説明

定電流LEDランプ

【課題】駆動装置の回路アーキテクチャーを大幅に簡素化し、充分に電力を利用し、電力損失を減らし、且つ電磁干渉をなくす定電流LEDランプを提供する。
【解決手段】定電流LEDランプは、駆動装置2を設置し、少なくとも二直列連接の発光ダイオード3を駆動するのに用いる。該駆動装置2は、整流回路23、電圧安定回路21、及び定電流回路22を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流LEDランプに関するもので、特に駆動装置の回路アーキテクチャーを大幅に簡素化することで、充分に電力を利用し、電力損失を減らし、且つ電磁干渉をなくす定電流LEDランプに係わる。
【背景技術】
【0002】
伝統的なランプは作業効率が低いため、半導体産業の急速な発展と技術刷新が求められ、使用寿命が長く、省エネの発光ダイオードが注目を集め、照明において多方面で使用されている。発光ダイオードは直流電源で駆動するものであるため、発光ダイオードを交流電源に応用、例としてメイン電気に応用する場合、発光ダイオードの駆動回路で交流電源を直流電源に転換しなければならず、それによって発光ダイオードを発光させることができる。
【0003】
公知発光ダイオード駆動回路は、図1Aに示すとおりで、該発光ダイオード駆動回路1は、少なくとも一発光ダイオード12に連接させ、尚且つ、交流電源VACに繋ぐ。該発光ダイオード駆動回路1は、主に、ブリッジ整流器10、電磁干渉抑制回路11、フィルター回路16、高周波切換回路13、変圧回路14、及びフィードバック回路15を含む。そのうち、ブリッジ整流器10は、交流電源VACをリップルした直流電源に整流し、またフィルター回路16は該直流電源の電圧幅の差を縮小し、直流電源は高周波切換回路13を経て電源周波数を変える。変圧回路14は高周波電源を低圧直流に転換して発光ダイオード12に提供し、またフィードバック回路15は発光ダイオード12の総負荷電圧の大きさを検出して、変圧回路14の出力電圧の大きさを調整する。
【0004】
しかしながら、公知発光ダイオード駆動回路1は、確実に発光ダイオード12を駆動して発光させるが、駆動回路アーキテクチャー全体が複雑であるため、回路体積が非常に大きく、回路コストも高くなり、このため、この駆動回路を使用したLEDランプの生産コストは相対して高くなる。空間とコストの問題を解決するために、電磁干渉抑制回路11を外すか、もしくは部品規格を下げる。しかしその代わりに、電力転換効率が悪くなり、電磁干渉等の欠点が発生する。
【0005】
第二種の公知発光ダイオード駆動回路は、図1Bに示すとおりで、該発光ダイオード駆動回路1は、少なくとも一発光ダイオード11と連接し、且つ交流電源VACを受ける。該発光ダイオード駆動回路1は、主にコンデンサC及びブリッジ整流器10を含み、そのうちコンデンサCは、交流電源を使用した時に容量性リアクタンスを受ける。電気容量が更に大きくなったり、もしくは周波数が更に高くなったりした場合、容量性リアクタンスは更に下がり、容量性リアクタンスの大きさは交流電源がコンデンサC上で押さえられる大きさに影響し、この特性を利用して入力電源を発光ダイオードが必要な電圧に下げ、ブリッジ整流器10が交流電源をリップルした直流電源に清流して発光ダイオード12電流を提供し発光する。
【0006】
しかしながら、公知発光ダイオード駆動回路1は確実に発光ダイオード12を駆動して発光させるが、一般のコンデンサCが使用するのは、高耐圧のプラスチック・コンデンサであり、そのコンデンサの材料構成は体積が大きく且つ電気容量を高くするのが困難であり、低パワーをロードする時には問題はないが、比較的大きなパワーロードをする場合、容量性リアクタンスを下げて電気容量を上げる必要があるため、常に複数個のプラスチック・コンデンサを使用して並列式で電気容量を上げる必要がある。但し、この種の方法は回路体積が大きくなりすぎて大幅にコストも上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、駆動装置の回路アーキテクチャーが複雑で、且つ電力が十分に利用されずに電力損失が大きく、また電磁干渉がある点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、駆動装置を設置し、少なくとも二直列連接の発光ダイオードか、もしくはパッケージングした多結晶直列の発光ダイオードを駆動するのに用いる。該駆動装置は、整流回路、電圧安定回路、及び定電流回路を含む。該整流回路は交流電源を受け、且つ該交流電源を直流電源に転換するのに用い、該フィルター回路は該整流回路と連接する。
【0009】
本発明の駆動装置は、回路アーキテクチャーを大幅に簡素化するだけでなく、各発光ダイオードの直列電圧を入力電圧に近づけ、入力電源で各発光ダイオードを動かし、充分に電力を利用して電力ロスを減らし、且つ電磁干渉をなくす。
【発明の効果】
【0010】
本発明の定電流LEDランプは、駆動装置の回路アーキテクチャーを大幅に簡素化することで、充分に電力を利用し、電力損失を減らし、且つ電磁干渉をなくすという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】公知の発光ダイオード駆動回路の回路構造指示図である。
【図1B】公知の発光ダイオード駆動回路の回路構造指示図である。
【図2】本発明の駆動装置第一実施例の回路構造指示図である。
【図3】本発明の駆動装置第二実施例の回路構造指示図である。
【図4】本発明の駆動装置第三実施例の回路構造指示図である。
【図5】本発明の駆動装置第四実施例の回路構造指示図である。
【図6】本発明の駆動装置第五実施例の回路構造指示図である。
【図7】本発明の駆動装置第六実施例の回路構造指示図である。
【図8】本発明の駆動装置第七実施例の回路構造指示図である。
【図9】本発明の駆動装置第八実施例の回路構造指示図である。
【図10】本発明の駆動装置第九実施例の回路構造指示図である。
【図11】本発明の駆動装置第十実施例の回路構造指示図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定電流LEDランプの駆動装置の回路アーキテクチャーを大幅に簡素化し、充分に電力を利用して更に電力損失を減らす発光ダイオード駆動装置を提供することを本発明の主な目的とする。
【0013】
上述の目的を達成するため、本発明の駆動装置は、少なくとも二直列連接の発光ダイオードか、もしくはパッケージングした多結晶直列の発光ダイオードを駆動するのに用い、該駆動装置は、整流回路、電圧安定回路、及び定電流回路を含む。該整流回路は一交流電源を受け、且つ該交流電源を直流電源に転換するのに用いる。該フィルター回路は、該整流回路と連接する。
【0014】
本発明の駆動装置は、回路アーキテクチャーを大幅に簡素化するだけでなく、各発光ダイオードの直列電圧を入力電圧に近づけ、入力電源で各発光ダイオードを動かし、充分に電力を利用して電力ロスを減らし、且つ電磁干渉をなくす。
【実施例1】
【0015】
本発明の特徴を、図式と共に実施例を挙げて詳細に説明する。
【0016】
図2の第一実施例に示すとおり、本発明の駆動装置2は、少なくとも二直列連接の発光ダイオード3、もしくはパッケージングした多結晶直列の発光ダイオード3を駆動するのに用い、該駆動装置2は、整流回路23、電圧安定回路21、及び定電流回路22を含む。そのうち、
【0017】
該整流回路23は、ブリッジ整流器であり、交流電源を受けて該交流電源を直流電源に転換するのに用いる。
【0018】
該電圧安定回路21は、整流回路23に連接し、直流電源を受ける。該電圧安定回路21は、相互直列の第一電気抵抗211及び電圧安定装置212(ツェナーダイオードでもよい)を設置し、該直流電源に基づき定電圧を発するのに用いる。また、該定電流回路22は、該電圧安定回路21と連接し、該定電流回路22は、該発光ダイオード3と直列し、発光ダイオード3まで流す駆動電流を制限するのに用い、該電流を固定値で維持させる。図に示す実施例に於いて、該定電流回路22はトランジスタ224であり、そのうち該トランジスタ224は、MOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)でもよく、該MOS型電界効果トランジスタを飽和エリアに操作した時、その飽和エリアの特性を利用し、VGS電圧を固定する方式によって、固定電流を制限して発光ダイオード3へ提供する。
【0019】
本発明はフィルター回路24をさらに設置し、該フィルター回路24は(コンデンサでもよい)は、該整流回路23と連接し、該直流電源電圧振幅の差を縮小し、直流電源を該電圧安定回路21及び該発光ダイオード3へそれぞれ伝送する。
【実施例2】
【0020】
図3の第二実施例に示すとおり、該駆動装置2も同様に、電圧安定回路21及び定電流回路22を含む。該定電流回路22は、直列連接のトランジスタ224(バイポーラ・ジャクション・トランジスタ(BJT)、もしくは電界効果トランジスタ(FET)でもよい)、及び定電流部品223がよく、該定電流部品223は、ICの型番NU510で構成される電流制限回路がよく、該定電流部品223は、固定電流値を制御して発光ダイオード3に提供し、且つ交流電圧が超過した時、余った電圧は該トランジスタ224上で消化し、該定電流部品223と発光ダイオード3に影響しない。
【0021】
上述の第一実施例から第二実施例に於いて、該定電流回路には更に直列の第二電気抵抗を設置してもよく、また該第二電気抵抗は可変電気抵抗でもよく、更に該可変電気抵抗ユニットによって、発光ダイオードの輝度を調整し、調光機能を備える。
【0022】
他に、上述の各実施例で、更に力率改善回路を設置して力率を高めて実際の出力力率を高め、またロスを下げて廃熱を減らす。図4の第一実施例を例とすると、該力率改善回路25は該フィルター回路24と直列で、該力率改善回路25は第三電気抵抗251であり、該第三電気抵抗251によって充電時間を増やし、入力電流を瞬間大電流から緩やかにする。当然、該力率改善回路25は相互並列の第三電気抵抗251及びダイオード252でもよく、図5に示すとおり、該ダイオード252を使って充放電のルートを仕切り、このようにして入力電圧と入力電流を同相位に近づけることで、パワーを改善する。
【0023】
更に、上述の各実施例に於いて、第四電気抵抗26(抵抗値は5K ohm〜30ohm)を設置してもよい。図6に示すとおり、該第四電気抵抗26を該整流回路23の前に連接することで、定電流ランプ全体を調光器4(例としてトライアックディマー/triac dimmer)に連接しているため、使用者は、該調光器4を用いて発光ダイオード3の輝度を制御できる。該第四電気抵抗26は、調光器4の必要とする電流(holding current)を提供し、調光器4を正常作動させるものである。従来の調光器の多くはトライアックディマー(triac dimmer)であり、一般のLEDランプにはこの調光器を係合できないため、使用者に不便性を与えていたが、本回路は、この対応問題を解決し、LEDランプに従来の調光器を組み合わせ使用している。また、図9に示すとおり、フィルター回路を設置する必要はない。即ち、前述の整流回路23、電圧安定回路21、及び定電流回路22を利用し、尚且つ、第四電気抵抗26を組み合わせると、同様に、定電流と従来の調光器を係合させた安定した調光効果を達成する。
【0024】
他に、図7に示すとおり、上述の第四電気抵抗26にはフォトトライアック(Photo Triac)27を連接してもよく、そのうちの発光ダイオードで導通もしくは非導通を制御する。また、図8に示すとおり、第四電気抵抗26には、更に交流シリコン制御トライアック(Triac)28を直列してもよく、該フォトトライアック27を使用して該交流シリコン制御トライアック28のゲート電極を触発し、該交流シリコン制御トライアック28を導通させるか非導通にする。非調光ランプへの応用、及び調光器の使用によって全負荷出力或いは全負荷出力に近づける時、該制御線29を用いて該交流シリコン制御トライアック28或いはフォトトライアック27を非導通とするよう制御でき、これによって、パワーが下がり、効果を増強させる。また、図10に示すとおり、フィルター回路を設置する必要はない。即ち、前述の整流回路23、電圧安定回路21、及び定電流回路22を利用し、尚且つ、第四電気抵抗26とフォトトライアック27を組み合わせるか、図11に示すとおり、第四電気抵抗26、フォトトライアック27、及び交流シリコン制御トライアック28を組み合わせると、同様に、定電流と従来の調光器を係合させた安定した調光効果を達成する。
【0025】
本発明は、公知の駆動装置と比較して以下の長所がある。
1、本発明の定電流回路設計は、直列連接の発光ダイオードに応用するか、もしくはパッケージングした多結晶直列の発光ダイオードに応用し、発光ダイオードの直列電圧を入力電圧に近づけ、入力電源で各発光ダイオードを動かし、充分に電力を利用し、更に電力損失を減らす。
2、本発明の駆動装置の回路アーキテクチャーは全体的に大幅に簡素化するため、生産コストが下がる。
3、高周波切換装置がないため、電磁波放射が発生せず、電磁干渉の欠点が起こらない。
4、変圧器を設置する必要がなく、回路全体の構造設計が簡単で、全体の体積を大幅に縮小できる。
【0026】
上述に示すとおり、本発明は、実施可能な発光ダイオード駆動装置を提供し、特許を申請する。本発明の技術内容及び技術特徴は上述のとおりであるが、当領域に習熟した者が本発明の提示に基づいて本発明の精神から乖離しない入替及び修飾を行うかもしれない。拠って、本発明の保護範囲は、実施例に制限されず、各種の本発明から乖離しない入替及び修飾を含み、以下の請求範囲とする。
【符号の説明】
【0027】
C コンデンサ
VAC 交流電源
1 駆動回路
10 ブリッジ整流器
11 電磁干渉抑制回路
12 発光ダイオード
13 高周波切換回路
14 変圧回路
15 フィードバック回路
16 フィルター回路
21 電圧安定回路
211 第一電気抵抗
212 電圧安定器
22 定電流回路
221 バイポーラジャンクショントランジスタ
222 第二電気抵抗
223 定電流部品
224 トランジスタ
23 整流回路
24 フィルター回路
25 力率改善回路
251 第三電気抵抗
252 ダイオード
26 第四電気抵抗
27 フォトトライアック
28 交流シリコン制御トライアック
29 制御線
3 発光ダイオード
4 調光器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電流LEDランプにおいて、
駆動装置を設置し、該駆動装置は、少なくとも二直列連接の発光ダイオードか、もしくはパッケージングした多結晶直列の発光ダイオードを駆動するのに用い、
交流電源を受け、且つ該交流電源を直流電源に転換するのに用いる整流回路と、
該整流回路と連接し、該直流電源を受け、該直流電源に基づいて定電圧を発するのに用いる電圧安定回路と、
該電圧安定回路と連接し、該発光ダイオードと直列に繋ぎ、相互直列のトランジスタ及び第二電気抵抗を設置して発光ダイオードへの電流を制限し、該電流駆動を固定値で維持させる定電流回路と、を含むことを特徴とする定電流LEDランプ。
【請求項2】
前記トランジスタは、MOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)でもよいことを特徴とする請求項1記載の定電流LEDランプ。
【請求項3】
前記トランジスタは、バイポーラ・ジャクション・トランジスタ(BJT)でもよいことを特徴とする請求項1記載の定電流LEDランプ。
【請求項4】
前記第二電気抵抗は、可変電気抵抗でもよいことを特徴とする請求項1記載の定電流LEDランプ。
【請求項5】
前記トランジスタは、更に直列の定電流部品であることを特徴とする請求項1記載の定電流LEDランプ。
【請求項6】
前記トランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)でもよいことを特徴とする請求項5記載の定電流LEDランプ。
【請求項7】
前記トランジスタは、バイポーラ・ジャクション・トランジスタ(BJT)でもよいことを特徴とする請求項5記載の定電流LEDランプ。
【請求項8】
前記駆動装置には、フィルター回路をさらに設置し、該フィルター回路は、該整流回路と連接し、該直流電源電圧振幅の差を縮小し、直流電源を該電圧安定回路及び該発光ダイオードへそれぞれ伝送することを特徴とする請求項1に記載の定電流LEDランプ。
【請求項9】
前記駆動装置は、更に力率改善回路を設置し、該力率改善回路は該フィルター回路と直列連接し、また該力率改善回路は第三電気抵抗でもよいことを特徴とする請求項8記載の定電流LEDランプ。
【請求項10】
前記駆動装置は、更に力率改善回路を設置し、該力率改善回路は該フィルター回路と直列連接し、また該力率改善回路は相互並列の第三電気抵抗及びダイオードでもよいことを特徴とする請求項8記載の定電流LEDランプ。
【請求項11】
前記駆動装置は、更に第四電気抵抗を設置し、該第四電気抵抗は、該整流回路の前に連接して、交流電源に連接することを特徴とする請求項1、8、9、10の何れかに記載の定電流LEDランプ。
【請求項12】
前記駆動装置は、更に第四電気抵抗を設置し、該第四電気抵抗は、該整流回路の前に連接して、交流電源に連接し、第四電気抵抗はフォトトライアック(Photo Triac)を直列に繋いでもよく、制御線を用いて発光ダイオードを駆動しフォトトライアックを導通もしくは非導通とすることを特徴とする請求項1、8、9、10の何れかに記載の定電流LEDランプ。
【請求項13】
前記第四電気抵抗は、更に交流シリコン制御トライアック(Triac)を直列に繋いでもよく、該制御線を用いてフォトトライアックを駆動して該交流シリコン制御トライアックを導通もしくは非導通とすることを特徴とする請求項12記載の定電流LEDランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−105529(P2012−105529A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240855(P2011−240855)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(510186155)趨勢照明股▲ふん▼有限公司 (1)
【出願人】(511057984)
【Fターム(参考)】