説明

安全特性を改良したガラス状材料

【課題】通常のガラスの代替として利用できる材料の提供。
【解決手段】この材料は、剛性かつ通常脆性であるアモルファス熱可塑性材料とひとつまたはそれ以上の互換性のある低分子量樹脂のブレンドを備える。本材料は、割れた時、尖っていない怪我を負わせない破片に割れる。本材料から、安全特性を改良した容器を製造することができ、本容器は、通常のガラス瓶に似た多くの特性、すなわち、透明性、剛性および脆性を有する。しかしながら本瓶は、割れた時、害がなく、人の皮膚を切ったり刺したりするために用いることのできない破片に砕ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常のガラスに比べて安全特性を改良したガラス状材料に関する。
本出願において、「ガラス状」材料への言及は、透明性、脆性、破損に対する低歪性および剛性という特性を有する材料を意味する。
【背景技術】
【0002】
通常のガラスは、幅広い日常用途に用いられる。例えば、火災その他非常用警報器、非常口解放、公共輸送機関の非常停止ボタン、消火器、消防斧等の保護カバーとしてガラスを用いることが当技術分野では公知である。ガラスは透明であるため、人は保持箱の中の警報器または装置の存在を迅速かつ容易に確認することができる。必要な場合、警報器または装置に近づくため、ガラスを割ることができる。
【0003】
しかしながら、ガラスを割る方法には固有の問題が存在する。警報器または装置と共に、あるいはその近くにしばしばハンマー等の補助道具が設けられ、ガラスを割るために使用することが出来る。しかしながら、緊急時にこの道具がなくなっている場合、あるいは見つけられない場合、この装置または警報器に近づきたい人は何らかの他の手段でガラスを割る必要があるであろう。緊急時、人はこのために例えば手や肘を用いてもよいが、その結果、ガラスを割ることで怪我をすることがある。ガラスを割ることによって尖ったガラスの破片や細片が生じ、これにより警報器や装置の近くにいる使用者その他の人が怪我をすることもありうる。さらに、ガラスを割ることによる怪我の潜在的リスクにより、警報器または装置に近づきたい人が躊躇し、危険な結果を招く可能性もある。
【0004】
ガラスはまた、悪意や偶然の損傷によって割れることもある。ガラスの破片を取り除き、保持ガラスを交換する間に、割れた破片に接触した人が怪我をする一時的リスクがある。
【0005】
ガラスに似た用途に用いることができるが、意図的または偶然にその材料が割れた時に人に損傷を与えるリスクを最小限にする材料を見つけるため相当な研究が行われてきた。安全ガラス、すなわち強化ガラスの材料は、当技術分野で公知であり、多くの用途および使用方法を有する。大半は、破損に対してガラスより高い応力を有するよう強度を強化することにより安全性を高めているが、言い換えると、これらを粉砕あるいは割るには通常のガラスより大きな力が必要なことになる。使用法は、自動車や公共輸送機関の窓やドアから、シャワーの囲いや室内の仕切り板のような屋内利用まで様々である。多くの場合、安全性は大きく増したが、ガラスを割ることが実際に望ましいような用途、すなわち、非常用装置や警報器の保持箱に用いられる場合、その高められた強度と力に対する抵抗のため、利用が限られる。
【0006】
例えば、ポリマー材料のPerspex(商標)およびPlexiglas(商標)はガラスのように透明だが、割れた時にガラスによる怪我のようなリスクを伴わない。しかしながら、これらの材料はガラスより割れにくく、割れた時にやはり尖った破片を生じる可能性がある。
【0007】
さらに、アルコール飲料や炭酸清涼飲料、酸素感受性の高いジュースを販売する容器も従来ガラスから製造されている。ガラス瓶は高品質製品の印象を与え、「チャリンと音がする要素」を有するため、消費者から広く受け入れられている。それでも、ガラスは割れやすいため瓶の利用は本来危険である。当然のことながら、これは、ガラス瓶の偶発的な割れが潜在的な健康上のリスクとなるバーやパブ、ナイトクラブでは特に問題となる。
【0008】
ガラス瓶はまた、他人に故意に怪我をさせる武器として用いることができるため好まれない。実際、安全規制当局は、グラスや瓶の攻撃による重大な傷害件数を減らすため、飲料メーカーや、飲料やアルコールを出す施設に対し、危険でない材料から作った瓶やグラスを用いるよう奨励している。
【0009】
近年、ガラスほど危険でない材料から製造した瓶を提供する動きがある。1996年における世界中のパッケージ入りビール生産量は1066億リットルで、1862億本の瓶と、737億個の缶を必要としたと推定される。ビール瓶メーカーは2001年までに年率3%で2160億単位まで成長すると予測された。大半の瓶生産はガラスを利用しており、1996年のプラスチックボトルの利用は1億本に過ぎない。しかしながら、安全性強化への動きから、プラスチックボトルの需要は2006年までに25億本に達すると予測されている。
【0010】
より安全な瓶の重視は、バーやナイトクラブで消費されるアルコール飲料に関しては特に重要である。容易に瓶に製造でき、ガラスほど容易に割れないPET、ポリ(エチレンテレフタレート)、プラスチックは既にこの目的で利用されている。
【0011】
しかしながら、PETの利用は業界に問題をもたらす。PETは比較的高価な材料で加工も安価でなく、飲料メーカーにとってはあまり魅力のない選択肢といえる。さらに、プラスチックボトルは安っぽい感じがあり、ガラスとのような高品質感が得られないため、公衆にはあまり受け入れられないという一般的な合意がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そのため、ガラスに似ているが、通常のガラスと比較した時にその安全特性を改良した材料を提供することが、本発明の少なくとも1つの態様の目的である。
【0013】
既存のガラスおよびプラスチックボトルに関して上述した問題を克服することもまた、本発明の少なくとも1つの態様の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の様態によると、割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料が提供され、本材料は、アモルファス熱可塑性ポリマー、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を含む。
【0015】
本材料は、アモルファス熱可塑性ポリマー、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂の単純な混合物を含むことが望ましい。
【0016】
アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることが望ましい。
【0017】
選択されるひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、選択されるポリマーと完全に互換性のあるものであろう。例えばポリスチレンの場合、低分子量樹脂は一般にC9芳香族炭化水素樹脂である。
【0018】
本材料は、11から60Nmm-2の間の引張応力限界を有することが望ましい。
低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することが望ましいであろう。
【0019】
本材料は、シート状に製造されてもよい。
本発明の第2の様態によると、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されるポリマー、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を備えたポリマーブレンドが提供される。
【0020】
選択されるひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、選択されるポリマーと完全に互換性のあるものであろう。例えばポリスチレンの場合、低分子量樹脂は一般にC9芳香族炭化水素樹脂である。
【0021】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することが望ましい。
【0022】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることが望ましい。
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0023】
ポリマーブレンドはシート状に製造されてもよい。
本発明の第3の様態によると、割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料が提供され、本材料は、ポリスチレン、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を含む。
【0024】
本材料は、ポリスチレン、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂の単純な混合物を含むことが望ましい。
【0025】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることが望ましい。
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0026】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、C9芳香族炭化水素樹脂であることが最も望ましい。
【0027】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、アルファメチルスチレンであるか、あるいはアルファメチルスチレンに由来することが望ましい。
【0028】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Piccotex(商標)、Piccolastic(商標)、Sukorez(商標)及びArkon(商標)からなる群から選択されることが望ましい。
【0029】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択されることが最も望ましい。
【0030】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することが望ましいであろう。
【0031】
本材料は、11から60Nmm-2の間の引張応力限界を有することが望ましい。
任意で、本材料は当技術分野で公知の紫外線抑制剤、酸化防止剤、流動性改質剤、難燃剤、着色顔料および光沢剤もまた含んでもよい。
【0032】
本材料はシート状に製造されてもよい。
本発明の第4の様態によると、割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料を製造する方法が提供され、本方法は、アモルファス熱可塑性ポリマー、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を混合するステップを備える。
【0033】
アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることが望ましい。
【0034】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、選択されるポリマーと完全に互換性のあることが望ましい。例えばポリスチレンの場合、選択される低分子量樹脂はC9芳香族炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0035】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることが望ましい。
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0036】
低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することが望ましいであろう。
【0037】
ポリスチレンをひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂と混合する時、材料のガラス転移温度(Tg)が上昇することが望ましい。一般に、Tgはベースポリマーより5℃から10℃高くまで上昇する。
【0038】
本発明の第5の様態によると、割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料を製造する方法が提供され、本方法は、ポリスチレン、およびひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂を混合するステップを備える。
【0039】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることが望ましい。
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0040】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、C9芳香族炭化水素樹脂であることが最も望ましい。
【0041】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、アルファメチルスチレンであるか、あるいはアルファメチルスチレンに由来することが望ましい。
【0042】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Piccotex(商標)、Piccolastic(商標)、Sukorez(商標)またはArkon(商標)からなる群から選択されることが望ましい。
【0043】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択されることが最も望ましい。
【0044】
低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することが望ましいであろう。
【0045】
本方法は、当技術分野で公知の紫外線抑制剤、酸化防止剤、流動性改質剤、難燃剤、着色顔料および光沢剤からなる群から選択される添加剤を添加する任意のステップを備えてもよい。
【0046】
ポリスチレンをひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂と混合する時、材料のガラス転移温度(Tg)が上昇することが望ましい。一般に、Tgはベースポリマーより5℃から10℃高くまで上昇する。
【0047】
本発明の第6の様態によると、割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料から製造した容器が提供される。
【0048】
本容器は、瓶、グラス、タンブラー等であってもよい。
本材料は、アモルファス熱可塑性ポリマー、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を含むことが望ましい。
【0049】
アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることが望ましい。 ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0050】
ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることが望ましい。
選択されるひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、選択されるポリマーと完全に互換性のあるものであろう。例えばポリスチレンの場合、低分子量樹脂は一般にC9芳香族炭化水素樹脂であろう。
【0051】
本材料は、11から60Nmm-2の間の引張応力限界を有することが望ましい。
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Piccotex(商標)、Piccolastic(商標)、Sukorez(商標)、及びArkon(商標)からなる群から選択されることが望ましい。
【0052】
ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択されることが最も望ましい。
【0053】
低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるような
【数3】

(数平均分子量)を有することが望ましいであろう。
【0054】
本容器は、射出ブロー成形および/または射出延伸ブロー成形技術を用いて本材料から製造してもよい。
【0055】
代わりに、本容器は押し出しブロー成形を用いて本材料から製造してもよい。
任意で、本容器の材料はまた、酸素バリアを備えてもよい。本容器の材料はまた、脱酸素剤を備えてもよい。
【0056】
本容器の材料に含まれるバリアは、アクリロニトリル−メチルアクリレートリレート共重合体、エチレンビニルアルコール(EVOH)またはナイロンMXD6からなる群から選択されてもよい。
【0057】
バリアは、Barex(商標)であることが望ましい。バリアはBarex(商標)210またはBarex(商標)218であることが最も望ましい。
【0058】
ナイロンMXD6をバリアとして用いる実施例では、脱酸素剤はX-312でもよい。Amsorb3000または金属触媒酸素還元化学反応を有するMXD6の消去剤もまた、用いてもよい。
【0059】
バリアは、本容器にオーバーモールド、あるいは噴霧されるか、代わりに共射出技術を用いて本容器の材料に含んでもよい。
【0060】
本容器はまた、無機コーティングを有してもよい。これは、アモルファスカーボンの薄層であってもよい。無機コーティングは、本容器の内面に塗布してもよい。一般に、無機コーティングは100から200nmの厚みの層に塗布されるであろう。層は、噴霧によって塗布してもよい。
【0061】
本容器はまた、外部有機コーティングを有してもよい。外部有機コーティングはPVDCまたは二成分エポキシアミンであってもよい。
【0062】
本容器は本材料の複数層から製造してもよい。改良された酸素バリアとして作用するよう本容器の2層以上を組み合わせてもよい。
【0063】
任意に、本容器の材料はまた、当技術分野で公知の紫外線抑制剤、酸化防止剤、流動性改質剤、着色顔料および光沢剤も含んでもよい。
【0064】
アモルファス熱可塑性ポリマーをひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素と混合する時、ガラス転移温度が上昇することが望ましい。本容器の材料は、80℃を超えるガラス転移温度を有することが望ましい。
【0065】
ここで述べる材料は、通常のガラスの代替として用いることができる。本材料は、透明性、脆性、破損に対する低歪性および剛性を有する特性においてガラス状である。本材料は、アクセスパネル、窓およびドアに用いるのと同様、例えば鍵、救急箱、消火器、窓ハンマー、緊急停止ボタン、緊急蹴出パネルおよび警報器等の緊急用備品を収納する筐体や箱としての用途を含む様々な利用法を有する。前記利用法は例としてのみであり、本材料の利用方法を限定する目的でないことを認識しなければならない。本材料は、押し出しによりシート状に製造され、射出成形またはその他標準的な溶解工程によってあらゆる形状に成形されることができる。
【0066】
表1に、他のポリスチレン材料と比較して、本材料の応力歪み挙動を示す。図1は、グラフの形式でこの情報を示す。
【0067】
【表1】

【0068】
注:Safeglass(商標)材料は従来の「結晶」ポリスチレンよりわずかに剛性で、明らかにより脆性である。変性ポリスチレンは、ゴム状(低Tg)添加剤との配合の結果、常に剛性が低く、より強靭な材料である。これにより、ビカット軟化温度の低下で証明されるように、ガラス転移温度(Tg)が低下することにもなる。逆もまた真で、Safeglass(商標)材料はかかるTgの低下を示さず、実際、臨界温度より高いことがありうる。
【0069】
本材料は基本的に、剛性かつ通常脆性であり、周囲温度より少なくとも5℃高いガラス転移温度Tgを有するアモルファス熱可塑性物質、およびひとつ又はそれ以上の互換性のある低分子量樹脂のブレンドである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
例としてのみ、実施例を以下に記述する。
剛性かつ通常脆性であるアモルファス熱可塑性ポリマーを、樹脂が500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有するひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂と配合する。ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、6050以下の重量平均分子量を有する。
【0071】
本材料は、クリアポリマーをひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂と混合または配合することにより製造される。ポリマーはアモルファス熱可塑性物質で、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることができる。低分子量樹脂は、選択されるポリマーと完全に互換性があることが重要である。たとえば、ポリスチレンの場合、これはC9芳香族炭化水素樹脂である。
【0072】
ここで記述する実施例ではポリスチレンを用いる。
ポリスチレンと混合するひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は芳香族炭化水素樹脂で、一般にC9芳香族炭化水素樹脂である。ひとつ又はそれ以上の樹脂は一般に、アルファメチルスチレンまたはビニルトルエンまたはその誘導体である。これらは、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択される。
【0073】
ポリスチレンをひとつ又はそれ以上の上記低分子量炭化水素樹脂と配合すると、硬く、剛性で、ガラスの外観と感触を有するが、極めて脆性で破損に対する低歪性を有する材料が形成されることが発見された。本材料はまた、割れた時、ガラスと異なり、材料が尖っていない破片に割れ、皮膚や細胞組織を傷つけないという固有利点を有する。本材料は、設計により、11から60Nmm-2の間で割れるよう製造される。そのため、本材料は、たとえば緊急用装置や警報器の保持箱にガラスの代替として提供される時、人の手やこぶし、ひじ、足等で容易に割ることができ、また有利なことに、尖っておらず、人の皮膚を切ったり刺したりできない破片や断片に砕ける。本材料の固有の利点のため、様々な他の利用法を有することが予想される。たとえば、応力緩和おもちゃ等の目新しいおもちゃや、例えば劇場、ショー、映画セット等の「スタント」装置において利用してもよい。
【0074】
本材料は従来の溶融混合技術によって製造される。ポリスチレンをひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂と混合する際、低分子量樹脂は可塑化効果を有しないため、本材料のガラス転移温度(Tg)は上昇し、材料のガラス転移温度が上昇すると反対の効果が見られる。
【0075】
本材料は一般に透明あるいはクリアであるが、材料の外観を変えるため染料を添加してもよい。
【0076】
樹脂の低分子量は、樹脂の鎖の長さの関数である。この場合、炭化水素樹脂は非常に低い分子量を有し、実際には樹脂としては低すぎるためそれ自体で利用することができず、成形が困難である。低分子量炭化水素樹脂をポリスチレンと混合することにより、ポリスチレンの応力限界が下がり、本材料に本出願において記述する特性を与える。低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することが望ましい。
【0077】
以下は本発明の材料の一例である。
例1
応力限界24MPaの材料を達成するため、ポリマー50%と樹脂50%の混合を用い、これによりこの応力限界を達成する。一般に、ポリマーはPolystyrol(商標)143E等の結晶ポリスチレンと、樹脂Plastolyn(商標)240であることができるであろう。
例2
応力限界34MPaの材料を達成するため、ポリマー60%と樹脂40%の混合を用い、これによりこの応力限界を達成する。一般に、ポリマーはPolystyrol(商標)143E等の結晶ポリスチレンと、樹脂Plastolyn(商標)240であることができるであろう。
【0078】
安全特性を改良した容器は、アモルファス熱可塑性ポリマーとひとつ又はそれ以上の樹脂を含む材料から製造することができる。樹脂は芳香族炭化水素樹脂であり、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Sukorez(商標)、Arkon(商標)、Piccolastic(商標)、Piccotex(商標)からなる群、そして特に、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択される。特定の実施例では、ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるような
【数4】

(数平均分子量)を有するC9炭化水素樹脂である。選択される樹脂(単数あるいは複数)は、選択されるポリマーとの互換性において選択されるであろう。
【0079】
樹脂の低分子量は、樹脂の鎖の長さの関数である。この場合、炭化水素樹脂は非常に低い分子量を有し、実際には樹脂としては低すぎるためそれ自体で構造的プラスチック材料として利用できず、成形が困難である。低分子量炭化水素樹脂をポリスチレンと混合することにより、ポリスチレンの応力限界が下がり、本材料に本出願において記述する特性を与える。
【0080】
アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択される。これらは、ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂と混合、配合または重合することができる。容器の外観を変更または適合するため、紫外線抑制剤、染料、酸化防止剤、流動性改質剤、着色顔料および光沢剤もまた添加することができる。
【0081】
ここで記述する容器は、通常のガラス瓶に似た多くの特性、すなわち、透明性、剛性および脆性を有する。しかしながら、割れた時、瓶は害のない破片に砕け、人の皮膚を切ったりつき刺したりするために用いることはできない。
【0082】
本容器を製造するために用いる材料は基本的に、周囲温度より少なくとも50℃高いガラス転移温度Tgを有する剛性かつ通常脆性であるアモルファス熱可塑性物質、およびひとつ又はそれ以上の互換性のある低分子量樹脂のブレンドである。剛性かつ通常脆性であるアモルファス熱可塑性ポリマーを、樹脂が500繰り返し単位未満、望ましくは50繰り返し単位未満になるような
【数5】

(数平均分子量)を有するひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂と配合する。ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、6050以下の重量平均分子量を有する。本材料は、設計により、11から60Nmm-2の間で割れるよう製造される。
【0083】
本材料は、加熱して所望の形状の容器、すなわち、例えば射出成形、押し出しブロー成形またはプリフォーム射出ブロー成形技術等の当技術分野で公知の任意の適切な技術により、瓶、グラスまたはタンブラーに作ることができる。
【0084】
本容器はひとつ又はそれ以上の本材料から製造してもよい。改良された酸素バリア特性を提供するために1層より多くの層を用いてもよい。代わりに、本容器を酸素バリアで被覆してもよい。従来のコーティング技術は大きく2つに分類される。第1は、カーボンやシリカ等の材料の超薄膜を被覆する物体の表面に成膜するため真空またはプラズマ経路を用いるものである。第2は、液体有機材料の瓶の外面への噴霧に依存する。理想的には全コーティング材料が再利用の経済性を妨げず、瓶の外観を損なわないようにしなければならないが、本材料が食品に接触することを承認されるには、薄膜内部成膜についてさらに重要な配慮が必要である。
【0085】
ここで述べる容器は、従来のプラスチックより低い加工材料の材料から製造されるため、この目的には普通適さないバリアを用いることができる。たとえば、本容器はBarex(商標)(アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体)、特に高い酸素バリア性を有するBarex(商標)210またはBarex(商標)218で被覆することができる。これは、オーバーモールド、噴霧または共射出技術のいずれかによって達成することができる。代わりに、バリアはアクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、エチレンビニルアルコール(EVOH)またはナイロンMXD6でもよい。バリアを、本容器の内側または外側に提供することができる。
【0086】
すべてのポリエステルAmosorb 3000またはX-312消去剤等の脱酸素剤を用いることができる。これら脱酸素材料は、中身に達する前にガスと反応するよう容器の材料に組み込むことができる。選択されるバリアがMXD6ナイロンである時、Amosorb 3000またはX-312消去剤は特定の用途を有する。これらの種類の活性脱酸素剤パッケージでは保存性能が炭酸化減少率によってのみ判定され、CO2の損失は物理的バリアとしてのMXD6の存在によって減少する。金属触媒酸素還元化学反応を有するMXD6の消去剤を用いてもよい(Oxbar)。本システムは容器の中で酸素と非常に速く反応し、高い酸素容量を有するため、長期活性寿命を確保する。
【0087】
本容器はまた、アモルファスカーボン等の無機コーティングを有してもよい。これは、被覆される容器の表面に噴霧できる。無機コーティングは、ブロー後、瓶の内側または外側に塗布されることができる。最近開発された、カーボンまたはシリコンを用いたプラズマ塗布コーティングを用いてもよい。Sidel Actis(商標)およびKirin DLC(商標)コーティング技術を用いて、一般に厚み100から200nmのアモルファスカーボンの薄層を本容器の内面に作製することができる。これを高真空環境内でアセチレンガスの高エネルギープラズマから成膜する。本コーティングが、O2とCO2の両方に優れたバリアを提供し、これが容器の内側にあるため、容器の材料に溶解したO2が、保管最初の数週間の間に容器の内容物に移動するのを防ぐ。
【0088】
成膜層は基本的に脆性のため、瓶を充填した時の瓶の膨張とクリープによる容器応力下、および内容物からの圧力下で剥れないようにするためには非常に薄くなければならない。他の要因には、瓶の取り扱いによる損傷や擦り傷が含まれるが、コーティングが内面にある場合、これらはコーティングの完全性に明らかに影響を与えない。カーボンコーティングのバリア性能改善は、有機コーティングによる改善と同様で、ここでも9ヶ月ほどのより長い潜在的小売保存性を与える。
【0089】
GlaskinおよびBestPet等のシリカ技術も用いることができる。これらは、厚み40から60nmのバリア層を与えるためSiOx真空プラズマコーティングの用途に依存する。Glaskin加工は瓶の内側にガラスクリアコーティングを塗布し、BestPet技術は外側に塗布する。
【0090】
代替手段として、有機コーティングを用いてもよい。外部有機コーティングは、1980年代初期から業界で公知であり用いられている。1990年代中ごろ、最初はより暑い気候でより小型の清涼飲料の保存性を延ばすため、次にビールのために、二成分エポキシアミン化学反応に基づくバリアコーティング溶液(Bairocade)が開発された。これらは、CO2およびO2の移動に対する優れたバリアでありまた湿度に影響されない透明で光沢のある外部噴霧コーティングを提供する。その低温熱硬化性保存処理は、充填および取り扱い条件に対して強固で強靭な皮膜を提供する。
【0091】
一般に、コーティングは6μmから10μmの間の厚みで容器に塗布され、標準樹脂、および、既存の射出およびブロー成形設備を有するプリフォームの使用が可能になるであろう。かかるコーティングの利用によって、被覆していない容器の約19倍の性能改善が得られ、より長い小売保存性につながる。外部有機コーティングはPVDC二成分エポキシアミンであってもよい。
【0092】
本容器材料のガス透過性を改良する代替アプローチは、これを本材料の複数層から製造することである。言い換えると、改良された酸素バリアとして作用するように、本容器を2層以上組み合わせてもよい。最終的成型ブローにより、7層までの異なるポリマー層を有する瓶が作製され、そのポリマー層がガス透過に対する物理的バリアとして作用するか、容器の材料から酸素を除去して、外側から酸素が拡散するのを遮る際、化学的に活性となる。
【0093】
ここで記述する材料は上昇したガラス転移温度を有し、それは、たとえばPETのガラス転移温度よりはるかに高い。PETはビール業界で利用される低温殺菌温度より低いガラス転移温度を有する。その結果、瓶の製造にPETを用いると、充填中にクリープが発生することがある。言い換えると、材料が膨張し、瓶の変形を生じさせる。この問題は、ガラス転移温度が充填中に用いる低温殺菌温度より高いため、ここで記述する材料を用いて解決される。
【0094】
さらに、PET製の瓶は通例、完全低温殺菌に対し、業界が好むフラッシュ低温殺菌を用いて充填する。完全低温殺菌は通例、より効率的で、製品の保存性が長くなる。しかしながら、完全低温殺菌はPET材料には通例用いられない。
【0095】
ここで記述する材料の特定の利点は、上昇したガラス転移温度を有するため、完全低温殺菌に耐えられることである。
【0096】
上述の材料を用いることで割れた時に人の皮膚や細胞組織を切ったり刺したりあるいは損傷を与えることのない瓶、グラス、タンブラー等の容器を製造することができることがわかった。言い換えると、本容器は割れた時、害のない破片、かけらまたは断片に砕けるであろう。
【0097】
ここで述べる容器の特定の利点は、割れた時に危険な破片に砕けないにもかかわらず、ガラスと似た質感を有し、PET等の既存のプラスチックを超えて美的品質を改良したという事実にある。容器製造に用いられるここで記述する材料は比較的軽量で、ガラス状の触感であり、ポリマーであるため、たとえば作製中に酸素バリアを含むことにより加工ができる。重要なことは、本材料は同等のPETボトルより厚いため、よりガラス状の感触を有するが、コストを上げることなく容器に製造できる点である。
【0098】
本容器の潜在的利用方法は限定されない。たとえば、本容器は、ビール、炭酸清涼飲料、酸素感受性の高いジュース、飲料または牛乳に用いてもよい。
例1
ポリスチレンポリマー85%と樹脂15%の混合を用いて、安全特性を改良した瓶を製造する。15%の樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Sukorez(商標)、Arkon(商標)、Piccolastic(商標)およびPiccotex(商標)からなる群から選択される単一の樹脂を含むか、または上記の2個以上の組み合わせであってもよい。この目的には特にPlastolyn(商標)が適している。樹脂(単数または複数)は、所望の分子量範囲を達成するよう選択される。
【0099】
本明細書で意図する本発明の範囲から逸脱せずに、さらなる修正または改良を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】他のポリスチレン材料と比較して、本材料の応力歪み挙動を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料であって、前記材料はアモルファス熱可塑性ポリマーおよびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を含むことを特徴とする材料。
【請求項2】
アモルファス熱可塑性ポリマーおよびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂の単純な混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の材料。
【請求項4】
11から60Nmm-2の間の引張応力限界を有することを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の材料。
【請求項5】
前記低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の材料。
【請求項6】
前記低分子量樹脂は、50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項5に記載の材料。
【請求項7】
シート状に製造されることを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の材料。
【請求項8】
ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されるポリマーおよびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を備えたことを特徴とするポリマーブレンド。
【請求項9】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項8に記載のポリマーブレンド。
【請求項10】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項9に記載のポリマーブレンド。
【請求項11】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のポリマーブレンド。
【請求項12】
前記炭化水素樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項11に記載のポリマーブレンド。
【請求項13】
シート状に製造されることを特徴とする請求項8から請求項12のいずれかに記載のポリマーブレンド。
【請求項14】
割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したりあるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料であって、前記材料はポリスチレンおよびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を含むことを特徴とする材料。
【請求項15】
ポリスチレンおよびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂の単純な混合物を含むことを特徴とする請求項14に記載の材料。
【請求項16】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項14又は請求項15のいずれかに記載の材料。
【請求項17】
前記炭化水素樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項16に記載の材料。
【請求項18】
前記芳香族炭化水素樹脂は、C9芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項17に記載の材料。
【請求項19】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、アルファメチルスチレンであるかあるいはアルファメチルスチレンに由来することを特徴とする請求項14から請求項18のいずれかに記載の材料。
【請求項20】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Piccotex(商標)、Piccolastic(商標)、Sukorez(商標)及びArkon(商標)からなる群から選択されることを特徴とする請求項14から請求項19のいずれかに記載の材料。
【請求項21】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の材料。
【請求項22】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項14から請求項21のいずれかに記載の材料。
【請求項23】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項22に記載の材料。
【請求項24】
11から60Nmm-2の間の引張応力限界を有することを特徴とする請求項14から請求項23のいずれかに記載の材料。
【請求項25】
紫外線抑制剤、酸化防止剤、流動性改質剤、難燃剤、着色顔料、光沢剤および脱酸素剤を含む群から選択されるひとつ又はそれ以上の添加剤をも含むことを特徴とする請求項14から請求項24のいずれかに記載の材料。
【請求項26】
シート状に製造されることを特徴とする請求項14から請求項25のいずれかに記載の材料。
【請求項27】
割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料を製造する方法であって、アモルファス熱可塑性ポリマー、およびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂を混合するステップを備えたことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMAA)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の材料。
【請求項29】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項27又は請求項28のいずれかに記載の材料。
【請求項30】
前記炭化水素樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項29に記載の材料。
【請求項31】
前記低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項27から請求項30のいずれかに記載の材料。
【請求項32】
前記低分子量樹脂は、50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項31に記載の材料。
【請求項33】
前記材料のガラス転移温度(Tg)は、前記アモルファス熱可塑性ポリマーを前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂と混合する時に上昇することを特徴とする請求項27から請求項37のいずれかに記載の材料。
【請求項34】
前記Tgは、ベースポリマーより5℃から10℃高くまで上昇することを特徴とする請求項33に記載の材料。
【請求項35】
割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺したり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料を製造する方法であって、ポリスチレンおよびひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂を混合するステップを備えたことを特徴とする方法。
【請求項36】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記炭化水素樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記芳香族炭化水素樹脂は、C9芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、アルファメチルスチレンであるか、あるいはアルファメチルスチレンに由来することを特徴とする請求項35から請求項38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Piccotex(商標)、Piccolastic(商標)、Sukorez(商標)及びArkon(商標)からなる群から選択されることを特徴とする請求項35から請求項39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene W90(商標)、Norsolene W100(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択されることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項35から請求項41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記低分子量樹脂は、50繰り返し単位未満になるようなMn(数平均分子量)を有することを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
当技術分野で公知の紫外線抑制剤、酸化防止剤、流動性改質剤、難燃剤、着色顔料および光沢剤と脱酸素剤からなる群から選択されるひとつ又はそれ以上の添加剤を添加する追加ステップを備えることを特徴とする請求項35から請求項43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記材料のガラス転移温度(Tg)は、前記ポリスチレンを前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂と混合する時に上昇することを特徴とする請求項35から請求項44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記Tgは、ベースポリマーより5℃から10℃高くまで上昇することを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
割れた時、人の皮膚や細胞組織を切ったり、刺さったり、あるいは損傷を与えることのない破片に砕ける材料から製造されることを特徴とする容器。
【請求項48】
瓶であることを特徴とする請求項47に記載の容器。
【請求項49】
グラスであることを特徴とする請求項47に記載の容器。
【請求項50】
タンブラーであることを特徴とする請求項47に記載の容器。
【請求項51】
前記材料は、アモルファス熱可塑性ポリマーおよびひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂の混合物であることを特徴とする請求項47から請求項50のいずれかに記載の容器。
【請求項52】
前記アモルファス熱可塑性ポリマーは、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、線状ポリエステルおよびコポリエステルおよびポリカーボネート(PC)からなる群から選択されることを特徴とする請求項51に記載の容器。
【請求項53】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項51に記載の容器。
【請求項54】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項53に記載の容器。
【請求項55】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量樹脂は、Norsolene(商標)、Kristalex(商標)、Plastolyn(商標)、Endex(商標)、Piccotex(商標)、Piccolastic(商標)、Sukorez(商標)及びArkon(商標)からなる群から選択されることを特徴とする請求項53又は請求項54に記載の容器。
【請求項56】
前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素樹脂は、Norsolene W907(商標)、Norsolene W10O(商標)、Norsolene W110(商標)、Kristalex F85(商標)、Kristalex Fl00(商標)、Kristalex F115(商標)、Plastolyn 240(商標)、Plastolyn 290(商標)、Endex 155(商標)、Piccolastic D125(商標)、Sukorez 100(商標)、Sukorez 120(商標)、Arkon Pl00(商標)、Arkon P125(商標)、Arkon P140(商標)、Piccotex 75(商標)、Piccotex 100(商標)、及びPiccotex 120(商標)からなる群から選択されることを特徴とする請求項55に記載の容器。
【請求項57】
前記低分子量樹脂は、500繰り返し単位未満になるような
【数1】

(数平均分子量)を有するであろうことを特徴とする請求項51から請求項56のいずれかに記載の容器。
【請求項58】
前記低分子量樹脂は、50繰り返し単位未満になるような
【数2】

(数平均分子量)を有するであろうことを特徴とする請求項51から請求項56のいずれかに記載の容器。
【請求項59】
前記材料は11から60Nmm-2の間の引張応力限界を有することを特徴とする請求項47から請求項58のいずれかに記載の容器。
【請求項60】
射出ブロー成形および/または射出延伸ブロー成形技術を用いて製造されることを特徴とする請求項47から請求項59のいずれかに記載の容器。
【請求項61】
押し出しブロー成形を用いて製造されることを特徴とする請求項47から請求項59のいずれかに記載の容器。
【請求項62】
前記材料は酸素バリアを含むことを特徴とする請求項47から請求項61のいずれかに記載の容器。
【請求項63】
前記材料に含まれるバリアは、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、エチレンビニルアルコール(EVOH)またはナイロンMXD6からなる群から選択されることを特徴とする請求項62に記載の容器。
【請求項64】
前記バリアは、Barex(商標)であることを特徴とする請求項62に記載の容器。
【請求項65】
前記バリアはBarex(商標)210またはBarex(商標)218であることを特徴とする請求項64に記載の容器。
【請求項66】
前記バリアは、前記容器にオーバーモールド、あるいは噴霧されることを特徴とする請求項62から請求項65のいずれかに記載の容器。
【請求項67】
前記バリアを、共射出技術を用いて前記容器の材料と混合することを特徴とする請求項62から請求項65のいずれかに記載の容器。
【請求項68】
前記材料は、ひとつ又はそれ以上の脱酸素剤を含むことを特徴とする請求項47から請求項67のいずれかに記載の容器。
【請求項69】
前記脱酸素剤はX-312、Amosorb 3000、または金属触媒酸素還元化学反応を有するMXD6の消去剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項68に記載の容器。
【請求項70】
無機コーティングを有することを特徴とする請求項47から請求項69のいずれかに記載の容器。
【請求項71】
前記無機層は、アモルファスカーボンの薄層であることを特徴とする請求項70に記載の容器。
【請求項72】
前記無機コーティングは、前記容器の内面に塗布されることを特徴とする請求項70又は請求項71に記載の容器。
【請求項73】
前記無機コーティングは100から200nmの厚みの層に塗布されるであろうことを特徴とする請求項70から請求項72のいずれかに記載の容器。
【請求項74】
外部有機コーティングを有することを特徴とする請求項47から請求項73のいずれかに記載の容器。
【請求項75】
前記外部有機コーティングはPVDCまたは二成分エポキシアミンであることを特徴とする請求項74に記載の容器。
【請求項76】
前記材料の複数層から製造されることを特徴とする請求項47から請求項75のいずれかに記載の容器。
【請求項77】
前記材料は、当技術分野で公知の紫外線抑制剤、酸化防止剤、流動性改質剤、着色顔料および光沢剤からなる群から選択されたひとつ又はそれ以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項47から請求項76のいずれかに記載の容器。
【請求項78】
前記ガラス転移温度は、前記アモルファス熱可塑性ポリマーを前記ひとつ又はそれ以上の低分子量炭化水素と混合する時に上昇することを特徴とする請求項51から請求項77のいずれかに記載の容器。
【請求項79】
前記材料は、80℃を超えるガラス転移温度を有することを特徴とする請求項51から請求項78のいずれかに記載の容器。

【図1】
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【公表番号】特表2007−505182(P2007−505182A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525872(P2006−525872)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003647
【国際公開番号】WO2005/026256
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(506081688)セイフグラース (ユーロップ) リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SAFEGLASS (EUROPE) LIMITED
【Fターム(参考)】