上、マーク検出閾値未満で継続していることを確認しながら、その出力がマーク検出閾値以上になったときに、記憶部22のマーク長計測エリアによる印刷長さLの計測を終了してステップS13へ移行する。
S13、印刷長さLの計測を終えた制御部21は、媒体長計測エリアに記録されている印刷長さLの検出長さを読出し、検出された印刷長さLが、指示種別の媒体3、本実施例では媒体3aの識別マーク15aの印刷長さLaの種別判定範囲以内である場合は、指示種別である媒体3aが搬送されたと判定してステップS17へ移行する。
【0045】
印刷長さLが、印刷長さLaの種別判定範囲外である場合は、搬送部6によって媒体3aの搬送を停止してステップS14へ移行する。
S14、検出された印刷長さLが、印刷長さLaの種別判定範囲外であることを認識した制御部21は、印刷長さLが他の媒体3、本実施例では媒体3bの印刷長さLbの種別判定範囲内である場合は、種別不一致エラーの発生を判定して、ステップS15へ移行する。
【0046】
印刷長さLが、印刷長さLbの種別判定範囲外である場合は、セットエラーの発生を判定して、ステップS16へ移行する。
S15、種別不一致エラーの発生を判定した制御部21は、繰出された媒体3が指示種別の媒体3(本実施例では、媒体3a)ではない旨を記した種別不一致エラー発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させる。
【0047】
これを受信した上位装置は、図示しない表示部にその旨を表示すると共に、ブザー等で警報を発して、係員に種別不一致エラーの発生を報知する。
これにより、係員は種別不一致エラーが発生した媒体3aを搬送路6cから手作業で除去し、ホッパ4aへの他の種別の媒体3、本実施例では媒体3bの混入や、ホッパ4a、必要に応じてホッパ4bに収納された媒体3を点検し、不具合箇所を正常なセット状態に戻し、その後に、再生発券のために媒体発行機1を再稼動させて、新たな媒体3aによる発券指令を上位装置から送信させる。
【0048】
S16、セットエラーの発生を判定した制御部21は、ホッパ4aへの媒体3aの装填時おける、セットエラーが発生した旨を記したセットエラー発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させる。
これを受信した上位装置は、図示しない表示部にその旨を表示すると共に、ブザー等で警報を発して、係員にセットエラーの発生を報知する。
【0049】
これにより、係員はセットエラーが発生した媒体3aを搬送路6cから手作業で除去し、ホッパ4aの媒体3aを正常なセット状態に戻し、その後に再生発券のために媒体発行機1を再稼動させて、新たな媒体3aによる発券指令を上位装置から送信させる。
S17、指示種別である媒体3aが搬送されたと判定した制御部21は、印刷開始センサ17がONになるのを待って待機し、印刷開始センサ17がONになったときに、ステップS17へ移行する。印刷開始センサ17がOFFの場合は、前記の待機を継続する。
【0050】
S18、印刷開始センサ17がONになったことを認識した制御部21は、記憶部22から印刷開始位置までの所定の搬送長さを読出し、搬送部6によって搬送路6cを駆動して媒体3aを読出した所定の搬送長さ搬送し、媒体3aを印刷部7の印刷開始位置まで搬送したことを認識して、ステップS19へ移行する。
S19、媒体3aを印刷開始位置まで搬送したことを認識した制御部21は、記憶部22に一時保存した種別情報を読出し、これを印刷部7によって媒体3aのおもて面に印刷する。
【0051】
S20、媒体3aへの印刷を終えた制御部21は、種別情報が印刷された媒体3aを搬送路6dによって排出口8へ搬送して排出する。
そして、制御部21は、排出監視センサ18が、ONからOFFに変化したことを確認して、発券処理を終了させ、ステップS1へ戻って発券指令の着信を待って待機する。
このようにして、本実施例の発券処理が実行される。
【0052】
上記のように、本実施例の媒体発行機1は、媒体3の裏面に印刷された識別マーク15の印刷長さLを反射型の光学式センサからなるマーク検出センサ14によって検出し、検出した印刷長さLの相違によって媒体3の種別を識別するので、ホッパ4に収納された媒体3に種別の異なる媒体3が混入した場合や、装填するホッパ4を取り違えた場合においても、その種別の識別を容易に行うことができ、種別の異なる媒体3に種別情報が印刷されてしまうことを防止することができると共に、使用済の媒体3をそのまま紙資源として再利用することができ、紙資源のリサイクルの円滑化を図ることができる。
【0053】
また、マーク検出センサ14が、識別マーク15の存在を検出できなかったとき、つまりマーク検出閾値未満の反射光の光量を検出できなかったときは、ホッパ4への媒体3の装填時におけるセットエラーと判定するので、係員に対して、重送の発生や種別不一致エラーと区別してセットエラーを即座に報知することができ、係員による媒体発行機1の停止の要因の特定を容易にして、係員の負担の軽減を図ることができると共に、媒体発行機1の稼動効率を向上させることができる。
【0054】
更に、本実施例の媒体3は、磁気ストライプを用いないので、磁気ストライプに記録された磁気情報を読み書きする磁気ヘッドを省略することができ、磁気ヘッドを設けるための搬送路長さを短縮して、ジャム等の発生を抑制しながら、媒体発行機1の小型化を図ることができると共に、磁気ストライプを貼付するための費用を節減して、媒体3自体の製造コストを減少させることができる。
【0055】
更に、本実施例の重送の判定は、透過型の光学式センサからなる重送検出センサ12を用いて、搬送される媒体3に設定された重送検出領域27を透過する光の透過量の多寡によって、媒体3の重送の有無を判定し、透過量によって重送を判定できなかった場合は、その後に、重送検出センサ12が検出した搬送される媒体3の搬送方向の先端から後端までの検出長さが、1枚の媒体3の搬送方向長さKに、マーク検出領域25の距離Mと重送検出領域27の距離Nとを加えた長さT以上のときは、媒体3の重送と判定するので、媒体3が2枚、真に重なって搬送された場合を含む全てのケースにおける媒体3の重送を判定することができ、媒体3の重送に伴うジャム等の発生による稼動効率の低下を防止することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施例では、種別毎に媒体を収納する複数のホッパと、ホッパから繰出された媒体を搬送する搬送路と、搬送された媒体のおもて面に種別に応じた種別情報を印刷する印刷部とを備えた媒体発行機に用いる媒体の裏面の一の側縁部の前端部に、種別毎に搬送方向の印刷長さを異なる長さに設定した識別マークを印刷しておき、印刷部の上流側の搬送路に配置した、反射型の光学式センサからなるマーク検出センサによって識別マークの印刷長さを検出し、検出した印刷長さにより媒体の種別を判定するようにしたことによって、ホッパに収納された媒体に種別の異なる媒体が混入した場合や、装填するホッパを取り違えた場合においても、その種別の識別を容易に行うことができ、種別の異なる媒体に種別情報が印刷されてしまうことを防止することができると共に、使用済の媒体をそのまま紙資源として再利用することができ、紙資源のリサイクルの円滑化を図ることができる。
【0057】
また、搬送される媒体の一の側縁部に、距離Mのマーク検出領域、およびそれに連続させて距離Nの重送検出領域を設定しておき、マーク検出センサとホッパとの間の搬送路に、透過型の光学式センサからなる重送検出センサを配置し、重送検出センサが検出した重送検出領域を透過する光の透過量が、予め設定された重送判定閾値未満のときに、媒体の重送を判定し、透過量によって重送を判定できなかった場合に、重送検出センサが検出した媒体の先端から後端までの検出長さが、1枚の媒体の搬送方向長さKに距離Mと距離Nとを加えた長さ以上のときは、媒体の重送と判定するようにしたことによって、媒体が2枚、真に重なって搬送された場合を含む全てのケースにおける媒体の重送を判定することができ、媒体の重送に伴うジャム等の発生を防止して、媒体発行機の稼動効率を向上させることができる。
【0058】
更に、マーク検出センサが、マーク検出閾値未満の反射光の光量を検出できなかったときは、ホッパへの媒体の装填時におけるセットエラーと判定するようにしたことによって、係員に対して、重送の発生や種別不一致エラーと区別して、セットエラーを即座に報知することができ、係員による媒体発行機の停止の要因の特定を容易にして、係員の負担の軽減を図ることができると共に、媒体発行機の稼動効率を向上させることができる。
【実施例2】
【0059】
図11は実施例2の媒体発行機の内部構成の側面を示す説明図、図12は実施例2の媒体発行機を示すブロック図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図11、図12において、31はマーク検出センサであり、上記実施例1の重送検出センサ12と同様の機能を有する透過型の光学式センサであって、搬送路6a、6bの合流部の搬送方向下流側の搬送路6cに、繰出監視センサ10から、搬送長さで、1枚の媒体の搬送方向長さKにマーク検出領域25の距離Mと重送検出領域27の距離Nとを加えた長さT(図10参照)離間させると共に、印刷部7の上流側に、所定の搬送長さ(詳細は後述する。)離間させて配置されており、本実施例の重送検出センサおよび印刷開始センサとしても機能する。
【0060】
このため、本実施例においては、実施例1の重送検出センサ12および印刷開始センサ17は省略されている。
本実施例の媒体3としては、実施例1と同様に、図3に示す媒体3a、3bが用いられる。
また、マーク検出領域25の距離Mは、媒体3の搬送方向長さKから距離Mと、重送検出領域27の距離Nとを減じた長さ、つまり重送検出領域27の搬送方向の後端から媒体3の後端までの距離と同等の距離に設定されている。
【0061】
本実施例では、マーク検出領域25の距離M、重送検出領域27の距離N、重送検出領域27の後端から媒体3の後端までの距離は、それぞれ1枚の媒体3の搬送方向長さKの、1/3の長さに等分に設定されている。
本実施例の媒体発行機1の記憶部22には、図示しない上位装置からの発券指令により、指示された種別の媒体3を当該ホッパ4から繰出し、図13を用いて説明する媒体3の重送を監視する重送監視処理(詳細は後述する。)、媒体3のホッパ4へのセットエラーをセット姿勢とともに報知するセットエラー報知処理、および実施例1と同様の種別情報印刷処理を実行した後に、印刷された媒体3を発行する機能を有する発券処理プログラム等が予め格納されており、制御部21が実行する発券処理プログラムのステップにより本実施例の媒体発行機1のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0062】
また、記憶部22には、図14に示すように、マーク検出センサ31からの出力により、媒体3の裏面に印刷された識別マーク15を検出するための、2枚の媒体3を透過した透過量より少なく、かつ1枚の媒体3に印刷された識別マーク15を透過した透過量より多い透過量で設定されたマーク検出閾値、媒体3の重送を判定するための、1枚の媒体3を透過した透過量より少なく、2枚の媒体3を透過した透過量より多く、かつ1枚の媒体3に印刷された識別マーク15を透過した透過量より多い透過量で設定された重送判定閾値、マーク検出センサ31を通過する媒体3の存在を検出するための、媒体3が存在しない場合の透過量より少なく、1枚の媒体3を透過した透過量より多い透過量で設定された媒体検出閾値が、予め設定されて格納されている。
【0063】
なお、本実施例の識別マーク15は、その透過量が2枚の媒体3を透過した透過量より少なくなるような色に設定されている。
更に、記憶部22には、マーク検出センサ31からの出力により、計測された識別マーク15の印刷長さLを用いて媒体の種別を識別するための、実施例1と同様の媒体3a、3bのそれぞれの種別判定範囲、マーク検出センサ31から印刷部7で印刷を開始する印刷開始位置までの所定の搬送長さとして、マーク検出領域25の距離Mと重送検出領域27の距離Nとを加えた長さ以上、1枚の媒体の搬送方向長さK以下の範囲の搬送長さが、予め設定されて格納されている。
【0064】
更に、記憶部22には、実施例1と同様の媒体長計測エリアおよびマーク長計測エリアが、予め確保されている。
以下に、図13に示すフローチャートを用い、SAで示すステップに従って本実施例の媒体発行機の発券処理について説明する。
本実施例ステップSA1、SA2の作動は、実施例1のステップS1、S2の作動と同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
SA3、媒体3aの繰出を認識した制御部21は、ステップSA2においてONになった繰出監視センサ10のON、OFFの出力を認識すると共に、マーク検出センサ31からの出力を監視しながら待機し、マーク検出センサ31からの出力、つまり透過量が媒体検出閾値未満になったときに、媒体3aの搬送方向の先端がマーク検出センサ31に達したことを認識し、記憶部22の媒体長計測エリアにより搬送路6cを搬送される媒体3aの長さの計測を開始して、ステップSA4へ移行する。マーク検出センサ31からの出力が、媒体検出閾値以上の場合は、前記の待機を継続する。
【0066】
SA4、媒体3aの先端がマーク検出センサ31に達したことを認識した制御部21は、繰出監視センサ10の出力を確認し、媒体3aの先端がマーク検出センサ31に達した時に、繰出監視センサ10の出力がOFFの場合は、ステップSA5へ移行する。
媒体3aの先端がマーク検出センサ31に達した時に、繰出監視センサ10の出力が、ONのまま継続している場合は、重送の発生を判定してステップSA10へ移行する。
【0067】
このように、本実施例では、繰出監視センサ10とマーク検出センサ31とが搬送長さで長さT離間して配置されているので、実施例1で説明したケース5による重送の判定を、媒体3aの繰出時に行うことができる。
SA5、媒体3aの長さの計測を開始した制御部21は、マーク検出センサ31からの出力が媒体検出閾値未満で継続していることを確認しながらマーク検出閾値未満になるのを待って待機し、マーク検出センサ31からの出力がマーク検出閾値未満になったときに、記憶部22のマーク長計測エリアによる識別マーク15の印刷長さLの計測を開始して、ステップSA6へ移行する。
【0068】
マーク検出センサ31からの出力が、媒体検出閾値未満、マーク検出閾値以上の場合は、前記の待機を継続する。
SA6、識別マーク15の印刷長さLの計測を開始した制御部21は、マーク検出センサ31の出力がマーク検出閾値未満で継続していることを確認しながら、その出力がマーク検出閾値以上になったときに、記憶部22のマーク長計測エリアによる印刷長さLの計測を終了してステップSA7へ移行する。
【0069】
SA7、印刷長さLの計測を終えた制御部21は、マーク検出センサ31からの出力が媒体検出閾値未満で継続していることを確認しながら、媒体長計測エリアで計測した媒体3の検出長さが、マーク検出領域25の距離M以上になるのを待って待機し、検出長さが距離M以上になったときに、搬送される媒体3aに設定された重送検出領域27の先端が、マーク検出センサ31を通過したことを認識してステップSA8へ移行する。
【0070】
検出長さが距離M未満の場合は、前記の待機を継続する。
SA8、マーク検出センサ31が、重送検出領域27に入ったことを認識した制御部21は、マーク検出センサ31からの出力を認識し、その透過量が重送判定閾値未満のときは、重送の発生を判定してステップSA10へ移行する。
マーク検出センサ31からの出力が重送判定閾値以上、媒体検出閾値未満のときは、正常搬送と判定してステップSA9へ移行する。
【0071】
SA9、正常搬送が行われていることを判定した制御部21は、上記ステップSA7と同様にして、検出長さが、マーク検出領域25の距離Mに重送検出領域27の距離Nを加えた長さ以上になるのを待って待機し、検出長さが距離M+N以上になったときに、設定された重送検出領域27の後端が、マーク検出センサ31を通過したことを認識してステップSA11へ移行する。
【0072】
検出長さが距離M+N未満の場合は、ステップSA8へ戻って、重送の監視を継続する。
このように、本実施例では、重送の有無の判定を、再度重送判定領域27を用いて行うので、実施例1で説明したケース1ないしケース4の場合の、媒体3の重送を看過することはない。
【0073】
なお、本実施例におけるケース1ないしケース4の重送の判定は、図14に示す重送判定閾値に基づいて行われる。
SA10、重送の発生を判定した制御部21は、実施例1のステップS9と同様にして、重送発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させ、これを受信した上位装置は、係員に対して重送の発生を報知する。
【0074】
その後の、係員の復旧作業は、実施例1のステップS9と同様であるので、その説明を省略する。
SA11、重送検出領域27の後端がマーク検出センサ31を通過したことを認識した制御部21は、媒体長計測エリアに記録されている印刷長さLの検出長さを読出し、検出された印刷長さLが、指示種別の媒体3、本実施例では媒体3aの識別マーク15aの印刷長さLaの種別判定範囲以内である場合は、指示種別である媒体3aが搬送されたと判定してステップSA18へ移行する。
【0075】
印刷長さLが、印刷長さLaの種別判定範囲外である場合は、ステップSA12へ移行する。
このとき、図7に示すケース2の重送が発生したときは、媒体長計測エリアに記録されている検出長さは、媒体3bの印刷長さLbとなっているが、本実施例ではケース2の重送が生じた場合には、上記ステップSA8において既に重送の発生と判定されて発券処理を終了させているので、ケース2の重送が発生したとしても、識別マーク15による種別の判定に誤判定が生ずることはない。
【0076】
SA12、検出された印刷長さLが、印刷長さLaの種別判定範囲外であることを認識した制御部21は、印刷長さLが他の媒体3、本実施例では媒体3aの印刷長さLbの種別判定範囲内である場合は、種別不一致エラーの発生を判定して、ステップSA13へ移行する。
印刷長さLが、印刷長さLbの種別判定範囲外である場合は、記憶部22のマーク長計測エリアをクリアし、セットエラーの発生を判定してステップSA14へ移行する。
【0077】
SA13、種別不一致エラーの発生を判定した制御部21は、搬送部6によって媒体3aの搬送を停止し、実施例1のステップS15と同様にして、種別不一致エラー発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させ、これを受信した上位装置は、係員に対して係員に種別不一致エラーの発生を報知する。
その後の、係員の復旧作業は、実施例1のステップS15と同様であるので、その説明を省略する。
【0078】
SA14、セットエラーの発生を判定した制御部21は、上記ステップSA5と同様にして、マーク検出センサ31からの出力を監視しながら待機し、マーク検出センサ31からの出力がマーク検出閾値未満になったときに、マーク長計測エリアによる識別マーク15の印刷長さLの新たな計測を開始し、上記ステップSA6と同様にして、マーク長計測エリアにより印刷長さLを計測する。
【0079】
そして、印刷長さLを計測した後、またはマーク検出センサ31からの出力が媒体検出閾値未満で継続した後、マーク検出センサ31からの出力が媒体検出閾値以上になったときに、媒体3aの後端がマーク検出センサ31を通過したことをと認識し、搬送部6によって媒体3aの搬送を停止してステップSA15へ移行する。
SA15、媒体3aの後端がマーク検出センサ31を通過したことを認識した制御部21は、媒体長計測エリアに記録されている印刷長さLの検出長さを読出し、検出された印刷長さLが、媒体3aまたは3bの識別マーク15aの印刷長さLaまたはLbの種別判定範囲外である場合、つまり識別マーク15が検出されない場合は、図15に示す前後が逆、または図16に示す表裏が逆のセットエラーの発生を判定して、ステップSA16へ移行する。
【0080】
検出された印刷長さLが、媒体3aまたは3bの識別マーク15aの印刷長さLaまたはLbの種別判定範囲以内である場合は、図17に示す前後および表裏が逆のセットエラーの発生を判定して、ステップSA17へ移行する。
このように、本実施例のマーク検出センサ31は透過型の光学式センサであり、マーク検出領域25の距離Mは、重送検出領域27の後端から媒体3の後端までの距離と同等の距離(本実施例では、それぞれに媒体3の搬送方向長さKの1/3の長さ)に設定されているので、一の側のマーク検出領域25および重送検出領域27以外の領域で、識別マーク15を検出することができ、セット状態の特定が可能になる。
【0081】
SA16、前後または表裏が逆のセットエラーの発生を判定した制御部21は、ホッパ4aへの媒体3aの装填時おける、前後または表裏が逆のセットエラーが発生した旨を記したセットエラー発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させる。
これを受信した上位装置は、図示しない表示部にその旨を表示すると共に、ブザー等で警報を発して、係員に前後または表裏が逆のセットエラーの発生を報知する。
【0082】
これにより、係員は前後または表裏が逆のセットエラーが発生したことを知得し、セットエラーが発生した媒体3aを搬送路6cから手作業で除去し、ホッパ4aの媒体3aを正常なセット状態に戻し、その後に再生発券のために媒体発行機1を再稼動させて、新たな媒体3aによる発券指令を上位装置から送信させる。
SA17、前後および表裏が逆のセットエラーの発生を判定した制御部21は、ホッパ4aへの媒体3aの装填時おける、前後および表裏が逆のセットエラーが発生した旨を記したセットエラー発生通知を上位装置へ送信して発券処理を終了させる。
【0083】
これを受信した上位装置は、図示しない表示部にその旨を表示すると共に、ブザー等で警報を発して、係員に前後および表裏が逆のセットエラーの発生を報知する。
これにより、係員は前後および表裏が逆のセットエラーが発生したことを知得し、セットエラーが発生した媒体3aを搬送路6cから手作業で除去し、ホッパ4aの媒体3aを正常なセット状態に戻し、その後に再生発券のために媒体発行機1を再稼動させて、新たな媒体3aによる発券指令を上位装置から送信させる。
【0084】
なお、上記ステップSA16、SA17の係員による復旧作業の場合に、除去した媒体3が媒体3bの場合は、ホッパ4aに他の種別の媒体3、本実施例では媒体3bが混入している可能性があるので、ホッパ4aへ前後もしくは表裏が逆になった媒体3b(図15(b)、図16(b)参照)、または前後および表裏が逆になった媒体3b(図17(b)参照)が混入しているか否かの点検を行い、媒体3bが混入していればそれを除去してホッパ4aの媒体3aを正常なセット状態に戻し、全てが媒体3bのときは正常なセット状態の媒体3aに入替える。
【0085】
この場合に、ホッパ4bには、媒体3aが装填されている可能性があるので、ホッパ4bの点検も行う。
SA18、指示種別である媒体3aが搬送されたと判定した制御部21は、記憶部22から印刷開始位置までの所定の搬送長さを読出し、マーク検出センサ31からの出力が媒体検出閾値未満で継続していることを確認しながら、媒体長計測エリアで計測した媒体3の検出長さが、読出した所定の搬送長さになるのを待って待機し、検出長さが所定の搬送長さになったときに、媒体3aを印刷部7の印刷開始位置まで搬送したことを認識してステップSA19へ移行する。検出長さが所定の搬送長さ未満の場合は、前記の待機を継続する。
【0086】
その後のステップSA19、SA20の作動は、実施例1のステップS19、S20の作動と同様であるので、その説明を省略する。
このようにして、本実施例の発券処理が実行される。
上記のように、本実施例の媒体発行機1は、媒体3の裏面に印刷された識別マーク15の印刷長さLを透過型の光学式センサからなるマーク検出センサによって検出し、検出した印刷長さLの相違によって媒体3の種別を識別するので、上記実施例1と同様に、種別の異なる媒体3に種別情報が印刷されてしまうことを防止することができると共に、紙資源のリサイクルの円滑化を図ることができる。
【0087】
また、マーク検出センサ31が、マーク検出領域25において、識別マーク15の存在を検出できなかったとき、つまりマーク検出閾値未満の透過量を検出できなかったときは、識別マーク15の存在を確認しながら媒体3を後端まで搬送して、ホッパ4への媒体3の装填時におけるセットエラーを判定するので、マーク検出領域25以外の領域における識別マーク15の存在を検出することが可能になり、係員に対して、重送の発生や種別不一致エラーと区別して、セット状態を特定したセットエラーを即座に報知することができ、係員による媒体発行機1の停止の要因の特定を更に容易にして、係員の負担の更なる軽減を図ることができると共に、媒体発行機1の稼動効率を更に向上させることができる。
【0088】
更に、本実施例の媒体発行機1は、上記実施例1と同様に、磁気ヘッドを省略することによる搬送路長さの短縮に加えて、透過型の光学式センサからなるマーク検出センサ31を用いることによって、実施例1の重送検知センサ12、印刷監視センサ17を省略して搬送路長さを更に短縮することができ、ジャム等の発生を抑制しながら、媒体発行機1の更なる小型化を図ることができると共に、磁気ストライプを貼付するための費用を節減して、媒体自体の製造コストを減少させることができる。
【0089】
更に、本実施例の重送の判定は、繰出監視センサ10とマーク検出センサ31とを搬送長さで1枚の媒体3の搬送方向長さKに、マーク検出領域25の距離Mと重送検出領域27の距離Nとを加えた長さT離間させて配置し、マーク検出センサ31が搬送される媒体3の搬送方向の先端を検出した時に、繰出監視センサ10が繰出された媒体3を検出しているときは、媒体3の重送と判定し、繰出監視センサ10が媒体3を検出していない場合は、その後に透過型の光学式センサからなるマーク検出センサ31を用いて、設定された重送検出領域27を透過する光の透過量の多寡によって、媒体3の重送の有無を判定するので、媒体3が2枚、真に重なって搬送された場合を含む全てのケースにおける媒体3の重送を判定することができ、媒体3の重送に伴うジャム等の発生による稼動効率の低下を防止することができる。
【0090】
以上説明したように、本実施例では、種別毎に媒体を収納する複数のホッパと、ホッパから繰出された媒体を搬送する搬送路と、搬送された媒体のおもて面に、種別に応じた種別情報を印刷する印刷部とを備えた媒体発行機に用いる媒体の裏面の一の側縁部の前端部に、種別毎に搬送方向の印刷長さを異なる長さに設定した識別マークを印刷しておき、印刷部の上流側の搬送路に配置した、透過型の光学式センサからなるマーク検出センサによって識別マークの印刷長さを検出し、検出した印刷長さにより、媒体の種別を判定するようにしたことによって、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0091】
また、媒体の裏面の側縁部に、距離Mのマーク検出領域およびそれに連続させて、距離Nの重送検出領域を設定しておき、透過型の光学式センサからなるマーク検出センサを、複数のホッパから繰出された媒体を搬送するそれぞれの搬送路の合流部の下流側の搬送路に、合流部と複数のホッパとの間の搬送路に配置されたホッパから繰出された媒体を検出する繰出監視センサから、搬送長さで、1枚の媒体の搬送方向長さKに距離Mと距離Nとを加えた長さT離間させて配置し、マーク検出センサによる媒体の先端の検出時に、繰出監視センサが媒体を検出している場合は媒体の重送と判定し、繰出監視センサが媒体を検出していない場合は、マーク検出センサが検出した重送検出領域を透過する光の透過量が、予め設定された重送判定閾値未満のときに、媒体の重送と判定するようにしたことによって、媒体が2枚、真に重なって搬送された場合を含む全てのケースにおける媒体の重送を判定することができ、媒体の重送に伴うジャム等の発生を防止して、媒体発行機の稼動効率を向上させることができる。
【0092】
更に、マーク検出センサが、識別マークを検出できなかったときは、ホッパへの媒体の装填時における、表裏または前後が逆のセットエラーと判定するようにしたことによって、係員に対して、重送の発生や種別不一致エラーと区別して、セット状態を特定したセットエラーを即座に報知することができ、係員による媒体発行機の停止の要因の特定を更に容易にして、係員の負担の更なる軽減を図ることができると共に、媒体発行機の稼動効率を更に向上させることができる。
【0093】
更に、マーク検出センサが、媒体の裏面の一の側縁部の、マーク検出領域および重送検出領域以外の領域で識別マークを検出したときは、ホッパへの媒体の装填時における、前後および表裏が逆のセットエラーと判定するようにしたことによって、係員に対して、重送の発生や種別不一致エラーと区別して、セット状態を特定したセットエラーを即座に報知することができ、係員による媒体発行機の停止の要因の特定を更に容易にして、係員の負担の更なる軽減を図ることができると共に、媒体発行機の稼動効率を更に向上させることができる。
【0094】
なお、上記各実施例においては、媒体は紙製であるとして説明したが、素材を透光性を有する合成樹脂材料としたシート材で形成した媒体であってもよい。この場合においても、磁気ストライプを貼付すれば、媒体の素材に磁性材が混入することになり、円滑なリサイクルの妨げになるが、本実施例では印刷のみであるので、媒体として用いた合成樹脂材料を容易に再利用することができ、上記各実施例と同様の効果を得ることができる。
【0095】
また、上記各実施例においては、種別の異なる媒体を識別マークで区別するとして説明したが、媒体に種別に応じた着色を施すようにしてもよい。このようにすれば、媒体の種別を色によっても区別することができ、ホッパへの媒体の装填時における異なる媒体の混入やホッパの取り違え等を更に防止することができると共に、発行された媒体を受取った利用者の利便性を向上させることができる。
【0096】
この場合に、媒体に着色する色は、それぞれの媒体の区別ができ、かつマーク検出閾値や重送検出閾値等として設定される反射光の光量や光の透過量に影響を与えない程度の色に設定するとよい。
更に、上記各実施例においては、媒体発行機は、媒体としての航空券を用い、空港等の施設に設置された上位装置としての航空券発行装置に搭載されるとして説明したが、施設や媒体、上位装置は前記に限らず、施設としての旅行代理店に設置された航空券発行装置に適用しても、施設としての鉄道の駅やバスの発着場、旅行代理店に設置された、媒体としての乗車券や座席指定券、定期乗車券等を発行する上位装置としての乗車券発行装置、施設としてのプレイガイド等に設置された、媒体としてのイベントの入場券や前売券等を発行する上位装置としてのチケット発行装置等に適用しても本発明と同様の効果を得ることができる。
【0097】
更に、上記各実施例においては、媒体発行機は、新たな媒体に種別情報を印刷して発行する媒体発行機として説明したが、媒体に印刷された予約情報等の種別情報の読取装置やそれを収納するスタッカ等を設けてもよく、独立した施設の窓口等に設置した種別情報の読取装置を上位装置として接続したシステムに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例1の媒体発行機の内部構成の側面を示す説明図
【図2】実施例1の媒体発行機を示すブロック図
【図3】実施例1の媒体の裏面を示す説明図
【図4】実施例1の重送検出センサの各閾値を示す説明図
【図5】実施例1のマーク検出センサの各閾値を示す説明図
【図6】実施例1の媒体発行機の発券処理を示すフローチャート
【図7】実施例1の媒体のケース2の重送状態を示す説明図
【図8】実施例1の媒体のケース3の重送状態を示す説明図
【図9】実施例1の媒体のケース4の重送状態を示す説明図
【図10】実施例1の媒体のケース5の重送状態を示す説明図
【図11】実施例2の媒体発行機の内部構成の側面を示す説明図
【図12】実施例2の媒体発行機を示すブロック図
【図13】実施例2の媒体発行機の発券処理を示すフローチャート
【図14】実施例2のマーク検出センサの各閾値を示す説明図
【図15】実施例2の媒体の前後が逆の搬送状態を示す説明図
【図16】実施例2の媒体の表裏が逆の搬送状態を示す説明図
【図17】実施例2の媒体の前後および表裏が逆の搬送状態を示す説明図
【符号の説明】
【0099】
1 媒体発行機
3、3a、3b 媒体
4、4a、4b ホッパ
5 分離部
5a ピッカローラ
5b 繰出ローラ
5c 分離ローラ
6 搬送部
6a〜6d 搬送路
7 印刷部
7a 印刷ヘッド
7b プラテン
8 排出口
10 繰出監視センサ
12 重送検出センサ
14、31 マーク検出センサ
15、15a、15b 識別マーク
17 印刷開始センサ
18 排出監視センサ
21 制御部
22 記憶部
25 マーク検出領域
27 重送検出領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種別毎に媒体を収納する複数の媒体収納部と、前記媒体収納部から繰出された媒体を搬送する搬送路と、搬送された媒体のおもて面に、前記種別に応じた種別情報を印刷する印刷部とを備えた媒体発行機において、
媒体の裏面の、搬送方向に沿った一の側縁部の搬送方向の前端部に、前記種別毎に搬送方向の印刷長さを異なる長さに設定した識別マークを印刷しておき、
前記印刷部の上流側の前記搬送路に、前記識別マークを検出するマーク検出センサを配置し、
前記マーク検出センサからの出力によって、前記識別マークの印刷長さを検出し、前記検出した印刷長さにより、媒体の前記種別を判定することを特徴とする媒体発行機。
【請求項2】
請求項1において、
搬送される媒体の、前記一の側縁部の前端部に、前記識別マークを検出するための、最長の前記印刷長さより長い距離Mのマーク検出領域を設定すると共に、前記マーク検出領域に連続して、前記マーク検出領域から媒体の後端までの長さより短い距離Nの重送検出領域を設定しておき、
前記マーク検出センサと前記媒体収納部との間の前記搬送路に、媒体を透過する光の透過量を検出する重送検出センサを配置し、
前記重送検出センサが検出した前記重送検出領域を透過する光の透過量が、予め設定された重送判定閾値未満のときに、媒体の重送を判定し、
前記透過量によって重送を判定できなかった場合に、前記重送検出センサが検出した搬送される媒体の先端から後端までの検出長さが、1枚の媒体の搬送方向長さに、前記距離Mと前記距離Nとを加えた長さ以上のときは、媒体の重送と判定することを特徴とする媒体発行機。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記マーク検出センサを、媒体からの反射光により前記識別マークを検出するセンサとし、
前記マーク検出センサが、前記識別マークを検出できなかったときは、前記媒体収納庫への媒体の装填時におけるセットエラーと判定することを特徴とする媒体発行機。
【請求項4】
請求項1において、
搬送される媒体の、前記一の側縁部の前端部に、前記識別マークを検出するための、最長の前記印刷長さより長い距離Mのマーク検出領域を設定すると共に、前記マーク検出領域に連続して、前記マーク検出領域から媒体の後端までの長さより短い距離Nの重送検出領域を設定しておき、
前記マーク検出センサを、媒体を透過する光の透過量により前記識別マークを検出するセンサとして、前記複数の媒体収納部から繰出された媒体を搬送するそれぞれの搬送路の合流部の下流側の搬送路に配置し、
前記合流部と前記複数の媒体収納部との間の前記搬送路に、前記マーク検出センサから、搬送長さで、1枚の媒体の搬送方向長さに前記距離Mと前記距離Nとを加えた長さ離間させて、前記媒体収納部から繰出された媒体を検出する繰出監視センサを配置し、
前記マーク検出センサによる媒体の先端の検出時に、前記繰出監視センサが媒体を検出している場合は、媒体の重送と判定し、
前記繰出監視センサが媒体を検出していない場合は、マーク検出センサが検出した前記重送検出領域を透過する光の透過量が、予め設定された重送判定閾値未満のときに、媒体の重送と判定することを特徴とする媒体発行機。
【請求項5】
請求項4において、
前記マーク検出センサが、前記識別マークを検出できなかったときは、前記媒体収納庫への媒体の装填時における、表裏または前後が逆のセットエラーと判定することを特徴とする媒体発行機。
【請求項6】
請求項5において、
前記重送検出領域の後端と、媒体の後端との距離を、前記マーク検出領域の距離Nと同等に設定しておき、
前記マーク検出センサが、前記一の側縁部の、前記マーク検出領域および前記重送検出領域以外の領域で前記識別マークを検出したときは、前記媒体収納庫への媒体の装填時における、前後および表裏が逆のセットエラーと判定することを特徴とする媒体発行機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−199110(P2009−199110A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36920(P2008−36920)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】