説明

子局通信システム、通信装置、及び通信制御方法

【課題】 親局通信装置と接続して収容される子局通信システムにおいて、親局通信装置と接続する第1の通信装置と、子局側ネットワークを収容する第2の通信装置との間の通信制御をより柔軟に行うことができる
【解決手段】 本発明は、親局通信装置と接続する第1の通信装置と、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置とを備える子局通信システムに関する。そして、第1の通信装置は、第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う手段を備えることを特徴とする。そして、第 2の通信装置は、第1の通信装置からの拡張通信制御の内容に従って、第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、子局通信システム、通信装置、及び通信制御方法に関し、例えば、MSA(Multi Source Agreement)インタフェースに対応し、モジュール化されたONU(Optical Network Unit)を用いて構築された通信システムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
現在、通信キャリア等が、センタ(親局)と加入者宅(子局)とを接続するアクセスネットワークとして光ファイバを利用した通信システムの利用が普及している。
【0003】
図8は、従来の加入者側光回線終端装置を備える通信システムの構成例について示したブロック図である。
【0004】
図8では、センタ側装置E10が光ファイバFを介して各加入者側光回線終端装置E20と接続され、加入者側光回線終端装置E20とLAN側の端末E30が、LANインタフェース(Ethernet(登録商標)のインタフェース)を介して接続され、双方向にデータの送受信が実現できる。
【0005】
図8のセンタ側装置E10としては、例えば、OLT(Optical LINE Terminal)が該当し、加入者側光回線終端装置E20としては、例えば、ONUが該当する。センタ側装置E10と加入者側光回線終端装置E20との間の光ファイバによる接続は、例えば、E−PON(Ethernet−Passive Optical Network)接続構成が挙げられる。端末E30としては、例えば、コンピュータ、スイッチングハブ、ルータ等のLANインタフェースを備える端末装置が挙げられる。装置設定端末E40は、センタ側装置E10に接続されており、システム管理者等が、センタ側装置E10や加入者側光回線終端装置E20等の光通信ネットワーク上の通信装置に係る保守運用に用いる端末であるものとする。
【0006】
そして、加入者側光回線終端装置E20では、例えば、センタ側装置E10からの制御(例えば、システム管理者からの装置設定端末E40に対する操作に基づく)に応じて、端末E30と接続しているLANインタフェースの接続速度や通信手順(例えば、双方向/片方向通信など)の設定を実施することが可能な構成を備えることで、帯域等の制限を実施することができる。
【0007】
例えば、装置設定端末E40から、センタ側装置E10に、加入者側光回線終端装置E20に対するLANインタフェースの設定情報(加入者データ)が登録される。そして、センタ側装置E10は光ファイバFを介して加入者側光回線終端装置E20に、その設定情報を伝送する。そして、加入者側光回線終端装置E20内で、光/電気変換部E21によって光信号から電気信号に変換される。そして、加入者側光回線終端装置機能部E22によって、保守運用のためのネットワークレイヤ(たとえばOAM:Operation Administration and Maintenance)を用いたデータ処理機能を利用して、処理したデータ内からLANインタフェースの設定情報が取り出される。そして、加入者側光回線終端装置E20では、取り出した設定情報から、PHY機能部E23(LANインタフェースの機能を担っている物理層LSI)の接続速度、双方向/片方向通信などの設定を実施することができる。
【0008】
加入者側光回線終端装置E20に接続される、LAN側の端末E30との接続は、例えば、10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−TなどのLANインタフェースが多く用いられ、一般的なイーサネット(登録商標)用のPHY−LSI(物理層LSI)の機能によって、接続速度、双方向通信が相互に設定(ネゴシエーション)される仕組みを持ち、設定される。以上のような動作によって、センタ側(センタ側装置E10の装置設定端末E40)から、加入者側光回線終端装置E20と、端末E30とのLANインタフェースの接続速度、双方向/片方向通信などの設定を実施することができる。
【0009】
ところで、既存の加入者側光回線終端装置では、LANインタフェースを介さずに直接情報端末装置(コンピュータ、スイッチングハブ、ルータ等)と、接続できるモジュール型構成とする場合がある。このモジュール型構成とは、例えば、MSAインタフェースの規格に対応したものが挙げられる。MSAインタフェースのスロットを搭載したスイッチ等が、そのスロットに、同じMSAインタフェースに対応した加入者側光回線終端装置を収容することが可能である。また、MSAインタフェースの具体例としては、例えば、GBIC(GigaBit ethernet Interface Connector)やSFP(Small Form factor Pluggable)に対応したインタフェースが挙げられる。
【0010】
加入者側光回線終端装置を情報端末装置に設けられたMSAスロットに収容する場合、加入者側光回線終端装置と情報端末装置とが一体化することができ、装置数の低減や、装置の小型化、省スペース化等を実現することができる。
【0011】
図9は、従来の加入者側光回線終端装置を備える通信システムにおいて、MSAインタフェースを用いて加入者側光回線終端装置と情報端末装置との間を接続した場合の構成例について示したブロック図である。
【0012】
図9では、図8の加入者側光回線終端装置E20が、加入者側光回線終端装置E20Aに置き換えられている。また、加入者側光回線終端装置E20Aは、MSAインタフェースに対応したモジュール構造となっており、MSAインタフェースに対応するスロットを備える装置(コンピュータ、スイッチングハブ、ルータ等)である情報端末装置E50に収容されているものとする。そして、図9では、情報端末装置E50が備えるLANインタフェース(PHY機能部E53)により、端末E30を含む加入者側のネットワークを収容している。
【0013】
加入者側光回線終端装置E20Aと情報端末装置E50との間は、MSAに準拠したプラグにより接続されている。当該プラグは、シリアルインタフェースに対応したプラグであるため、加入者側光回線終端装置E20Aは、当該プラグを介して、情報端末装置E50とデータを送受信するためのパラレル/シリアル変換部E24を備えている。情報端末装置E50側でも同様に、当該プラグを介して加入者側光回線終端装置E20Aとデータを送受信するためのパラレル/シリアル変換部E51を備えている。
【0014】
加入者側光回線終端装置をMSAインタフェースに対応したモジュールとして構築する場合の従来技術として、具体的には特許文献1〜3の記載技術がある。
【0015】
特許文献1、2の記載技術では、MSAインタフェースに対応したモジュール型のONUと、そのONUを搭載するLAN機器(スイッチ)について記載されている。そして、特許文献1では、ONUからMSAインタフェースを介して、LAN機器のインタフェースの設定を制御することについて記載されている。また、特許文献2の記載技術では、ONUからMSAインタフェースを介して、LAN機器から管理情報(障害情報等)を読み込むことについて記載されている。
【0016】
特許文献3では、MSAインタフェースに対応したモジュール型のONUと、そのONUを搭載する筐体について記載されている。そして、特許文献3では、加入者側の装置を小型化すること等を目的として、モジュール型のONUの動作状態等を示すLEDランプを、当該ONU自体に設けずに筐体側に設けている。そして、モジュール型のONUから、当該ONUの動作状態等を示す信号を、MSAインタフェースを介して筐体に供給し、筐体側に設けられたLEDランプを点灯させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2009−206899号公報
【特許文献2】特開2010−154404号公報
【特許文献3】特許第4413994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図9に示すように、モジュール型である加入者側光回線終端装置E20Aを用いた場合、加入者側のLANインタフェースの制御は、加入者側光回線終端装置E20A内ではなく、情報端末装置E50のPHY機能部E53となる。また、加入者側光回線終端装置E20Aと情報端末装置E50との間は、MSAに準拠したシリアルインタフェースで接続されているため、加入者側光回線終端装置E20Aから情報端末装置E50のPHY機能部E53を制御する手段がない。そのため、モジュール型である加入者側光回線終端装置E20Aを用いた場合、上述の図8の例と同様に、センタ側センタ側装置E10から、OAM等により、加入者側光回線終端装置E20Aに対して、LANインタフェース(情報端末装置E50のPHY機能部E53)に対する設定情報を送信しても、加入者側光回線終端装置E20AでLANインタフェースを制御する手段がないことになる。
【0019】
また、MSAに準拠したシリアルインタフェースでは、通常は速度設定、双方向/片方向通信の設定値が固定値となっており、固定値での通信しか実施できない。また、仮に、加入者側光回線終端装置E20A側だけでシリアルインタフェースによるデータ伝送速度を、所定の固定値から変更したとしても、情報端末装置E50側に設定情報等を伝達し、データ伝送のタイミングを同期させる手段がないため、データ伝送速度を動的に変更することはできない。
【0020】
以上のことから、従来、加入者側光回線終端装置をMSAに準拠したモジュール構成とした場合には、シリアルインタフェースのデータ伝送速度を所定の固定値以外を設定する必要があった場合に、対向する情報端末装置との間で速度不整合が起こり、速度不整合によって透過不能な帯域のユーザが使用するデータが廃棄され、データが喪失する可能性が生じ、ユーザ側に不利益が生ずる可能性があった。
【0021】
また、特許文献1〜3の記載技術を、上述の図9に示す通信システムに適用したとしても、モジュール型の加入者側光回線終端装置と情報端末装置との間のインタフェースの状態設定等、柔軟な通信制御を行うことができない。
【0022】
そのため、親局通信装置(例えば、OLT等のセンタ側装置)と接続して収容される子局通信システムが、親局通信装置と接続する第1の通信装置(例えば、上述の加入者側光回線終端装置)と、子局側ネットワークを収容する第2の通信装置(例えば、上述の情報端末装置)とを備える場合に、第1の通信装置と第2の通信装置との間の通信制御を、より柔軟に行うことができる子局通信システム、通信装置、及び通信制御方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
第1の本発明は、親局通信装置と接続する第1の通信装置と、上記子局通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置とを備える子局通信システムにおいて、(1)上記第1の通信装置は、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、上記第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う拡張通信制御手段を備え、(2)上記第2の通信装置は、上記第1の通信装置からの、上記信号線を用いた拡張通信制御の内容に従って、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する被拡張通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
第2の本発明は、親局通信装置と接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続している第1の通信装置において、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、上記第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う拡張通信制御手段を備えることを特徴とする。
【0025】
第3の本発明は、親局通信装置と接続する第1の通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置において、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、当該第2の通信装置に対して、少なくとも上記第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御が、上記第1の通信装置から行われた場合に、その拡張通信制御の内容に従って、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する被拡張通信制御手段を備えることを特徴とする。
【0026】
第4の本発明は、親局通信装置と接続する第1の通信装置と、上記子局通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置とを備える子局通信システムの通信制御方法において、(1)上記第1の通信装置が、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、上記第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う拡張通信制御工程と、(2)上記第2の通信装置が、上記第1の通信装置からの、上記信号線を用いた拡張通信制御の内容に従って、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する被拡張通信制御工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、親局通信装置と接続して収容される子局通信システムが、親局通信装置と接続する第1の通信装置と、子局側ネットワークを収容する第2の通信装置とを備える場合に、第1の通信装置と第2の通信装置との間の通信制御を、より柔軟に行うことができる
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態に係る加入者側通信システム(子局通信システム)を備える通信システムに係る全体構成を示したブロック図である。
【図2】実施形態に係る加入者側光回線終端装置と情報端末装置との間の拡張通信制御に用いられる各信号の例について示したタイミングチャートである。
【図3】実施形態に係る加入者側光回線終端装置と情報端末装置との間の拡張通信制御の動作について示したシーケンス図である。
【図4】実施形態に係る加入者側光回線終端装置が拡張通信制御に対応しない情報端末装置と接続した場合の動作について示したシーケンス図である。
【図5】実施形態に係る加入者側光回線終端装置が拡張通信制御に対応しない情報端末装置と接続した場合の動作について示したタイミングチャートである。
【図6】実施形態に係る情報端末装置が拡張通信制御に対応しない加入者側光回線終端装置と接続した場合の動作について示したシーケンス図である。
【図7】実施形態に係る情報端末装置が拡張通信制御に対応しない加入者側光回線終端装置と接続した場合の動作について示したタイミングチャートである。
【図8】従来の通信システムの全体構成について示したブロック図である。
【図9】従来のモジュール化した加入者側光回線終端装置を採用した光通信ネットワームシステムの全体構成について示したブロック図である。
【図10】実施形態に係るMSAインタフェースを構成する各信号線の利用について示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による子局通信システム、通信装置、及び通信制御方法の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、この実施形態の子局通信システム、第1の通信装置、及び第2の通信装置は、加入者側通信システム、加入者側光回線終端装置、及び、情報端末装置である。
【0030】
(A−1)実施形態の構成
図1は、この実施形態の通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0031】
通信システム1には、センタ側装置10、加入者側通信システム2、端末30、及び装置設定端末40が配置されている。また、図1に示すように、加入者側通信システム2は、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50を有している。
【0032】
例えば、通信システム1が、通信事業者のアクセスネットワーク(加入者設備を接続させるためのネットワーク)として構築されている場合には、センタ側装置10としては通信事業者のセンタ(親局側)に配置されるOLTが該当し、加入者側通信システム2としては、加入者側(子局側)に配置されるONUを含む通信システムが該当する。言い換えると、センタ側装置10は、センタ側(親局側)に配置された通信装置であり、光ファイバFを介して、1又は複数の加入者側(子局側)の加入者側通信システム2(加入者側光回線終端装置20及び、その配下の通信装置)を収容している。センタ側装置10が収容する加入者側通信システム2の数は限定されないものであるが、図1においては説明を簡易にするため、1つの加入者側通信システム2だけを図示している。
【0033】
センタ側装置10としては、上述の通り、既存のOLT等を適用することができる。
【0034】
加入者側光回線終端装置20は、情報端末装置50を介して、加入者側のネットワーク(LAN)を構成する端末30と接続している。すなわち、通信システム1では、センタ側装置10、加入者側光回線終端装置20、及び情報端末装置50により、図示しない上位側ネットワークと加入者側のネットワーク(端末30を含むLAN)とを接続している。
【0035】
図1においては、説明を簡易にするために、センタ側装置10は、1台の加入者側光回線終端装置20を収容する構成について示しているが、複数収容する構成としても良いことは当然である。
【0036】
センタ側装置10と加入者側光回線終端装置20との間の接続構成は限定されないものであるが、例えば、E−PON等のPON型のネットワーク構成としても良いし、その他の形式のネットワーク構成(例えば、スター型でSONET(Synchronous Optical Network)による接続)としても良い。
【0037】
ここでは、加入者側光回線終端装置20は、MSAインタフェースに対応したモジュールとして構築されており、情報端末装置50に搭載されるものとする。
【0038】
図1においては、図示を省略しているが、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50には、それぞれMSAインタフェースが備えられている。そして、図1において、プラグ接合部60は、加入者側光回線終端装置20側のMSAインタフェース(プラグ)と、情報端末装置50側のMSAインタフェース(プラグ)との接続点を表わしている。
【0039】
情報端末装置50は、MSAインタフェースに対応したモジュールを搭載するためのスロット(図示せず)を備えており、当該スロットに上述の通り加入者側光回線終端装置20を搭載している。また、情報端末装置50は、LANインタフェース(図示せず)を備えており、加入者側(子局側)の端末30と接続している。言い換えると、情報端末装置50は、加入者側(子局側)のネットワーク(LAN)を収容している。
【0040】
図1においては、図示を省略しているが、情報端末装置50及び端末30には、それぞれLANインタフェースが備えられている。そして、図1において、LAN接続部70は、情報端末装置50と端末30との間の接続点を表わしている。なお、実際には、情報端末装置50と端末30との間は、例えば、LANケーブルやスイッチ等を介して接続されており、LAN接続部70としては、上述のような接続するための構成要素が該当する。
【0041】
端末30は、上述の通り、情報端末装置50が収容する加入者側のネットワーク(LAN)に属する端末である。端末30としては、例えば、LANインタフェースをそなえるコンピュータ、ルータ、スイッチ等の通信装置が該当する。ここでは、説明を簡易にするために、加入者側のネットワークには、端末30のみが配置されているものとして説明するが、加入者側のネットワークに配置される通信装置の種類や数、及びネットワーク構成については限定されないものである。
【0042】
装置設定端末40は、センタ側装置10に接続可能な端末であり、例えば、システム管理者等が、センタ側装置10を介して、加入者側通信システム2に関する状態設定を変更すること等に用いられるものである。装置設定端末40としては、例えば、既存のOLT等に接続することができる保守用端末等を適用することができる。
【0043】
ここでは、例として、装置設定端末40により、センタ側装置10上の加入者側通信システム2に対する状態設定(例えば、インタフェースの接続速度、双方向/片方向通信等)を示す加入者データの登録内容が変更された場合には、センタ側装置10は、変更された加入者データの内容に適合するように状態設定の変更を促す命令を、OAM等のプロトコルにより加入者側光回線終端装置20に通知するものとする。当該通知を受けた、加入者側光回線終端装置20は、その通知内容に従って状態設定の変更を行う処理を開始するが、この場合の具体的動作については後述する。
【0044】
ここでは、上述の通り、装置設定端末40からセンタ側装置10に対する加入者データの登録内容が変更され、センタ側装置10から加入者側通信システム2(加入者側光回線終端装置20)に対して、状態設定の変更命令が通知されたことを契機に、加入者側光回線終端装置20においてその状態設定の変更を行う処理を開始するものとして説明する。しかし、加入者側光回線終端装置20が状態設定の変更を行う処理を開始する契機は、これに限定されないものである。例えば、加入者側光回線終端装置20が、センタ側装置10からの命令によらず(例えば、システム管理者等が加入者側光回線終端装置20を直接操作した場合等)、同様の状態設定を開始するようにしても良い。
【0045】
次に、加入者側光回線終端装置20の内部構成の概要について説明する。
【0046】
加入者側光回線終端装置20は、光/電気変換部21、加入者側光回線終端装置機能部22、及びパラレル/シリアル変換部23を有している。
【0047】
光/電気変換部21は、加入者側光回線終端装置20において、光信号と電気信号を相互に変換する機能を担っている。光/電気変換部21は、センタ側装置10から光ファイバFを介して供給された光信号を電気信号に変換する処理、及び、加入者側光回線終端装置機能部22から供給された電気信号を、光信号に変換し、光ファイバFを介してセンタ側装置10へ送出する処理を行う。
【0048】
なお、光/電気変換部21としては、既存のONU等で用いられるものと同様のものを適用することができる。
【0049】
加入者側光回線終端装置機能部22は、加入者側光回線終端装置20における通信処理(例えば、フレーム転送等)や、通信制御(例えば、センタ側装置10からの制御に基づく通信制御等)等、当該装置全体を制御する機能を担っている。加入者側光回線終端装置機能部22について、後述する情報端末装置50との拡張通信制御に係る処理以外については、例えば、既存のMSAインタフェースに対応しモジュール化されたONU等における制御部と同様のものを適用することができる。
【0050】
パラレル/シリアル変換部23は、加入者側光回線終端装置20内の電気信号(パラレル信号)と、シリアルインタフェース(MSAインタフェース)で用いられる電気信号(シリアル電気信号)とを相互に変換する機能を担っている。
【0051】
パラレル/シリアル変換部23は、図示しないMSAインタフェース(シリアルインタフェース)と接続しており、そのMSAインタフェースを介して、情報端末装置50との間のデータ伝送を行う。パラレル/シリアル変換部23は、加入者側光回線終端装置機能部22から供給された電気信号(パラレル信号)を、MSAインタフェース(シリアルインタフェース)で伝送可能な電気信号(シリアル信号)に変換し、図示しないMSAインタフェースを介して、情報端末装置50に送出する。また、パラレル/シリアル変換部23は、図示しないMSAインタフェースを介して、情報端末装置50から供給された電気信号(シリアル電気信号)を、パラレル信号に変換して、加入者側光回線終端装置機能部22に供給する。なお、パラレル/シリアル変換部23による、MSAインタフェースの仕様に従った処理については、例えば、既存のMSAインタフェースに対応したONU等と同様のものを適用することができる。
【0052】
次に、情報端末装置50の内部構成の概要について説明する。
【0053】
上述の通り、情報端末装置50は、図示しないMSAインタフェースに対応したスロットを備えて加入者側光回線終端装置20を収容し、さらに、端末30を含む加入者側のネットワーク(LAN)を収容している通信装置である。具体的には、情報端末装置50としては、MSAインタフェースに対応したスロット、及び、LANインタフェースを備えるスイッチやルータが該当する。
【0054】
情報端末装置50は、パラレル/シリアル変換部51、情報端末装置機能部52、及びPHY機能部53を有している。
【0055】
パラレル/シリアル変換部51は、情報端末装置50内の電気信号(パラレル信号)と、MSAインタフェース(シリアルインタフェース)で用いられる電気信号(シリアル電気信号)とを相互に変換する機能を担っている。パラレル/シリアル変換部51は、情報端末装置機能部52から供給された電気信号(パラレル信号)を、MSAインタフェース(シリアルインタフェース)で伝送可能な電気信号(シリアル信号)に変換し、図示しないMSAインタフェースを介して、加入者側光回線終端装置20に送出する。また、パラレル/シリアル変換部51は、図示しないMSAインタフェースを介して、加入者側光回線終端装置20から供給された電気信号(シリアル電気信号)を、パラレル信号に変換して、情報端末装置機能部52に供給する。なお、パラレル/シリアル変換部51による、MSAインタフェースの仕様に従った処理については、例えば、既存のMSAインタフェースに対応したスロットと同様のものを適用することができる。
【0056】
情報端末装置機能部52は、情報端末装置50における通信処理(例えば、フレーム転送等)等、当該装置全体を制御する機能を担っている。情報端末装置機能部52としては、後述する加入者側光回線終端装置20との拡張通信制御に係る処理以外については、既存のMSAインタフェースに対応したスロットで、モジュール化したONUを収容するスイッチ等における制御部と同様のものを適用することができる。
【0057】
PHY機能部53は、図示しないLANインタフェースに接続しており、情報端末装置50が収容するLAN内の他の通信装置(例えば、端末30)と通信するための物理層の通信制御機能を担っている。なお、PHY機能部53としては、例えば、既存のLANインタフェースの物理層の通信制御に用いられるLSI等を適用することができる。
【0058】
次に、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間で行われる通信制御に係る詳細構成について説明する。
【0059】
加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間は、MSAインタフェースを用いて接続されているため、従来技術では、センタ側(センタ側装置10)から、加入者側光回線終端装置20を経て、情報端末装置50のMSAインタフェースに対する接続速度、双方向/片方向通信等の状態設定することができなかった。以下、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50における上述の課題を解決するための具体的な構成について説明する。
【0060】
MSAインタフェースでは、シリアルデータを伝送するための信号線を複数備え、それらの信号線を用いて、データ伝送が行われる。ここでは、MSAインタフェースで備えている信号線のうち、未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、加入者側光回線終端装置20の加入者側光回線終端装置機能部22と、情報端末装置50の情報端末装置機能部52との間で、MSAインタフェースに係る通信制御機能を実現するための通信を行うものとする。以下では、上述のようなMSAインタフェースで未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、介した通信制御(すなわち、仕様上で規定された通信制御を拡張した制御)を、「拡張通信制御」と呼ぶものとする。
【0061】
ここでは、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間のMSAインタフェースでは、拡張通信制御を実現するために、例として、未使用又は使用しなくても良い信号線の中から、以下の3つの信号線が用いられるものとする。
【0062】
第1の信号線(以下、「信号線L1」という)は、情報端末装置50側から加入者側光回線終端装置20へ供給されるクロック信号(以下、「クロック信号S1」という)を伝送するために用いられるものとする。また、クロック信号S1は、加入者側光回線終端装置20から情報端末装置50側からへ供給することにしてもよい。
【0063】
第2の信号線(以下、「信号線L2」という)は、情報端末装置50の情報端末装置機能部52から加入者側光回線終端装置20の加入者側光回線終端装置機能部22へ供給される、拡張通信制御用の信号(以下、「モード信号S2」という)に用いられるものとする。モード信号S2は、情報端末装置50側から加入者側光回線終端装置20へ、自装置(情報端末装置50)に対する、拡張通信制御を行うことが可能である旨を通知することに用いられるものとする。モード信号S2は、独自のフォーマットのシリアルパタンやレベル等の単純な信号とすることも可能であるが、IC(Inter−Integrated Circuit)、SPI(Serial Peripheral Interface)、または情報端末装置機能部52との接続ではなく、直接制御するPHY機能部53との接続であれば、MDIO(Management Data Input/Output)なども考慮される、一般的なシリアルインタフェースを用いることも可能である。
【0064】
第3の信号線(以下、「信号線L3」という)は、加入者側光回線終端装置20の加入者側光回線終端装置機能部22から、情報端末装置50の情報端末装置機能部52へ供給される、拡張通信制御の内容を供給する信号(以下、「状態設定信号S3」という)に用いられるものとする。状態設定信号S3についてもICや、SPIでのインタフェースが可能である。ここでは、加入者側光回線終端装置機能部22は情報端末装置機能部52を介して、パラレル/シリアル変換部51及びPHY機能部53に対する制御を行うものとして説明するが、加入者側光回線終端装置機能部22が直接パラレル/シリアル変換部51及びPHY機能部53と通信して制御するようにしても良い。
【0065】
次に、MSAインタフェースにおいて、上述の信号線L1〜L3を設定する場合の具体例について図10を用いて説明する。
【0066】
図10に示すように、MSAインタフェースにおいては、PinNo(ピン番号)1〜20の信号線が規定さている。そして、そのうち、未使用又は使用しなくても良い信号線として、ピン番号1の信号線(RX_LOS)、ピン番号7の信号線(TX_Disable)、ピン番号10の信号線(TX_FAULT)の3つが挙げられる。
【0067】
ピン番号1の信号線(RX_LOS)は、光受信がLoss Of Signalであることを示す信号に用いる信号線である。図1に示す構成では、情報端末装置50にとって、光通信できる状態かどうかは考慮しなくても良いため、ピン番号1の信号線(RX_LOS)を使用しなくても動作に影響しない。
【0068】
ピン番号7の信号線(TX_Disable)は、送信する光信号を停止するための信号に用いる信号線である。図1に示す構成では、加入者側光回線終端装置20は、情報端末装置50からのTX_DISABLE信号を使用して出力停止する必要がない場合、使用なくても動作に影響しない信号線である(TX_DISABLEについてはは、情報端末装置50からの信号をもらわなくても、の加入者側光回線終端装置20が判断して停止させることが可能なため)。
【0069】
ピン番号10の信号線(TX_FAULT)は、送信する光信号に誤りがあることを示す信号に用いる信号線である。図1に示す構成では、送信した信号が誤ったことを、情報端末装置50が知っても意味を成さないため、ピン番号10の信号線(TX_FAULT)の信号線は、使用しなくても動作に影響しない。
【0070】
なお、ここでは、例として、信号線L1に対してピン番号1の信号線、信号線L2に対してピン番号7の信号線、信号線L3に対してピン番号10の信号線をそれぞれ割り当てるものとする。
【0071】
図2は、クロック信号S1、モード信号S2、及び状態設定信号S3の遷移の例について示したタイミングチャートである。
【0072】
通常、シリアルインタフェースでは、データ信号を送信する信号線と、そのデータ信号を送信する際に同期させるクロック信号を送信するための信号線と対で使用される。ここでは、モード信号S2とクロック信号S1と対応しており、モード信号S2により送信されるデータ信号は、クロック信号S1に同期しているものとする。すなわち、クロック信号S1は情報端末装置機能部52から出力し、モード信号S2のデータパタンに対応できるクロック信号となっている。なお、データ信号を送信する信号線とは別に、クロック信号を送信するための信号線を設けなくても良いシリアルインタフェースが採用される場合(例えば、データ信号とクロック信号を重積して送信する場合)には、クロック信号S1に対して専用の信号線を割り当てる必要はない。
【0073】
また、クロック信号S1は、加入者側光回線終端装置22から出力することとしても良い。その場合のタイミングチャートは、図2と同様となる。
【0074】
そして、ここでは、状態設定信号S3についても、クロック信号S1と対応しており、加入者側光回線終端装置20では、状態設定信号S3のデータ信号を、クロック信号S1に同期させたタイミングで送信するものとする。すなわち、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50では、1本のクロック信号S1が、モード信号S2と状態設定信号S3の2つの信号(シリアルインタフェース)で使用することにより、クロック信号用の端子を節約している。なお、さらに信号線を一本確保して、状態設定信号S3専用のクロック信号に用いるようにしても良いことは当然である。
【0075】
すなわち、加入者側光回線終端装置20は、情報端末装置50が送信したモード信号S2とクロック信号S1とをペアで受信する。そして、情報端末装置50は、受信した状態設定信号S3と、情報端末装置が加入者側光回線終端装置20へ送信しているクロック信号S1とをペアとして利用し、受信する。また、クロック信号S1の入出力の方向によっては、受信と送信が反対になっても同様の動作(対応する動作)となる。
【0076】
上述のように拡張通信制御に対応することにより、加入者側光回線終端装置20では、情報端末装置50の情報端末装置機能部52からのモード信号S2を用いて、情報端末装置50へ状態設定するための信号を送るかどうかの判定を実施し、状態設定信号S3を用いて情報端末装置50を設定することができる。これにより、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間で、MSAのインタフェース等で決定されている固定の状態設定以外を設定する必要があった場合に、プラグ接合部60で速度等の状態設定を一致させることができ、速度不整合が起きなくなり、データが喪失することがなくなる。
【0077】
また、ここでは、センタ側装置10から加入者側光回線終端装置機能部22に通知される、状態設定の内容として、MSAインタフェース(パラレル/シリアル変換部51)に対する状態設定、又は、LANインタフェース(PHY機能部53)に対する状態設定の一方が含まれているものとする。ただし、既存のOLT等では、加入者側のONUがモジュール化されていることが前提となっていないため、加入者側のONUに対してLANインタフェースの状態設定に関する通知しか行われない。そこで、センタ側装置10から加入者側光回線終端装置20に、LANインタフェースに対する状態設定だけが通知された場合には、加入者側光回線終端装置機能部22は、当該状態設定に基づいて、情報端末装置機能部52に通知する内容を生成し、その生成した内容を通知するようにしても良い。すなわち、加入者側光回線終端装置機能部22は、通知されたLANインタフェースに対する状態設定だけに基づいて、情報端末装置50のMSAインタフェース(パラレル/シリアル変換部51)及びLANインタフェース(PHY機能部53)の両方に対する状態設定を生成する。なお、この状態設定の生成処理については、情報端末装置機能部52側で行うようにしても良い。
【0078】
具体的な例として、ここでは、センタ側装置10からLANインタフェースに対して、双方向通信(全二重通信)で接続速度が100Mbpsとなるように制御する旨の通知があった場合を想定する。この場合、加入者側光回線終端装置機能部22は、例えば、MSAインタフェース(パラレル/シリアル変換部51)及びLANインタフェース(PHY機能部53)に対する状態設定の内容としては、センタ側装置10から通知された内容をそのまま情報端末装置機能部52に通知するようにしても良い。
【0079】
加入者側光回線終端装置機能部22がMSAインタフェースに対して設定する具体的な通信速度等の設定内容については、予め定められた計算式により決定するようにしても良いし、センタ側装置10から通知されると想定されるパラメータごとに対応する内容を予め登録しておくようにしても良い。
【0080】
なお、ここでは、加入者側光回線終端装置機能部22が、状態設定信号S3として送信する情報端末装置50に対する状態設定の内容としては、MSAインタフェース(パラレル/シリアル変換部51)に対する状態設定、及び、LANインタフェース(PHY機能部53)に対する状態設定の両方が含まれているものとするが、どちらか一方だけを含むようにしても良い。
【0081】
そして、情報端末装置機能部52は、加入者側光回線終端装置機能部22から通知された内容に基づいて、自装置のインタフェース(パラレル/シリアル変換部51及び又はPHY機能部53)に対する状態設定を行う。
【0082】
上述のように、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50で、拡張通信制御による通信制御を行うことを前提とすると、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50は、対向する装置が汎用的な一般製品(通常のMSAインタフェースしか持たない製品)だった場合に、正常に動作しない(もしくは誤動作の原因となる)場合がある。そこで、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50で、対向する装置が拡張通信制御に対応していない場合でも、通常のMSAインタフェースとして動作し、問題を生じない構成となっていることが望ましい。そのため、ここでは、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50では、以下のような構成を備えているものとする。
【0083】
まず、情報端末装置50(情報端末装置機能部52)で、対向装置(MSAインタフェースにより接続された装置)が、拡張通信制御に対応しない場合の構成について説明する。
【0084】
情報端末装置機能部52では、自装置がクロック信号S1の送信側である場合、一定期間内に加入者側光回線終端装置20からの状態設定信号S3が供給されないと、MSAインタフェースで接続された対向装置が、拡張通信制御に対応していないと判定し、通常のMSAインタフェースとして動作するものとする。この場合、例えば、情報端末装置機能部52からPHY機能部53、パラレル/シリアル変換部51へ所定の固定値を設定し、通常のMSAインタフェースとして動作するモードに移行することで、通常のMSAインタフェース機能しか対応しない加入者側光回線終端装置20が接続された場合にも対応できる。
【0085】
また、情報端末装置機能部52では、自装置がクロック信号S1の受信側である場合、一定期間内に加入者側光回線終端装置20からのクロック信号S1および状態設定信号S3が供給されないと、MSAインタフェースで接続された対向装置が、拡張通信制御に対応していないと判定し、通常のMSAインタフェースとして動作するものとする。この場合も同様に、例えば、情報端末装置機能部52からPHY機能部53、パラレル/シリアル変換部51へ所定の固定値を設定し、通常のMSAインタフェースとして動作するモードに移行することで、通常のMSAインタフェース機能しか対応しない加入者側光回線終端装置20が接続された場合にも対応できる。
【0086】
次に、加入者側光回線終端装置20側(加入者側光回線終端装置機能部22)で、対向装置(MSAインタフェースにより接続された装置)が、拡張通信制御に対応しない場合の構成について説明する。
【0087】
加入者側光回線終端装置20は、自装置がクロック信号S1の受信側である場合、一定期間内に情報端末装置50からの、クロック信号S1及び又はモード信号S2が供給されないと、MSAインタフェースで接続された対向装置が、拡張通信制御に対応していないと判定し、通常のMSAインタフェースとして動作するものとする。この場合、加入者側光回線終端装置機能部22は、例えば、通常のMSAインタフェースとしてパラレル/シリアル変換部23へ固定値を設定することで、通常のMSAインタフェース機能しか対応しない装置が接続された場合にも対応できる。
【0088】
また、加入者側光回線終端装置20は、自装置がクロック信号S1の送信側である場合、一定期間内に情報端末装置50からの、モード信号S2が供給されないと、MSAインタフェースで接続された対向装置が、拡張通信制御に対応していないと判定し、通常のMSAインタフェースとして動作するものとする。この場合も同様に、加入者側光回線終端装置機能部22は、例えば、通常のMSAインタフェースとしてパラレル/シリアル変換部23へ固定値を設定することで、通常のMSAインタフェース機能しか対応しない装置が接続された場合にも対応できる。
【0089】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する実施形態の通信システム1における加入者側通信システム2の動作(実施形態の通信制御方法)を説明する。
【0090】
まず、最初に、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50が共に、拡張通信制御に対応している場合の動作例について説明する。
【0091】
図3は、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間で行われる、拡張通信制御に係る動作を示したシーケンス図である。
【0092】
まず、情報端末装置50のMSAインタフェースに対応したスロット(図示せず)に、加入者側光回線終端装置20のモジュールが接続(挿入)されたものとする。その際に、情報端末装置50(情報端末装置機能部52)において、MSAインタフェースが持つ挿入抜去を示す信号によって、加入者側光回線終端装置20が、MSAインタフェースにより接続したことを検知する。
【0093】
ここでは、加入者側光回線終端装置20には、速度等の状態設定を行って互いの装置間の状態設定を一致させる初期値が設定されているものとする。加入者側光回線終端装置機能部22、その初期値に従って、からパラレル/シリアル変換部23に状態設定を実施する(S101)。
【0094】
そして、情報端末装置機能部52から加入者側光回線終端装置機能部22へ、信号線L1、L2を介して、クロック信号S1、モード信号S2が供給される(S102)。なお、上述の通り、クロック信号S1は、加入者側光回線終端装置機能部22から情報端末装置機能部52へ供給されるものとしてもよい。
【0095】
ここでは、モード信号S2として、情報端末装置50に対して拡張通信制御が可能であることを示す旨の所定の信号(データパターン)が出力されたものとする。
【0096】
次に、加入者側光回線終端装置機能部22は、供給されるクロック信号S1、モード信号S2の内容から、情報端末装置50に対して拡張通信制御可能であることを検知する(S103)。なお、加入者側光回線終端装置機能部22から情報端末装置機能部52へ、クロック信号S1が供給される場合には、加入者側光回線終端装置機能部22では、情報端末装置機能部52からのモード信号S2の内容から、情報端末装置50に対して拡張通信制御可能であることを検知することになる。
【0097】
次に、加入者側光回線終端装置機能部22は、情報端末装置機能部52に対し、信号線L3を介して状態設定信号S3(例えば、予め設定された初期設定に基づく状態設定の内容としても良い)を供給し、拡張通信制御の内容を通知する(S104)。ここでは、加入者側光回線終端装置機能部22は、情報端末装置50の情報端末装置機能部52に速度等の状態を一致させる(互いの装置間の状態を一致させる初期値)内容(データパタン)を状態設定信号S3として供給するものとする。この際、加入者側光回線終端装置機能部22は、供給されるクロック信号S1に対応するデータパタンを生成し、状態設定信号S3として出力する。そして、情報端末装置機能部52は加入者側光回線終端装置20に出力しているクロック信号S1を内部で使用してデータパタンを受信し、読み取ることができる。
【0098】
なお、クロック信号S1が、加入者側光回線終端装置機能部22から情報端末装置機能部52へ供給されるものとした場合、加入者側光回線終端装置機能部22は、出力するクロック信号S1に対応するデータパタンを生成し、状態設定信号S3として出力する。そして、情報端末装置機能部52は、加入者側光回線終端装置20から出力しているクロック信号S1を内部で使用してデータパタンを受信し、読み取ることができる。
【0099】
そして、情報端末装置機能部52は、受信した状態設定信号S3をもとに、パラレル/シリアル変換部51、及びPHY機能部53を設定する(S105、S106)。
【0100】
以上のS101〜S106の動作によって、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50の接続初期における状態設定を一致させることができ、速度不整合が起きずに問題なく双方向のデータ通信を行うことができる。なお、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50が接続された場合の初期動作としては、拡張通信制御を行わずに、予め設定された初期設定に従って、各インタフェースの設定を行うようにしても良い。
【0101】
その後、システム管理者等の操作により装置設定端末40が操作され、センタ側装置10に対して、当該加入者側通信システム2に係るLANインタフェースの設定情報が変更されたものとする。そして、センタ側装置10から、加入者側光回線終端装置20(加入者側光回線終端装置機能部22)に対して、その設定情報がOAM等の制御処理により伝送されたものとする(S107)。
【0102】
そして、加入者側光回線終端装置機能部22は、通知された設定情報に従ってからパラレル/シリアル変換部23に状態設定を実施する(S108)。
【0103】
次に、加入者側光回線終端装置機能部22は、状態設定信号S3を利用して、情報端末装置機能部52に、センタ側装置10から通知された設定情報に従った設定情報を通知する(S109)。なお、この時点で、加入者側光回線終端装置機能部22は、ステップS103の処理により、情報端末装置50が拡張通信制御に対応できることは検知されている。
【0104】
次に、情報端末装置機能部52は、受信した状態設定信号S3の内容に従って、パラレル/シリアル変換部51、及びPHY機能部53を設定する(S110、S111)。
【0105】
以上の動作によって、センタ側のセンタ側装置10から加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50の状態設定を一致させながら変更することができ、速度不整合が起きずに問題なく双方向のデータ通信を行うことができる。
【0106】
次に、拡張通信制御に対応する加入者側光回線終端装置20が、拡張通信制御に対応しない情報端末装置50Aに収容された場合の加入者側光回線終端装置20(加入者側光回線終端装置機能部22)の動作について説明する。
【0107】
この場合、情報端末装置50Aが拡張通信制御に対応していないため、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50Aとの間のインタフェース(プラグ接合部60)は、通常のMSAインタフェースとして動作させる必要がある。情報端末装置50Aとしては、例えば、既存のMSAインタフェースに対応したスロットで、モジュール化したONUを収容するスイッチ等が該当する。
【0108】
図4は、加入者側光回線終端装置20が、拡張通信制御に対応しない情報端末装置50Aに収容された場合の動作について示したシーケンス図である。
【0109】
また、図5は、加入者側光回線終端装置20が、拡張通信制御に対応しない情報端末装置50Aに収容された場合の、加入者側光回線終端装置20におけるクロック信号S1、モード信号S2、状態設定信号S3の状態について示したタイミングチャートである。なお、図5(a)は加入者側光回線終端装置20がクロック信号S1の受信側として動作する場合のタイミングチャートであり、図5(b)は加入者側光回線終端装置20がクロック信号S1の送信側として動作する場合のタイミングチャートである。なお、図4のフローチャートは、加入者側光回線終端装置20がクロック信号S1の受信側として動作する場合の動作について示している。
【0110】
まず、情報端末装置50AのMSAインタフェースに対応したスロット(図示せず)に、加入者側光回線終端装置20のモジュールが接続(挿入)されたものとする。この場合、加入者側光回線終端装置機能部22は、上述のステップS101と同様に、パラレル/シリアル変換部23に対して、初期値に従って、パラレル/シリアル変換部23に状態設定を実施する(S201)。
【0111】
そして、加入者側光回線終端装置20がクロック信号S1の受信側として動作する場合、、図5(a)に示すように、情報端末装置50Aは元々拡張通信制御に対応していないため、通常のMSAインタフェースとして加入者側光回線終端装置20と接続しており、クロック信号S1が、情報端末装置50Aから供給される場合、加入者側光回線終端装置20には、クロック信号S1及びモード信号S2は供給されない。
【0112】
一方、加入者側光回線終端装置機能部22では、クロック信号S1及びモード信号S2が供給されないまま一定時間が経過すると(図5のタイミングT112の時点)、MSAインタフェースにより対向する装置は、拡張通信制御に対応しない装置であるとみなす(S202)。MSAインタフェースにより対向する装置は、拡張通信制御に対応しない装置であるとみなすと、加入者側光回線終端装置機能部22は、パラレル/シリアル変換部51を通常のMSAインタフェースとして動作させる制御(例えば、所定の固定値を設定する)を行う(S203)。
【0113】
次に、加入者側光回線終端装置20がクロック信号S1の送信側として動作する場合の動作について、図4の場合との差異を説明する。加入者側光回線終端装置20がクロック信号S1の送信側として動作する場合には、図5(b)に示すように、加入者側光回線終端装置20には、モード信号S2は供給されない。そして、この場合、加入者側光回線終端装置機能部22では、クロック信号S1は入力されるが、モード信号S2が供給されないまま一定時間が経過すると(図5(b)のタイミングT122の時点)、MSAインタフェースにより対向する装置は、拡張通信制御に対応しない装置であるとみなす(すなわち、上述のステップS202と同様の結果となる)。そして、MSAインタフェースにより対向する装置は、拡張通信制御に対応しない装置であるとみなすと、加入者側光回線終端装置機能部22は、パラレル/シリアル変換部23を通常のMSAインタフェースとして動作させる制御(例えば、所定の固定値を設定する)を行う(すなわち、上述のステップS203と同様の処理が行われる)。
【0114】
以上のように、加入者側光回線終端装置20は、通常のMSAインタフェース機能しか対応しない情報端末装置50Aが接続された場合にも、通常のMSAインタフェースとして接続することができる。
【0115】
次に、拡張通信制御に対応する情報端末装置50が、拡張通信制御に対応しない加入者側光回線終端装置20Aを収容した場合の情報端末装置50(情報端末装置機能部52)の動作について説明する。
【0116】
この場合、加入者側光回線終端装置20Aが拡張通信制御に対応していないため、情報端末装置50と加入者側光回線終端装置20Aとの間のインタフェース(プラグ接合部60)は、通常のMSAインタフェースとして動作させる必要がある。なお、加入者側光回線終端装置20Aとしては、MSAインタフェースに対応しモジュール化されたONU等と同様のものを適用することができる。
【0117】
図6は、情報端末装置50が、拡張通信制御に対応しない加入者側光回線終端装置20Aに収容された場合の動作について示したシーケンス図である。
【0118】
また、図7は、情報端末装置50が、拡張通信制御に対応しない加入者側光回線終端装置20Aを収容した場合の、情報端末装置50におけるクロック信号S1、モード信号S2、状態設定信号S3の状態について示したタイミングチャートである。なお、図7(a)は情報端末装置50がクロック信号S1の送信側として動作する場合のタイミングチャートであり、図7(b)は情報端末装置50がクロック信号S1の受信側として動作する場合のタイミングチャートである。なお、図6のフローチャートは、情報端末装置50がクロック信号S1の送信側として動作する場合の動作について示している。
【0119】
まず、情報端末装置50のMSAインタフェースに対応したスロット(図示せず)に、加入者側光回線終端装置20Aのモジュールが接続(挿入)されたものとする。クロック信号S1が、情報端末装置機能部52から供給される場合、情報端末装置機能部52では、加入者側光回線終端装置20AのMSAインタフェースによる接続を検知すると、クロック信号S1、モード信号S2を加入者側光回線終端装置20Aに供給する(S301)。図7のタイミングT211〜T212では、情報端末装置機能部52により、クロック信号S1、モード信号S2が出力される様子について示している。
【0120】
そして、この場合、図7(a)に示すように、加入者側光回線終端装置20Aは元々拡張通信制御に対応していないため、通常のMSAインタフェースとして情報端末装置50と接続しており、情報端末装置50には、状態設定信号S3は供給されない。
【0121】
一方、情報端末装置機能部52では、モード信号S2の供給が終了した後(タイミングT212の後)、クロック信号S1及びモード信号S2が供給されないまま一定期間が経過すると(タイミングT213の時点)、MSAインタフェースにより対向する装置は、拡張通信制御に対応しない装置であるとみなす(S302)。そして、情報端末装置機能部52は、パラレル/シリアル変換部51を通常のMSAインタフェースとして動作させる制御(例えば、所定の固定値を設定する)を行い、PHY機能部53に対しても、拡張通信制御に基づかない通常の設定(例えば、所定の固定値を設定する)が行われる(S303、S304)。
【0122】
次に、情報端末装置50がクロック信号S1の受信側として動作する場合の動作について、図6の場合との差異について説明する。クロック信号S1が、加入者側光回線終端装置機能部22から供給される場合、情報端末装置機能部52では、加入者側光回線終端装置20AのMSAインタフェースによる接続を検知すると、クロック信号S1が供給されるのを待つ。そして、この場合、図7(b)に示すように、加入者側光回線終端装置20Aは元々拡張通信制御に対応していないため、通常のMSAインタフェースとして情報端末装置50と接続しており、情報端末装置50には、クロック信号S1は供給されないまま一定期間が経過すると(タイミングT222の時点)、MSAインタフェースにより対向する装置は、拡張通信制御に対応しない装置であるとみなす(すなわち、上述のステップS302と同様の結果となる)。そして、情報端末装置機能部52は、パラレル/シリアル変換部51を通常のMSAインタフェースとして動作させる制御(例えば、所定の固定値を設定する)を行い、PHY機能部53に対しても、拡張通信制御に基づかない通常の設定(例えば、所定の固定値を設定する)が行われる(すなわち、上述のステップS303と同様の処理が行われる)。
【0123】
以上のように、情報端末装置50は、通常のMSAインタフェース機能しか対応しない加入者側光回線終端装置20Aが接続された場合にも、通常のMSAインタフェースとして接続することができる。
【0124】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0125】
加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間は、MSAインタフェースにより接続されているが、未使用の信号線を用いた拡張通信制御により、加入者側光回線終端装置20から情報端末装置50への通信制御を可能としている。そして、加入者側光回線終端装置20と情報端末装置50との間では、MSAインタフェースの設定(接続速度、双方向/片方向通信等)等について、固定的な設定ではなく、センタ側(センタ側装置10)から通知された内容等、任意の設定内容に一致させ、より柔軟な通信制御を行うことができる。また、これにより、プラグ接合部60での速度不整合が起きなくなり、データが喪失することがなくなる等、ユーザに不利益が起こることを解消できる等の効果を奏する。
【0126】
また、加入者側通信システム2では、加入者側光回線終端装置20側で、情報端末装置50から供給されたクロック信号S1を用いて(または、情報端末装置50側で、加入者側光回線終端装置20から供給されたクロック信号S1を用いて)、状態設定信号S3を送信しているため、用いる信号線の数を低減させることができる。
【0127】
さらに、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50では、MSAインタフェースで対向する装置が、拡張通信制御に対応しない装置である場合には、それを検知して、通常のMSAインタフェースとして動作するようにしている。これにより、加入者側光回線終端装置20及び情報端末装置50では、汎用的な一般製品(通常のMSAインタフェースしか持たない製品)を接続するための互換性も確保することができ、利便性を向上させることができる。
【0128】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0129】
(B−1)上記の実施形態では、センタ側装置10と加入者側通信システム2との間は、光ファイバを用いて接続されているが、用いる接続方式は限定されないものである。
【符号の説明】
【0130】
1…通信システム、10…センタ側装置、2…加入者側通信システム、20…加入者側光回線終端装置、21…光/電気変換部、22…加入者側光回線終端装置機能部、24…パラレル/シリアル変換部、50…情報端末装置、51…パラレル/シリアル変換部、52…情報端末装置機能部、53…PHY機能部、40…装置設定端末、60…プラグ接合部、70…LAN接続部、F…光ファイバ、30…情報端末装置、S1…クロック信号、S2…モード信号、S3…状態設定信号、L1、L2、L3…信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局通信装置と接続する第1の通信装置と、上記子局通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置とを備える子局通信システムにおいて、
上記第1の通信装置は、
上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、上記第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う拡張通信制御手段を備え、
上記第2の通信装置は、
上記第1の通信装置からの、上記信号線を用いた拡張通信制御の内容に従って、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する被拡張通信制御手段とを備える
ことを特徴とする子局通信システム。
【請求項2】
上記第1の通信装置は、上記親局通信装置の制御に応じて、上記拡張通信制御手段が行う拡張通信制御の内容を決定する通信制御内容決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の子局通信システム。
【請求項3】
上記所定の仕様のインタフェースはMSAインタフェースの仕様に従ったインタフェースであり、
上記被拡張通信制御手段は、上記第1の通信装置に、拡張通信制御に係る制御信号を送信する際には、上記信号線のうち第1の信号線を用いてクロック信号を送信し、上記信号線のうち第2の信号線を用いて上記クロック信号に同期させて当該制御信号を送信し、
上記拡張通信制御手段は、上記第2の通信装置に、拡張通信制御に係る制御信号を送信する際には、上記信号線のうち第3の信号線を用いて、上記第2の通信装置から供給される上記クロック信号に同期させて当該制御信号を送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の子局通信システム。
【請求項4】
上記拡張通信制御手段が行う拡張通信制御には、さらに、上記第2の通信装置に対して上記子局側ネットワークと接続するインタフェースに係る通信を制御する処理も含まれており、
上記被拡張通信制御手段は、さらに、上記第1の通信装置からの拡張通信制御の内容に従って、当該第2の通信装置が上記子局側ネットワークと接続するインタフェースの動作状態を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の子局通信システム。
【請求項5】
上記被拡張通信制御手段は、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースに対向する通信装置が接続されたことを検知すると、拡張通信制御が可能であることを示す拡張通信制御可能信号を、当該対向する通信装置に送信し、
上記拡張通信制御手段は、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェースに対向する通信装置が接続されたことを検知し、当該対向する通信装置から上記信号線を用いて、拡張通信制御可能信号が供給された場合には、当該対向する通信装置を、拡張通信制御に対応する通信装置であることを認識する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の子局通信システム。
【請求項6】
上記拡張通信制御手段は、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェースに対向する通信装置が、拡張通信制御に対応する通信装置と認識できた場合にだけ、当該対向する通信装置との間で上記拡張信制御に係る処理を開始し、当該対向する通信装置が拡張通信制御に対応する通信装置と認識できなかった場合には当該対向する通信装置との間で上記所定の仕様に従った通常の通信を行うことを特徴とする請求項5に記載の子局通信システム。
【請求項7】
上記拡張通信制御手段は、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェースで対向する通信装置が、拡張通信制御に対応する通信装置と認識できた場合にだけ、当該対向する通信装置に対して、上記信号線を用いて、拡張通信制御の内容を通知する拡張通信制御信号を送信し、
上記被拡張通信制御手段は、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースに対向する通信装置に、拡張通信制御可能信号を送信した後、当該対向する通信装置から、上記信号線を用いて拡張通信制御信号が供給された場合には、当該対向する通信装置を、拡張通信制御に対応する通信装置であることを認識する
ことを特徴とする請求項6に記載の子局通信システム。
【請求項8】
上記被拡張通信制御手段は、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースに対向する通信装置が拡張通信制御に対応する通信装置と認識できた場合にだけ、当該対向する通信装置との間で拡張信制御に係る処理を開始し、当該対向する通信装置が拡張通信制御に対応する通信装置と認識できなかった場合には当該対向する通信装置との間で、上記所定の仕様に従った通常の通信を行うことを特徴とする請求項7に記載の子局通信システム。
【請求項9】
親局通信装置と接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続している第1の通信装置において、
上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、上記第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う拡張通信制御手段を備える
ことを特徴とする通信装置。
【請求項10】
親局通信装置と接続する第1の通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置において、
上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、当該第2の通信装置に対して、少なくとも上記第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御が、上記第1の通信装置から行われた場合に、その拡張通信制御の内容に従って、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する被拡張通信制御手段を備える
ことを特徴とする通信装置。
【請求項11】
親局通信装置と接続する第1の通信装置と、上記子局通信装置と所定の仕様のインタフェースを用いて接続し、さらに、子局側ネットワークを収容している第2の通信装置とを備える子局通信システムの通信制御方法において、
上記第1の通信装置が、上記第2の通信装置との接続に用いるインタフェース上で未使用又は使用しなくても良い信号線を用いて、上記第2の通信装置に対して、少なくとも当該第1の通信装置との通信に用いるインタフェースに係る通信を制御する拡張通信制御を行う拡張通信制御工程と、
上記第2の通信装置が、上記第1の通信装置からの、上記信号線を用いた拡張通信制御の内容に従って、上記第1の通信装置との接続に用いるインタフェースの動作状態を制御する被拡張通信制御工程と
を有することを特徴とする通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−42292(P2013−42292A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177035(P2011−177035)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(503262509)株式会社オー・エフ・ネットワークス (62)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】