説明

媒体記録再生装置及び媒体記録再生方法

【課題】追記型媒体の交替領域のNAPによる交替領域管理方法が、書き換え型媒体の交替領域の交替領域管理方法に適応された場合において、交替処理におけるリトライオーバーでの記録停止や、記録再生装置内での無駄な変換処理を抑制する。
【解決手段】媒体の初期化処理時や、交替処理時におけるNAPを交替領域内のDFLエントリ内のUnusable ClusterやUsable Cluster Type2で登録された欠陥ブロックを示さないように更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は媒体記録再生装置及び媒体記録再生方法に係り、特に書き換え型媒体の交替処理データ記録用領域を用いて記録再生を行う装置における、初期化処理や交替処理における交替領域の使用方法の取り扱い規定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、例えば、特許文献1,2や非特許文献1がある。特許文献1の要約書には、「記録媒体並びに記録媒体に欠陥管理情報を記録する方法及び装置が開示されている。記録媒体の欠陥管理情報を記録する方法には、欠陥エントリーのタイプを識別可能な第1のフィールドと、ユーザデータ領域内の欠陥領域の位置情報を記録する第2のフィールドと、スペアエリア内の交替領域の位置情報を記録する第3のフィールドとを含む欠陥エントリーを記録媒体に記録することと、第1のフィールドによって決定された欠陥エントリータイプにしたがって、第2のフィールド及び/または第3のフィールドに対応する位置情報を記録することが含まれ、対応する位置情報のない欠陥エントリータイプの場合、該当のフィールドは0に設定される。」と記載されている。
【0003】
また、特許文献2の要約書には、課題として、「ライトワンスメディアを書換可能とするとともに、主データ領域の有効利用、記録再生パフォーマンスの向上を図る。」と記載され、解決手段として、「ライトワンスメディアにおいて、主データ領域内で追記ポイント等、選択した領域を交替先領域として用いること、また書込要求等の対象のアドレスについて連続記録範囲情報によって記録済/未記録を判断できるようにすること、さらに欠陥交替およびデータ書換のための交替管理情報を統合して混在させるようにすることで、固定の交替領域を設けなくとも、欠陥交替およびデータ書換を可能とする。また、交替領域を設ける場合において、交替領域に交替処理に利用できる容量が不足した場合に、主データ領域内で追記ポイント等、選択した領域を交替先領域として用いる。」と記載されている。
【0004】
また、非特許文献1には、欠陥管理方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2009-517795号公報
【特許文献2】特開2009-245586号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】トリケップス企画部編集 「DVD-RAM技術」株式会社トリケップス発行 2000年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、CD-R/RW(CD Recordable / Rewritable)、DVD±R/RW(DVD±Recordable / Rewritable Disc)、DVD-RAM(DVD-Random Access Memory)、Blu-ray Disc(商標登録、以下BDと記す) 等に代表される光学式のディスク状記録媒体に対して、半導体レーザーを用いてレーザー光を照射し、データ記録を行う記録再生装置がある。
【0008】
書き換え型もしくは追記型の光ディスク媒体は、メディアの部分破損による傷や、指紋、汚れ、記録膜の劣化等によりメディア上の欠陥(ディフェクト)部分が発生し、その欠陥部分に記録を行っても、データを読み出すことが出来なくなる可能性が高くなる。
【0009】
このようなディスク面の欠陥を回避してディスク寿命を延ばす1つの方法として、その欠陥部分にはデータの記録は行わずに、同じ光ディスク上に設けた交替領域(代替記録領域)に記録を行う、リニアリプレースメント(Linear Replacement)と呼ばれる欠陥管理方法がある。これはDVD−RAMで適応されており、このことは、非特許文献1の29〜31頁に記載されている。この技術はBDでも適応されており、クラスタ単位でユーザーデータ領域に記録中に、記録に失敗したクラスタ、もしくは記録は成功したが当該クラスタのベリファイに失敗したクラスタはディスク内に設けられた交替領域に記録される。なお、クラスタとは本発明中における最小記録ブロック単位に相当する。そして、検出された欠陥クラスタに対するアドレス情報と交替領域に記録されたクラスタのアドレス情報とその欠陥の種別を示すDFLエントリを、ディスク内に設けられた管理領域内にディフェクトリスト(DFL)として登録する。またそのDFLエントリの種別も数種類定義されており、SPR(Spare)エントリ、RAD(Re-Allocated Defect)エントリ、CRD(Contiguous Re-allocated Defect)エントリ、PBA(Possibly Bad Area)エントリ、NRD(Non-Re-allocatable Defect)エントリやUnusableエントリが存在する。このことは特許文献1にも記載されている。
【0010】
また追記型の媒体においては一度記録済みの交替領域への書き換えは出来ないため、次に記録すべき交替領域内における先頭ブロックアドレスが媒体内の管理情報領域に記録されており、このアドレスから追記しながら交替処理を行っていく。このことは特許文献2にも記載されている。一方、書き換え型の媒体においては記録済みであっても交替領域の再使用が可能であるため、追記型媒体で使用している「交替領域内で次に使用すべきを示す先頭ブロックアドレス」は使用せず、「次に使用可能な交替領域内のクラスタはDFLエントリの種別」を使用して判断している。また、DFLをソートして、次に使うべき交替領域内のクラスタを管理している。このことは特許文献2に記載されている。また書き換え型の媒体は、媒体を再度、物理的に初期化処理すること(以下、初期化処理と記す)が可能である。交替領域が使用済みの媒体に対して初期化処理を再度行う場合、交替領域内で登録済みのDFLエントリを初期化処理時にどう取り扱うかは色々なケースが存在する。欠陥登録されている全てのDFLエントリを、「過去に欠陥クラスタであったことを示すDFLエントリ」(例えば、SPR with status2=0100、PBA with status2=0100等)に変換するクイック リフォーマット(Quick ReFormat)、使用済みの全てのDFLエントリを全て初期化するノーサーティフィケーション(No Certification)、媒体内の全てのクラスタを対象にクラスタの状態をチェックし必要に応じてDFLエントリ変換を行うフルサーティフィケーション(Full Certification)、媒体内の欠陥DFLエントリのクラスタだけ対象にクラスタの状態をチェックし必要に応じてDFLエントリ変換を行うクイックサーティフィケーション(Quick Certification)が存在する。
【0011】
しかし、書き換え型の媒体における次に使用可能な交替領域内のクラスタの管理方法を「DFLエントリの種別による方法」から、追記型の媒体で使用されている「交替領域内で次に使用すべき先頭ブロックアドレスによる方法」に変更した場合、初期化処理後に示すべき先頭ブロックアドレスや記録中における先頭ブロックアドレス更新方法など、この先頭ブロックアドレスの取り扱い方に言及したものは存在しない。
【0012】
交替領域内で次に使用すべき先頭ブロックが、そのブロックの先頭ブロックアドレスを示すことで管理されている書き換え型の媒体において、初期化処理が未実施の該媒体における最初の初期化処理後の該先頭ブロックアドレスの初期値は、交替領域の先頭ブロックアドレスを示しているはずである。その後、該媒体に対して交替処理を行いながらユーザーデータ記録を行った場合、該先頭ブロックアドレスは交替領域の使用状態に応じて更新されていく。ここで、この記録済みの状態の該媒体に対して初期化処理を再実施する場合を考える。
【0013】
BDの初期化処理は数種類定義されており、その際のDFLエントリの初期化前後の変換パターンも複数ある。仮に、交替領域の先頭から連続、または纏まった範囲で欠陥クラスタが続いていたとして、該先頭ブロックアドレスがその欠陥ブロックの先頭ブロックアドレスを示していた場合、NAPはその名に反して、次に記録すべきアドレスを指し示していないことになる。その結果、欠陥ブロックに対して記録リトライ処理を繰り返した上でリトライオーバーでの記録停止や、記録再生装置内での無駄な変換処理が行われるという問題が生じる。
【0014】
従って、本発明ではこれらの問題点を解決することを課題とし、初期化処理時の該先頭ブロックアドレスの初期化方法や交替処理中の更新方法に着目し、リトライオーバーでの記録停止や、記録再生装置内での無駄な変換処理を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題は、一例として特許請求の範囲に記載の発明により達成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、適切な記録動作を実現することが可能となり、ユーザ利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例に関る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】BD−RE/Rのディスク全体の構造を示した図
【図3】BD-RE/Rの欠陥処理方法を説明する為の図
【図4】初期化済みのBD-REを再度初期化処理について説明する為の図
【図5】課題を解決する為の初期化処理後のNAP配置例
【図6】初期化処理後のNAPの更新方法例
【図7】初期化処理時と交替処理時のNAP決定例のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例】
【0019】
以下、本発明のの実施例を図面を用いて説明する。
【0020】
図1は本発明の実施例に関る記録再生装置の構成を示すブロック図である。以下図面を用いて説明する。
【0021】
同図において101はユーザーデータ記録用領域、ディスク管理情報記録用領域、交替処理データ記録用領域、をディスク上に持つデータを記録再生可能な光ディスク、102は光ディスク101から記録信号を読み取るピックアップ、103はデータ記録再生手段であり、図中には示していないがデータ記録再生手段103はピックアップ102の制御を行うサーボ制御手段や、データの変復調を行う手段、誤り訂正を行う手段、データを一時記憶しておく一時記憶手段や、その一時記憶手段を制御する一時記憶手段制御手段、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)に代表される、プロトコルに従ってホスト104とのやり取りを行うホストI/F手段など、ピックアップから読み出されたデータを、外部装置のホスト104へ出力、またはホスト104からのデータをディスク上に記録するために必要な手段をすべて備えている。105はそのデータ記録再生手段を制御するマイコンである。106はディスク101の物理的な初期化処理を行う初期化処理手段、107はユーザーデータ記録用領域や交替領域内の各クラスタの交替状況を示す、ディスク101の管理情報領域に記録されたDFLエントリ、を検索可能なDFLエントリ検索手段、108はディスク101上のユーザーデータ記録用領域で記録再生中に欠陥クラスタと判定された場合に、交替領域に代替クラスタを記録するいわゆる交替処理を行う交替処理手段、109は交替領域内において次に記録すべきクラスタの先頭ブロックアドレス、NAP(Next Available PSN)を決定するNAP決定手段である。以下、交替領域内における次に記録すべきクラスタの先頭ブロックアドレスをNAPと記す。このNAPは各交替領域内において夫々存在するものとするが、本実施例では便宜上、交替領域の1つであるISA0に着目しISA0内のNAPを指すものとするが、どの交替領域におけるNAPに適応しても問題はない。
【0022】
図2は、BD−RE/R SL(Single Layer)のディスク全体の構造を示した図である。BD−RE、BD−R共に大きく分けてLead-in領域、Data Zone領域、Lead-out領域の3つで構成されており、さらにData Zone領域は、内周の交替領域であるISA0(Inner Spare Area 0)領域、UserDataArea領域、外周の交替領域であるOSA0(Outer Spare Area 0)領域で構成される。BD−REにおいては記録状態の管理情報を記録するDMA(Disc Management Area)は、Lead-in領域、Lead-out領域内に存在する。またBD−RE SLにはDMA1〜4までが定義されているが、この例では説明簡略化のためDMA1のみを記載している。またBD−Rにおいてはディスクがファイナライズされるまでは、TDMA(Temporary Disc Management Area)でディスクの記録状態を管理しており、TDMAは、Lead-in領域、ISA0領域、OSA0領域内に存在することが可能で、それぞれTDMA0、TDMA1、TDMA2となる。この例では、説明簡略化のためISA0,OSA0に含まれるTDMA1、TDMA2は省略する。ファイナライズ後はBD−REと同様にDMAに記録される。まずは、BD−REのDMA領域について説明する。
【0023】
DMA領域はDMS(Disc Management Structure)で構成され、DMSはDDS(Disc Definition Structure)201とDFL(Temporary Defect List)202、で構成される。DDSは、DFLの配置情報や、ISA0、OSA0の容量といったディスクの管理情報が含まれている。また、DFLは主にディスク上の欠陥箇所に対する交替箇所を管理するリストとして使用されている。
【0024】
ここでDFLについて更に説明を加える。BD−RE SLのDFLは、203で示した1st position of DFLから204で示した7th position of DFLで構成されており、そのうち実際に有効なのは1つのpositionのみである。記録開始の最初は203から使用を開始し、何度も上書きをするうちに当該ブロックに対する記録がうまく出来なくなりベリファイでNGになったときに、有効なpositionが2nd position of DFLに移る。従って7th position of DFLまで使い切った時はそれ以上DFL登録が出来なくなり、交替記録を伴う記録は不可となる。しかし、7th position of DFLまで使い切らなくてもDFL登録が出来なくなり、交替記録を伴う記録が不可となる場合が存在する。以下、その場合を説明する。1つのpositionは、図中に示すように4つクラスタで構成されており、1〜4つのクラスタを用いてDFLを登録が行われる。
【0025】
DFLはDefect List HeaderとDefect List Terminatorに挟まれる形で格納されており、DFL登録を行う書式は、Status1領域205と交替元アドレス206を表すDefective Cluster first PSN、Status2領域207と交替先アドレス208を表すReplacement Cluster first PSNで構成されている。Status1とStatus2の両方でDFLエントリの種別を表す。BD−RE においては、最初の媒体の初期化処理時に、全ての交替領域をSPR(Spare)エントリ(with Status2=0000b)として確保し、当該交替領域は交替領域として使用可能であることを示す。例えば、記録中に1クラスタ単位での交替処理が行われた場合、Status1及びStatus2の値は0000b(2進数表記)となりRADを示す。206は欠陥クラスタの先頭ブロックアドレスを示し、208は交替先のクラスタの先頭ブロックアドレスを示す。この205〜208で構成されるDFLリストはソートされ、RAD、SPRでDFLが構成される場合、RAD、SPRの順で並ぶことになる。記録再生装置が次に交替処理を行う場合、このソートされたDFLリストを検索することで、使用可能である有効なSPRエントリ登録されているクラスタを素早く検索可能となる。
【0026】
次にBD−RのTDMAについて説明する。TDMA領域は複数のTDMS(Temporary Disc Management Structure)から構成され、TDMSは1回の更新(記録)単位となる。更にTDMSは、TDFL(Temporary Defect List)209、SRRI(Sequential Recording Range Information)210、TDDS(Temporary Disc Definition Structure)211で構成される。TDFL209は、主にディスク上の欠陥箇所に対する交替箇所を管理するリストとして使用されている。TDFL209の構成はBD−REのDFLの構成と同じく205〜208で構成されるDFLリストで構成されている。SRRI210は、主にSRR(Sequential Recording Range)と呼ばれる、CDのTrackに相当する記録領域についての管理情報が含まれている。また、TDDS211は、TDFLの配置情報や、ISA0、OSA0の容量といったディスクの管理情報が含まれており、ISA0、OSA0におけるNAPは、P_ISA0(Next Available PSN of ISA0)、P_OAS0(Next Available PSN of OSA0)となっており、このような情報も含まれる。
【0027】
次にBD-RE/R の交替領域の使用方法について図3を用いて説明する。
まずは、BD−REにおける交替領域の使用方法について図3の301、302を用いて説明する。
【0028】
301はISA0,OSA0の交替領域を確保するように初期化処理されたディスクにおいて、ユーザーデータ領域308への記録中に交替処理が行われた図である。図2で説明した通り、ディスクはリードイン領域304、データゾーン領域305、リードアウト領域306から構成されており、データゾーン領域305のディスク内周側にはISA0(304)、ディスク外周側にはOSA0(309)が確保されている。この領域はデータ記録中に見つかった欠陥の交替領域として使用される。301は、図3の矢印310の向きでユーザーデータ領域308に対して記録が行われた際に発見された欠陥クラスタがa、b、c、dでありそれぞれ、交替領域307のISA0に、A、B、C、DとしてRADエントリで交替処理が行われた例を示している。この時どのようにDFLが変化するかを302を用いて説明する。302の上図は初期化処理直後のDFLを示したものである。図2で説明したように、BD−REにおいては最初の初期化処理時、全ての交替領域はSPエントリ登録されるため、ISA0の先頭ブロックアドレスであるAから順にB、C、D、E、…と使用可能なクラスタとしてSPRエントリ登録されている。a、b、c、dの交替先のクラスタとして夫々、A、B、C、Dが使用された場合、DFLは302の下図のようになる。Status1がRADエントリに変更され、次に使用すべきISA0内のクラスタはEに変わったことがわかる。
【0029】
次に、BD−Rにおける交替領域の使用方法について図3の301、303を用いて説明する。想定する交替処理の状態についてはBD−REと同様に301の状態を想定する。BD−REとの違いを303を用いて説明する。BD−RはBD−REと異なり、初期化処理時にSPRエントリは登録されず、NAPで次に使用すべき交替領域を管理している。このアドレスは、交替領域毎にそれぞれ存在し、301の事例であればISA0用のNAPとOSA0用のNAPの2つが存在し、交替領域の数によってこの数は増えていく。初期化処理直後でまだ交替領域が未使用の状態において、交替領域ISA0内の次に使用可能な先頭ブロックアドレスはクラスタAの先頭ブロックアドレス311を示しており、a、b、c、d全ての交替処理が終了した時点でクラスタEの先頭ブロックアドレス312を示す。これにより次に使用すべきISA0内のクラスタがEであることがわかる。このように、BD−REとBD−Rでは次に使用すべき交替領域内のアドレス管理方法が異なることがわかる。
【0030】
ここで、BD−Rで採用されているNAPによる交替領域内のアドレス管理方法をBD−REに適応した場合を考え、その際の交替データ領域の使用方法に関する問題点を図4を用いて説明する。図4はBD−REにおける初期化処理における交替領域のDFLエントリの変化について説明した図である。初期化処理とは物理フォーマット処理や、媒体の状態をチェックしてそのチェック結果に基づき媒体の欠陥情報を更新するサーティフィケーション処理の両方を含む処理である。また、図4はBD−RE SLのディスクを示しており、各領域の定義はこれまで説明した通りである。401〜403は交替領域内におけるクラスタの状態を示した凡例であり、401は使用可能であることを示すUsable Cluster Type1 Type1(例えば、SPRエントリ with Status2=0000b)、402は交替処理において、実際に交替データが記録されていることを示すReplacement Cluster(例えばRADエントリ with Status2=0000b)、403は欠陥クラスタの為、使用出来ない可能性が高いことを示すUnusable Cluster、404は過去に欠陥クラスタであった可能性が高いので使用するのであれば記録後にチェックすべきことを示すUsable Cluster Type2(例えば、SPRエントリ with Status2=0100b)である。
【0031】
まず、全くの未記録のBD−RE媒体に対して、初期化処理を行った直後のISA0の状態を示したのが405である。全てUsable Cluster Type1で構成されており、全てのクラスタを使用出来る可能性が高いことを示している。
ここで、BD−REとBD−Rにおける初期化処理について大きな違いを述べておく。BD−Rは追記型の媒体であるため、1つの媒体に対しては初期化処理は1度しか行われない。従って、交替領域内におけるNAPは現在示している値より戻ることは有り得ない。しかし、BD−REは書き換え可能型の媒体であるため、媒体の再利用つまり再初期化処理が可能である。またBD−REの初期化処理の行い方はDFLエントリの変換方法別に複数あり、特にそのDFLの変換方法については色々な組み合わせが想定できる。従って、例として4つの事例を想定する。406の状態は、交替処理や初期化処理が行われた後の状態であり、407で構成されるようなDFLエントリを持つクラスタである。この事例ではReplacement ClusterとUnusable Clusterで構成されており、これらのDFLエントリ状態の交替領域を持つ媒体に対して初期化処理を行うことを考える。408の例はReplacement Cluster、Unusable Clusterといった状態に関わらず全てのクラスタをUsable Cluster Type1に変換する例である。この場合、次に記録すべき交替領域内のクラスタは412となる。
【0032】
409の例は、交替領域のFull Certificationの結果、交替領域内のクラスタ全てがUnusable Cluster扱いとなった場合である。この場合の次に記録可能な可能性が高い交替領域内のクラスタはISA0中には存在しないため、ISA0が全て使用済みであることを示すISA0フルフラグを立てて使用出来ない状況にする。また409の例において、Unusable ClusterがUsable Cluster Type2となった場合でも、上記と全く同じ説明が可能である。
【0033】
410の例は406でUnusable ClusterであったクラスタがUsable Cluster Type2に変換され、その他のReplacement Clusterで示されたクラスタはUsable Cluster Type1へ変換された場合である。この場合の次に記録すべき交替領域内のクラスタは最初にUsable Cluster Type1で登録されている414となる。Usable Cluster Type2で登録されている413を次に記録すべき交替領域としても良いが、過去に欠陥クラスタであったので記録出来ない可能性があるので使用後のチェックが必要である。411の例は406でUnusable Clusterであったクラスタはそのまま残り、その他のReplacement Clusterで示されたクラスタはUsable Cluster Type1へ変換された場合である。この場合の次に記録すべき交替領域内のクラスタは415となる。
【0034】
これらの4つの例はあくまで一例であり、他にも記録再生装置の仕様によっては異なる組み合わせの変換も考えられる。以上のように、406のようなDFLエントリ状態の交替領域を含む媒体の初期化処理を再度行う場合、既存のDFLエントリの変換結果は様々存在する。
【0035】
ここで、BD−REに対してBD−RのNAPによる交替領域管理方法を導入した場合、408〜411の状態においてNAPをどこに設定すべきかを考える。また、交替領域内の使用可能なクラスタを示すNAPを導入するに伴い、従来BD−REで使用していた、「使用可能なクラスタを示すSPR entry with Status2=0000b」は廃止されるものとする。先程説明したように408〜411のような状態において、次に記録すべきクラスタは412〜415のように夫々異なるため、NAPをBD−Rの初期化処理時の仕様である、「交替領域先頭の値を指すように戻す仕様」では不都合が生じる。
【0036】
そのことについて図5を用いて説明する。501〜503内の図における上の図と下の図との関係は初期化処理前後の関係である。上の図が初期化処理前で下の図が初期化処理後である。また図中で使用している塗りつぶしの凡例は図4と同じである。501は初期化処理後、Unusable Clusterで示したクラスタのみが残り、その他のクラスタはUsable Cluster Type1に変換された例である。初期化処理でNAPをBD−Rと同様に初期化つまり504の位置に戻すことを考える。交替処理が進み、NAPが504の位置から進んでUnusable Clusterで登録されたクラスタ先頭に到達し、このUnusable Clusterで登録されたクラスタへの記録が出来なかった場合でも、記録リトライ処理が可能であるならば、NAPを505の位置へ進めることが可能である。または、記録再生装置はUnusable Clusterで登録されたクラスタをDFLを検索することで事前に把握可能なのでUnusable Clusterを避けるように記録することが可能である。図中においてNAPがUnusable Clusterの先頭ブロックアドレスと一致した場合は505の位置へNAPを変更すればよい。従ってNAP以降にUnusable Clusterが存在しても問題はないため、NAPは交替領域内の最初に使用可能なクラスタ先頭を示すようにする。また501の下の図においてUnusable ClusterがUsable Cluster Type2であった場合も上と全く同じ説明となり、NAPは504となる。
【0037】
次に502の状態を考える。502の状態は先頭を含むクラスタからUnusable Clusterで登録されたクラスタが連続する場合である。初期化処理でNAPをBD−Rと同様に初期化、つまり506の位置に戻すことを考える。502の事例ではUnusable Clusterで登録されたクラスタが5クラスタ連続で続いており、例えば記録再生装置における、記録場所を変更しての交替処理領域内の記録リトライ回数の限界が3回であったとし、Unusable Clusterで登録されたクラスタにも記録を試してみるような記録再生装置を考える。
【0038】
502の下の図のUnusable Clusterで登録されたクラスタ全てが記録不可能なクラスタであったとすると、交替領域先頭から見て最初に記録可能となるクラスタ先頭507に到達する前に欠陥クラスタの連続数が記録リトライ回数を超えるため、リトライオーバーとなり記録停止してしまう。これは再初期化処理の際、NAPを506に戻したのが原因である。一方、Unusable Clusterで登録されたクラスタには記録を行わない記録再生装置を考えてみる。NAPが506で示されているため、Unusable Clusterを避けるように記録再生装置内部でNAPを506の位置から507に変更してから記録する必要があり、最初に示したNAPの位置である506のままでは記録が行えない。従って、このように交替領域の先頭クラスタを含む少なくとも1クラスタ以上、Unusable Clusterが続く状態においては、NAPを507の位置で初期化するようにする。こうすることで無駄な記録リトライを行わずに、交替処理を行うことが可能となる。また502の下の図においてUnusable Clusterの一部または全てがUsable Cluster Type2であった場合も上と全く同じ説明となり、NAPは507となる。また、図4における409の例のように交替領域内のクラスタ全てがUnusable ClusterまたはUsable Cluster Type2扱いとなった場合は、記録可能な交替領域内のクラスタはISA0中には存在しないことになるので、NAPは次に記録すべき交替領域内のクラスタの値は無効であることを示す値、例えばFF FF FF FFh等を示す。
【0039】
次に503の状態を考える。503の状態はUnusable Clusterで登録されたクラスタが複数に分かれて配置されている状態である。このような状態の場合も502の例と同様に考えることが可能で、NAPは最初の使用可能クラスタである508の位置で初期化する。また503の下の図においてUnusable Clusterの一部または全てがUsable Cluster Type2であった場合も上と全く同じ説明となり、NAPは508となる。
【0040】
以上のように、初期化処理済みの媒体に対して再度初期化処理を行う際は、初期化処理前のDFLエントリ登録の状態に着目し、Unusable Cluster登録やUsable Cluster Type2登録されているクラスタを示さないようにNAPを決定することで無駄なリトライを行わず交替処理を行うことが可能となる。
【0041】
続けて、図6を用いて交替領域にUnusable ClusterやUsable Cluster Type2を含む媒体に対して、交替処理を含む記録処理を行う際、どのようにしてNAPを更新すべきかを説明する。601は交替領域に全く欠陥クラスタが無い媒体である。交替処理において1ブロック単位で交替データが記録された場合、NAPを604の位置から図中に示した番号のように、1ブロックづつインクリメントして行けば良い(1、2、3、4、5、6、7、8…)。
【0042】
602は交替領域にUnusable Clusterが含まれる場合である。この場合はNAPを605の位置から図中に示した番号順(1、2、3、4…)のように、Unusable Clusterを避けるように更新していけば良い。つまり交替領域内で使用可能なブロックのみを示すようにNAPを更新するということである。なお、602のUnusable Clusterの一部または全てがUsable Cluster Type2であった場合も上と全く同じ説明となる。
【0043】
603は初期化処理前は602で示したようなUnusable ClusterやUsable Cluster Type2が登録されていたが、Unusable ClusterやUsable Cluster Type2をクリアするような初期化方法が選択されて、実際の欠陥ブロックは存在するが、DFLの管理上は交替領域に全く欠陥クラスタが無い媒体(601の媒体と同じ状態)である。この状態で問題となるのは以下の場合である。記録再生装置の交替領域内の記録リトライ回数に上限があり、例えばそれが2回までであったと仮定する。この媒体は欠陥クラスタが無い媒体として扱われているので、NAPが初期化される位置は601の例と同じ606の位置になり、交替処理において1ブロック単位で交替データが記録された場合、NAPは1づつインクリメントされながら更新されていく。607の領域はDFLエントリ上は使用可能な領域となっているが、実際は過去にUnusable ClusterやUsable Cluster Type2であった領域、つまり欠陥領域や欠陥の可能性が高い領域であり記録再生装置はここには実際には記録が出来な可能性が高い。また、欠陥情報が消去された状況では、記録リトライ処理におけるNAPの更新方法は601と同じく、隣のブロックへインクリメントさせていくしかない。
【0044】
607の領域では3ブロック連続で欠陥ブロックが続いているため記録リトライ回数を超えると記録ができず、交替処理失敗で記録停止する可能性が高い。従って、602のような媒体の初期化処理を行う場合、初期化処理前のUnusable ClusterやUsable Cluster Type2が連続する最大ブロック数を記憶しておき、交替領域における記録リトライ回数をその最大ブロック数以上に設定することで、記録リトライ処理で607の領域を超えて8で示した位置への記録が可能となる。また当然、その設定数は記録再生装置によっては上限があり、その上限を超えないように設定することが必要である。
【0045】
以上のように、交替領域にUnusable ClusterやUsable Cluster Type2を含む媒体に対して、記録処理を行う場合、DFLエントリ登録に着目し、Unusable Cluster登録やUsable Cluster Type2登録されているクラスタを示さないようにNAPを更新して行くことで無駄なリトライを行わず交替処理を行うことが可能となる。また、初期化処理前のUnusable ClusterやUsable Cluster Type2で登録されたブロックの最大連続数を把握し、交替領域内の記録リトライ回数を記録再生装置内の所定の限界値を超えない範囲内かつ記録リトライオーバーにならない回数に変更することで、特定ディスクに対しての記録リトライオーバーでの記録停止を抑止することが可能となる。
【0046】
最後に本実施例におけるフローチャートの一例を図7を用いて説明する。
701は媒体の初期化処理時におけるNAP決定方法のフローチャートの一例である。まず、DFLを利用して交替領域内の欠陥ブロック情報を検索(703)する。既に検索済みなら検索の必要は無い。本実施例で言えば、Unusable ClusterやUsable Cluster Type2で登録されたブロックが欠陥ブロックに相当する。検索の結果、交替領域内が全て欠陥ブロックかどうかを判断(704)し、YESと判断された場合は、ブロックアドレスとしては無効な値をNAPとして設定する(706)。本実施例ではFFFFFFFFhに相当する。NOの場合は、交替領域内の欠陥ブロックではない最初の先頭ブロックの先頭ブロックアドレスをNAPとし設定する(705)。
以上のフローにより、媒体の初期化時のNAPの値を決定可能である。
【0047】
702は媒体のデータ記録中の交替処理におけるNAP決定方法のフローチャートの一例である。
ある交替処理にて交替領域にMブロック(Mは自然数)連続で交替データを記録した後、次に使用すべきNAPを決定するフローである。
【0048】
まず、DFLを利用して交替領域内の欠陥ブロック情報を検索する。既に検索済みなら検索の必要は無い(707)。本実施例で言えば、Unusable ClusterやUsable Cluster Type2で登録されたブロックが欠陥ブロックに相当する。検索の結果、交替領域内が全て欠陥ブロックかどうかを判断(708)し、YESと判断された場合は、ブロックアドレスとしては無効な値をNAPとして設定する(711)。本実施例ではFFFFFFFFhに相当する。NOの場合は、現在のNAPにMブロックを加算したブロックが欠陥ブロックでないかどうかを判断する(709)。YESの場合は、NAP+Mブロックを次のNAPとして設定する(710)。NOの場合は、NAP+Mブロック以降に存在する、欠陥ブロックではない、交替領域内の最初の先頭ブロックの先頭ブロックアドレスをNAPとし設定する(712)。
【0049】
以上のフローにより、媒体の交替処理における次有効NAPの値を更新可能である。
【0050】
また、本実施例ではディスクをBD−RE SLを例に説明したが、単層、多層に限らず同一の効果が得られることは言うまでもない。
【0051】
特に多層においては、交替領域の使用方向が単層と多層、または内周と外周、で異なる層が存在するが、特別に考慮すべき事例はなく、本発明は全ての層に適応可能である。また、今回の実施例で説明した光ディスクに限らず、交替処理データ記録用領域、管理情報格納領域、という概念を持つ記録媒体であれば、本発明が適応可能であり、同一の効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
以上、本発明の好適な実施例を図を用いて説明した。本発明によれば、追記型媒体のNAPによる交替領域管理方法が、書き換え型媒体の交替領域管理方法に適応された場合において、媒体の初期化処理時や、交替処理時におけるNAPを交替領域内のDFLエントリ内のUnusable ClusterやUsable Cluster Type2で登録されたブロックを示さないように更新することで、NAPが欠陥ブロックを示さないようにし、記録再生媒体の無駄な記録リトライ処理や無駄な変換処理を行うことなく交替処理が可能となり、課題を解決することができる。
【0053】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0054】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0055】
101…光ディスク、102…ピックアップ、103…データ記録再生手段、104…ホスト、105…マイコン、106…初期化処理手段、107…DFLエントリ検索手段、108…交替処理手段、109…NAP決定手段、
201…DDS、202…DFL、203…1st position of DFL、204…7th position of DFL、205…Status1領域、206…Defective Cluster first PSN、207…Status2領域、208…Replacement Cluster first PSN、209…TDFL、210…SRRI、211…TDDS、
301…BDの交替領域の使用方法について説明するための図、302…BD−REに交替領域の使用方法の説明図、303…BD−Rにおける交替領域の使用方法の説明図、304…リードイン領域、305…データゾーン領域、306…リードアウト領域、307…交替領域、308…ユーザーデータ領域、309…OSA0、310…記録方向、311…クラスタAの先頭ブロックアドレス、312…クラスタEの先頭ブロックアドレス、
401…Usable Cluster Type1、402…Replacement Cluster、403…Unusable Cluster、404…Usable Cluster Type2、405…初期化処理を行った直後のISA0の状態、406…交替処理や初期化処理が行われた後の状態、407…クラスタ状態の構成例、408…初期化処理後の状態その1、409…初期化処理後の状態その2、410…初期化処理後の状態その3、411…初期化処理後の状態その4、412〜415…次に記録すべき交替領域内のクラスタ、501…初期化処理前後でのDELエントリ状態の変化その1、502…初期化処理前後でのDELエントリ状態の変化その2、503…初期化処理前後でのDELエントリ状態の変化その3、504〜509…各状態におけるNAP位置
601…交替領域に全く欠陥クラスタが無い場合、602…交替領域にUnusable Clusterエントリが含まれる場合、603…初期化処理前には、Unusable Clusterエントリが存在したが、処理後は消えた場合、604〜606…NAPの位置、
701…媒体の初期化処理時におけるNAP決定方法のフローチャートの一例、702…媒体のデータ記録中の交替処理におけるNAP決定方法のフローチャートの一例、703〜712…フローチャート内の各種処理、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーデータ領域と交替領域と少なくとも交替領域使用時に更新する管理情報格納領域を持つ書き換え可能な媒体を用いて、所定の記録ブロック単位で交替処理を行いながら記録再生を行う記録再生装置であって、
該媒体の物理的な初期化を行う初期化処理手段、該交替領域を用いて交替処理を行う交替処理手段、
該管理情報格納領域に格納されている、ブロック毎の欠陥種別情報を示すDFL(Defect List)エントリ情報を判定・検索可能なDFLエントリ検索手段、該交替領域内における次に使用すべき先頭ブロックアドレスNAP(Next Available PSN)を決定するNAP決定手段、
を具備し、
初期化処理時や交替処理時に該交替領域内のブロックが欠陥ブロックと判断した場合は「使用不可のエントリ」として、また処理前の欠陥ブロックを欠陥ブロッとしない扱いにする場合は「使用後にベリファイすべきエントリ」として、
該DFLに登録可能であるとし、
該媒体の初期化処理時に該交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれる場合、
該NAP決定手段は、「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録された先頭ブロックアドレスを示さないようにNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録再生装置であって、前記NAP決定手段は、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かって最初に使用可能な先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かってMブロック(Mは自然数)連続して「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されている場合、前記NAP決定手段はM+1ブロックの先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項4】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記交替領域内の全てのブロックが「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されている場合、前記NAP決定手段はNAP値として無効値を示すことを特徴とする記録再生装置。
【請求項5】
ユーザーデータ領域と交替領域と少なくとも交替領域使用時に更新する管理情報格納領域を持つ書き換え可能な媒体を用いて、所定の記録ブロック単位で交替処理を行いながら記録再生を行う記録再生装置であって、少なくとも
該媒体の物理的な初期化を行う初期化処理手段、該交替領域を用いて交替処理を行う交替処理手段、
該管理情報格納領域に格納されている、ブロック毎の欠陥種別情報を示すDFLエントリ情報を判定・検索可能なDFLエントリ検索手段、
該交替領域内における次に使用すべき先頭ブロックアドレスNAPを決定するNAP決定手段、
を具備し、
初期化処理時や交替処理時に該交替領域内のブロックが欠陥ブロックと判断した場合は「使用不可のエントリ」として、また処理前の欠陥ブロックを欠陥ブロックとしない扱いにする場合は「使用後にベリファイすべきエントリ」として、
該DFLに登録可能であるとし、
該媒体の初期化処理時に
該媒体の初期化処理前に存在した該交替領域内の「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが初期化処理後はクリアされる場合、
該NAP決定手段は、初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」の先頭ブロックアドレスを示さないようにNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録再生装置であって、前記NAP決定手段は、
初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが存在すると仮定して、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かって最初に使用可能な先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項7】
請求項5に記載の記録再生装置であって、前記NAP決定手段は、
初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが存在すると仮定して、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かってMブロック(Mは自然数)連続して「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されていた場合、前記NAP決定手段はM+1ブロックの先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項8】
請求項5に記載の記録再生装置であって、前記NAP決定手段は、
初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが存在すると仮定して、
前記交替領域内の全てのブロックが「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されていた場合、前記NAP決定手段はNAP値として無効値を示すことを特徴とする記録再生装置。
【請求項9】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれる媒体を使用して交替処理を含む記録処理を行う場合、
前記NAP決定手段は、「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」の先頭ブロックアドレスを示さないように次に使用するNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項10】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれる媒体を使用して交替処理を含む記録処理を行う場合、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かって使用可能な先頭ブロックアドレスのみを示すように次に使用するNAPを決定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項11】
請求項5に記載の記録再生装置であって、
前記媒体の初期化処理時に
前記媒体の初期化処理前に存在した前記交替領域内の「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが初期化処理後はクリアされるとして、
前記交替領域内において使用方向に向かってMブロック(Mは自然数)連続して「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されている場合、
前記交替処理手段は、前記交替領域内における記録リトライ回数をM回以上に設定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項12】
ユーザーデータ領域と交替領域と少なくとも交替領域使用時に更新する管理情報格納領域を持つ書き換え可能な媒体を用いて、所定の記録ブロック単位で交替処理を行いながら記録再生を行う記録再生方法であって、少なくとも
該管理情報格納領域には、交替処理におけるブロック毎の欠陥種別情報を示すDFLエントリ情報が格納されており、
該媒体の物理的な初期化処理時や交替処理時に該交替領域内のブロックが欠陥ブロックと判断した場合は「使用不可のエントリ」として、また処理前の欠陥ブロックを欠陥ブロックとしない扱いにする場合は「使用後にベリファイすべきエントリ」として、該DFLに登録可能であるとし、
該交替領域内における次に使用すべき先頭ブロックアドレスをNAPとすると、
初期化処理時に該媒体の該交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれる場合、
「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」の先頭ブロックアドレスを示さないようにNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項13】
請求項12に記載の記録再生方法であって、前記NAP決定方法は、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かって最初に使用可能な先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項14】
請求項12に記載の記録再生方法であって、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かってMブロック(Mは自然数)連続して「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されている場合、前記NAP決定方法はM+1ブロックの先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項15】
請求項12に記載の記録再生方法であって、
前記交替領域内の全てのブロックが「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されている場合、前記NAP決定方法はNAP値として無効値を示すことを特徴とする記録再生方法。
【請求項16】
ユーザーデータ領域と交替領域と少なくとも交替領域使用時に更新する管理情報格納領域を持つ書き換え可能な媒体を用いて、所定の記録ブロック単位で交替処理を行いながら記録再生を行う記録再生方法であって、少なくとも
該管理情報格納領域には、ブロック毎の欠陥種別情報を示すDFLエントリ情報が格納されており、
初期化処理時や交替処理時に該交替領域内のブロックが欠陥ブロックと判断した場合は「使用不可のエントリ」として、また処理前の欠陥ブロックを欠陥ブロックとしない扱いにする場合は「使用後にベリファイすべきエントリ」として、
該DFLに登録可能であるとし、
該交替領域内における次に使用すべき先頭ブロックアドレスをNAPとすると、
初期化処理時に該媒体の該交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれない場合、
初期化処理前に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックであったブロックを示さないようにNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項17】
請求項16に記載の記録再生方法であって、前記NAP決定方法は、
初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが存在すると仮定して、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かって最初に使用可能な先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項18】
請求項16に記載の記録再生方法であって、
初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが存在すると仮定して、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かってMブロック(Mは自然数)連続して「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されていた場合、前記NAP決定方法はM+1ブロックの先頭ブロックアドレスを示すようにNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項19】
請求項16に記載の記録再生方法であって、前記NAP決定方法は、
初期化処理前に登録されていた「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが存在すると仮定して、
前記交替領域内の全てのブロックが「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されていた場合、前記NAP決定方法はNAP値として無効値を示すことを特徴とする記録再生方法。
【請求項20】
請求項12に記載の記録再生方法であって、
前記交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれる媒体を使用して交替処理を含む記録処理を行う場合、
前記NAP決定方法は、「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」の先頭ブロックアドレスを示さないように次に使用するNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項21】
請求項12に記載の記録再生方法であって、
前記交替領域内に「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが含まれる媒体を使用して交替処理を含む記録処理を行う場合、
前記交替領域内の先頭ブロックから使用方向に向かって使用可能な先頭ブロックアドレスのみを示すように次に使用するNAPを決定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項22】
請求項16に記載の記録再生方法であって、
前記媒体の初期化処理時に
前記媒体の初期化処理前に存在した前記交替領域内の「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」のブロックが初期化処理後はクリアされるとして、
前記交替領域内において使用方向に向かってMブロック(Mは自然数)連続して「使用不可のエントリ」か「使用後にベリファイすべきエントリ」で登録されている場合、
前記交替処理は、前記交替領域内における記録リトライ回数をM回以上に設定することを特徴とする記録再生方法。
【請求項23】
請求項12の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項24】
請求項13の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項25】
請求項14の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項26】
請求項15の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項27】
請求項16の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項28】
請求項17の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項29】
請求項18の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項30】
請求項19の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項31】
請求項20の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項32】
請求項21の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。
【請求項33】
請求項22の記録方法で記録された媒体をDFLに従って再生することを特徴とする再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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