説明

容器ホルダー

【課題】あらゆるサイズの容器に対応させることで汎用性を高めつつも、容器をガタツキなく安定してしっかりと保持できる容器ホルダーを提供することができる容器ホルダーを提供する。
【解決手段】容器ホルダーHは、ペットボトルPの首部P3を係止する、首係止部1のほかに、人が携帯する際に、腰バンドなどに引っ掛ける係合フック2、この係合フック2から連なり首係止部1を一体化する帯状部3、さらに、首係止部1に一体的に設けた肩当接部4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるペットボトルや瓶のような液体を入れる容器を、人が携帯する際に用いる容器ホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料などの液体を持ち運ぶためにいわゆるペットボトルや瓶といった容器を使用することがあるが、ペットボトルや瓶には、通常取っ手等がないため携帯性が悪い。そこで、いわゆる「ペットボトルホルダー」という容器ホルダーを用いて、携帯することが知られている。
【0003】
この容器ホルダーには、容器全体を包むようにして保持する袋状のものや、容器の一部を把持等して保持するものがある。袋状のものは、容器の大きさに対応して製作する必要があるため大きなものになる場合が多い。また、容器の大きさに対応して製作するため異なるサイズの容器には同じものが使えず汎用性が低いという問題もある。
【0004】
一方、容器の一部を把持等して保持するものでは、こうした問題がなく容器ホルダー自体をコンパクトに構成でき、また異なるサイズの容器にも使える。もっとも、この容器の一部を把持等して保持するものは、様々なものが提案されており、例えば、下記特許文献1に記載されるものや、下記特許文献2に記載されるもの等が知られている。
【0005】
まず、特許文献1には、ペットボトルの首部と胴部をそれぞれ弾性変形可能な抱持部と係合部とによって把持・係合して、ペットボトルを保持するものが開示されている。また、特許文献2には、ペットボトルの首部に係合する孔部を設け、この孔部でペットボトルの首部を引っ掛けることで、ペットボトルを吊下げ保持するものが開示されている。さらに、この特許文献2の図2には、ペットボトルの首部に孔部を係合させやすいように、孔部を略ダルマ形状にしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−294240号公報
【特許文献2】特開2006−341923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ペットボトルや瓶等を容器ホルダーで保持する場合には、ガタツキを抑えて保持した方が、安定して容器をしっかりと保持できる。
【0008】
この点、特許文献1の容器ホルダーの場合、ペットボトルを首部と胴部の二か所で把持しているため、ガタツキなく安定してしっかりと保持できる。しかし、決められた所定の大きさの抱持部で、胴部を把持することから、胴部が太い場合には容器を差し込めず、また逆に胴部が細い場合には容器がガタついて把持できないという問題がある。このため、特許文献1の容器ホルダーでは、サイズが異なる容器を保持することができず汎用性が低いという問題がある。
【0009】
一方、特許文献2の容器ホルダーの場合、そもそも容器の胴部を把持しないため、どのような大きな容器にも使用することができ、汎用性は高い。しかし、容器の首部、一か所を孔部に引っ掛けて支持しているだけであるため、どうしても、容器の保持にガタツキが生じ、容器を安定してしっかりと保持できないという問題がある。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、あらゆるサイズの容器に対応させることで汎用性を高めつつも、容器をガタツキなく安定してしっかりと保持できる容器ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、蓋頭部と首部と胴部とを備える容器を保持する容器ホルダーであって、上記容器の首部に係合して容器を保持する首係止部と、該首係止部から伸びて、人が携帯しうる箇所に取り付けられる取付部とを備え、上記容器の首部と胴部の間の肩部に当接する傾斜面を有する肩当接部を、上記首係止部に設けたものである。
【0012】
上記の構成によれば、首係止部が容器の首部を係合保持して、首係止部から伸びる取付部が人の携帯できる箇所に取り付けられる。そして、首係止部に設けた肩当接部が容器の肩部に当接して容器を保持することになる。すなわち、容器ホルダーは、容器の首部を係合することで容器を保持しつつも、容器の肩部に対しても肩当接部が当接することで、容器のガタツキを抑えて容器を保持するのである。
【0013】
これにより、容器ホルダーは、容器のサイズに関わらず、容器を首部と肩部の複数個所で当接して保持することができるため、容器を確実にしっかりと保持できる。
【0014】
第2の発明は、上記首係止部が、上記首部を係合する小径孔部と上記蓋頭部を挿通させる大径孔部とからなる略ダルマ形状の開口孔を備えており、該開口孔の小径孔部の近接位置に、上記肩当接部を設けたものである。
【0015】
上記の構成によれば、首係止部の開口孔が略ダルマ形状となっているため、容器の首部を係合する際に、蓋頭部を大径孔部から挿通させて、首部を小径孔部側にスライド移動させるだけで、容器の首部を首係止部に簡単に係合させることができる。また、肩当接部が小径孔部に近接して設けられるため、首係止部の開口孔が略ダルマ形状であっても、小径孔部側で容器が保持されることにより、肩当接部に対して確実に容器の肩部を当接させることができ、容器の保持を確実に行うことができる。
【0016】
よって、首係止部への容器の係合作業を容易に行いながらも、肩当接部で容器のガタツキを防いで、容器の保持を確実に行うことができる。
【0017】
なお、また取付部との位置関係でも、取付部の反対側に肩当接部を設定する方が望ましい。このように設定することで、片持ち状態で傾いた容器を、しっかりと肩当接部に当接させることができるからである。
【0018】
第3の発明は、上記肩当接部を、上記開口孔の大径孔部と小径孔部の間に形成した凸部を避けた小径孔部側に設けたものである。
【0019】
上記の構成によれば、肩当接部が、大径孔部と小径孔部の間の凸部を避けて、小径孔部側に設けられるため、凸部の周囲では肩当接部がないことで剛性が低く、小径孔部の周囲では肩当接部があることで剛性が高くなる。
【0020】
このため、容器の首部を小径孔部に係合させる際には、凸部の位置が変化しやすくなる。一方、容器の首部を小径孔部に係合した後には、小径孔部の変形が生じにくくなる。
【0021】
よって、首係止部への容器の係合作業をより容易に行うことが可能になりつつも、首係止部での容器のガタツキ等を防ぐことができる。
【0022】
第4の発明は、上記取付部に折れ曲がり変形を許容する波形形状の変形許容部を設け、該変形許容部を上記開口孔の大径孔部の周囲まで設けたものである。
【0023】
上記の構成によれば、折れ曲がり変形を許容する変形許容部を設け、その変形許容部を波形形状で構成して大径孔部の周囲まで設けているため、取付部の変形が変形許容部で促進されて、首係止部等での局所的な変形を防いで応力集中を緩和できる。また、大径孔部の周囲まで波形形状があることで、逆に大径孔部の剛性を、高めることができる。
【0024】
よって、容器ホルダーの破損を防ぐとともに、波形形状を上手く利用して大径孔部の変形を抑えることができる。
【0025】
第5の発明は、前記首係止部の前記取付部が伸びる反対側には、上方に盛り上がる傾斜した頭部受け面を設けたものである。
【0026】
上記の構成によれば、容器を容器ホルダーで携帯する際には、取付部で片持ち状態で吊下げ保持するため、首係止部の取付部の反対側が相対的に下がった状態に傾く。このとき、首係止部の上面と容器の蓋頭部との間には隙間が生じる可能性があるが、頭部受け面を設けているため、この間には隙間が生じない。
【0027】
よって、容器ホルダーで容器を吊下げ保持する場合に、頭部受け面で隙間をなくして蓋頭部を支持できるため、ガタツキの発生を抑えて確実に容器を保持することができる。
【0028】
なお、上記の「蓋頭部」とは、容器の蓋部材そのものであっても良いし、容器側に設けたストッパーのフランジ部を含めた、容器の頭部全体であっても良い。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明によれば、容器ホルダーは、容器のサイズに関わらず、容器を首部と肩部の複数個所で当接保持することができるため、容器を確実にしっかりと保持できる。
【0030】
したがって、本発明の容器ホルダーは、あらゆるサイズの容器に対応させることで汎用性を高めつつも、容器をガタツキなく安定してしっかりと保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態1に係る容器ホルダーをペットボトルに係合した状態を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係る容器ホルダーの平面図である。
【図3】実施形態1に係る容器ホルダーの側面図である。
【図4】図2のA−A線矢視断面図である。
【図5】ペットボトルを吊下げ保持した状態の容器ホルダーを説明する説明図である。
【図6】実施形態2に係る容器ホルダーをペットボトルに係合した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。また、実施形態では容器の説明をペットボトルで行うが、本発明の容器は、これに限定されるものではなく、瓶など内部に液体等を入れておくものであれば何でもよい。
【0033】
図1は、本発明の実施形態1の容器ホルダーHを、ペットボトルPに装着した状態を示す図である。
【0034】
まず、容器ホルダーHで吊下げ保持するペットボトルPについて説明する。ペットボトルPは、図1に示すように、ボトル本体Paと蓋部材Pbで構成される。
【0035】
ボトル本体Paは、内部に所定容量の液体などを入れる大径の胴部P1を設けており、この胴部P1の上端から内方側にテーパ状に傾斜する肩部P2を設けている。そして、肩部P2の上方には、胴部P1より小径の首部P3を設けている。この首部P3の上側には、図示しないおねじ部を備えている。このおねじ部の下側には、蓋部材Pbのストッパーとなる環状のフランジ部P4を設けている。
【0036】
一方、蓋部材Pbは、ボトル本体Paのおねじ部と螺合し合う、図示しないめねじ部を内面に設けている。このめねじ部によって、蓋部材Pbはボトル本体Paに対して着脱自在になっている。
【0037】
容器ホルダーHは、こうして構成されるペットボトルPの首部P3を、首係止部1の開口孔11に係合することで、ペットボトルPを吊下げ保持するようにしている。
【0038】
この容器ホルダーHは、プラスチック製の一体成型品で構成しており、例えばABS樹脂等の合成樹脂で成形している。容器ホルダーHは、上記の首係止部1のほかに、人が携帯する際に腰バンドなどに引っ掛ける係合フック2、この係合フック2から連なり首係止部1までを一体化する帯状部3、さらに、首係止部1に一体的に設けられた肩当接部4とを備えている。
【0039】
図2、図3及び図4を使って、この容器ホルダーHについて、詳細に説明する。
【0040】
首係止部1は、図2に示すように、その中央に略ダルマ形状に開口する開口孔11を設けている。この開口孔11の略ダルマ形状は、大径孔部12の中心Nと小径孔部13の中心Qとを水平方向(図2の紙面で横方向)にオフセットさせることにより構成している。
【0041】
小径孔部13は、ペットボトルの首部P3の径(例えば27.0mm)よりもやや大きな径d1(例えば27.5mm)に設定して、大径孔部12は蓋部材Pbの径(例えば32.0mm)より大きな径d2(例えば34.0mm)に設定している。
【0042】
このように首係止部1の開口孔11を略ダルマ形状にすることで、大径孔部12においてペットボトルPの蓋部材Pbを下方から挿通させて、この挿通させたペットボトルPを横方向にスライド移動させることで、小径孔部13に対してペットボトルPの首部P3を嵌め込むことができる。
【0043】
また、首係止部1の開口孔11の寸法を上記のような寸法にすることで、あらゆる種類やサイズのペットボトルを吊上げ保持することができる。なぜなら、市販のペットボトルの首部Pbと蓋部材P3の大きさがほぼ全て統一されているからである。
【0044】
さらに、大径孔部12と小径孔部13との間には、各円弧によって内方に突出した凸部14,14が対向して二つ形成されている。この凸部14,14は、首部P3を小径孔部13に、嵌め込んだり取り外したりする際の分節点となって、嵌め込み操作や取り外し操作の際の節度感を出している。
【0045】
また、開口孔11の周縁には、立縁部15が立設されており、この立縁部15の上面には、ペットボトルPのフランジ部P4に当接する受け面15aを設けている。このうち小径孔部13側の受け面には、図3に示すように、例えば、約5°の傾斜角θがついた傾斜受け面16を設けている。
【0046】
このような、傾斜受け面16を設けているため、後述するようにペットボトルPを吊下げ保持する際には、片持ち状態でペットボトルPが傾いたとしても、ペットボトルPのフランジ部P4に立縁部15が隙間なく当接することになり、首部P3でのガタツキを抑えることができる。
【0047】
係合フック2は、図2に示すように、楕円形状の一部を切欠いた異形のフック形状で構成して、切欠き部分21から腰ベルト等の帯状体Z(図5参照)を通すことにより、その帯状体Zに係合フック2を、引っ掛けるようにしている。なお、この係合フック2を引っ掛ける場所は、腰ベルト等の帯状体Zに限定されるものではなく、鞄などの手提げ部分や肩紐部分など紐やロープ状のもの、さらにはズボンやスカートの上縁など、ペットボトルPを人が携帯するのに便利な「場所」や「もの」であればよい。
【0048】
この係合フック2には、ペットボトルPの重みが全て作用するため、できるだけ剛性を高めるように肉厚で構成されている。そして、図4に示すように、その断面21は、略U字形状断面に構成されている。
【0049】
帯状部3は、図2に示すように、係合フック2と首係止部1を一体化するように、両者間で水平方向に伸びている。このうち、係合フック2側には、切欠き部分21に対応する凹み部31が形成されている。また、中央位置にはデザイン性を高めるために、例えばハート形開口32が形成されている。
【0050】
この帯状部3は、図3、図4に示すように、他の部位よりやや薄肉に構成されている。これは、この帯状部3で折れ曲がり変形を許容するためである。この帯状部3が折れ曲がり変形することで、ペットボトルPの携帯位置(吊下げ位置)を、使用者が自由に決めることができ、容器ホルダーHの携帯性を高めることができる。
【0051】
特に、首係止部1側には、大きな折れ曲がり変形を許容する変形許容部33が設けられている。この変形許容部33は、帯状部3に直交する方向に延びる凹凸状の略波形形状(図3参照)で構成しており、広い範囲、具体的には、帯状部3の中央位置から首係止部1の大径孔部12の中央位置まで設けている。
【0052】
この変形許容部33があることで、帯状部3の折り曲げ変形がさらに生じやすくなり、係合フック2や首係止部1での、拗れ変形等をなくすことができる。
【0053】
一方、この変形許容部33が首係止部1の大径孔部12の周囲にまであることで、大径孔部12の立縁部15の剛性が高まる。すなわち、図3に示すように、大径孔部12の立縁部15に対して変形許容部33が波形形状で一体化されるため、変形許容部33が立縁部15の補強をすることになり、立縁部15の剛性が高まるのである。
【0054】
これに対して、大径孔部12から小径孔部13側に伸びる周縁リブ部17では、波形形状などが形成されていないため、この部分の立縁部15は補強されない。このため、この内側にある凸部14,14は位置が変化しやすくなり、ペットボトルPの首部P3を、小径孔部13に嵌め込んだり取り外したりする際の作業を容易に行うことができる。
【0055】
肩当接部4は、帽子のツバのように、首係止部1から斜め下方位置に伸びる略ヒサシ形状の傾斜面を有する平板部位で構成している。そして、この肩当接部4が後述するように、ペットボトルPの肩部P2に当接することで、ペットボトルPをしっかりと保持するように構成している。
【0056】
肩当接部4は、図4に示すように、例えば、45°の傾斜角αで下向きに傾斜するように設定している。このように設定することで、肩当接部4があらゆる種類やサイズのペットボトルPの肩部P2に対して確実に当接するようになる。
【0057】
この肩当接部4は、厚みtが薄いものの、小径孔部13の周縁に一体的に設けられ、肩当接部4自体で略円錐面を構成するように設定されているため、比較的剛性が高い。このように肩当接部4の剛性が高いことから、肩当接部4は、ペットボトルPが揺動してペットボトルPから大きな荷重を受けても、簡単には変形しない。
【0058】
また、肩当接部4は、図2に示すように、その端部41の位置からわかるように小径孔部13までしか設定されず、凸部14,14までは設定されていない。このため、小径孔部13の周縁が肩当接部4によって補強されて、その形状が確実に保持される。一方、凸部14,14では剛性が高まらないため、前記したペットボトルPの首部P3の、小径孔部13への嵌め込みや取り外し作業が困難になるのを防ぐことができる。
【0059】
次に、このように構成される容器ホルダーHの使用状態及び作用について、図5で説明する。この図5に示すように、容器ホルダーHは、ペットボトルPの首部P3を首係止部1に係合させて、ペットボトルPの肩部P2を肩当接部4に当接させて、吊下げ保持をする。
【0060】
また、この容器ホルダーHでペットボトルPを吊下げ保持する場合には、係合フック2一点で片持ち支持することになるため、ペットボトルPはやや係合フック2側(図5では右側)を上方にして傾いた状態で保持される。そして、この傾いた状態のペットボトルが容器ホルダーHの肩当接部4によって、傾き方向の挙動(図5の矢印で示す時計廻り方向の挙動)が抑えられると共に、ペットボトルPの肩部P2がシッカリと保持される。
【0061】
こうして、容器ホルダーHは、ペットボトルPの肩部P2も保持することで、首部P3だけでなく、肩部P2でもペットボトルPを保持するため、ペットボトルPを安定して保持することができる。
【0062】
また、この容器ホルダーHは、二点鎖線で示すように、より大きなサイズのペットボトルP´を吊下げ保持する場合においても、肩当接部4が確実にペットボトルP´の肩部P´2に当接して、肩部P´2を保持する。
【0063】
よって、この容器ホルダーHによると、大きなサイズのペットボトルP´であっても安定してしっかりと保持できる。
【0064】
なお、ペットボトルPの肩部P2は、どのような大きさ・サイズのペットボトルであっても必ず傾斜しているため、この肩当接部4でほぼ全てのペットボトルが当接することになる。
【0065】
以上のように、本実施形態の容器ホルダーHでは、ペットボトルPの首部P2を首係止部1で係合することでペットボトルPを保持して、ペットボトルPの肩部P2に対しても、肩当接部4が当接保持することで、ペットボトルPのガタツキを抑えることができる。
【0066】
そして、この容器ホルダーHでは、ペットボトルPのサイズに関わらず、ペットボトルPを首部P3と肩部P2の複数個所で当接保持できるため、ペットボトルPを確実に保持できる。
【0067】
よって、本実施形態の容器ホルダーHによると、あらゆるサイズのペットボトルPに対応することで汎用性を高めつつも、ペットボトルPをガタツキなく安定して保持できる。
【0068】
また、本実施形態の容器ホルダーHでは、首係止部1の開口孔11が略ダルマ形状であり、その開口孔11の小径孔部13の隣接位置に肩当接部4を設けている。
【0069】
これにより、ペットボトルPの首部P3を係止する際に、容易に係合操作を行うことができつつも、肩当接部4にペットボトルPの肩部P2を当接させることができる。
【0070】
よって、ペットボトルPの係合作業を容易にしながらも、肩当接部4でペットボトルPのガタツキを防いで、ペットボトルPの保持を確実に行うことができる。
【0071】
また、本実施形態の容器ホルダーHは、肩当接部4を、凸部14,14の位置を避けた位置の小径孔部13側に設けている。
【0072】
これにより、凸部14,14の周囲では肩当接部4がなく剛性が低くなり、小径孔部13の周囲では肩当接部4が存在することで剛性が高くなる。このため、首係止部1の小径孔部13にペットボトルPの首部P3を嵌め込んだり取り外したりする際に、凸部14,14が容易に変位するため、嵌め込み操作や取り外し操作を容易に行える。また、ペットボトルPの首部P3を小径孔部13に係合した際には、小径孔部13の剛性が高く、変形が生じにくいため、ペットボトルPのガタツキを防ぐことができる。
【0073】
また、本実施形態の容器ホルダーHは、肩当接部4を係合フック2の反対側位置に設けている。
【0074】
これにより、係合フック2で片持ち状態で支持されて傾くペットボトルPが、反対側に設けられた肩当接部4で、確実に当接保持されることになり、肩当接部4の機能を確実に発揮させることができる。
【0075】
また、本実施形態の容器ホルダーHは、帯状部3に波形形状の変形許容部33を設け、この変形許容部33を大径孔部12の周囲まで設けている。
【0076】
これにより、変形許容部33が帯状部3の変形を促進して、首係止部1や係合フック2での局所的な変形を防いで応力集中を緩和する。一方、大径孔部12の周囲まで波形形状があることで、大径孔部12の剛性は高めることができる。
【0077】
よって、容器ホルダーHの破損を防ぐとともに、波形形状を上手く利用して大径孔部12の変形を抑えることができる。
【0078】
また、本実施形態の容器ホルダーHは、首係止部1の帯状部3が伸びる反対側に、上方に盛り上がる傾斜受け面16を設けている。
【0079】
これにより、ペットボトルを吊下げ保持した際に、首係止部1の帯状部3の反対側が相対的に下がって傾斜したとしても、傾斜受け面16があることで、首係止部1とペットボトルPのフランジ部P4との間には隙間が発生しない。
【0080】
よって、ペットボトルPが片持ち支持で吊下げ保持された場合であっても、ガタツキの発生を抑えて、確実にペットボトルPを保持することができる。
【0081】
次に、図6によって、実施形態2の容器ホルダーH´について説明する。実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
この容器ホルダーH´も、実施形態1の容器ホルダーHと同様に、首係止部1、係合フック2、帯状部3、それに肩当接部104とで構成している。
【0083】
この容器ホルダーH´では、肩当接部104の表面に、デザイン状のアクセントとして、ゴルフボール表面のようにディンプル状の複数の陥没部105、105…と、その上側に位置する花びら状の4つの隆起部106,106…と、を設けており、特に、この隆起部106の一部は、肩当接部104の外縁104aよりも外側に突出するように形成されている。
【0084】
このように、肩当接部104の表面に、ディンプル状の陥没部105と花びら状の隆起部106を設けることによって、容器ホルダーH´が華やかになり、単なる実用品ではなく、アクセサリ品として使用することができる。特に、この肩当接面104の装飾に着色を施すと、よりオシャレな携帯品にすることができる。
【0085】
また、こうした陥没部105と隆起部106を設けることで、何も設けていない実施形態1の肩当接部4よりも、肩当接部104の表面剛性が高まる。このため、ペットボトルPから荷重を受けた際の肩当接部104の変形もより抑えることができる。
【0086】
なお、この肩当接部104の表面のデザインは、これに限定されるものではなく、様々なものが考えられる。例えば、動物や人、さらには装飾品などを設けてもよい。さらに、企業名や人名など刻刷表示して、ノベルティー商品として使用してもよい。
【0087】
以上、実施形態を説明してきたが、本発明は、その目的の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜、変更をしてもよい。
【0088】
なお、以上の実施形態では、容器ホルダーH、H´を一体物で構成したが、係合フックと首係止部を別体に構成して、この両者を紐やチェーン等の別の部材で連結してもよい。また、係合フックを設けずに、単に帯状体だけで構成してもよい。
【0089】
さらに、肩当接部も、これら実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、略針金状で外周縁部だけで肩当接部を構成して、内部を空間(穴)としたものであってもよい。
【0090】
また、肩当接部は、首係止部の周囲に環状に広がるドーナツ形状にしてもよい。この場合には、ペットボトルがどのような方向に傾いても、確実にペットボトルの肩部を保持できる。
【0091】
さらに、肩当接部を、ラバー部材等で構成して、弾性変形するように構成してもよい。この場合には、ペットボトルの肩部との密着力を高めることができる。
【0092】
加えて、この肩当接部を、首係止部に対して着脱自在となるように構成してもよい。この場合には、携帯する人の気分等によって、複数の肩当接部を切り替えて使うことができる。
【0093】
また、首係止部も、上述のような開口孔ではなく、一部を開放した略J字形状のフック状であってもよい。さらに、弾性変形するような部材で構成してもよいし、一部を開閉自在にしたリング部材で構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上説明したように、本発明にかかる容器ホルダーによれば、ペットボトルや瓶等の容器を人が携帯する際において、適用できる。
【符号の説明】
【0095】
H 容器ホルダー
H´ 容器ホルダー
P ペットボトル
P2 肩部
P3 首部
1 首係止部
2 係合フック(取付部)
3 帯状部(取付部)
4 肩当接部
11 開口孔
12 大径孔部
13 小径孔部
14 凸部
16 傾斜受け面(頭部受け面)
33 変形許容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋頭部と首部と胴部とを備える容器を保持する容器ホルダーであって、
上記容器の首部に係合して容器を保持する首係止部と、
該首係止部から伸びて、人が携帯しうる箇所に取り付けられる取付部とを備え、
上記容器の首部と胴部の間の肩部に当接する傾斜面を有する肩当接部を、上記首係止部に設けた
ことを特徴とする容器ホルダー。
【請求項2】
上記首係止部が、上記首部を嵌め込む小径孔部と上記蓋頭部を挿通させる大径孔部とからなる略ダルマ形状の開口孔を備えており、
該開口孔の小径孔部の近接位置に、上記肩当接部を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の容器ホルダー。
【請求項3】
上記肩当接部を、上記首係止部の開口孔の大径孔部と小径孔部の間に形成される凸部を避けて、小径孔部側に設けた
ことを特徴とする請求項2記載の容器ホルダー。
【請求項4】
上記取付部には、折れ曲がり変形を許容する波形形状の変形許容部を設け、
該変形許容部を上記開口孔の大径孔部の周囲まで設けた
ことを特徴とする請求項1乃至3記載の容器ホルダー。
【請求項5】
前記首係止部の前記取付部が伸びる位置の反対側上面には、上方に盛り上がる傾斜した頭部受け面を設けた
ことを特徴とする請求項1乃至4記載の容器ホルダー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−153419(P2012−153419A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16258(P2011−16258)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(511025787)株式会社ティエス (1)
【Fターム(参考)】