説明

安息角測定装置及び安息角測定方法

【課題】地表近くの低応力でも安息角を正確に測定することができる安息角測定装置及び安息角測定方法を提供する。
【解決手段】液体中で、粒子Pが円錐状に堆積してなる堆積物P1の安息角を測定する安息角測定装置である。堆積物形成手段1と、堆積物形成手段1を上方へ引き上げる引上手段2とを備える。堆積物形成手段1は、粒子Pが集合した粒子溜りP0に埋没する平板体8と、平板体8の上方に位置する下方開口状の筒体9とを有する。液体中で、平板体8が粒子溜りP0に埋没した状態で、引上手段2にて堆積体形成手段1を引き上げて、平板体8と筒体9との間に、筒体内部の柱状の粒子集合物P2に連接される堆積物P1を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子が円錐状に堆積してなる堆積物の安息角を測定する安息角測定装置及び安息角測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電線管、ガス管工事等の施工において、掘削時に掘削面の崩壊が生じることがある。例えば砂などの粒子が円錐状に堆積してなる堆積物(粒状体)のせん断強度は、τ=σ×tanφ+c(σ:有効応力、φ:せん断抵抗角(内部摩擦角)、c:粒状体の見かけの粘着力)で表され、現場でのせん断抵抗角φを正確に知ることができれば、適切な掘削施工を行うことができる。
【0003】
ところで、図8に示すように粒子(例えば砂)の堆積体の斜面が安定するためには、抵抗力Faとすべり力Fnとが等しくなることが必要である。βを斜面勾配、Wを砂の重量、Nを垂直応力とすると、Fa=Fn、すなわち、W・sinβ=W・cosβ・tanφが導かれ、これを展開するとβ=φ(ただしc=0)となる。従って、斜面勾配がせん断抵抗角となり、φは、砂の堆積体の安息角を測定することにより推定される。
【0004】
安息角を測定するための方法として、三軸圧縮試験が知られている(特許文献1)。三軸圧縮試験は、供試体に三軸的な圧力を加えながら、更に軸方向に圧縮して強度−変形特性を求める試験である。また、漏斗等から砂を水平面に落下させて、水平面に円錐状に堆積した堆積物の傾斜角を測定する注入法が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−281955号公報
【特許文献2】特開2008−026232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された三軸圧縮試験により測定されるせん断抵抗角は、深度約10m以深であり、地表からの深度が深い場所が対象となっている。一方、前記施工現場における掘削深度は約1.5m〜2.0mと低応力であることが一般的である。せん断抵抗角には応力依存性(例えば深いほど小さい)があり、三軸圧縮試験で測定したせん断抵抗角を、地表近く(低応力)におけるせん断抵抗角として適用することができない。また、特許文献2に記載された注入法は、砂に含まれる水分が影響する等して、見かけの粘着力が発生し、安息角が過剰(45以上)となるという問題がある。このように、低応力で安息角を正確に測定できる装置や方法はなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて、地表近くの低応力でも安息角を正確に測定することができる安息角測定装置及び安息角測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の安息角測定装置は、液体中で、粒子が円錐状に堆積してなる堆積物の安息角を測定する安息角測定装置であって、堆積物形成手段と、この堆積物形成手段を上方へ引き上げる引上手段とを備え、前記堆積物形成手段は、粒子が集合した粒子溜りに埋没する平板体と、この平板体の上方に位置する下方開口状の筒体とを有し、液体中で、前記平板体が粒子溜りに埋没した状態で、前記引上手段にて前記堆積体形成手段を引き上げて、前記平板体と前記筒体との間に、筒体内部の柱状の粒子集合物に連接される堆積物を形成するものである。
【0009】
本発明の安息角測定装置では、液体中で粒子の堆積物の安息角を測定するものであるため、粒子の見かけの粘着力を微小にすることができる。水中で平板体上に粒子を堆積させる場合、例えば、下方開口状の筒体に粒子を充満させて、筒体の下端面を平板体に当接させ、徐々に筒体を引き上げる。これにより、筒体内から粒子が排出されて、平板体上に粒子が堆積する。また、粒子溜り(粒子が多数集合した粒子の集合体)に平板体を埋没させて、徐々に平板体を引き上げることにより平板体上に粒子が堆積する。筒体を引き上げて粒子の堆積物を形成する場合、引き上げの最終段階、つまり筒体内の粒子が全て排出される寸前の状態で粒子の自由崩落が生じる。このとき平板体に堆積した粒子の頂部から粒子が雪崩のように崩壊する大崩落を引き起こし、堆積した粒子の安息角が小さくなる場合がある。そこで、筒体内部に粒子を充満させて粒子集合物を形成し、この粒子集合物が堆積物に連接したものとすると、堆積物の頂部に、柱状の粒子集合物が設けられるため、堆積物の頂部における粒子の自由崩落が生じることがなく、堆積物の大崩落を防止することができる。従って、本発明の装置により形成された堆積物の安息角を測定すると、低応力における粒子の安息角を正確に測定することができる。
【0010】
前記構成において、前記筒体は、上方に開口する上方開口部を有し、前記平板体が粒子溜りに埋没した状態で、前記上方開口部から前記筒体内部に粒子を供給することができる。これにより、堆積物の安息角は、筒体を引き上げることにより形成され、かつ、平板体を引き上げることでも形成されるものとなる。すなわち、安息角は、筒体と平板体とで二重に形成され、安息角を一層安定なものとすることができ、一層正確な測定を行うことができる。
【0011】
前記構成において、前記筒体の下端面は、内径側から外径側に向かって拡径するテーパ面とすることができる。これにより、底面摩擦が生じるのを防止することができる。
【0012】
本発明の安息角測定方法は、液体中で、粒子が円錐状に堆積してなる堆積物の安息角を測定する安息角測定方法であって、下方開口状の筒体と平板体との間隔を一定に維持した状態で、前記平板体を粒子溜りに埋没させ、前記筒体内の少なくとも下端部に粒子を充満させて筒体内部に柱状の粒子集合物を形成した後、粒子を液体中に浸漬させ、前記平板体及び筒体を引き上げて、前記平板体と前記筒体との間に、前記粒子集合物に連接される堆積物を形成し、この堆積物の安息角を測定するものである。
【0013】
本発明の安息角測定方法では、堆積物の頂部における粒子の自由崩落が生じることがなく、堆積物の大崩落を防止することができる。従って、本発明の方法により堆積物の安息角を測定すると、低応力における粒子の安息角を正確に測定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の安息角測定装置及び安息角測定方法によれば、地表近くの低応力でも安息角を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の安息角測定装置の堆積物形成手段の要部斜視図である。
【図2】前記図1の堆積物形成手段の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の安息角測定装置の引上手段の簡略正面図である。
【図4】前記図1の堆積物形成手段を容器に入れる前の斜視図である。
【図5】前記図1の堆積物形成手段を容器に入れた後の斜視図である。
【図6】本発明の安息角測定方法により堆積物の安息角を測定する説明図であり、(a)は筒体に粒子を充満し、(b)は水槽に水が注入され、(c)は堆積物形成手段を引き上げた後の図である。
【図7】堆積物形成手段に堆積物が形成された状態を示す正面図である。
【図8】斜面勾配とせん断抵抗角とが等しくなることを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の安息角測定装置を示す斜視図である。本発明の安息角測定装置では、液体(本実施形態では水)中で粒子(本実施形態では砂)の安息角を測定するものである。本発明により測定される安息角は、地表近くの低応力におけるものである。
【0018】
本発明の安息角測定装置は、堆積物形成手段1(図1参照)と、引上手段2(図3参照)とを備えている。堆積物形成手段1は、水中に浸漬した状態で粒子が円錐状に堆積してなる堆積物P1(図6(c)及び図7参照)と、この堆積物P1の頂部に設けられる粒子集合物P2(図6(c)(d)及び図7参照)とを形成するものであり、引上手段2は、堆積物形成手段1を上方に引き上げるものである。
【0019】
図1に示すように、堆積物形成手段1は、枠体3と、平板体8と、上方及び下方に開口する筒体9とを備えている。枠体3は、上下方向に延びる一対の鉛直部4a、4bと、夫々の鉛直部4a、4bの下端部から水平方向に延びる底部5a、5bと、一対の鉛直部4a、4bの上端部を連結する連結部6と、夫々の鉛直部4a、4bの上下方向中間部から水平方向に延びる中間部7a、7bとから構成されている。連結部6には、上方に延びる支持部10が設けられている。
【0020】
平板体8は、一対の底部5a、5bにて支持されている。一対の中間部7a、7bの間には円環状の支持体12が設けられ、この支持体12に筒体9が内嵌されている。筒体9には、固定用クリップ13が外嵌されることにより、固定用クリップ13と支持体12とで筒体9の軸方向(上下方向)の抜けを規制している。筒体9の下端部は、平板体8の上面から離間しており、筒体9の下方開口部は平板体8の上面に対面した状態となっている。固定用クリップ13は、筒体9の軸方向の任意の位置に外嵌することができる。これにより、固定用クリップ13の筒体9の外嵌位置を調節すれば、筒体9の上下方向位置を調節することができて、筒体9の下端部と平板体8の上面との隙間を調節することができる。
【0021】
筒部9は内径25、40、60mmのいずれかの円筒体であり、図2に示すように、筒体9の下端面は、内径側から外径側に向かって拡径するテーパ面11となっている。平板体8は、直径85、100、150mmのいずれかの円板体であり、面の粗度は滑らかな場合でも粗い場合でも値は同じである。
【0022】
図3に示すように、引上手段2は、作業台26と、この作業台26に固定される一対の滑車29a、29bと、堆積物形成手段1の支持部10に連結されるロッド27と、このロッド27に連結されるワイヤー25と、このワイヤー25を巻き取る巻き取り機28とから構成されている。後述する水槽15及び容器16内に堆積物形成手段1をセットして、巻き取り機28にてワイヤー25を巻き取ることにより、堆積物形成手段1を上方に引き上げることができる。
【0023】
前記安息角測定装置を用いて粒子(砂)の安息角を液中(水)で測定する方法を説明する。まず、準備段階として、図4に示すように、水槽15と、容器16と、その上部に堆積物形成手段1をセットする。次に、筒体9の所定の位置に固定用クリップ13を外嵌して筒体9の上下方向位置を調節し、筒体9の下端面と平板体8の上面との間隔を所定の寸法に設定し、容器16の中に下げ入れてセットする。その後、図5、図6に示すように、容器16内に砂Pを充満させた粒子溜り(砂Pが多数集合した土層)P0を形成し、容器上面までに満たす。このとき、図5に示すように、粒子溜りP0の上面は筒体9の下端部よりも上方に位置しており、筒体9の下端部も粒子溜りP0に埋没した状態となっている。
【0024】
次に、図6(a)に示すように、筒体9の上方開口部から、筒体9内部に砂Pを供給して、筒体内に砂Pの粒子集合物P2を形成する。このときに供給する砂Pは、粒子溜りP0を構成する砂Pと同一種類のものとする。さらに、図6(b)に示すように、水槽15に液体Wを注水して、フィルター着き通水口17を介して容器16内にも水が浸入し、砂Pが水中に浸漬した状態とする。この場合、水槽15の水の水面は、筒体9内に充満された砂Pの上面(つまり、粒子集合物P2の上面)とほぼ同じ高さとする。その後、図6(b)の矢印に示すように、引上手段2にて堆積物形成手段1を徐々に上方に引き上げる。この際、堆積物形成手段1を所定距離引き上げた後、所定時間引き上げを止め、再び所定距離引き上げて、所定時間引き上げを止める作業を繰り返し行い、所定時間毎に所定距離の引き上げを行う。
【0025】
平板体8が粒子溜りP0中を上昇することに伴って、平板体8と筒体9との間において、筒体9の下端部と平板体8の外周部とで斜面を形成するように粒子溜りP0の砂Pが持ち上げられる。このとき、筒体9内の砂Pは、そのままの状態を維持するか、僅かに下方に排出される。図6(c)に示すように平板体8が容器16内の粒子溜りPから露出すると、平板体8と筒体9との間に、砂Pが円錐状に堆積してなる堆積物P1が形成される。
【0026】
堆積物形成手段1の引き上げ時間の間隔は、常に一定の間隔としてもよく、段階ごとに間隔を相違させてもよい。例えば、引き上げの初期段階では引き上げ間隔を短く(つまり、引き上げの頻度を多く)し、引き上げ完了の直前で引き上げ間隔を長く(つまり、引き上げの頻度を少なく)してもよい。このようにすれば、堆積物形成手段1を粒子溜りP0から引き上げる時間を短くすることができ、試験時間を短縮することができる。
【0027】
この堆積物P1の頂部は、筒体9の下端部が若干貫入し、筒体内部の柱状の粒子集合物P2に連設された状態となる。このようにすると、堆積物P1の頂部における砂Pの自由崩落が生じることがなく、堆積物P1の頂部から砂Pが雪崩のように崩壊する大崩落を防止することができて、堆積物P1の安息角が小さくなることを防止できる。
【0028】
図6(c)(d)に示す状態で、水中での堆積物P1の安息角φ、すなわち、斜面勾配を目視および画像撮影により測定する。堆積物P1の安息角φは、筒体9を引き上げることにより形成され、かつ、平板体8を引き上げることでも形成されるものとなる。すなわち、図6(d)及び図7に示すように、筒体9を引き上げることにより、堆積物P1の傾斜面(二点鎖線O1で示す)が得られる。また、平板体8を引き上げることにより、堆積物P1の傾斜面(実線O2で示す)が得られる。このようにして、本発明により形成された堆積物P1の安息角φは、筒体9と平板体8とで二重に形成され、安息角φを安定なものとすることができる。これにより、砂Pの見かけの粘着力を微小にすることができ、しかも安息角φが安定したものとなっており、低応力での正確な安息角φを測定することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、粒子は砂に限られず、粒子の形状、大きさ、表面の凹凸の有無、等は種々のものを採用することができる。液体も水に限られず、粒子が液面に浮上することなく底面に沈降するものであれば種々のものを採用することができる。堆積物形成手段1の材質や、サイズ(例えば、平板体8の径や筒体9の内径及び軸方向長さ)は種々のものとできる。また、筒体9に充満する粒子の量、すなわち粒子集合物P2の大きさは種々のものとできる。
【実施例1】
【0030】
本発明に係る安息角測定装置及び安息角測定方法の有効性を検証するための実験について述べる。本実験は、種々の条件にて砂の堆積物の安息角を測定した。いずれの測定も、表1に示すような試料A、試料B、試料C、試料Dの4種類の砂を用いて測定を行った。低応力における各試料のφの理想値は、試料A、試料Bのφは33度以上、試料Cのφは38度以上、試料Dのφは40度以上である。
【0031】
内径64mmの上方及び下方開口状の円筒体内に砂を充満させて、円筒体の下端面を水槽の底面に当接させる。そして、徐々に円筒体を引き上げることにより、円筒体の下方開口部から砂が排出されて、水槽の底面に堆積してなる円錐状の堆積物を形成した。このとき、(1)水槽に水を注入することなく円筒体内の全ての砂を排出した場合と、(2)水槽に水を注入して、円筒体内の全ての砂を排出した場合と、(3)水槽に水を注入し、円筒体の下端部に粒子を残した状態で円筒体の位置を留めた場合とで、夫々堆積物の安息角を測定した。(1)(2)(3)は比較例である。(1)(2)(3)において、安息角を測定した結果を表2に示す。
【表1】

【表2】

【0032】
表2より、(1)と(2)では、試料Cのφは38度を大きく下回っており、(2)では試料Dのφは40度を大きく下回っている。(3)では、試料Cのφは38度には満たないものの、38度に近づいており、試料Dのφは40度に近づいていることがわかる。
【実施例2】
【0033】
次に、容器内に砂を充満させた粒子溜り(砂が多数集合した土層)を形成し、直径110mmの円板体を粒子溜りに埋没させて、徐々に引き上げることにより、円板体上に粒子が円錐状に堆積してなる堆積物を形成した。このとき、(1)水槽に水を注入しない場合と、(2)水槽に水を注入した場合とで、夫々堆積物の安息角を測定した。(1)(2)ともに比較例である。(1)(2)において安息角を測定した結果を表3に示す。
【表3】

【0034】
表3より、(1)では、試料B及び試料Dのφは45度近くなっており、φが大きすぎることがわかる。また、(2)では試料Dのφは40度を大きく下回っていることがわかる。
【実施例3】
【0035】
次に、本発明の安息角測定装置の堆積物形成手段を用いた実験を行った。すなわち、容器内に砂を充満させた粒子溜りを形成し、この容器を、さらに水が注入されていない水槽内に入れる。そして、堆積物形成手段の平板体を容器の粒子溜りに埋没させるとともに、筒体の下端部も粒子溜りに埋没した状態とする。その後、水槽に水を注入し、堆積物形成手段を上方に引き上げる。この場合、(1)筒体に砂を供給しない場合と、(2)筒体に砂を供給した場合とで安息角を測定した。(1)(2)は実施例である。(1)(2)において安息角を測定した結果を表4に示す。
【表4】

【0036】
表4より、(1)では、試料Cのφは38度に近づいていることがわかる。(2)では試料Aのφの平均は37.54度、試料Bのφの平均は40.07度、試料Cのφの平均は39.09度、試料Dのφの平均は42.29度となっている。三軸圧縮試験結果では、試料Aのφの平均は33度、試料Bのφの平均は33度、試料Cのφの平均は38度、試料Dのφの平均は40度であり、本発明による安息角測定方法及び安息角測定装置は、せん断抵抗角の応力依存性を十分に捉えた測定であることがわかった。
【符号の説明】
【0037】
1 堆積物形成手段
2 引上手段
8 平板体
9 筒体
11 テーパ面
P 砂
P0 粒子溜り
P1 堆積物
P2 粒子集合物
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中で、粒子が円錐状に堆積してなる堆積物の安息角を測定する安息角測定装置であって、
堆積物形成手段と、この堆積物形成手段を上方へ引き上げる引上手段とを備え、
前記堆積物形成手段は、粒子が集合した粒子溜りに埋没する平板体と、この平板体の上方に位置する下方開口状の筒体とを有し、
液体中で、前記平板体が粒子溜りに埋没した状態で、前記引上手段にて前記堆積体形成手段を引き上げて、前記平板体と前記筒体との間に、筒体内部の柱状の粒子集合物に連接される堆積物を形成することを特徴とする安息角測定装置。
【請求項2】
前記筒体は、上方に開口する上方開口部を有し、前記平板体が粒子溜りに埋没した状態で、前記上方開口部から前記筒体内部に粒子を供給することを特徴とする請求項1の安息角測定装置。
【請求項3】
前記筒体の下端面は、内径側から外径側に向かって拡径するテーパ面としたことを特徴とする請求項1又は請求項2の安息角測定装置。
【請求項4】
液体中で、粒子が円錐状に堆積してなる堆積物の安息角を測定する安息角測定方法であって、
下方開口状の筒体と平板体との間隔を一定に維持した状態で、前記平板体を粒子溜りに埋没させ、
前記筒体内の少なくとも下端部に粒子を充満させて筒体内部に柱状の粒子集合物を形成した後、粒子を液体中に浸漬させ、
前記平板体及び筒体を引き上げて、前記平板体と前記筒体との間に、前記粒子集合物に連接される堆積物を形成し、この堆積物の安息角を測定することを特徴とする安息角測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−2836(P2013−2836A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131215(P2011−131215)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)