説明

官公有地占用情報管理システム

【課題】 電力や電気通信サービス等を供給する公共事業者では、電線や通信回線を架設する電柱等のサービス供給設備を、官公有地を占用して設置することが多く行われている。しかし、官公有地を占用する対価である占用料は、それぞれの設備を単位として行われることが一般的であり、官公庁および公共事業者における担当者の事務処理が煩雑であった。また、占用料の請求および支払い等に要する経費負担も大きなものであった。
【解決手段】 官公庁が管理する官公有地に設置された公共事業者のサービス供給設備を、公共事業者のコンピュータ端末と通信ネットワークを介して接続する、官公庁のサーバ装置で一元管理をすることにより、官公庁および公共事業者の担当者における事務処理の効率化を図るとともに、事務に要する経費の節減を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
官公有地を占用して設置する公共事業者のサービス供給設備の情報を、官公庁のサーバ装置を用いて管理するコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力や電気通信サービスの供給等を行う公共事業者では、電力の供給を行う電線や、電気通信を行う通信回線をくまなく張り巡らせる必要がある。また、電線や通信回線を架設する電柱等のサービス供給設備は、官公有地を占用して設置されることが多く、同一の官公庁が管理する官公有地において、占用により多数の設備が設置されることが一般的である。
【0003】
しかし、従来における官公庁では、占用を許可した部局がそれぞれに管理台帳を作成して個別に設備を把握するにとどまり、官公庁が管理するすべての官公有地に、どのような設備が設置されているのかといった、一元的な管理は行われていないことが一般的であった。
【0004】
一方で、設備を設置して官公有地を占用する期間においては、公共事業者は官公庁に対価として占用料を支払うことになる。しかし、従来はそれぞれの設備を単位として占用料の支払が行われていたため、多数の占用設備が設置された官公庁においては、占用料の請求等に係る事務処理が煩雑となっていた。同様に公共事業者においても、占用料の支払い等に係る事務処理が煩雑となっていた。
【0005】
また、電柱等のサービス供給設備の新設や撤去は頻繁に行われ、その都度、公共事業者は官公庁に対して、書面による占用の許可申請を行わなければならず、申請に係る手続きが負担となっていた。同様に官公庁においても、占用許可の審査や、許可書の発行等に係る手続きが負担となっていた。
【0006】
そのため、占用の許可申請に係る手続きの負担を軽減するため、電子申請システム及び同システムにおける電子文書の申請・申告方法、並びに電子申請用プログラム(例えば、特許文献1を参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開2004−13380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、多数の占用設備が設置された官公庁においては、一般に占用設備の一元管理は行われていなかった。なお、ここで「占用設備」とは、公共事業者が官公庁の官公有地を占用して設置した設備のことをいう。
【0008】
そのため、公共事業者による占用の許可申請の提出、官公庁による占用許可申請の審査、占用許可書の作成および発送、占用料の請求書の発行および発送、公共事業者による出金伝票の発行および金融機関への振り込みの手続き、官公庁による占用料の入金の確認等を、それぞれの占用設備を単位として行われており、双方にとってコストおよび労力が負担となっていた。
【0009】
具体的には、一件あたりでは小額である占用料の収納事務に対し、各種書類の郵送料金や、請求処理に使用する納付書の金融機関への手数料支払等のコストが、それぞれ個別に発生していた。
【0010】
また、それぞれの対応する書類についても、その都度、官公庁および公共事業者の担当者による目視での照合が必要であり、紛失やミスに繋がる恐れもあった。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、官公庁が保有する官公有地に設置された公共事業者の占用設備を一元管理することで、官公庁および公共事業者の担当者における効率的でミスの少ない事務を可能とするとともに、事務に係る経費を軽減することを可能にする官公有地占用情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の官公有地占用情報管理システムは、官公有地の占用により事業者が設置した事業設備を管理する官公有地占用情報管理システムであって、通信ネットワークを介して接続する事業者のコンピュータ端末に、官公有地占用申請の入力画面を表示して、入力された申請データを取得する官公有地占用申請手段と、前記官公有地占用申請手段により取得した申請データから、官公有地占用の情報を抽出してデータベースに保存する占用情報保存手段と、前記データベースに保存された占用情報から、占用の対価である占用料を事業者ごとに集計する占用料算定手段と、集計された占用料に基づいて事業者ごとに請求書データの作成を行い、通信ネットワークを介して事業者のコンピュータ端末に表示する占用料請求手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
ここで、官公有地とは、官公庁は地方機関を含む中央省庁および地方自治体が保有する用地であって、広域事務組合、外郭団体等も含まれる。また、広域に沿線を有する鉄道事業者や道路管理会社等においても、条件の設定を変更することで本発明のシステムの運用が可能である。なお、公共事業者とは、エネルギー供給会社、電気通信会社、有線放送会社等の、公共的なサービス供給のために広域に設備の展開が必要な事業者のことである。
【0014】
また、本発明の官公有地占用情報管理システムは、前記占用料請求手段により作成した事業者への請求書データと、金融機関のコンピュータ端末から受信した事業者からの振込データとの比較を行い、対象となる請求を特定して未収入金処理を行う占用料入金処理手段と、未収入金処理が完了した請求に対して領収書データの作成を行い、通信ネットワークを介して事業者のコンピュータ端末に表示する占用料領収手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記官公有地占用申請手段の実行に際して、受信した申請データとあらかじめデータベースに保存した申請許可フォーマットとの比較を行い、適合する場合に前記申請データに許可書番号の書き込みを行う許可書番号採番手段と、前記許可書番号採番手段において許可書番号の書き込みがされた前記申請データに対し、許可書データの作成を行い、通信ネットワークを介して事業者のコンピュータ端末に表示する占用申請許可手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
すなわち、公共事業者から占用許可の申請のために送信された申請データが、所定の占用許可の要件を満たすか否かを、申請許可フォーマットと比較することで判定を行う。申請データに記載された内容が、申請許可フォーマットに記載された範囲内である場合には、占用の要件を満たした申請として、許可書番号採番手段により許可書番号が付与される。また、占用申請許可手段により、作成された許可書が公共事業者に送信される。
【0017】
加えて、本発明の官公有地占用情報管理システムは、前記占用情報保存手段の実行に際して、占用箇所の設備に工事が必要な申請データの判定を行い、データベースに仮登録として保存する仮登録保存手段と、通信ネットワークを介して接続する事業者のコンピュータ端末に、工事完了による供用開始届出の入力画面を表示して、入力されたデータを取得する供用開始届出手段と、供用開始届出手段により取得した供用開始届出データを検知して、本登録に切り替える本登録切り替え手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記の通り、本発明の官公有地占用情報管理システムによれば、官公庁における占用設備の一元管理が可能となり、これまで個別の設備を単位として行われていた手続等を、複数の占用設備を有する公共事業者を単位として行うことができるため、官公庁における事務に係る負担を大幅に軽減することができる。同様に公共事業者においても、占用設備の設置から運営に係る負担を大幅に軽減することができる。
【0019】
また、コストの面においても、個別の設備単位から公共事業者を単位とすることで、郵送料や伝票発行手数料等のコストの軽減を図ることができる。
【0020】
さらに、これまでは紙による書類で行っていた事務を、通信ネットワーク上で行うことで、コストダウンに寄与するとともに、ペーパーレスを実現でき、地球環境保護にも資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に関し、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る官公有地占用情報管理システムと、通信ネットワークを介して接続する公共事業者のコンピュータ端末および金融機関のコンピュータ端末の機能ブロック図である。
【0022】
官公有地占用情報管理システム1は、通信ネットワーク2等と通信を行う送受信部11、官公有地の占用情報の管理に関する演算処理等を行う中央演算処理部12、占用者や占用設備に関するデータ等を保持する記憶部13、データを入力するキーボード等の入力部14およびデータを出力する表示装置あるいはプリンタ等の出力部15から構成されている。
【0023】
官公有地占用情報管理システム1の送受信部11は、通信ネットワーク2を介して、公共事業者のコンピュータ端末3、金融機関のコンピュータ端末4等に接続する。
【0024】
記憶部13は、電力供給会社、電気通信会社等の占用者の名称、住所、連絡先等に関する情報を保持する占用者DB131、官公有地を占用して設置されたサービス供給設備に関する情報を保持する占用設備DB132、官公有地の占用により発生する占用料の請求等に関する情報を保持する請求DB133等により構成されている。
【0025】
中央演算処理部12は、送受信部11との間でデータの受け渡しを行う送受信処理手段501、入力部14または出力部15とデータの受け渡しを行う入出力処理手段502、公共事業者からの占用の申請データを受信する官公有地占用申請手段503、申請データから占用情報を抽出してデータベースに登録する占用情報保存手段504、申請データの適合性を判定する許可書番号採番手段505、適合性を満たした公共事業者の申請データに対して許可書データを送信する占用申請許可手段506、占用許可を得た公共事業者の設備に工事が必要な場合には仮登録とする仮登録保存手段507、工事が必要な占用設備について、工事完了による供用開始届出データを受信する供用開始届出手段508、供用開始届出データの受信を検知して、データベースの登録を仮登録から本登録に切り替える本登録切り替え手段509、データベースに登録された占用情報から占用料を算定する占用料算定手段510、公共事業者に対して算定された占用料の請求を行う占用料請求手段511、公共事業者からの振り込みにより請求を特定して未収入金処理を行う占用料入金処理手段512、入金処理が完了した請求の公共事業者に対して領収書データを送信する占用料領収手段513等を備える。
【0026】
次に、記憶部13が保持するデータベースの構成例について解説する。
占用者DB131では、官公有地を占用して公共サービスの供給を行う電力供給会社、電気通信会社、有線放送会社等の公共事業者の情報を管理する。具体的には、占用者IDを主キーに、占用者の名称、住所、連絡先および取扱金融機関の名称、口座番号等を管理する(図2)。
【0027】
占用設備DB132では、官公有地を占用してサービスの供給を行う個別の設備について管理する。具体的には、設備IDを主キーに、占用者ID、所在地、占用箇所の地目である河川、道路、学校等の占用地目、本実施例の電柱設備では本柱、支柱、支線等の設備区分、占用設備あたりの個別の占用料、許可書ID、占用期間等を管理する(図3)。
【0028】
官公有地においては、占用に係る地目・占用物件により設備あたりの個別の占用料が条例で定められるが、本実施形態では、占用地目マスタを備えることで、条例の改定があった場合にも占用地目マスタの変更により、一括して変更することが可能となる。
【0029】
請求DB133では、官公庁から公共事業者への占用料の請求について管理する。具体的には、請求書IDを主キーに、請求先である占用者ID、請求金額、請求日、支払期限等を管理する。また、本実施例では、入金日についても管理することで未収入金処理を行うこともできる(図4)。
【0030】
請求金額は、占用設備DB132が管理する個々の占用設備の占用料を、占用者IDを単位として集計することで、公共事業者ごとの請求額を求めることができる。なお、官公庁または公共事業者の部局ごとに請求を分割するように設定することもできる。
【0031】
次に、本実施形態について、全体のフローを示す図5に沿って説明する。
はじめに、官公有地の占用を求める公共事業者は、官公庁に対して占用の許可申請を行う必要がある。本発明の官公有地占用情報管理システム1では、官公有地占用申請手段503により、通信ネットワーク2を介して接続する公共事業者のコンピュータ端末3が備える出力部35のモニタに、占用許可申請の入力画面を表示する。公共事業者の担当者は、入力画面のフォーマットに従って必要事項を選択および入力する。具体的には、占用箇所の所在地、占用に係る地目、占用物件、占用の目的および態様、占用期間等を入力する(S101)。
【0032】
なお、占用期間満了による契約更新手続や契約内容の変更、設備の廃止等による契約の解除等についても、官公有地占用申請手段503により行うことができる。具体的には、占用申請の入力画面に表示される各種手続きのボタンを選択することで行う。
【0033】
必要事項を入力した申請データは、送受信部11を介して中央演算処理部12の官公有地占用申請手段503が受信する。本実施形態では、受信した申請データは許可書番号採番手段505により、占用許可の要件を満たすか否かを判定する。具体的には、あらかじめサーバ装置のデータベースが保持する、占用の許可要件をリストした申請許可フォーマットと比較を行い、すべての記載が申請許可フォーマットの範囲内にある場合に、占用許可の要件を満たす申請であると判定して、オートナンバーによる許可書番号が採番され、申請データに付与される(S102)。
【0034】
また、申請データの要件を判定する場合において、官公庁の担当者による承認を得ることで、処理を完了するように設定することもできる。
【0035】
占用許可の要件を満たすと認められた申請データに基づいて、占用申請許可手段506により、申請データに対応する占用許可書データを作成し、通信ネットワーク2を介して接続する公共事業者のコンピュータ端末3が備える出力部35のモニタに表示する。送信した占用許可書のデータは、同時に記憶部13の占用設備DB132に登録する(S103)。
【0036】
一方、占用許可の要件を満たすと認められなかった申請データは、占用申請許可手段506により、公共事業者のモニタ(出力部35)にその旨が表示される。
【0037】
なお、許可書番号採番手段505、占用申請許可手段506を採用しない実施形態においては、占用申請の許諾、許可書番号の採番および占用申請許可書の発行は、官公庁の担当者により行われる。
【0038】
また、占用許可の要件を満たすと認められた申請データは、占用情報保存手段504により、申請データの中から必要な占用情報を抽出して、記憶部13の占用設備DB132に登録する。具体的には、オートナンバーにより占用設備IDが付与され、公共事業者にあらかじめ付与された占用者ID、所在地等の情報と関連付けて保存される(S104)。
【0039】
なお、本実施形態においては、登録に係る申請データの占用設備に工事等が必要であって、サービス供給の開始が先となる場合には、占用設備DB132への当初の登録を仮登録とする(仮登録保存手段507)。具体的には、申請データの入力画面に設置された「竣工後に供用開始」のボタン選択を検出することで、占用設備DB132に登録されるデータに仮登録フラグが立てられる(S105)。
【0040】
供用開始届出手段508は、通信ネットワーク2を介して接続する公共事業者のコンピュータ端末3が備える出力部35のモニタに、供用開始届出データの入力画面を表示する。公共事業者の担当者は、仮登録となった占用設備が竣工等により供用可能になったときに(S106)、入力画面のフォーマットに従って、供用開始時期等の必要事項を選択および入力して、供用開始届出データを送信する。送信されたデータは、供用開始届出手段508が受信する(S107)。
【0041】
本登録切り替え手段509は、供用開始届出データの受信を検知して、占用設備DB132に登録されたデータに立てられた仮登録フラグを撤去する(S108)。
【0042】
これにより、官公庁は、官公有地に設置された公共事業者の占用設備の、稼動状況を管理することが可能となり、占用期間の算定においても、いずれかの時点を起算点とすることができる。
【0043】
また、占用の対象となる官公有地が、官公庁による他の目的で使用する予定があって、設備の供用開始時期が申請データの日時から遅延するような場合にも、応用して適用することができる。
【0044】
次に、占用料算定手段510により、占用者ごとの所定期間の占用料を、記憶部13が保持する占用設備DB132に基づいて算定する(図6)。具体的には、占用設備DB132における個別の占用設備の占用料については、前述の占用地目マスタを参照して占用設備DB132が保持する。占用料算定手段510は、占用者IDごとに管理するすべての占用設備をリストして、それぞれの占用料の合計額を請求額として算定する(S109)。
【0045】
なお、一般に占用の許可申請においては、電柱、支線柱等の複数の占用設備を含むものであり、本実施形態においては、占用設備DB132が保持する許可書IDに基づいて小計を算出することで、それぞれの許可書を単位とした占用料の請求書を作成することができる。
【0046】
また、公共事業者の占用の形態により、設備の占用面積で占用料が定まるような場合には、それぞれの設備の設置に必要な面積と、地目ごとの面積あたりの占用単価を、あらかじめ占用地目マスタ等に登録しておくことで、それらに基づいて占用料を算出するように設定することもできる。
【0047】
なお、所定期間とは一般に一月を単位とし、所定の日を検知して占用料算定手段510が起動する。算定の対象は、新たに設置した占用設備に加えて、占用期間内に稼動する占用設備が対象となる。いずれも占用設備DB132が保持する日付のデータからリストする。また、占用期間内の既存の占用設備は、あらかじめ定めた年一回の請求により行われるように設定することも可能であり、例えば占用期間が開始した月に請求を行うように設定をすることができる。なお、当月の請求に含まれる対象を、支払期限から所定の日数を減じた日付までに発生した占用料に限定するように設定する。
【0048】
算定された占用料は、占用料請求手段511により請求書データの作成を行い(S110)、通信ネットワーク2を介して接続する公共事業者のコンピュータ端末3が備える出力部35のモニタに表示する(図7)。一方、送信した請求書データは、同時に記憶部13の請求DB133に登録される(S111)。
【0049】
請求書データを受信した公共事業者は、請求書データの内容に承諾すれば振込処理を行う。具体的には、公共事業者の取扱金融機関に対し、官公庁が指定した金融機関の口座へ、支払期限までに振込指示を行う(S112)。占用料の振り込みを受けた金融機関は、官公庁に対し振込データを送信する(S113)。
【0050】
金融機関からの振込データを受信した官公庁は、請求DB133が保持する請求書データとの比較を行い、どの請求書データに対する振込であるのかを特定して未収入金処理を行う(占用料入金処理手段512)。具体的には、請求DB133の該当のデータに入金日を登録し、請求書データの登録と同時に立てられた未収入金フラグを撤去する。これにより、所定期間の経過後に行われる再請求処理のリストから除外されることになる(S114)。
【0051】
未収入金処理が行われた占用料については、占用料領収手段513が起動して、領収書データを作成する。作成された領収書データは、占用料領収手段513により、通信ネットワーク2を介して接続する公共事業者のコンピュータ端末3が備える出力部35のモニタに、領収書データを表示する(S115)。
【0052】
上記の通り、本発明の官公有地占用情報管理システムによれば、これまで個別の占用設備単位で行われていた管理が、公共事業者が当該官公庁の官公有地に保有するすべての設備を単位として行うことが可能となるため、煩雑な事務手続きが不要になるとともに、官公有地に設置された、全体の設備を把握することが可能になる効果も有する。
【0053】
また、これまでは官公庁によって異なるフォーマットで管理が行われていたため、手続きにおいて書類不備の原因となることもあった。しかし、本発明の官公有地占用情報管理システムが広域で採用されることになれば、上記の問題は生じない。
【0054】
さらに、広域において各官公庁と各公共事業者が共同のデータベースセンターを構築して、本発明のシステムを採用することも可能である。これにより、それぞれの官公庁が管理する占用設備のデータベースと、それぞれの公共事業者が保有するサービス供給設備のデータベースとを同期させることが可能となる。
【0055】
具体的には、公共事業者が通常において管理する電柱等の供給設備のデータベースを、公共事業者間で共通のフォーマットとし、官公庁の占用に係る設備については、統一した官公庁のコードを対応させて割り振る。共同のデータベースセンターでは、各公共事業者のサーバを連携させることで、それぞれのデータベースを統合して、一つのデータベースとして取り扱う。官公庁はそれぞれのコードに基づいて、各官公庁が保有する官公有地の占用設備を抜き出して、請求等の処理を行うことができる。これによれば、官公庁及び公共事業者の事務処理を、さらに効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る官公有地占用情報管理システム1、および、公共事業者のコンピュータ端末3、金融機関のコンピュータ端末4等の機能ブロック図である。
【図2】図1の記憶部13にある占用者DB131の構成例である。
【図3】図1の記憶部13にある占用設備DB132の構成例である。
【図4】図1の記憶部13にある請求DB133の構成例である。
【図5】本発明の実施の形態に係る官公有地占用情報管理システム1の、官公庁のサーバ装置、公共事業者のコンピュータ端末3、金融機関のコンピュータ端末4の全体フロー図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る官公有地占用情報管理システム1の占用料算定手段510および占用料請求手段511における、データベースの関係について説明した図である。
【図7】占用料請求手段511により作成された請求書データの見本である。
【符号の説明】
【0057】
1 官公有地占用情報管理システム
2 通信ネットワーク
3 公共事業者(コンピュータ端末)
4 金融機関(コンピュータ端末)
11、31、41 送受信部
12、32、42 中央演算処理部
13、33、43 記憶部
14、34、44 入力部
15、35、45 出力部
131 占用者DB
132 占用設備DB
133 請求DB
501 送受信処理手段
502 入出力処理手段
503 官公有地占用申請手段
504 占用情報保存手段
505 許可書番号採番手段
506 占用申請許可手段
507 仮登録保存手段
508 供用開始届出手段
509 本登録切り替え手段
510 占用料算定手段
511 占用料請求手段
512 占用料入金処理手段
513 占用料領収手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
官公有地の占用により事業者が設置した事業設備を管理する官公有地占用情報管理システムであって、
通信ネットワークを介して接続する事業者のコンピュータ端末に、官公有地占用申請の入力画面を表示して、入力された申請データを取得する官公有地占用申請手段と、
前記官公有地占用申請手段により取得した申請データから、官公有地占用の情報を抽出してデータベースに保存する占用情報保存手段と、
前記データベースに保存された占用情報から、占用の対価である占用料を事業者ごとに集計する占用料算定手段と、
集計された占用料に基づいて事業者ごとに請求書データの作成を行い、通信ネットワークを介して事業者のコンピュータ端末に表示する占用料請求手段と、
を備えることを特徴とする官公有地占用情報管理システム。
【請求項2】
前記占用料請求手段により作成した事業者への請求書データと、金融機関のコンピュータ端末から受信した事業者からの振込データとの比較を行い、対象となる請求を特定して未収入金処理を行う占用料入金処理手段と、
未収入金処理が完了した請求に対して領収書データの作成を行い、通信ネットワークを介して事業者のコンピュータ端末に表示する占用料領収手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の官公有地占用情報管理システム。
【請求項3】
前記官公有地占用申請手段の実行に際して、受信した申請データとあらかじめデータベースに保存した申請許可フォーマットとの比較を行い、適合する場合に前記申請データに許可書番号の書き込みを行う許可書番号採番手段と、
前記許可書番号採番手段において許可書番号の書き込みがされた前記申請データに対し、許可書データの作成を行い、通信ネットワークを介して事業者のコンピュータ端末に表示する占用申請許可手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2記載の官公有地占用情報管理システム。
【請求項4】
前記占用情報保存手段の実行に際して、占用箇所の設備に工事が必要な申請データの判定を行い、データベースに仮登録として保存する仮登録保存手段と、
通信ネットワークを介して接続する事業者のコンピュータ端末に、工事完了による供用開始届出の入力画面を表示して、入力されたデータを取得する供用開始届出手段と、
供用開始届出手段により取得した供用開始届出データを検知して、本登録に切り替える本登録切り替え手段と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の官公有地占用情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−129633(P2008−129633A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310176(P2006−310176)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)