説明

家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法及び自動搬送装置

【構成】家畜舎1から生じる家畜糞2をコンベヤ部4で押込部5に送りそのスクリュー部500で押出し向流部501を介して押込部5から吐出させ、次いで、圧送部7に送出し吸入させ、そのチュ−ブ700内部に通しチュ−ブ700を圧迫して圧送部7から吐出させた後に、搬送流路8内部を通して堆肥舎3に自動的に搬送させる方法で、家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の場合には、押込部5を省略して同様に自動的に搬送させる。
【効果】搬送の自動化のための土木工事が殆んど不要で、家畜舎や堆肥舎を有する場内での臭気の拡散を低減することができ、搬送が自動化されので人件費が低減でき作業を安全に行うことができ、垂直方向に搬送物を高く揚提することや水平方向に長い距離搬送できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法に関し、特に、家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を当該家畜舎から離隔した堆肥舎などの家畜糞尿類処理場に自動的に搬送する自動搬送方法及びその自動搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の堆肥化を図ろうとして、家畜舎から堆肥舎に、当該家畜糞等を搬送(移送)しようとする場合、当該堆肥舎が家畜舎の近くにあれば、家畜舎から直接堆肥舎にコンベヤなりで自動的に搬送することができるが、当該堆肥舎が家畜舎からは比較的に遠く離れており、例えば100mから150mにも渡り離れているような場合には、コスト的な制約などから設置できるコンベヤの長さにも限界があり、又、堆肥舎が高い位置にあるような場合には、例えば20mから25mにも渡り垂直方向に当該家畜糞尿等を揚提する必要がある場合には、同様に設置できるコンベヤにも制約があり、通常は、コンベヤで送られてきた当該家畜糞や廃棄物を車両に積み込んで堆肥舎に運んだり、又は、手押し車のような運搬車で堆肥舎に運んだりすることを余儀なくさせられることになる。
前記のコンベヤでの搬送では、臭気が拡散し、又、作業にも危険が伴ったりするし、手押し車のような運搬車で堆肥舎に運んだりするのは、人件費等も掛かることになる。
一方、当該搬送を自動化しようとして自動化設備を設置しようとする場合には、大掛かりな土木工事が必要となり、設備投資に莫大な資金を要したり、又、当該設備を設置したとしても、そのメンテナンスに多大の費用を要したりする。
【特許文献1】特開2005−087847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような従来技術の有する欠点を解消し得る技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的や新規な特徴については本件明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1)家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を当該家畜舎から離隔した堆肥舎などの家畜糞尿類処理場に自動的に搬送する家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法において、
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を、コンベヤ部で押込部に送り、該押込部のスクリュー部で押出し、向流部を介して当該押込部から吐出させ、圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させるか、
又は、コンベヤ部で圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させる
ことを特徴とする家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
(請求項2)家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、家畜糞である場合には、当該家畜糞をコンベヤ部で押込部に送り、該押込部のスクリュ−部で押出し、向流部を介して当該押込部から吐出させ、当該吐出させた家畜糞を圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該吸入された家畜糞を当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該家畜糞を当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させることを特徴とする、請求項1に記載の家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
(請求項3)家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、その水分含有率が80%以上の廃棄物である場合には、当該廃棄物をコンベヤ部で圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該吸入された廃棄物を当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該廃棄物を当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させることを特徴とする、請求項1に記載の家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
(請求項4)搬送流路が、垂直方向及び水平方向の少なくともいずれか1方向の流路を備えてなり、当該垂直方向の流路が20〜25mの長さで、水平方向の流路が70〜150mの長さであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
(請求項5)家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を当該家畜舎から離隔した堆肥舎などの家畜糞尿類処理場に自動的に搬送する家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送装置であって、
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、家畜糞である場合には、当該家畜糞を移送するコンベヤ部と、当該家畜糞を圧送部に吐出させる押込部と、当該押込部から吐出させた当該家畜糞を吸入し吐出させ圧送部と家畜糞尿処理場との間の搬送流路に送る圧送部と、圧送部と家畜糞尿類処理場との間を結ぶ搬送流路とを備えてなり、
一方、家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、当該廃棄物である場合には、当該廃棄物を移送するコンベヤ部と、当該廃棄物を吸入し吐出させ圧送部と家畜糞尿類処理場との間の搬送流路に送る圧送部と、圧送部と家畜糞尿類処理場との間を結ぶ搬送流路とを備えてなり、
前記押込部は、スクリュー部と向流部とを有してなり、
前記圧送部は、チュ−ブと当該チュ−ブを圧迫させる回転ロ−ラ−とを有してなり、
前記搬送流路は、垂直方向及び水平方向の少なくともいずれか1方向の流路を備えてなることを特徴とする家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送装置。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、次のような利点を有する。
(1)コンベヤや押込部(押込装置)や圧送部(圧送装置)や搬送のホ−スなどを使用すればよいので、搬送の自動化のための土木工事が殆んど不要である。
(2)押込部(押込装置)や圧送部(圧送装置)や搬送のホ−スなど密閉された空間内を家畜糞等が通過するので、家畜舎や堆肥舎を有する場内での臭気の拡散を低減することができる。
(3)搬送が自動化されるので、人手を要する手押し車のような運搬車で家畜糞等を堆肥舎に運んだりする手間が省けるので、人件費が低減できる。
(4)押込部(押込装置)や圧送部(圧送装置)や搬送のホ−スなど密閉された空間内を家畜糞等が通過するので、作業が安全に行える。
(5)押込部(押込装置)や圧送部(圧送装置)は簡単な構造・機構からなり、容易に操作でき、メンテナンスを必要とするのは、搬送のホ−スのみである。
(6)家畜糞のような水分含有量が低く、粘度が高く流動性が少なく、粘着性があるものでも、搬送を自動化できる。
(7)家畜舎から堆肥舎まで距離が離れていても、自動的な搬送が可能であり、垂直方向に搬送物を高く揚提することや水平に長く搬送できる。請求項4に記載のように、その搬送流路において、垂直方向の流路も水平方向の流路も可能であり、当該垂直方向の流路は20〜25mの長さ(距離)に、又、水平方向の流路は70〜150mの長さ(距離)に可能である。
(8)本発明では、水分含有率が80%以上の廃棄物でも又水分含有率が80%未満の家畜糞のようなものでも自動搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0007】
図1に示すように、本発明では、家畜舎1から生じる家畜糞2を、当該家畜舎1からは離隔した堆肥舎3に、自動的に搬送することができる。
当該家畜舎1の例としては、牛舎や豚舎や鶏畜舎などの施設が挙げられる。
当該家畜舎1では、家畜糞2を生じる。当該家畜舎1では、通常、畜舎の床に敷料として寝藁やおが屑や泥炭等を所定の厚さに敷き詰めるので、当該家畜糞2に当該敷料などが混入することがあるが、その場合にも適用される。図示が省略されているが、当該家畜糞2に異物(石、木、金属など)が混入されているときには、必要に応じて除去装置を設置するなどして除去するようにするとよい。
堆肥舎3では、例えば、家畜糞2や当該敷料などが混入された家畜糞2に発酵などの処理を加えて有機肥料とする。
【0008】
家畜糞2は、図1に示すように、コンベヤ部4により押込部(押込装置)5に送り込まれる。
当該家畜舎1では、図1に示すように、同様のコンベヤ部による自動搬送手段100で家畜糞2を上記のコンベヤ部4へ搬送するようにすればよい。
当該コンベヤ部4、100は、例えば、ベルトコンベヤ、スクリュ−コンベヤ、エプロンコンベヤ、フライトコンベヤ等の各種コンベヤにより構成される。
【0009】
図2に示すように、前記押込部5は、スクリュ−部500と向流部501とを有してなる。
当該スクリュ−部500は、駆動部502の駆動により当該押込部5の内部で回転し、そのスクリュ−回転により家畜糞2を向流部501を介して吐出口503側に押込み、当該吐出口503から吐出させ搬送ホ−ス6に送り込む。
家畜糞2は、水分含有量が低く、粘度が高く流動性が少なく、粘着性がある等からその搬送自体に困難を伴い、又、その搬送を自動化することにも困難を伴うが、押込部5のスクリュ−部500のスクリュ−回転により押出し、向流部501に押込み、家畜糞2を吐出口503側から吐出させて搬送ホ−ス6に送り込むようにすれば容易に自動的に搬送できるようになる。
向流部501は、面積を減少させた通路となっており、流れが絞り込みされ、家畜糞2が向流となって、当該絞り管(配管)に集中し、当該通路を介して吐出口503から吐出していくようになっている。
当該押込部5は、図2及び図3に示すように、U字型本体部504が脚部505に支持されて立脚されている。
【0010】
当該押込部5の吐出口503から吐出した家畜糞2は、搬送ホ−ス6を介して、次いで、圧送部(圧送装置)7に送り込まれる。
当該圧送部7は、図1及び図4に示すように、チュ−ブ700と当該チュ−ブ700を圧迫して当該家畜糞2を当該圧送部7から吐出させる回転ロ−ラ−701とを有してなる。
図4に示すように、チュ−ブ700は、円筒状ドラム(円筒状のケ−シング)702に内接される。
当該チュ−ブ700は、例えば、補強芯体入りゴム製チューブにより構成される。当該チュ−ブ700は、例えば、円筒状ドラム702に対して120°〜180°の内接角を有する。
チュ−ブ700は、具体的には上記のようにゴム製チューブを掲げることができるが、その内部空間が押圧(圧送)によって押し潰され、その押圧が解除された際には少なくとも外的作用によって復帰し得るものであれば、他の可撓性通路手段でもよい。
回転ロ−ラ−701は、図示のように、ロ−タ−703の両端に付設され、当該ローター703の中心軸7030を中心として回転され、チューブ700内に吸入された家畜糞2が押出されるようになっている。
当該回転ロ−ラ−701を配設したロ−タ−703による機構に代えて他の圧搾手段を採用することもできる。
図1に示すように、当該圧送部7は、ロ−タ−703の駆動回転を行う駆動部704を有してなる。当該駆動部704は、例えば、電動モータにより構成される。
当該圧送部7は、チューブ700を円筒状ドラム702と同一中心軸をもつ回転ロ−ラ−701(ロ−タ−軸7030)によって押圧しながら回転して家畜糞2を吸入口705から吸入し、吐出口706から吐出する機構をもつものである。円筒ドラム702に内接されたチューブ700は、その入口側の吸入口705と出口側の吐出口706の2ケ所において円筒状ドラム702からその外側に突き出される。当該チューブ700の中心軸と回転ロ−ラ−701の押圧方向とは、常に90°の角度を有する様になっており、これは前記の内接角とは無関係に一定のものである。
当該圧送部7は、図1に示すように、車輪707を有し、駆動部704と共に、移動可能に構成されているので、適宜、場所を移動して、押込部5の吐出口503と圧送部7との間を搬送ホ−ス6を介して連結して、家畜糞2を搬送ホ−ス6から圧送部7に送り込むことができる。
当該圧送部7には、チューブ700が「くびれ」して円滑な家畜糞2の絞り出しを阻害することを防止するくびれ防止用治具(図示せず)を付設してもよい。又、当該圧送部7では、そのチューブ700が、回転ロ−ラ−701で直接強く圧迫される為に、チューブの損傷が激しいときがあり、特に、絞り込み圧力を上げたときや低温稼働時に於いて甚だしいので、その対策として、チュ−ブ700の材質に耐磨耗剤を入れた特殊シリコ−ンチュ−ブを用いたり、或いは、チューブ700に潤滑剤を塗布する等の方法を採用してもよい。
当該圧送部7では、家畜糞2をチューブ700内に効率よく吸引する目的のために、別途準備された真空ポンプ等を当該圧送部7に接続し、チュ−ブ700を膨張させて、家畜糞2をチュ−ブ700内に効率よく吸引するようにしてもよい。
当該圧送部7は、他に、円筒状ドラム(円筒状のケ−シング)702の内壁面に沿って固定されたクッション用のゴムパッド等を備えてなる。
当該圧送部7は、狭い場所でも使用でき、簡易な機構により圧送にかかる家畜糞2の吸引・吐出効率を向上させることができる。
上記の回転ロ−ラ−701は、2点回転ロ−ラ−を図示したが、当該ロ−ラ−701が3個の3点回転ロ−ラ−などでもよい。
当該圧送部7によれば、家畜糞2を圧送して、高所でも又比較的に遠所でも、堆肥舎3に送り出しすることができる。
家畜糞2は、当該圧送部7で圧送されて、当該圧送部7と堆肥舎3との間の搬送流路8の内部を通って、当該堆肥舎3に自動的に搬送される。
搬送流路8は、垂直方向の流路800及び水平方向の流路801の少なくともいずれか1方向の流路を備えてなる。
当該垂直方向の流路800や水平方向の流路801は、例えば、ホ−スやチュ−ブ等の配管により構成される。
本発明では、当該搬送流路8として、当該垂直方向の流路を20〜25mの長さで、又、当該水平方向の流路を70〜150mの長さに構成することができる。
【0011】
本発明は、家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物についても適用される。
当該廃棄物には、例えば、家畜糞尿が家畜舎洗浄に由来する排水と一緒に排出される当該排出物が該当する。
家畜舎からは、家畜糞尿、床藁、飼料、水の混合物である汚泥が出ることがあるが、当該汚泥について適用される。
家畜糞尿には、脱臭のために脱臭材料が混入されたり、発酵材料が混入されたりする。
家畜の糞尿を含む畜産排水に光合成細菌を投入することもある。本発明では、こうした汚泥等の廃棄物にも適用される。
当該汚泥等の廃棄物の場合には、前記の押込部5を省略して搬送ホ−ス6等の移送手段を通じて圧送部7に送り込み、当該圧送部7で圧送して、当該圧送部7と堆肥舎3との間の搬送流路8の内部を通して、当該堆肥舎3に自動的に搬送する。
当該圧送部7は、前記と同様の構成になり、図1及び図4に示すように、チュ−ブ700と当該チュ−ブ700を圧迫して当該廃棄物2を当該圧送部7から吐出させる回転ロ−ラ−701とを有してなる。
図4に示すように、チュ−ブ700は、円筒状ドラム(円筒状のケ−シング)702に内接され、回転ロ−ラ−701は、図示のように、ロ−タ−703の両端に付設され、当該ロ−タ−703の中心軸7030によって回転され、チュ−ブ700内に吸入された廃棄物2が押出されるようになっている。
図1に示すように、当該圧送部7は、ロ−タ−703の駆動回転を行う駆動部704を有してなる。
当該圧送部7は、チューブ700を円筒状ドラム702と同一中心軸をもつ回転ロ−ラ−701(ロ−タ−軸7030)によって押圧しながら回転して廃棄物2を吸入口705から吸入し、吐出口706から吐出する機構をもつものである。
当該圧送部7は、図1に示すように、車輪707を有し、駆動部704と共に、移動可能に構成されているので、適宜、場所を移動して、押込部5の吐出口503と圧送部7との間を搬送ホ−ス6を介して連結して、廃棄物2を搬送ホ−ス6から圧送部7に送り込むことができる。
搬送流路8は、垂直方向の流路800及び水平方向の流路801の少なくともいずれか1方向の流路を備えてなる。
当該垂直方向の流路800や水平方向の流路801は、例えば、ホ−スやチュ−ブ等の配管により構成される。当該搬送流路8は、垂直方向の流路を20〜25mの長さとし、又、当該水平方向の流路を70〜150mの長さに構成することができる。
【0012】
本発明では、当該廃棄物の場合、その水分含有率が80%以上あることが好ましい。
当該水分含有率が80%を境として、前記の押込部5を省略するか否かの選択をして、自動搬送の方法を選択するとよい。
水分含有率が80%未満のときには、押込部5に送り込み、当該押込部5のスクリュ−部500や向流部501で押込み、一方、水分含有率が80%以上と高く、流動性があるような場合には、当該押込部5を省略して自動搬送できる方法及び装置を選択すればよい。
尚、家畜糞や当該廃棄物2は、加水して流動性を高めるようにしたものでもよい。
【0013】
本発明における、家畜糞尿類処理場3としては、前記では堆肥舎を例示したが、他の処理場にも適用できる。
家畜舎における糞尿処理では、固形物と液体とを分離せしめる為に、分離槽が使用され、当該分離槽にて、糞尿、床藁、飼料、水の混合物である汚泥の分離が行われることがある。当該家畜糞尿類処理場として当該分離槽も包含される。
当該家畜糞尿類の処理に当たっては、搾汁機にて分離固形物と搾汁液とに分離し、その分離固形物は、堆肥舎にて堆肥化し、又は、炭化炉にて炭化処理されることがある。当該炭化炉を有するような処理設備にも適用される。
更には、曝気室にて糞尿に嫌気性菌や好気性菌を作用させて醗酵熟成を行うような家畜糞尿類処理場も包含される。
【0014】
本発明は上記実施例に限定されず、適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、家畜舎が牛舎のような場合には、当該家畜舎には搾乳舎も包含する。
又、当該家畜舎には家禽舎も包含する。
本発明は、牧場や競馬場のパドックにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明における押込部の構成図である。
【図3】本発明における押込部の構成図である。
【図4】本発明における圧送部の構成図である。
【0017】
1 家畜舎
2 家畜糞・廃棄物
3 家畜糞尿類処理場(堆肥舎)
4 コンベヤ部
5 押込部
6 搬送ホ−ス
7 圧送部
8 搬送流路
800 垂直方向流路
801 水平方向流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を当該家畜舎から離隔した堆肥舎などの家畜糞尿類処理場に自動的に搬送する家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法において、
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を、コンベヤ部で押込部に送り、該押込部のスクリュー部で押出し、向流部を介して当該押込部から吐出させ、圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させるか、
又は、コンベヤ部で圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させる
ことを特徴とする家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
【請求項2】
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、家畜糞である場合には、当該家畜糞をコンベヤ部で押込部に送り、該押込部のスクリュ−部で押出し、向流部を介して当該押込部から吐出させ、当該吐出させた家畜糞を圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該吸入された家畜糞を当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該家畜糞を当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させることを特徴とする、請求項1に記載の家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
【請求項3】
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、その水分含有率が80%以上の廃棄物である場合には、当該廃棄物をコンベヤ部で圧送部に送り、該圧送部で吸入し、当該吸入された廃棄物を当該圧送部のチュ−ブ内部に通し、当該チュ−ブを圧迫して当該廃棄物を当該圧送部から吐出させ、当該圧送部と前記家畜糞尿類処理場との間の搬送流路内部を通して当該家畜糞尿類処理場に自動的に搬送させることを特徴とする、請求項1に記載の家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
【請求項4】
搬送流路が、垂直方向及び水平方向の少なくともいずれか1方向の流路を備えてなり、当該垂直方向の流路が20〜25mの長さで、水平方向の流路が70〜150mの長さであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送方法。
【請求項5】
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物を当該家畜舎から離隔した堆肥舎などの家畜糞尿類処理場に自動的に搬送する家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送装置であって、
家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、家畜糞である場合には、当該家畜糞を移送するコンベヤ部と、当該家畜糞を圧送部に吐出させる押込部と、当該押込部から吐出させた当該家畜糞を吸入し吐出させ圧送部と家畜糞尿処理場との間の搬送流路に送る圧送部と、圧送部と家畜糞尿類処理場との間を結ぶ搬送流路とを備えてなり、
一方、家畜舎から生じる家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物が、当該廃棄物である場合には、当該廃棄物を移送するコンベヤ部と、当該廃棄物を吸入し吐出させ圧送部と家畜糞尿類処理場との間の搬送流路に送る圧送部と、圧送部と家畜糞尿類処理場との間を結ぶ搬送流路とを備えてなり、
前記押込部は、スクリュー部と向流部とを有してなり、
前記圧送部は、チュ−ブと当該チュ−ブを圧迫させる回転ロ−ラ−とを有してなり、
前記搬送流路は、垂直方向及び水平方向の少なくともいずれか1方向の流路を備えてなることを特徴とする家畜糞又は家畜糞若しくは家畜糞尿を含有する廃棄物の自動搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−193947(P2008−193947A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32161(P2007−32161)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(506056882)エスケイ工業有限会社 (2)
【Fターム(参考)】