説明

定量物品搬送装置

【課題】前段の装置により搬送されてくる腐葉土等の被搬送物品をベルトコンベア上で均一に均し、一定の層厚にすることによって定量性の高い物品搬送装置を提供すること。
【解決手段】前段に供給装置を設けた定量搬送装置であって、該定量搬送装置は両側にガイド板を設けたベルトコンベアと、そのベルトコンベアの上面と平行な回転面を持つ少なくとも2枚の羽を有する回転均し板と、該回転均し板をほぼ半円分囲むようにして、その半円分の開口部をベルトコンベアの上流に向けて設けた半円形ガイド板を備え、ベルトコンベアの始端側より供給された被搬送物品が上記の回転均し板の回転によりほぼ平らに均され、余分な量はベルトコンベアのガイド板の少なくとも左右いずれか一方の側方へ排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア上に投入された腐葉土等を一定の層厚に均しながら定量に搬送する定量物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から腐葉土等を定量に搬送する装置としては、一般的にベルトコンベアが利用されている。腐葉土等をベルトコンベア上に供給する場合はベルトコンベアの始端側に腐葉土等を一時貯留するホッパが設けられ、該ホッパの出口には供給量を調節する排出ゲートが設けられているものがある。そしてベルトコンベア上には物品をベルトコンベアの幅方向左右に広げるためのスクリューが設けられており、該スクリューはベルトコンベアの幅方向にそのコンベア幅の中央にてねじり方向が逆向きになっていて、余分な物品を両サイドに排出して物品の層厚を均一にするものである。またベルトコンベアの上面にレーキと称して搬送物品の上部を均一に均すために回転する掻き取り棒を設けたものもある。これらを紹介したものに特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−327203号公報
【0004】
また特許文献2の中の図1に紹介されているようにベルトコンベア上に複数の均しローラを設け、貯留ホッパより排出されてくる物品を段階的に押圧するように均し整形するものもある。
【0005】
【特許文献2】特開平5−56743号公報
【0006】
ところで、腐葉土の中には堆肥化した落ち葉だけでなく小枝もかなり混在しており、また土も混ざっている。こうした腐葉土を袋詰めして広くユーザに提供するためには、袋ごとの重量または容量が一定でなければならない、その方法としては腐葉土をむら無く搬送し定量供給することであり、上述したような装置が実用されている。しかし腐葉土の場合、いくら定量供給をしても各袋に充填してみると見掛けの容量が異なって見える場合がある。これは充填後に外力が加わり袋の中で部分的に圧縮が起こり袋に隙間ができるためである。特に日時が経過するとその傾向が著しい。
【0007】
そこで、このような見掛けの容量が異ならないように充填する工夫をしたものに特許文献3に紹介されている技術がある。この方法はスクリューフィーダを利用して、袋に充填する前に腐葉土をある程度スクリュー内で圧縮しておく方法である。この方法で充填すると、袋に充填した後に容量が変化して見かけの容積が異なるという現象が少なくなり、均一な袋詰めが達成されている。
【0008】
【特許文献3】特開2005−239337号公報
【0009】
一定量の腐葉土を袋に供給する方法は上述の装置ではスクリューフィーダの回転数により送りの容積を決定している。
【0010】
一方、ベルトコンベアを用いて定量供給する場合はベルトコンベアのベルトの移動量で所定の容量を得るようにしている。ベルトコンベアのベルトの移動量で所定の容量を得る場合はベルトコンベア上の物品の層厚が均一でなければならない。しかも、上述したように腐葉土の場合、袋に充填してから後の充填量に対する見掛け量の変化を最小限にするために、事前にある程度圧縮しておく方法が有効である。したがってベルトコンベアに供給する前段はスクリューフィーダとすることが望ましい。
【0011】
ところが、スクリューフィーダから排出された直後の腐葉土は、適度な圧縮がなされているためベルトコンベア上では平坦且つ均一ではなく、かなりの凹凸ができるという新たな課題が発生した。このような場合は、わざわざスクリューフィーダからベルトコンベア上に移し替えをせずにスクリューフィーダから直接袋に充填すれば上述のような問題もある程度解消される。しかしスクリューフィーダでは搬送量をそれほど大きくできないという問題もある。
【0012】
もし、大型のスクリューフィーダを考えたとしても、大型のスクリューフィーダになればなるほど、スクリューフィーダから排出された直後の腐葉土の表面は凹凸が激しくなり、直接袋に充填するにはそれなりの新たな装置が必要になってくるなどコストアップにつながる要素が出てくる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、定量に物品を搬送するベルトコンベアの前段に一時貯留するホッパを設け、該ホッパの出口ゲートから腐葉土等を引き出す場合や、また定量に物品を搬送するベルトコンベアの前段に貯留ホッパの代わりにもう一段ベルトコンベア(ベルトフィーダと称している)を設け、できる限り均一な層厚にしようとしている場合や、更にベルトコンベアの前段にスクリューフィーダを設けたものなどがあるが、しかしこれらの場合いずれにしても定量搬送を目的とする装置としては搬送面が均一でなくかなりの凹凸がある。特にスクリューフィーダから排出される場合はその傾向が著しい。したがって本発明は上述した装置によってベルトコンベア上に供給された凹凸のある腐葉土を均一に均すことにより、定量性の高い物品搬送装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による定量物品搬送装置は、前段に供給装置を設けた定量搬送装置であって、該定量搬送装置は両側にガイド板を設けたベルトコンベアと、該ベルトコンベアの上面と平行な回転面を持つ少なくとも2枚の羽を有する回転均し板と、該回転均し板を略半円分囲むようにして該半円分の開口部を上記ベルトコンベアの上流に向けて設けた半円形ガイドとを備え、該ベルトコンベア始端側より供給された物品が上記回転均し板の回転により略平らに均され、余分な量は上記ガイド板の少なくとも左右のいずれか一方の側方へ排出することにより、均一な層厚で搬送することができ、上記ベルトコンベアのベルトの移動量を予め定めた距離とすることにより所定量の物品が精度よく切り出されることを特徴としている。(請求項1)。
【0015】
また本発明による定量物品搬送装置は、上記回転均し板および上記半円形ガイドを上下方向に移行させることにより、上記ベルトコンベアの上面と上記回転均し板下面との距離を変更できることを特徴としている。(請求項2)。
【0016】
また本発明による定量物品搬送装置の前段に設けられた供給装置がベルトコンベアによるベルトフィーダであることを特徴としている。(請求項3)
【0017】
更に本発明による定量物品搬送装置の前段に設けられた供給装置が、上記定量搬送装置を構成しているベルトコンベアの始端側に設けられた貯留ホッパであることを特徴としている。(請求項4)
【0018】
また更に、本発明による定量物品搬送装置の前段に設けられた供給装置がスクリューフィーダであることを特徴としている。(請求項5)
【発明の効果】
【0019】
本発明による定量物品搬送装置においては、前段に供給装置を設けた定量搬送装置であって、両側にガイド板を設けたベルトコンベアの搬送面と平行に回転する回転均し板を設けたことにより、該前段に設けられた供給フィーダから定量搬送装置のベルトコンベア上に供給された腐葉土等の表面の凹凸は平らに均させて、該ベルトコンベアの両側のガイド一杯にすることができるので断面が一様な層厚となり、ベルトコンベアのベルトの移動距離を予め決めておけば所定量の切り出しが精度よくできる効果がある。
【0020】
また、本発明による定量物品搬送装置は前記の回転均し板および半円形ガイドを上下方向に移動させることにより、腐葉土等の充填量に合わせて所望の層厚に調整することができる効果がある。
【0021】
本発明による定量物品搬送装置の前段に設けられた供給装置がベルトフィーダであっても、また貯留ホッパから直接引き出す場合でも、更にスクリューフィーダであっても、供給された腐葉土等が前記の回転均し板により均一に均されて、均一な層厚にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明による定量物品搬送装置の1実施例であって、供給装置がベルトフィーダによる構成を示す斜視図である。図2は本発明による定量物品搬送装置の他の実施例であって、供給装置が貯留ホッパによる構成を示す斜視図である。図3は本発明による定量物品搬送装置のいまひとつの実施例であって、供給装置がスクリューフィーダによる構成を示す斜視図である。各図において同一部分は同一の番号とする。
【0023】
図1において、1はベルトコンベアによるベルトフィーダである。2は定量物品搬送装置のベルトコンベア、3は定量物品搬送装置のベルトコンベア2のテールプーリ、4は同コンベアベルト、5は同ベルトコンベア上の両サイドのガイド版、6は回転均し板、7は半円形ガイド、8は回転均し板用枢軸、9は回転方向を示す矢印、10は回転均し板駆動用モータ、11はステー、12は回転均し板駆動用モータ取付けねじ、13は回転均し板駆動用モータ取付け位置調節用長穴、14は半円形ガイド上下移動用長穴、15はベルトコンベア駆動用モータ、16はベルトコンベア駆動用チエイン、17はベルトコンベア2のヘッドプーリ、18はベルトコンベア側板に設けた排出シュート、19は余剰物品の保管箱、20は被搬送物(例えば腐葉土)である。
【0024】
次に図2において、21は本発明の定量物品搬送装置に設けた貯留ホッパである。22は排出ゲート、23は排出ゲート調節ねじ、24は搬送方向を示す矢印である。他は同一部分であるため省略する。図3において、31はスクリューフィーダである。
【0025】
図1によりその運転の様子を説明する。定量物品搬送装置のベルトコンベア2に該ベルトコンベアの始端側に設けたベルトフィーダ1より被搬送物20が供給されるが、ベルトフィーダ1には図示していない供給装置があって、例えば貯槽があり、フォークリフト等で運ばれてきた物品を一時この貯層に投入する。そして貯層から排出された被搬送物20は図1に示すように上層部表面にかなりの凹凸をつくり搬送されてくる。
【0026】
定量物品搬送装置においては、先ず所定量の物品の袋詰めをするために、搬送する物品のベルトコンベア2上の層厚を決める。層厚が決まれば定量物品搬送装置上の回転均し板6とベルトコンベア2の上面との間隔を回転均し板駆動モータ10に設けた取り付けねじ12によりステー11に設けた長穴13により設定調節する。長穴には予め目盛りを設けておくことが望ましい。また半円形ガイド板7も長穴14によって所定の高さに調節しておく。そして所定の設定が完了すると回転均し板6は駆動モータ10により回転を開始する。一方ベルトコンベア2は駆動モータ15により運転を開始する。この状態において前段の供給装置から凹凸を伴った物品が搬送されてくると、予め設定しておいた層厚以上の層厚の部分は回転均し板6の矢印9の方向の回転により均されて余分な物はベルトコンベア2の側板に設けた排出シュート18に掻き出される。掻き出された余分な物品は保管箱19に一時保管される。そして所定の層厚となった物品は、ベルトコンベア2のヘッドプーリの先端まで搬送されるが、このコンベア2は、図示していない後段にある袋詰め装置によって定量袋詰がされる。したがって所定量の切り出しは所定の搬送距離ごとに間歇運転することにより得られる。つまりこのようにして被搬送物品のベルトコンベア上の層厚が一定になれば断面積も一定になりコンベア2の搬送距離のみを決定すれば所定量が得られる。
【0027】
図2においても上述のように、貯留ホッパより引き出された物品は排出ゲート22を通過するとき被搬送物に含まれる内容物により出口で引っかかり結果的に被搬送層物品の表面に凹凸が生じる。したがって少し多い目に搬送して回転均し板6により均一にすることになる。
【0028】
図3について運転の様子を説明する。先ずベルトコンベア2の始端側に設けたスクリューフィーダ1によりある程度圧縮された被搬送物品20が搬送されてくる。スクリューフィーダ1より前段については詳細を図示していないが比較的大きい貯槽が設けられており、該貯槽に投入された被搬送物品はスクリューフィーダにてある程度(例えば20〜30%)圧縮されておりベルトコンベア2上に排出される。
【0029】
ベルトコンベア2上に排出された被搬送物品20はスクリューフィーダのリードにしたがって排出されるため、リードごとに脈流が生じて排出される。スクリューフィーダによる圧縮搬送は物品の凹凸や層厚むらが顕著であり、該層厚むらを考慮してスクリューフィーダから排出される量を最適に決定しなければならないが、スクリューフィーダから排出された被搬送物品は、回転均し板の回転方向を矢印9の逆回転方向とすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による定量物品搬送装置のベルトフィーダによる構成を示す斜視図である。
【図2】本発明による他の実施例であって貯留ホッパによる構成を示す斜視図である。
【図3】本発明による他の実施例であってスクリューフィーダによる構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ベルトフィーダ
2 定量物品搬送装置のベルトコンベア
3 テールプーリ
4 コンベアベルト
5 ベルトコンベア上の両サイドのガイド板
6 回転均し板
7 半円形ガイド
8 回転均し板用枢軸
9 回転方向を示す矢印
10 回転均し板駆動用モータ
11 ステー
12 回転均し板駆動用モータ取り付けねじ
13 モータ撮り付け位置調節用長穴
14 半円形ガイド上下移動用長穴
15 ベルトコンベア駆動用モータ
16 ベルトコンベア駆動用チエイン
17 ヘッドプーリ
18 排出シュート
19 余剰品保管箱
20 被搬送物
21 貯留ホッパ
22 排出ゲート
23 排出ゲート調節ねじ
24 搬送方向を示す矢印
31 スクリューフィーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段に供給装置を設けた定量搬送装置であって、該定量搬送装置は両側にガイド板を設けたベルトコンベアと、該ベルトコンベア上面と平行な回転面をもつ少なくとも2枚の羽を有する回転均し板と、該回転均し板を略半円分囲むようにして該半円分の開口部を上記ベルトコンベアの上流に向けて設けた半円形ガイドとを備え、該ベルトコンベア始端側より供給された物品が上記回転均し板の回転により略平らに均され、余分な量は上記ガイド板の少なくとも左右の何れか一方の側方へ排出することにより均一な層厚で搬送することを特徴とし、上記ベルトコンベアのベルトの移動量を予め定めた距離とすることにより所定量の物品が精度よく切り出されることを特徴とする定量物品搬送装置。
【請求項2】
前記定量物品搬送装置は、前記ベルトコンベア上に設けた前記回転均し板および前記半円形ガイドを上下方向に移行させることにより、上記ベルトコンベアの上面と上記回転均し板下面との距離を変更できることを特徴とする請求項1に記載の定量物品搬送装置。
【請求項3】
前記定量搬送装置の前段に設けられた前記供給装置がベルトコンベアによるベルトフィーダであることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の定量物品搬送装置。
【請求項4】
前記定量搬送装置の前段に設けられた前記供給装置が、前記定量物品搬送装置を構成している前記ベルトコンベアの始端側に設けられた貯留ホッパであることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の定量物品搬送装置。
【請求項5】
前記定量搬送装置の前段に設けられた前記供給装置が、スクリューフィーダであることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の定量物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−168979(P2007−168979A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369091(P2005−369091)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(305060774)
【Fターム(参考)】