説明

実施行為支援装置及び実施行為支援プログラム

【課題】医療計画の如き各種の実施計画を実施する際の運用上の利便性を改善することにより、実施計画の質を向上させること等ができる実施行為支援装置及び実施行為支援プログラムを提供すること。
【解決手段】管理サーバ20は、複数の実施行為の内容を特定するための情報、複数の実施行為の実施順序を特定するための情報、及び複数通りの移行経路を特定するための情報を格納する実施情報DB21dと、実施対象状態情報の入力を受け付けるネットワークIF23と、実施対象状態情報に基づいて実施順序を決定する実施管理部22bと、複数通りの移行経路の中から一つの移行経路を基準移行経路として選択し、当該選択した基準移行経路に応じた時間軸に沿って実施行為の内容を表示するための表示情報を生成する情報統合表示部22c等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実施対象に対する複数の実施行為を標準化された内容及び実施順序で行う実施者に対して、各実施行為の実施に有用な支援情報を提供するための実施行為支援装置及び実施行為支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療関連行為を二次元構造で示したクリティカルパスが知られている。このクリティカルパスは、医療計画や実施の標準化及び可視化を通じて、医療の質と効率を系統的に保証及び向上させることに有用である。しかしながら、患者の状態によっては、クリティカルパスを適用できなかったり、予め想定された標準的な経過から乖離してしまいクリティカルパスを逸脱する可能性があるという問題が指摘されていた。
【0003】
この点に鑑みて本願発明者は、医療プロセス質管理システム及び医療プロセス質管理方法を提案した(特許文献1参照)。このシステムは、患者に対して実施する複数の医療プロセス及び各医療プロセスの実施順序等を記憶する記憶部と、次に実施する医療プロセスを読み出すプロセス管理部等を備えて構成されている。このシステムによれば、医療プロセスが所定基準に従って記憶部から順次読み出されて出力されるので、この出力された医療プロセスを参照しつつ医師が医療行為を行うことで、各医師が個別的に独自判断で医療行為の内容や実施順序を決定する場合に比べて、医療行為の標準化を図ることができ、医療プロセスの質を維持及び向上させることができる。特に、このシステムによれば、患者の個別性に柔軟に対応できるので、クリティカルパスの問題点を解消することが可能になる。
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/057336号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のシステムによれば、各医療プロセスの内容及び実施順序を特定した時点で、各医療プロセスの実施スケジュールや、各医療プロセスを実施するために使用するリソース(医療資源)の見通しを立てることがある程度可能になる。しかしながら、従来のシステムでは、医療プロセスを医療機関で実際に実施する際に、医療計画の理解や運用の面において依然として問題が生じる可能性があった。
【0006】
例えば、従来のシステムでは、医療計画の可視化ツールとして、プロセスチャートとユニットシートのみが用意されている。このうち、プロセスチャートを用いることで医療計画の全体像を俯瞰できるが、プロセスチャートでは各ユニットにおける医療行為の内容が表示されないため、当該医療行為の内容を自らの知識として保持していない看護師や薬剤師等の医療従事者にとっては、医療行為の内容の理解や予測を行うことが容易でない可能性がある。一方、ユニットシートを用いることにより各ユニットで行うべき医療行為の内容を把握できるが、ユニットシートでは医療計画の全体像が表示されないため、当該医療計画を自らの知識として保持していない医療従事者にとっては、医療行為の実施順序の理解や予測を行うことが容易でない可能性がある。
【0007】
これらの問題点は、プロセスチャートとユニットシートを相互に切替えて閲覧することで解消可能であるとも考えられるが、この場合でも医療計画の全体像と医療行為の内容とが相互に分離された状態で視覚化される点に変わりはなく、依然として医療行為の内容や実施順序の理解や予測が容易でない可能性があり、医療の質を一層向上させるためには、医療計画の運用面で改善余地があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、医療計画の如き各種の実施計画を実施する際の運用上の利便性を改善することにより、実施計画の質を向上させること等ができる、実施行為支援装置及び実施行為支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、実施対象に対して実施され得る複数の実施行為の内容を特定するための情報、前記実施対象の状態に応じた前記複数の実施行為の実施順序を特定するための情報、及び前記実施順序を組み合わせて構成される複数通りの移行経路を特定するための情報を格納する実施情報格納手段と、前記実施対象の状態を特定するための実施対象状態情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段を介して入力が受け付けられた前記実施対象状態情報に基づいて前記実施情報格納手段を参照することにより、前記実施順序を決定する実施順序決定手段と、前記実施情報格納手段にて格納された情報に基づいて、前記複数通りの移行経路の中から一つの移行経路を基準移行経路として選択し、当該選択した基準移行経路に応じた時間軸に沿って前記実施行為の内容を表示するための表示情報を生成する表示情報生成手段と、前記実施順序決定手段にて決定された実施順序に応じた前記実施行為の内容と、前記表示情報生成手段にて生成された前記表示情報を、所定の出力先に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記実施順序決定手段にて決定された実施順序に合致する移行経路を、前記基準移行経路として選択することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の本発明において、前記複数通りの移行経路の中の少なくとも一つの移行経路の出現頻度を特定するための出現頻度情報を格納する出現頻度情報格納手段を備え、前記表示情報生成手段は、前記出現頻度情報格納手段にて格納された前記出現頻度情報に基づいて、前記複数通りの移行経路の中から、最も出現頻度の高い移行経路を前記基準移行経路として選択することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の本発明において、前記表示情報生成手段は、前記実施情報格納手段にて格納された情報に基づいて、前記選択した基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点が存在するか否かを判定し、当該分岐点が存在する場合には、当該分岐点の存在を示す分岐点情報が前記時間軸上における当該分岐点の時間的位置に対応させて表示されるように、前記表示情報を生成することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の本発明において、前記表示情報生成手段は、前記出現頻度情報格納手段にて格納された前記出現頻度情報に基づいて、前記選択した基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点であって、所定確率以上の出現頻度の移行経路に分岐する分岐点が存在するか否かを判定し、当該分岐点が存在する場合にのみ、当該分岐点の存在を示す分岐点情報が表示されるように、前記表示情報を生成することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の本発明は、請求項4又は5に記載の本発明において、前記表示情報生成手段は、前記出現頻度情報格納手段にて格納された前記出現頻度情報に基づいて、前記選択した基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点であって、所定確率以下の出現頻度の複数の移行経路又は出現頻度が設定されていない複数の移行経路に分岐する分岐点である分岐検討点が存在するか否かを判定し、当該分岐検討点が存在する場合にのみ、当該分岐検討点の存在を示す分岐検討点情報が前記時間軸上における当該分岐検討点の時間的位置に対応させて表示されるように、前記表示情報を生成することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の本発明は、請求項3から6のいずれか一項に記載の本発明において、前記実施情報格納手段には、前記複数の実施行為を実施するために必要な滞在日数を特定するための滞在日数情報と、これら複数の実施行為の中から特定の実施行為である基準実施行為を識別するための基準実施行為識別情報とが格納され、前記実施情報格納手段にて格納された前記滞在日数情報及び前記基準実施行為識別情報に基づいて、前記実施順序決定手段にて前記実施順序が決定される毎に、当該決定された実施順序に応じた各実施行為の実施日から前記基準実施行為の実施日である基点日に至る滞在日数を計数すると共に、当該計数による滞在日数と当該計数以前の計数による滞在日数との差分である滞在変動日数を算定する日数計数手段を備え、前記表示情報生成手段は、前記日数計数手段にて算定された滞在変動日数を特定するための滞在変動日数情報が表示されるように、前記表示情報を生成することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の本発明は、請求項3から7のいずれか一項に記載の本発明において、前記実施情報格納手段には、前記複数の実施行為を実施するために必要な滞在日数を特定するための滞在日数情報が格納され、前記複数の実施行為の中で、所定の時間長にて区画された実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為を特定するための単位時間実施情報を格納する単位時間実施情報格納手段を備え、前記表示情報生成手段は、前記単位時間実施情報格納手段にて格納された前記単位時間実施情報に基づいて、前記実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為が、当該実施単位時間の中で実施されるべき一連の行為として表示されるように、前記表示情報を生成することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の本発明は、実施対象に対して実施され得る複数の実施行為の内容を特定するための情報、前記実施対象の状態に応じた前記複数の実施行為の実施順序を特定するための情報、及び前記実施順序を組み合わせて構成される複数通りの移行経路を特定するための情報を格納する実施情報格納手段を備えたコンピュータに実行させるプログラムであって、前記実施対象の状態を特定するための実施対象状態情報の入力を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップにおいて入力が受け付けられた前記実施対象状態情報に基づいて前記実施情報格納手段を参照することにより、前記実施順序を決定する実施順序決定ステップと、前記実施情報格納手段にて格納された情報に基づいて、前記複数通りの移行経路の中から一つの移行経路を基準移行経路として選択し、当該選択した基準移行経路に応じた時間軸に沿って前記実施行為の内容を表示するための表示情報を生成する表示情報生成ステップと、前記実施順序決定ステップにおいて決定された実施順序に応じた前記実施行為の内容と、前記表示情報生成ステップにおいて生成された前記表示情報を、所定の出力先に出力する出力ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、9に記載の本発明によれば、複数通りの移行経路の中から選択された基準移行経路に応じた時間軸に沿って実施行為の内容が出力されるので、実施計画や実施行為の内容を自らの知識としていない実施者であっても、実施計画の予想経路と実施行為の内容とを一元化された形で把握できるので、これらの情報を包括的に理解でき、準備作業等を適切な内容及びタイミングで実施することが可能になる等、実施計画を実施する際の運用上の利便性を改善することができて、実施計画の質を向上させること等ができる。
【0019】
請求項2に記載の本発明によれば、実施順序決定手段にて決定された実施順序に合致する移行経路を、基準移行経路として選択するので、実施行為の出力内容が、実施される移行経路に応じた内容に動的に切り替わることになり、実施状況に応じた実施行為の内容を把握することが可能になる。
【0020】
請求項3に記載の本発明によれば、複数通りの移行経路の中から、最も出現頻度の高い移行経路が基準移行経路として選択されるので、実施行為の出力内容が、最も実施される可能性が高い移行経路に応じた内容となるため、実施計画の予測性を一層向上させることができ、準備作業等の精度を高めることができる。
【0021】
請求項4に記載の本発明によれば、基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点が出力されるので、基準移行経路から他の移行経路に切り替わる可能性及びそのタイミングを容易に把握でき、実施計画の予測性を一層向上させることができて、準備作業等の精度を高めることができる。
【0022】
請求項5に記載の本発明によれば、所定確率以上の出現頻度の移行経路に分岐する分岐点のみが出力されるので、出現頻度の低い移行経路への分岐点に惑わされることがなくなり、実施計画の予想性を一層向上させることができ、準備作業等の精度を一層高めることができる。
【0023】
請求項6に記載の本発明によれば、所定確率以下の出現頻度の複数の移行経路又は出現頻度が設定されていない複数の移行経路に分岐する分岐点である分岐検討点が出力されるので、当該分岐検討点に至るまでは当該分岐検討点以降の移行経路が予測できないような実施計画において、実施計画全体のターニングポイントが到来するタイミングを容易に把握でき、計画実行判断の精度を高めることができる。
【0024】
請求項7に記載の本発明によれば、当該計数による滞在日数と当該計数以前の計数による滞在日数との差分である滞在変動日数が出力されるので、実施計画にとって特に重要な基準実施行為に対する時間間隔の変動量を容易に把握することができ、基準実施行為までの準備期間が変動したことに伴う準備作業タイミングの調整を行う等、準備作業等の精度を一層高めることができる。
【0025】
請求項8に記載の本発明によれば、実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為が、当該実施単位時間の中で実施されるべき一連の行為として表示されるので、実施対象の状態変化に応じて実施行為を移行させる実施計画においても、実施者の運用の実情に合致した時間単位で実施行為を把握することができ、運用性を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る実施行為支援装置及び実施行為支援プログラムを実施するための最良の形態について詳細に説明する。まず、〔I〕本実施の形態の基本概念を説明した後、〔II〕本実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0027】
〔I〕本実施の形態の基本概念
まず、本実施の形態の基本概念について説明する。本実施の形態に係る実施行為支援装置(以下「本装置」)及び実施行為支援プログラム(以下「本プログラム」)は、実施対象に対する実施行為を実施する実施計画の実施者に対して、当該実施を支援するための各種の情報を提示することにより、当該実施行為の実施を支援するための装置及びプログラムである。
【0028】
本装置及び本プログラムは、広範な分野に適用可能であり、概念的には、当該分野における形式知(具体的には、実施対象に対する複数の実施行為の内容と、これら複数の実施行為の相互間の実施順序)を構造化することで可視化が可能な全ての分野に適用可能である。この適用分野の例としては、「医療分野」、「防災分野」、「教育分野」を挙げることができる。この適用分野に応じて、上述した「実施計画」、「実施対象」、「実施者」、「実施行為」の具体的内容は異なり得る。例えば、医療分野では、実施計画=医療計画、実施対象=患者、実施者=医師(又は病院の如き医療機関、あるいは当該医療機関における医師以外の医療従事者であって看護師や薬剤師を含む者)、実施行為=医療行為である。同様に、防災分野では、実施計画=防災計画、実施対象=被災者、実施者=救援者、実施行為=救援行為、教育分野では、実施計画=教育計画、実施対象=生徒、実施者=教師、実施行為=教育行為が該当する。以下では、本装置及び本プログラムを医療分野に適用した場合について説明するものとし、実施計画=医療計画、実施対象=患者、実施者=医師(又は病院)、実施行為=医療行為と読み替えて説明するが、本装置及び本プログラムを他の分野に適用する場合には、上述のように「実施計画」、「実施対象」、「実施者」、「実施行為」の内容を当該他の分野に応じた内容に読み替えればよい。
【0029】
図1は、医療計画を実施するための医療計画システムの全体構成を概念的に示す構成図である。この図1に示すように、統合支援センター1に設置された作成サーバ10と、複数の病院2の各々に設置された管理サーバ20とが、WAN(Wide Area Network)やインターネットの如きネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されている。また、各病院2の内部では、管理サーバ20に対して、オーダサーバ30及び複数の支援端末40がLAN(Local Area Network)の如きネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0030】
本実施形態では、上述の特許文献1に全部又は一部が開示された「患者状態適応型パスシステム(PCAPS:Patient Condition Adaptive Path System)(登録商標)」を利用する。この患者状態適応型パスシステムは、患者の初期状態から最終目標状態に至る臨床経路を示す俯瞰的なモデルであり、この臨床経路を、「患者状態」を基軸とする複数の「目標状態」を相互にリンクして視覚化したものであって、具体的には「プロセスチャート(臨床プロセスチャート)」と「ユニットシート」の2つのツールを用いて構成される。
【0031】
図2には、プロセスチャートの基本構成モデルを示す。プロセスチャートとは、患者の目標状態毎に形成された医療行為単位(医療の質を管理するために適切な大きさに設定された単位)である「ユニット(プロセス)」を連結することで構成される臨床経路の俯瞰図であり、疾患毎に構成され、当該疾患を有する患者の初期状態から最終目標状態に至る間に想定されるすべての臨床状態を包含する。各ユニットは「実行エレメント」と「判断エレメント」とから構成されている。実行エレメントは、患者状態を当該ユニットの目標状態に達するように組み込まれた医療業務を実行していく行為を示し、判断エレメントは、患者状態が当該ユニットの目標状態に達したか否かを判断する行為を示す。そして、各実行エレメントと、当該各実行エレメントの直後の判断エレメントとを、視覚的に表示する手段として「ユニットシート」が構成される。
【0032】
図3は、プロセスチャートの具体例である。このプロセスチャートは、前立腺全摘除を行う場合の例である。このプロセスチャートは、複数のユニットの各々を構成する実行エレメント及び判断エレメントと、これら各エレメントを相互に接続する線分とを含んでおり、当該線分によって各エレメントの相互間の実施順序が視覚的に示されている。例えば、実行エレメント「A−1 前立腺全摘除術」の医療行為を実行した後、判断エレメント「SA−1」において患者状態と目標状態とに基づく判断を行い、この判断結果に応じて、実行エレメント「A−2 術後急性期」又は実行エレメント「B−2 術後急性期」」のいずれかに移行する。図3における各実行エレメントの枠内には、各実行エレメントに対応するユニットの名称及びユニットIDを示す。例えば、最初の実行エレメントに対応するユニットの名称は「入院 術前」であり、ユニットIDは「A−0」である。以下では説明の簡易化のため、ユニットID=「A−0」で特定されるユニットを「ユニットA−0」のように称する。
【0033】
図4には、ユニットシートの表示画面例を示す。例えば、ユニットシートは、「患者ID」、「ユニットID」、「医療行為」、「患者状態」、「目標状態」、「ユニット移行ロジック」、「条件付き指示」を含む。患者IDは、当該ユニットシートが適用されている患者を一意に特定するための識別情報である。ユニットIDは、当該ユニットシートに対応するユニットを一意に特定するための識別情報である。医療行為は、当該ユニットシートに対応する実行エレメントにおいて実行すべき医療行為の項目や内容を記述した情報であり、例えば、医行為、ケア行為、及び調整行為を含む。患者状態は、当該ユニットシートに対応するユニットにおいて注目すべき患者状態の内容を記述した情報である。ユニット移行ロジックは、当該ユニットシートに対応するユニットから次順のユニットに移行するときの条件及び移行先のユニットシートに対応するユニットIDを記述した情報である。条件付き指示は、当該ユニットにおける医療行為中に発生した患者状態に早急に対応するための指示内容を含んで構成されている。
【0034】
このように構成される「プロセスチャート」及び「ユニットシート」は、作成サーバ10によるASP(Application Service Provider)サービスを用いて、各病院2の医師等が作成することができる。すなわち、作成サーバ10には、このように構成される「プロセスチャート」及び「ユニットシート」を特定するための情報と、これら「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の作成を支援するための機能とが設けられており、各病院2の医師等は、これら情報及び機能に対して支援端末40を介してネットワーク3、4を通じてアクセスし、プロセスチャート及びユニットシートの作成を行うことができる。
【0035】
このように作成された「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の実施は、管理サーバ20によって制御される。すなわち、作成された「プロセスチャート」及び「ユニットシート」に関する情報は、管理サーバ20に格納される。この管理サーバ20は、プロセスチャートにおける最初のユニットに対応するユニットシートの内容を支援端末40を介して医師に対して表示出力等にて提示する。そして、医師が、当該提示されたユニットシートに含まれる医療行為を行い、その後の患者状態を支援端末40に入力すると、この患者状態が支援端末40を介して管理サーバ20にて受け付けられる。次いで、管理サーバ20は、患者状態が当該ユニットの目標状態に達したか否かを判断する。目標状態に達したと判断した場合には、当該最初のユニットの次順のユニットをプロセスチャートに基づいて特定し、当該次順のユニットに対応するユニットシートの内容を支援端末40を介して医師に対して提示する。以降同様に、プロセスチャートにて定義された順序に従ったユニットに対応するユニットシートの内容の提示処理と、医師による患者状態の入力を受け付ける処理と、目標状態に達したか否かを判断する判断処理とが繰り返し行われ、プロセスチャートにおける最後のユニットの医療行為が終了することで、一連の処理が終了する。
【0036】
本実施の形態の特徴の一つは、プロセスチャートに含まれる医療行為の実施順序とユニットシートに含まれる医療行為の内容とを一元化した状態で医療従事者に提示することで、医療計画を実施する際の運用上の利便性を改善することにより、医療計画の質を向上させることを目的としている。この一元化に際しては、時間軸の取り扱いが課題となる。すなわち、プロセスチャートには、複数通りの「移行経路」が含まれ得る。この移行経路とは、実施順序を組み合わせて構成されるもので、例えば図3のプロセスチャートには、「ユニットA−0」→「ユニットA−1」→「ユニットA−2」の移行経路と、「ユニットA−0」→「ユニットA−1」→「ユニットB−2」の移行経路が含まれる。しかしながら、これら複数通りの移行経路をそのまま提示した場合には、実施順序を自ら予測できない医療従事者にとっては不便な場合がある。例えば、図3のプロセスチャートをそのまま看護師に提示しても、「ユニットA−1」の後に、「ユニットA−2」に移行する可能性が高いのか、あるいは、「ユニットB−2」に移行する可能性が高いのかが判断できないため、これら「ユニットA−2」や「ユニットB−2」で使用する薬剤や治療施設の如き医療資源(以下「リソース」)の準備の要否やタイミングを判断できない。そこで、本実施の形態では、複数通りの移行経路の中から、基準として表示すべき移行経路(以下「基準移行経路」)を所定ロジックに基づいて選択し、当該選択した基準移行経路に応じた時間軸に沿って医療行為の内容を表示する。この表示を行うための画面を、以下では「プロセスオーガナイザ」と称する。
【0037】
〔II〕本実施の形態の具体的内容
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。以下では、図1に示した医療計画システムの各部の構成について説明し、次いで、医療計画システムを用いて実行される処理内容について説明する。
【0038】
(構成−作成サーバ)
最初に、図1の作成サーバ10の構成を説明する。この作成サーバ10は、患者に対して実施され得る医療行為の内容及び実施順序を含んだ医療計画を作成する医療計画作成支援装置である。機能概念的には、作成サーバ10は、記憶部11、制御部12、及びネットワークインターフェース(以下「ネットワークIF」)13を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
【0039】
記憶部11は、各種処理に必要な情報やパラメータを不揮発的に格納する格納手段であり、例えば、HD(Hard Disk)にて構成される(後述する記憶部21において同じ)。
【0040】
制御部12は、作成サーバ10の各部を制御する制御手段である。この制御部12は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)や、このCPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム)、及び、所要プログラムや所要データを格納するためのキャッシュメモリを備えて構成される(後述する制御部22において同じ)。
【0041】
ネットワークIF13は、ネットワーク3を介した通信を行うための通信手段であり、作成サーバ10における入力手段又は出力手段として機能するもので、例えばネットワークボードとして構成される(後述するネットワークIF23において同じ)。
【0042】
(構成−管理サーバ)
次に、管理サーバ20の構成を説明する。この管理サーバ20は、作成サーバ10にて作成された医療計画の実施を管理するもので、特許請求の範囲における実施行為支援装置に対応する。機能概念的には、管理サーバ20は、記憶部21、制御部22、及びネットワークIF23を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
【0043】
記憶部21には、具体的には、機能概念的に、患者情報DB21a、医師情報DB21b、疾患情報DB21c、実施情報DB21d、出現頻度情報DB21e、及び単位時間実施情報DB21fを備える。これら各DBに格納される情報の具体的内容については後述する。
【0044】
制御部22は、管理サーバ20の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、実施設定部22a、実施管理部22b、及び情報統合表示部22cを備える。実施設定部22aは、各患者に対する医療計画の設定を行う実施設定手段である。実施管理部22bは、医療計画の実行を管理するもので、特許請求の範囲における実施順序決定手段に対応する。情報統合表示部22cは、プロセスオーガナイザを表示するために必要な各種の処理を行うもので、特許請求の範囲における表示情報生成手段に対応する。これら各部の具体的処理内容については後述する。本実施の形態に係る実施行為支援プログラムは、例えば、CD−ROMやDVDを含む任意の記憶媒体に記憶された後、管理サーバ20にインストールされて記憶部21に不揮発的に記憶され、CPUにて解釈実行されることで制御部22の各部の実質的機能を構成する。
【0045】
ネットワークIF23は、ネットワーク3を介した通信を行うための通信手段であり、管理サーバ20における入力手段又は出力手段として機能する。
【0046】
(構成−オーダサーバ)
オーダサーバ30は、各種のリソースの発注、在庫管理、あるいは予約管理を行う資源管理装置である。このオーダサーバ30の具体的構成は任意であり、管理サーバ20との通信機能を有する限りにおいて、公知のサーバ装置と同様に構成できるために、その詳細な説明は省略する。なお、病院2に配置されるサーバとしては、このオーダサーバ30以外にも、医事会計サーバの如き任意のサーバを含めることができる。
【0047】
(構成−支援端末)
各支援端末40は、医療従事者が作成サーバ10や管理サーバ20に対して入出力を行うための端末装置であり、特に、患者状態の入力を受け付ける入力手段と、プロセスチャート及びユニットシートの出力を行うモニタの如き出力手段を有する。この支援端末40は、管理サーバ20との通信機能や各種情報の入出力機能を有する限りにおいて、公知のパーソナルコンピュータと同様に構成できるために、その詳細な説明は省略する。
【0048】
(構成−データベースの具体的内容)
次に、図1の管理サーバ20の各DBの具体的内容について説明する。ただし、以下の構成例では本実施の形態に係る情報のみを格納する例を示し、実際には以下に説明する情報以外の任意の情報を各DBに格納することができ、あるいは一部の情報については適宜省略することもできる。また、各DBに格納される情報のうち、同一名称の情報については、特記する場合を除いて相互に同一の内容であるものとし、重複説明は行わないものとする。
【0049】
患者情報DB21aは、医療計画の実施対象である各患者に関する情報(患者情報)を格納する手段である。この患者情報は、図5に例示するように、項目「患者ID」、項目「氏名」、項目「年齢」、項目「性別」、項目「住所」、及び項目「疾患ID」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「患者ID」に対応する情報は、各医療計画の対象となる患者を一意に識別するための識別情報である。項目「氏名」、項目「年齢」、項目「性別」、項目「住所」に対応する情報は、それぞれ、各患者の氏名、年齢、性別、住所である。項目「疾患ID」に対応する情報は、各患者の各疾患を一意に識別するための情報である。
【0050】
図1の医師情報DB21bは、医療計画の実施者である各医師に関する情報(医師情報)を格納する医師情報格納手段である。この医師情報は、図6に例示するように、項目「医師ID」、項目「氏名」、項目「専門」、及び項目「経験年数」を相互に関連付けて構成されている。項目「医師ID」に対応する情報は、各医師を一意に識別するための識別情報である。項目「氏名」に対応する情報は、各医師の氏名である。項目「専門」に対応する情報は、各医師の専門分野である。項目「経験年数」に対応する情報は、各医師の医師としての経験年数である。
【0051】
図1の疾患情報DB21cは、各医療計画による治療の対象になる各疾患に関する情報(疾患情報)を格納する疾患情報格納手段である。この疾患情報は、図7に例示するように、項目「疾患ID」、及び項目「疾患名」を相互に関連付けて構成されている。項目「疾患ID」に対応する情報は、各疾患を一意に識別するための識別情報であり、図5の項目「疾患ID」に対応する情報と共通である。項目「疾患名」に対応する情報は、各疾患の名称(病名)である。
【0052】
図1の実施情報DB21dは、患者に対して実施すべき医療行為及び実施順序を特定するための情報(実施情報)を格納するもので、特許請求の範囲における実施情報格納手段に対応する。この実施情報は、図8に例示するように、項目「患者ID」、項目「医師ID」、項目「疾患ID」、項目「ユニットID」、項目「医療行為」、項目「患者状態」、項目「目標状態」、項目「ユニット移行ロジック」、項目「条件付き指示」、項目「滞在日数」、及び項目「基点日」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「滞在日数」に対応する情報は、各ユニットを実施するために必要な時間を所定単位(ここでは日単位)で特定するための情報である。図8の例では、ユニットA−0を実施するために必要な時間は「滞在日数=1日」である。項目「基点日」に対応する情報は、各ユニットの中で、基点日になるユニットを特定するための情報である。ここで基点日とは、医療計画全体の中で、患者の経過に関して特に大きな影響を与える医療行為が実施される日であって、例えば手術日である。この基点日を特定するための情報の具体的形式は任意であるが、図8の例では、基点日に対応するユニットのフラグが「1」、それ以外のユニットのフラグが「0」となっている。その他の各項目に対応する情報は、図3の表示画面の説明において述べた通りである。
【0053】
この実施情報では、一つの患者ID、一つの医師ID、及び一つの疾患IDに対して複数のユニットIDを関連付けることで、当該患者IDにて特定される患者に対して、当該医師IDにて特定される医師が、当該疾患IDにて特定される疾患を治療するための複数の医療行為が特定される。この実施情報を格納する方法及びタイミングは任意であるが、例えば、当該実施情報を、医師のヒアリング等に基づいて標準化することで決定して作成サーバ10の記憶部11に予め格納しておき、必要に応じて呼び出して実施情報DB21dに格納する。この実施情報の標準化は、必ずしも硬直的なものではなく、各医療機関や各患者の実情に合致するように、各医療機関や各医師が支援端末40を用いて任意の内容にカスタマイズした上で、実施情報DB21dに格納してもよい。なお、これら各情報の具体的な記述構造としては、図8に示した構成例以外の任意の構造を採用することができ、例えばXML(Extensible Markup Language)形式により、タグを用いて各情報の意味を構造化することができる。
【0054】
図1の出現頻度情報DB21eは、移行経路の出現頻度を特定するための情報(出現頻度情報)を格納するもので、特許請求の範囲における出現頻度情報格納手段に対応する。この出現頻度情は、図9に例示するように、項目「病院ID」、項目「医師ID」、項目「疾患ID」、項目「最頻出移行経路」、及び項目「準頻出移行経路」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「病院ID」、項目「医師ID」、及び項目「疾患ID」に対応する情報は、図5から図7の同一項目に対応する情報と共通である。項目「最頻出移行経路」に対応する情報は、複数の移行経路の中で最も頻出する移行経路(以下「最頻出移行経路」)を特定するための情報、項目「準頻出移行経路」に対応する情報は、複数の移行経路の中で最頻出移行経路の次に頻出する移行経路(以下「準頻出移行経路」)を特定するための情報である。これら情報の具体的形式は任意であるが、図9の例では、複数のユニットのユニットIDが実施順序に沿って記載されることで最頻出移行経路又は準頻出移行経路が特定されており、「A−0,A−1,A−2,A−3&4,・・・」との情報によって、「ユニットA−0」→「ユニットA−1」→「ユニットA−2」→「ユニットA−3&4」、・・・となる移行経路が、最頻出移行経路であることが判る。
【0055】
図1の単位時間実施情報DB21fは、複数の実施行為の中で、所定の時間長にて区画された実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為を特定するための情報(以下「単位時間実施情報」)を格納するもので、特許請求の範囲における単位時間実施情報格納手段に対応する。この単位時間実施情報は、図10に例示するように、項目「患者ID」、項目「医師ID」、項目「疾患ID」、及び項目「ユニットID」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。これら各項目に対応する情報は、図5から図9の同一名称の各項目に対応する情報と共通である。ここで、実施単位時間を区画する時間長は任意であり、例えば1日(24時間)や、医療従事者の通常の勤務時間である8時間である。以下の例では、実施単位時間=1日とした場合について説明する。図10の例では、同日中に実施されるべきである複数のユニットのユニットIDが、各レコードにおける同一区画枠内に格納されており、「A−2,A−3&4」との情報によって、「ユニットA−2」と「ユニットA−3&4」が同日中に実施されるべきであることが特定されている。
【0056】
(処理)
次に、上記のように構成された医療計画システムによって行われる処理について説明する。なお、以下の説明において、制御主体を特記しない処理については、作成サーバ10の制御部12又は管理サーバ20の制御部22にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない情報については、公知のタイミング及び公知の方法にて、作成サーバ10の記憶部11又は管理サーバ20の記憶部21に予め格納されており、あるいは、支援端末40を介して医療従事者によって手入力されるものとする。
【0057】
この処理は、設定処理、管理処理、及び情報統合表示処理に大別される。設定処理とは、各患者に対する医療計画の設定を行う処理であり、概略的には、作成サーバ10及び管理サーバ20を用いて、標準的な医療計画を各病院や各患者の特性に応じてカスタマイズすることで、当該病院において当該患者に実際に適用する医療計画を作成する処理である。管理処理は、作成サーバ10を用いて、設定処理で作成された医療計画を患者に実際に適用する処理であり、医師から入力された患者状態に応じてユニットの移行可否の判定等を行う処理である。情報統合表示処理は、作成サーバ10を用いて、プロセスオーガナイザを表示するための処理である。
【0058】
(処理−設定処理)
最初に、設定処理について説明する。各病院2の医師は、支援端末40を介して所定方法にて作成サーバ10にアクセスして医療計画の作成要求を送信する。この際、医師は、自己に予め割り当てられた医師ID、医療計画の対象になる患者に割り当てられた患者ID、及び当該患者の疾患に予め割り当てられた疾患IDを支援端末40に入力する。
【0059】
一方、作成サーバ10の制御部12は、作成要求を受信すると、所定の医療計画作成用の画面データを支援端末40に送信する。この初期画面の画面データは、支援端末40に予めインストールされた汎用又は専用のブラウザソフトウェアによって解釈され、初期画面が支援端末40のモニタに表示される(以下の各画面においても同様)。この初期画面において、医師が、ユニットの追加及び当該ユニットに設定する実施情報の提示を支援端末40の入力装置を介して所定方法で要求すると、作成サーバ10の制御部12は、記憶部11に予め格納されている標準的な実施情報を取得し、この実施情報を提示するための提示画面の画面データを生成して支援端末40に送信する。この提示画面が支援端末40のモニタに表示され、医師は、この内容を確認し、必要に応じて支援端末40の入力装置を介して実施情報の編集を行った後、所定方法にて当該実施情報の適用を指示すると、当該実施情報が当該指定されているユニットに設定される。以降、プロセスチャートに配置したい各ユニットについて同様の手順を繰り返すことで、全てのユニットの内容が特定される。また、医師は、提示画面において公知の方法で各ユニットの相互間の実施順序を指定することで、当該病院、当該医師、あるいは当該患者に対してカスタマイズされた実施情報が生成される。さらに、医師は、提示画面において公知の方法で各ユニットの最頻出移行経路や準頻出移行経路を指定することで、出現頻度情報が生成される。このように生成された実施情報及び出現頻度情報は、先に入力された患者ID、医師ID、及び疾患IDに関連付けて、管理サーバ20の実施情報DB21d又は出現頻度情報DB21eに格納される。
【0060】
その後、医師は、必要に応じて、単位時間実施情報や基点日の設定を行うことができる。図11は、これら各種情報の作成サーバ10における設定処理のフローチャートである。医師が単位時間実施情報の設定要求を支援端末40の入力装置を介して所定方法で行うと、この要求を受信した作成サーバ10の制御部12は(ステップSA−1)、単位時間実施情報設定用の画面データを支援端末40に送信し(ステップSA−2)、この画面が支援端末40にて表示される。この画面において、医師が、実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為に対応する複数のユニットのユニットIDを入力すると、これら複数のユニットIDが作成サーバ10に送信される。作成サーバ10の制御部12は、これら複数のユニットIDを受信すると(ステップSA−3,Yes)、当該複数のユニットIDを、先に入力された患者ID、医師ID、及び疾患IDに関連付けて管理サーバ20に送信する(ステップSA−4)。管理サーバ20の実施設定部22aは、これらの情報を単位時間実施情報DB21fに格納する。
【0061】
このように単位時間実施情報の設定を可能としたのは次の理由による。すなわち、患者状態適応型パスでは、実施対象である患者の状態に応じてユニットの移行が行われることを前提としているため、各ユニットの医療行為を実施する医療従事者の勤務形態とは異なる時間単位によってユニットを区画することがあり、医療従事者による運用の観点から問題が生じる可能性がある。この問題を解消するため、本実施の形態では、医療従事者の勤務形態に合致した実施単位時間によってユニットを区画することを可能としている。
【0062】
また、医師が基点日の設定要求を支援端末40の入力装置を介して所定方法で行うと、この要求を受信した作成サーバ10の制御部12は(ステップSA−5,Yes)、基点日設定用の画面データを支援端末40に送信し、この画面が支援端末40にて表示される。この画面において、医師が、基点日に対応するユニットのユニットIDを入力すると、このユニットIDが作成サーバ10に送信される。作成サーバ10の制御部12は、このユニットIDを受信すると、当該ユニットIDを管理サーバ20に送信する(ステップSA−6)。管理サーバ20の実施設定部22aは、当該ユニットIDに対応するフラグを実施情報DB21dの項目「基点日」に対応する情報として格納することで、実施情報を更新する。これにて設定処理が終了する。
【0063】
(処理−管理処理)
次に、管理処理について説明する。図12は、管理サーバ20における管理処理のフローチャートである。先の設定処理の終了後、任意のタイミングで、医師が支援端末40を介して診療を行いたい患者の患者ID(以下「当該患者ID」)を入力することにより医療プロセスの開始を指示すると(ステップSB−1,Yes)、管理サーバ20の実施管理部22bは、当該患者IDに対応する実施情報を実施情報DB21dから取得し、当該実施情報をプロセスチャート又はユニットシートとして当該支援端末40のモニタに出力する(ステップSB−2)。従って、医師は、患者の疾患に対応する医療行為やその実施手順を確認し、標準化された内容及び手順にて医療行為を行うことができる。
【0064】
医師は、各ユニットシートに表示されている医療行為を実施する毎に、当該医療行為が行われた患者の状態を、支援端末40を介して管理サーバ20に入力する(ステップSB−3)。管理サーバ20の実施管理部22bは、入力された患者状態と、実施情報における当該ユニットシートの目標状態とを比較して、患者状態が目標状態に達したか否かを判定する(ステップSB−4)。そして、患者状態が目標状態に達していない場合(ステップSB−4,No)、実施管理部22bは、次のユニットに移行することなく、次の患者状態の入力が受け付けられるまで待機する。一方、患者の状態が目標状態に達した場合(ステップSB−4,Yes)、実施管理部22bは、実施情報によって規定される次順のユニットのユニットシートの内容を支援端末40に送信してモニタに表示させる(ステップSB−5)。このユニットシートの内容を支援端末40を介して閲覧することで、医師は、患者状態に合致したユニットシートの内容を閲覧でき、医療行為の内容を確認できる。
【0065】
ここで、ステップSB−2及びSB−5において表示されるプロセスチャートには、先の管理処理において管理サーバ20の出現頻度情報DB21eに格納された出現頻度情報が反映される。図13には出現頻度情報が反映されたプロセスチャートの表示例を示す。このプロセスチャートにおいて、太字の矢印AR2は最頻出移行経路、細字の矢印AR3は準頻出移行経路を示す。なお、最頻出移行経路や準頻出移行経路の具体的な表示方法は任意であり、図13の例以外にも、例えば、最頻出移行経路や準頻出移行経路の各ユニットや各ユニットを接続する矢印を、他のユニットや他の矢印から区別可能な特定の色で表示したり、点滅表示したり、あるいは最頻出移行経路や準頻出移行経路の各ユニットを一覧表形式でプロセスチャートの側方に表示してもよい。さらに、プロセスチャートに選択ボタンを設け、この選択ボタンを介して表示選択指示を行うことで、最頻出移行経路や準頻出移行経路のいずれか一方のみを表示させたり、これら最頻出移行経路や準頻出移行経路以外の移行経路を表示させてもよい。
【0066】
(処理−情報統合表示処理)
次に、情報統合表示処理について説明する。図14は、管理サーバ20における情報統合表示処理のフローチャートである。この情報統合表示処理は、医療従事者が支援端末40を介した所定方法により、上述の設定処理後の任意のタイミングで、診療を行いたい患者の患者IDを入力すると共にプロセスオーガナイザの出力を管理サーバ20に対して指示する毎に開始される。例えば、特定の患者のプロセスチャートやユニットシートを支援端末40のモニタに出力させている状態において、当該プロセスチャートや当該ユニットシートの画面に、プロセスオーガナイザの出力を指示するための指示ボタンを設け、当該指示ボタンが選択された場合に管理処理を開始するようにしてもよい。この場合には、プロセスチャートやユニットシートによって当該患者IDが既に特定されているので、当該患者IDの手動による特定を省略することができる。
【0067】
管理サーバ20の情報統合表示部22cは、プロセスオーガナイザの出力指示を受信すると(ステップSC−1,Yes)、基準移行経路選択処理を実行することで、プロセスオーガナイザの時間軸とする基準移行経路を選択し(ステップSC−2)、分岐点判定処理を実行することで、基準移行経路上の分岐点の中でプロセスオーガナイザに表示する分岐点を判定し(ステップSC−3)、基点日数算定処理を実行することで、基点日迄の日数等を算定し(ステップSC−4)、プロセスオーガナイザを表示するための表示情報を生成すると共に、当該生成情報を支援端末40に出力する(ステップSC−5)。以下、これら各処理の具体的内容について順次説明する。
【0068】
(処理−情報統合表示処理−基準移行経路選択処理)
最初に、基準移行経路選択処理(図14、ステップSC−2)について説明する。図15は、基準移行経路選択処理のフローチャートである。情報統合表示部22cは、実施情報DB21dから当該患者IDに対応する実施情報を呼び出すと共に、出現頻度情報DB21eから当該患者IDに対応する出現頻度情報を呼び出す(ステップSD−1)。次いで、情報統合表示部22cは、出現頻度情報を参照し、少なくとも一つの移行経路に出現頻度が設定されているか否かを判定する(ステップSD−2)。これは、初めて使用される移行経路に出現頻度情報が設定されていない可能性や、既出の移行経路であっても統計データの不足等の理由によって出現頻度情報が設定されていない可能性があることを考慮して行われる判定である。なお、この際に選択候補とする移行経路は、上述の管理処理において決定された実施順序に合致する移行経路(上述の管理処理において決定された実施順序を含む移行経路と、当該移行経路から分岐する可能性がある移行経路)のみが選択される。
【0069】
ステップSD−2において、一つの移行経路にも出現頻度が設定されていない場合(ステップSD−2,No)、情報統合表示部22cは、出現頻度に基づく基準移行経路の選択を行うことができないので、他の基準によって基準移行経路を選択する。当該他の基準は任意であるが、例えば、実施情報に含まれる各ユニットの滞在日数と実施順序とに基づいて、プロセスチャートのスタート(例えば入院)からエンド(例えば退院)迄に要する滞在日数の総和を各移行経路毎に算定し、最も滞在日数の総和が少ない移行経路を基準移行経路として選択する(ステップSD−4)。この場合、最短の滞在日数で退院できる移行経路を基準移行経路とすることで、滞在日数の観点から最も理想的な移行経路をプロセスオーガナイザの時間軸の基準とすることができる。この他、滞在日数の総和が最も多い移行経路や、滞在日数の総和が各移行経路の滞在日数の総和の平均値に近い移行経路を、基準移行経路としてもよい。
【0070】
一方、ステップSD−2において、少なくとも一つの移行経路に出現頻度が設定されている場合(ステップSD−2,Yes)、情報統合表示部22cは、当該設定されている移行経路の中で、最も出現頻度の高い移行経路(上述の最頻出移行経路)を基準移行経路として選択する(ステップSD−3)。このように最頻出移行経路を基準移行経路とすることで、実際に実施される可能性が最も高い移行経路をプロセスオーガナイザに表示でき、医療従事者の予測性を高めることができる。これにて基準移行経路選択処理が終了する。
【0071】
(処理−情報統合表示処理−分岐点判定処理)
次に、分岐点判定処理(図14、ステップSC−3)について説明する。図16は、分岐点判定処理のフローチャートである。この分岐点判定処理で判定する「分岐点」とは、基準移行経路の各ユニットのうち、他の移行経路へ移行する場合の移行元になり得るユニットである。この分岐点は、「通常分岐点」と「検討分岐点」の2種類に大別される。これら通常分岐点及び検討分岐点は、分岐点の中でも、プロセスオーガナイザに表示することで医療従事者に認識させることが特に好ましい分岐点である点で共通する。通常分岐点は、当該通常分岐点に至る以前に、当該通常分岐点以降の移行経路をある程度予測できる分岐点である。検討分岐点は、当該検討分岐点に至った時点で患者の状態を検討することで、当該検討分岐点以降の移行経路が始めて選択可能となる分岐点であり、当該検討分岐点に至る以前には、当該検討分岐点以降の移行経路を予測することが困難な分岐点である。
【0072】
まず、情報統合表示部22cは、当該患者IDに対応する実施情報DB21dの実施情報に含まれる実施順序を参照し、先の基準移行経路選択処理において選択された基準移行経路から分岐する他の移行経路の有無を判定する(ステップSE−1)。分岐する移行経路がない場合には(ステップSE−1,No)、分岐点を設定する必要がないので、分岐点判定処理を終了する。
【0073】
一方、ステップSE−1において、分岐する移行経路がある場合には(ステップSE−1,Yes)、情報統合表示部22cは、出現頻度情報DB21eの出現頻度情報を参照し、当該分岐する移行経路に出現頻度が設定されているか否かを判定する(ステップSE−2)。一つの移行経路にも出現頻度が設定されていない場合(ステップSE−2,No)、情報統合表示部22cは、出現頻度に基づく分岐点の判定を行うことができないので、後述するステップSE−4に移行する。あるいは、情報統合表示部22cは、他の基準によって基準移行経路を選択してもよい。当該他の基準は任意であるが、例えば、基準移行経路中の一つのユニットから3通り以上の移行経路が分岐している場合に、当該ユニットを検討分岐点に設定する。
【0074】
少なくとも一つの移行経路に出現頻度が設定されている場合(ステップSE−2,Yes)、情報統合表示部22cは、当該出現頻度が所定頻度以上であるか否かを判定する(ステップSE−3)。所定頻度は、記憶部に予め設定されている値であり、その具体的数値は任意であるが、例えば50%に設定される。そして、当該出現頻度が所定頻度以上である場合(ステップSE−3,Yes)、情報統合表示部22cは、当該所定頻度以上の出現頻度の移行経路の移行元(移行経路の先頭)のユニットを通常分岐点に設定する(ステップSE−5)。
【0075】
一方、ステップSE−5において当該出現頻度が所定頻度以上でない場合(ステップSE−3,No)、情報統合表示部22cは、基準移行経路の各ユニットから分岐する移行経路を計数し、一つのユニットから複数の移行経路が分岐することがあるか否かを判定する(ステップSE−4)。複数の移行経路が分岐しない場合(ステップSE−4,No)、各分岐点は検討分岐点には該当し得ないため、情報統合表示部22cは、検討分岐点を設定することなく分岐点判定処理を終了する。一方、複数の移行経路が分岐する分岐点が存在する場合(ステップSE−4,Yes)、当該複数の移行経路の各々は、出現頻度が設定されていない移行経路であることがステップSE−2で判定されており、あるいは、所定頻度より低い出現頻度の移行経路であることがステップSE−3において判定されていて、このような複数の移行経路が分岐する分岐点は検討分岐点である可能性が高いため、当該複数の移行経路の共通の移行元(複数の移行経路の先頭)のユニットを検討分岐点に設定する(ステップSE−6)。これにて分岐点判定処理が終了する。
【0076】
(処理−情報統合表示処理−基点日数算定処理)
次に、基点日数算定処理(図14、ステップSC−4)について説明する。図17は、基点日数算定処理のフローチャートである。この基点日数算定処理で算定する基点日数には、「基点日数」、「基点変動日数」、「短縮警告日数」、及び「大幅変動警告日数」の4種類がある。基点日数は、各ユニットから基点日までの滞在日数の総和である。基点変動日数は、同一患者に対して実施された基点日数算定処理のうち、今回の基点日数算定処理にて算定された基点日数と、前回の基点日数算定処理にて算定された基点日数との差分(滞在日数の総和の変動)である。短縮警告日数及び大幅変動警告日数は、医療従事者に特に注意喚起を促すことが好ましい基点変動日数である点で共通する。短縮警告日数は、マイナスの基点変動日数(短い方に変動した場合の基点変動日数)、大幅変動警告日数は、絶対値が所定日数以上である基点変動日数(プラスかマイナスかに関わらず、大幅に変動した場合の基点変動日数)である。
【0077】
まず、情報統合表示部22cは、単位時間実施区画処理を起動することにより、同一の実施単位時間に区画すべきユニットを特定する(ステップSF−1)。図18は、単位時間実施区画処理のフローチャートである。情報統合表示部22cは、該患者IDに対応する実施情報DB21dの実施情報に含まれる滞在日数を呼び出すと共に、単位時間実施情報DB21fから単位時間実施情報を呼び出す(ステップSG−1)。そして、情報統合表示部22cは、単位時間実施情報によって同一の実施単位時間に区画すべきとして設定されている複数のユニットの滞在日数を合計する(ステップSG−2)。
【0078】
次いで、情報統合表示部22cは、滞在日数の合計が所定の連続勤務時間(例えば1日)を超えているか否かを判定する(ステップSG−3)。連続勤務時間を超えていると判定された場合(ステップSG−3,No)、複数のユニットの医療行為を同一の実施単位時間内に終えることが実際には困難であると考えられるので、情報統合表示部22cは、単位時間実施情報による設定内容を無視して、各ユニットを、上述の基点日数算定処理で算定した実施日(各ユニットの相互に異なる実施日)に割り当てる(ステップSG−5)。このような処理を行うのは、先の設定処理において、実際の連続勤務時間を無視して単位時間実施情報の設定が行われる可能性を考慮したものである。ただし、先の設定処理において当該連続勤務時間を無視した設定が行われた時点で警告を出す等、当該連続勤務時間を無視した設定が行われる可能性を排除できる場合には、ステップSG−3及びSG−5の処理は省略してもよい。
【0079】
一方、ステップSG−3において、連続勤務時間を超えていないと判定された場合(ステップSG−3,Yes)、複数のユニットの医療行為を同一の実施単位時間内に終えることが実際に可能であると考えられるので、情報統合表示部22cは、当該複数のユニットを同一の実施単位時間(ここでは同一の実施日)に割り当てる(ステップSG−4)。これにて単位時間実施区画処理が終了する。
【0080】
図17に戻り、情報統合表示部22cは、先の基準移行経路選定処理において選定された基準移行経路の各ユニットの滞在日数を実施順序に応じて順次積算することにより、各ユニットの実施日を算定する(ステップSF−2)。ここでは、当該基点日数算定処理が行われている日付を公知の方法で取得し、当該日付を先頭のユニットの実施日に設定した上で、各ユニットの実施日を算定する。あるいは、先頭のユニットの実施日としては、医師が支援端末40を介して入力した任意の実施日を用いてもよい。例えば、先頭のユニットの実施日=2008年2月1日、当該先頭のユニットの滞在日数=1日である場合、2番目のユニットの実施日=2008年2月2日となる。
【0081】
この際、単位時間実施区画処理において、同一の実施単位時間(実施日)に割り当てられた複数のユニットについては、当該複数のユニットの中で最初に実施されるユニットの実施日と同一日を、当該複数のユニットの中の他のユニットの実施日とする。またこれに伴い、当該複数のユニット以降に実施されるユニットの実施日を、「同一の実施単位時間に割り当てられたユニットの数」−「1日」として算定される日数だけ繰り上げる。例えば、ユニットA−10(滞在日数=0.5、実施日=2008年2月1日)とユニットA−11(滞在日数=0.5、実施日=2008年2月2日)とが同一の実施単位時間に割り当てられており、その次にユニットA−12(滞在日数=1、実施日=2008年2月3日)が続く場合、ユニットA−10及びユニットA−11の実施日=2008年2月1日とする。この場合、同一の実施単位時間に割り当てられたユニットの数=2であることから、2−1=1日だけユニットA−12の実施日を繰り上げて、ユニットA−12の実施日=2008年2月2日とする。
【0082】
次いで、情報統合表示部22cは、当該患者IDに対応する実施情報DB21dの実施情報に含まれる基点日のフラグを参照し、基準移行経路の各ユニットの中で基点日に対応するユニットを特定し、当該ユニットの実施日と、基準移行経路のその他のユニットの実施日との相互の間隔を算定することで、各ユニットの基点日数を算定する(ステップSF−3)。例えば、特定のユニットの実施日=2008年2月10日、基点日に対応するユニットの実施日=2008年2月17日である場合には、当該特定のユニットの基点日数=7日となる。ただし、実施情報に基点日が全く設定されていない場合には、これ以降の処理を行うことなく、基点日数算定処理を終了してもよい。
【0083】
基点日数を算定した後、情報統合表示部22cは、今回の基点日数算定処理にて算定された基点日数と、前回の基点日数算定処理にて算定された基点日数との差分を算定することにより、各ユニットの基点変動日数を算定する(ステップSF−4)。前回の基点日数算定処理にて算定された基点日数は、例えば、基点日数算定処理が終了する毎に、基点日数を当該患者ID及びその時点の日時情報と共に記憶部21に記憶させておき、この情報を必要に応じて呼び出して利用する。例えば、特定のユニットに関して、今回算定された基点日数=7日、直前に算定された基点日数=9日であった場合、基点変動日数=−2日となる。
【0084】
その後、情報統合表示部22cは、基点変動日数がマイナスである場合には、当該マイナスの基点変動日数を短縮警告日数に設定する(ステップSF−5)。ここでは、マイナスの基点変動日数の全てを短縮警告日数に設定するが、所定日数(例えば3日)以上のマイナスの基点変動日数のみを短縮警告日数としてもよい。
【0085】
また、情報統合表示部22cは、基点変動日数の絶対値が所定日数以上(ここでは3日以上)である場合には、当該基点変動日数を大幅変動警告日数に設定する(ステップSF−6)。ここでは、基点変動日数を所定値と比較することで大幅変動警告日数を決定しているが、他の基準を用いてもよく、例えば、基点日から所定日数(一例として10日)以上離れているユニットについては、基点変動日数が大きくても医療作業の準備に大きな影響はないので大幅変動警告日数は設定しないが、基点日から所定日数以内のユニットについては、僅かな基点変動日数でも医療作業の準備に大きな影響が出る可能性があるために大幅変動警告日数を設定する等、基点日数に応じて所定日数を変動させてもよい。これにて基点日数算定処理が終了する。
【0086】
(処理−情報統合表示処理−表示情報の生成及び出力)
図14に戻り、情報統合表示部22cは、ステップSC−2〜SC−4の結果に基づいて表示情報を生成し、この表示情報を、プロセスオーガナイザの出力を指示した医師等の支援端末40に出力する(ステップSC−5)。この結果、支援端末40にプロセスオーガナイザが表示される。
【0087】
図19は、プロセスオーガナイザの表示画面例である。このプロセスオーガナイザは、「全体情報表示領域」DA1、「患者情報表示領域」DA2、「操作領域」DA3、「表示項目設定領域」DA4、「表示切替領域」DA5、及び「実施情報表示領域」DA6を含んで構成されている。「全体情報表示領域」DA1には、その時点の日時や現在実行されているユニットのユニット名等が表示される。「患者情報表示領域」DA2には、当該患者IDに基づいて患者情報DB21aから取得された患者の氏名等が表示される。「操作領域」DA3には、各種指示を行うための操作ボタンが表示される。操作ボタンとしては、プロセスチャートの表示に切り替えるためのボタン、ユニットシートの表示に切り替えるためのボタン、各ユニットの滞在日数を任意の日数に変更するためのボタン、及び内服薬や外服薬をオーダーするためのボタンが表示される。このボタンを用いて行われたオーダ情報は、オーダサーバ30に送信される。「表示項目設定領域」DA4には、当該プロセスオーガナイザに表示する項目を表示目的に応じて設定するための複数のチェックボックスが設けられており、各チェックボックスによって選択された項目に対応する情報のみが「実施情報表示領域」DA6に表示される。「表示切替領域」DA5には、後述する「時間軸表示領域」DA6aに表示される表示項目を表示目的に応じて設定するための複数のチェックボックスが設けられており、各チェックボックスによって選択された項目に対応する情報のみが「時間軸表示領域」DA6aに表示される。
【0088】
「実施情報表示領域」DA6は、実施情報を表示する領域であり、当該領域の上方に配置された「時間軸表示領域」DA6aと、当該時間軸表示領域DA6aの下方左側に配置された「医療行為表示領域」DA6bと、当該時間軸表示領域DA6aの下方右側に配置された「統合スケジュール表示領域」DA6cを備える。時間軸表示領域DA6aには、「ユニット名」、「日付」、「入院日目数」、「CP駆動日目数」、「ユニット滞在日数」、「通常分岐点」、「検討分岐点」、「基点日数」、「基点変動日数」、及び「基点日」が表示される。「ユニット名」には、基準移行経路選択処理で選択された基準移行経路の各ユニットのユニット名であって、実施情報DB21dから取得されたユニット名が、各ユニットの実施順序に応じた順番で表示される。「日付」には、基点日数算定処理で特定された各ユニットの実施日が表示される。特に、同一の実施単位時間に割り当てられた複数のユニットに対しては、同一の実施日が表示される(図19ではユニットG6とユニットG7)。「入院日目数」には、患者が入院してから各ユニット迄の滞在日数の積算値が表示される。この積算値は、例えば上述の基点日数算定処理において、当該患者の入院日(通常は最初のユニットの実施日)に対して各ユニットの滞在日数を実施順序に応じて積算することで算定される。「CP駆動日目数」は、プロセスチャートを駆動してからの滞在日数の積算値が表示される。この積算値は、例えば上述の基点日数算定処理において、最初のプロセスチャートの駆動日(通常は当該患者の入院日と同じ日となるが、既に入院中の患者に対して新規のプロセスチャートを駆動した場合や、外来の患者に対してプロセスチャートを駆動する場合には、入院日に関係なく設定される)に対して各ユニットの滞在日数を実施順序に応じて積算することで算定される。「ユニット滞在日数」は、各ユニットに実際に滞在している日数であり、各ユニットへの移行日から次順のユニットに移行するまでの日数の積算値が表示される。この積算値は、例えば上述の基点日数算定処理において、各ユニットへの移行日から次順のユニットへの移行日(次順のユニットへの移行が行われていないユニットについては現在日)までの滞在日数を各ユニット毎に求めることで算定される。
【0089】
「通常分岐点」及び「検討分岐点」は、分岐点判定処理にて設定されたものである。これら通常分岐点及び検討分岐点の具体的な表示形式は任意であるが、ここでは、通常分岐点を示す「○」印と、検討分岐点を示す「◎」印が、基準移行経路の各ユニットのうち、他の移行経路へ移行する場合の移行元になり得るユニットに対応付けて表示されている。
【0090】
「基点日数」及び「基点変動日数」は、基点日数算定処理にて算定されたものである。これら基点日数及び基点変動日数の具体的な表示形式は任意であるが、ここでは、基点日数及び基点変動日数が、基準移行経路の各ユニットに対応付けた位置に数値表示される。ただし、図19の表示画面例では、当該患者のプロセスオーガナイザを初めて表示した例を示しており、基点変動日数=0である状態を示しているため、短縮警告日数及び大幅変動警告日数は表示されていないものとする。また、「基点日」を示す「☆」印が、基準移行経路の各ユニットの中で、基点日に対応するユニットに対応付けて表示されている。
【0091】
医療行為表示領域DA6bには、当該ユニットで実施すべき医療行為が表示されている。統合スケジュール表示領域DA6cは、時間軸表示領域DA6aの時間軸上に、医療行為表示領域DA6bの医療行為を表示する領域であり、この例では、当日のユニット(図19ではユニットG2)において実施すべき医療行為が横棒状の表示にて示されている。この表示は、表示項目設定領域DA4による設定内容に対応して切り替わる。
【0092】
このようにプロセスオーガナイザに表示される情報は、プロセスオーガナイザの出力が指示される毎に情報統合表示処理が実行されることで更新される。図20は、更新後のプロセスオーガナイザの表示画面例である。この例では、患者状態に応じたユニットの移行に伴い、基点日が大幅に繰り上がった場合を示しており、短縮警告日数及び大幅変動警告日数が表示されている。この例では、ユニットG1〜G3の基点変動日数が、短縮警告日数かつ大幅変動警告日数であるため、この基点変動日数を点滅や太字で表示することで(図示は省略)、他の基点変動日数から識別可能とする。
【0093】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、プロセスオーガナイザを表示することで、医療計画と医療行為の内容を一元化した状態で医療従事者に提示でき、これらの情報を自らの知識としていない医療従事者であってもその理解を促すことができ、医療計画の運用性を高め、医療の質を向上させることができる。
【0094】
また、プロセスオーガナイザの出力指示が行われる毎に情報統合表示処理を行うことで、常に最新の情報を反映したプロセスオーガナイザが表示されるので、最新の実施状況に応じた実施行為の内容を把握することが可能になる。特に、決定された実施順序に合致する移行経路を基準移行経路として選択するので、プロセスオーガナイザの表示内容が、実際に実施される移行経路に応じた内容に動的に切り替わることになり、医療従事者は、実施状況に応じた実施行為の内容を把握することが可能になる。
【0095】
また、ユニット名には、最頻出移行経路の各ユニットのユニット名が自動的に表示されるので、医療従事者は、最も実施される可能性が高い医療行為の内容を把握することが可能になる。
【0096】
また、同一の実施単位時間に割り当てられた複数のユニットに対しては、同一の実施日が表示されるので、看護師等は自己の勤務形態に合致した実施単位時間によってユニットの実施タイミングを把握でき、医療従事者にとっての運用性が向上する。
【0097】
また、医療従事者は、通常分岐点が表示されているユニットでは、他の移行経路へ所定以上の確率(所定頻度以上の出現頻度)で移行する可能性があることを事前に把握できる。
【0098】
また、医療従事者は、検討分岐点が表示されているユニットでは、他の移行経路へ移行する可能性があり、特に、当該ユニットに至った時点で患者の状態を検討することで、当該ユニット以降の移行経路が始めて選択可能となることを事前に把握できる。
【0099】
また、医療従事者は、基点日数を見ることで、医療計画にとって特に重要な医療行為に対する時間間隔を容易に把握することができ、手術日までの日数に応じた手術準備作業を行う等、準備作業等の精度を一層高めることができる。
【0100】
また、医療従事者は、基点変動日数を見ることで、特に重要な医療行為に対する時間間隔の変動量を容易に把握することができ、手術日までの日数が変動したことに伴う手術準備作業の変更を行う等、準備作業等の精度を一層高めることができる。
【0101】
また、医療従事者は、短縮警告日数を見ることで、特に重要な医療行為に対する時間間隔が短くなった事実を容易に把握することができ、手術日までの日数が短縮されたことに伴う手術準備作業の繰り上げを行う等、準備作業等の精度を一層高めることができる。
【0102】
また、医療従事者は、大幅変動警告日数を見ることで、特に重要な医療行為に対する時間間隔が大幅に変動した事実を容易に把握することができ、手術日までの日数が大幅に短縮又は延長されたことに伴う手術準備作業のやり直しを行う等、準備作業等の精度を一層高めることができる。
【0103】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良できる。以下、このような変形例について説明する。
【0104】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0105】
(構成及び制御について)
また、上記各実施の形態で自動的に行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を手動で行っても良く、逆に、手動で行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を公知技術または上述した思想に基づいて自動化しても良い。また、上記実施の形態において示した各構成要素の各機能ブロックの一部又は全部を、ハードワイヤードロジックにて構成しても良い。
【0106】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、作成サーバ10と管理サーバ20を相互に統合したり、作成サーバ10や管理サーバ20の機能の一部を支援端末40に持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
この発明は、医療分野を含む様々な分野における実施行為の標準化システムに適用できるもので、実施行為に関連する情報を実施対象の状態に応じて動的に変化させて出力する実施計画において、実施者の運用性を向上させることに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施の形態に係る医療計画システムの全体構成を概念的に示す構成図である。
【図2】プロセスチャートの基本構成モデルを示す図である。
【図3】プロセスチャートの具体例を示す図である。
【図4】ユニットシートの表示画面例を示す図である。
【図5】患者情報の構成例を示す図である。
【図6】医師情報の構成例を示す図である。
【図7】疾患情報の構成例を示す図である。
【図8】実施情報の構成例を示す図である。
【図9】出現頻度情報の構成例を示す図である。
【図10】単位時間実施情報の構成例を示す図である。
【図11】各種情報の作成サーバにおける設定処理のフローチャートである。
【図12】管理サーバにおける管理処理のフローチャートである。
【図13】出現頻度情報が反映されたプロセスチャートの表示例を示す図である。
【図14】管理サーバにおける情報統合表示処理のフローチャートである。
【図15】図14の基準移行経路選択処理のフローチャートである。
【図16】図14の分岐点判定処理のフローチャートである。
【図17】図14の基点日数算定処理のフローチャートである。
【図18】図17の単位時間実施区画処理のフローチャートである。
【図19】プロセスオーガナイザの表示画面例図である。
【図20】更新後のプロセスオーガナイザの表示画面例である。
【符号の説明】
【0109】
1 統合支援センター
2 病院
3、4 ネットワーク
10 作成サーバ
11、21 記憶部
12、22 制御部
13、23 ネットワークインターフェース
20 管理サーバ
21a 患者情報DB
21b 医師情報DB
21c 疾患情報DB
21d 実施情報DB
21e 出現頻度情報DB
21f 単位時間実施情報DB
22a 実施設定部
22b 実施管理部
22c 情報統合表示部
30 オーダサーバ
40 支援端末
AR2、AR3 矢印
DA1 全体情報表示領域
DA2 患者情報表示領域
DA3 操作領域
DA4 表示項目設定領域
DA5 表示切替領域
DA6 実施情報表示領域
DA6a 時間軸表示領域
DA6b 医療行為表示領域
DA6c 統合スケジュール表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実施対象に対して実施され得る複数の実施行為の内容を特定するための情報、前記実施対象の状態に応じた前記複数の実施行為の実施順序を特定するための情報、及び前記実施順序を組み合わせて構成される複数通りの移行経路を特定するための情報を格納する実施情報格納手段と、
前記実施対象の状態を特定するための実施対象状態情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段を介して入力が受け付けられた前記実施対象状態情報に基づいて前記実施情報格納手段を参照することにより、前記実施順序を決定する実施順序決定手段と、
前記実施情報格納手段にて格納された情報に基づいて、前記複数通りの移行経路の中から一つの移行経路を基準移行経路として選択し、当該選択した基準移行経路に応じた時間軸に沿って前記実施行為の内容を表示するための表示情報を生成する表示情報生成手段と、
前記実施順序決定手段にて決定された実施順序に応じた前記実施行為の内容と、前記表示情報生成手段にて生成された前記表示情報を、所定の出力先に出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする実施行為支援装置。
【請求項2】
前記表示情報生成手段は、前記実施順序決定手段にて決定された実施順序に合致する移行経路を、前記基準移行経路として選択すること、
を特徴とする請求項1に記載の実施行為支援装置。
【請求項3】
前記複数通りの移行経路の中の少なくとも一つの移行経路の出現頻度を特定するための出現頻度情報を格納する出現頻度情報格納手段を備え、
前記表示情報生成手段は、前記出現頻度情報格納手段にて格納された前記出現頻度情報に基づいて、前記複数通りの移行経路の中から、最も出現頻度の高い移行経路を前記基準移行経路として選択すること、
を特徴とする請求項2に記載の実施行為支援装置。
【請求項4】
前記表示情報生成手段は、前記実施情報格納手段にて格納された情報に基づいて、前記選択した基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点が存在するか否かを判定し、当該分岐点が存在する場合には、当該分岐点の存在を示す分岐点情報が前記時間軸上における当該分岐点の時間的位置に対応させて表示されるように、前記表示情報を生成すること、
を特徴とする請求項3に記載の実施行為支援装置。
【請求項5】
前記表示情報生成手段は、前記出現頻度情報格納手段にて格納された前記出現頻度情報に基づいて、前記選択した基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点であって、所定確率以上の出現頻度の移行経路に分岐する分岐点が存在するか否かを判定し、当該分岐点が存在する場合にのみ、当該分岐点の存在を示す分岐点情報が表示されるように、前記表示情報を生成すること、
を特徴とする請求項4に記載の実施行為支援装置。
【請求項6】
前記表示情報生成手段は、前記出現頻度情報格納手段にて格納された前記出現頻度情報に基づいて、前記選択した基準移行経路から他の移行経路に分岐する分岐点であって、所定確率以下の出現頻度の複数の移行経路又は出現頻度が設定されていない複数の移行経路に分岐する分岐点である分岐検討点が存在するか否かを判定し、当該分岐検討点が存在する場合にのみ、当該分岐検討点の存在を示す分岐検討点情報が前記時間軸上における当該分岐検討点の時間的位置に対応させて表示されるように、前記表示情報を生成すること、
を特徴とする請求項4又は5に記載の実施行為支援装置。
【請求項7】
前記実施情報格納手段には、前記複数の実施行為を実施するために必要な滞在日数を特定するための滞在日数情報と、これら複数の実施行為の中から特定の実施行為である基準実施行為を識別するための基準実施行為識別情報とが格納され、
前記実施情報格納手段にて格納された前記滞在日数情報及び前記基準実施行為識別情報に基づいて、前記実施順序決定手段にて前記実施順序が決定される毎に、当該決定された実施順序に応じた各実施行為の実施日から前記基準実施行為の実施日である基点日に至る滞在日数を計数すると共に、当該計数による滞在日数と当該計数以前の計数による滞在日数との差分である滞在変動日数を算定する日数計数手段を備え、
前記表示情報生成手段は、前記日数計数手段にて算定された滞在変動日数を特定するための滞在変動日数情報が表示されるように、前記表示情報を生成すること、
を特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の実施行為支援装置。
【請求項8】
前記実施情報格納手段には、前記複数の実施行為を実施するために必要な滞在日数を特定するための滞在日数情報が格納され、
前記複数の実施行為の中で、所定の時間長にて区画された実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為を特定するための単位時間実施情報を格納する単位時間実施情報格納手段を備え、
前記表示情報生成手段は、前記単位時間実施情報格納手段にて格納された前記単位時間実施情報に基づいて、前記実施単位時間中で実施されるべき複数の実施行為が、当該実施単位時間の中で実施されるべき一連の行為として表示されるように、前記表示情報を生成すること、
を特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の実施行為支援装置。
【請求項9】
実施対象に対して実施され得る複数の実施行為の内容を特定するための情報、前記実施対象の状態に応じた前記複数の実施行為の実施順序を特定するための情報、及び前記実施順序を組み合わせて構成される複数通りの移行経路を特定するための情報を格納する実施情報格納手段を備えたコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記実施対象の状態を特定するための実施対象状態情報の入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて入力が受け付けられた前記実施対象状態情報に基づいて前記実施情報格納手段を参照することにより、前記実施順序を決定する実施順序決定ステップと、
前記実施情報格納手段にて格納された情報に基づいて、前記複数通りの移行経路の中から一つの移行経路を基準移行経路として選択し、当該選択した基準移行経路に応じた時間軸に沿って前記実施行為の内容を表示するための表示情報を生成する表示情報生成ステップと、
前記実施順序決定ステップにおいて決定された実施順序に応じた前記実施行為の内容と、前記表示情報生成ステップにおいて生成された前記表示情報を、所定の出力先に出力する出力ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする実施行為支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−211126(P2009−211126A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50467(P2008−50467)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(502099201)
【出願人】(504426089)
【出願人】(505411756)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(301018603)株式会社サイバー・ラボ (11)
【出願人】(596100812)京セラコミュニケーションシステム株式会社 (38)
【出願人】(305026161)京セラ丸善システムインテグレーション株式会社 (4)