学習支援用のプログラム
【課題】学習者に弱点分野をきめ細かく示すとともに、その弱点分野に対する学習を弱点を克服するまで繰り返すように学習者を導く学習支援を実施する。
【解決手段】学習開始画面G1,学習記録画面G2,総合成績表示画面G3の各画面を相互に切替可能に提示し、これらの画面での学習項目の選択に応じてコンテンツ実行画面G4を立ち上げ、選択された学習コンテンツを実行する。学習記録表示画面G2では、日々の学習記録データを表示するとともに、表示されている学習記録データのうち、合格点に満たない得点を表すデータを識別表示する。総合成績表示画面G3では、学習項目毎に、その項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を到達度として表示する。さらにこの到達度が基準値未満になっているデータを識別表示する。
【解決手段】学習開始画面G1,学習記録画面G2,総合成績表示画面G3の各画面を相互に切替可能に提示し、これらの画面での学習項目の選択に応じてコンテンツ実行画面G4を立ち上げ、選択された学習コンテンツを実行する。学習記録表示画面G2では、日々の学習記録データを表示するとともに、表示されている学習記録データのうち、合格点に満たない得点を表すデータを識別表示する。総合成績表示画面G3では、学習項目毎に、その項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を到達度として表示する。さらにこの到達度が基準値未満になっているデータを識別表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小中学生や高校生の自主学習を支援するためのアプリケーションソフトウェアを構成するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小中学生や高校生を対象にした学習支援用のアプリケーションとして、従来より、単元または学習項目の単位で演習問題を提示し、学習者による解答の入力を受け付けて採点を行い、採点結果を表示するものがある。また、この種のアプリケーションでは、毎回の採点結果を成績履歴として保存し、適宜、単元や学習項目に対応づけて成績を表示することにより、学習者に自分の弱点を認識させるようにしている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、学力を向上するには反復学習が有効であることはよく知られており、コンピュータにより自主学習を支援するシステムの中に、学習者が間違えた問題を繰り返し提示することによって、弱点を克服させるようにしたものがある。
【0004】
たとえば、特許文献2には、ネットワークを介して学習者の端末装置と通信をすることにより、問題の提示および学習者からの解答の入力を受け付けるシステムにおいて、単元毎に複数の問題を提示し、全ての問題に正解するまで間違えた問題の提示を繰り返すことが記載されている。さらに特許文献2には、学習対象の単元の全問題に正解したときに、それまでに提示された延べ問題数や延べ解答時間などを用いて学力指数を算出し、学力指数に応じた問題を提示することにより、各学習者が自分の学力に適した学習を実施できるようにすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−16065号公報
【特許文献2】特開2002−287608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、過去の成績を単元毎に表示することが記載されているが、単元のような大きな学習単位で成績を表しても、学習者に、どの点の理解が不足しているのかを把握させるのは困難である。また、これまでの成績の履歴や平均点を表示するだけではインパクトに欠け、成績が悪い場合でも、学習者に再学習の必要性を実感させにくい。また、学習者が再学習の必要性を認識したとしても、その再学習に直ちに取り組めるようにしなければ、学習者の意欲が薄れてしまうおそれがある。
【0007】
特許文献2には、学習対象の単元に関する演習問題を繰り返し実施し、正答率が向上したことをもって学習を終了することが示されているが、このような方法でも、学力を十分に高められない可能性がある。たとえば、演習を終了した直後であれば、学習者は、間違えた問題に対して示された正解を覚えている可能性が高いため、再学習で比較的良い点を取得できる可能性が高いが、この得点は単に正解を記憶したことにより得た可能性がある。この場合には、学習者の理解が不十分であるため、正解を忘れた頃に再び同じ問題に取り組むと、再び低い得点しか得られない可能性がある。
【0008】
また、学力を向上させるには、学習者自身に自分の弱点をしっかりと認識させるとともに、その弱点分野を速やかに反復学習できるように学習者を導く必要がある。特許文献2には、学習者の学力レベルを自動算出して、そのレベルに適した問題を提示することが示されているが、このような方法では、学習者は自分の学力を認識できないまま提示された問題を受け身で解くだけとなり、学力を十分に高められないおそれがある。
【0009】
本発明は上記の問題点に着目し、学習者に弱点分野をきめ細かく示すとともに、その弱点分野に対する学習を弱点を克服するまで繰り返すように学習者を導くことを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の学習支援用のプログラムは、表示部および入力部が接続されたコンピュータを、学習者の学習を支援するための装置として機能させるためのものである。具体的に、本発明によるプログラムでは、以下の選択受付手段、コンテンツ実行手段、得点算出手段、学習履歴手段、および学習結果表示手段の各手段としてコンピュータを動作させる。
【0011】
選択受付手段は、複数の単元を各単元に含まれる学習項目とともに示した学習開始画面を表示して学習項目の選択を受け付ける。コンテンツ実行手段は、選択受付手段が学習項目の選択を受け付けたことに応じて、選択された学習項目につきあらかじめ用意されているコンテンツデータを用いて、演習問題の提示および解答の入力の受付、ならびに入力された解答に対する採点結果の表示を含む学習コンテンツを実行する。
【0012】
得点算出手段は、コンテンツ実行手段により実行された学習コンテンツにより提示された演習問題に対する解答の採点結果を学習項目単位で集計して、学習項目毎の得点を求める。学習履歴蓄積手段は、得点算出手段により算出された学習項目毎の得点を、該当する学習項目および学習コンテンツの実行日に紐付けた学習記録データを作成し、作成された学習記録データを学習履歴としてメモリに蓄積する。
【0013】
学習結果表示手段は、学習履歴蓄積手段により蓄積された学習記録データを用いて、日々の学習の記録を表示する学習記録表示画面および過去に実行された学習コンテンツに対する学習者の総合成績を表示する総合成績表示画面を、それぞれ学習者の呼び出し操作に応じて立ち上げる。さらに詳しくいうと、学習結果表示手段には、学習記録表示画面において、実行された学習コンテンツに対して学習者が取得した得点を学習項目毎に表示するとともに、この得点が合格点を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、総合成績表示画面において、学習項目毎に、当該項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を到達度として表示するとともに、この到達度があらかじめ定めた基準値を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、表示された画面内の所定の学習項目に対する選択操作が行われたことに応じて、選択された学習項目に対応する学習コンテンツの実行をコンテンツ実行手段に要求する手段とが、設けられる。
【0014】
上記のプログラムが導入されたコンピュータによれば、学習者は、学習開始画面で学習項目を選択することにより、選択した学習項目に対応する演習問題の提示を受け、学習を進めることができる。なお、学習開始画面では、学習項目単位での選択を受け付けるほか、単元の選択に応じて、その単元に含まれる複数の学習項目が選択されたとみなすようにしてもよい。
【0015】
また、学習者は、学習記録表示画面を呼び出すことにより、日々の学習の結果を学習項目毎に把握することができる。また、この画面では、得点が合格点に達していない学習項目が識別表示され、また識別表示された学習項目を選択することによって、当該項目に対応する学習コンテンツを実行することができるので、学習者に、理解が不足している学習項目があることを認識させ、速やかにその学習項目を再学習するように導くことができる。
【0016】
このようにして学習を進めて所定の期間が経過したときに、学習者が総合成績表示画面を呼び出すと、学習項目毎に到達度が表示され、その中で到達度が基準値に達していない学習項目が識別表示される。本発明では、学習項目毎に、その項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を、到達度として示すとともに、上記の識別表示を行うので、学習者に自身の弱点となる学習項目を正しく認識させ、かつ弱点を克服するまで反復学習に取り組むように導くことができる。
【0017】
たとえば、最初の得点が合格点をかなり下回った学習項目に関しては、2回目の学習で合格点を得ることができても、到達度が基準値を下回り、識別表示がなされる。この場合には、学習者がさらに学習を繰り返して、毎回、合格点を得ることができなければ、識別表示は消失しない。よって、学習者は、識別表示がされた学習項目が通常の表示になるまで学習を続ける必要があると認識し、反復学習に取り組むことができる。また、総合成績表示画面中の学習項目を選択することによって、選択された項目に対応する学習コンテンツをすぐに立ち上げることができるので、学習項目の識別表示により反復学習の必要性を認識した学習者を速やかに反復学習に導くことができる。
【0018】
したがって本発明によれば、学習者は、学習の最小単位である学習項目毎に日々の学習結果を振り返って、合格点に達していない学習項目を認識し、その学習項目を容易に再学習することができる。さらに、総合成績表示画面を利用して、弱点の学習項目について、単に合格点がとれるようになった時点まででなく、成績がより安定した状態になるまで学習を繰り返すことができるので、成績を大幅に向上することが可能になる。
【0019】
本発明の好ましい態様によるプログラムでは、コンテンツ実行手段を、学習開始画面、学習記録表示画面、および総合成績表示画面における学習項目の選択操作に対し、選択された学習項目に対してコンピュータに登録されている相当数の演習問題の中の所定数をランダムに選択し、選択された演習問題による学習コンテンツを実行するように構成する。このようにすれば、学習者が同じ学習項目を繰り返し選択しても、提示される演習問題の内訳を毎回異なるものにすることができるから、学習者が単純に解答を覚えたことにより成績が向上するのを防止することができる。よって、学習者の理解力が本当に高められるまで学習を繰り返すように導くことができ、学習の効果をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、学習者が自分の弱点となる学習項目を容易に認識することができるようにし、またこの弱点が克服されるまで学習を繰り返すように学習者を導くことが可能になる。よって、学習者の学力の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用されたアプリケーションの機能ブロック図である。
【図2】ユーザインターフェースにより提示される各種画面の関係を示す図である。
【図3】学習開始画面の構成例を示す図である。
【図4】学習記録表示画面の構成例を示す図である。
【図5】図4の学習記録表示画面の表示が変更された例を示す図である。
【図6】総合成績表示画面の構成例を示す図である。
【図7】学習コンテンツの選択受付に関する処理に関するフローチャートである。
【図8】学習コンテンツの実行に関するフローチャートである。
【図9】学習履歴データテーブルのデータ構成の例を示す図である。
【図10】学習記録の表示に関するフローチャートである。
【図11】総合成績の表示に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明が適用されたアプリケーションの構成例を示す。
このアプリケーションは、パーソナルコンピュータを、中学生の自主学習を支援するための装置として機能させるもので、ユーザインターフェース1、データ処理部2、コンテンツ用データベース3、固定データテーブル群4、および可変データテーブル群5などにより構成される。これらの機能は、パーソナルコンピュータのハーディスク装置にインストールされた相当数のプログラムファイルおよびデータファイルにより設定される。
【0023】
ユーザインターフェース1は、図示しないモニタに種々の画面を表示するとともに、マウス、キーボードなどの入力部を介して学習者からの入力を受け付ける。図1では、ユーザインターフェース1に含まれる主要な機能として、コンテンツ選択処理部11、コンテンツ実行部12、学習記録処理部13、総合成績処理部14を示すが、これらのほか、ユーザインターフェース1には、学習者の登録情報を受け付ける機能や登録された学習者のログインを受け付ける機能などが設けられる。
【0024】
データ処理部2は、ユーザインターフェース1に出力用のデータを提供したり、ユーザインターフェース1が受け付けたデータを処理するためのもので、コンテンツ読出部21、採点処理部22、成績処理部23、登録処理部24などが含まれる。
【0025】
この実施例の学習コンテンツは、複数の画面を順に切り替えて表示することにより、複数の演習問題を順に提示して、問題毎に解答の入力および採点結果の報知を行う。また、誤った答えが入力された場合には、正しい答えを導くための解説画面などが提示される。
【0026】
コンテンツ用データベース3には、学習コンテンツ毎に、コンテンツデータの格納領域(フォルダ)が設定され、それぞれのフォルダに、画像、音声、テキストなどによるコンテンツデータのファイルや、学習コンテンツの実行に必要な定義が書き込まれたファイルなどが格納される。
【0027】
また、この実施例の学習コンテンツは、それぞれ特定の学習項目に対応づけられる。コンテンツ用データベース3内の各学習コンテンツのフォルダには、それぞれ対応する学習項目の学習項目コードとコンテンツの種別(詳細は後記する。)を示す種別コードとを組み合わせたコード(以下、「コンテンツコード」という。)を含むフォルダ名が設定される。よって、このコンテンツコードにより特定の学習コンテンツを読み出すことが可能になる。
【0028】
固定データテーブル群4には、開発者により作成され、内容の書き換えが禁止された複数のデータテーブルが含まれる。これらのうち、科目データテーブル31には、中学生の主要教科の全科目名がそれぞれ科目コードに対応づけて登録される。単元データテーブル32には、各科目に設定された単元の単元名がそれぞれ単元コードに対応づけて登録される。また学習項目データテーブル33には、各単元に設定された学習項目の項目名がそれぞれ学習項目コードに対応づけて登録される。
【0029】
対応関係定義データテーブル34は、上記の3種類のデータテーブルに登録された科目、単元、学習項目の関係を定義するものである。具体的に、この実施例の対応関係定義データテーブル34には、各学習項目の学習項目コードにそれぞれ上位の単元の単元コードおよび上位の科目の科目コードを組み合わせたものが格納される。
なお、科目、単元、学習項目に関するデータ構成は、上記の例に限らず、これらの間の階層関係が導出できるような構成のデータテーブルが設定されていればよい。
【0030】
解答データテーブル36には、学習コンテンツで提示される演習問題に対する解答が格納される。具体的に解答データテーブル36は、各学習コンテンツのコンテンツコードと当該コンテンツで提示される演習問題の識別コードとを組み合わせて、各組み合わせにそれぞれ正解の解答を対応づけた形式に構成される。
【0031】
可変データテーブル群5には、学習履歴データテーブル51、ユーザ登録用データテーブル52などが含まれる。
ユーザ登録用データテーブル52には、ユーザインターフェース1のユーザ登録機能により受け付けた学習者の名前や識別コードなどが登録される。この学習者の登録は一人に限らず、複数の学習者を登録することもできる。
【0032】
学習履歴データテーブル51には、実行された学習コンテンツやその学習コンテンツにより提示された演習問題に対する学習結果などが実行順に蓄積される。なお、この実施例では、ユーザ登録用データテーブル52に学習者が登録されたことに応じて新規の学習履歴データテーブル51を作成するようにしている。したがって、複数人の学習者が登録された場合には、各学習者毎に学習履歴データテーブル51が設定される。
【0033】
図2は、ユーザインターフェース1により提示される主要な画面の関係を示す。
この図に示すように、この実施例のアプリケーションでは、まずログイン画面GLにより学習者のログインを受け付けた後に、メニュー画面G0を提示する。メニュー画面G0は、学習開始画面G1、学習記録表示画面G2、総合成績表示画面G3などを選択できるように構成されている。
【0034】
学習開始画面G1はコンテンツ選択処理部11により作成され、学習記録表示画面G2は学習記録処理部13により作成され、総合成績表示画面G3は総合成績処理部14により作成される。これらの画面G1,G2,G3はそれぞれ相互に移動できるように設定されている。
【0035】
また、これらの画面G1,G2,G3では、それぞれ学習コンテンツの選択を受け付ける。この選択が受け付けられると、画面はコンテンツ実行画面G4に切り替えられ、選択された学習コンテンツが実行される。また、学習コンテンツの実行が終了すると、実行前の画面に復帰する。
【0036】
図3は、学習開始画面G1の具体例を、図4および図5は学習記録表示画面G2の具体例を、図6は総合成績表示画面G3の具体例を、それぞれ示す。以下、これらの図を参照して、各画面の構成を順に説明する。
【0037】
図3に示す学習開始画面G1には、科目選択欄101と、選択された科目に対応する目次欄102とが設けられる。科目選択欄101には、科目毎に選択ボタン107が設けられており、これらのボタン107により科目の選択が切り替えられると、これに応じて目次欄102の表示が更新される。図3の例の画面では、「数学S1」(中学1年生の数学)が選択されている。
【0038】
目次欄102では、選択された科目に設定された学習コンテンツが、単元および学習項目の階層構造に対応づけて並べられる。この実施例では、各学習項目にそれぞれ解説用のコンテンツ(以下、「授業」という。)と演習用のコンテンツ(以下、「確認テスト」という。)とを設け、これらを2行に分けて表示するとともに、各行にそれぞれ呼び出し用のボタン111,112を設定する。また、各単元の最終行に、それぞれ単元内の全ての学習項目を対象にしたまとめ演習(以下、「基礎テスト」という。)を示し、この行に基礎テスト用のコンテンツの呼び出しボタン113を設定する。各呼び出しボタン111,112,113には、それぞれコンテンツの種別を示す文字(「授業」「確認」「基礎」)が付与される。
【0039】
さらに、実行された学習コンテンツに対してはその実行回数を示す丸印が表示され(図中の「チャレンジ」の欄)、さらに確認テストや基礎テストには、直近に実施された当該コンテンツで学習者が獲得した得点が全問正解した場合の得点(満点)とともに表示される。
【0040】
さらに、この実施例の学習コンテンツ選択画面G1には、応用テストへの切替用のボタン103、学習記録表示画面G2への切替用のボタン104、総合成績表示画面G3への切替用のボタン105、アプリケーションの終了を指示するボタン106などが設けられる。
【0041】
応用テストの切替用のボタン103を操作すると、目次欄102は応用テストに対応する表示に切り替えられる。応用テストに関しては詳細な説明を省略するが、この応用テストは学習項目毎に作成され、確認テストや基礎テストと同様の手順により、学習コンテンツの実行や成績の記録処理が実行される。
【0042】
つぎに、図4,5に示す学習記録表示画面G2には、1か月分のカレンダー201が表示される。このカレンダー201内の各日付の欄には、その日の学習で学習者が取得した得点の合計値が科目毎に表示される。また、カレンダー201の下方には、特定の日の学習記録を表示する欄202(以下「個別記録表示欄202」という。)が設けられる。
なお、図4,5の表示例では、後記する図9の学習記録データに基づき、「数1」の学習記録のみが表示された状態とするが、他の科目も学習されている場合には、これらの科目を含めた学習記録を表示することができる。
【0043】
上記のカレンダー201および個別記録表示欄202の表示は、立ち上がり時には、当月および本日のものに設定される。学習者がカレンダー201内の所望の日をクリックすると、個別記録表示欄202の表示は、クリックされた日の学習記録に更新される。
【0044】
また、個別記録表示欄202の日付表示の左側の矢印マーク204をクリックすると、この欄の表示は、現在表示されている日の前の日の学習記録に更新され、右側の矢印マーク205をクリックすると、この欄の表示は、現在表示されている日の次の日の学習記録に更新される。たとえば、9月10日の学習記録が表示された図4の画面において、矢印マーク204がクリックされると、図5に示すように、表示は、前日の9月9日の学習記録を表示するものに切り替えられる。また図5に示す画面において、矢印マーク205がクリックされると、再び図4に示す画面が表示される。
【0045】
さらに、この実施例では、カレンダー201に関しても、前月の表示に切り替えるための矢印マーク206と、翌月の表示に切り替えるための矢印マーク207とを設け、これらのクリックに応じて、カレンダー201の表示を切り替えるようにしている。
よって、学習者は、カレンダー201で過去の学習記録を簡単に確認しながら、成績が悪かった日の学習記録を呼び出して、詳細な確認を行うことができる。
【0046】
この実施例の個別記録表示欄202には、さらに、成績の悪かった学習項目を確認するためのボタン203(以下、図中のボタンの名称を用いて「弱点補強ボタン203」という。)が設けられている。個別記録表示欄202内の学習記録データの表示は、通常は黒色に統一されているが、弱点補強ボタン203が操作されると、合格点に達していない得点(この実施例では満点の60%を合格点とする。)を示す表示が赤色に変化する。図4,5では、右手に矢印を付けた行が赤色表示の対象となる行である。
【0047】
上記のほか、学習記録表示画面G2には、学習開始画面G1の呼び出し用のボタン208、総合成績表示画面G3の呼び出し用のボタン209、アプリケーションの終了を指示するボタン210などが設けられる。なお、成績記録表示画面G2には必ずしもカレンダー201の表示は必要なく、たとえば、一週間分の成績記録データを日毎に連ねて表示し、これを順に遡って閲覧できるようにしてもよい。
【0048】
つぎに、図6に示す総合成績表示画面G3には、科目別成績欄301が設けられ、現在選択されている科目(数1)の各学習項目が単元毎に分類して示されるとともに、学習項目毎に得点および到達度が表示される。なお、この科目別成績欄301の欄内には、選択中の科目を示す表示ボックス302が設けられており、科目別成績欄301における表示対象の科目は、この表示ボックス302でプルダウンメニューを呼び出して変更することができる。
【0049】
得点の表示欄では、各学習項目毎に、これまでに当該項目につき学習者が取得した得点の累計値が満点の累計値(実施された演習問題の全てに正解した場合の得点)とともに表示される。また到達度の欄には、満点の累計値に対する得点の累計値の割合が算出され、その値が棒グラフにより表示される。
【0050】
さらに、この総合成績表示画面301にも、弱点補強ボタン303が設けられている。弱点補強ボタン303が操作される前の画面では、各学習項目に関する表示は全て黒色に統一されているが、弱点補強ボタン303が操作されると、到達度が所定の基準値を下回る学習項目に関する表示が赤色に変化する。
【0051】
上記のほか、総合成績表示画面G3には、学習開始画面G1の呼び出し用のボタン304、学習記録表示画面G2の呼び出し用のボタン305、アプリケーションの終了を指示するボタン306などが設けられる。
【0052】
図3〜6に示した画面構成によれば、学習者は、学習開始画面G1により学習の進捗状況を確認しながら、単元および学習項目の流れに沿って学習を進めることができる。また、学習記録画面G2を用いて、直近の成績のほか、過去の成績を遡って確認することができる。特に個別記録表示欄202に表示する学習日を特定して弱点補強ボタン203を操作することにより、合格点がとれなかったテストを確認し、さらにその確認画面から再学習の画面に移行することができる。よって、成績の悪かった学習項目に対する再学習を容易に行うことができる。
【0053】
さらに、総合成績表示画面G3では、過去の演習問題で学習者が取得した得点が学習項目単位で累計され、各累計値がそれぞれの満点の累計値や到達度とともに表示されるので、学習者は、どの学習項目が弱点であるかを容易に認識することができる。
また、得点が基準値を下回った学習項目に関しては、学習者が記憶が新しいうちに再学習をして基準値以上の得点を取得できたとしても、必ずしも十分に理解できているとは限らない。この点に関して、この実施例では、学習項目毎の得点の累計値に基づく到達度が十分な値になるまで当該学習項目が弱点として識別表示されるので、特に成績が悪かった学習項目に関しては、安定した成績が得られるまで徹底的に反復学習をするように、学習者を支援することができる。
【0054】
さらに、この実施例では、確認、基礎、応用の各演習問題に関して、学習項目毎に相当数の演習問題を準備し、選択された学習項目に対応する問題の中から所定数をランダムに選択して提示するようにしている。これにより再学習の際には、前の学習とは異なる問題を提示することができるので、学習者が単に解答を覚えていたことにより成績が向上するのを防ぐことができる。
【0055】
以下、学習開始画面G1、コンテンツ実行画面G4、学習記録表示画面G2、総合成績表示画面G3に関して、ユーザインターフェース1およびデータ処理部2により実行される処理を詳細に説明する。
【0056】
図7は、学習開始画面G1に関する処理の手順を示す。
この処理は、ユーザインターフェース1のコンテンツ選択処理部11がデータ処理部2と協働して実行するもので、メニュー画面などからの呼び出し操作に応じて開始される。
【0057】
まず、コンテンツ選択処理部11は、前回の終了時に選択されていた科目に基づき、その目次を表すデータを読み出す(ステップA1)。さらに、データ処理部2の登録処理部24を用いて、目次内の各行に対応する最新の学習記録データを読み出す(ステップA2)。
【0058】
つぎに、コンテンツ選択処理部11は、上記のステップA1,A2で読み出されたデータを用いて、図3に示した学習開始画面G1を作成し、これを図示しないモニタに表示する(ステップA3)。ここで、画面内の科目表示欄101に対し、選択科目の変更を指示する操作が行われると(ステップA4が「YES」)、ステップA7に進んで新たに選択された科目の目次データを読み出す。この場合には、再びステップA2,A3の処理を実行することにより、学習開始画面G1を、新たに指定された科目に対応するものに更新する。
【0059】
目次欄102の3種類の呼び出しボタン111,112,113のうち、授業や確認テストの呼び出しボタン111,112には、それぞれ対応するコンテンツコード(学習項目コードに授業または確認テストを示す種別コードを組み合わせたもの)によるリンクが設定されている。また、基礎テストの呼び出しボタン113には、対応する科目の科目コードおよび単元の単元コードを組み合わせたコード(以下、「基礎テストコード」という。)によるリンクが設定されている。コンテンツ選択処理部11は、これらのボタン111〜113のいずれかが操作されると(ステップA5が「YES」)、操作されたボタンにリンクしているコードをコンテンツ実行部12に提供する(ステップA8)。
【0060】
ステップA8が実行されると、学習コンテンツ選択受付処理は終了し、図8に示すコンテンツ実行処理が開始される。このほか、学習開始画面G1において、他の画面に切り替える操作(ボタン103〜106に対して実行されるもの)があった場合(ステップA6が「YES」)にも、学習コンテンツ選択受付処理を終了し、切替操作に応じた処理を開始する。
【0061】
つぎに、図8の手順は、上記のコンテンツの選択処理を受けたコンテンツ実行部12が、データ処理部2と協働して実行する。
まずコンテンツ実行部12は、図7のステップA8の処理により渡されたコードをコンテンツ読出部21に与え、これに応じてコンテンツ読出部21は、当該コードに対応する学習コンテンツのフォルダにアクセスする(ステップB1)。具体的には、授業または確認テストが選択された場合には、その学習コンテンツに対応するコンテンツコードが提供されるので、そのコンテンツコードが付与されたフォルダにアクセスする。
【0062】
一方、基礎テストが選択された場合には、科目コードおよび単元コードを含む基礎テストコードが提供されているので、コンテンツ読出部21は、このコードにより対応関係定義データテーブル34を参照して、当該コードが示す科目および単元に対応する学習項目をすべて特定する。そして、これらの学習項目の項目コードに基礎テストの種別コードを対応づけたものをコンテンツコードとして特定し、これらのコードに対応するフォルダに順にアクセスする。
【0063】
つぎに、授業以外の学習コンテンツが選択されている場合(ステップB2が「NO」)には、アクセスしたフォルダ内の演習問題の定義ファイルを参照して、実行可能な演習問題を対象にした抽選を実行し、所定数(n個)の問題を選択する(ステップB3)。なおnの数も定義ファイルに定義されており、選択された学習コンテンツによって変動する可能性がある。
【0064】
この後、コンテンツ実行部12は、コンテンツ実行画面を立ち上げ、選択された各演習問題について、コンテンツ読出部21にコンテンツ用データベース3から必要なコンテンツデータの読み出しを要求し、この要求に応じてコンテンツ読出部21が読み出したコンテンツデータを提示する処理を繰り返す(ステップB4,B5)。
【0065】
ここで、ステップB4で実行される処理について、詳細に説明すると、まずコンテンツ実行部12は、選択された演習問題を提示して解答の入力を受け付ける。また、解答が入力されると、その解答は採点処理部22に渡される。採点処理部22では、実行中の学習コンテンツのコンテンツコードや問題の識別コードに基づき解答データテーブル36を参照して、入力された解答の正否を判定し、この判定に応じて採点を実行し、採点結果をコンテンツ実行部12に返す。
コンテンツ実行部12は、この採点結果に応じて、次に提示する画面を変更する。たとえば、解答が正しいとする判定を得た場合には「正解」を報知する画面を提示し、解答が誤りであるとする判定を得た場合には、「間違い」を報知するとともに、正しい答えを導くための解説画面を提示する。
【0066】
このようにして、選択された問題が全て実行されると(ステップB5が「YES」)、採点処理部22により、実施されたテストの得点、および全ての問題に正解した場合の得点(満点)が算出される(ステップB6)。
これらの得点は、実行された学習コンテンツのコンテンツコードとともに成績処理部23に渡される。成績処理部23は、コンテンツコードにより科目データテーブルおよび学習項目データテーブルを参照して当該コードに対応する科目名および学習単元名を特定し、これらや各集計値を含む学習記録データを作成する。さらに、登録処理部24は、この学習記録データに本日の日付を付したものを学習履歴データテーブル51に格納する(ステップB7)。
【0067】
選択された学習コンテンツが授業である場合(ステップB2が「YES」)には、アクセスしたエリア内のコンテンツデータの全てを選択し、定義に基づき提示する(ステップB8)。また、この場合にも、ステップB7において、成績記録データが作成され、学習履歴データテーブル51に格納される。
【0068】
成績記録データの作成および保存が終了すると、再び、図7に示した学習コンテンツの選択受付処理がステップA1から実行される。これにより、表示画面は、学習開始画面G1に戻るが、このとき、直前に実行された学習コンテンツに対応する表示はコンテンツの実行を反映したものに更新される。
【0069】
なお、図8には示していないが、この実施例のコンテンツ実行処理では、選択された学習コンテンツが終了するより前に、ユーザのキャンセル操作に応じて当該学習コンテンツの実行中止することができる。ただし、この学習コンテンツで演習問題が提示され、解答が入力されている場合には、解答の入力および採点が終了した演習問題を対象に、得点を算出し(ステップB6)、成績記録データの作成および保存(ステップB7)も実行する。
【0070】
図9は、学習履歴データテーブル51に蓄積された学習記録データの例を示す。なお、図9では、確認テストおよび基礎テストに対応する学習記録データのみを示すとともに、1レコード分の学習記録データに、格納された順に、a,b,c,d・・oの符号を付けている。
【0071】
図9に示すように、この実施例の学習記録データには、月日、科目、学習項目、種別、満点、得点の各データが含まれる。これらのうち、月日はデータが格納された月日であるが、これは実質的には学習コンテンツが実行された月日を意味する。
学習項目および種別は、それぞれ実行された学習コンテンツのコンテンツコードから導出され、科目は、学習項目により対応関係定義テーブル34を参照することにより導出される。種別が「確認」となっているデータは確認テストの結果を示し、種別が「基礎」となっているデータは基礎テストの結果を示す。満点および得点は、図8のステップB6で算出されたものである。なお、科目、学習項目、種別の各データは、実際にはそれぞれのコードにより格納することができる。
【0072】
また、図9中のデータf,g,m,n,o(網点パターンを付けたもの)に示すように、この実施例では、基礎テストに関する学習履歴データを学習項目毎に分けて作成する。このようにすることにより、学習項目毎の得点の累計値に、単元の単位で実施される基礎テストの得点を加えることが容易になる。
【0073】
また、図9には示していないが、応用テストに関しても、学習項目毎に成績記録データが作成され、学習履歴データテーブル51に格納されるので、応用テストに対する得点も得点の累計値に含めることができる。また、授業に関しても、学習項目毎に学習記録データが作成されるが、この学習記録データは得点データを含まないものとなる。
【0074】
先の図3に示した学習開始画面G1は、図9の学習履歴データテーブル51に9月9日までに蓄積されたデータ(データa〜lのほか図示していない授業用の学習コンテンツの成績記録データを含む。)を反映したものである。
【0075】
つぎに、図10は、学習記録表示画面G2に関する処理の手順を示す。この処理は、学習記録処理部13がデータ処理部2と協働して実行するものである。
この処理では、まず登録処理部24により、学習履歴データテーブル51から当月の学習記録データが読み出される(ステップC1)。つぎのステップC2で、学習記録処理部13は、読み出されたデータを用いて、各学習日の得点を科目毎に集計し、各集計値を該当する日付の欄に入れたカレンダー201を表示する。
【0076】
さらにステップC3では、個別記録表示欄202に本日の学習記録データを表示する。先の図4に示した学習記録表示画面は、2009年9月10日の学習を終えた時点のもので、カレンダー201の表示は図9に示した学習記録データa〜oを反映したものになっている。また、個別記録表示欄202の表示は、図9の学習記録データm,n,oにより設定されたものである。なお、この個別記録表示欄202の表示においては、欄内の各行の学習項目に、それぞれその行が示す学習記録データに対応する学習コンテンツのコンテンツコードによるリンクを設定する。
【0077】
上記の表示の後に、矢印マーク206,207のクリック操作等によりカレンダー201の表示の変更が指示されると(ステップC4が「YES」)、学習記録処理部13は、登録処理部24に指示された月の学習記録データの読み出しを要求し、読み出されたデータを用いてカレンダー201の表示を更新する(ステップC5)。
【0078】
またカレンダー201内の日付または矢印マーク204,205に対するクリック操作により、個別記録表示欄202の表示対象の日の変更が指示された場合(ステップC6が「YES」)には、学習記録処理部13は、指示された日の学習記録データを用いて個別記録表示欄202の表示を更新する(ステップC10)。
【0079】
個別記録表示欄202の弱点補強ボタン203が操作された場合(ステップC7が「YES」)には、そのときに個別記録表示欄202に表示されている学習記録データのうち、得点が合格点に達していないデータの表示色を赤色に変更する(ステップC11)。
【0080】
個別記録表示欄202内の学習項目の表示位置がクリックされた場合(ステップC8が「YES」)には、そのクリックされた位置にリンクするコンテンツコードをコンテンツ実行部12に提供し、その後に学習記録表示処理を終了する。これにより、コンテンツ実行部12を主体とする図8の手順が開始され、選択された学習項目に対応する学習コンテンツが実行されることになる。
【0081】
なお、図4,5に示すように、個別記録表示欄202では、基礎テストの学習記録が学習項目毎に分けられるので、これらの学習項目にも対応する学習コンテンツのコンテンツコードによるリンクを設定することができる。したがって、個別記録表示欄202で基礎テストに対応する学習項目が選択された場合には、選択された学習項目に限定した基礎テストが実施される。図8により説明したように、この実施例では、演習用の学習コンテンツを実行する場合には、その都度、演習問題をランダムに選択するので、学習項目単位での基礎テストを実行する場合にも、十分な量の演習問題を提示することができる。
【0082】
上記のクリック操作のほか、画面の切替指示を受け付けた場合(ステップC9が「YES」)にも、学習記録表示が終了し、指示された画面に関する処理に移行する。
【0083】
つぎに、図11は、総合成績表示画面G3に関する処理の手順を示す。この処理は、総合成績処理部14がデータ処理部2と協働することにより実施される。
【0084】
まず最初のステップD1では、選択中の科目の科目コードに基づき、学習履歴データテーブル51からこの科目コードを含む全ての学習記録データが読み出される。この処理は、登録処理部24により実施される。
【0085】
上記の読み出しが終了すると、ステップD2では、読み出されたデータを用いて、学習項目毎に得点および満点の累計値を算出する。またステップD3では、上記とは別に、各基礎テストについて、得点および満点の累計値を算出する。ステップD4では、ステップD2,D3の算出結果を反映した総合成績表示画面G3を表示する。
【0086】
図6に示した総合成績表示画面G3は、図9の各成績記録データを用いて作成されたものである。たとえば、単元名が「正の数・負の数」の単元の1番目の学習項目「0より小さい数」に対して表示されている得点や到達度は、図9の学習記録データのうちのa,d,fの各データによるものであり、2番目の学習項目「数の大小」に対して表示されている得点は、b,c,e,gの各データによるものである。また、この単元の基礎テスト(「基礎テスト1」)に対して表示されている得点は、f,gの各データによるものである。
【0087】
また、この実施例の総合成績表示画面G3では、基礎テストの成績を表示する行を除く各行の学習項目に、それぞれ当該項目に係る確認テストのコンテンツコードによるリンクを設定し、基礎テストの成績を表示する行の「基礎テスト」の文字に、対応する基礎テストコードによるリンクを設定する。
【0088】
図11に戻って、上記のようにして総合成績表示画面G3が表示された後に弱点補強ボタン303が操作されると(ステップD5が「YES」)、総合成績処理部14は、画面中で具体的な成績が表示されている行のうち、到達度の値が基準値未満の行の表示色を赤色に変更する(ステップD8)。
【0089】
総合成績表示画面G3で学習項目または基礎テストの表示位置がクリックされると(ステップD6が「YES」)、そのクリック位置にリンクしているコードをコンテンツ読出部12に提供し(ステップD9)、総合成績の表示処理を終了する。これにより、コンテンツ実行部12を主体とする図8の手順が開始されて、選択された位置に対応する学習コンテンツが開始されることになる。
【0090】
上記のクリック操作のほか、画面を切り替える操作が行われた場合(ステップD7が「YES」)にも、総合成績表示処理が終了し、指定された画面に関する処理が開始される。なお、この実施例では、基礎テストにおける得点を学習項目毎に分配して、確認テストの得点とともに累計しているが、これに限らず、基礎テストや図示しない応用テストにより取得した得点や満点に対し、何らかの重み付けをしてから累計処理を行うようにしてもよい。
【0091】
上記に説明したように、この実施例のアプリケーションによれば、学習者は単に各学習項目を順番に学習するだけでなく、学習記録表示画面G2で過去の学習記録を適宜確認し、弱点補強ボタン203により成績の悪かった学習項目を確認し、学習項目の単位での再学習を行うことができる。さらに、所定期間の学習を行った後に、総合成績表示画面G3を呼び出し、弱点補強ボタン303の操作により、学力が不足している学習項目を確認し、再学習をすることができる。また学習者が赤色の表示がなくなるまで学習を繰り返すことにより、自然に到達度が高められ、どの学習項目に対しても十分な理解力を得ることができる。また、同じ学習項目を繰り返し学習しても、毎回、内訳が異なる状態にして問題を提示することができるので、学習者の学力を正しく判定することができる。
【0092】
なお、この実施例では、学習記録表示画面G2や総合成績表示画面G3において、弱点補強ボタン203,303の操作により、成績の悪いデータを赤色で表示するようにしたが、このような操作を行うことなく、画面を立ち上げた当初から、正答率や到達度が基準値に達していない学習コンテンツに対応するデータを、他のデータとは異なる色彩で表すようにしてもよい。また、色彩に限らず、マークを添付するなどの方法により識別表示を行うようにしてもよい。また、正答率や到達度が基準値に達していない学習コンテンツのみを再学習の対象とするのであれば、学習記録表示画面G2や総合成績表示画面G3では、再学習の対象となる学習コンテンツに対応する行にのみ該当するコンテンツを呼び出すボタンを設定してもよい。
【0093】
また、学習記録表示画面G2や総合成績表示画面G3における弱点補強ボタン203,303の操作に対して表示色を変更する場合の基準値に関しては、所定の値以上を入力することを条件に、学習者による変更を受け付けるようにしてもよい。また、提示される問題に関しても学力のレベルに応じて分類し、学習者によりレベルを選択できるようにしてもよい。このようにすれば、学習意欲の高い学習者に対しても、十分な支援を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0094】
1 ユーザインターフェース
2 データ処理部
3 コンテンツ用データベース
4 固定データテーブル群
5 可変データテーブル群
11 コンテンツ選択処理部
12 コンテンツ実行部
13 学習記録処理部
14 総合成績処理部
21 コンテンツ読出部
22 採点処理部
23 成績処理部
24 登録処理部
51 学習履歴データテーブル
G1 学習開始画面
G2 学習記録表示画面
G3 総合成績表示画面
G4 コンテンツ実行画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、小中学生や高校生の自主学習を支援するためのアプリケーションソフトウェアを構成するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小中学生や高校生を対象にした学習支援用のアプリケーションとして、従来より、単元または学習項目の単位で演習問題を提示し、学習者による解答の入力を受け付けて採点を行い、採点結果を表示するものがある。また、この種のアプリケーションでは、毎回の採点結果を成績履歴として保存し、適宜、単元や学習項目に対応づけて成績を表示することにより、学習者に自分の弱点を認識させるようにしている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、学力を向上するには反復学習が有効であることはよく知られており、コンピュータにより自主学習を支援するシステムの中に、学習者が間違えた問題を繰り返し提示することによって、弱点を克服させるようにしたものがある。
【0004】
たとえば、特許文献2には、ネットワークを介して学習者の端末装置と通信をすることにより、問題の提示および学習者からの解答の入力を受け付けるシステムにおいて、単元毎に複数の問題を提示し、全ての問題に正解するまで間違えた問題の提示を繰り返すことが記載されている。さらに特許文献2には、学習対象の単元の全問題に正解したときに、それまでに提示された延べ問題数や延べ解答時間などを用いて学力指数を算出し、学力指数に応じた問題を提示することにより、各学習者が自分の学力に適した学習を実施できるようにすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−16065号公報
【特許文献2】特開2002−287608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、過去の成績を単元毎に表示することが記載されているが、単元のような大きな学習単位で成績を表しても、学習者に、どの点の理解が不足しているのかを把握させるのは困難である。また、これまでの成績の履歴や平均点を表示するだけではインパクトに欠け、成績が悪い場合でも、学習者に再学習の必要性を実感させにくい。また、学習者が再学習の必要性を認識したとしても、その再学習に直ちに取り組めるようにしなければ、学習者の意欲が薄れてしまうおそれがある。
【0007】
特許文献2には、学習対象の単元に関する演習問題を繰り返し実施し、正答率が向上したことをもって学習を終了することが示されているが、このような方法でも、学力を十分に高められない可能性がある。たとえば、演習を終了した直後であれば、学習者は、間違えた問題に対して示された正解を覚えている可能性が高いため、再学習で比較的良い点を取得できる可能性が高いが、この得点は単に正解を記憶したことにより得た可能性がある。この場合には、学習者の理解が不十分であるため、正解を忘れた頃に再び同じ問題に取り組むと、再び低い得点しか得られない可能性がある。
【0008】
また、学力を向上させるには、学習者自身に自分の弱点をしっかりと認識させるとともに、その弱点分野を速やかに反復学習できるように学習者を導く必要がある。特許文献2には、学習者の学力レベルを自動算出して、そのレベルに適した問題を提示することが示されているが、このような方法では、学習者は自分の学力を認識できないまま提示された問題を受け身で解くだけとなり、学力を十分に高められないおそれがある。
【0009】
本発明は上記の問題点に着目し、学習者に弱点分野をきめ細かく示すとともに、その弱点分野に対する学習を弱点を克服するまで繰り返すように学習者を導くことを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の学習支援用のプログラムは、表示部および入力部が接続されたコンピュータを、学習者の学習を支援するための装置として機能させるためのものである。具体的に、本発明によるプログラムでは、以下の選択受付手段、コンテンツ実行手段、得点算出手段、学習履歴手段、および学習結果表示手段の各手段としてコンピュータを動作させる。
【0011】
選択受付手段は、複数の単元を各単元に含まれる学習項目とともに示した学習開始画面を表示して学習項目の選択を受け付ける。コンテンツ実行手段は、選択受付手段が学習項目の選択を受け付けたことに応じて、選択された学習項目につきあらかじめ用意されているコンテンツデータを用いて、演習問題の提示および解答の入力の受付、ならびに入力された解答に対する採点結果の表示を含む学習コンテンツを実行する。
【0012】
得点算出手段は、コンテンツ実行手段により実行された学習コンテンツにより提示された演習問題に対する解答の採点結果を学習項目単位で集計して、学習項目毎の得点を求める。学習履歴蓄積手段は、得点算出手段により算出された学習項目毎の得点を、該当する学習項目および学習コンテンツの実行日に紐付けた学習記録データを作成し、作成された学習記録データを学習履歴としてメモリに蓄積する。
【0013】
学習結果表示手段は、学習履歴蓄積手段により蓄積された学習記録データを用いて、日々の学習の記録を表示する学習記録表示画面および過去に実行された学習コンテンツに対する学習者の総合成績を表示する総合成績表示画面を、それぞれ学習者の呼び出し操作に応じて立ち上げる。さらに詳しくいうと、学習結果表示手段には、学習記録表示画面において、実行された学習コンテンツに対して学習者が取得した得点を学習項目毎に表示するとともに、この得点が合格点を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、総合成績表示画面において、学習項目毎に、当該項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を到達度として表示するとともに、この到達度があらかじめ定めた基準値を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、表示された画面内の所定の学習項目に対する選択操作が行われたことに応じて、選択された学習項目に対応する学習コンテンツの実行をコンテンツ実行手段に要求する手段とが、設けられる。
【0014】
上記のプログラムが導入されたコンピュータによれば、学習者は、学習開始画面で学習項目を選択することにより、選択した学習項目に対応する演習問題の提示を受け、学習を進めることができる。なお、学習開始画面では、学習項目単位での選択を受け付けるほか、単元の選択に応じて、その単元に含まれる複数の学習項目が選択されたとみなすようにしてもよい。
【0015】
また、学習者は、学習記録表示画面を呼び出すことにより、日々の学習の結果を学習項目毎に把握することができる。また、この画面では、得点が合格点に達していない学習項目が識別表示され、また識別表示された学習項目を選択することによって、当該項目に対応する学習コンテンツを実行することができるので、学習者に、理解が不足している学習項目があることを認識させ、速やかにその学習項目を再学習するように導くことができる。
【0016】
このようにして学習を進めて所定の期間が経過したときに、学習者が総合成績表示画面を呼び出すと、学習項目毎に到達度が表示され、その中で到達度が基準値に達していない学習項目が識別表示される。本発明では、学習項目毎に、その項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を、到達度として示すとともに、上記の識別表示を行うので、学習者に自身の弱点となる学習項目を正しく認識させ、かつ弱点を克服するまで反復学習に取り組むように導くことができる。
【0017】
たとえば、最初の得点が合格点をかなり下回った学習項目に関しては、2回目の学習で合格点を得ることができても、到達度が基準値を下回り、識別表示がなされる。この場合には、学習者がさらに学習を繰り返して、毎回、合格点を得ることができなければ、識別表示は消失しない。よって、学習者は、識別表示がされた学習項目が通常の表示になるまで学習を続ける必要があると認識し、反復学習に取り組むことができる。また、総合成績表示画面中の学習項目を選択することによって、選択された項目に対応する学習コンテンツをすぐに立ち上げることができるので、学習項目の識別表示により反復学習の必要性を認識した学習者を速やかに反復学習に導くことができる。
【0018】
したがって本発明によれば、学習者は、学習の最小単位である学習項目毎に日々の学習結果を振り返って、合格点に達していない学習項目を認識し、その学習項目を容易に再学習することができる。さらに、総合成績表示画面を利用して、弱点の学習項目について、単に合格点がとれるようになった時点まででなく、成績がより安定した状態になるまで学習を繰り返すことができるので、成績を大幅に向上することが可能になる。
【0019】
本発明の好ましい態様によるプログラムでは、コンテンツ実行手段を、学習開始画面、学習記録表示画面、および総合成績表示画面における学習項目の選択操作に対し、選択された学習項目に対してコンピュータに登録されている相当数の演習問題の中の所定数をランダムに選択し、選択された演習問題による学習コンテンツを実行するように構成する。このようにすれば、学習者が同じ学習項目を繰り返し選択しても、提示される演習問題の内訳を毎回異なるものにすることができるから、学習者が単純に解答を覚えたことにより成績が向上するのを防止することができる。よって、学習者の理解力が本当に高められるまで学習を繰り返すように導くことができ、学習の効果をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、学習者が自分の弱点となる学習項目を容易に認識することができるようにし、またこの弱点が克服されるまで学習を繰り返すように学習者を導くことが可能になる。よって、学習者の学力の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用されたアプリケーションの機能ブロック図である。
【図2】ユーザインターフェースにより提示される各種画面の関係を示す図である。
【図3】学習開始画面の構成例を示す図である。
【図4】学習記録表示画面の構成例を示す図である。
【図5】図4の学習記録表示画面の表示が変更された例を示す図である。
【図6】総合成績表示画面の構成例を示す図である。
【図7】学習コンテンツの選択受付に関する処理に関するフローチャートである。
【図8】学習コンテンツの実行に関するフローチャートである。
【図9】学習履歴データテーブルのデータ構成の例を示す図である。
【図10】学習記録の表示に関するフローチャートである。
【図11】総合成績の表示に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明が適用されたアプリケーションの構成例を示す。
このアプリケーションは、パーソナルコンピュータを、中学生の自主学習を支援するための装置として機能させるもので、ユーザインターフェース1、データ処理部2、コンテンツ用データベース3、固定データテーブル群4、および可変データテーブル群5などにより構成される。これらの機能は、パーソナルコンピュータのハーディスク装置にインストールされた相当数のプログラムファイルおよびデータファイルにより設定される。
【0023】
ユーザインターフェース1は、図示しないモニタに種々の画面を表示するとともに、マウス、キーボードなどの入力部を介して学習者からの入力を受け付ける。図1では、ユーザインターフェース1に含まれる主要な機能として、コンテンツ選択処理部11、コンテンツ実行部12、学習記録処理部13、総合成績処理部14を示すが、これらのほか、ユーザインターフェース1には、学習者の登録情報を受け付ける機能や登録された学習者のログインを受け付ける機能などが設けられる。
【0024】
データ処理部2は、ユーザインターフェース1に出力用のデータを提供したり、ユーザインターフェース1が受け付けたデータを処理するためのもので、コンテンツ読出部21、採点処理部22、成績処理部23、登録処理部24などが含まれる。
【0025】
この実施例の学習コンテンツは、複数の画面を順に切り替えて表示することにより、複数の演習問題を順に提示して、問題毎に解答の入力および採点結果の報知を行う。また、誤った答えが入力された場合には、正しい答えを導くための解説画面などが提示される。
【0026】
コンテンツ用データベース3には、学習コンテンツ毎に、コンテンツデータの格納領域(フォルダ)が設定され、それぞれのフォルダに、画像、音声、テキストなどによるコンテンツデータのファイルや、学習コンテンツの実行に必要な定義が書き込まれたファイルなどが格納される。
【0027】
また、この実施例の学習コンテンツは、それぞれ特定の学習項目に対応づけられる。コンテンツ用データベース3内の各学習コンテンツのフォルダには、それぞれ対応する学習項目の学習項目コードとコンテンツの種別(詳細は後記する。)を示す種別コードとを組み合わせたコード(以下、「コンテンツコード」という。)を含むフォルダ名が設定される。よって、このコンテンツコードにより特定の学習コンテンツを読み出すことが可能になる。
【0028】
固定データテーブル群4には、開発者により作成され、内容の書き換えが禁止された複数のデータテーブルが含まれる。これらのうち、科目データテーブル31には、中学生の主要教科の全科目名がそれぞれ科目コードに対応づけて登録される。単元データテーブル32には、各科目に設定された単元の単元名がそれぞれ単元コードに対応づけて登録される。また学習項目データテーブル33には、各単元に設定された学習項目の項目名がそれぞれ学習項目コードに対応づけて登録される。
【0029】
対応関係定義データテーブル34は、上記の3種類のデータテーブルに登録された科目、単元、学習項目の関係を定義するものである。具体的に、この実施例の対応関係定義データテーブル34には、各学習項目の学習項目コードにそれぞれ上位の単元の単元コードおよび上位の科目の科目コードを組み合わせたものが格納される。
なお、科目、単元、学習項目に関するデータ構成は、上記の例に限らず、これらの間の階層関係が導出できるような構成のデータテーブルが設定されていればよい。
【0030】
解答データテーブル36には、学習コンテンツで提示される演習問題に対する解答が格納される。具体的に解答データテーブル36は、各学習コンテンツのコンテンツコードと当該コンテンツで提示される演習問題の識別コードとを組み合わせて、各組み合わせにそれぞれ正解の解答を対応づけた形式に構成される。
【0031】
可変データテーブル群5には、学習履歴データテーブル51、ユーザ登録用データテーブル52などが含まれる。
ユーザ登録用データテーブル52には、ユーザインターフェース1のユーザ登録機能により受け付けた学習者の名前や識別コードなどが登録される。この学習者の登録は一人に限らず、複数の学習者を登録することもできる。
【0032】
学習履歴データテーブル51には、実行された学習コンテンツやその学習コンテンツにより提示された演習問題に対する学習結果などが実行順に蓄積される。なお、この実施例では、ユーザ登録用データテーブル52に学習者が登録されたことに応じて新規の学習履歴データテーブル51を作成するようにしている。したがって、複数人の学習者が登録された場合には、各学習者毎に学習履歴データテーブル51が設定される。
【0033】
図2は、ユーザインターフェース1により提示される主要な画面の関係を示す。
この図に示すように、この実施例のアプリケーションでは、まずログイン画面GLにより学習者のログインを受け付けた後に、メニュー画面G0を提示する。メニュー画面G0は、学習開始画面G1、学習記録表示画面G2、総合成績表示画面G3などを選択できるように構成されている。
【0034】
学習開始画面G1はコンテンツ選択処理部11により作成され、学習記録表示画面G2は学習記録処理部13により作成され、総合成績表示画面G3は総合成績処理部14により作成される。これらの画面G1,G2,G3はそれぞれ相互に移動できるように設定されている。
【0035】
また、これらの画面G1,G2,G3では、それぞれ学習コンテンツの選択を受け付ける。この選択が受け付けられると、画面はコンテンツ実行画面G4に切り替えられ、選択された学習コンテンツが実行される。また、学習コンテンツの実行が終了すると、実行前の画面に復帰する。
【0036】
図3は、学習開始画面G1の具体例を、図4および図5は学習記録表示画面G2の具体例を、図6は総合成績表示画面G3の具体例を、それぞれ示す。以下、これらの図を参照して、各画面の構成を順に説明する。
【0037】
図3に示す学習開始画面G1には、科目選択欄101と、選択された科目に対応する目次欄102とが設けられる。科目選択欄101には、科目毎に選択ボタン107が設けられており、これらのボタン107により科目の選択が切り替えられると、これに応じて目次欄102の表示が更新される。図3の例の画面では、「数学S1」(中学1年生の数学)が選択されている。
【0038】
目次欄102では、選択された科目に設定された学習コンテンツが、単元および学習項目の階層構造に対応づけて並べられる。この実施例では、各学習項目にそれぞれ解説用のコンテンツ(以下、「授業」という。)と演習用のコンテンツ(以下、「確認テスト」という。)とを設け、これらを2行に分けて表示するとともに、各行にそれぞれ呼び出し用のボタン111,112を設定する。また、各単元の最終行に、それぞれ単元内の全ての学習項目を対象にしたまとめ演習(以下、「基礎テスト」という。)を示し、この行に基礎テスト用のコンテンツの呼び出しボタン113を設定する。各呼び出しボタン111,112,113には、それぞれコンテンツの種別を示す文字(「授業」「確認」「基礎」)が付与される。
【0039】
さらに、実行された学習コンテンツに対してはその実行回数を示す丸印が表示され(図中の「チャレンジ」の欄)、さらに確認テストや基礎テストには、直近に実施された当該コンテンツで学習者が獲得した得点が全問正解した場合の得点(満点)とともに表示される。
【0040】
さらに、この実施例の学習コンテンツ選択画面G1には、応用テストへの切替用のボタン103、学習記録表示画面G2への切替用のボタン104、総合成績表示画面G3への切替用のボタン105、アプリケーションの終了を指示するボタン106などが設けられる。
【0041】
応用テストの切替用のボタン103を操作すると、目次欄102は応用テストに対応する表示に切り替えられる。応用テストに関しては詳細な説明を省略するが、この応用テストは学習項目毎に作成され、確認テストや基礎テストと同様の手順により、学習コンテンツの実行や成績の記録処理が実行される。
【0042】
つぎに、図4,5に示す学習記録表示画面G2には、1か月分のカレンダー201が表示される。このカレンダー201内の各日付の欄には、その日の学習で学習者が取得した得点の合計値が科目毎に表示される。また、カレンダー201の下方には、特定の日の学習記録を表示する欄202(以下「個別記録表示欄202」という。)が設けられる。
なお、図4,5の表示例では、後記する図9の学習記録データに基づき、「数1」の学習記録のみが表示された状態とするが、他の科目も学習されている場合には、これらの科目を含めた学習記録を表示することができる。
【0043】
上記のカレンダー201および個別記録表示欄202の表示は、立ち上がり時には、当月および本日のものに設定される。学習者がカレンダー201内の所望の日をクリックすると、個別記録表示欄202の表示は、クリックされた日の学習記録に更新される。
【0044】
また、個別記録表示欄202の日付表示の左側の矢印マーク204をクリックすると、この欄の表示は、現在表示されている日の前の日の学習記録に更新され、右側の矢印マーク205をクリックすると、この欄の表示は、現在表示されている日の次の日の学習記録に更新される。たとえば、9月10日の学習記録が表示された図4の画面において、矢印マーク204がクリックされると、図5に示すように、表示は、前日の9月9日の学習記録を表示するものに切り替えられる。また図5に示す画面において、矢印マーク205がクリックされると、再び図4に示す画面が表示される。
【0045】
さらに、この実施例では、カレンダー201に関しても、前月の表示に切り替えるための矢印マーク206と、翌月の表示に切り替えるための矢印マーク207とを設け、これらのクリックに応じて、カレンダー201の表示を切り替えるようにしている。
よって、学習者は、カレンダー201で過去の学習記録を簡単に確認しながら、成績が悪かった日の学習記録を呼び出して、詳細な確認を行うことができる。
【0046】
この実施例の個別記録表示欄202には、さらに、成績の悪かった学習項目を確認するためのボタン203(以下、図中のボタンの名称を用いて「弱点補強ボタン203」という。)が設けられている。個別記録表示欄202内の学習記録データの表示は、通常は黒色に統一されているが、弱点補強ボタン203が操作されると、合格点に達していない得点(この実施例では満点の60%を合格点とする。)を示す表示が赤色に変化する。図4,5では、右手に矢印を付けた行が赤色表示の対象となる行である。
【0047】
上記のほか、学習記録表示画面G2には、学習開始画面G1の呼び出し用のボタン208、総合成績表示画面G3の呼び出し用のボタン209、アプリケーションの終了を指示するボタン210などが設けられる。なお、成績記録表示画面G2には必ずしもカレンダー201の表示は必要なく、たとえば、一週間分の成績記録データを日毎に連ねて表示し、これを順に遡って閲覧できるようにしてもよい。
【0048】
つぎに、図6に示す総合成績表示画面G3には、科目別成績欄301が設けられ、現在選択されている科目(数1)の各学習項目が単元毎に分類して示されるとともに、学習項目毎に得点および到達度が表示される。なお、この科目別成績欄301の欄内には、選択中の科目を示す表示ボックス302が設けられており、科目別成績欄301における表示対象の科目は、この表示ボックス302でプルダウンメニューを呼び出して変更することができる。
【0049】
得点の表示欄では、各学習項目毎に、これまでに当該項目につき学習者が取得した得点の累計値が満点の累計値(実施された演習問題の全てに正解した場合の得点)とともに表示される。また到達度の欄には、満点の累計値に対する得点の累計値の割合が算出され、その値が棒グラフにより表示される。
【0050】
さらに、この総合成績表示画面301にも、弱点補強ボタン303が設けられている。弱点補強ボタン303が操作される前の画面では、各学習項目に関する表示は全て黒色に統一されているが、弱点補強ボタン303が操作されると、到達度が所定の基準値を下回る学習項目に関する表示が赤色に変化する。
【0051】
上記のほか、総合成績表示画面G3には、学習開始画面G1の呼び出し用のボタン304、学習記録表示画面G2の呼び出し用のボタン305、アプリケーションの終了を指示するボタン306などが設けられる。
【0052】
図3〜6に示した画面構成によれば、学習者は、学習開始画面G1により学習の進捗状況を確認しながら、単元および学習項目の流れに沿って学習を進めることができる。また、学習記録画面G2を用いて、直近の成績のほか、過去の成績を遡って確認することができる。特に個別記録表示欄202に表示する学習日を特定して弱点補強ボタン203を操作することにより、合格点がとれなかったテストを確認し、さらにその確認画面から再学習の画面に移行することができる。よって、成績の悪かった学習項目に対する再学習を容易に行うことができる。
【0053】
さらに、総合成績表示画面G3では、過去の演習問題で学習者が取得した得点が学習項目単位で累計され、各累計値がそれぞれの満点の累計値や到達度とともに表示されるので、学習者は、どの学習項目が弱点であるかを容易に認識することができる。
また、得点が基準値を下回った学習項目に関しては、学習者が記憶が新しいうちに再学習をして基準値以上の得点を取得できたとしても、必ずしも十分に理解できているとは限らない。この点に関して、この実施例では、学習項目毎の得点の累計値に基づく到達度が十分な値になるまで当該学習項目が弱点として識別表示されるので、特に成績が悪かった学習項目に関しては、安定した成績が得られるまで徹底的に反復学習をするように、学習者を支援することができる。
【0054】
さらに、この実施例では、確認、基礎、応用の各演習問題に関して、学習項目毎に相当数の演習問題を準備し、選択された学習項目に対応する問題の中から所定数をランダムに選択して提示するようにしている。これにより再学習の際には、前の学習とは異なる問題を提示することができるので、学習者が単に解答を覚えていたことにより成績が向上するのを防ぐことができる。
【0055】
以下、学習開始画面G1、コンテンツ実行画面G4、学習記録表示画面G2、総合成績表示画面G3に関して、ユーザインターフェース1およびデータ処理部2により実行される処理を詳細に説明する。
【0056】
図7は、学習開始画面G1に関する処理の手順を示す。
この処理は、ユーザインターフェース1のコンテンツ選択処理部11がデータ処理部2と協働して実行するもので、メニュー画面などからの呼び出し操作に応じて開始される。
【0057】
まず、コンテンツ選択処理部11は、前回の終了時に選択されていた科目に基づき、その目次を表すデータを読み出す(ステップA1)。さらに、データ処理部2の登録処理部24を用いて、目次内の各行に対応する最新の学習記録データを読み出す(ステップA2)。
【0058】
つぎに、コンテンツ選択処理部11は、上記のステップA1,A2で読み出されたデータを用いて、図3に示した学習開始画面G1を作成し、これを図示しないモニタに表示する(ステップA3)。ここで、画面内の科目表示欄101に対し、選択科目の変更を指示する操作が行われると(ステップA4が「YES」)、ステップA7に進んで新たに選択された科目の目次データを読み出す。この場合には、再びステップA2,A3の処理を実行することにより、学習開始画面G1を、新たに指定された科目に対応するものに更新する。
【0059】
目次欄102の3種類の呼び出しボタン111,112,113のうち、授業や確認テストの呼び出しボタン111,112には、それぞれ対応するコンテンツコード(学習項目コードに授業または確認テストを示す種別コードを組み合わせたもの)によるリンクが設定されている。また、基礎テストの呼び出しボタン113には、対応する科目の科目コードおよび単元の単元コードを組み合わせたコード(以下、「基礎テストコード」という。)によるリンクが設定されている。コンテンツ選択処理部11は、これらのボタン111〜113のいずれかが操作されると(ステップA5が「YES」)、操作されたボタンにリンクしているコードをコンテンツ実行部12に提供する(ステップA8)。
【0060】
ステップA8が実行されると、学習コンテンツ選択受付処理は終了し、図8に示すコンテンツ実行処理が開始される。このほか、学習開始画面G1において、他の画面に切り替える操作(ボタン103〜106に対して実行されるもの)があった場合(ステップA6が「YES」)にも、学習コンテンツ選択受付処理を終了し、切替操作に応じた処理を開始する。
【0061】
つぎに、図8の手順は、上記のコンテンツの選択処理を受けたコンテンツ実行部12が、データ処理部2と協働して実行する。
まずコンテンツ実行部12は、図7のステップA8の処理により渡されたコードをコンテンツ読出部21に与え、これに応じてコンテンツ読出部21は、当該コードに対応する学習コンテンツのフォルダにアクセスする(ステップB1)。具体的には、授業または確認テストが選択された場合には、その学習コンテンツに対応するコンテンツコードが提供されるので、そのコンテンツコードが付与されたフォルダにアクセスする。
【0062】
一方、基礎テストが選択された場合には、科目コードおよび単元コードを含む基礎テストコードが提供されているので、コンテンツ読出部21は、このコードにより対応関係定義データテーブル34を参照して、当該コードが示す科目および単元に対応する学習項目をすべて特定する。そして、これらの学習項目の項目コードに基礎テストの種別コードを対応づけたものをコンテンツコードとして特定し、これらのコードに対応するフォルダに順にアクセスする。
【0063】
つぎに、授業以外の学習コンテンツが選択されている場合(ステップB2が「NO」)には、アクセスしたフォルダ内の演習問題の定義ファイルを参照して、実行可能な演習問題を対象にした抽選を実行し、所定数(n個)の問題を選択する(ステップB3)。なおnの数も定義ファイルに定義されており、選択された学習コンテンツによって変動する可能性がある。
【0064】
この後、コンテンツ実行部12は、コンテンツ実行画面を立ち上げ、選択された各演習問題について、コンテンツ読出部21にコンテンツ用データベース3から必要なコンテンツデータの読み出しを要求し、この要求に応じてコンテンツ読出部21が読み出したコンテンツデータを提示する処理を繰り返す(ステップB4,B5)。
【0065】
ここで、ステップB4で実行される処理について、詳細に説明すると、まずコンテンツ実行部12は、選択された演習問題を提示して解答の入力を受け付ける。また、解答が入力されると、その解答は採点処理部22に渡される。採点処理部22では、実行中の学習コンテンツのコンテンツコードや問題の識別コードに基づき解答データテーブル36を参照して、入力された解答の正否を判定し、この判定に応じて採点を実行し、採点結果をコンテンツ実行部12に返す。
コンテンツ実行部12は、この採点結果に応じて、次に提示する画面を変更する。たとえば、解答が正しいとする判定を得た場合には「正解」を報知する画面を提示し、解答が誤りであるとする判定を得た場合には、「間違い」を報知するとともに、正しい答えを導くための解説画面を提示する。
【0066】
このようにして、選択された問題が全て実行されると(ステップB5が「YES」)、採点処理部22により、実施されたテストの得点、および全ての問題に正解した場合の得点(満点)が算出される(ステップB6)。
これらの得点は、実行された学習コンテンツのコンテンツコードとともに成績処理部23に渡される。成績処理部23は、コンテンツコードにより科目データテーブルおよび学習項目データテーブルを参照して当該コードに対応する科目名および学習単元名を特定し、これらや各集計値を含む学習記録データを作成する。さらに、登録処理部24は、この学習記録データに本日の日付を付したものを学習履歴データテーブル51に格納する(ステップB7)。
【0067】
選択された学習コンテンツが授業である場合(ステップB2が「YES」)には、アクセスしたエリア内のコンテンツデータの全てを選択し、定義に基づき提示する(ステップB8)。また、この場合にも、ステップB7において、成績記録データが作成され、学習履歴データテーブル51に格納される。
【0068】
成績記録データの作成および保存が終了すると、再び、図7に示した学習コンテンツの選択受付処理がステップA1から実行される。これにより、表示画面は、学習開始画面G1に戻るが、このとき、直前に実行された学習コンテンツに対応する表示はコンテンツの実行を反映したものに更新される。
【0069】
なお、図8には示していないが、この実施例のコンテンツ実行処理では、選択された学習コンテンツが終了するより前に、ユーザのキャンセル操作に応じて当該学習コンテンツの実行中止することができる。ただし、この学習コンテンツで演習問題が提示され、解答が入力されている場合には、解答の入力および採点が終了した演習問題を対象に、得点を算出し(ステップB6)、成績記録データの作成および保存(ステップB7)も実行する。
【0070】
図9は、学習履歴データテーブル51に蓄積された学習記録データの例を示す。なお、図9では、確認テストおよび基礎テストに対応する学習記録データのみを示すとともに、1レコード分の学習記録データに、格納された順に、a,b,c,d・・oの符号を付けている。
【0071】
図9に示すように、この実施例の学習記録データには、月日、科目、学習項目、種別、満点、得点の各データが含まれる。これらのうち、月日はデータが格納された月日であるが、これは実質的には学習コンテンツが実行された月日を意味する。
学習項目および種別は、それぞれ実行された学習コンテンツのコンテンツコードから導出され、科目は、学習項目により対応関係定義テーブル34を参照することにより導出される。種別が「確認」となっているデータは確認テストの結果を示し、種別が「基礎」となっているデータは基礎テストの結果を示す。満点および得点は、図8のステップB6で算出されたものである。なお、科目、学習項目、種別の各データは、実際にはそれぞれのコードにより格納することができる。
【0072】
また、図9中のデータf,g,m,n,o(網点パターンを付けたもの)に示すように、この実施例では、基礎テストに関する学習履歴データを学習項目毎に分けて作成する。このようにすることにより、学習項目毎の得点の累計値に、単元の単位で実施される基礎テストの得点を加えることが容易になる。
【0073】
また、図9には示していないが、応用テストに関しても、学習項目毎に成績記録データが作成され、学習履歴データテーブル51に格納されるので、応用テストに対する得点も得点の累計値に含めることができる。また、授業に関しても、学習項目毎に学習記録データが作成されるが、この学習記録データは得点データを含まないものとなる。
【0074】
先の図3に示した学習開始画面G1は、図9の学習履歴データテーブル51に9月9日までに蓄積されたデータ(データa〜lのほか図示していない授業用の学習コンテンツの成績記録データを含む。)を反映したものである。
【0075】
つぎに、図10は、学習記録表示画面G2に関する処理の手順を示す。この処理は、学習記録処理部13がデータ処理部2と協働して実行するものである。
この処理では、まず登録処理部24により、学習履歴データテーブル51から当月の学習記録データが読み出される(ステップC1)。つぎのステップC2で、学習記録処理部13は、読み出されたデータを用いて、各学習日の得点を科目毎に集計し、各集計値を該当する日付の欄に入れたカレンダー201を表示する。
【0076】
さらにステップC3では、個別記録表示欄202に本日の学習記録データを表示する。先の図4に示した学習記録表示画面は、2009年9月10日の学習を終えた時点のもので、カレンダー201の表示は図9に示した学習記録データa〜oを反映したものになっている。また、個別記録表示欄202の表示は、図9の学習記録データm,n,oにより設定されたものである。なお、この個別記録表示欄202の表示においては、欄内の各行の学習項目に、それぞれその行が示す学習記録データに対応する学習コンテンツのコンテンツコードによるリンクを設定する。
【0077】
上記の表示の後に、矢印マーク206,207のクリック操作等によりカレンダー201の表示の変更が指示されると(ステップC4が「YES」)、学習記録処理部13は、登録処理部24に指示された月の学習記録データの読み出しを要求し、読み出されたデータを用いてカレンダー201の表示を更新する(ステップC5)。
【0078】
またカレンダー201内の日付または矢印マーク204,205に対するクリック操作により、個別記録表示欄202の表示対象の日の変更が指示された場合(ステップC6が「YES」)には、学習記録処理部13は、指示された日の学習記録データを用いて個別記録表示欄202の表示を更新する(ステップC10)。
【0079】
個別記録表示欄202の弱点補強ボタン203が操作された場合(ステップC7が「YES」)には、そのときに個別記録表示欄202に表示されている学習記録データのうち、得点が合格点に達していないデータの表示色を赤色に変更する(ステップC11)。
【0080】
個別記録表示欄202内の学習項目の表示位置がクリックされた場合(ステップC8が「YES」)には、そのクリックされた位置にリンクするコンテンツコードをコンテンツ実行部12に提供し、その後に学習記録表示処理を終了する。これにより、コンテンツ実行部12を主体とする図8の手順が開始され、選択された学習項目に対応する学習コンテンツが実行されることになる。
【0081】
なお、図4,5に示すように、個別記録表示欄202では、基礎テストの学習記録が学習項目毎に分けられるので、これらの学習項目にも対応する学習コンテンツのコンテンツコードによるリンクを設定することができる。したがって、個別記録表示欄202で基礎テストに対応する学習項目が選択された場合には、選択された学習項目に限定した基礎テストが実施される。図8により説明したように、この実施例では、演習用の学習コンテンツを実行する場合には、その都度、演習問題をランダムに選択するので、学習項目単位での基礎テストを実行する場合にも、十分な量の演習問題を提示することができる。
【0082】
上記のクリック操作のほか、画面の切替指示を受け付けた場合(ステップC9が「YES」)にも、学習記録表示が終了し、指示された画面に関する処理に移行する。
【0083】
つぎに、図11は、総合成績表示画面G3に関する処理の手順を示す。この処理は、総合成績処理部14がデータ処理部2と協働することにより実施される。
【0084】
まず最初のステップD1では、選択中の科目の科目コードに基づき、学習履歴データテーブル51からこの科目コードを含む全ての学習記録データが読み出される。この処理は、登録処理部24により実施される。
【0085】
上記の読み出しが終了すると、ステップD2では、読み出されたデータを用いて、学習項目毎に得点および満点の累計値を算出する。またステップD3では、上記とは別に、各基礎テストについて、得点および満点の累計値を算出する。ステップD4では、ステップD2,D3の算出結果を反映した総合成績表示画面G3を表示する。
【0086】
図6に示した総合成績表示画面G3は、図9の各成績記録データを用いて作成されたものである。たとえば、単元名が「正の数・負の数」の単元の1番目の学習項目「0より小さい数」に対して表示されている得点や到達度は、図9の学習記録データのうちのa,d,fの各データによるものであり、2番目の学習項目「数の大小」に対して表示されている得点は、b,c,e,gの各データによるものである。また、この単元の基礎テスト(「基礎テスト1」)に対して表示されている得点は、f,gの各データによるものである。
【0087】
また、この実施例の総合成績表示画面G3では、基礎テストの成績を表示する行を除く各行の学習項目に、それぞれ当該項目に係る確認テストのコンテンツコードによるリンクを設定し、基礎テストの成績を表示する行の「基礎テスト」の文字に、対応する基礎テストコードによるリンクを設定する。
【0088】
図11に戻って、上記のようにして総合成績表示画面G3が表示された後に弱点補強ボタン303が操作されると(ステップD5が「YES」)、総合成績処理部14は、画面中で具体的な成績が表示されている行のうち、到達度の値が基準値未満の行の表示色を赤色に変更する(ステップD8)。
【0089】
総合成績表示画面G3で学習項目または基礎テストの表示位置がクリックされると(ステップD6が「YES」)、そのクリック位置にリンクしているコードをコンテンツ読出部12に提供し(ステップD9)、総合成績の表示処理を終了する。これにより、コンテンツ実行部12を主体とする図8の手順が開始されて、選択された位置に対応する学習コンテンツが開始されることになる。
【0090】
上記のクリック操作のほか、画面を切り替える操作が行われた場合(ステップD7が「YES」)にも、総合成績表示処理が終了し、指定された画面に関する処理が開始される。なお、この実施例では、基礎テストにおける得点を学習項目毎に分配して、確認テストの得点とともに累計しているが、これに限らず、基礎テストや図示しない応用テストにより取得した得点や満点に対し、何らかの重み付けをしてから累計処理を行うようにしてもよい。
【0091】
上記に説明したように、この実施例のアプリケーションによれば、学習者は単に各学習項目を順番に学習するだけでなく、学習記録表示画面G2で過去の学習記録を適宜確認し、弱点補強ボタン203により成績の悪かった学習項目を確認し、学習項目の単位での再学習を行うことができる。さらに、所定期間の学習を行った後に、総合成績表示画面G3を呼び出し、弱点補強ボタン303の操作により、学力が不足している学習項目を確認し、再学習をすることができる。また学習者が赤色の表示がなくなるまで学習を繰り返すことにより、自然に到達度が高められ、どの学習項目に対しても十分な理解力を得ることができる。また、同じ学習項目を繰り返し学習しても、毎回、内訳が異なる状態にして問題を提示することができるので、学習者の学力を正しく判定することができる。
【0092】
なお、この実施例では、学習記録表示画面G2や総合成績表示画面G3において、弱点補強ボタン203,303の操作により、成績の悪いデータを赤色で表示するようにしたが、このような操作を行うことなく、画面を立ち上げた当初から、正答率や到達度が基準値に達していない学習コンテンツに対応するデータを、他のデータとは異なる色彩で表すようにしてもよい。また、色彩に限らず、マークを添付するなどの方法により識別表示を行うようにしてもよい。また、正答率や到達度が基準値に達していない学習コンテンツのみを再学習の対象とするのであれば、学習記録表示画面G2や総合成績表示画面G3では、再学習の対象となる学習コンテンツに対応する行にのみ該当するコンテンツを呼び出すボタンを設定してもよい。
【0093】
また、学習記録表示画面G2や総合成績表示画面G3における弱点補強ボタン203,303の操作に対して表示色を変更する場合の基準値に関しては、所定の値以上を入力することを条件に、学習者による変更を受け付けるようにしてもよい。また、提示される問題に関しても学力のレベルに応じて分類し、学習者によりレベルを選択できるようにしてもよい。このようにすれば、学習意欲の高い学習者に対しても、十分な支援を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0094】
1 ユーザインターフェース
2 データ処理部
3 コンテンツ用データベース
4 固定データテーブル群
5 可変データテーブル群
11 コンテンツ選択処理部
12 コンテンツ実行部
13 学習記録処理部
14 総合成績処理部
21 コンテンツ読出部
22 採点処理部
23 成績処理部
24 登録処理部
51 学習履歴データテーブル
G1 学習開始画面
G2 学習記録表示画面
G3 総合成績表示画面
G4 コンテンツ実行画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部および入力部が接続されたコンピュータを、学習者の学習を支援するための装置として機能させるためのプログラムであって、
複数の単元を各単元に含まれる学習項目とともに示した学習開始画面を表示して学習項目の選択を受け付ける選択受付手段、
前記選択受付手段が学習項目の選択を受け付けたことに応じて、選択された学習項目につきあらかじめ用意されているコンテンツデータを用いて、演習問題の提示および解答の入力の受付、ならびに入力された解答に対する採点結果の表示を含む学習コンテンツを実行するコンテンツ実行手段、
前記コンテンツ実行手段により実行された学習コンテンツにより提示された演習問題に対する解答の採点結果を学習項目単位で集計して、学習項目毎の得点を求める得点算出手段、
前記得点算出手段により算出された学習項目毎の得点を、該当する学習項目および学習コンテンツの実行日に紐付けた学習記録データを作成し、作成された学習記録データを学習履歴としてメモリに蓄積する学習履歴蓄積手段、
学習履歴蓄積手段により蓄積された学習記録データを用いて、日々の学習の記録を表示する学習記録表示画面および過去に実行された学習コンテンツに対する学習者の総合成績を表示する総合成績表示画面を、それぞれ学習者の呼び出し操作に応じて立ち上げる学習結果表示手段、の各手段として前記コンピュータを動作させるプログラムを含み、
前記学習結果表示手段は、
前記学習記録表示画面において、実行された学習コンテンツに対して学習者が取得した得点を学習項目毎に表示するとともに、この得点が合格点を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、
前記総合成績表示画面において、学習項目毎に、当該項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を到達度として表示するとともに、この到達度があらかじめ定めた基準値を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、
表示された画面内の所定の学習項目に対する選択操作が行われたことに応じて、選択された学習項目に対応する学習コンテンツの実行をコンテンツ実行手段に要求する手段とを、具備する、
ことを特徴とする学習支援用のプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載されたプログラムにおいて、
前記コンテンツ実行手段は、前記学習開始画面、学習記録表示画面、および総合成績表示画面における学習項目の選択操作に対し、選択された学習項目に対して前記コンピュータに登録されている相当数の演習問題の中の所定数をランダムに選択し、選択された演習問題による学習コンテンツを実行する、学習支援用のプログラム。
【請求項1】
表示部および入力部が接続されたコンピュータを、学習者の学習を支援するための装置として機能させるためのプログラムであって、
複数の単元を各単元に含まれる学習項目とともに示した学習開始画面を表示して学習項目の選択を受け付ける選択受付手段、
前記選択受付手段が学習項目の選択を受け付けたことに応じて、選択された学習項目につきあらかじめ用意されているコンテンツデータを用いて、演習問題の提示および解答の入力の受付、ならびに入力された解答に対する採点結果の表示を含む学習コンテンツを実行するコンテンツ実行手段、
前記コンテンツ実行手段により実行された学習コンテンツにより提示された演習問題に対する解答の採点結果を学習項目単位で集計して、学習項目毎の得点を求める得点算出手段、
前記得点算出手段により算出された学習項目毎の得点を、該当する学習項目および学習コンテンツの実行日に紐付けた学習記録データを作成し、作成された学習記録データを学習履歴としてメモリに蓄積する学習履歴蓄積手段、
学習履歴蓄積手段により蓄積された学習記録データを用いて、日々の学習の記録を表示する学習記録表示画面および過去に実行された学習コンテンツに対する学習者の総合成績を表示する総合成績表示画面を、それぞれ学習者の呼び出し操作に応じて立ち上げる学習結果表示手段、の各手段として前記コンピュータを動作させるプログラムを含み、
前記学習結果表示手段は、
前記学習記録表示画面において、実行された学習コンテンツに対して学習者が取得した得点を学習項目毎に表示するとともに、この得点が合格点を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、
前記総合成績表示画面において、学習項目毎に、当該項目につき提示された全ての演習問題に正解した場合の得点の累計値に対する学習者の得点の累計値の比率を到達度として表示するとともに、この到達度があらかじめ定めた基準値を下回る学習項目を再学習の対象として識別表示する手段と、
表示された画面内の所定の学習項目に対する選択操作が行われたことに応じて、選択された学習項目に対応する学習コンテンツの実行をコンテンツ実行手段に要求する手段とを、具備する、
ことを特徴とする学習支援用のプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載されたプログラムにおいて、
前記コンテンツ実行手段は、前記学習開始画面、学習記録表示画面、および総合成績表示画面における学習項目の選択操作に対し、選択された学習項目に対して前記コンピュータに登録されている相当数の演習問題の中の所定数をランダムに選択し、選択された演習問題による学習コンテンツを実行する、学習支援用のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−70021(P2011−70021A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221302(P2009−221302)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(507161709)株式会社ペガサス (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(507161709)株式会社ペガサス (2)
【Fターム(参考)】
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