説明

家電収納キャビネット

【課題】簡単な構成により、家電製品の使用時にはシャッターの閉鎖を回避するようにした家電収納キャビネットを提供する。
【解決手段】家電収納キャビネット10は、前面が開放した家電収納用の棚Aと、この棚内に備えられた給電用の電源コンセント19a,19bと、この棚の開放した前面を閉鎖し得るシャッター16とを備え、さらに、電源コンセント19a,19bに接続された家電製品の使用を検出する家電使用検出手段と、シャッターを開閉する駆動手段16dと、家電使用検出手段が家電製品の使用を検出したとき、この駆動手段を作動させてシャッターを開放する制御手段22と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチン等における家電収納キャビネットに係り、特に使用時に水蒸気を発生するような家電製品を収納する家電収納棚を備えたシャッター付き家電収納キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家電収納キャビネット1は、図7及び図8に示すように、左右一対の側板2a,2bと、天板3,底板4及び背板5と、これら天板3と底板4との間で適当な間隔を有して配設された複数の棚板6と、から構成されており、互いに組み付けられることにより、前面が開放した複数段、図示の場合、四段の棚Aを画成している。なお、底板4は、その下方に配置された台輪4aにより僅かに浮き上がった状態に配置されている。
【0003】
ここで、棚Aのうち、最上段の棚A1及び最下段の棚A4は、例えば食器類や台所用品などを収納する通常の収納棚として構成されており、必要に応じて前面を閉鎖するための扉や引き戸などが備えられている。図示の実施形態では、最下段の棚A4のみが扉A4aを備えている。
【0004】
これに対して、中間の二段の棚A2,A3は、それぞれ電子レンジやコーヒーメーカーの収納用、そして電気ポットや電気炊飯器を収納するための家電収納棚として構成されている。中間の棚のうち下から二段目の棚A3には、電気ポットや電気炊飯器の使用時に発生する水蒸気を外部へ排出するように、送風装置7が後端に配置されている。
【0005】
この送風装置7は、図8に示すように、背板5に対して前側で平行に配置された遮蔽板7aと、この遮蔽板7aの裏側に配設された送風ファン7bと、この送風ファン7bを回転駆動するモータ(図示せず)と、から構成されている。遮蔽板7aは上下端に全幅に亘って前方に開放した通気用の間隙を有しており、上記送風ファン7bはこの遮蔽板7aの裏側に画成された空間の下方に配置されていて、送風ファン7bがモータにより回転駆動されると、送風ファン7bが上方に向かって空気を送出するとともに、棚A3内から遮蔽板7aの下方の間隙を介して空気を吸引し、遮蔽板7aの上方の間隙を介して棚A3内に、そして棚A3から外部へ空気を送出するようになっている。
【0006】
さらに、中間の二段の棚A2,A3には、それぞれ内部の後端面に、給電用の電源コンセント8a,8bが設けられている。これらの電源コンセント8a,8bは、外部の電源、例えば一般商用電源に接続されて常時給電されており、これらの電源コンセント8a,8bに、使用すべき電子レンジ,電気ポット,電気炊飯器等の家電製品の電源コードを接続することで、これらの家電製品がいつでも使用できるようになっている。
そして、特に棚A3内の電源コンセント8bにて、家電製品の電源オンにより所定値以上の電流が流れたとき、これを検知して送風装置7が作動するようになっている。
【0007】
このように、家電収納キャビネット1においては、家電製品の使用時、特に水蒸気が発生するような電気ポット,コーヒーメーカー,電気炊飯器などの家電製品の使用時には、送風装置7を自動的に作動させることで、家電製品から発生する水蒸気を棚A3から外部へ排出し、これにより棚A3内における結露やカビの発生を防止するようにしている。
この種の家電収納キャビネットが特許文献1に開示されている。
【0008】
しかしながら、このような家電収納キャビネット1においては、特に家電製品を収納するための棚A2,A3は前面が開放していることから、内部に収納している電子レンジ,電気ポット,電気炊飯器等の家電製品が露出し、雑然とした外観になってしまう。このため、例えば来客時等にあっては、棚A2,A3の前面もシャッターや扉などで覆って、内部を見えなくするようにしたいという要望がある。
【0009】
ところが、棚A2,A3、特に棚A3が閉じられた状態で、内部に収納された家電製品が使用されると、使用に伴って水蒸気が発生することになり、この水蒸気が当該棚A3内に溜ってしまうので、内部で結露が発生したり、場合によってはカビが発生することがある。
【0010】
特許文献2には、家電収納用の前面が開放した棚をドア体により開閉可能に備えると共に、このドア体の閉鎖時における裏面側近傍に電源コンセントを設けたキャビネットが開示されている。この特許文献2によるキャビネットでは、ドア体の閉鎖時に、家電製品を使用できないようにするために、ドア体の閉鎖位置の裏面側近傍に電源コンセントを設けることで、家電製品の電源コードを電源コンセントに挿入した状態ではドア体が閉鎖できないようにし、ドア体の閉鎖時に、家電製品を使用して棚内部に水蒸気が溜ってしまうことがないように図っている。
【特許文献1】特開2004−275246号公報
【特許文献2】特開平09−084643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2のキャビネットにおいては、来客時等においてドア体を閉鎖することで、雑然とした棚内部を隠蔽することは可能ではあるが、ドア体を閉鎖する度に、家電製品の電源コードを電源コンセントから外すことが必要となり、操作が煩雑になってしまう。
【0012】
本発明は以上の点に鑑み、簡単な構成により、家電製品の使用時にはシャッターの閉鎖を回避するようにした家電収納キャビネットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の家電収納キャビネットは、前面が開放した家電収納用の棚と、この家電収納用の棚内に備えられた給電用の電源コンセントと、この棚の開放した前面を閉鎖し得るシャッターとを具備するとともに、電源コンセントに接続された家電製品の使用を検出する家電使用検出手段と、シャッターを開閉する駆動手段と、家電使用検出手段が家電製品の使用を検出したとき駆動手段を作動させてシャッターを開放する制御手段と、を設けたことを特徴としている。
【0014】
上記制御手段は、好ましくは、シャッター閉鎖を確認したときにのみ上記駆動手段を作動させてシャッターを開放するよう構成される。
【0015】
本発明の家電収納キャビネットは、好ましくは、シャッター開放を警告する警告手段を備えており、上記制御手段が上記駆動手段の作動によりシャッターを開放する前に警告手段を作動させてシャッター開放を警告する。
【発明の効果】
【0016】
上記構成によれば、電源コンセントを備えた棚に収納され、当該棚の電源コンセントに接続された家電製品の電源が投入され使用されると、家電使用検出手段が当該家電製品の使用を検出する。これにより、制御手段が駆動手段を作動させてシャッターを開放する。従って、使用者の不注意によりシャッターを閉鎖した状態で、当該棚に収納された家電製品を使用したときシャッターが自動的に開放されるので、家電使用状態におけるシャッターの閉鎖が回避される。
【0017】
このようにして、棚内に収納された家電製品の使用時にあってはシャッターの閉鎖が回避され得るので、シャッターが閉じた状態でその棚内に収納された家電製品を使用して水蒸気が内部に溜ってしまうようなことはない。
【0018】
制御手段がシャッター閉鎖を確認したときにのみ駆動手段を作動させてシャッターを開放する場合には、家電製品の使用が開始されたとき、シャッター開放前に制御手段がシャッター開放を確認するので、シャッター開放状態でさらにシャッターを開放するように駆動手段が作動するのが防止される。
【0019】
制御手段が駆動手段の作動によりシャッターを開放する前に警告手段を作動させてシャッター開放を警告する場合には、家電製品の使用が開始されたとき、シャッター開放前に制御手段が警告手段によりシャッター開放を警告するので、いきなりシャッターが開放することがなく、使用者は事前にシャッター開放を知ることができる。
【0020】
本発明によれば、シャッター閉鎖状態での家電製品の使用が確実に防止されることになり、シャッターが閉じた状態で、その棚内に収納された家電製品の使用により水蒸気が内部に溜ってしまう事態を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、背景技術と同一または対応する部材には同一符号を用いて、本発明を詳細に説明する。
[第一の実施の形態]
図1及び図2は本発明による家電収納キャビネットの第一の実施形態の構成を示している。これらの図において、家電収納キャビネット10は、例えばシステムキッチンに組み込まれて使用され、左右一対の側板11a,11bと、天板12,底板13及び背板14と、複数の棚板15と、から構成されており、互いに組み付けられることで、前面が開放した複数段、図示の場合、四段の棚Aと、後述するシャッター収納部16cと、を画成している。なお、底板13は、その下方に配置された台輪13aにより僅かに浮き上がった状態に配置されている。
【0022】
さらに、この家電収納キャビネット10は、棚Aのうち、上方の三つの棚A1,A2,A3の開放した前面を閉鎖し得ると共に、上方へ退避可能なシャッター16と、シャッター開閉制御装置20(図2参照)と、を備えている。また、最下段の棚A4は、例えば食器類や台所用品などを収納する通常の収納棚として構成されており、図示の場合、前面を閉鎖するための扉17を備えている。
【0023】
これに対して、中間の二段の棚A2,A3は、それぞれ電子レンジやコーヒーメーカーの収納用、そして電気ポット,電気炊飯器,オーブントースター等の使用時に水蒸気を発生する家電製品を収納するための家電収納棚として構成されている。下から二段目の棚A3の後端には、図2に示すように上述した特許文献1に記載の送風装置7が配置されている。
【0024】
さらに、中間の二段の棚A2,A3には、それぞれ内部の後端面、即ち棚A2では背板14の前面、棚A3では遮蔽板7aの前面の所定位置に、それぞれ給電用の電源コンセント19a,19bが設けられている。なお、これらの電源コンセント19a,19bは、それぞれ側板11aまたは11bの内面に設けてもよい。
【0025】
これらの電源コンセント19a,19bは、外部の電源、例えば一般商用電源に接続されて給電されるようになっており、これらの電源コンセント19a,19bに、棚A2,A3内に収納される電子レンジ,電気ポット,電気炊飯器等の家電製品の電源コードを接続することでこれらの家電製品が使用される。そして、各電源コンセント19a,19bには、それぞれ接続された家電製品の使用を検出する家電使用検出手段としての家電使用センサ19c,19dが設けられている。特に棚A3内の電源コンセント19bにおいては、家電製品使用時に家電使用センサ19dがその使用状態を検知して、送風装置7が自動的に作動するようになっている。
【0026】
家電使用センサ19c,19dは、それぞれ例えば電流センサとして構成されており、家電製品の電源オンにより電源コンセント19aまたは19bに所定値以上の電流が流れたとき、これを検出する。
【0027】
シャッター16は、棚Aのうち、上方の三つの棚A1,A2,A3の前面を閉鎖し得るように、上方へ退避可能に構成されている。具体的には、シャッター16は、横方向に細長く延びるシャッター部材16aが上下に多数連結されることにより構成されていると共に、下端16bが比較的剛性のある部材から構成されている。
【0028】
このシャッター16は、その両側縁が側板11a,11bの内側の前縁付近に設けられたガイド溝11c,11d内に沿って上下方向に案内されると共に、棚A1の上方に設けられたシャッター収納部16c内に渦巻き状に折り畳んだ状態で収納される。
【0029】
シャッター16は、シャッター収納部16c内に収容された駆動手段としてのモータ16dにより駆動されて、開閉される。そして、シャッター16は、モータ16dにより下方に移動されることで、図3に示すように各棚A1,A2,A3の前面を閉鎖するようになっている。なお、シャッター16は、好ましくは、容易に上方へ移動し得るように、即ちモータ16dの負荷を軽減するために、図示しないバネ等により上方に向かって付勢されている。ここで、モータ16dは、公知の市販シャッター等と同様に、シャッター16の上昇時または下降時に大きな負荷が発生した場合には、安全性を確保するために自動停止するようになっている。
【0030】
シャッター開閉制御装置20は、図4に示すように、シャッター検出手段としてのシャッター検出センサ21と、制御手段としての制御回路22と、警告手段としてのアラーム装置23と、操作部24と、から構成されている。シャッター検出センサ21は、例えば図5に示すように、リミットスイッチとして構成されており、そのアクチュエータ21aが、ガイド溝11c,11dに沿って下降するシャッター16で押動されることによって、シャッター16を検出する。なお、シャッター検出センサ21としては、リミットスイッチに限定されることなく、シャッターを検出できるものであれば、任意の他の形式のシャッター検出センサ、例えば透過型フォトカプラ,反射型フォトカプラや静電センサ等を使用してもよい。
【0031】
ここで、シャッター検出センサ21は、シャッター16を検出すべき棚A2,A3毎にそれぞれ設けられており、図示の場合、各棚A2,A3にて、その上端付近に配置されている。これにより、シャッター検出センサ21は、それぞれ棚A2,A3にてその前面がシャッター16により閉じかけた状態を検出することができる。
【0032】
また、制御回路22は、家電収納キャビネット10の適宜の位置、図示の場合には、底板13の下側で台輪13a内に配置されていて、図4に示すように、各シャッター検出センサ21から入力される検出信号と各電源コンセント19a,19bに設けられた家電使用センサ19c,19dの検出信号とに基づいて、前述したシャッター16のモータ16d及びアラーム装置23を制御する。
【0033】
具体的には、この制御回路22は、各棚A2,A3に備えられた電源コンセント19a,19bにて家電製品の使用が検出されたとき、まずアラーム装置23に対して制御信号を送出し、その後モータ16dに対してシャッター開放のための駆動制御信号を送出する。これにより、アラーム装置23が動作し、続いてモータ16dが作動して、シャッター16が開放されることになる。
【0034】
ここで、アラーム装置23は、家電収納キャビネット10のシャッター16の閉鎖時でも露出するように、例えば図示の場合には、棚A3及び棚A4の間にて前面に設けられている。図示の場合、アラーム装置23は、警告灯23aと警告ブザー23bとを含んでおり、制御回路22から制御信号が入力されたとき、所定時間の間、警告灯23aが点灯または点滅し、警告ブザー23bが鳴る。
【0035】
操作部24は、例えば家電収納キャビネット10の外側の使用者が操作しやすい場所、例えば上述したアラーム装置23に隣接して、棚A3とA4の間の前面に配置され、使用者が操作することにより、シャッター16のモータ16dを駆動させて、シャッター16の開閉を行なうことができる。図示の場合、操作部24は、操作ボタン24aを操作することで開放信号を制御回路22に送出し、操作ボタン24bを操作することで閉鎖信号を制御回路22に送出する。これにより、制御回路22は、操作部24からの開放信号を受け取ったとき、アラーム装置23を作動させた後、モータ16dを駆動させてシャッター16を開放する。
また、制御回路22は、操作部24からの閉鎖信号を受け取ったときは、シャッター検出センサ21及び家電使用センサ19c,19dからの検出信号に基づいてシャッター開放及び家電不使用を確認する。そして、シャッター開放及び家電不使用を確認した場合は、アラーム装置23を作動させた後にモータ16dを駆動させて、シャッター16を閉鎖する。
【0036】
本発明の第一の実施形態による家電収納キャビネット10は以上のように構成されており、シャッター16は通常は開放されていて、各棚A1,A2,A3は前面が開放して内部が見えるようになっている。そして、例えば棚A2内にはコーヒーメーカーが収納され、また棚A3内には電気ポット及び電気炊飯器が収納され、それぞれ電源コードが電源コンセント19a,19bに接続される。
【0037】
この状態から、例えば電気炊飯器の電源がオンされると、制御回路22を介して電源コンセント19bから電気炊飯器に給電が行なわれ、電気炊飯器が動作する。そして、家電使用センサ19dが電源コンセント19bの電流を感知して家電使用を検出することで、送風装置7が動作を開始する。
また、シャッター16の下端16bが下方へ移動されると、図3に示すように、シャッター16が棚A1〜A3を閉鎖することになり、例えば不意の来客時等に、棚A1〜A3の雑然とした内部を隠蔽することができる。
【0038】
家電収納キャビネット10のシャッター開閉制御装置20は、図6のフローチャートに従って以下のように動作する。
まず、ステップS1にて、制御回路22は操作部24からの操作信号をチェックする。ステップS1にて操作部24から操作信号が入力されていない場合には、制御回路22は、ステップS2にて棚A2の家電使用センサ19cからの検出信号に基づいて棚A2における家電製品の使用をチェックする。
【0039】
ステップS2にて家電製品が使用されている場合には、制御回路22は、ステップS3にて棚A2のシャッター検出センサ21の検出信号に基づいて当該棚A2のシャッター開放をチェックする。
ステップS3にて当該棚A2のシャッターが閉じている場合には、制御回路22はステップS4にてアラーム装置23を作動させ、続いてステップS5にてモータ16dを駆動してシャッター16を開放し、ステップS1に戻る。なお、ステップS3にてシャッター16が開放している場合には、制御回路22は、棚A2,A3にてシャッター開放と判断し、そのままステップS1に戻る。
【0040】
ステップS2にて当該棚A2にて家電製品が不使用である場合には、制御回路22は、ステップS6にて、棚A3の家電使用センサ19dからの検出信号に基づいて棚A3における家電製品の使用をチェックする。
ステップS6にて家電製品が使用されている場合には、制御回路22は、ステップS7にて、棚A3のシャッター検出センサ21の検出信号に基づいて当該棚A3のシャッター開放をチェックする。
【0041】
ステップS7にて当該棚A3のシャッターが閉じている場合には、制御回路22は、ステップS8にてアラーム装置23を作動させ、続いてステップS9にてモータ16dを駆動してシャッター16を開放し、ステップS1に戻る。この場合、ステップS9におけるシャッター16の開放の際に、制御回路22は、図1に示すシャッター16の全開状態までシャッター16を開放してもよく、また棚A3のみを開放する状態まで、即ち棚A3のシャッター検出センサ21がシャッター開放を検出するまでシャッター16を開放するようにしてもよい。
【0042】
なお、ステップS7にてシャッター16が開放している場合には、制御回路22は、棚A2,A3にてシャッター開放と判断し、そのままステップS1に戻る。ステップS6にて当該棚A3にて家電製品が不使用である場合には、制御回路22は、ステップS1に戻る。
このようにして、家電使用に連動したシャッターの自動開放が行なわれる。
【0043】
また、上述したステップS1にて、操作部24から操作信号が入力されている場合、手動操作によるシャッターの開閉が行なわれる。即ち、ステップS10にて、制御回路22は、操作部24からの操作信号が開放信号か閉鎖信号かを判定する。そして、開放信号である場合には、制御回路22は、ステップS11にて棚A2のシャッター検出センサ21からの信号に基づいて当該棚A2のシャッター開放のチェックを行なう。ステップS11にてシャッター16が開放している場合には、制御回路22は、棚A2,A3にてシャッター開放と判断し、そのままステップS1に戻る。
ステップS11にて当該棚A2のシャッターが閉じている場合には、制御回路22は、ステップS12にてアラーム装置23を作動させ、続いてステップS13にてモータ16dを駆動してシャッター16を開放し、ステップS1に戻る。
【0044】
ステップS10にて操作部24からの操作信号が閉鎖信号である場合には、制御回路22は、ステップS14にて棚A2のシャッター検出センサ21からの信号に基づいて当該棚A2のシャッター開放のチェックを行なう。ステップS14にてシャッター16が開放している場合には、制御回路22は、棚A2,A3にてシャッター開放と判断し、ステップS15にて棚A2,A3における家電製品の使用をチェックする。そして、ステップS15にて家電製品が使用されている場合には、制御回路22は棚A2またはA3にて家電使用と判断して、ステップS1に戻る。また、ステップS15にて家電不使用の場合には、制御回路22はステップS16にてアラーム装置23を作動させ、続いてステップS17にてモータ16dを駆動してシャッター16を閉鎖し、ステップS1に戻る。
【0045】
ステップS14にて当該棚A2のシャッターが閉じている場合には、制御回路22は、ステップS18にて棚A3におけるシャッター開閉をチェックする。そして、棚A3にてシャッターが開放している場合には、制御回路22は棚A3にてシャッター開放と判断して、ステップS19にて棚A2,A3における家電製品の使用をチェックする。ステップS19にて、家電製品が使用されている場合には、制御回路22は棚A3にて家電使用と判断して、ステップS1に戻る。また、ステップS19にて家電不使用の場合には、制御回路22はステップS20にてアラーム装置23を作動させ、続いてステップS21にてモータ16dを駆動してシャッター16を閉鎖し、ステップS1に戻る。
このようにして、手動操作によるシャッターの開閉が行なわれる。
【0046】
ところで、家電使用によるシャッターの自動開放後に、家電製品が不使用となった場合には、制御回路22は、シャッターを閉鎖して元の状態に戻すようにしてもよい。この場合、制御回路22は、図6のフローチャートにおけるステップS6にて家電不使用を検出したときシャッター16の開放をチェックし、シャッター16が開放している場合にはアラーム装置23を作動させ、その後にモータ16dを駆動してシャッター16を閉鎖するようにすればよい。
【0047】
なお、このようにして、シャッター16を再閉鎖した場合には、シャッター再閉鎖の旨を表示する表示部を家電収納キャビネット10の前面の見易い場所に設けて、この表示部によりシャッター再閉鎖の旨を表示するようにしてもよい。これにより、使用者は、この表示部を視認することで、家電使用によりシャッターが自動開放されその後閉鎖されたことを認識することができる。さらに、シャッター再閉鎖の際に、表示部にシャッター再閉鎖の旨を表示するだけではなく、シャッター自動開放により使用された家電製品が接続されている電源コンセント19a,19bを識別できるように、当該電源コンセント19a,19bに隣接して設けられた表示灯の点灯表示等の表示を行なうようにしてもよい。
【0048】
このようにして、家電製品、特に電気炊飯器などの水蒸気を発生する家電製品の使用を開始した場合、シャッター16が自動的に開放されるので、シャッターにより閉鎖された棚A2,A3内に家電製品の使用により水蒸気が溜ったり、結露したり或いはカビが発生することが効果的に防止される。
【0049】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で様々な形態で実施することができる。例えば、家電使用センサ19c,19dとして電流センサに代えて、家電製品の使用時に発生する熱や水蒸気を検出する温度センサ又は湿度センサを利用することも可能である。これにより、家電製品使用時には、家電製品の発熱による温度上昇を温度センサにより検出し、あるいは水蒸気による湿度上昇を湿度センサにより検出することで、家電製品の使用を検出することができる。
【0050】
さらに、上述した実施形態においては、棚Aのうち、最下段の棚A4は通常の扉付きの収納棚として構成されているが、これに限らず、システムキッチンで一般的に採用されている引出しを有する収納棚,扉無しの収納棚等の任意の形式の収納棚として構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による家電収納キャビネットの第一の実施形態の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す家電収納キャビネットの縦断面図である。
【図3】図1に示す家電収納キャビネットのシャッター閉鎖状態の概略斜視図である。
【図4】図1に示す家電収納キャビネットの電気的構成のブロック図である。
【図5】図1に示す家電収納キャビネットのシャッター検出手段の部分拡大図である。
【図6】図1に示す家電収納キャビネットのシャッター開閉制御装置の動作のフローチャートである。
【図7】従来の家電収納キャビネットの一例の構成を示す概略斜視図である。
【図8】図7の家電収納キャビネットの縦断面図である。
【符号の説明】
【0052】
7 送風装置
10 家電収納キャビネット
11a,11b 側板
12 天板
13 底板
14 背板
15 棚板
16 シャッター
16d モータ(駆動手段)
17 扉
19a,19b 電源コンセント
19c,19d 家電使用センサ
20 シャッター開閉制御装置
21 シャッター検出センサ
22 制御回路
23 アラーム装置
23a 警告灯
23b 警告ブザー
24 操作部
24a,24b 操作ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開放した家電収納用の棚と、この棚内に備えられた給電用の電源コンセントと、この棚の開放した前面を閉鎖し得るシャッターと、を含んでいる家電収納キャビネットであって、
上記電源コンセントに接続された家電製品の使用を検出する家電使用検出手段と、
上記シャッターを開閉する駆動手段と、
上記家電使用検出手段が家電製品の使用を検出したとき、上記駆動手段を作動させて上記シャッターを開放する制御手段と、
を設けたことを特徴とする、家電収納キャビネット。
【請求項2】
前記制御手段が、シャッター閉鎖を確認したときにのみ前記駆動手段を作動させて前記シャッターを開放することを特徴とする、請求項1に記載の家電収納キャビネット。
【請求項3】
シャッター開放を警告する警告手段を備えており、
前記制御手段が前記駆動手段の作動により前記シャッターを開放する前に、上記警告手段を作動させてシャッター開放を警告することを特徴とする、請求項1又は2に記載の家電収納キャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−325804(P2007−325804A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160340(P2006−160340)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(392008529)ヤマハリビングテック株式会社 (349)
【Fターム(参考)】