説明

安全コネクターアセンブリ

【課題】不適切な装置を誤ってコネクタに接続するのを避けること。
【解決手段】コネクターアセンブリは、流体接続のために結合させることができる第1および第2組み合わせコネクタを含む。不適切なコネクタとの流体密閉接続が形成されることがないように、コネクタは、不適切なコネクタを区別できるよう構成される。コネクターアセンブリは、深部静脈血栓を防ぐ圧迫治療のためのシステムにより用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用途で用いるための安全コネクタに関し、より詳細には、圧迫治療装置とともに用いるための安全コネクタに関する。本開示はまた、安全コネクターアセンブリを選別することに関し、より詳細には、無漏洩流体回路を形成でき、少なくとも二本の内腔を流体結合するための安全コネクターアセンブリを選別することに関する。
なお、本出願は、その内容を引用して本明細書に組み込んだ2006年9月21日出願の、米国特許出願第11/533,924号の一部継続である。
【背景技術】
【0002】
医療環境においては、経腸フィードポンプおよび点滴注入(静脈内栄養補給)ラインを含む装置間の、または装置と患者との間を流体で接続するために、多くの装置が手動接続に適合するチューブを有する。これらの装置のそれぞれは、ユーザまたは治療士が、誤って相互接続してしまうかもしれない一つ以上のコネクタを含む。これは、互換性のない装置が完全に接続されてしまうという結果となるか、または流体や栄養物を、不適切な静脈ラインまたは深部静脈血栓症治療で用いる膨張ブラッダのような装置へ、供給してしまうという結果となる。互換性のない装置が完全に接続されてしまうと、患者に害を与えるかまたは装置に損傷を与えることになる。
【0003】
医療装置を流体供給源に接続する場合、互換装置と流体源との間、互換装置同士の間、および流体源同士の間を無漏洩封止としなければならない。従って、接続は、装置および/または供給源に互換性がある場合、封止面の間を、十分に封止するよう設計しなければならない。典型的な装置は、互いに押し付けると流体密封を形成するオス型およびメス型コネクタを有する。コネクタは異なる大きさや形状であり、流体密封を得るのに役立つOリングまたはガスケットを有するのが普通である。
【0004】
流体源に接続される医療装置の例には、四肢廻りに巻き付けて、末梢浮腫、および深部静脈血栓症のような血栓形成状態を防止する圧迫治療装置が含まれる。これらの装置は、四肢廻りに装着する大きさや形状の少なくとも一つのブラッダ(空気袋)を含むのが典型的である。ブラッダは膨張、収縮して、例えば歩行から通常得られるはずの四肢全体の血流を人工的に促進する。足廻りに配置するよう構成したこのような装置の例は、特許文献1に示されている。これらの圧迫装置は、圧力源から圧迫装置まで流体連通するチューブセットに接続されるのが普通である。コントローラを用いて圧力源から圧迫装置までの流体の流れを調節する。
【0005】
圧迫装置、チューブセットおよびコントローラはそれぞれ、圧力源から圧迫装置を接続したり、接続を外したりするための接続部を含む。圧迫装置以外の医療装置を誤って接続、例えば、静脈注射針を圧力源へ接続するのを避けることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公開第2005/0187499号公報
【発明の概要】
【0007】
一態様では、端面を有する実質的に一様な内径の非許容導管と封止接続されるのを防止するための、コネクターアセンブリは、底面および結合部を有する第1コネクタを備える。結合部は底面から外側に突出し、封止面および非封止面を含む。非封止面は、封止面より第1コネクタの自由端に近い方に配置する。非封止面は、非許容導管を封止面から浮かせて保持して、封止面による封止を妨げる大きさや形状とする。コネクターアセンブリは、コネクターアセンブリから流体を流し出すための、底面に概ね隣接して配置される流出通路を含む。
【0008】
別の態様では、圧力流体源から圧迫治療装置への流体の供給を制御するための、圧迫治療装置コントローラは、筐体、筐体内の流体ポートおよび流体ポート用コネクターアセンブリを備える。コネクターアセンブリは、底面および結合部をもつコネクタを有する。結合部は、封止面および非封止面を備える。非封止面は、封止面よりコネクタの自由端に近い方に配置する。非封止面は、非許容導管を封止面から浮かせて保持して、封止面による封止を妨げる大きさや形状とする。コネクターアセンブリは、コネクターアセンブリから流体を流し出すための、底面に概ね隣接して配置される流出通路を含む。
【0009】
更なる態様では、血管圧迫を提供するためのシステムは、コントローラ、チューブセット、および圧迫治療装置を備える。コントローラは、底面および結合部をもつ第1コネクタを有する第1コネクターアセンブリを含む。結合部は、底面から外側に突出している。結合部は、封止面および非封止面を含む。非封止面は、封止面より第1コネクタの自由端に近い方に配置する。非封止面は、非許容導管を封止面から浮かせて保持して、封止面による封止を妨げる大きさや形状とする。第1コネクターアセンブリは、第1コネクターアセンブリから流体を流し出すための、底面に概ね隣接して配置される流出通路を含む。圧迫治療装置は、封止部材を含む第2コネクタを含む。チューブセットは、チューブおよびチューブ一端の第3コネクタを含み、第1および第3コネクタを接続すると、第3コネクタは、コントローラの第1コネクタの非封止面および封止面に係合するよう適合する封止部材を有する。チューブセットは、底面および結合部をもつ第4コネクタを備える第2コネクターアセンブリを含み、結合部は、少なくとも一つの封止面および少なくとも一つの非封止面を含む。非封止面は、封止面より第4コネクタの自由端に近い方に配置する。非封止面は、非許容導管を封止面から浮かせて保持して、封止面による封止を妨げる大きさや形状とする。第2コネクターアセンブリは、第2コネクターアセンブリから流体を流し出すための、筐体の底面に概ね隣接して配置される流出通路を含む。第4コネクタの非封止面は、第2および第4コネクタを接続すると、第2コネクタの封止部材に係合するよう適合している。
【0010】
他の目的および特徴は、これ以降、一部は自明となり、一部については説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】コネクターアセンブリの斜視図であり、コネクターアセンブリの第1および第2コネクタが係合されている。
【図2】コネクターアセンブリの斜視図であり、第1および第2コネクタが分離されている。
【図2A】第1または第2コネクタへ解放可能に取り付けできる、「Y字形」コネクタの斜視図である。
【図3】図1に示すコネクターアセンブリの長手方向断面斜視図である。
【図4】図1に示すコネクターアセンブリの第1コネクタを、端部から側面へ向かって見た斜視図である。
【図5】実質的に端部から見た第1コネクタの斜視図である。
【図6】チューブを取り付けた図1に示すコネクターアセンブリの斜視図である。
【図7】チューブを取り付けた二つの別々のコネクタを示すコネクターアセンブリの、代替の実施の形態の斜視図である。
【図8】図7に示すコネクターアセンブリの長手方向断面斜視図である。
【図9】チューブを取り付けたコネクターアセンブリの、別の代替の実施の形態の斜視図である。
【図10】図9に示すコネクターアセンブリの長手方向断面斜視図である。
【図11】コネクターアセンブリの別の代替の実施の形態の側面図であり、第1および第2コネクタが係合されている。
【図12】図11に示すコネクターアセンブリの長手方向断面図である。
【図13】図11に示すコネクターアセンブリの第1コネクタの斜視図である。
【図14】図11に示すコネクターアセンブリの第2コネクタの斜視図である。
【図15】コネクターアセンブリの別の代替の実施の形態の側面図であり、第1および第2コネクタが係合されている。
【図16】図15に示すコネクターアセンブリの長手方向断面図である。
【図17】図15に示すコネクターアセンブリの第1コネクタの斜視図である。
【図18】図15に示すコネクターアセンブリの第2コネクタの斜視図である。
【図19】図9に示すコネクターアセンブリの、係合している第1および第2コネクタの長手方向断面斜視図である。
【図19A】図9に示すコネクターアセンブリの、分離した第1および第2の斜視図である。
【図20】コネクターアセンブリの代替の実施の形態の斜視図である。
【図21】コネクターアセンブリの斜視図であり、第1および第2コネクタが分離している。
【図22】図20の斜視図であり、第1および第2筐体が取り外されている。
【図23】図22に示す第2コネクタの分解斜視図である。
【図24】図20に示す第1コネクターアセンブリの斜視図である。
【図25】図24に示す第1コネクタの非封止面の対向チャンネルを通って切断した長手方向断面図であり、非許容導管を取り付けようとしたところを示す。
【図26】第1コネクターアセンブリの代替の実施の形態の斜視図である。
【図27】図26に示す第1コネクタの非封止面の対向チャンネルを通って切断した長手方向断面図であり、非許容導管を取り付けようとしたところを示す。
【図28】コネクターアセンブリの代替の実施の形態の第1コネクタの斜視図である。
【図29】チューブへ取り付けた図28のコネクターアセンブリの第2コネクタの斜視図である。
【図30】図28および図29のコネクターアセンブリの長手方向断面図であり、コネクターアセンブリの第1および第2コネクタが係合されている。
【図31】図28の第1コネクタの非封止面の対向チャンネルを通って切断した長手方向断面図であり、非許容導管を取り付けようとしたところを示す。
【図32】膨張ブラッダを示す圧迫治療装置の斜視図およびコネクタの拡大図である。
【図33】コネクタの拡大図を伴う圧迫治療装置コントローラの斜視図である。
【図34】チューブセットの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、同一符号は、図面全体を通じて同一部品を示す。
【0013】
図面を参照して、本発明の原理に従って、第1コネクタ36および第2コネクタ38を備えるよう構成されるコネクターアセンブリ30を、図1および図2に示す。より詳細に後述するように、第1および第2コネクタ36、38は、コネクタの流体密封接続を選択的に達成して、非準拠コネクタとの流体密封接続を防止するために、接続を選別する能力がある。コネクターシステム30を用いて、例えば、圧迫治療装置1へコントローラ2を接続し、その装置のブラッダ4へ空気圧を周期的に供給することができる(図32および図33参照)。図32に示す圧迫治療装置1は、足を繰り返し圧迫して足から血液を押し出し、血栓を招くことがある足の血液の淀みを防ぐために、足に装着する種類のものである。足の圧迫治療装置1を図示したが、脚へ装着するもののような他の種類の圧迫治療装置を利用することもできる。足および脚の装置の他の例は、米国特許第5,626,556号および第5,795,312号に開示されている。更にコネクターアセンブリ30は、経腸フィードバッグを患者へ接続するような、他の種類の医療用流体を接続するために用いることができる。
【0014】
図示の実施例では、チューブセット20(図34)を用いて、圧迫治療装置1とコントローラ2とを選択的に相互接続する。第1コネクタ36は、チューブセット20の第1チューブ32へ取り付けられ、第2コネクタ38は、圧迫治療装置1のブラッダ4から延伸する第2チューブ34へ取り付けられる(図32)。第1コネクタ36と実質的に同一の構造を有する第3コネクタ10が、コントローラ2へ取り付けられ(図33)、第2コネクタ38と実質的に同一の構造を有する第4コネクタ26が、チューブセット20のチューブ32の反対側へ取り付けられる(図34)。コントローラ2から圧迫治療装置1へ加圧空気を配送可能に流体接続するために、チューブセット20の第4コネクタ26は、コントローラの第3コネクタ10と係合され、チューブセットの第1コネクタ36は、圧迫治療装置の第2コネクタ38と係合される。第1コネクタ36と第3コネクタ10、および第2コネクタ38と第4コネクタ26の構造は同一なので、これ以降は、第1および第2コネクタについてのみ詳細に説明する。
【0015】
図1〜図6を参照すると、第1コネクタ36は、チューブ32を受ける取付け部40を有する。しかし、第3コネクタ10がコントローラ2へ直接接続されているように(図33)、取付け部40は、チューブ以外の物体へ直接接続することができる。第2コネクタ38は、取付け部80およびレセプタクル(受側コネクタ)78を有する。レセプタクル78は概ね砂時計の形状をしているので、ユーザはコネクターアセンブリ30を掴んで保持でき、図1に示すように、第2コネクタ38を第1コネクタ36へ係合する際、ユーザには便利である。
【0016】
図2を参照すると、第1コネクタ36の結合部42は、第1端部44および第2端部46を有する。第2端部46は、溶剤接着またはRF溶着等により適切に取付け部40へ取り付けるか、または取付け部と一体要素として形成してもよい。取付け部40は、チューブセット20のチューブ32内に密封して係止される(図34)。結合部42は、封止面48および非封止面52を含む。封止面48は、第2端部46で結合部42の外周廻りに延在する。結合部42の形状および曲面は、本説明に従って、結合部が第2コネクタ38と係合し、封止を形成できる限り、図示の実施の形態のものに限定されない。非封止面52は、封止面48より大きな直径を有する。非封止面52に、幾つかの円周方向に離間したチャンネル58が、第1コネクタ36の長さ方向に延伸する。2本のチャンネル58は、第1コネクタ36を貫通して、その内面54まで半径方向に延伸する開口部60と連通している。チャンネル58および開口部60は、封止接続の形成を禁止するよう機能する。
【0017】
第2コネクタ38のレセプタクル78は、内側面74、およびレセプタクル内側の内端部に環状肩部75(図3)、を有する。肩部75は、第1コネクタ36をレセプタクル78へ挿入できる距離を制限し、第1コネクタ36をレセプタクル78に対して軸方向に位置決めする停止面を画成する。環状封止フランジ76は、レセプタクルの開口端部近くでレセプタクル78の内面74の半径方向内側に突出している。図示のように、封止フランジ76は、レセプタクル78と一体要素として形成される。しかし、封止部材(不図示)は、レセプタクルと別体に形成して(例えば、Oリング)、レセプタクル内面に形成した周方向溝に係止する等により、レセプタクルに固定してもよい。
【0018】
ユーザは、非封止面52が封止フランジ76を越えて入り込むように、図2の矢印「A」の方向に、第1コネクタ36の第1端部44を、第2コネクタ38のレセプタクル78へ押し込まなければならない。ユーザが、コネクタ36、38を互いに押し付けない限り、結合部42の外面廻りに長手方向のチャンネル58を配置してあるので、流体密封は形成されない。フランジを越えて延伸するチャンネル58に封止フランジ76は完全適合しないので、流体は第1コネクタ36の非封止面52上のフランジを通過できる。しかし、封止面48が封止フランジ76と適合するまで進むと、フランジは、封止面に適合して封止し、封止面により流体密封接続することができる。
【0019】
長手方向チャンネル58が画成する開口空間は、結合部42が、非準拠コネクタまたは流体導管(内腔)の面と同一面で係合するのを妨げる。長手方向チャンネル58は、本明細書で図示するもの以外の幅、深さ、または長さを有してもよい。一つ以上の長手方向チャンネル58は、コネクタ30の長手軸と平行な方向、オフセット、または波状をしていてもよい。長手方向チャンネル58は、非封止面52上の隆起面または粗面で置き換えてもよい。更に、壁62を貫通して画成される開口部60は、第1コネクタ36と非準拠コネクタとの間の流体封止を妨げるのに役立つ。第1コネクタ36へ取り付けた非準拠コネクタにより開口部から漏洩する限り、開口部60の大きさや形状は限定されない。壁62廻りの直径上に対向する一つ以上の開口部60により、非準拠コネクタによる漏洩が容易になる。
【0020】
第1コネクタ36の内面54および第2コネクタ38の内面74は、それを通る流体通路を形成する。内面(54、74)は、コントローラ2および圧迫治療装置1のような医療システムの特定流量要件に従って流体を通過させるよう形成される。取付け部40または取付け部80は、一つのポートとは限らない。「Y字形」コネクタ84(図2A)を、コネクタ36、38の何れかの取付け部(40、80)へ解放可能に取り付けて、流体の本数を増加させるか、または圧迫スリーブの場合、二つ以上のブラッダへ加圧空気を転換させることができる。
【0021】
図3は、チューブ32、34が取り付けられていない、係合したコネクターアセンブリを示す。使用に際しては、第1チューブ32(図3には不図示)が、取付け部80の内面82に封止可能に取り付けられる。第2チューブ(図3には不図示)が、取付け部40へ取り付けられる。封止フランジ76と第1コネクタ36の封止面48との間が接触すると、接触点「P」がコネクターアセンブリ30を封止する。チューブ32、34は、溶剤接着、RF溶着、または従来技術で周知の他の取付け手段等による適切な方法で取り付けられる。
【0022】
図4および図5は、第1コネクタ36の第1端部44にある横断壁68を示す。横断壁68は、その面を横断する長手方向のキャビティ70を有する。横断壁68は、実質的に非封止面52の長さに対する長手軸に沿って延伸し、第1コネクタ36へのチューブまたは他のコネクタ(不図示)の挿入を禁止する。一つ以上の長手方向キャビティ72が、第1端部44で内面56に沿って延伸する。非封止面52は、第1面64の外周の離間した場所に配置される、横断キャビティ66を伴う第1面64を有する。横断キャビティ66はそれぞれ、第1コネクタ36の結合部42の壁62に形成される長手方向チャンネル58の内の対応するものと接続される。これにより、第1コネクタ36と非準拠コネクタとの間で、流体を逃がすことができる。同様に、開口部60により、封止面48による封止が形成されない場合、流体を逃がすことができる。チャンネル58、開口部60およびキャビティ66の数および編成は、本発明の範囲から逸脱することなく、説明以外のものでもよい。
【0023】
キャビティ66は、第1面64と非準拠コネクタの面との間の封止を防ぐ。キャビティ66はそれぞれ、対応する外側の長手方向チャンネル58と整列して、第1コネクタ36を非準拠コネクタに挿入した場合、漏洩用通路を提供する。横断壁68は、非準拠コネクタが第1コネクタ36へ挿入されるのを防ぐ。キャビティ70は、第1面64と非準拠コネクタの面との間の封止面を妨げるのに役立つ。同様に、内側長手方向キャビティ72および壁62を貫通する開口部60は、第1コネクタ36の内側または外側上の、非準拠コネクタによる封止を妨げるのに役立つ。キャビティ66により画成される開口空間は、結合部42と非準拠コネクタの面との、同一面による封止を妨げる。キャビティまたはチャンネル(66、70、72、58)は、特定の幅、深さ、または長さに限定されない。キャビティまたはチャンネル(66、70、72、58)は、向きを限定されず、平行、オフセットまたは波状とすることができる。本発明は一つの封止面52または一つの封止面48に限定されない。
【0024】
図7および図8は、代替のコネクターアセンブリ130を示す。コネクターアセンブリ30の部品と概ね対応するコネクターアセンブリ130の部品は、同一番号に100を加えて示す。コネクターアセンブリ130の第1コネクタ136は、第1端部144および第2端部146を有する。概ね第1および第2端部144、146の間に配置されているのは封止面148である。結合部142は、隅部にR面取りを施した矩形であり、矢印「A」の方向に、第2コネクタ138の開口部へ嵌合する大きさである。第2コネクタ138は、第2コネクタの筐体内にレセプタクルを画成して、第1コネクタ136を係止する。口が外側に広がっている非封止面152が、第2コネクタ138の開口端部に配置される。非封止面の三角形のチャンネル158が、コネクタ136、138の外側の場所に流体連通通路を提供して、封止を禁止する。
【0025】
ユーザは、把持用の隆起したリブ178を用いて第2コネクタ138を保持し、第1コネクタ136を第2コネクタ138へ挿入する。把持としての機能に加えて、リブ178は、第2コネクタ138と、第2コネクタの外側を覆って係止されるチューブ等(不図示)との間の封止接続も防止する。第1コネクタ136は、第1端部144が第2コネクタ138の内側に配置した封止フランジ176を越える位置まで挿入する。弾力性のある封止フランジ176は、封止面148が非封止面152を越えて通過してフランジ176と係合した後、封止面148と適合して、流体密封を形成する。第1端部144の面が、第2コネクタ138の封止フランジ176を越えるある距離で、肩部175に接すると、ユーザは加える力を停止する。横棒181が第2コネクタ138の内端部に配置され、チューブ(不図示)が、第2コネクタの取付け部180内側に挿入されている第1チューブ132と接して封止されるのを禁止する。
【0026】
第1チューブ132は、取付け部180の内面182と封止締まり嵌合を形成する。第2チューブ134は、結合部142の第2端部146で、取付け部140(図8)の上に挿入される。第1および第2チューブ132、134は、第1および第2コネクタ136、138へ適切な方法で取り付ける。これは、適切に接続すると医療システムの一部としての流体導管を形成する。
【0027】
図9および図10は、キー252および組み合わせるキャビティ290を備えるコネクターアセンブリ230を示す。コネクターアセンブリ30の部品と対応するコネクターアセンブリ230の部品は、同一符号に「200」を加えて示す。キー252をキャビティ290内に位置決めすると、ユーザは、コネクターアセンブリ230内の流体密封を達成したことになる。コネクターアセンブリ230は、第1コネクタ236および第2コネクタ238を備える。第1コネクタ236は、第1コネクタの筐体241の内側に固定される円筒形の取付け部240を有する。取付け部240は、(第2)チューブ234内に係止して封止可能である。第2コネクタ238は、第2コネクタを(第1)チューブ232へ取り付けできる取付け部280を有する。第2コネクタ238は、取付け部のフランジ283を介して取付け部280を取り付ける筐体281を含む。筐体281により取り付けられるガスケット276(広義には「封止部材」)は、概ね円筒形状であり、筐体281内の対応する形状の開口部277内に係止される耳276aを含む。ガスケット276は周囲を係止され、取付けフランジ283の軸方向内側の取付け部280の外面を封止係合する。
【0028】
結合部242は、第2コネクタ238の第1端部によりガスケット276へ摺動封止可能に係止され、第1および第2コネクタ間の封止接続を形成する。組み合わせキャビティ290へスナップ式に嵌め込んで、第1および第2コネクタ236、238を解放可能にロックするキー252が、接続を封止している。第1コネクタ236を解放するには、ユーザは、ボタン286の隆起した縁部を押下し、第2コネクタ238を保持しながら第2コネクタ238から第1コネクタ236を引き抜く。ボタン286を押下すると、第1コネクタが変形し、キー252がキャビティ290から横方向に移動して外れる。キー252は、非準拠コネクタ(不図示)との係合を防ぐ。
【0029】
図19および図19Aに示すキー付きコネクターアセンブリ530の代替の実施の形態は、図9および図10のキー付きコネクタアセンブリ230と類似している。コネクターアセンブリ30の部品と概ね対応するコネクターアセンブリ530の部品は、同一符号に500を加えて示す。第1コネクタ536は、キー552、ガイドフランジ553、および取付け部540を含む内側の剛性のある内腔つまり導管548を備える。第2コネクタ538は、組み合わせキャビティ590、内側封止部材588、および指の把持部578を備える。第2コネクタ538内に配置される取付け部580は、封止部材588へ封止可能に取り付けられる内側部580a、およびチューブ(不図示)へ取り付けできる外側部580bを含む。操作に際しては、ユーザは指の把持部578で第2コネクタ538を把持し、第1コネクタ536を把持し、次いで、キー552を、キーがキャビティに嵌合されるまで、キャビティ590に向けて押し込む。フランジ553は、第2コネクタ538に係合され、第1コネクタ536を第2コネクタとの封止係合に導く役割をする。導管548の内端部は、封止部材588内に係止され、封止部材内の環状突起576と係合することにより封止部材で封止される。この方法で、第1および第2コネクタ536、538の封止接続を行うことができる。
【0030】
図11〜図14はコネクターアセンブリ330の更に別の代替の実施の形態を示す。コネクターアセンブリ30の部品と対応するコネクターアセンブリ330の部品は、同一符号に「300」を加えて示す。コネクターアセンブリ330は、第1コネクタ336(図13)、および第2コネクタ338(図14)を備える。第1コネクタ336は、取付け部340の内面341でチューブ(不図示)を受ける取付け部340(図12)を有する。第2コネクタ338(図14)は、第1端部に取付け部380および第2端部にキャップ374を有する。第2チューブ(不図示)は、取付け部380に係止することができる。第2端部からある距離だけ離れて、キャップ374の外周廻りに変形可能なOリング376がある。Oリング376は、キャップ374へ解放可能に取り付けられる。言うまでもなく、封止部材は、Oリング(図示のような)または変形可能なプラスチックの隆起面のような適切な方法で形成することができる。
【0031】
第1コネクタ336は、少なくとも一つの長手方向チャンネル372が貫通する結合部342を更に備える(図13)。複数の非封止面352の領域(図12および図13)が、結合部342の内側に配置される。非封止面352は、第1コネクタ336の内面上に配置される長手方向チャンネル358を有し、非準拠コネクタとの流体封止を防ぐ。軸方向の内側長手方向チャンネル358は、封止面348(図13)を画成する溝349の両側面にも配置されている。結合部342の表面には、複数の長手方向チャンネル372(図13)が配置される。チャンネル372が画成する開口空間は、結合部342が非準拠コネクタの面とともに流体封止を形成するのを防ぐ。
【0032】
操作に際しては、ユーザはキャップ374を結合部342の開口部へ挿入する。Oリング376は、ユーザの力により非封止面352を越えて進むよう変形する。Oリング376は、溝349で停止し、封止面348と係合して(図13)、流体密封を形成する。
【0033】
図15〜図18は、コネクターアセンブリ430の更なる実施の形態を示す。コネクターアセンブリ30の部品と対応するコネクターアセンブリ430の部品は、同一符号に「400」を加えて示す。コネクターアセンブリ430は、第1コネクタ436、および第2コネクタ438を備える。第1コネクタ436は、流体源と流体連通する内腔(不図示)へ取り付けることができる取付け部440を有する。内腔(つまりチューブ)は、取付け部440の外面上に係止され、それにより流体密封を形成する。第1コネクタ436は、封止面448および一対の非封止面452を備える結合部442を有し、非封止面452はそれぞれ、結合部442の内外面に配置される長手方向チャンネル458を有する(図17)。長手方向チャンネル458は、封止面448の何れかの側に配置される。長手方向チャンネル458は、非準拠コネクタが結合部442と封止係合するのを防ぐ。長手方向チャンネル458は、結合部442の周囲に沿う限りどの向きにも配向でき、長さ、幅または深さを変えることができる。概ね環状の爪479(チャンネルにより分断されている)が、第1コネクタ436の周囲に延在する。
【0034】
非封止面452は、第1面464を含む。第1面464は、結合部442の直径を横断して延在する横断壁468を含む。横断壁468は、結合部442の面が非準拠コネクタと封止係合するのを防ぐよう構成される。
【0035】
第2コネクタ438は、取付け部480、キャップ477、キャップ内側の、キャップに封止可能に取り付けられるOリング476、およびフレキシブルカラー477(図16および図18)を備える。操作に際しては、ユーザは、第1面464がフレキシブルカラー端部の第2コネクタ438の開口部に入る状態で、第2コネクタ438を結合部442上に押し付ける。Oリング476は、非封止面452の先端部と係合するが、チャンネル458があるので非封止面との封止接続は確立されない。次に、第1コネクタ436が第2コネクタ438へ更に進むと、Oリング476が封止面448と係合し、第1および第2コネクタ間の封止接続が確立される。第1コネクタ436の爪479は、フレキシブルカラー477の内側の環状の溝478内で係止される。緩和位置から撓んでしまったフレキシブルカラーは、爪479に耐えて、第1および第2コネクタ436、438を互いに固定するために、溝478内に爪を保持する。
【0036】
図20〜図25は、コネクターアセンブリ630の更なる実施の形態を示す。コネクターアセンブリ30の部品と対応するコネクターアセンブリ630の部品は、同一符号に「600」を加えて示す。コネクターアセンブリ630は、第1コネクタ636および第2コネクタ638を含む。第1コネクタ636は、第1筐体657、取付け部640、および結合部642を含み、第2コネクタ638は、第2筐体659、取付け部680、およびレセプタクル678を含む。第1および第2筐体657、659は、図22および図23では取り外して、第1および第2コネクタ636、638の他の特徴を判りやすく示す。第1コネクタ636は、図33に示すコントローラ2のようなコントローラの筐体の壁643(部分的な断片のみを示す)等の、別の物体または装置と一体化するか、またはそれらに固定してもよい。第1コネクタ636の取付け部640は、コントローラ内のポンプから延伸するチューブ(不図示だが医療用チューブ32のようなチューブ)を受ける。但し、取付け部640は、チューブ以外の物体へ直接接続することができる。
【0037】
図22を参照すると、第1コネクタ636の結合部642は、第1端部644および第2端部646を有する。第2端部646は、溶剤接着またはRF溶着等により、取付け部640へ適切に取り付け、または取付け部と一体構成として形成してもよい。取付け部640は、チューブ内に封止可能に係止することができる(例えばチューブセット20(図34)のチューブ32)。結合部642は、封止面648および非封止面652を含む。非封止面652の方が、封止面648よりも第1コネクタ636の自由端に近い。封止面648は、第2端部646で結合部642の外周に延在する。結合部642の形状および曲面は、後述のように、結合部が第2コネクタ638と係合して、封止を形成できる限り、図示の実施の形態のものに限定されない。非封止面652は、封止面648より直径が大きい。非封止面652の外周の離間する幾つかのチャンネル658は、第1コネクタ636の長さ方向に延在する。チャンネル658は、医療用チューブの内側面と封止接続を形成するのを禁止するように機能する。
【0038】
第2コネクタ638は、取付け部680の反対側のレセプタクル678の端部に、キャップ655により拘束される変形可能なOリング663を有する。図23を参照すると、キャップ655は、Oリング663の上に嵌合し、レセプタクル678のテーパ付き端部665とスナップ接続して、キャップとレセプタクルの面667との間にOリングを拘束する。Oリング663は拘束されると、レセプタクル678の端面667とキャップ655との間から半径方向内側に突出するので、第1コネクタ636が第2コネクタ638内に係止されると、Oリングにより第1コネクタ636の封止面648が封止係合される。第2コネクタ638の取付け部680は、その中央部に向かって直径をテーパ状として、第2コネクタアセンブリ639の把持を容易にする。取付け部680は、ジェネリックのチューブ(例えば、チューブセット20のチューブ32(図34))を封止可能に係止できる。
【0039】
図20および図21を参照すると、第2コネクタ638は、突起部材621を有するキー611を含む。第1コネクタ636は、組み合わせキャビティ613を含む。第1コネクタ636と第2コネクタ638との間の封止を形成するには、ユーザは、非封止面652がOリングを越えて通過するように、第1コネクタの第1端部644をOリング663に通して、第2コネクタ638のレセプタクル678に押し込まなければならない。突出部材621が筐体657と同一面になるまで、第2コネクタ638のキー611が、第1コネクタ636の組み合わせキャビティ613内に位置決めされた場合、封止面648はOリング663と係合している。突出部材621と第1筐体657とが同一面になっていると、第1コネクタ636と第2コネクタ638との分離が妨げられる。第2コネクタ638を解放するには、ユーザは突起部材621を押下し、第2コネクタを保持しながら、第2コネクタ638から第1コネクタ636を引き抜く。突起部材621を押下すると、突起部材が組み合わせキャビティ613から外れる。
【0040】
図24および図25を参照すると、第1コネクタ636の第1筐体657は、底面671を含む。結合部642は、底面671から外側に突出している。底面671から外側に突出している孤立リブ675は、結合部642の周囲の円周方向に離間している。結合部642に隣接するそれぞれの孤立リブ675の端部は、結合部を円周方向に取り囲む結合セグメント681へ取り付けられている。全体を679で示す流出通路は、結合セグメント681を越えて、リブ675と底面671との間に画成する。流体を結合部周囲に流出させ、流体密封を妨げる結合部642上に、導管を完全に挿入した場合、流出通路679は、ジェネリックな医療用チューブのような導管の端面を越えて延伸する。流れの方向および通路は、概ね矢印「A」により示す(図25)。図25に示すように、医療用チューブの端面を、第1筐体657へ最後まで押し込んだ場合、流出通路679は、結合部と医療用チューブMT(「非許容導管」)との間の連続する流体密閉接続を防ぐ。この条件では、典型的なコントローラは、流体の密閉接続の欠如を感知し、警告を発することができる。
【0041】
図26および図27は、第1コネクタ736の更なる実施の形態を示す。コネクタ636の部品と対応する第1コネクタ736の部品は、同一符号に「100」を加えて示す。流出通路779は、第1コネクタ736内に形成され、結合部742の周囲に流体を流出させるために筐体757の底面771に概ね隣接して配置される。図26を参照すると、流出通路779は、第1開口部で結合部742の半径方向外側に開き、筐体の底面771を通って軸方向に延伸し、第1開口部と反対側の底部側面で第1コネクタから開いている。結合部742の非封止面752は、封止面748による封止から浮かせて従来の医療用チューブMT(「非許容導管」)を保持する。チューブMTの端面は、底面771により封止できる。しかし、封止面748に形成される流出通路779は封止されない。このように、医療用チューブMT内の空気は、矢印「B」により示すように(図27)、非封止面752内のチャンネル758を通過し、封止面748に沿って、流出通路779から流出できる。従って、チューブの端面が底面771により封止されたとしても、流体密閉接続を、標準の医療用チューブMTで行うことはできない。
【0042】
図28〜図31は、コネクターアセンブリ830の更なる実施の形態を示す。コネクターアセンブリ30の部品と対応するコネクターアセンブリ830の部品は、同一符号に800を加えて示す。コネクターアセンブリ830は、第1コネクタ836および第2コネクタ838を備える(図28および図29)。第1コネクタ836は、第1コネクタの把持部841へ固定され、把持部内側に配置される円筒形でかつ懸かり付きの取付け部840を有する(図30)。取付け部840は、チューブ834内に封止可能に係止できる。しかし、取付け部840は、第3コネクタ10がコントローラ2へ直接接続されるのと同じ方法で、チューブ以外の物体へ直接接続することができる。第2コネクタ838は、第2コネクタをジェネリックなチューブ832(例えば、チューブセット20のチューブ32のような(図34))へ、取り付けできる取付け部880を有する。
【0043】
第2コネクタ838は、レセプタクル878を含む。レセプタクル878は、フランジ883を介して取付け部880へ取り付ける。レセプタクル878は、内側面874、およびレセプタクルの内側の内端部に環状肩部875、を有する(図30)。肩部875は、第1コネクタ836をレセプタクル878へ挿入できる距離を制限し、レセプタクル878に対して第1コネクタ836を軸方向に位置決めする停止面を画成する。
【0044】
第1コネクタ836の把持部841の表面、および第2コネクタ838の取付け部880の表面は、隆起した畝814、824を含む。第1コネクタ836の隆起した畝814は、第1コネクタの概ね長さ方向に延在する二つの概ね対向する丸括弧状の第1畝814a、および第1コネクタの長さ方向に離間する、U字型を平坦にしたような二つの第2畝814bを含む(図28)。同様に、隆起した畝824は、第1畝814aおよび第2畝814bと同様な形状および編成の、第1畝824aおよび第2畝824bを含む(図29参照)。図示の実施の形態では、第1および第2畝814a、814b、824a、824bは、コネクタ836、838に沿う空気の通路のためのチャンネル822、828を(それぞれ)画成するよう編成される。814、824で全体を示す隆起した畝はそれぞれ、ジェネリックな医療用のチューブが把持部841または取付け部880の表面を覆って配置された場合、流体密封が形成されるのを防ぐ。そのようなチューブ(不図示)がコネクタを覆って配置された場合、隆起した畝814、824が画成するチャンネル822、828は、概ね矢印「A」で示す方向でコネクタ836、838から流体を運び出し、それにより、医療用チューブによるコネクタ836、838の何れかの流体密閉接続を禁止する。第2畝814b、824bは、高準拠チューブ材料が第1畝814a、824bにより封止されるのを防ぎ、かつ両者間で封止されるのを防ぐのに役立つ。
【0045】
言うまでもなく、畝814、824は、図示したものと異なる形状および編成でもよく、本発明の範囲内で互いに異なっていてもよい。図示の実施の形態における形状および編成のように、畝814、824は、空気の通路を提供するが、コネクタ836、838の把持も容易にする。図示の実施の形態では、図28および図29に見ることができる畝814、824のような、コネクタ836、838の反対側に配置される畝(不図示)がある。
【0046】
図28を参照すると、第1コネクタ836の把持部841は、遠位端に形成されるフランジ815を有する。第1コネクタ836は、結合部842および底面871を含む。底面871の直径は、概ねフランジ815の直径と同一である。医療用チューブがフランジおよび底面の外周を覆って配置される場合、底面871およびフランジ815は、流体密封を防止するための外周の流出通路817を含む。流出通路817のような別の一対の流出通路(不図示)が、コネクタ836の反対側に配置される。言うまでもなく、任意の数の流体通路を、本発明の範囲内で利用することができる。
【0047】
第1コネクタ836は、底面871から外側に突出する結合部842を含む。底面871から外側に突出する孤立リブ875は、結合部842の周囲に円周方向に離間している。全体を879で示す流出通路が、リブ875と底面871との間に画成される。流出通路879は、リブ875より窪み、流出通路817と連通する。図31に示すように、コネクタ836全体を内側で係止するには細すぎる医療用チューブMTを、結合部842の上に押し込む場合、チューブの端部はリブ875と係合し、底面871から浮いて保持される。空気はチューブから出て、流出通路879に入り、流出通路817へ流れるか、または第1コネクタ836の半径方向外側に導かれる。流れの方向および通路を概ね矢印「A」で示す(図31)。医療用チューブの端面が底面871へ最後まで押し込まれる場合、流出通路817、879は、結合部842と医療用チューブとの間の連続した流体密閉接続を防ぐ。
【0048】
結合部842は、封止面848および非封止面852を含む。非封止面の方が、封止面848より第1コネクタ836の自由端に近い。封止面は、結合部842の外周に延在する。後述のように結合部が第2コネクタ838と係合し、封止を形成できる限り、結合部842の形状および曲線は、図示の実施の形態のものに限定されない。非封止面852は、封止面848より直径が大きい。非封止面852内の円周方向に離間する幾つかのチャンネル858は、第1コネクタ836の長さ方向に延在する。チャンネル858は、結合部842が医療用チューブの内側面と封止接続を形成するのを禁止するよう機能する。
【0049】
第2コネクタ838は、取付け部880と対向するレセプタクル878の端部に、変形可能なOリング863を有する。Oリング863は、半径方向内側に突出し、軸方向に位置決めされ、それにより、第1コネクタ836を第2コネクタ838内に係止して流体密閉接続を行う場合、Oリングは、第1コネクタ836の封止面848を封止係合できる。こうして、基本的に所望の接続だけを許容する。
【0050】
本明細書で説明する好適な実施の形態では、コネクタは、特定の血管治療用途および/または優先度に応じて、例えば高分子材料のような、血管圧迫治療にとって適切な半フレキシブルおよびフレキシブル材料により製作する。ウレタンおよびシリコン樹脂を用いてもよい。しかし、当該分野の技術者には言うまでもなく、本開示に基づく、組立てや生産に適切な他の材料および製作法でも妥当である。幾つかの代替の封止および非封止面が、コネクターアセンブリの大きさや形状に応じて可能である。
【0051】
本発明またはその好適な実施の形態の要素を導入する場合、冠詞「或る」、「その」および「前記」は、一つ以上の要素があることを意味するよう意図している。用語「備える」、「含む」および「有する」は、包含的であることを意図し、列挙した要素以外の追加要素の可能性があることを意味するよう意図している。
【0052】
上記説明から、本発明の幾つかの目的が達成され、その他の利点のある結果が達成されることが理解できよう。
【0053】
本発明の範囲を逸脱することなく、上記実施の形態および方法を多様に変更できるので、上記説明に含み、付帯の図面に示す全てのことが説明のためであって制限する意味ではない、と解釈すべきであると意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ装置であって、
内部封止面および外面に突起列を有する第2コネクタであって、前記各突起は、前記第2コネクタの外面をその中に係止する何らかのチューブの流体密閉接続を防ぐために、前記第2コネクタの外面上に流体の流れの通路を画成するよう、前記第2コネクタの円周方向および軸方向の少なくとも何れかの方向に、前記他の突起から離間させる、第2コネクタと、
前記第2コネクタと流体密閉接続を形成するために、前記第2コネクタの内側封止面との係合を封止するよう適合する第1コネクタと、
を備え、
前記突起は、
前記第2コネクタの概ね長さ方向に延在する二つの概ね対向する第1畝と、
前記第2コネクタの長さ方向に離間するとともに前記二つの第1畝の間に位置する二つの第2畝と、
を含み、
前記第1、第2畝は、前記第1、第2コネクタに沿う空気の通路のためのチャンネルを画成するよう編成された、コネクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記突起は、
前記第2コネクタの概ね長さ方向に延在する二つの概ね対向する追加の第1畝と、
前記第2コネクタの長さ方向に離間するとともに前記二つの追加の第1畝の間に位置する二つの追加の第2畝と、
を含み、
前記追加の第1、第2畝は、前記第1、第2畝に対して前記第2コネクタの反対側に配置された、コネクタ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記第1コネクタは、
前記第2コネクタの結合部を係止可能に構成されるフレキシブルスリーブを含む、コネクタ装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のコネクタ装置を備えたチューブセットであって、
チューブと、
前記チューブの第1端で前記チューブと接続された前記第2コネクタと、
前記チューブの第2端で前記チューブと接続された前記第1コネクタと、
を備えた、チューブセット。
【請求項5】
コントローラ、チューブセット、及び、圧迫治療装置を備える血管圧迫を提供するためのシステムであって、
前記コントロータと前記チューブが、請求項1に記載のコネクタ装置で接続され、
前記チューブと前記圧迫治療装置が、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のコネクタ装置で接続された、システム。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図19A】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−66794(P2013−66794A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−10754(P2013−10754)
【出願日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【分割の表示】特願2007−244619(P2007−244619)の分割
【原出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(507364377)コヴィディエン・アクチェンゲゼルシャフト (62)
【Fターム(参考)】