説明

安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置

安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置であって、昇降体1、電気モーター2及び駆動チェーンホイール組を備え、電気モーターの回転及び停止を制御する第一安全スイッチ105と第二安全スイッチ106、同一の平面内にある第一スイングロッド51、第二スイングロッド52、第一コネクティングロッド53、第二コネクティングロッド54、及び弾性復帰装置からなるリンク機構5を更に備え、第一スイングロッド51の他端は第一ロッカー61、第一プルロッド71、第一リンケージクランク81を介して第一調節ホイール91に連結し、第二スイングロッド52の他端は第二ロッカー62、第二プルロッド72、第二リンケージクランク82を介して第二調節ホイール92に連結していることを特徴とする。既存の技術に比べ、本発明では昇降体で自動的に復位可能なリンク機構を設け、且つロッカー、リンケージクランク及び調節ホイールと協同でチェーンホイールにおけるチェーンの全巻き角を変えることにより、チェーン緩み側の緩み量に対する自動調節を実現し、昇降装置が下降して底に触れる時に充分な下降ストロークが有することを保証し、チェーンの過度な緩み又は過度な引っ張りによりもたらす運転故障と事故を防止し、運転の安定性と確実性を顕著に向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は昇降装置に係り、特に安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の昇降装置は、通常チェーン駆動、ベルト駆動、ギア駆動又は油圧シリンダーの伸縮等の方式により昇降キャリアーの上昇又は下降動作を実現する。その内、チェーン駆動は、二軸の中心距離がやや遠い情況下でも、運動と動力を伝達することができ、高温、油、酸等の極めて悪い条件下でも確実に作業を行うことができるため、環境適応性が非常に高く、機械輸送と昇降システムにおいて最も広範に応用されている可動部品の一つである。例えば、立体駐車場の昇降装置、物流設備の昇降機又はルームサービス用小型エレベーター等は何れもチェーン駆動機構を採用している。
【0003】
実際の応用例として、例えば中国実用新案番号ZL200520026711.2「昇降駆動装置」は駐車場システムにおけるチェーン駆動の典型的な応用例であり、当該装置は二つの昇降レールに沿って昇降可能なシステム構造箱体、システム構造箱体の中間部分に取り付けられた主駆動機、主駆動機により駆動される第一駆動チェーングループ、第二駆動チェーングループ、及び圧力テンショナースプロケット装置を備えている。昇降駆動装置全体は直接昇降体の底部に設けられ、前記第一、第二駆動チェーングループはそれぞれ第一チェーン、第二チェーンを介して主駆動機の主軸に巻設し、第一、第二チェーンは逆方向に主軸に巻設されることにより、第一、第二チェーンが主軸に対し同じ大きさの逆方向作用力が形成できるとともに、主駆動機の主軸に対する負荷を大幅に削減し、主駆動機の長寿命化を図ることができる。上述したチェーン駆動グループは直接箱体内に設けることができ、システム構造箱体を介して昇降装置を昇降体の底部に設けることにより、空間スペースを大幅に削減でき、設置コストを軽減することができる。また、チェーン駆動を採用しており、主駆動機の主軸に対する負荷を削減し、長寿命化を図ることができる。しかし、上述した昇降装置は、下降と上昇過程において、重力作用により、支柱頂端側に固定されたチェーンが常に張った状態にあり、特に昇降装置が底に着いた後、電気モーターの制動時間の遅延により、慣性作用で引続きチェーンの回転を駆動するため、電気モーターが停止信号を受信してから完全に静止するまで、電気モーターは引続き回転する。よって、緩んだ状態にあるチェーンは張った状態になり、張った状態のチェーンは緩んだ状態になり、電気モーターの継続的な回転に伴い、緩んだ状態になったチェーンの緩み量は引続き増大し、過大な緩み量はさらにチェーンの噛合い不良と振動を引き起こし、チェーンの伝動が不安定になり、ひいてはチェーンが外れてしまう。一方、緩んだ状態のチェーンが引っ張られた後、電気モーターが依然として回転すれば、当該側のチェーンが切れ、正常に使用できなくなる。従って、上述した昇降装置の構造では、電気モーターを制動する時のチェーンの緩み量に対する調節を考慮していないため、十分に安全な下降ストロークを有していないことから、普及と応用に一定の影響を与えた。
【0004】
また、チェーンの緩み問題を解決するため、中国実用新案番号ZL200820300554.3「昇降機におけるドリブンスプロケットのテンション及びセンタリング装置」では、昇降機におけるドリブンスプロケットのテンション及びセンタリング装置を開示している。下側スプロケットホイールグループを下側スプロケットホイールグループフレームに取付け、下側スプロケットホイールグループフレームは支柱とスライド接続し、支柱下端の底座と下側スプロケットホイールグループフレームとの間には張力調整ネジが設けられ、張力調整ネジには張力ナットが締め付けられている。下側スプロケットホイールグループの伝動主軸と片持ちスプロケットホイール及び下側スプロケットホイールグループと連結する位置にセンタリング装置が設けられている。しかし、当該テンション装置は手動調節のみを通じて実現することができるが、手動調節の欠陥はチェーン緩み側の緩み量を正確に判断することができず、昇降機構の下降制限位置に対し正確な判断が必要である。しかし、通常、作業環境と電気モーターの性能の違い、及びリミットスイッチの触発時間の差異により、下降制限の正確位置が把握しにくく、調節した後チェーン緩み量が小さすぎれば、電気モーターが継続的に回転する時チェーンが切れる現象が発生し、調節した後チェーンの緩み量が依然として大きすぎると、運転過程で振動を引き起こし、ひいてはチェーンが外れてしまう。このため、当該特許のテンション装置を採用しても、依然として昇降装置がチェーンの緩みにより引き起こす不安定な下降の問題を解決できず、運転過程における設備の安全性を効果的に保証することができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする技術問題は上述した既存技術の現状に対し、スプロケットにおける緩み側のチェーンの全巻き角を自動的に変えることにより、当該チェーンの緩み量が常に規定範囲内に維持できるチェーン昇降装置を提供することで、当該昇降装置は下降過程で充分且つ安全な下降ストロークを有することを保証することができ、運転の安定性と安全性を向上した。
【0006】
上述した技術問題を解決するために本発明が採用した技術方案は下記のとおりである。当該安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置は、垂直なレールに沿って上下運動可能な昇降体と、前記昇降体の中部に固定された電気モーターと、前記昇降体の内部に設けられた駆動チェーンホイール組を備え、当該駆動チェーンホイール組は第一、第二駆動ホイールを有するとともに、前記電気モーターの主軸に取付けられ、二つの第一牽引ホイールは前記電気モーター主軸の両側に位置し、且つその中の一つの第一牽引ホイールと前記第一駆動ホイールの間には第一テンションホイールが設けられ、当該二つの第一牽引ホイール、第一テンションホイールと前記第一駆動ホイールは第一チェーンを巻設に用いられ、二つの第二牽引ホイールは前記電気モーター主軸の両側に位置し、且つその中の一つの第二牽引ホイールと前記第二駆動ホイールの間には前記第一テンションホイールと対向する第二テンションホイールが設けられ、当該二つの第二牽引ホイール、第二テンションホイールと前記第二駆動ホイールは第二チェーンを巻設に用いられる。
【0007】
当該昇降装置はさらに、リンク機構、第一ロッカー、第二ロッカー、第一安全スイッチ、第二安全スイッチ、第一調節ホイール、第二調節ホイールを備え、その内、リンク機構は前記第一テンションホイールと第二テンションホイールの間に設けられ、当該リンク機構は同一の平面内にある第一スイングロッド、第二スイングロッド、第一コネクティングロッド、第二コネクティングロッドを備え、その内、前記第一スイングロッドの一端は第一ピンを通じて前記第二スイングロッドの一端とヒンジ接続することにより第一ヒンジポイントとなり、前記第一コネクティングロッドの一端は前記第一スイングロッドの中部にヒンジ接続され、前記第二コネクティングロッドの一端は前記第二スイングロッドの中部にヒンジ接続され、前記第一コネクティングロッドの他端は第二ピンを通じて前記第二コネクティングロッドの他端とヒンジ接続することにより第二ヒンジポイントとなり、且つ、前記第一ヒンジポイントと第二ヒンジポイントには常に互いに離れる傾向にある弾性復帰装置がある。
【0008】
第一ロッカーの一端は前記昇降体にヒンジ固定され、他端には第一固定軸が設けられ、前記第一テンションホイールは当該第一固定軸に套設され、前記第一スイングロッドの他端は当該第一ロッカーとヒンジ接続されている。
【0009】
第二ロッカーの一端は前記昇降体にヒンジ固定され、他端には第二固定軸が設けられ、前記第二テンションホイールは当該第二固定軸に套設され、前記第二スイングロッドの他端は当該第二ロッカーとヒンジ接続されている。
【0010】
第一安全スイッチは前記昇降体に固定して設置されているとともに、前記第二ロッカーと対向しており、前記昇降体が底に着けた後、当該第一安全スイッチは前記第二ロッカーと協働して前記電気モーターの回転停止を制御する。
【0011】
第二安全スイッチは前記昇降体に固定して設置されているとともに、前記第一ロッカーと対向しており、前記昇降体が底に着き、且つ第一安全スイッチが効力を失った後、当該第二安全スイッチは前記第一ロッカーと協働して前記電気モーターの回転停止を制御する。
【0012】
第一調節ホイールは前記第一牽引ホイールにおける第一チェーンの緩み側の全巻き角を調節するのに用いられ、当該第一調節ホイールの主軸は第一リンケージクランクの一端に固定され、当該第一リンケージクランクの中部は前記昇降体にヒンジ接続され、当該第一リンケージクランクの他端は第一プルロッドの一端にヒンジ接続され、当該第一プルロッドの他端は前記第一ロッカーにヒンジ接続されている。
【0013】
第二調節ホイールは前記第二牽引ホイールにおける第二チェーンの緩み側の全巻き角を調節するのに用いられ、当該第二調節ホイールの主軸は第二リンケージクランクの一端に固定され、当該第二リンケージクランクの中部は前記昇降体にヒンジ接続され、当該第二リンケージクランクの他端は第二プルロッドの一端にヒンジ接続され、当該第二プルロッドの他端は前記第二ロッカーにヒンジ接続されている。
【0014】
体積を減少し、復帰の確実性を保証するため、好ましくは、前記弾性復位装置としてスプリングシート、ブラケットとスプリングを備え、前記スプリングシートの本体は逆U字型となり、当該スプリングシート本体の頂部にはさらにスプリングを套設するための位置決めスリーブが設けられ、当該位置決めスリーブ内には当該位置決めスリーブに対しスライド可能なガイド柱が挿設され、前記ガイド柱の上部は前記ブラケットと固定連結され、当該スプリングシート本体の両側壁の中部には縦方向に沿ったガイド長孔が設けられ、両側壁の端部はそれぞれ互いに位置合わせる第一ヒンジ孔が設けられている。前記第一ヒンジポイントと第二ヒンジポイントはともに当該スプリングシート本体の両側壁の間にあり、且つ前記第一ピン両端の軸ネックはそれぞれ対応側の第一ヒンジ孔に支持され、前記第二ピンの両端はそれぞれ対応側のガイド長孔に挿設され、且つ当該ガイド長孔に沿って縦方向にスライド可能である。前記ブラケットはスプリングシート本体の上にあり、且つ前記第二ピンを通じて前記第一コネクティングロッド、第二コネクティングロッドと連動し、前記スプリングは前記ブラケットと前記スプリングシート本体の間に位置決められることにより、前記ブラケットが常に前記スプリングシートから離れる傾向にある。従って、第一スイングロッドの他端と第二スイングロッドの他端がチェーンの牽引力の作用により互いに接近する時、第二ヒンジポイントがガイド長孔に沿ってスライドし、且つ第一ヒンジポイントに近接し、前記スプリングは圧縮された状態にあり、外力を取除く時、スプリングの弾性回復力の作用で、ブラケットがスプリングシートから離れる方向に移動することにより、第二ヒンジポイントがガイド長孔に沿ってスライドし、且つ第一ヒンジポイントの一端から離れるようにする。
【0015】
スプリングをより良く固定し、スプリングの取付と位置決めに利便を図るため、前記ブラケットは逆U字型に設計され、当該ブラケットの両側壁の端部には互いに位置合わせる第二ヒンジ孔が設けられ、前記第二ピン両端の軸ネックはそれぞれ対応側の前記第二ヒンジ孔に支持される。前記ガイド柱の上部には外ねじ山が設けられ、前記ブラケットの頂部には通孔が設けられ、前記ガイド柱は前記通孔の外部まで貫通し、且つ前記ガイド柱における前記通孔の上部にある部分のねじ山には第一ナットが接続され、当該ガイド柱における前記通孔の下部にある部分のねじ山には第二ナットが接続され、前記第一ナットと第二ナットは前記ガイド柱の上部を前記ブラケットの通孔に位置決めする。
【0016】
前記第一安全スイッチは光電スイッチ、リードスイッチ又はホールスイッチ等既存技術において汎用の各種類のトリガースイッチであってもよく、当該第一安全スイッチがマイクロスイッチであることが好ましい。前記第二ロッカーは前記昇降体と平行する本体部と本体部の上端にあり、且つ前記昇降体側に折り曲げられたL字型折り曲げ部を備え、当該第二ロッカー本体部の下端、即ち第二ロッカーの一端は第四ピンを通じて前記昇降体にヒンジ接続され、当該第二ロッカー本体部の頂端には前記第一安全スイッチに押圧可能な第一トリガーブロックが設けられ、前記第二固定軸は垂直的に当該L字型折り曲げ部の垂直辺に設置されている。
【0017】
前記第一安全スイッチは光電スイッチ、リードスイッチ又はホールスイッチ等既存技術において汎用の各種類のトリガースイッチであってもよく、当該第二安全スイッチがマイクロスイッチであることが好ましい。前記第一ロッカーの上部、即ち第一ロッカーの一端は第三ピンを通じて前記昇降体にヒンジ接続され、前記第一固定軸は当該第一ロッカーの下部に位置し、且つ前記第一ロッカーの底縁には前記第二安全スイッチと押圧可能な第二トリガーブロックが設置されている。
【0018】
既存の技術に比べ、本発明の利点は昇降体に自動復位可能なリンク機構を設け、且つロッカー、リンケージクランク及び調節ホイールと協働してチェーンの緩み側の緩み量に対する自動調節を実現する。本発明のリンク機構はダブルへリングボーン構造の平面四節リンク機構であるため、体積が小さく、狭い空間内に取付けることができる。また、当該リンク機構における全てのヒンジポイントは何れも自由に移動でき、固定ポイントがないため、非一定倍率のストローク拡大を実現することができる。即ち、電気モーターの慣性力を通じてチェーンに伝達することで、さらにロッカーを動かしてプルロッドとリンケージクランクが連動するようにするとともに、リンク機構を通じて弾性復位装置の伸縮量を変え、ひいてはチェーンホイールにおけるチェーンの全巻き角を変えることで、チェーンの過度な緩み又は過度なテンションによりもたらす運転故障と事故を防止する。
【0019】
従って、本発明では、電気モーター慣性力の大きさの違いによりチェーンの緩み量に対する自動調節を実現することができ、人工調節で非正確な予測によりもたらし調節量が不十分な欠陥を避けることができ、本発明の調節方式はより柔軟、確実で、より良い調節効果を達成することができ、昇降装置が下降して底に着く時に充分な下降ストロークを有することを保証し、チェーンの緩み側が常に適切な緩み量の範囲内に維持するようにした。
【0020】
このほか、本発明ではさらに下限位と下死点といった二重の保護スイッチが設けられ、設備が底に着く時に電気モーターの確実な回転停止を保証し、昇降設備の運転の安定性と確実性を向上した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る立体構造図である。
【図2】図1に示す昇降体部分の立体構造図である。
【図3】本発明の実施形態に係る第一ロッカーの立体構造図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第二ロッカーの立体構造図である。
【図5】本発明の実施形態に係るリンク機構の局部拡大図である。
【図6】図5に示すリンク機構の立体分解図である。
【図7】本実施例の昇降装置が底に着いていない時の作業状態図である。
【図8】本実施例の昇降装置が底に着いた後、且つ第一安全スイッチをトリガーする時の作業状態図である。
【図9】本実施例の昇降装置が底に着いた後、且つ第二安全スイッチをトリガーする時の作業状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
【0023】
図1〜9には本発明の実施形態に係るチェーン昇降装置の構造概略図が示されている。当該昇降装置は昇降体1、電気モーター2と駆動チェーンホイール組を備え、その内、昇降体1はそれぞれ両側にある垂直レール9に沿って上下移動可能で、電気モーター2は昇降体1の中部に固定される一方、駆動チェーンホイール組は昇降体1内に設置されている。
【0024】
その内、駆動チェーンホイール組は前後に対応して配置された第一駆動チェーンホイール組と第二駆動チェーンホイール組から成り、図1と図7を参照されたい。具体的に、第一駆動チェーンホイール組は同一の平面内にある第一駆動チェーン31、二つの第一牽引ホイール32と第一テンションホイール33を備え、第一駆動ホイール31と電気モーターの主軸は同軸に配置し、二つの第一牽引ホイール32はそれぞれ電気モーター主軸の両側に配置し、その内、電気モーター主軸の左側にある第一牽引ホイール32と第一駆動ホイール31の間には第一テンションホイール33が設置され、第一チェーン34の自由端は電気モーター主軸の左側にある第一牽引ホイール32下方の垂直レール9に固定され、当該第一チェーン34のもう一つの自由端は電気モーター主軸の右側にある第一牽引ホイール32の頂部周縁を避けて上部に延伸して垂直レール9に固定されているため、第一チェーン34の中間部分は当該左側にある第一牽引ホイール32の一端から順次当該右側にある第一牽引ホイール32の頂縁に巻設し、S字状に第一テンションホイール33及び第一駆動ホイール31を避け、且つ右側にある第一牽引ホイール32の底縁を介して通り抜ける。
【0025】
第二駆動チェーンホイール組は同一の平面内にある第二駆動チェーン41、二つの第二牽引ホイール42と第二テンションホイール43を備え、その内、第二駆動ホイール41も同じく電気モーターの主軸に設置し、二つの第二牽引ホイール42はそれぞれ電気モーター主軸の両側に配置し、且つそれぞれ対応する第一牽引ホイール32と同軸に設置し、その内、電気モーター主軸の右側にある第二牽引ホイール42と第二駆動ホイール41の間には第二テンションホイール43が設置され、第二チェーン44の自由端は電気モーター主軸の左側にある第二牽引ホイール42の頂部周縁を避けて上部に延伸して垂直レール9に固定され、当該第二チェーン44のもう一つの自由端は電気モーター主軸の右側にある第二牽引ホイール42の下方の垂直レール9に固定されているため、第二チェーン44の中間部分は左側にある第二牽引ホイール42の底縁から通り抜け、順次S字状に第二駆動ホイール41及び第二テンションホイール43を避け、且つ右側にある第二牽引ホイール42の頂縁を経て下に延伸して垂直レール9内に固定される。
【0026】
昇降体1の前部にはさらに第一テンションホイール33と第二テンションホイール43の間にある平面リンク機構5が設けられるが、図1、図2と図5を参照されたい。当該平面リンク機構は同一の平面内にある第一スイングロッド51、第二スイングロッド52、第一コネクティングロッド53と第二コネクティングロッド54を備え、その内、第一スイングロッド51の一端は第一ピン101を通じて第二スイングロッド52の一端とヒンジ接続することにより第一ヒンジポイントaとなり、第一コネクティングロッド53の一端は第一スイングロッド51の中部にヒンジ接続され、第二コネクティングロッド54の一端は第二スイングロッド52の中部にヒンジ接続され、第一コネクティングロッド53の他端は第二ピン102を通じて第二コネクティングロッド54の他端とヒンジ接続することにより第二ヒンジポイントbとなっている。
【0027】
それに、当該リンク機構5にはさらに第一ヒンジポイントaと第二ヒンジポイントbが常に互いに離れる傾向にあるようにする弾性復位装置が設けられ、当該弾性復位装置はスプリングシート55、ブラケット56と螺旋状スプリング57を備え、その内、スプリングシート55の本体は逆U字型となり、スプリングシート55本体の頂部にはさらにスプリング57を套設するための位置決めスリーブ551が設けられ、位置決めスリーブ551内には当該位置決めスリーブ551に対しスライド可能なガイド柱554が挿設され、スプリングシート55本体の両側壁の中部には縦方向に沿ったガイド長孔552が設けられ、両側壁の端部はそれぞれ互いに位置合わせる第一ヒンジ孔553が設けられ、第一ヒンジポイントaと第二ヒンジポイントbはともに当該スプリングシート55本体の両側壁の間にあり、且つ第一ピン101の両端はそれぞれ対応側の第一ヒンジ孔553に支持され、第二ピン102の両端はそれぞれ対応側のガイド長孔552に挿設し、且つ当該ガイド長孔552に沿って縦方向にスライド可能である。
【0028】
ブラケット56はスプリングシート55本体の上に位置し、且つ逆U字型に設計され、ブラケット56両側壁の端部には互いに位置を合わせる第二ヒンジ孔561が設けられ、ブラケット56は第二ピン102を介して第一コネクティングロッド53、第二コネクティングロッド54と連動し、スプリング57はブラケット56とスプリングシート55本体の間に位置決められ、ブラケット56の頂部には更に通孔562が設けられ、ガイド柱554の上部には通孔562を通り抜けるとともに、外ねじ山が設けられ、且つ、ガイド柱554における通孔562の上部にある部分のねじ山には第一ナット563が接続され、当該ガイド柱554における通孔562の下部にある部分のねじ山には第二ナット564が接続され、第一ナット563と第二ナット564はガイド柱554の上部をブラケット56の通孔に位置決めすることにより、ガイド柱554とブラケット56が固定して連結するようにする。
【0029】
リンク機構5の両側にはリンク機構の伸縮をチェーンの全巻き角の大きさを変えることができる調節ホイールに伝達するロッカークランク機構がさらに配置され、当該ロッカークランク機構は第一ロッカー61、第二ロッカー62、第一プルロッド71、第二プルロッド72、第一リンケージクランク81、第二リンケージクランク82を備え、詳しくは図1、図2、図3と図4を参照されたい。
【0030】
その内、第一ロッカー61は当該第一ロッカー61の下端に固定されたピン613を通じて第一スイングロッド51の他端511とヒンジ接続し、第一ロッカー61の上部は当該第一ロッカーの一端として第三ピン103を介して昇降体1にヒンジ接続且つ固定されており、当該第一ロッカー61の下部は他端として第一固定軸611が設置され、且つ当該第一ロッカー61の下部に位置し、第一テンションホイール33は第一固定軸611に套設されている。
【0031】
第一リンケージクランク81の一端には第一牽引ホイール32における第一チェーン34の緩み側の全巻き角を調節するのに用いられる第一調節ホイール91が固定され、第一リンケージクランク81の中部は昇降体1にヒンジ接続し、第一リンケージクランク81の他端は第一プルロッド71の一端にヒンジ接続し、第一プルロッド71の他端と第一ロッカー61は当該第一ロッカー61の下端に固定されているピン614を介してヒンジ接続されている。
【0032】
第二ロッカー62は昇降体1と平行する本体部621と本体部621の上端にあり、且つ昇降体1側に折り曲げられたL字型折り曲げ部622を備え、当該第二ロッカー62の本体部621の下端は第四ピン104を通じて同じく昇降体1にヒンジ接続され、第二ロッカー62におけるL字型折り曲げ部622の垂直辺に第二固定軸623が垂直的に設置され、第二テンションホイール43は当該第二固定軸623に套設されるとともに、第二スイングロッド52の他端521と第二ロッカー62は当該第二ロッカー62の上端に固定されたピン625を介してヒンジ接続されている。
【0033】
第二リンケージクランク82の一端には第二牽引ホイール42における第二チェーン44の緩み側の全巻き角を調節するのに用いられる第二調節ホイール92が固定され、第二リンケージクランク82の中部は昇降体1にヒンジ接続し、第二リンケージクランク82の他端は第二プルロッド72の一端にヒンジ接続し、第二プルロッド72の他端は第二ロッカー62にヒンジ接続する。
【0034】
2重ストロークの保護要求を実現するために、昇降体1にはさらにリミットスイッチとする第一安全スイッチ105と停止スイッチとする第二安全スイッチ106(第一安全スイッチ105と第二安全スイッチ106の位置を交換することができる)、二つのマイクロスイッチが固定され、その内、第一安全スイッチ105は第二ロッカー62と対応しており、昇降体が底に着いた後、当該第一安全スイッチ105は第二スイングロッド62と協働して電気モーター2の回転停止を制御し、第二ロッカー62本体部の頂端には第一安全スイッチ105に押圧することができる第一トリガーブロック624が設置されている。
【0035】
第二安全スイッチ106は第一ロッカー61と対応しており、昇降体1が底に着き、且つ第一安全スイッチ105が効力を失った後、第二安全スイッチは第一ロッカー61と協働して電気モーター2の回転停止を制御し、第一ロッカー61の底縁には第二安全スイッチ106に押圧することができる第二トリガーブロック612が設置されている。
【0036】
本実施例の作業原理は下記の通りである。
【0037】
(1)チェーン昇降装置が正常な上昇と下降の作業状態にある。
【0038】
昇降装置が上昇する時、電気モーター2はそれぞれ第一駆動ホイール31と第二駆動ホイール41を駆動して時計方向回転を行い、昇降装置が下降する時、電気モーター2はそれぞれ第一駆動ホイール31と第二駆動ホイール41を駆動して反時計方向回転を行い、それに、昇降装置が正常な昇降過程において、第一駆動チェーン組と第二駆動チェーン組のチェーンはそれぞれN字型に巻設されている。
【0039】
その内、第一チェーン34の一端が第一牽引ホイール32の底縁を避け通って垂直レール9の頂端に固定されており、重力の原因により、上昇又は下降であれ、当該側のチェーンは常に張った状態にあるが、第一チェーン34の他端は第一牽引ホイール32の頂縁を避け通って垂直レール9の底端に固定され、且つ第一テンションホイール33と第一駆動ホイール31を介して掛けられ、上昇又は下降であれ、当該側のチェーンは常に緩んだ状態にある。
【0040】
同様に、第二チェーン44が第二牽引ホイール42の底縁を避け通って垂直レール9の頂端に固定された側のチェーンは常に張った状態にあり、第二チェーン44が第二牽引ホイール42の頂縁を避け通って垂直レール9の底端に固定された側のチェーンは緩んだ状態にある。
【0041】
従って、第一ロッカー61と第二ロッカー62はリンク機構におけるスプリング57のプレ締付け力の作用下、右に偏る状態を維持し、図7に示されているように、それぞれ第一ロッカー61に套設された第一テンションホイール33は第一チェーン34を引っ張る作用を果たし、第二ロッカーに套設された第二テンションホイール43は第二チェーン44を引っ張る作用を果たしている。
【0042】
(2)チェーン昇降装置が底についた状態にある。
【0043】
昇降装置が下降して底に着いた後、電気モーター2は慣性作用で引続き第一チェーン34と第二チェーン44を駆動して反時計方向回転を行いことにより、元々第一、第二チェーンが緩んだ側が張った状態になり、元々第一、第二チェーンの張った側が緩んだ状態になり、即ち、第一チェーン、第二チェーンにおける垂直レール9の頂端に固定された側のチェーンが緩んだ状態になる。
【0044】
電気モーター2の継続的な回転に伴い、第一ロッカー61、第二ロッカー62はそれぞれ第一チェーン34と第二チェーン44の引張り力の作用下、反時計方向に偏り、その内、第二ロッカー61に固定されている第一トリガーブロック624が、先に第一安全スイッチ105に接触し、第一安全スイッチ105の接点が閉合した後、PLCを通じて電気モーター2の制動モジュールに制動命令を送信することで、電気モーターが回転を停止する。
【0045】
電気モーターの制動の遅延により、電気モーターが回転停止前に、第二チェーン44は引続き第二ロッカー62を引っ張って反時計方向に偏り、図8に示されているように、第二ロッカー62が反時計方向に偏るとともに、第二リンケージクランク82も第二プルロッド72の作用下、同じく反時計方向に偏り、且つ第二調節ホイール92を動かして上へと揺れ動き、ひいては右側第二牽引ホイール42における第二チェーン44の全巻き角を変えることにより、第二チェーン44の緩み側の緩み量を減少させる目的を達成する。
【0046】
同じ原理で、電気モーター2が回転する時、第一チェーン34は強制的に第一ロッカー34を反時計方向に偏るようにし、ともに、第一プルロット71により第一リンケージクランク81を時計方向に偏るようにすることで、第一調節ホイール91を動かして上へ揺れ動き、ひいては左側第一牽引ホイール32における第一チェーン34の全巻き角を変えることにより、第一チェーン34の緩み側の緩み量を減少させる目的を達成する。
【0047】
設備運転の安全性を向上するため、通常、昇降設備にはダブルスイッチ保護装置を採用し、即ち第一安全スイッチ105が何らかの原因で効力を失って制動信号を送信できない場合、第一ロッカー61と第二ロッカー62はチェーンの牽引力の作用で引続き反時計方向に偏り、図9に示されているように、この時、第一チェーン34、第二チェーン44における緩み側の緩み量はより大きくなる。第一ロッカー61の第二トリガーブロック612が第二安全スイッチ106に触れた後、第二安全スイッチ106の接点が閉合し、且つPCLを通じて電気モーターに設備故障信号を送信することで、電気モーターの回転を停止させるが、電気モーターが回転を完全に停止する前に、第一調節ホイール91と第二調節ホイール92が引続き上へ揺れ動かされ、左側第一牽引ホイール32における第一チェーン34の全巻き角及び右側第二牽引ホイール42における第二チェーン44の全巻き角が更に減少され、第一チェーン34と第二チェーン44の緩み側が常に20〜25mmの緩み量を維持することを保証した(本実施例におけるチェーンのピッチは31.75mmである。)
電気モーター2が回転を停止する前に第一ロッカー61と第二ロッカー62は何れもともに反時計方向に回転するため、第一スイングロッド51と第二スイングロッド52の間の距離が小さくなり、第二ヒンジポイントbがガイド長孔552に沿ってスライドして第一ヒンジポイントaに接近し、スプリング57が圧縮状態になるようにする。本実施例におけるスプリング57は初期のプレテンション状態から完全に圧縮された状態にまで約30.4mmの作業ストロークがあり、チェーンの運行長さの転換により78mmの下降ストロークを得ることができる。
【0048】
(3)底に着いた後のチェーン昇降装置が上昇する前の作業状態
昇降体が上昇しようとする時、電気モーターは第一チェーンと第二チェーンを駆動して時計方向の回転を行い、この時、第一チェーン、第二チェーンにおける緩み側のチェーンは次第に引き締めはじめる一方、第一チェーン、第二チェーンにおける引っ張られた側のチェーンは次第に緩んだ状態になる。
【0049】
そのため、第一ロッカー61と第二ロッカー62はスプリング57の回復力の作用で時計方向に偏るとともに、第一リンケージクランク81、第二リンケージクランク82を動かして時計方向に偏り、第一調節ホイール91と第二調節ホイール92は下へと揺れ動く。この時、チェーンには依然として一定の緩み量が存在しているため、昇降装置における昇降体1は依然として底に着けた着いた状態にあり、垂直レール9の頂端に固定された第一チェーン34と第二チェーン44が緩んだ状態から完全に引き締めた後、昇降体1は底に着いた状態から上昇しはじめ、この時、リンク機構はまた初期状態(即ち、スプリングがプレテンション状態にあり、図7を参照されたい)に回復し、チェーンが第一ロッカー61と第二ロッカー62に作用する牽引力とリンク機構5のスプリング57が第一スイングロッド61、第二スイングロット62に作用するプレ締付け力は平衡な状態になる。
【0050】
本発明では、リンク機構とロッカークランク機構を通じてチェーンにおけるチェーン緩み側の全巻き角の大きさを自動的に変えることにより、ひいてはチェーン緩み側の緩み量を変え、それが一定の緩み量の範囲内に維持するようにし、チェーンの過度な緩み又は過度な引っ張りによりもたらすチェーンが外れる現象を防止することで、昇降装置の昇降体が垂直レールの底部にまで運行した時に、充分な下降ストロークを有するようにし、電気モーターの制動の遅延により引き起こすチェーンの緩み側を適切に調整できなくなる欠陥を解決し、よって昇降装置の作業安定性と確実性を保証し、且つ使用寿命を向上し、昇降装置の作業効率を向上するとともに、チェーンの摩損の速度を緩め、メンテナンスコストを削減することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置であって、
垂直なレール(9)に沿って上下運動可能な昇降体(1)と、
前記昇降体(1)の中部に固定された電気モーター(2)と、
第一、第二駆動ホイール(31、41)を有し、前記電気モーター(2)の主軸に取付けられた駆動チェーンホイール組と、を備え、
二つの第一牽引ホイール(32)は前記電気モーター(2)主軸の両側に位置し、且つその中の一つの第一牽引ホイール(32)と前記第一駆動ホイール(31)との間には第一テンションホイール(33)が設けられ、当該二つの第一牽引ホイール(32)、第一テンションホイール(33)及び前記第一駆動ホイール(31)は第一チェーン(34)を巻設するのに用いられ、二つの第二牽引ホイール(42)は前記電気モーター(2)主軸の両側に位置し、且つその中の一つの第二牽引ホイール(42)と前記第二駆動ホイール(41)との間には前記第一テンションホイール(31)と対向する第二テンションホイール(43)が設けられ、当該二つの第二牽引ホイール(42)、第二テンションホイール(43)及び前記第二駆動ホイール(41)は第二チェーン(44)を巻設するのに用いられ、その特徴は、
リンク機構(5)、第一ロッカー(61)、第二ロッカー(62)、第一安全スイッチ(105)、第二安全スイッチ(106)、第一調節ホイール(91)、第二調節ホイール(92)をさらに備え、そのうち、
前記リンク機構(5)は、前記第一テンションホイール(33)と第二テンションホイール(43)との間に設けられ、当該リンク機構は同一の平面内にある第一スイングロッド(51)、第二スイングロッド(52)、第一コネクティングロッド(53)、第二コネクティングロッド(54)を備え、その内、前記第一スイングロッド(51)の一端は第一ピン(101)を通じて前記第二スイングロッド(52)の一端とヒンジ接続することにより第一ヒンジポイント(a)となり、前記第一コネクティングロッド(53)の一端は前記第一スイングロッド(51)の中部にヒンジ接続され、前記第二コネクティングロッド(54)の一端は前記第二スイングロッド(52)の中部にヒンジ接続され、前記第一コネクティングロッド(53)の他端は第二ピン(102)を通じて前記第二コネクティングロッド(54)の他端とヒンジ接続することにより第二ヒンジポイント(b)となり、且つ、当該リンク機構にはさらに前記第一ヒンジポイント(a)と第二ヒンジポイント(b)とが常に互いに離れる傾向にある弾性復帰装置が設けられ、
前記第一ロッカー(61)の一端は前記昇降体(1)にヒンジ固定され、他端には第一固定軸(611)が設けられ、前記第一テンションホイール(33)は当該第一固定軸(611)に套設され、前記第一スイングロッド(51)の他端は当該第一ロッカー(61)とヒンジ接続され、
前記第二ロッカー(62)の一端は前記昇降体(1)にヒンジ固定され、他端には第二固定軸(623)が設けられ、前記第二テンションホイール(43)は当該第二固定軸(623)に套設され、前記第二スイングロッド(52)の他端(521)は当該第二ロッカー(62)とヒンジ接続され、
前記第一安全スイッチ(105)は前記昇降体(1)に固定して設置されているとともに、前記第二ロッカー(62)と対向しており、前記昇降体(1)が底に着いた後、当該第一安全スイッチ(105)は前記第二ロッカー(62)と協働して前記電気モーター(2)の回転停止を制御し、
前記第二安全スイッチ(106)は前記昇降体(1)に固定して設置されているとともに、前記第一ロッカー(61)と対向しており、前記昇降体(1)が底に着き、且つ第一安全スイッチ(105)が効力を失った後、当該第二安全スイッチ(106)は前記第一ロッカー(61)と協働して前記電気モーター(2)の回転停止を制御し、
前記第一調節ホイール(91)は前記第一牽引ホイール(32)における第一チェーン(34)の緩み側の全巻き角を調節するのに用いられ、当該第一調節ホイール(91)の主軸は第一リンケージクランク(81)の一端に固定され、当該第一リンケージクランク(81)の中部は前記昇降体(1)にヒンジ接続され、当該第一リンケージクランク(81)の他端は第一プルロッド(71)の一端にヒンジ接続され、当該第一プルロッド(71)の他端は前記第一ロッカー(61)にヒンジ接続され、
前記第二調節ホイール(92)は前記第二牽引ホイール(42)における第二チェーン(44)の緩み側の全巻き角を調節するのに用いられ、当該第二調節ホイール(92)の主軸は第二リンケージクランク(82)の一端に固定され、当該第二リンケージクランク(82)の中部は前記昇降体(1)にヒンジ接続され、当該第二リンケージクランク(82)の他端は第二プルロッド(72)の一端にヒンジ接続され、当該第二プルロッド(72)の他端は前記第二ロッカー(62)にヒンジ接続されている、安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置。
【請求項2】
前記弾性復位装置は、スプリングシート(55)と、ブラケット(56)と、スプリング(57)とを備え、前記スプリングシート(55)の本体は逆U字型となり、当該スプリングシート(55)本体の頂部にはさらにスプリングを套設するための位置決めスリーブ(551)が設けられ、当該位置決めスリーブ(551)内には当該位置決めスリーブ(551)に対しスライド可能なガイド柱(554)が挿設され、前記ガイド柱(554)の上部は前記ブラケット(56)と固定連結され、当該スプリングシート(55)本体の両側壁の中部には縦方向に沿ったガイド長孔(552)が設けられ、両側壁の端部にはそれぞれ互いに位置を合わせる第一ヒンジ孔(553)が設けられ、
前記第一ヒンジポイント(a)と第二ヒンジポイント(b)とはともに当該スプリングシート(55)本体の両側壁の間にあり、且つ前記第一ピン(101)両端の軸ネックはそれぞれ対応側の第一ヒンジ孔(553)に支持され、前記第二ピン(102)の両端はそれぞれ対応側のガイド長孔(552)に挿設し、且つ当該ガイド長孔(552)に沿って縦方向にスライド可能で、
前記ブラケット(56)はスプリングシート(55)本体の上にあり、且つ前記第二ピン(102)を通じて前記第一コネクティングロッド(53)、第二コネクティングロッド(54)と連動し、前記スプリング(57)は前記ブラケット(56)と前記スプリングシート(55)本体の間に位置決められることにより、前記ブラケット(56)が常に前記スプリングシート(55)から離れる傾向にあるようする、ことを特徴とする請求項1に記載の安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置。
【請求項3】
前記ブラケット(56)は、逆U字型に設計され、当該ブラケット(56)の両側壁の端部にも互いに位置を合わせる第二ヒンジ孔(561)が設けられ、前記第二ピン(102)両端の軸ネックはそれぞれ対応側の前記第二ヒンジ孔(561)に支持され、前記ガイド柱(554)の上部には外ねじ山が設けられ、前記ブラケット(56)の頂部には通孔(562)が設けられ、前記ガイド柱(54)は前記通孔(562)の外部まで貫通し、且つ前記ガイド柱(54)における前記通孔(562)の上部にある部分のねじ山には第一ナット(563)が接続され、当該ガイド柱(54)における前記通孔(562)の下部にある部分のねじ山には第二ナット(564)が接続され、前記第一ナット(563)と第二ナット(564)は前記ガイド柱(554)の上部を前記ブラケット(56)の通孔(562)に位置決めする、ことを特徴とする請求項2に記載の安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置。
【請求項4】
前記第一安全スイッチ(105)はマイクロスイッチであり、前記第二ロッカー(62)は、前記昇降体(1)に平行する本体部(621)と、本体部の上端に位置し且つ前記昇降体(1)側に折り曲げられたL字型折り曲げ部(622)とを備え、当該第二ロッカー(62)の本体部(621)の下端、即ち第二ロッカー(62)の一端は第四ピン(104)を通じて前記昇降体(1)にヒンジ接続され、当該第二ロッカー本体部(621)の頂端には前記第一安全スイッチ(105)に押圧可能な第一トリガーブロック(624)が設けられ、前記第二固定軸(623)は垂直的に当該L字型折り曲げ部(622)の垂直辺に設置されている、ことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置。
【請求項5】
前記第二安全スイッチ(106)はマイクロスイッチで、前記第一ロッカー(61)の上部、即ち第一ロッカーの一端は第三ピン(103)を通じて前記昇降体(1)にヒンジ接続され、前記第一固定軸(611)は当該第一ロッカー(61)の下部に位置し、且つ前記第一ロッカー(61)の底縁には前記第二安全スイッチ(106)と押圧可能な第二トリガーブロック(612)が設置されている、ことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の安全な下降ストロークを有するチェーン昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−502358(P2013−502358A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525855(P2012−525855)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001297
【国際公開番号】WO2011/022946
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512044770)ニンボ バンダ インテリジェント パーキング システム カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NINGBO BANGDA INTELLIGENT PARKING SYSTEM CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】99 Mujin Road,Ningbo National Hi−Tech Industrial Development Zone,Ningbo,Zhejiang 315013,China