説明

家庭用永久磁石磁気治療器

【課題】使用時に装着感を損なうことがなく、かつ、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低い家庭用永久磁石磁気治療器を提供する。
【解決手段】絆創膏500により使用者の皮膚H表面に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器100であって、柱状の内部空間Sを有する永久磁石部収納部50を有し、厚さが0.5mm〜2.2mmの範囲内にある保護ケース20部と、永久磁石部収納部50に収納され、厚さが0.3mm〜1.2mmの範囲内にある柱状のネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなる永久磁石部10とを備え、永久磁石部10は、内部空間S内において、「保護ケース部20の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部50に収納されている家庭用永久磁石磁気治療器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用永久磁石磁気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気治療効果を目的として、絆創膏、パッチ、シール等(以下、これらの部材を貼り付け部材ということもある。)により使用者の皮膚表面に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図9は、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900を説明するために示す断面図である。なお、図9において符号Hで示すのは使用者の皮膚であり、他の図においても同様とする。
従来の家庭用永久磁石磁気治療器900は、絆創膏910により使用者の皮膚H表面に貼り付けて用いる円盤状の家庭用永久磁石磁気治療器であり、厚さ2.5mm、直径5mmのフェライト磁石からなる。なお、図9において、符号912は絆創膏910の基材を示し、符号914は上部剥離紙を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−296455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900においては、家庭用永久磁石磁気治療器900が磁力の弱いフェライト磁石からなるため、家庭用永久磁石磁気治療器として必要な磁力を確保するためにある程度の厚さが必要となり、その結果、使用時に装着感が損なわれるという問題がある。
また、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900においては、使用者に皮膚等の異常(例えば、金属アレルギー等)を発生させる可能性が高い金属成分が含まれているフェライト磁石が、使用者の皮膚表面に直接接触することとなるため、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が高いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の各問題を解決するためになされたもので、使用時に装着感を損なうことがなく、かつ、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低い家庭用永久磁石磁気治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器は、 貼り付け部材により使用者の皮膚表面に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器であって、柱状の内部空間を有する永久磁石部収納部を有し、厚さが0.5mm〜2.2mmの範囲内にある保護ケース部と、前記永久磁石部収納部に収納され、厚さが0.3mm〜1.2mmの範囲内にある柱状のネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなる永久磁石部とを備え、前記保護ケース部の厚さ方向に沿った前記永久磁石部の長さは、前記保護ケース部の厚さ方向に沿った前記内部空間の長さよりも、0.05mm以上短く、前記永久磁石部は、前記内部空間内において、「前記保護ケース部の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、前記永久磁石部収納部に収納されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の家庭用永久磁石磁気治療器によれば、保護ケース部の厚さが0.5mm〜2.2mmの範囲内にあるため、従来の家庭用永久磁石磁気治療器よりも薄くなり、使用時に装着感を損なうことがない。なお、保護ケース部の厚さを0.5mm〜2.2mmの範囲内にするのに伴って、永久磁石部の厚さも0.3mm〜1.2mmと薄くなっているが、永久磁石部が磁力の強いネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなるため、十分な磁気治療効果を得ることができる。
また、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器によれば、永久磁石部が保護ケース部の内部の永久磁石部収納部に収納されているため、使用時に永久磁石部が使用者の皮膚表面に直接接触することがなくなり、保護ケース部の表面を人体に対する反応性の低い材料で構成することにより、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性を少なくすることが可能となる。
その結果、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器は、使用時に装着感を損なうことがなく、かつ、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低い家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0009】
また、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器によれば、厚さを0.3mm〜1.2mmの範囲内にすることにより強度が損なわれることがある永久磁石部を保護ケース部により保護し、十分な強度を有する家庭用永久磁石磁気治療器とすることが可能となる。
【0010】
ところで、柱状の永久磁石を備える一般的な家庭用永久磁石磁気治療器においては、永久磁石のエッジ部分においてよりも中央部分において弱い磁力しか得られないため、人体における永久磁石中央部分に対向する部分においては常に弱い磁気治療効果しか得られないこととなる。これに対して、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器によれば、「保護ケース部の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部が永久磁石部収納部に収納されているため、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部が動き、その結果、永久磁石が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能となる。また、人体から永久磁石部までの距離は変動しないため、常に所定の磁気治療効果を得ることが可能となる。また、使用者の動きに応じた永久磁石部の動きは通常不規則なものであるため、人体に作用する磁力も不規則に変化するようになり、その結果より一層効果的な磁気治療効果(例えばより一層の血行促進効果)を得ることが可能となる。
【0011】
なお、保護ケース部の厚さは、使用時に装着感を損なわないようにするという観点からは1.5mm以下であることがより好ましい。また、保護ケース部の厚さは、強度を確保するという観点からは0.8mm以上であることがより好ましい。
【0012】
また、永久磁石部の厚さは、保護ケース部への収納性という観点からは1mm以下であることがより好ましい。また、永久磁石部の厚さは、十分な磁力を確保するという観点からは0.4mm以上であることがより好ましい。
【0013】
また、保護ケース部の厚さ方向に沿った前記永久磁石部の長さは、永久磁石収納部内において永久磁石部をよりスムーズに移動可能とするため、保護ケース部の厚さ方向に沿った内部空間の長さよりも、0.05mm以上短いことがより好ましい。また、保護ケース部の厚さ方向に沿った内部空間の長さは、0.35mm〜1.5mmの範囲内にあることが好ましい。
【0014】
本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、永久磁石部の表面には、防錆層が形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、永久磁石部の耐食性を向上させることが可能となる。防錆層とは、永久磁石部の腐食を防ぐ効果がある層のことをいう。防錆層としては、ニッケルからなる防錆層、種々の樹脂からなる防錆層、貴金属からなる防錆層等を用いることができる。
【0015】
[2]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記家庭用永久磁石磁気治療器の軸方向に沿って見たとき、前記永久磁石部収納部の面積は、前記永久磁石部の面積の1.2倍以上であることが好ましい。
【0016】
このような構成とすることにより、永久磁石部が内部空間内においてダイナミックに移動するようになるため、さらに大きな磁気治療効果が得られる。
【0017】
このような観点から言えば、前記永久磁石部収納部の面積は、前記永久磁石部の面積の1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。
【0018】
[3]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記家庭用永久磁石磁気治療器は、円柱形状を有し、前記内部空間は、円柱形状を有し、前記永久磁石部は、円柱形状を有し、前記内部空間の直径は、3.0mm〜15.0mmの範囲内にあり、前記永久磁石部の外径は、1.0mm〜13.7mmの範囲内にあることが好ましい。
【0019】
このような構成とすることにより、家庭用永久磁石磁気治療器の軸方向に沿って見たとき、永久磁石部収納部の面積を前記永久磁石部の面積よりも十分に大きくすることができる。
【0020】
[4]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記永久磁石部は、厚さ方向に異方性を有することが好ましい。
【0021】
このような構成とすることにより、強力な磁力を有する永久磁石部10となる。
【0022】
[5]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記保護ケース部は、使用時に使用者の皮膚表面側に位置することとなる第1ケース部材と、使用時に使用者の皮膚表面側とは反対側に位置することとなる第2ケース部材とを有し、前記永久磁石部収納部は、前記第1ケース部材の内面と前記第2ケース部材の内面とにより形成されていることが好ましい。
【0023】
このような構成とすることにより、永久磁石部収納部に永久磁石部を収納することが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。
また、第1ケース部材の内面と第2ケース部材の内面とが形成する永久磁石部収納部に永久磁石部を収納する構造を有するため、永久磁石部の腐食の原因となりやすい外気、汗等から永久磁石部を保護することが可能となる。
【0024】
[6]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材はともに、非磁性金属材料からなることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることにより、保護ケース部が金属材料(非磁性金属材料)であることから、剛性が高い保護ケース部とすることが可能となる。
なお、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、保護ケース部が非磁性金属材料であることから、内部空間内での永久磁石部の動きが抑制されることもない。また、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、使用時に使用者の皮膚表面側に位置することとなる第1ケース部材が非磁性金属材料からなるものであるため、磁気治療効果が損なわれることもない。
【0026】
非磁性金属材料とは、磁性を有さない金属材料をいう。非磁性金属材料の具体例としては、銅、銅合金、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、亜鉛、亜鉛合金、非磁性鋼、貴金属及び貴金属を主成分とする合金を挙げることができる。
使用時に使用者の皮膚表面側に位置することとなる第1ケース部材が、チタン、チタン合金、一部の非磁性鋼(特に、オーステナイト系ステンレス鋼)、貴金属又は貴金属を主成分とする合金からなる場合には、当該非磁性金属材料は人体に対する反応性が極めて低いため、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が極めて低い家庭用永久磁石磁気治療器とすることができる。
第1ケース部材が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる場合には、陽極酸化処理や化成処理を施すことにより、人体に対する反応性を極めて低くすることができるため、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が極めて低い家庭用永久磁石磁気治療器とすることができる。
第1ケース部材が、銅、銅合金、亜鉛、亜鉛合金及び多くの非磁性鋼(特に、高マンガン鋼及び高ニッケル鋼)からなる場合には、第1ケース部材の外面に、人体に対する反応性が極めて低い材料からなる層を形成することにより、人体に対する反応性を極めて低くすることができるため、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が極めて低い家庭用永久磁石磁気治療器とすることができる。
【0027】
銅合金とは、銅を主成分とし、亜鉛、ニッケル、錫等その他の成分を含有する合金をいう。具体例としては、真鍮、洋白及び青銅を挙げることができる。
また、チタン合金とは、チタンを主成分とし、アルミニウム、バナジウム、ニオブ、銀、モリブデン等その他の成分を含有する合金をいう。具体例としては、60種及び61種のチタン合金を挙げることができる。
また、アルミニウム合金とは、アルミニウムを主成分とし、亜鉛、マグネシウム、銅その他の成分を含有する合金をいう。具体例としては、ジュラルミン、3000系アルミニウム合金及び4000系アルミニウム合金を挙げることができる。
また、マグネシウム合金とは、マグネシウムを主成分とし、アルミニウム、亜鉛、カルシウムその他の成分を含有する合金をいう。具体例としては、AZ31系合金、AZ91系合金及びZK51A合金を挙げることができる。
また、亜鉛合金とは、亜鉛を主成分とし、アルミニウム、銅、マグネシウムその他の成分を含有する合金をいう。具体例としては、ZDC1合金及びZDC2合金を挙げることができる。
また、非磁性鋼とは、一般に鋼と呼ばれるもののうち磁性を有しないものをいう。具体例としては、オーステナイト系ステンレス鋼、オーステナイト系耐熱鋼、高マンガン鋼及び高ニッケル鋼を挙げることができる。
また、貴金属とは、金、銀及び白金族金属の総称をいう。第1ケース部材の材料としては、金、銀、白金、パラジウムが特に適する。貴金属を主成分とする合金とは、前記した貴金属を主成分とする種々の合金をいう。
【0028】
[7]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記第1ケース部材の外面及び前記第2ケース部材の外面にはともに、金、白金、ロジウム又はパラジウムを主成分とする保護コーティング層が形成されていることが好ましい。
【0029】
金、白金、ロジウム又はパラジウムは、非磁性金属であり、また、反応性が極めて低い金属であるため、上記のような構成とすることにより、磁気治療効果を損なうことなく使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性を極めて低くすることができる。また、外気、汗等から第1ケース部材及び第2ケース部材をともに保護し、耐食性を高めることが可能となる。
また、金、白金、ロジウム又はパラジウムが質感に優れる貴金属であることから、高級感のある家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0030】
保護コーティング層の厚さは、その効果を確保するという観点からは0.03μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。また、当該厚さは、剥がれにくさを確保するという観点からは3μm以下であることが好ましい。
【0031】
[8]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、第1ケース部材及び第2ケース部材と、保護コーティング層との間には、ニッケル、パラジウム又はニッケル−パラジウム合金からなる下地めっき層が形成されていることが好ましい。
【0032】
このような構成とすることにより、保護コーティング層の密着性、緻密性、めっき付き回り性及び安定性を向上させ、保護コーティング層の耐食性をさらに向上させることが可能となる。下地めっき層の厚さは、その効果を確保するという観点からは0.05μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、剥がれにくさを確保するという観点からは3μm以下であることが好ましい。
【0033】
[9]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記第1ケース部材の内面及び前記第2ケース部材の内面にも、金、白金、ロジウム又はパラジウムを主成分とする保護コーティング層が形成され、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材と、前記保護コーティング層との間には、前記下地めっき層として、同種の材料からなる下地めっき層が略同一厚さで形成されていることが好ましい。
【0034】
ところで、上記したように、第1ケース部材の内面及び第2ケース部材の内面にも保護コーティング層が形成され、さらには第1ケース部材及び第2ケース部材と、保護コーティング層との間にニッケル又はニッケル−パラジウム合金からなる下地めっき層が形成されている場合には、下地めっき層の材料が、磁性を帯びる性質の材料であることから、保護ケース部における内部空間内で永久磁石部の動きが妨げられるのではないかとも考えられる。しかしながら、本発明の発明者の実験によれば、下地めっき層として、同種の材料(ニッケル又はニッケル−パラジウム合金)からなる下地めっき層を略同一厚さで形成した場合には、当該下地めっき層を形成することに起因して保護ケース部における内部空間内で永久磁石部の動きが妨げられる、ということがないことが確認されている(後述する実施形態5参照。)。その理由はまだ明らかには分かっていないが、第1ケース部材の下地めっき層と第2ケース部材の下地めっき層と永久磁石とが共同してバランスよく磁気回路を構成するためであると推測される。
【0035】
なお、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器において、第1ケース部材の外面及び第2ケース部材の外面とは、保護ケース部として用いるときに外部に露出する面をいう。また、第1ケース部材の内面及び第2ケース部材の内面とは、保護ケース部として用いるときに、永久磁石部と向かい合う面をいう。
【0036】
[10]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記保護コーティング層は、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを含有することが好ましい。
【0037】
このような構成とすることにより、磁気治療効果に加えて、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンが有する効果(例えば、新陳代謝の活性化、血流促進、温熱効果等)を得ることができる。
【0038】
[11]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記家庭用永久磁石磁気治療器の表面には、含侵、ディッピング、吹き付け塗装、電着塗装又は焼き付け塗装による封孔処理が施されていることが好ましい。
【0039】
このような構成とすることにより、保護ケース部の表面等に存在することがある微細な孔やクラックを樹脂によって塞ぎ、より安全性が高く、また、より耐食性が高い家庭用永久磁石磁気治療器とすることが可能となる。封孔処理に用いる樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0040】
[12]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材はともに、樹脂からなることが好ましい。
【0041】
樹脂は人体との反応性が極めて低い材料であるため、上記のような構成とすることにより、磁気治療効果を損なうことなく使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性を極めて低くすることができる。
また、樹脂は成型及び加工が比較的容易であるため、製造が比較的容易な保護ケース部とすることが可能となる。
なお、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、保護ケース部が非磁性材料である樹脂からなることから、内部空間内での永久磁石部の動きが抑制されることもない。
【0042】
[13]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記保護ケース部は、樹脂中にゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを含有することが好ましい。
【0043】
このような構成とすることにより、磁気治療効果に加えて、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンが有する効果(例えば、新陳代謝の活性化、血流促進、温熱効果等)を得ることができる。
【0044】
[14]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記保護ケース部は、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間に挟みこまれるシール部材をさらに有することが好ましい。
【0045】
このような構成とすることにより、シール部材の働きにより保護ケース部の内部に外気、汗等が侵入することを防止することが可能となり、より確実に永久磁石部を保護することが可能となる。
なお、シール部材とは、第1ケース部材と第2ケース部材との隙間を補填する部材をいう。具体例としては、Oリング、シート、接着剤等を挙げることができる。シール部材を構成する材料としては、外気、汗等に対する耐久性が高い樹脂やゴム等を好適に用いることができる。
【0046】
[15]本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、前記保護ケース部の角部には、丸め加工、面取り加工又はその両方が施されていることが好ましい。
【0047】
このような構成とすることにより、使用時の装着感及び安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の使用態様を説明するために示す図である。
【図2】実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100を説明するために示す図である。
【図3】実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100における永久磁石部10の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102を説明するために示す断面図である。
【図5】実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104を説明するために示す図である。
【図6】実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器106を説明するために示す図である。
【図7】実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器108を説明するために示す図である。
【図8】実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200を説明するために示す図である。
【図9】従来の家庭用永久磁石磁気治療器900を説明するために示す断面図である。
【0049】
以下、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0050】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の使用態様を説明するために示す図である。図1(a)は家庭用永久磁石磁気治療器100の使用態様を示す縦断面図であり、図1(b)は家庭用永久磁石磁気治療器100を第1ケース部材40側から見た図である。但し、図1(b)においては、第1ケース部材40の図示を省略している。
図2は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100を説明するために示す図である。図2(a)は家庭用永久磁石磁気治療器100を示す上面図であり、図2(b)は図2(a)のA1−A1断面図である。なお、図1(a)及び図1(b)中、矢印は、永久磁石の動きを模式的に示したものである。また、図2(b)中、符号t1は保護ケース部20の厚さを示し、符号t2は永久磁石部10の厚さ(保護ケース部20の厚さ方向に沿った永久磁石部10の長さ)を示し、符号t3は保護ケース部20の厚さ方向に沿った内部空間50の長さを示す。
【0051】
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の使用時には、図1に示すように、絆創膏500により家庭用永久磁石磁気治療器100を使用者の皮膚H表面に貼り付けて用いる。絆創膏500は、基材及び粘着層からなる。基材の材料としては、例えば、綿−ポリウレタン混紡材、ポリ塩化ビニル、紙系不織布等を好適に用いることができる。粘着層の材料としては、例えば、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、シリコーン系粘着材等を好適に用いることができる。
【0052】
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100は、図1及び図2に示すように、円盤状(又は円柱状)の保護ケース部20と、円盤状(又は円柱状)の永久磁石部10とを備える。
【0053】
保護ケース部20は、柱状の内部空間Sを有する永久磁石部収納部50を有し、厚さt1が1.4mm、外径が10mmである。
【0054】
保護ケース部20は、非磁性金属材料であるチタンからなり使用時に使用者の皮膚表面側に位置することとなる第1ケース部材30と、非磁性金属材料であるチタンからなり使用時に使用者の皮膚表面側とは反対側に位置することとなる第2ケース部材40とを有する。そして、第1ケース部材30の内面と第2ケース部材40の内面とにより、円盤状(円柱状)の永久磁石部収納部50が形成されている。
【0055】
第1ケース部材30の、使用時に永久磁石部10の使用者の皮膚H表面側と向かい合う面(底面)の厚さは0.2mmである。また、第2ケース部材40の、使用時に永久磁石部10の使用者の皮膚H表面側とは反対側の面と向かい合う面(天面)の厚さも0.2mmである。従って、保護ケース部20の厚さ方向に沿った内部空間Sの長さは1.0mmである。永久磁石部収納部50の内径は、8.2mmである。
【0056】
永久磁石部10は、永久磁石部収納部50に収納され、直径が4.0mm、厚さが0.8mmである円柱状のネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなる。
【0057】
従って、保護ケース部20の厚さ方向に沿った永久磁石部の長さt3(永久磁石部10の厚さ)は、保護ケース部20の厚さ方向に沿った内部空間Sの長さt2よりも、2.0mm短く、永久磁石部10は、内部空間S内において、「保護ケース部20の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部50に収納されている。
【0058】
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100においては、家庭用永久磁石磁気治療器100の軸方向に沿って見たとき、永久磁石部収納部50の面積は、永久磁石磁気部の面積の約4倍である。
【0059】
第1ケース部材30及び第2ケース部材40は、嵌合によって固定されている。なお、本発明はこれに限られるものではなく、第1ケース部材及び第2ケース部材は、ラッチ構造や接着剤等によって固定することもできる。
また、保護ケース部20の角部には、丸め加工及び面取り加工の両方が施されている。
【0060】
図示による詳しい説明は省略するが、永久磁石部10の表面には、ニッケルからなる防錆層が形成されている。防錆層は、後述するように電解めっき法で形成される。
なお、永久磁石部10は、家庭用永久磁石磁気治療器100を使用するときに、使用者の皮膚H表面側における磁束密度が180mT程度となるように構成されている。
【0061】
次に、家庭用永久磁石磁気治療器100の製造方法を説明する。
【0062】
まず、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100における永久磁石部10の製造方法を説明する。
図3は、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100における永久磁石部10の製造方法を示すフローチャートである。
永久磁石部10は、上記したようにネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなり、以下においては当該ネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石の製造方法を説明する。
【0063】
(1)加熱溶融工程S1
まず、永久磁石部10の原料(ネオジム、鉄、ホウ素及びその他の添加物)を混合した後に、1200℃〜1300℃の温度で溶融させる。加熱には、例えば、高周波溶融炉を用いることができる。加熱溶融工程S1は、原料の酸化を防ぐために不活性ガス(例えば、アルゴンガス)雰囲気下又は真空下において行う。
【0064】
(2)粉砕工程S2
次に、融解した原料を冷却し、固化させた後に粉砕して、粒径数μmの粉末とする。粉砕には、ジェットミルやボールミル等の種々の粉砕機を用いることができる。いずれの粉砕機を用いる場合においても、原料の酸化を防ぐため、不活性ガス(例えば、窒素ガス)雰囲気下において粉砕する。
【0065】
(3)成形工程S3
次に、粉末とした原料を、永久磁石部10の形状に相当する金型に入れ、プレス成形を行う。このとき、着磁工程S7において着磁すべき方向に沿う磁場をかけ、そのままプレス成形を行うことで、磁石を構成する結晶成分の方向を揃えることができる。これにより、完成する永久磁石部10を強力な永久磁石とすることができる。成形工程S3は、原料の酸化を防ぐために、不活性ガス(例えば、窒素ガス)雰囲気下において行うことが好ましい。
【0066】
(4)焼結・熱処理工程S4
次に、成形した原料を炉に入れ、原料の融点以下の温度(およそ1100℃〜1200℃)で焼結を行う。その結果、粉末を押し固めた状態であった原料が一体化し、焼結した部材となる。
その後に、焼結よりも低い温度(おおよそ500℃〜1000℃)において熱処理を行い、焼結した部材の機械的特性を向上させる。
なお、焼結・熱処理工程S4は、原料及び部材の酸化を防ぐために真空下において行う。
【0067】
(5)仕上げ加工工程S5
仕上げ加工工程S5は、焼結及び熱処理を施した部材の寸法を揃え、また、表面を平滑化するための工程である。部材の寸法は、例えば、ダイヤモンド砥石を備える研削機等を用いて揃えることができる。表面の平滑化は、例えば、回転式、遠心式、揺動式等種々のバレル研磨機を用いて行うことができる。
【0068】
(6)表面処理工程S6
次に、仕上げ加工を行った部材に、耐腐食性を高めるための表面処理を行い、防錆層を形成する。実施形態1の場合、防錆層は電解めっき法によって形成されたニッケルの層である。
【0069】
(7)着磁工程S7
最後に、パルス式着磁機等によって磁場を発生させ、当該磁場中において着磁を行い、永久磁石部10を完成させる。発生させる磁場の強さは、例えば、30kOe程度である。
【0070】
このような方法によって、永久磁石部10を製造することができる。
【0071】
次に、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100における第1ケース部材30及び第2ケース部材40の製造方法を簡単に説明する。
【0072】
(1)第1ケース部材30の製造方法
まず、チタンからなる原棒を準備する。
次に、原棒を加工し、第1ケース部材30に対応する寸法及び形状の原部材とする。当該加工は、例えば、切削、研削又はその両方によって行うことができる。切削を行う機械としては、例えば、カム式旋盤、NC旋盤等を用いることができる。また、研削を行う機械としては、例えば、平面研削盤、円筒研削盤等を用いることができる。
次に、原部材の表面を平滑化するとともに丸め加工を行い、第1ケース部30とする。表面の平滑化及び丸め加工は、例えば、回転式、遠心式、揺動式等種々のバレル研磨機を用いて行うことができる。
このような方法によって、第1ケース部材30を製造することができる。
【0073】
(2)第2ケース部材40の製造方法
第2ケース部材40の製造方法は、第2ケース部材40に対応する寸法及び形状とすることを除けば、第1ケース部材30の製造方法と基本的に同様である。従って、第2ケース部材40の製造方法についての説明は省略する。
【0074】
このような方法によって、第1ケース部材30及び第2ケース部材40を製造することができる。
【0075】
次に、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の組立方法を簡単に説明する。
【0076】
まず、第1ケース部材30の内側に永久磁石部10を配置する。
次に、第1ケース部材30及び第2ケース部材40の双方における嵌合箇所を合わせる。
次に、圧力をかけ、第1ケース部材30と第2ケース部材40とを嵌合させる。圧力は、機械又は人力によってかけることができる。
【0077】
このような方法によって、家庭用永久磁石磁気治療器100の組立を行うことができる。
【0078】
このような永久磁石部10の製造方法、第1ケース部材30及び第2ケース部材40の製造方法並びに家庭用永久磁石磁気治療器100の組立方法によって、家庭用永久磁石磁気治療器100を製造することができる。
【0079】
次に、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の効果を説明する。
【0080】
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、保護ケース部20の厚さt1が0.5mm〜2.2mm(1.4mm)の範囲内にあるため、従来の家庭用永久磁石磁気治療器900よりも薄くなり、使用時に装着感を損なうことがない。なお、保護ケース部20の厚さt1を0.5mm〜2.2mm(1.4mm)の範囲内にするのに伴って、永久磁石部10の厚さt2も0.3mm〜1.2mm(0.8mm)と薄くなっているが、永久磁石部10が磁力の強いネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなるため、十分な磁気治療効果を得ることができる。
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、永久磁石部10が保護ケース部20の内部の永久磁石部収納部50に収納されているため、使用時に永久磁石部10が使用者の皮膚H表面に直接接触することがなくなり、保護ケース部20の表面を人体に対する反応性の低い材料で構成することにより、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性を少なくすることが可能となる。なお、実施形態1において、保護ケース部20の表面は人体に対する反応性が極めて低いチタンから構成されている。
その結果、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100は、使用時に装着感を損なうことがなく、かつ、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低い家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0081】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、厚さを0.3mm〜1.2mm(0.8mm)とすることにより強度が損なわれることがある永久磁石部10を保護ケース部20により保護し、十分な強度を有する家庭用永久磁石磁気治療器とすることが可能となる。
【0082】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、少なくとも「保護ケース部20の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部10が永久磁石部収納部50に収納されているため、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部10が動き、その結果、永久磁石10が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能となる。また、人体から永久磁石部10までの距離は変動しないため、常に所定の磁気治療効果を得ることが可能となる。また、使用者が動きに応じた永久磁石部10の動きは通常不規則なものであるため、人体に作用する磁力も不規則に変化するようになり、その結果より一層効果的な磁気治療効果(例えばより一層の血行促進効果)を得ることが可能となる。
【0083】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、家庭用永久磁石磁気治療器100の軸方向に沿って見たとき、永久磁石部収納部50の面積は、永久磁石部10の面積の1.2倍以上(4倍)あるため、永久磁石部が内部空間内においてダイナミックに移動するようになるため、さらに大きな磁気治療効果が得られる。
【0084】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、家庭用永久磁石磁気治療器100は円柱形状を有し、内部空間Sは円柱形状を有し、永久磁石部10は円柱形状を有し、内部空間Sの内径は、3.0mm〜15.0mm(8.2mm)の範囲内にあり、永久磁石部の外径は、1.0mm〜13.7mm(4.0mm)の範囲内にあるため、家庭用永久磁石磁気治療器100の軸方向に沿って見たとき、永久磁石部収納部50の面積を永久磁石部10の面積よりも十分に大きくすることができる。
【0085】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100においては、永久磁石部10は、厚さ方向に異方性を有するため、強力な磁力を有する永久磁石部となる。
【0086】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100においては、保護ケース部20が、使用時に使用者の皮膚H表面側に位置することとなる第1ケース部材30と、使用時に使用者の皮膚H表面側とは反対側に位置することとなる第2ケース部材40とを有し、永久磁石部収納部50は、第1ケース部材30の内面と第2ケース部材40の内面とにより形成されているため、永久磁石部収納部に永久磁石部を収納することが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。また、第1ケース部材30の内面と第2ケース部材40の内面とが形成する永久磁石部収納部50に永久磁石部10を収納する構造を有するため、永久磁石部の腐食の原因となりやすい外気、汗等から永久磁石部を保護することが可能となる。
【0087】
実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、第1ケース部材30及び第2ケース部材40はともに、非磁性金属材料(チタン)からなるため、剛性が高い保護ケース部とすることが可能となる。
なお、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100においては、保護ケース部20が非磁性金属材料(チタン)であることから、内部空間内での永久磁石部の動きが抑制されることもない。また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100においては、使用時に使用者の皮膚表面側に位置することとなる第1ケース部材30が非磁性金属材料(チタン)からなるものであるため、磁気治療効果が損なわれることもない。
【0088】
また、第1ケース部材30が、人体に対する反応性が極めて低いチタンからなるため、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が極めて低い家庭用永久磁石磁気治療器とすることができる。
【0089】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、保護ケース部20の角部には、丸め加工及び面取り加工の両方が施されているため、使用時の装着感及び安全性を向上させることが可能となる。
【0090】
また、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100によれば、永久磁石部10の表面にニッケルめっきからなる防錆層が形成されているため、永久磁石部10の耐食性を向上させることが可能となる。
【0091】
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102を説明するために示す断面図である。
【0092】
実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102は、基本的には実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100と同様の構成を有するが、保護ケース部の構成が異なる。すなわち、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102においては、図4に示すように、保護ケース部22は第1ケース部材32と第2ケース部材42との間に挟みこまれるシール部材60をさらに有する。なお、これに伴って、第1ケース部材32及び第2ケース部材42の構成も実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100における第1ケース部材30及び第2ケース部材40の構成とは異なるものとなっており、第1ケース部材32及び第2ケース部材42は、ラッチ構造によって固定されている。
シール部材60は、ブチルゴムからなるOリングである。
【0093】
このように、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102は、保護ケース部の構成が実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100とは異なるが、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の場合と同様に、保護ケース部22の厚さが1.4mmであり、また、永久磁石部10が保護ケース部22の内部の永久磁石部収納部52に収納されており、さらには、永久磁石部10が、内部空間S内において、「保護ケース部22の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部52に収納されているため、使用時に装着感を損なうことがなく、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低く、さらには、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部が動き、その結果、永久磁石が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0094】
また、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102によれば、保護ケース部22は、第1ケース部材32と第2ケース部材42との間に挟みこまれるシール部材60をさらに有するため、シール部材60の働きにより保護ケース部22の内部に外気、汗等が侵入することを防止することが可能となり、より確実に永久磁石部10を保護することが可能となる。
【0095】
なお、実施形態2に係る家庭用永久磁石磁気治療器102は、保護ケース部の構成以外の点においては、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0096】
[実施形態3]
図5は、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104を説明するために示す図である。図5(a)は家庭用永久磁石磁気治療器104の断面図であり、図5(b)は図5(a)の符号R1が示す範囲を拡大して表示する部分拡大断面図である。
なお、図5においては、保護コーティング層70の厚さを誇張して表示している。
【0097】
実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104は、基本的には実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100と同様の構成を有するが、第1ケース部材及び第2ケース部材の構成が異なる。すなわち、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104においては、図5に示すように、第1ケース部材34及び第2ケース部材44は真鍮からなり、また、第1ケース部材34の外面及び第2ケース部材44の外面には、金からなる保護コーティング層70が形成されている。保護コーティング層70の厚さは2μmであり、例えば、電解めっき法又は無電解めっき法で形成することができる。
【0098】
このように、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104は、第1ケース部材及び第2ケース部材の構成が実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100とは異なるが、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の場合と同様に、保護ケース部24の厚さが1.4mmであり、また、永久磁石部10が保護ケース部24の内部の永久磁石部収納部54に収納されており、さらには、永久磁石部10が、内部空間S内において、「保護ケース部24の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部54に収納されているため、使用時に装着感を損なうことがなく、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低く、さらには、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部が動き、その結果、永久磁石が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0099】
また、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104によれば、第1ケース部材34の外面及び第2ケース部材44の外面には、金からなる保護コーティング層70が形成されているため、磁気治療効果を損なうことなく使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性を極めて低くすることができる。また、外気、汗等から第1ケース部材34及び第2ケース部材44をともに保護し、耐食性を高めることが可能となる。
また、金が質感に優れる貴金属であることから、高級感のある家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0100】
なお、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104は、第1ケース部材及び第2ケース部材の構成以外の点においては、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0101】
[実施形態4]
図6は、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器を説明するために示す図である。図6は、図5(b)に対応する図である。
なお、図6においては、保護コーティング層70の厚さを誇張して表示している。
【0102】
実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器は、基本的には実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104と同様の構成を有するが、保護コーティング層の構成が異なる。すなわち、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器106においては、図6に示すように、金からなる保護コーティング層70が、図示しない第1ケース部材の内面及び第2ケース部材46の内面にも形成されている。保護コーティング層70の厚さは2μmであり、例えば、電解めっき法又は無電解めっき法で形成することができる。
【0103】
このように、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器は、第1ケース部材及び第2ケース部材の構成が実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104とは異なるが、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104の場合と同様に、保護ケース部の厚さが1.4mmであり、また、永久磁石部10が保護ケース部の内部の永久磁石部収納部に収納されており、さらには、永久磁石部10が、内部空間S内において、「保護ケース部の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部に収納されているため、使用時に装着感を損なうことがなく、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低く、かつ、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部が動き、その結果、永久磁石が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0104】
また、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器によれば、第1ケース部材の内面及び第2ケース部材46の内面にも、金からなる保護コーティング層70が形成されているため、家庭用永久磁石磁気治療器の信頼性をさらに高くすることが可能となる。
【0105】
なお、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器は、保護コーティング層の構成以外の点においては、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104と同様の構成を有するため、実施形態3に係る家庭用永久磁石磁気治療器104が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0106】
[実施形態5]
図7は、実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器を説明するために示す図である。図7は、図6に対応する図である。なお、図7においては、保護コーティング層70及び下地めっき層72の厚さを誇張して表示している。
【0107】
実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器は、基本的には実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器と同様の構成を有するが、保護コーティング層の構成が異なる。すなわち、実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器においては、図7に示すように、金からなる保護コーティング層70が、ニッケルからなる下地めっき層72を介して、図示しない第1ケース部材の表面及び第2ケース部材48の表面に形成されている。保護コーティング層70の厚さは2μmであり、例えば、電解めっき法又は無電解めっき法で形成することができる。また、下地めっき層72の厚さは0.5μmであり、例えば、電解めっき法又は無電解めっき法で形成することができる。
【0108】
このように、実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器は、保護コーティング層の構成が実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器とは異なるが、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器と同様に、図示しない保護ケース部の厚さが1.4mmであり、また、永久磁石部10が保護ケース部の内部の永久磁石部収納部に収納されており、さらには、永久磁石部10が、内部空間S内において、「保護ケース部の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部に収納されているため、使用時に装着感を損なうことがなく、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低く、かつ、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部が動き、その結果、永久磁石が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0109】
また、実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器によれば、金からなる保護コーティング層70が、ニッケルからなる下地めっき層72を介して、第1ケース部材の表面及び第2ケース部材48の表面に形成されているため、保護コーティング層の密着性、緻密性、めっき付き回り性及び安定性を向上させ、保護コーティング層の耐食性をさらに向上させることが可能となる。
【0110】
なお、実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器においては、第1ケース部材の内面及び第2ケース部材の内面と、金からなる保護コーティング層70との間に、磁性材料であるニッケルからなる下地めっき層72が形成されているため、保護ケース部における内部空間内で永久磁石部の動きが妨げられるのではないかとも考えられる。しかしながら、本発明の発明者の実験によれば、第1ケース部材の内面及び第2ケース部材の内面の両方に、同種の材料(例えばニッケル)からなる下地めっき層を略同一の厚さで形成した場合には、当該下地めっき層を形成することに起因して保護ケース部における内部空間内で永久磁石部の動きが妨げられる、ということがなかった。
【0111】
実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器は、保護コーティング層の構成以外の点においては、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器と同様の構成を有するため、実施形態4に係る家庭用永久磁石磁気治療器が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0112】
[実施形態6]
図8は、実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200を説明するために示す図である。図8(a)は家庭用永久磁石磁気治療器200を示す上面図であり、図8(b)は図8(a)のA2−A2断面図である。なお、図8(b)中、符号t1は保護ケース部220の厚さを示し、符号t2は永久磁石部210の厚さ(保護ケース部220の厚さ方向に沿った永久磁石部210の長さ)を示し、符号t3は保護ケース部220の厚さ方向に沿った内部空間Sの長さを示す。
【0113】
実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200は、基本的には実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100と同様の構成を有するが、第1ケース部材及び第2ケース部材の材料が異なる。すなわち、実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200においては、第1ケース部材230及び第2ケース部材240はともに樹脂であるポリプロピレンからなる。なお、保護ケース部220の厚さは2.0mmであり、保護ケース部220の底面の厚さは0.5mmであり、保護ケース部220の天面の厚さは0.5mmであり、保護ケース部220の厚さ方向に沿った内部空間Sの長さは1.0mmである。保護ケース部220の外径は6.7mmである。永久磁石部210の厚さは0.8mmである。内部空間Sの直径は5.5mmである。永久磁石部210の外径は2.7mmである。
【0114】
このように、実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200は、第1ケース部材及び第2ケース部材の材料が実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100とは異なるが、図示しない保護ケース部の厚さが0.5mm〜2.2mm(2.0mm)の範囲内にあり、また、永久磁石部10が保護ケース部の内部の永久磁石部収納部に収納されており、さらには、永久磁石部10が、内部空間S内において、「保護ケース部の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、永久磁石部収納部に収納されているため、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100の場合と同様に、使用時に装着感を損なうことがなく、使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性が低く、さらには、使用者が動くとそれに応じて永久磁石部が動き、その結果、永久磁石が動く範囲全体にわたって適正な磁気治療効果を得ることが可能な家庭用永久磁石磁気治療器となる。
【0115】
また、実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200によれば、磁気治療効果を損なうことなく使用者の皮膚等に異常を発生させる可能性を極めて低くすることができる。また、樹脂は成型及び加工が比較的容易であるため、製造が比較的容易な保護ケース部とすることが可能となる。なお、実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200においては、保護ケース部220が非磁性材料である樹脂からなることから、内部空間S内での永久磁石部10の動きが抑制されることもない。
【0116】
実施形態6に係る家庭用永久磁石磁気治療器200は、保護コーティング層の材料以外の点においては、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る家庭用永久磁石磁気治療器100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0117】
[実施例1]
以下の実施例1は、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器の磁束密度を測定した例を示す実施例である。実施例1において、磁束密度の測定は、LakeShore社の410 Gaussmeterを用いて行った。
【0118】
実施例1においては、実施形態5に係る家庭用永久磁石磁気治療器を1000個製造し、その中から無作為に選んだ10個について磁束密度を測定した。その結果、実施例1に係る家庭用永久磁石磁気治療器においては、第1ケース部材の底面表面における磁束密度の平均値は176.3mTであり、第2ケース部材の天面表面における磁束密度の平均値は176.0mTであった。
【0119】
上記の結果、家庭用永久磁石磁気治療器の厚さを1.4mmと薄くしたとしても、使用時に、使用者の皮膚表面において十分な磁力を確保することが可能となることが確認できた。
【0120】
以上、本発明を上記の実施形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その要旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0121】
(1)上記各実施形態における永久磁石部、保護ケース部等の形状及び寸法は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保護ケース部の外径は、4mm、6mm、8mm、10mm、12mm、14mm、16mmなどとすることができる。
【0122】
(2)上記実施形態1〜6においては、永久磁石部の厚さが0.8mmであるが、本発明はこれに限定されるものではない。永久磁石部の厚さは、0.3mm〜1.2mmの範囲内であってもよい。
【0123】
(3)上記実施形態1〜5においては、保護ケース部の厚さが1.4mmであり、上記実施形態6においては、保護ケース部の厚さが2.0mmであったが、本発明はこれに限定されるものではない。保護ケース部の厚さは、0.5mm〜2.2mmの範囲内であってもよい。
【0124】
(4)上記実施形態1〜6においては、保護ケース部の厚さ方向に沿った永久磁石部の長さは、保護ケース部の厚さ方向に沿った内部空間Sの長さよりも、0.2mm短かかったが、本発明はこれに限定されるものではない。当該内部空間Sの長さよりも0.05mm以上短ければよい。
【0125】
(5)上記実施形態1〜5においては、永久磁石部の直径が4mmであったが、上記実施形態6においては、永久磁石部の外径が2.67mmであったが本発明はこれに限定されるものではない。永久磁石部の外径は、1.0mm〜13.7mmの範囲内にあればよい。
【0126】
(6)上記実施形態1,2においては、第1ケース部材及び第2ケース部材がチタンからなるものであり、上記実施形態3〜5においては、第1ケース部材及び第2ケース部材が真鍮からなるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。第1ケース部材及び第2ケース部材は、例えば、銅、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、亜鉛、亜鉛合金、非磁性鋼、貴金属、貴金属を主成分とする合金、真鍮以外の銅合金等の他の非磁性金属材料からなるものであってもよい。
【0127】
(7)上記実施形態1においては、永久磁石部の表面にはニッケルからなる防錆層が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、種々の樹脂からなる防錆層や、貴金属からなる防錆層等が形成されていてもよい。
【0128】
(8)上記各実施形態においては、保護ケース部の角部に丸め加工及び面取り加工の両方が施されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、丸め加工及び面取り加工のみが施されていてもよい。このような構成とすることによっても、使用時の装着感及び安全性を向上させることが可能となる。
【0129】
(9)上記実施形態2においては、シール部材60がブチルゴムからなるOリングであるが、本発明はこれに限定されるものではない。シール部材は、例えば、樹脂又はゴムからなるシート及び接着剤や、樹脂からなるOリング等であってもよい。
【0130】
(10)上記実施形態2においては、第1ケース部材32及び第2ケース部材42がラッチ構造によって固定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、嵌合や接着剤等によって固定されていてもよい。
【0131】
(11)上記実施形態3〜5においては、保護コーティング層は金からなるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、白金、ロジウム又はパラジウムからなるものであってもよい。また、金、白金、ロジウム又はパラジウムのうちいずれかを主成分とする合金又は混合物からなるものであってもよい。
【0132】
(12)上記実施形態3〜5においては、保護コーティング層が金のみからなるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、保護コーティング層がゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを含有するものであってもよい。このような構成とすることにより、磁気治療効果に加えて、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンが有する効果(例えば、新陳代謝の活性化、血流促進、温熱効果等)を得ることができる。
【0133】
(13)ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを微粒子として含有させる場合には、ゲルマニウム微粒子、ラジウム微粒子又はトルマリン微粒子を、金、白金、ロジウム又はパラジウムを主成分とするめっきに含有させた複合めっきにより保護コーティング層を構成することができる。このような構成とすることにより、上記する微粒子を含有した保護コーティング層を簡易に形成することが可能となる。なお、複合めっきとは、微粒子をめっき中に共析させたものをいい、共析めっきともいう。
【0134】
(14)また、ゲルマニウムを合金として含有させる場合には、金、白金、ロジウム又はパラジウムを主成分とし、ゲルマニウムを含有する合金からなる合金めっきにより保護コーティング層を構成することができる。このような構成とすることにより、ゲルマニウムを含有した保護コーティング層を簡易に形成することが可能となる。
【0135】
(15)本発明の家庭用永久磁石磁気治療器においては、第1ケース部材と第2ケース部材とを容易に判別することを可能とするための工夫がなされていてもよい。具体的には、第1ケース部材の色と第2ケース部材の色とを異ならせることや、第1ケース部材又は第2ケース部材の一方のみに凸部又は凹部を設けることを例示することができる。
【0136】
(16)上記実施形態1〜6においては、永久磁石部は円盤状(円柱状)であったが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、六角柱、八角柱などの柱状であればよい。
【0137】
(17)上記実施形態1〜5においては、家庭用永久磁石磁気治療器の表面に、含侵、ディッピング、吹き付け塗装、電着塗装又は焼き付け塗装による封孔処理が施されていてもよい。このような構成とすることにより、保護ケース部の表面等に存在することがある微細な孔やクラックを樹脂によって塞ぎ、より安全性が高く、また、より耐食性が高い家庭用永久磁石磁気治療器とすることが可能となる。
【0138】
(18)上記実施形態6においては、保護ケース部220はポリプロピレンからなるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。要するに、安定であり、人体に対する反応性が低い樹脂からなるものであればよい。例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル等からなるものであってもよい。
【0139】
(19)上記実施形態6においては、保護ケース部が樹脂中にゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを含有してもよい。このような構成とすることにより、磁気治療効果に加えて、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンが有する効果(例えば、新陳代謝の活性化、血流促進、温熱効果等)を得ることができる。なお、保護ケース部は、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを、微粒子状、薄片状、粒状等種々の形態で含有することができる。
【0140】
(20)上記実施形態1において説明した永久磁石部の製造方法は一例であり、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器に使用される永久磁石部は、この方法で製造された永久磁石部に限定されるものではない。
【0141】
(21)上記実施形態1において説明した第1ケース部材30及び第2ケース部材40の製造方法は一例であり、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器に使用される第1ケース部材及び第2ケース部材は、この方法で製造された第1ケース部材及び第2ケース部材に限定されるものではない。
【0142】
(22)上記実施形態1において説明した家庭用永久磁石磁気治療器の組立方法は一例であり、本発明の家庭用永久磁石磁気治療器は、この方法で組立された家庭用永久磁石磁気治療器に限定されるものではない。
【0143】
(23)上記実施形態1において説明した第1ケース部材30及び第2ケース部材40の製造方法においては、原棒から第1ケース部材30及び第2ケース部材40を製造したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、原板から第1ケース部材及び第2ケース部材を製造することもできる。原板の加工には、切削及び研削の他にプレスによって行うこともでき、プレスを行う機械としては、液圧式又は機械式のプレス機を用いることができる。
【0144】
(24)上記各実施形態においては、家庭用永久磁石磁気治療器は絆創膏500によって使用者の皮膚表面に貼り付けることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。パッチ、シール等、種々の貼り付け部材によって使用者の皮膚表面に貼り付けることとしてもよい。
【符号の説明】
【0145】
10,210…永久磁石部、20,22,24,220…保護ケース部、30,32,34,230…第1ケース部材、40,42,44,240…第2ケース部材、50,52,54,250…永久磁石部収納部、60…シール部材、70…保護コーティング層、72・・・下地めっき層、100,102,104,200,900…家庭用永久磁石磁気治療器、910…絆創膏、912…絆創膏の基材、914…上部剥離紙、H…使用者の皮膚、S…内部空間、t1…保護ケース部の厚さ、t2…永久磁石部の厚さ、t3…保護ケース部20の厚さ方向に沿った内部空間50の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼り付け部材により使用者の皮膚表面に貼り付けて用いる家庭用永久磁石磁気治療器であって、
柱状の内部空間を有する永久磁石部収納部を有し、厚さが0.5mm〜2.2mmの範囲内にある保護ケース部と、
前記永久磁石部収納部に収納され、厚さが0.3mm〜1.2mmの範囲内にある柱状のネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石からなる永久磁石部とを備え、
前記保護ケース部の厚さ方向に沿った前記永久磁石部の長さは、前記保護ケース部の厚さ方向に沿った前記内部空間の長さよりも、0.05mm以上短く、
前記永久磁石部は、前記内部空間内において、「前記保護ケース部の厚さ方向に直交する方向」に沿って移動可能な状態で、前記永久磁石部収納部に収納されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項2】
請求項1に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記家庭用永久磁石磁気治療器の軸方向に沿って見たとき、前記永久磁石部収納部の面積は、前記永久磁石部の面積の1.2倍以上であることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記家庭用永久磁石磁気治療器は、円柱形状を有し、
前記内部空間は、円柱形状を有し、
前記永久磁石部は、円柱形状を有し、
前記内部空間の直径は、3.0mm〜15.0mmの範囲内にあり、
前記永久磁石部の外径は、1.0mm〜13.7mmの範囲内にあることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記永久磁石部は、厚さ方向に異方性を有することを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記保護ケース部は、使用時に使用者の皮膚表面側に位置することとなる第1ケース部材と、使用時に使用者の皮膚表面側とは反対側に位置することとなる第2ケース部材とを有し、
前記永久磁石部収納部は、前記第1ケース部材の内面と前記第2ケース部材の内面とにより形成されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項6】
請求項5に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材はともに、非磁性金属材料からなることを特徴とする
【請求項7】
請求項6に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記第1ケース部材の外面及び前記第2ケース部材の外面にはともに、金、白金、ロジウム又はパラジウムを主成分とする保護コーティング層が形成されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項8】
請求項7に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材と、前記保護コーティング層との間には、ニッケル、パラジウム又はニッケル−パラジウム合金からなる下地めっき層が形成されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項9】
請求項8に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記第1ケース部材の内面及び前記第2ケース部材の内面にも、金、白金、ロジウム又はパラジウムを主成分とする保護コーティング層が形成され、
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材と、前記保護コーティング層との間には、前記下地めっき層として、同種の下地めっき層が略同一厚さで形成されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記保護コーティング層は、ゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを含有することを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記家庭用永久磁石磁気治療器の表面には、含侵、ディッピング、吹き付け塗装、電着塗装又は焼き付け塗装による封孔処理が施されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項12】
請求項5に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材はともに、樹脂からなることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項13】
請求項12に記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記保護ケース部は、樹脂中にゲルマニウム、ラジウム又はトルマリンを含有することを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。
【請求項14】
請求項5〜13のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記保護ケース部は、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間に挟みこまれるシール部材をさらに有することが好ましい。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の家庭用永久磁石磁気治療器において、
前記保護ケース部の角部には、丸め加工、面取り加工又はその両方が施されていることを特徴とする家庭用永久磁石磁気治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−83394(P2011−83394A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237817(P2009−237817)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(502318401)
【出願人】(508162455)
【出願人】(508162477)
【Fターム(参考)】