説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】家庭用薄葉紙の取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器100は、スリット部111と、そのスリット部111を挟む一対の立設部112、114を有する取出部110を備えており、第一立設部112の突起部112cをスリット部111の反対側に傾倒することによって、スリット部111の開口(隙間)を広げることができるので、スリット部111を通じて取出部110の内側から外側に向かって家庭用薄葉紙Pを通しやすくなり、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業や取り出しを容易に行うことを可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
そして、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されている家庭用薄葉紙を家庭用薄葉紙収納容器から取り出すための取出口として、ミシン目を切断分離せずに家庭用薄葉紙を容器から引き出すことができ、更に容器から引き出した家庭用薄葉紙のミシン目を切断分離せしめるのに必要な抵抗を与え得る引出穴が形成されているゴム製の山高帽子状部材が設けられている容器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平5−34177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の場合、家庭用薄葉紙収納容器に、新たな家庭用薄葉紙を装填した際などに、その家庭用薄葉紙の1枚目に当たる端部を小さな引出穴に通し難いために、家庭用薄葉紙の詰め替え作業が煩わしいものとなることがあるという問題があった。
また、引出穴を大きくすると、家庭用薄葉紙の1枚目の端部を通しやすくなるので、家庭用薄葉紙の詰め替えをし易くなるが、容器から引き出した家庭用薄葉紙に付与される抵抗力が低下してしまうため、その引き出した家庭用薄葉紙をミシン目で切り離し難くなってしまい、家庭用薄葉紙を取り出しにくくなることがあるという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、家庭用薄葉紙の取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
内側に家庭用薄葉紙を収納するとともに、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す取出部を具備する容器本体と、前記容器本体に前記取出部を開閉するように取り付けられた蓋体とを備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記取出部は、前記容器本体の内部と連通するスリット部と、前記スリット部を挟んで対向する一対の開口縁部と、前記一対の開口縁部の何れか一方に設けられた突起部と、を備え、
前記突起部を前記スリット部の反対側に傾倒することによって、前記一対の開口縁部を離間させることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記蓋体を前記容器本体に対して閉蓋した際に、前記蓋体が前記突起部に当接することで前記一対の開口縁部を近接させることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記蓋体を前記容器本体に対して閉蓋した際に、前記蓋体が前記突起部に当接することで前記一対の開口縁部を密着させることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記一対の開口縁部の間には、その間の開口を塞ぐ薄肉部が予め設けられており、
前記一対の開口縁部を離間させる方向に前記突起部を傾倒することにより、前記薄肉部を破断して、前記スリット部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、家庭用薄葉紙収納容器は、容器の内部と連通するスリット部と、そのスリット部を挟む一対の開口縁部とを有する取出部を備えており、一方の開口縁部に設けられた突起部をスリット部の反対側に傾倒することによって、スリット部の開口(隙間)を広げることができるので、スリット部を通じて取出部の内側から外側に向かって家庭用薄葉紙を通しやすくなり、家庭用薄葉紙の詰め替え作業を容易に行うことができる。
そして、そのスリット部から家庭用薄葉紙を引き出すことによって、家庭用薄葉紙を家庭用薄葉紙収納容器から好適に取り出すことができる。
従って、この家庭用薄葉紙収納容器は、家庭用薄葉紙の取り出しが容易な収納容器として使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
図1は、本発明を適用した好適な実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器100を正面上方から見た斜視図であり、図2は、家庭用薄葉紙収納容器100における取出部110を示す斜視図であり、図3は、図2におけるA−A断面を含む容器本体101上部の横断面図であり、図4〜図6及び図7は、家庭用薄葉紙収納容器100の取出部110から家庭用薄葉紙Pを取り出す際の取り出し動作を示す説明図である。
【0012】
家庭用薄葉紙収納容器100は、図1〜図7に示すように、例えば、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納するとともに、収納された家庭用薄葉紙Pを外側に取り出す取出部110を具備する容器本体101と、この容器本体101に取出部110を開閉するように取り付けられた蓋体としての小蓋120とを備えて構成されている。
この家庭用薄葉紙収納容器100に収納するロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目P1が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズの家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、小蓋120が容器本体101(蓋103)に支持されている側を後側とし、その反対側を手前側とする。さらに、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0013】
容器本体101は、容器本体101の下部をなす有底円筒形状のボトル102と、容器本体101の上部をなす蓋103とから構成されている。
【0014】
ボトル102の上端には開口部102aが設けられており(図4〜6参照)、このボトル102の上端部の外周面には、周方向に沿って雄ネジ部102bが設けられている(図4〜6参照)。なお、図1、図4〜図7では、ボトル102の下部(底部)の図示を省略して記載している。
このボトル102は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET、ABS樹脂等から形成されている。
【0015】
蓋103は、天面部103aを有するとともに下端部が開放された円筒形状をなし、開放された下端部の内周面にはボトル102の雄ネジ部102bと螺合する雌ネジ部103bが設けられている。
この蓋103は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)等、可撓性を有する樹脂から形成されている。
【0016】
そして、容器本体101は、ボトル102と蓋103とが雄ネジ部102bと雌ネジ部103bを介した脱着自在な連結構造をとり、ボトル102に対して蓋103を開閉自在としているので、ボトル102から蓋103を取り外した状態で、ボトル102の内部に家庭用薄葉紙Pを収納したり、内部から家庭用薄葉紙Pを取り出したりすることができるようになっている。なお、本実施形態では、家庭用薄葉紙Pが、上下方向(Z軸方向)に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体101に収納されるようになっている。
【0017】
また、容器本体101の一部を成す蓋103の天面部103aには、容器本体101の内部に収納された家庭用薄葉紙Pを容器本体101の外側に引き出すための開口である取出部110と、その天面部103aに回動可能に取り付けられて取出部110を開閉する小蓋120とが設けられている。
なお、取出部110は、小蓋120より前後方向(X軸方向)手前側に設けられている。つまり、小蓋120は、蓋103の天面部103aにおいて、取出部110の後方の取付部に回動可能に取り付けられており、その小蓋120は、取出部110に後方から覆い被さるようになっている。
【0018】
取出部110は、例えば、図1〜図3に示すように、蓋103の天面部103aのほぼ中央部に形成された凹部104内に設けられている。
この取出部110は、その周囲に円筒環形状に形成された、円筒環状部105を有している。
【0019】
そして、取出部110は、容器本体101の内部と連通するように開口し、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向と交差する方向に長尺なスリット部111と、スリット部111を挟んで対向する長辺部分において、容器本体101(蓋103)から外部に向けて立設された一対の開口縁部である一対の立設部112、114とを備えている。
特に、一対の立設部112、114は、取出部110の円筒環状部105内における後方半分側の領域に設けられており、一対の立設部112、114に挟まれたスリット部111も取出部110(円筒環状部105)における後方にずれた位置に設けられている。
【0020】
スリット部111は、左右方向に対して長尺な略円弧形状を呈する開口であって、X軸方向の後方から前方に向かって凸となる向きに形成されている。
つまり、スリット部111は、取出部110の円筒環状部105内における中央から外側(具体的には、X軸方向後方)にずれた位置に設けられており、そのスリット部111は、取出部110(円筒環状部105)の中央側に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
また、換言すれば、スリット部111は、容器本体101の蓋103に設けられている小蓋120の取付部分から離間する方向に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
【0021】
一対の立設部112、114は、円筒環状部105側に近い配置であって小蓋120の取付部分側に位置する第一立設部112と、円筒環状部105内の中央側に位置する第二立設部114とが対をなすように形成されている。
【0022】
第一立設部112は、凹部104から斜め上方に立ち上がる傾斜面部112aと、その傾斜面部112aからスリット部111側へ延出する平面部112bとを有している。
そして、第一立設部112は、スリット部111側の端面(平面部112bの端面)が凸状の円弧形状をなしており、第一立設部112の平面部112bの端面側にスリット部111に沿って、容器本体101の内部に向けて延在する第一縁部113が形成されている。
また、第一立設部112の平面部112bの上面には、Z軸方向に突出した突起部112cが設けられている。
【0023】
第二立設部114は、凹部104から略真上に立ち上がる壁面部114aと、その壁面部114aからスリット部111側へ張り出す張出部114bとを有している。
そして、第二立設部114は、スリット部111側の端面(張出部114bの端面)が凹状の円弧形状をなしており、第二立設部114の張出部114bの端面側にスリット部111に沿って、容器本体101の内部に向けて延在する第二縁部115が形成されている。
【0024】
このように、第一立設部112と第二立設部114は、スリット部111を挟んで対向するように立設され、更にその端面が容器内側に折り返されたような形状の縁部113、115を有する立体構造をとるので、円筒環状部105の内側における他の部分に比べて外力の作用により変形し難くなっている。
つまり、第一立設部112と第二立設部114は、スリット部111の周囲の変形を低減するように強度を高めることができるので、第一立設部112と第二立設部114を、スリット部111の周囲の強度を高める剛性部とすることができる。
【0025】
また、一対の立設部112、114における、一方の第一立設部112は、他方の第二立設部114よりも高く形成されており、第一立設部112と第二立設部114の間には段差が生じている。
具体的には、小蓋120側に位置する第一立設部112の方が、円筒環状部105内の中央側に位置する第二立設部114よりも高く形成されており、円筒環状部105内における手前側の第二立設部114の方が、その後方の第一立設部112よりも低くなっている。
【0026】
小蓋120は、例えば、蓋103の天面部103aにY軸方向に沿って配された図示しない回動軸により軸支され、その天面部103aに対して回動可能に配設されており、閉蓋状態(図4参照)と開蓋状態(図6参照)とに切り替えられるようになっている。
この小蓋120は、閉蓋状態(図4参照)と開蓋状態(図6参照)のそれぞれの配置において、それぞれ安定した状態に配されるように、例えば、可動範囲内における所定の回動角度(例えば、図3参照)よりも取出部110に接近された際には閉蓋状態となるように付勢され、また、上記所定の回動角度よりも取出部110から離間された際には開蓋状態となるように付勢されている。
【0027】
なお、小蓋120は、天面部103aに回動軸によって軸支されていることに限らず、例えば、蓋103と一体に成形されたものであってもよく、その蓋103の天面部103aに対して、その天面部103aの厚さをY軸方向に沿って一部薄くなる折り目を形成することにより、Y軸方向に沿った折り目を軸線に折曲されるキャップとすることで、その折り目を軸心とするように回動可能にし、取出部110を開閉する構成としてもよい。
【0028】
また、小蓋120の下面には、例えば、図4に示すように、取出部110を閉蓋状態とした際に円筒環状部105と嵌合する嵌合部121が設けられている。
この嵌合部121は、小蓋120の下面から円筒環状に突設されており、取出部110を小蓋120で閉蓋する際に、取出部110の円筒環状部105の外周が、その嵌合部121の内周と密接するように内挿されるようになっている。
【0029】
ここで、家庭用薄葉紙収納容器100の作用について説明する。
【0030】
家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Pを詰め替える場合、まず、家庭用薄葉紙Pを、ボトル102の開口部102aからその内部に収納する。
そして、1枚目の家庭用薄葉紙Pとなるロールペーパーの一端部を、蓋103の内側から外側に向かうように取出部110のスリット部111に挿入して通す。
その際、図5に示すように、第一立設部112の突起部112cをスリット部111の反対側に傾倒することによって、第一立設部112と第二立設部114とを離間させて、スリット部111の開口(隙間)を広げるようにすれば、家庭用薄葉紙Pをより一層通しやすくなる。
なお、蓋103の取出部110における第一立設部112は、可撓性を有する樹脂(例えば、PEやPP等)からなるため、その形状は復元しやすいので、一時的に隙間が広げられたスリット部111の開口は元の形状、大きさに復元する。そして、図6に示すように、第一立設部112と第二立設部114との間に家庭用薄葉紙Pが挟まれて保持されるようになっている。
【0031】
そして、取出部110のスリット部111に家庭用薄葉紙Pを挿通させた蓋103をボトル102に取り付けて、取出部110を小蓋120で閉じることで、家庭用薄葉紙Pの詰め替えが完了する。
この取出部110を小蓋120で閉蓋する際、図4に示すように、小蓋120の下面が第一立設部112の突起部112cに当接し、小蓋120が突起部112cを下方へ押圧するようになっており、第二立設部114に第一立設部112を近接させてスリット部111を狭めるので、一時的に広げられたスリット部111の開口を元の状態に復元させやすくなっている。
また、小蓋120が突起部112cを下方へ押圧することで、第二立設部114(第二縁部115)に第一立設部112(第一縁部113)を密着させるようになっているので、取出部110を小蓋120で閉じた際に、円筒環状部105の外周と嵌合部121の内周とが密接することとあわせて、容器内部を密閉することが可能になり、家庭用薄葉紙収納容器100内に収納される家庭用薄葉紙Pであるウェットタイプのロールペーパーが乾燥してしまうことを防ぐことができる。
また、取出部110を小蓋120で閉蓋した場合、第一立設部112と第二立設部114とが密着するように、第一立設部112と第二立設部114との間に家庭用薄葉紙Pが強固に保持されるので、家庭用薄葉紙Pの端部が容器内部に引き戻されてしまうことはなく、家庭用薄葉紙Pの引き出し端部が取出部110に保持されやすくなっている。
【0032】
次に、家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを引き出して取り出す場合、まず、閉蓋された状態の家庭用薄葉紙収納容器100の小蓋120を開け、図6に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100が開蓋された状態にする。
この開蓋された家庭用薄葉紙収納容器100において、図6に示すように、家庭用薄葉紙Pの端部が、取出部110のスリット部111から上方に僅かに突出した状態で保持されている。特に、取出部110のスリット部111を挟む一対の立設部112、114における、手前側の第二立設部114の方が後側の第一立設部112よりも低くなっているために、スリット部111から突出した家庭用薄葉紙Pの端部は、低い第二立設部114側に向かって倒れやすく、図6に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100の前方である手前側に向かって傾いた状態で保持されている。
そして、そのスリット部111から突出している家庭用薄葉紙Pを、ユーザが摘んで容器本体101内から引き上げると、図7に示すように、家庭用薄葉紙Pが長尺のスリット部111にならって広げられた状態で家庭用薄葉紙収納容器100から引き出される。
【0033】
このスリット部111は、家庭用薄葉紙収納容器100の前方に向かって凸となるように円弧形状を呈しており(図1参照)、その凸状の形状が家庭用薄葉紙Pの引き出し方向が容器の前後方向手前側であることを示唆しているようになっている。特に、スリット部111は、取出部110の円筒環状部105内における中央から後方にずれた位置に設けられており、そのスリット部111は、取出部110(円筒環状部105)の中央側に向けて凸となるように円弧形状を呈しているので、スリット部111から突出している家庭用薄葉紙Pを取出部110(円筒環状部105)の中央側に引くようにして、スリット部111から手前側に引き出すように、その家庭用薄葉紙Pの引き出し方向を一層示唆しているようになっている。なお、スリット部111(取出部110)の後方には小蓋120が配設されており、スリット部111は、その小蓋120から離間する方向に向けて凸となるように円弧形状を呈しているので、スリット部111から突出している家庭用薄葉紙Pを、スリット部111から後方ではなく手前側に引き出すように、その家庭用薄葉紙Pの引き出し方向をより一層示唆しているようになっている。
更に、このスリット部111から突出した家庭用薄葉紙Pは、家庭用薄葉紙収納容器100の前方に向かって傾いた状態で保持されており(図6参照)、その家庭用薄葉紙Pの引き出し方向が容器の前方、手前側であることを示唆しているようになっている。
【0034】
このように、ユーザは、家庭用薄葉紙Pを容器の前後方向手前側に引き出すように誘導されやすくなっている。
そして、取出部110における一対の立設部の手前側の第二立設部114の方が低くなる段差があるために、スリット部111には前後方向の隙間に加えて上下方向にも隙間があるので、家庭用薄葉紙Pは容器の手前側に引き出されやすくなっている
つまり、家庭用薄葉紙収納容器100の取出部110は、ユーザが、家庭用薄葉紙Pを容器の手前側に引いて、その家庭用薄葉紙Pを容器本体101内から引き上げるように引き出しやすくなっている。
また、スリット部111は、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向となる容器の前方の手前側に向かって凸となるように円弧形状を呈しているので、家庭用薄葉紙Pはスリット部111から好適に広がった状態で引き出されやすくなっている。
【0035】
そして、ユーザが、家庭用薄葉紙Pをスリット部111から引き出すとき、家庭用薄葉紙Pは、第一立設部112と第二立設部114の間を擦れながらスリット部111から引き出されることとなる。特に、一対の第一立設部112と第二立設部114が、スリット部111の周囲の強度を高める剛性部として機能することによって、家庭用薄葉紙Pに摩擦力が作用する。なお、スリット部111に沿い容器本体101の内部に向けて延在する第一縁部113と第二縁部115は、家庭用薄葉紙Pが引き出される方向に逆らう向きに延在しているため、その家庭用薄葉紙Pに摩擦力がより一層作用することとなる。この摩擦力は、引き出される家庭用薄葉紙Pを下方側(容器内)に向けて引き戻そうとする力となって作用するので、スリット部111から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと次の家庭用薄葉紙Pとの継ぎ目であるミシン目P1の部分まで引き出された際に、そのミシン目P1に沿って家庭用薄葉紙Pが切り離されることとなる。このミシン目P1で切り離されて家庭用薄葉紙収納容器100から取り出された家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用可能とする。
そして、ミシン目P1で切り離された次の家庭用薄葉紙Pの上端部がスリット部111に保持される。ここでも、家庭用薄葉紙Pの端部は低い第二立設部114側に向かって倒れやすく、図6に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100の前方である手前側に向かって傾いた状態で保持されている。
【0036】
以上のように、家庭用薄葉紙収納容器100は、スリット部111と、そのスリット部111を挟む一対の立設部112、114を有する取出部110を備えており、第一立設部112の突起部112cをスリット部111の反対側に傾倒することによって、スリット部111の開口(隙間)を広げることができるので、スリット部111を通じて取出部110の内側から外側に向かって家庭用薄葉紙Pを通しやすく、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業を容易に行うことができる。
そして、一対の立設部112、114は、スリット部111の周囲の強度を高める剛性部として機能し、スリット部111を通じて引き出される家庭用薄葉紙Pに摩擦力を付与することができるので、スリット部111から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと、次の家庭用薄葉紙Pとが、その摩擦力の作用で薄葉紙の継ぎ目のミシン目P1に沿って切り離されることによって、家庭用薄葉紙収納容器100から必要以上の家庭用薄葉紙Pが引き出されてしまわないようになっており、所定の長さ(サイズ)の家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが可能になっている。
従って、この家庭用薄葉紙収納容器100は、内部に収納する家庭用薄葉紙Pの取り出しが容易な容器として使用することができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図8に示すように、取出部110における第一立設部112(第一縁部113)と第二立設部114(第二縁部115)の間に、当初はその間の開口(隙間)を塞ぐ薄肉部116が設けられていてもよい。
この薄肉部116が、第一立設部112と第二立設部114の間の開口(隙間)を塞ぐように予め設けられていることによって、未使用・未開封の家庭用薄葉紙収納容器100内に収納されているウェットタイプの家庭用薄葉紙Pが乾燥してしまうことを防ぐことができる。
そして、第一立設部112(第一縁部113)と第二立設部114(第二縁部115)を離間させる方向に、第一立設部112の突起部112cを傾倒することにより(図5参照)、薄肉部116を破断して、第一立設部112と第二立設部114の間を開口させてスリット部111を形成することによって、前述のように、家庭用薄葉紙収納容器100における家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業を容易に行うことができるとともに、家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することができるようになる。
【0038】
なお、以上の実施の形態においては、略円弧形状を呈するスリット部を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直線形状を呈するスリット部や、その他の任意の隙間形状を呈するスリット部であってもよい。
【0039】
また、以上の実施の形態においては、突起部を第一立設部112の上面に設けるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起部を第二立設部114の上面に設けるようにしてもよい。
また、突起部を立設部の下面側などに設けて、その突起部をスリット部から離間する方向に傾倒することによって、スリット部の開口(隙間)を広げるようにして、家庭用薄葉紙をスリット部に挿通させるようにしてもよい。
【0040】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図2】家庭用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。
【図3】図2におけるA−A断面を含む容器上部(蓋)の横断面図である。
【図4】取出部を小蓋で閉蓋した状態を示す説明図である。
【図5】取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる状態を示す説明図である。
【図6】取出部における家庭用薄葉紙の挿通状態を示す説明図である。
【図7】取出部における家庭用薄葉紙の挿通状態を示す説明図である。
【図8】一対の立設部の間に設けられている薄肉部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
100 家庭用薄葉紙収納容器
101 容器本体
102 ボトル
103 蓋
110 取出部
111 スリット部
112 第一立設部(開口縁部)
112c 突起部
114 第二立設部(開口縁部)
116 薄肉部
120 小蓋(蓋体)
P 家庭用薄葉紙
P1 ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に家庭用薄葉紙を収納するとともに、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す取出部を具備する容器本体と、前記容器本体に前記取出部を開閉するように取り付けられた蓋体とを備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記取出部は、前記容器本体の内部と連通するスリット部と、前記スリット部を挟んで対向する一対の開口縁部と、前記一対の開口縁部の何れか一方に設けられた突起部と、を備え、
前記突起部を前記スリット部の反対側に傾倒させることによって、前記一対の開口縁部が離間することを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記蓋体を前記容器本体に対して閉蓋した際に、前記蓋体が前記突起部に当接することで前記一対の開口縁部を近接させることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記蓋体を前記容器本体に対して閉蓋した際に、前記蓋体が前記突起部に当接することで前記一対の開口縁部を密着させることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記一対の開口縁部の間には、その間の開口を塞ぐ薄肉部が予め設けられており、
前記一対の開口縁部を離間させる方向に前記突起部を傾倒することにより、前記薄肉部を破断して、前記スリット部が形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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