説明

家庭廃棄物を含む異種生成物の分離方法

家庭廃棄物(HW)に含まれた異種生成物の分離方法であって、生成物は、液体を含んでいる分別容器内で分離されている。廃棄物は、成分を含んでおり、その成分の少なくとも幾つかは、液体中で浮くことができる。成分は、分別容器内の液体フローによって行使される、第1方向(D1)の本質的に水平方向の第1力(P1)と、第1方向(D1)と実質的に異なる第2方向(D2)の本質的に水平方向の第2力(P2)と、に晒される。成分への力(P1、P2)の結合された衝撃が、浮いている成分を拡げ、且つ、それらを少なくとも2つの収集領域へと導く。異なる浮力の生成物は、分かれて、扱われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に移送されたときに浮く、少なくとも幾つかの成分、を含む異種生成物の、分別方法及び分別装置に関する。本方法は、異種生成物を異なるフラクションに分離する能力、特に、浮いているフラクションを1つの分離容器内において少なくとも2つのフラクションに分離する能力、を有している。異種生成物の例は、家庭廃棄物(HW)であり、家庭廃棄物は、異なる特性を備えたかなり多くの成分を含んでいるため、1つの分離容器内において、最大で5−10のフラクションに分離できる。通常、HWの最大のフラクションは、食物残渣、紙、板紙等で構成された、バイオマス廃棄物(BW)であり、HW中のエネルギーの大部分を、含んでいる。フラクションを含んでいる別の重要なエネルギーは、プラスティック及び他の有機ポリマーであり、それらは、本発明の好ましい実施形態により、再生利用のために、選別できる。家庭廃棄物は、家庭及び別の発生源から、定期的に、戸別に収集された、混合廃棄物に、言及している。バイオマス廃棄物(BW)は、HWの生分解性フラクションに、言及している。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の処理は、都市社会のどこにおいても、大きな問題である。廃棄物の処理は、以下のような方法で行われている。
−埋め立て。
−エネルギー回収を備えた又は備えていない、焼却。
−発生源分離に基づく特定の成分の、再生利用。
−BWの、集中たい肥化又は集中バイオガス製造。
【特許文献1】EP1134021A2
【特許文献2】EP0476028B1
【特許文献3】DE3117839A1
【特許文献4】DE0644166A2
【特許文献5】DE0531685A2
【特許文献6】US3817458
【特許文献7】DE4120808A1
【特許文献8】US2003/0141225A1
【特許文献9】US6213306
【特許文献10】US5104047
【特許文献11】EP1216924A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
埋め立てによる不利点は、土地面積を多く必要とすること、メタン及び他の温室効果ガスを排出すること、及び、土壌水又は地下水へ問題ある化合物が浸出すること、である。更に、HWにおいて手一杯となっている、資源の回収の欠如は、将来において、許容できないだろう。これは、EUの埋め立て指令(Counsil Directive 1999/31/EC)に反映されており、それによって、加盟国は、埋め立て地へ向かう生分解性廃棄物を削減するための、国家戦略を打ち立てることを、余儀なくされている。
【0004】
集中たい肥化は、廃棄物の量を削減するが、HWにおける資源の回収が、ほとんどない。
【0005】
焼却もまた、不燃性成分の埋め立てを暗示しているが、必要とされる土地面積は、かなり小さくなる。HWからのエネルギー回収は、実行できるが、最善ではない。大気への排出(ダイオキシン、重金属等)という問題があり、解決するのに、かなり費用がかかる。エネルギー回収を備えた最先端のHW焼却プラントの設立には、投資が必要であり、KW当たりの投資は、熱及び電力の集中混合プラント(CHP)への投資の、4−5倍高い。これを補うために、HW焼却プラントは、通常、HW1トン当たり約50ユーロのチッピングフィーを、受け取っている。
【0006】
発生源分離に基づく再生利用には、多くの種類が存在する。最良の成果が、フラクションを選別することによって、達成される。例えば、ガラスボトル及び新聞等のフラクションは、容易に見分けられ且つ再生利用される。バイオガスへの発酵を目的とした生分解可能なフラクションの選別は、困難であることが知られている。選別の間違いは、バイオガスプラントにおいて、生産上の困難をもたらし、また、幾つかのフラクションで廃棄物を収集するのは、費用がかかる。更に、有害と見なされる物質が、バイオガススラッジ中に残っており、そのことが、適した方法でスラッジを廃棄するのを、困難にしている。
【0007】
バイオガス生成と組み合わされた、家庭廃棄物の発生源分離は、デンマークにおいて、工業規模で確立されており、それは、バイオガスを電気へ変換するために、ガスモーターを使用している。ここまでに明示されたように、エネルギー回収は、電力生産を備えた焼却プラントと同レベル又は低いレベルであり、また、廃棄処理経費は、焼却プラントより3〜5倍高い。
【0008】
分解無しで収集した後の、廃棄物集中自動分離(以下、発生源分離とは対照的に、集中分離と呼ぶ)は、より多くの廃棄物を再生利用でき、同時に、BWフラクションのエネルギーを、BWでないフラクションが取り除かれたときに、より効率的に利用できることを、意味している。プラスティックは、通常、燃料としてよりも材料として、より高い価値を有しているため、集中分離方法が、有機フラクションを合成高分子とBWとに分離できることは、重要である。
【0009】
多くの異なる成分を含む、HWのような生成物の、分離方法は、通常、幾つかのステップで実施されるが、それは、一つの選別ステップが、通常は、十分な純度を備えた必要とされる数のフラクションを、作り出さないためである。どの分離ステップも、多大な追加費用を意味しており、それ故、分離プロセスの早期に1つのステップで多くのフラクションを供給する分離方法は、有利となる。分離されたフラクションにとって高値を実現するためには、フラクションが可能な限りクリーンであること、及び、有害な物質が、分離されており且つ他のフラクション中に広がっていないこと、が望まれる。
【0010】
ほとんどの分離方法は、第1選別ステップの前に、破砕ステップを有している。本発明の方法の好ましい実施形態のように、少数の方法は、破砕ステップから始めないが、布袋及び紙袋を開く手段を、適用している。
【0011】
ほとんどの分離方法は、乾燥しているが、本発明の方法の好ましい実施形態のように、少数の方法は、分離媒体として、水を、使用している。
【0012】
EP1134021A2に記載されているような、公知の湿式分離装置の幾つかは、改良された遠心分離器を含んでいる。
【0013】
異種生成物を、液体フロー中に移送して、沈んだり溶解したり浮いたりするフラクションに、分離することは、知られている。
【0014】
この原理を利用する方法は、2つの組に分けることができる。一方の組では、異種生成物は、分離前に、粉砕され、パルプ化され、又は、別の方法で分解され、他方の組では、生成物は、紙袋及び布袋から、単に放出される。
【0015】
第1組の実施例は、EP0476028B1、DE3117839A1、DE0644166A2、DE0531685A2、US3817458、DE4120808A1、US2003/0141225A1、に開示されている。分離前の分解を利用する全ての方法は、以下の共通する問題を、有している。
−分解は、成分を破壊する。成分は、例えば標準的なワインボトル等をクリーンにした後に、再生利用されることができたはずである。
−分解は、例えば異なるプラスティックタイプにおいて、色付のガラスからの白色ガラスの更なる分離を、複雑にする。
−分解は、例えばプラスティックとバイオマスとに、後で分離されなくてはならない成分を、混合し且つ一体化する。
−分解は、例えば重金属等の問題ある物質を、電池から、生成物の残存部分内へ、広げる。
−パルプ化形式での分解は、高い粘性をもたらすものであり、高い粘性は、BWからのプラスティックのような成分の分離を、複雑にする。
【0016】
第2組の実施例は、US6213306に開示されている。US621306は、分解していない生成物が、重い成分を選択するために、液体フロー中に放出される、というプロセスを、記載している。廃物は、その後、以下の浮沈ユニットにおける、更なる湿式分離の前に、分解される。US5104047には、重い成分が初めに選択され、続いて、ハンマーミルで、浮いているフラクションが分解されることが、記載されている。遠心分離器は、再生利用される液体から、粉砕固形廃棄物を、分離する。EP1216924A2は、かなり効果的なバッグスプリッタについて記載しており、バッグスプリッタには、2つのフラクションを作り出す湿式分離器が追随できる。
【0017】
どの方法も、3つ以上のフラクションに分離することができず、1つの分離容器内において、浮いているフラクションを、分離しない。
【0018】
既知の、どの湿式集中分離方法も、分離されていないHWの焼却とは、競うことができなかった。理由の1つは、湿式集中分離方法が、1つの分離容器で、最大3つのフラクションに分離することしかできないことであり、それは、水処理用の追加費用を正当化するための十分な付加価値を、提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
最も広い態様において、本発明は、家庭廃棄物(HW)に含まれた異種生成物の分離方法を提供しており、その分離方法において、生成物は、液体を含む分別容器内で分離され、廃棄物は、成分を含んでおり、その成分の少なくとも幾つかは、液体中で浮くことができる。その方法においては、成分は、分別容器中の液体フローによって行使される、第1方向(D1)の本質的に水平方向の第1力(P1)と、第1方向(D1)とは実質的に異なる第2方向(D2)の本質的に水平方向の第2力(P2)と、に晒され、また、成分への力(P1、P2)の結合された衝撃が、浮いている成分を拡げて、それらを少なくとも2つの収集領域へと導く。
【0020】
本発明の方法の好ましい実施形態は、新しいタイプの湿式分離を提供しており、その湿式分離は、一つの分離容器から、多数の、典型的には6−10個であるが通常は少なくとも3個の、フラクションを、生成するために、液体フロー中の、種々の成分の挙動における差違を、利用する。フラクションは、再生利用度の高い成分及び材料を提供するために、既知の手段によって、実質的に、更に分離できる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態の目的は、HW等の異種生成物のための、集中自動分離方法を、作り出すことである。その分離方法は、以下の1〜5を提供する。
1.生成物の成分及び商況に従って分離プロセスを調整する、可能性。
2.少なくとも2つのフラクションに分離され、その内の、1つは液体であり、少なくとも1つは固体である、バイオマス廃棄物(BW)の、効率的な回収。それは、液体及び固体の両フラクションを用いることによって、又は、粉砕し機械的脱水し乾燥をした後の固体フラクションを固形バイオ燃料として用いることによって、エタノール発酵原料等のBWフラクションの付加価値利用にとって、かなりの好機を、提供する。固形バイオ燃料は、混合廃棄物の焼却によって知られている、空気への放出に関連する問題を持たないで、焼却できる。これは、混合廃棄物の焼却と比較して、焼却の費用を削減し、且つ、エネルギー効率を高める。液体及び固体のフラクションにおけるBWの分離は、塩を固形バイオ燃料から取り去ることができる、という重要性を有している。塩は、高温及び高電気効率での焼却によって、問題を引き起こしている。
3.BWでない成分の効果的な回収。それは、少なくとも2個の浮いているフラクションと1個の沈んでいるフラクションとに分離する能力、典型的には、3〜6個の浮いているフラクションと1〜3個の沈んでいるフラクションとに分離する能力、を備えている。
4.BWでないフラクションの経済的再生利用のためのかなりの好機。それは、より明確な仕様書を備えた再生利用可能な成分及び材料への、更なる分離によるものである。
5.混合HWの焼却と競うことができる、経済全般。
【0022】
本発明の方法の好ましい実施形態は、次の事実により恩恵を受ける。すなわち、HWのような分解されなかった異種生成物が液体中に放り込まれたとき、生成物が液体よりも高い比重を有する材料からなっていたとしても、空気が、多くの成分中に捕捉され、それらを、浮かせることができる。液体中での短時間の後、成分は、表面に対して、特有の位置で浮いており、そのことは、本発明の方法において、有効に使われている。
【0023】
家庭廃棄物に含まれている成分は、液体中で第1浮力を有する第1成分と、液体中で第2浮力を有する第2成分と、を含んでいてもよく、第1浮力は、第2浮力とは異なっており、それによって、異なる浮力の生成物は、異なって扱われ、すなわち、異なる力に影響される。
【0024】
例えば、成分は、傷のない成分を実質的に含んでいてもよく、成分は、以下の少なくとも幾つかのフラクションに、分類できる。
F0:ガラス磁器、電池、台所用品等の、浮くことができないほど重い、成分。
F1:例えば、砂糖、塩、ティッシュペーパー、食物残渣等の、溶解可能な又は分散可能な、成分。
F2:例えば、プラスティックホイル、新聞等の、流れる液体の表面下であるが表面近くにおいて、その大部分が浮くことができる、成分。
F3:例えば、ガラスボトル、靴等の、流れる液体の表面下において、その大部分が浮くことができ、且つ、F2及びF4よりも、表面下のより深くに到達する、成分。
F4:例えば、蓋付ガラスジャー、別の廃棄物に満たされたダンボール箱等の、流れる液体の、表面上方においてその実質的な部分が、及び、表面下方においてその実質的な部分が、浮くことができる、成分。
F5:例えば、空のプラスティックボトル、ビール缶等の、表面上方において、その大部分が浮くことができる、成分。
多くの成分は、上述したものの間の浮く特性を、有している。それらは、F1−F2、F2−F3等と、呼ばれる。
【0025】
成分(F1−F5)の浮く特性の変化は、成分を広げることを可能にし、それ故、全ての浮いている成分が1つのフラクションとして収集される既知の方法とは対照的に、幾つかのフラクションを取り出すことを、可能にする。
【0026】
浮いている成分の広がりは、分別容器中の液体フローによって行使される、方向D1を有する力P1を、液体上方でD1とは異なる方向D2の力P2と、結合させることによって、行われる。
【0027】
F1−F5成分は、異なる程度で、力P1、P2から影響を受けており、それは、F1への衝撃を有しないP2から、F5への支配的衝撃まで、変動し、一方では、P1は、F1の動きを支配しており、F5にはほとんど影響を有していない。
【0028】
重力及び浮力の垂直方向の力と共に、水平方向の力P1、P2は、3次元システムを形成しており、そのシステムは、より大きい広がりを与え、それ故、既知の湿式分離方法による1つの分離段階から可能なフラクションよりも、より多くのフラクションを取り出す可能性も与えている。既知の湿式分離方法のほとんどは、成分を2次元で広げるだけである。
【0029】
第1力及び第2力(P1、P2)は、液体中で浮くことができる成分、すなわち、液体中で浮力がある成分、に作用することが、期待される。
【0030】
一実施形態では、家庭廃棄物の成分は、本質的に水平方向の第1力及び第2力(P1、P2)に、同時に晒される。それ故、有効なシステム及び方法が、提供され、それにおいては、例えば異なる浮力の生成物が、例えば液体中の異なる高さで、同時に、扱われる。
【0031】
第2力(P2)は、液体の表面上方において、加えられる。P2は、例えば、空気フロー及び/又は水ジェットによって、及び/又は、機械的手段によって、提供される。
【0032】
成分の広がりを増加させるために、F1−F5成分は、1つの又は異なる深さにおいて作用している、方向D3を有する表面下方の、力P3に、晒されてもよい。D3は、D1及びD2とは、異なっている。P3は、例えば、機械的手段によって提供できる。
【0033】
幾つかの成分、特に、ガラスボトル等のF3成分は、一定時間が経過するまで、高く且つ水平方向に、浮いており、その後、成分中へ流れる液体は、成分を、垂直位置で且つより深い浮きに変えさせる。この挙動は、そのような成分を、浮く特性を変えること無く、成分から分離するのに、有効に利用できる。
【0034】
本発明の分離方法の好ましい実施形態は、1つ以上の上記フラクションが、フラクションを更に分離する方法で、液体から取り出されることを、意味している。一実施例では、往復式のとげ針を備えた収集装置によって、紙及び食物残渣から、プラスティックホイル及び繊維を分離している。針は、下方向動作でフラクションF2の成分を貫通し、上方向動作でプラスティックホイル及び繊維を回収する。プラスティックホイル及び繊維は、それらが頂部位置にあるとき、とげ針から取り外される。
【0035】
フラクションは、分離容器を出たとき、更に分離できる。一実施例では、F1及びF2が、バイオマスフラクションを塩化アルカリが少ない固形フラクションと液体フラクションとに分離する、連続した熱水加圧処理へ、移送される。
【0036】
F0−F5の向上した広がりは、方向D2を有するエアーフロー及び水ジェットに、落下生成物を晒すことによって、到達できる。方向D2のエアーフローによってF5成分は最も遠くに運ばれ、F4成分はそれより少し近くに運ばれるが、F0−F3のほとんどは、エアーフロー又は水ジェットの影響をほとんど受けない。
【0037】
生成物が液体フローへ移送される前又は後に、生成物が湿らされることは、有利となり得る。
【0038】
経済的に実行可能な方法で、成分及び材料を再生利用するためには、低費用で、高い純度の多数のフラクションをつくることが、望ましい。例えば、1又は2つのタイプのプラスティックのみを有するプラスティックフラクションは、全タイプのプラスティックを備えたプラスティックフラクションより、かなり高い価値を有するはずである。本発明の方法の実施形態は、とても低い追加費用で、より小さいボトルから、大きいプラスティックボトル及び容器を、選別することができる(プラスティックバッグは、自動的に別のフラクションとなる)。なお、大きいプラスティックボトル及び容器は、主に、色なしの半透明プラスティックで作られており、より小さいボトルは、典型的には、色付のプラスティックから作られている。たとえ、大きなプラスティックボトルを有するフラクションが、分離容器を出るときに100%クリーンではなくても、プラスティックボトルがその大きさによって分離されなかった場合よりも、高値を実現するのに十分な純度を備えたフラクションをつくるのは、より容易に且つ安価になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の好ましい実施形態を、以下の図面を参照しながら、ここに説明する。
【0040】
図1において、異種生成物又はその幾つかが、紙袋又は布袋に含まれている場合は、成分への本質的な損傷無しに、好ましくは、放出される(1)。その後、生成物の均一な流れが、コンベア(2)上に作られる。異種生成物は、液体フローが存在する分離容器(3)内へ、落下する。生成物は、供給領域(4)に着地し、そこでは、全成分が、方向D1の液体フローによって作られた力P1に、晒される。
【0041】
浮力よりも重力によって、より影響を受ける成分(F0)は、供給領域(4)の下の又はその近くの、収集領域へ、直接沈み、そこで、フラクションF0は、既知の方法によって、取り去られる。
【0042】
幾つかの成分(F3−F5)は、表面上方に、成分の一部分が、浮いている。成分のこの部分は、方向D2の力P2によって、影響を受ける。
【0043】
図1において、P2は、エアーフロー又は液体ジェットによって、供給されている。
【0044】
図2において、方向D1のP1と方向D2のP2との同時供給は、F1−F5成分を、分離容器(3)の2つの縁に沿って、広げる。
【0045】
図3において、方向D1、D2に作用している力P1、P2は、図1のものと同じである。方向D3を有する水面下の力P3は、D2の反対方向を有しており、D3は、分離容器(3)の更にもう1つの縁に沿って、成分を広げる。
【0046】
図4において、異種生成物は、分離容器(3)内に移送され、前記記載のP1及びP2によって、影響を受ける。方向D1を有するP1を供給する液体フローは、再生利用ポンプ(5)を用いて液体を循環させることによって、供給されており、ポンプ(5)は、生成物投入部(4)近くの分離容器内へ、液体を取り入れている。示された実施形態では、F1及びF2は、スクリューストレイナー(6)を通って、液体と共に取り去られ、スクリューストレイナー(6)は、F2から、F1と液体とを、分離する。液体及びF1の幾らかは、F2について行く。このようにして、システムを出る液体及びF1の量が、液体の高すぎる粘性を回避するのに十分ではない場合、F1の流出(7)は、再生利用ポンプ(5)の下流に、取り去ることができる。分離容器内で、同じ水位の液体を維持するために、液体が加えられる(8)。
【0047】
方向D2を有するP2は、本発明の実施形態においては、垂直方向フラップ(11)を備えたコンベア(9、10)によって、提供される。コンベアは、表面より上方で、異なる高さを有しており、最も高いコンベア(9)は、供給領域に最も近い。このコンベアは、F5成分を主に取り去る。低いコンベア(10)は、F4成分を主に取り去る。2つ以上のコンベアが、存在してもよい。
【0048】
傾いたベルトコンベア(12)は、表面下の異なる深さにおいて、浮いている成分(F3−F4)に接触しており、D3方向の力P3を提供する。
ベルトコンベア(12)は、最も深くに、且つ、供給領域(4)の最も近くに、位置している。
【0049】
図5において、方向D2のP2によって取り去られた成分は、コンベア(9、10)のフラップ(11)によって、傾いたエッジ(13)の向こう側に押されて、コンテナ(14)内へ、又は、それらを更なる分離へ移動させるコンベアへ、移送されている。
方向D3のP3によって取り去られた成分は、傾いたベルトコンベア(12)から、エレベイションコンベア(15)内に落下し、エレベイションコンベア(15)は、それらを、分離容器(3)の外へ持ち上げて、コンテナ(14)内へ、又は、それらを更なる分離へ移動させるコンベアへ、移送する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の原理の平面図を示している。
【図2】フラクションが図1に示した原理によって広がる様子を示している。
【図3】本発明の好ましい実施形態による、方向D1−D3を示している。
【図4】図3の実施形態の長手方向断面を示している。
【図5】図3及び図4と同じ実施形態の横方向断面を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭廃棄物(HW)に含まれた異種生成物の分離方法であって、
生成物は、液体を含んでいる分別容器内で分離され、
廃棄物は、成分を含んでおり、その成分の少なくとも幾つかは、液体中で浮くことができ、
上記成分が、分別容器内の液体フローによって行使される、第1方向(D1)の本質的に水平方向の第1力(P1)と、第1方向(D1)とは実質的に異なる第2方向(D2)の本質的に水平方向の第2力(P2)と、に晒され、
成分への力(P1、P2)の結合された衝撃が、浮いている成分を拡げ、且つ、それらを少なくとも2つの収集領域へと導くことを特徴とする分離方法。
【請求項2】
上記異種生成物は、少なくとも幾つかの、以下のフラクションを含んでいる、請求項1記載の分離方法。
F0:ガラス磁器、電池、台所用品等の、浮くことができないほど重い、成分。
F1:例えば、砂糖、塩、ティッシュペーパー、食物残渣等の、溶解可能な又は分散可能な、成分。
F2:例えば、プラスティックホイル、新聞等の、流れる液体の表面下であるが表面近くにおいて、その大部分が浮くことができる、成分。
F3:例えば、ガラスボトル、靴等の、流れる液体の表面下において、その大部分が浮くことができ、且つ、F2及びF4よりも、表面下のより深くに到達する、成分。
F4:例えば、蓋付ガラスジャー、別の廃棄物に満たされたダンボール箱等の、流れる液体の、表面上方においてその実質的な部分が、及び、表面下方においてその実質的な部分が、浮くことができる、成分。
F5:例えば、空のプラスティックボトル、ビール缶等の、表面上方において、その大部分が浮くことができる、成分。
【請求項3】
第1力及び第2力(P1、P2)が、液体中で浮くことができるそれらの成分に作用する、請求項1又は2に記載の分離方法。
【請求項4】
上記成分が、本質的に水平方向の力(P1、P2)に、同時に晒される、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項5】
第2力(P2)が、液体の表面上方において加えられる、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項6】
上記成分が、液体中で第1浮力を有している第1成分と、液体中で第2浮力を有している第2成分と、を含んでおり、
第1浮力は、第2浮力と異なっている、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項7】
第2力(P2)が、機械的手段によって、及び/又は、1つ以上の水ジェットによって、及び/又は、空気フローによって、行使される、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項8】
F4成分及びF5成分が、液体の表面上方の異なる高さにおいて加えられた力(P2)によって、液体の表面上方で影響を受ける、請求項2記載の分離方法。
【請求項9】
F3成分及びF4成分が、第3方向(D3)の第3力(P3)によって、表面下方の1つ以上の深さで影響を受け、
第3力(P3)が、それらの成分を、液体フローに沿って1つ以上の収集領域に導いており、
F3成分の収集領域は、F4成分の収集領域よりも、成分が分別容器内に送り込まれる、供給領域の近くに、位置している、請求項2記載の分離方法。
【請求項10】
上記力によって収集領域へ導かれた1つ以上のフラクションは、収集装置によって、更に分離される、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項11】
プラスティックホイル及び繊維が、往復式のとげ針を備えた収集装置によって、紙及び食物残渣から、分離され、
針は、下方向動作でフラクションF2の成分を貫通し、上方向動作でプラスティックホイル及び繊維を回収する、請求項2及び請求項10に記載の分離方法。
【請求項12】
一つ以上の分離されたフラクションが、その後に、更に分離される、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項13】
バイオマスフラクションを、塩化アルカリが少ない固形フラクションと、液体フラクションと、に分離する、連続した熱水加圧処理へ、F1成分及びF2成分のフラクションが、移送される、請求項2〜12の何れかに記載の分離方法。
【請求項14】
成分を容器内へ送り込むための、供給システムが、容器上に配置された投与装置を備えており、それによって、成分は、投与装置から、液体の表面に落下し、
成分は、落下中に、第2方向(D2)の、エアーフロー又は水ジェットに、晒される、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項15】
液体の幾らかは、フラクションF0−F5と共に回収され、
残りの液体は、再生利用され、すなわち、容器の液体出口から、容器の液体入口内へ戻るように、搬送される、上記請求項の何れかに記載の分離方法。
【請求項16】
家庭廃棄物(HW)を含んでいる異種生成物の分離装置であって、
生成物を分離するための分別容器を具備しており、その容器は、液体を含んでおり、
廃棄物は、成分を含んでおり、その成分の少なくとも幾つかは、液体中で浮くことができ、
上記浮いている成分を、分別容器中の液体フローによって行使される、第1方向(D1)の本質的に水平方向の第1力(P1)と、第1方向(D1)とは実質的に異なる第2方向(D2)の本質的に水平方向の第2力(P2)と、に晒すための手段を具備しており、
浮いている成分が力(P1、P2)の結合された衝撃下において導かれる、少なくとも2つの収集領域、を具備していることを特徴とする、分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−528261(P2008−528261A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552504(P2007−552504)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000050
【国際公開番号】WO2006/079347
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507257954)
【氏名又は名称原語表記】Holm Christensen Biosystemer ApS
【Fターム(参考)】