説明

宝くじ券販売装置及び宝くじ券販売方法ならびにそのプログラム

【課題】宝くじ券の製造時の労力を軽減でき、また販売後の宝くじ券の当せん確率の予め設定された当せん確率からの変動を縮小することができる宝くじ券販売装置を提供する。
【解決手段】販売する券組の情報を購入依頼に基づいて決定する際に、購入依頼のあった券組の数の累計が組番号の総数以下の場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる券組を販売すると決定する。また、購入依頼のあった券組の数が組番号の総数より多い場合、組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、かつ連続する複数の抽せん番号が異なる各券組を販売すると決定し、組番号の総数を超えた分の券組の決定については、組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組を販売すると決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宝くじ券を販売する際に、既に販売単位にまとめられた複数の宝くじ券の券組の中から、販売する宝くじ券の券組を効率よく決定する宝くじ券販売装置及び宝くじ券販売方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宝くじ券の販売をインターネットなどの通信ネットワークを介して自動販売機や端末より受け付けて行う技術が既に提案されている。
【特許文献1】特開2004−118691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような技術においては、例えば、宝くじ券販売装置において、ユーザより指定を受けた番号の宝くじ券を可能な限り含む券組を販売する。しかしながら、購入依頼において指定された番号を含む券組をそのまま販売すると、製造された宝くじ券の一連の抽せん番号において、販売されずに残る抽せん番号が飛び飛びの状態となる。ここで、宝くじ券は組番号や抽せん番号が連番となるように製造されるが、販売される券組に含まれる抽せん番号が飛び飛びとなる場合、それら販売される券組の宝くじ券を印刷する際に、その印刷する抽せん番号を設定を行うための労力が大きくなる。例えば抽せん番号を連続して印刷する印刷機の場合、販売されなかった抽せん番号の印刷時に一旦印刷機の動作を止めて、次に印刷する抽せん番号を設定しなおす必要が出てくる。また、通常宝くじ券はユニット単位(所定の数の組番号と各組に割り当てられる抽せん番号によって算出される宝くじ券の単位)で販売されるが、当せんの割合はユニット単位で決定される。従って販売される宝くじ券の抽せん番号が飛び飛びとなることで、当せんの確率が変化してしまう。
【0004】
そこでこの発明は、宝くじ券の製造時の労力を軽減でき、また販売後の宝くじ券の当せん確率の予め設定された当せん確率からの変動を縮小することができる、宝くじ券販売装置及び宝くじ券販売方法ならびにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも組番号と販売単位分の連続する複数の抽せん番号からなる券組の情報を保持する券組単位情報を、連続する所定の組番号および抽せん番号について重複なく複数記憶する券組単位情報記憶手段と、宝くじ券の券組の購入依頼を受け付ける券組毎購入依頼受付手段と、販売する券組を示す前記券組単位情報を前記購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数の累計が前記組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する券組決定手段と、を備えることを特徴とする宝くじ券販売装置である。
【0006】
また本発明は、上述の宝くじ券販売装置において、前記券組決定手段は、前記購入依頼のあった券組の数が前記組番号の総数より多い場合、前記組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記組番号の総数を超えた分の券組の決定については、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記購入依頼のあった券組の累計が前記組番号の総数を超えた場合、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上述の宝くじ券販売装置において、前記券組決定手段は、前記購入依頼のあった券組の組番号の決定において、順次、組番号で示される数字の順または組番号で示される数字の順とは異なる順に、販売する券組の組番号を決定することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述の宝くじ券販売装置において、前記券組決定手段は、前記購入依頼のあった券組の組番号の決定において、順次、全ての組番号の中からランダムに1つ決定した組番号を、販売する券組の組番号と決定することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、少なくとも組番号と販売単位分の連続する複数の抽せん番号からなる券組の情報を保持する券組単位情報を、連続する所定の組番号および抽せん番号について重複なく複数記憶する券組単位情報記憶手段を備えた宝くじ券販売装置における宝くじ券販売方法であって、前記宝くじ券販売装置の券組毎購入依頼受付手段が、宝くじ券の券組の購入依頼を受け付け、前記宝くじ券販売装置の券組決定手段が、販売する券組を示す前記券組単位情報を前記購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数の累計が前記組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定することを特徴とする宝くじ券販売方法である。
【0010】
また本発明は、上述の宝くじ券販売方法において、前記券組決定手段は、前記購入依頼のあった券組の数が前記組番号の総数より多い場合、前記組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記組番号の総数を超えた分の券組の決定については、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記購入依頼のあった券組の累計が前記組番号の総数を超えた場合、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、少なくとも組番号と販売単位分の連続する複数の抽せん番号からなる券組の情報を保持する券組単位情報を、連続する所定の組番号および抽せん番号について重複なく複数記憶する券組単位情報記憶手段を備えた宝くじ券販売装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、宝くじ券の券組の購入依頼を受け付ける券組毎購入依頼受付処理と、販売する券組を示す前記券組単位情報を前記購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数の累計が前記組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する券組決定処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0012】
また本発明は、上述の処理に加え、前記購入依頼のあった券組の数が前記組番号の総数より多い場合、前記組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記組番号の総数を超えた分の券組の決定については、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する処理と、前記購入依頼のあった券組の累計が前記組番号の総数を超えた場合、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、宝くじ券の抽せん番号が1つの組番号の中で可能な限り連続的に販売されるので、宝くじ券を製造する場合において、どの抽せん番号の宝くじ券を製造するかについて考慮する必要がない。従って順番に番号を印刷する印刷機などを用いて効率よく印刷することができ、製造者の労力を軽減することができる。そしてこれにより、不要な宝くじ券を製造する必要がなくなる。また、抽せん番号が途中で抜けることなく販売されるので、ユニットごとに販売する宝くじ券の券組を順次決定していけば、当せんしたが販売されなかった抽せん番号の宝くじ券が少なくなり、これにより、予め設定されている当せんの確率と、販売後の宝くじ券の当せんの確率の変動を縮小することができる。さらに、購入依頼に基づいて直ちに販売する宝くじ券の券組が決定されるので、ユーザに対して即座にその情報を通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による宝くじ券販売装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態による宝くじ券販売装置の構成を示すブロック図である。
この図において、符号1は宝くじ券販売装置である。そして宝くじ券販売装置1はユーザ端末3とインターネット2を介して接続されている。また宝くじ券販売装置1は電子決済サーバ4と接続されるようにしても良い。宝くじ券販売装置1は、ユーザ端末3から購入依頼を受け付けることにより、当該購入依頼に基づく宝くじ券の券組を決定し、その券組の宝くじ券を販売する処理を行う。なお、宝くじ券販売装置1はユーザ端末3の代わりに宝くじ券売場の売場端末や、自動販売機などから購入依頼を受け付けるようにしてもよい。
【0015】
また宝くじ券販売装置1において、符号11はユーザ端末3からのアクセスを受付ける受付管理部である。12は当せん宝くじに関するデータを管理する当せん管理部である。13は販売前に予め決定された宝くじ券の券組の情報を管理する現物管理部である。14はユーザ宛て文書の作成及び送付を行う文書作成/送付部である。15はユーザの情報(氏名、年齢、ユーザ番号、パスワード、メールアドレス等)を記憶するユーザDB(データベース)である。16は予め登録された宝くじ券の券組テーブルと、ユーザ毎に販売した宝くじ券の券組のデータと当せん結果データを記憶する宝くじDBである。17は宝くじ購入申込みに伴う決済および宝くじ当せんに伴う決済を電子決済サーバ4に指示する決済管理部である。また18はユーザ毎に販売した券組のデータを宝くじDBに登録したり、販売する宝くじ券の券組を決定する購入管理部(券組決定手段)である。
【0016】
図2は宝くじDBで記憶している券組テーブルを示す図である。
この図で示すように、券組テーブルでは、各組(図においては01組〜04組)の抽せん番号が10番ずつ券組された情報を保持している。つまり、図2で示すように、組番号ごとに、販売単位(10枚)で券組とされた抽せん番号の始まりの番号(始)と終わりの番号(至)とを保持している。なお図2に示すように、各券組の情報には決定順の情報が対応付けられて記録されているが、これは説明のために記録したものであり、決定順については券組テーブルに記録されなくても良い。またこの他、決定済みか否かを示す情報を券組テーブルで保持するようにしても良い。
【0017】
図3は宝くじ券販売装置の処理フローを示す図である。
次に図3を用いて、上述した宝くじ券販売装置の処理について順を追って説明する。
宝くじ券販売装置1は、ユーザ端末3からのアクセスを受け付けると、ユーザのIDやパスワードの入力を受け付けて、ユーザDB15に登録されている情報と比較し、認証処理を行う。認証が完了すると、受付管理部11が現物管理部13の処理により宝くじDB16からユーザが購入可能な宝くじのリストを取得し、ユーザ端末3のモニタ画面にリストを呈示する。そして購入申し込み画面を閲覧したユーザが、購入を希望する宝くじの種別、券組の数を入力する。受付管理部11は、購入希望で受け付けた種類の宝くじ券が在庫としてあるかどうかを、現物管理部13に確認する。そして、購入希望で受け付けた種類の宝くじ券の宝くじが在庫としてない場合、その旨をユーザ端末3に通知し、購入希望条件の変更画面をユーザ端末3に送信する。またユーザは、購入条件を変更することを希望した場合は、再度希望する宝くじの種別、券組の数をユーザ端末3に入力し、変更を希望しない場合は、宝くじ購入受付の処理が終了される。上述の処理において、ユーザは購入希望の宝くじの種別や、券組の数を入力すると、購入管理部18はユーザ端末3から購入依頼を受け付ける(ステップS1)。この購入依頼には、ユーザが購入する宝くじ券の種別と券組の数が含まれる。
【0018】
購入依頼を受け付けると、次に、購入管理部18が複数の券組の中からユーザに販売する券組を決定する処理を行う。まず購入管理部18は、受け付けた購入依頼が初めて受け付けた購入依頼か否かを判定する(ステップS2)。そして初めて受け付けた購入依頼であれば、次に、その購入依頼で示される券組の数が組番号の総数(本実施形態では説明の便宜上、組番号の総数は、組番号01〜04の合計4つであるとする)よりも多いか否かを判定する(ステップS3)。そして、購入依頼で示される券組の数(つまり販売する券組の数)が組番号の総数以下である場合には、券組決定処理1を行う(ステップS4)。券組決定処理1については後述する。またステップS2において、初めて受け付けた購入依頼でない場合には、購入依頼のあった券組の累計が組番号の総数を超えたか否かを判定する(ステップS5)。そして、ステップS3において、購入依頼で示される券組の数が組番号の総数より多い場合や、ステップS5において購入依頼のあった券組の累計が組番号の総数を超えた場合には、券組決定処理2を行う(ステップS6)。またステップS5において購入依頼のあった券組の累計が組番号の総数以下である場合には、ステップS4と同様の券組決定処理1を行う。そして、購入管理部18は決定した券組について決定済みの情報を登録する。また、購入管理部18は決定した券組の情報(組番号、抽せん番号などからなる券組単位情報)をユーザのIDなどに対応付けて宝くじDB16に登録する。また文書作成/送付部14が、決定された券組の情報を、受付管理部11を介してユーザ端末3に送信するようにしても良い。そして、券組決定処理1や券組決定処理2を終えた後は、全ての券組について販売が終了したか否かを判定し(ステップS7)、終了した場合には処理を終了する。また終了していない場合には、購入依頼の受け付けを待機する。
【0019】
次に、上述の券組決定処理1について説明する。
券組決定処理1は購入依頼を受け付けた後、その購入依頼に含まれる券組の数(販売する券組の数)だけ異なる組を決定する。例えば、購入依頼において券組の数が2である場合には2つの組番号を決定する。そして決定した組番号の宝くじ券を含む券組の決定において、それぞれの券組の中に同一の抽せん番号が含まれない各券組を、販売する宝くじ券の券組と決定する。そして1回または複数回の購入依頼で示される券組の数の累計が、組番号の総数を超えるまで、この処理を繰り返す。本実施形態においては、購入依頼で示される券組の数の累計(販売する券組の数の累計)が4となるまでは、異なる組番号を順次販売する券組の組番号と決定し、当該決定した各組番号において抽せん番号が重複しないように券組を決定する。これにより、1人の購入者が組番号の総数以下の複数の券組を買った場合に、同一の組番号や抽せん番号が各券組の中に含まれないように販売することができる。なお購入依頼において券組の数が1である場合には(販売する券組が1つである場合)、1つの組番号を決定し、その組番号の中から、ランダムまたは規定の処理によって券組を1つ決定すればよい。
【0020】
つまり券組決定処理1においては、1つの券組に含まれる情報が、組番号と、連続する抽せん番号の始まりの番号(始)と終わりの番号(至)であり、この1つの券組に関する情報を券組単位情報とすると、購入管理部18は、販売する券組を示す券組単位情報を購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数が組番号の総数以下であり、かつ販売する券組を示す券組単位情報が全く決定されていないない場合や、購入依頼のあった券組の累計が組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する。
【0021】
次に、上述の券組決定処理2について説明する。
初回の購入依頼で示される券組の数(販売する券組の数)が組番号の総数より多い場合には、まず、組番号の総数までの券組みの決定については券組決定処理1と同様の処理を行う。そしてその後、組番号の総数を越える券組の決定については、組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、組番号がそれぞれことなる券組であって、既に決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組を、販売する券組と決定する。また、購入依頼のあった券組の累計が組番号の総数を超えた場合にも、同様に、組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、組番号がそれぞれことなる券組であって、既に決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組を、販売する券組と決定する。これにより、1人の購入者が組番号の総数以下の複数の券組を買った場合に、同一の組番号や抽せん番号が各券組の中に含まれないように販売することができる。
【0022】
図4は販売する券組の決定処理の例を示す第1の図である。
ここで組番号の総数を組番号01〜04までの4つとする。初めて受け付けた購入依頼に“券組3つ”の情報が含まれていた場合、例えば、01組、02組、03組を販売する組番号と決定する。この処理は、販売する券組の累計が組番号の総数以下であるので、券組決定処理1に該当する。そしてそれら決定した各組番号の中で抽せん番号が一致しないように券組が決定される。この、決定した各組番号の中で抽せん番号が一致しないように券組が決定される処理は、どのような手法でもよい(例えばランダムに券組を選択する手法や、各組番号について決定する券組に含まれる抽せん番号を、所定の番号分の間隔を離して券組を選択する手法などが考えられる)。そして、決定した3つの券組は図4で示す決定順1〜3で示す券組とする。
【0023】
また2回目に受け付けた購入依頼において“券組1つ”の情報が含まれていた場合、販売する券組の累計は4となり、組番号の総数以下であるので、券組決定処理1に該当する。このとき、組番号を決定する処理においては、販売する券組の累計が組番号の総数を超えていないので、既に決定されてた券組の組番号とは異なる組番号となるように決定する。つまり04組が決定されずに残っているので、04組を2回目に受け付けた購入依頼に対して販売する券組の組番号と決定する。そして04組の中で券組を決定する際に、決定順1〜3で決定された券組に含まれる抽せん番号に一致しない抽せん番号を含む券組を決定する。上記同様に、この、決定した各組番号の中で抽せん番号が一致しないように券組が決定される処理は、どのような手法でもよい。2回目の購入依頼に基づいて販売すると決定した1つの券組は図4で示す決定順4で示す券組とする。
【0024】
次に3回目の購入依頼において、“券組5つ”の情報が含まれていた場合、販売する券組の累計は9となり、組番号の総数「4」を超えるので、券組決定処理2に該当する。このとき、組番号の総数の単位が「4」であるので4つの券組の決定ごとに、順次、組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組を、販売する券組と決定する。つまり、購入依頼で示される“券組5つ”において、券組4つまでの決定においては、それぞれが異なる組番号(01組〜04組)となり、既に販売すると決定された券組の抽せん番号から連続するように、券組が決定される。なお図4で示す券組の決定処理では、組番号の決定において01組、02組、03組、04組の順で繰り返し決定するようにしている。3回目の購入依頼に基づいて販売すると決定した最初の4つの券組は、図4で示す決定順5〜8で示す券組とする。また3回目の購入依頼において最後の1つの券組の決定においては、決定順8で決定した券組の組番号04の次の順番である01組の券組であって、既に01組で販売すると決定されている券組(決定順5で示される券組)に含まれる抽せん番号から連続するように、券組が決定される。3回目の購入依頼に基づいて販売すると決定した最後の1つの券組は、図4で示す決定順9で示す券組とする。
【0025】
なお、初めて受け付けた購入依頼において“券組9つ”の情報が含まれていた場合、その販売する券組の数が組番号の総数「4」より多いので、券組決定処理2により券組が決定される。但しこの時、組番号の総数「4」までの券組の決定(つまり9つのうち最初の4つの券組の決定)については券組決定処理1と同様の処理により券組を決定する。また、9つの券組の決定のうち残りの5つの券組の決定については、上述のした3回目の購入依頼に基づく券組の決定と同様の処理を行う。
【0026】
図5は販売する券組の決定処理の例を示す第2の図である。
この図で示す決定処理の例は、図4で示した例と比べて、販売する券組として決定する組番号の順序が、組番号で示される数字の順ではない点で異なる。つまり、図4で示した例では01組→02組→03組→04組という順番で繰り返し券組の組番号を決定している。しかし図5で示す例では、02組→04組→03組→01組という順番で繰り返し券組の組番号を決定している。その他の処理については図4の場合と同様の手法である。
【0027】
図6は販売する券組の決定処理の例を示す第2の図である。
この図で示す決定処理の例は、図4や図5で示した例と比べて、販売する券組として決定する組番号の順序が、組番号で示される数字の順とは全く異なるランダムな順番で決定されている。但し、一度販売すると決定された組番号については、全ての他の組番号が一様に決定されるまで、販売する券組の組番号とされない。図6の例では最初の4つの券組が、03組→04組→01組→02組という順番で決定され、次の4つの券組が04組→01組→02組→03組という順番で決定され、最後の1つの券組が02組と決定されている。その他の処理については図4の場合と同様の手法である。
【0028】
そして、上述の処理により、ステップS7においてすべての券組の販売が終了すると(または販売期間が過ぎると)、当せんとなる抽せん番号が決定されて、文書作成/送付部14がその当せんとなる抽せん番号をユーザ端末3に送信してもよい。さらに、当せん管理部12が、ユーザ端末3からユーザの購入した宝くじ券の抽せん番号を受け付けて、当せんか否かを判定するようにしても良いし、決済管理部17が電子決済サーバ4に対してユーザの購入した宝くじ券の決済処理を通知するようにしても良い。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の宝くじ券販売装置を用いることで、宝くじ券の抽せん番号が1つの組番号の中で可能な限り連続的に販売されるので、宝くじ券を製造する場合において、どの抽せん番号の宝くじ券を製造するかについて考慮する必要がない。従って順番に番号を印刷する印刷機などを用いて効率よく印刷することができ、製造者の労力を軽減することができる。そしてこれにより、不要な宝くじ券を製造する必要がなくなる。また、抽せん番号が途中で抜けることなく販売されるので、ユニットごとに販売する宝くじ券の券組を順次決定していけば、当せんしたが販売されなかった抽せん番号の宝くじ券が少なくなり、これにより、予め設定されている当せんの確率と、販売後の宝くじ券の当せんの確率の変動を縮小することができる。さらに、購入依頼に基づいて直ちに販売する宝くじ券の券組が決定されるので、ユーザに対して即座にその情報を通知することができる。
【0030】
上述の宝くじ券販売装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0031】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】宝くじ券販売装置の構成を示すブロック図である。
【図2】宝くじDBで記憶している券組テーブルを示す図である。
【図3】宝くじ券販売装置の処理フローを示す図である。
【図4】販売する券組の決定処理の例を示す第1の図である。
【図5】販売する券組の決定処理の例を示す第2の図である。
【図6】販売する券組の決定処理の例を示す第3の図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・宝くじ券販売装置
2・・・インターネット
3・・・ユーザ端末
4・・・電子決済サーバ
11・・・受付管理部
12・・・当せん管理部
13・・・現物管理部
14・・・文書作成/送付部
15・・・ユーザDB
16・・・宝くじDB
17・・・決済管理部
18・・・購入管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも組番号と販売単位分の連続する複数の抽せん番号からなる券組の情報を保持する券組単位情報を、連続する所定の組番号および抽せん番号について重複なく複数記憶する券組単位情報記憶手段と、
宝くじ券の券組の購入依頼を受け付ける券組毎購入依頼受付手段と、
販売する券組を示す前記券組単位情報を前記購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数の累計が前記組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する券組決定手段と、
を備えることを特徴とする宝くじ券販売装置。
【請求項2】
前記券組決定手段は、
前記購入依頼のあった券組の数が前記組番号の総数より多い場合、前記組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記組番号の総数を超えた分の券組の決定については、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、
前記購入依頼のあった券組の累計が前記組番号の総数を超えた場合、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の宝くじ券販売装置。
【請求項3】
前記券組決定手段は、前記購入依頼のあった券組の組番号の決定において、順次、組番号で示される数字の順または組番号で示される数字の順とは異なる順に、販売する券組の組番号を決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の宝くじ券販売装置。
【請求項4】
前記券組決定手段は、前記購入依頼のあった券組の組番号の決定において、順次、全ての組番号の中からランダムに1つ決定した組番号を、販売する券組の組番号と決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の宝くじ券販売装置。
【請求項5】
少なくとも組番号と販売単位分の連続する複数の抽せん番号からなる券組の情報を保持する券組単位情報を、連続する所定の組番号および抽せん番号について重複なく複数記憶する券組単位情報記憶手段を備えた宝くじ券販売装置における宝くじ券販売方法であって、
前記宝くじ券販売装置の券組毎購入依頼受付手段が、宝くじ券の券組の購入依頼を受け付け、
前記宝くじ券販売装置の券組決定手段が、販売する券組を示す前記券組単位情報を前記購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数の累計が前記組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する
ことを特徴とする宝くじ券販売方法。
【請求項6】
前記券組決定手段は、
前記購入依頼のあった券組の数が前記組番号の総数より多い場合、前記組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記組番号の総数を超えた分の券組の決定については、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、
前記購入依頼のあった券組の累計が前記組番号の総数を超えた場合、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の宝くじ券販売方法。
【請求項7】
少なくとも組番号と販売単位分の連続する複数の抽せん番号からなる券組の情報を保持する券組単位情報を、連続する所定の組番号および抽せん番号について重複なく複数記憶する券組単位情報記憶手段を備えた宝くじ券販売装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
宝くじ券の券組の購入依頼を受け付ける券組毎購入依頼受付処理と、
販売する券組を示す前記券組単位情報を前記購入依頼に基づいて決定する際に、当該購入依頼のあった券組の数の累計が前記組番号の総数以下である場合には、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する券組決定処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7の前記券組決定処理に加え、
前記購入依頼のあった券組の数が前記組番号の総数より多い場合、前記組番号の総数までの券組の決定については、組番号がそれぞれ異なり、各券組に含まれる連続する複数の抽せん番号がそれぞれ異なる各券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定し、前記組番号の総数を超えた分の券組の決定については、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する処理と、
前記購入依頼のあった券組の累計が前記組番号の総数を超えた場合、前記組番号の総数の単位の券組の決定ごとに、順次、前記組番号がそれぞれ異なる券組であって、既に販売すると決定された券組に含まれる抽せん番号に連続する抽せん番号を含む券組の前記券組単位情報を、販売する券組を示す各券組単位情報と決定する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−265349(P2007−265349A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93158(P2006−93158)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(592259978)株式会社みずほ銀行 (117)
【Fターム(参考)】