説明

容器処理装置、および容器処理システム

【課題】 ガス缶等の容器内に多量の圧縮された可燃性ガスが残留している場合であっても、安全かつ効率的に容器を処理可能な容器処理装置を得る。
【解決手段】 LPガスが封入されたガス缶が、少なくとも1つ以上収容される収容部52と、ガス缶からLPガスを収容部52内に拡散させる破砕部55と、拡散したガスを、収容室Sから抜き取るための開口部108とを備え、収容部52が耐圧性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LPガス等の圧縮されたガスが封入された容器を処理するための容器処理装置、および容器処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、石油精製工程で副生するプロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン等の低分子炭化水素を主成分とするガスを常温で圧縮することによって、液化石油ガス(LPG(liquefied petroleum gas))が生成されている。この液化石油ガスは、液化させる前の気体の状態と比較して体積が非常に小さくなるため、輸送に適している。このため、工業用のほか、軽量ボンベ(以下、ガス缶と称する)につめて家庭用燃料としても広く用いられる。
【0003】
例えば、可搬式のガスコンロ(いわゆるカセットコンロ)用のガス缶には、液化石油ガスが(以下、LPガスと称する)貯蓄されている。また、液体・粉末などの内容物を霧状に噴出させるエアゾール缶、あるいは、液体を霧状にして吹きつけるスプレー缶等においても、LPガスが貯蓄されている。
【0004】
そして、このようなLPガスが含まれたガス缶に関しては、通常、ガス缶の中に残留しているLPガスを大気中に気体として拡散(放出)させた後に、廃棄することが求められている。しかしながら、現実には、ガス缶の内部にLPガスが或る程度残留した状態で、ガス缶が廃棄されている。
【0005】
また、上記ガス缶の処理を行う廃棄物処理装置では、該処理装置内のガス缶処理室において、まず、回転刃等を用いてガス缶に穴を開けたり、あるいは、ガス缶を切断したりして、LPガスをガス缶内部から外部へ気体として拡散させている。そして、その後、上記ガス缶処理室においてガス缶を圧潰処理している。
【0006】
ところで、このようにガス缶に穴を開ける際や切断する際に、ガス缶の内部にLPガスが残留していると、以下のような問題が生じる。
【0007】
プロパンガスやブタンガスのように液化処理されるガスは可燃性のガスである。また、ガス缶に穴を開けるや切断する際には、摩擦熱や火花が生じる。このため、酸素が或る程度存在する条件下では、ガス缶処理室において、残留LPガスが気化することにより生じる可燃性ガスが上記摩擦熱や火花により爆発してしまうおそれがある。
【0008】
このため、特許文献1〜3では、まず、ガス缶処理室に存在する気体を不活性ガスで置換した後、ガス缶に穴を開けたり切断したりして、ガス缶から残留LPガスを取り出す構成が開示されている。これにより、上記LPガスの爆発を防止している。また、特許文献3では、さらに、残留LPガスを抜く処理と、ガス缶を破砕する処理を一度に実行可能な処理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−61344号公報(平成12年2月29日公開)
【特許文献2】特開2000−61345号公報(平成12年2月29日公開)
【特許文献3】特開2002−204979号公報(平成14年7月23日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
LPガスをガス缶処理室に拡散させた場合、大量のLPガスが気化するため、ガス缶処理室の気圧は増加する。しかしながら、従来の処理装置では、ユーザが使用した後の廃棄ガス缶の残留LPガスを抜き取り対象としているため、ガス缶処理室の気圧の増加は軽微なものとなる。また、従来の処理装置においては、ガス缶処理室に拡散される残留LPガスの量が少なく、かつ、ガス缶処理室の気体を不活性ガスで置換しているため、LPガスが気化することにより生じる可燃性ガスの爆発は起こらないことを前提に処理装置の設計がなされていると考えられる。
【0010】
このため、従来の処理装置では、ガス缶処理室を構成する構成部材の耐圧性に関しては特段考慮されていない。
【0011】
ところで、上記ガス缶においては、安全性の面を考慮し、通常、使用期限が設定されている。このため、製造メーカ等では、使用期限が経過した後は、未使用のガス缶を処理する必要が生じる。また、ガス缶の製造時においては、ラベルの印刷ミス等により、LPガスが十分に充填された状態の未使用の不良品も発生する。この場合にも、未使用のガス缶を処理する必要が生じる。しかしながら、このようなガス缶には多量のLPガスが残留しているため、ガス缶からLPガスを抜き取るには時間と手間とを要する。そこで、このような多量のLPガスが残存しているガス缶を効率良く処理する装置が望まれる。
【0012】
しかしながら、従来の装置を用いて、このようなガス缶を処理すると、以下の問題が生じる。
【0013】
ガス缶に穴等を開けてLPガスをガス缶処理室に拡散させると、ガス缶処理室には、LPガスが気化することにより生じる可燃性ガスが充満する。特に、多量のガス缶に穴を開けると、上記可燃性ガスが大量に充満する。このため、万が一、この可燃性ガスが爆発した場合、ガス缶処理室から外部へ該可燃性ガスが漏たり、ガス缶処理室を構成する構成部材が爆風で吹き飛ばされるおそれがある。そのため、従来の処理装置では、多量のLPガスが残存しているガス缶を安全に処理することができないという問題点を有している。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス缶等の容器内に多量の圧縮された可燃性ガスが残留している場合であっても、安全かつ効率的に容器を処理可能な容器処理装置および容器処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る容器処理装置は、上記の課題を解決するために、少なくとも圧縮された可燃性ガスが封入された容器が、少なくとも1つ以上収容される収容手段と、前記容器から前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させる拡散手段と、前記拡散した可燃性ガスを、前記収容手段内から抜き取るための開口部とを備え、前記収容手段が耐圧性を有することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、収容手段には、少なくとも圧縮された可燃性ガスが封入された容器が、少なくとも1つ以上収容される。また、拡散手段により、前記容器から前記圧縮された可燃性ガスを収容手段内に拡散させることができる。
【0017】
ところで、容器内の圧縮された可燃性ガスを収容手段内に拡散させるためには、少なくとも容器の内部から外部へ前記圧縮された可燃性ガスを放出させるための流路を形成する必要がある。このため、拡散手段による流路の形成時に摩擦熱や火花が発生し、その結果、収容手段内に拡散した可燃性ガスが爆発するおそれがある。特に、容器内に圧縮された可燃性ガスが多量に残留している場合には、爆発時に生じる爆風の風圧が高くなる。
【0018】
しかしながら、収容手段は耐圧性を有しているため、上記爆発が起こった場合であっても、収容手段からのガス漏れや収容手段の破壊といった事故が発生することはない。
【0019】
また、前記拡散した可燃性ガスを、開口部を介して、前記収容手段内から抜き取ることができる。それゆえ、収容手段内の気圧を下げることができる。また、ガスを抜き取るため、新たな容器を処理可能となる。
【0020】
したがって、容器内に多量の圧縮された可燃性ガスが残留している場合であっても、安全かつ効率的に容器を処理可能な容器処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る容器処理装置は、上記の容器処理装置において、前記拡散手段は、前記容器に穴を開けることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、拡散手段は、前記容器に穴を開ける。したがって、前記容器から前記圧縮された可燃性ガスを収容手段内に拡散させることができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明に係る容器処理装置は、上記の容器処理装置において、前記拡散手段は、前記容器を破砕することを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、拡散手段は、前記容器を破砕する。したがって、前記容器から前記圧縮された可燃性ガスを収容手段内に拡散させることができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明に係る容器処理装置は、上記の容器処理装置において、前記容器は、ガス缶であることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、容器は、ガス缶である。また、通常、上記容器は、取り扱いの利便性、および安全性等を考慮し、ガス缶として製造されている。したがって、このように数多く生産されているガス缶から、前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させることができるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明に係る容器処理装置は、上記の容器処理装置において、前記容器は、圧縮された可燃性ガスが未使用の容器であることを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、前記容器は、圧縮された可燃性ガスが未使用の容器である。したがって、多量の圧縮された可燃性ガスが残留している容器を、処理対象とすることができるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の課題を解決するために、上述した容器処理装置と、前記収容手段内の空気を吸引する吸引装置とを備えることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、吸引装置により、前記収容手段内の空気を吸引できる。それゆえ、圧縮された可燃性ガスの拡散前に収容手段内の空気を吸引することにより、圧縮された可燃性ガスの拡散前に収容手段内の酸素濃度を低下させることができる。したがって、上記摩擦熱による拡散した可燃性ガスの爆発を防止することができるという効果を奏する
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の容器処理システムにおいて、前記収容手段に不活性ガスを注入する注入装置を備えることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、注入装置により、前記収容手段内に不活性ガスを注入することができる。また、不活性ガスは反応性に乏しい気体である。したがって、少なくとも圧縮された可燃性ガスの拡散前に不活性ガスを注入することにより、上記摩擦熱や火花による可燃性ガスの爆発を防止しつつも、収容手段内の気圧を所望とする値に保った状態で前記圧縮した可燃性ガスを収容手段内に拡散することができるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の容器処理システムにおいて、前記注入装置は、前記空気の吸引後に、前記不活性ガスを注入することを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、注入装置により、前記空気の吸引後に、前記不活性ガスが注入される。つまり、収容手段の気圧が下がった後に、不活性ガスが注入される。
【0034】
それゆえ、不活性ガスの注入時に、不活性ガスの注入圧をあまり高くする必要がなくなる。したがって、簡易な構成で不活性ガスを収容手段に注入することができるという効果を奏する。
【0035】
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の容器処理システムにおいて、前記収容手段内の酸素濃度を測定する濃度測定装置を備え、前記酸素濃度が所定値未満となった場合に、前記拡散手段が、前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させる拡散処理を開始することを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、濃度測定装置により、収容手段内の酸素濃度を測定することができる。また、酸素濃度が所定値未満となった場合に、前記拡散手段により、前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させる拡散処理が開始される。
【0037】
したがって、爆発の危険性の少ない環境下で、容器から前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させることが可能となるという効果を奏する。
【0038】
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の容器処理システムにおいて、前記濃度測定装置は、収容手段内の複数の高さの位置の酸素濃度を測定し、測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値未満となった場合に、前記拡散手段が前記拡散処理を開始することを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、前記濃度測定装置により、収容手段内の複数の高さの位置の酸素濃度が測定される。また、測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値未満となった場合に、前記拡散手段による前記拡散処理が開始される。
【0040】
ところで、収容手段内には、可燃性ガス、不活性ガス、および、空気(主として、窒素および酸素)が混在している。また、可燃性ガス、不活性ガス、上記窒素、および酸素の分子の重さ(つまり、分子量)は、それぞれ異なる。
【0041】
それゆえ、酸素の濃度は、少なくとも測定位置の高さが異なれば、異なった値となる。そのため、ある高さの位置で酸素濃度が所定値未満となった場合であっても、他の高さの位置では、酸素濃度が所定値以上となる場合がある。したがって、このような場合には、可燃性ガスが爆発するおそれがある。
【0042】
しかしながら、上述したように、測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値未満となった場合に拡散処理を行うことにより、可燃性ガスが爆発することを防止することができる。
【0043】
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の容器処理システムにおいて、前記収容手段内の気圧を測定する気圧測定装置を備え、前記収容手段内の気圧が所定値以上となった場合、前記拡散手段が、前記拡散処理を停止することを特徴としている。
【0044】
上記の構成によれば、気圧測定装置により、収容手段内の気圧を測定することができる。また、前記収容手段内の気圧が所定値以上となった場合に、拡散手段により前記拡散処理を停止させることができる。
【0045】
それゆえ、収容手段の気圧が所定値以上となることを防止できる。したがって、安全な容器処理システムを提供することができるという効果を奏する。
【0046】
また、本発明に係る容器処理システムは、上記の容器処理システムにおいて、前記容器処理装置の開口部から前記拡散した可燃性ガスを抜き取ると共に、前記抜き取った可燃性ガスを圧縮処理する圧縮処理装置を備えることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、圧縮処理装置により、容器処理装置の開口部から前記拡散した可燃性ガスを抜き取れると共に、この抜き取った可燃性ガスを圧縮処理することができる。つまり、ガス缶に圧縮された状態で封入されていた可燃性ガスを、ガス缶から放出後、再度圧縮した状態とすることができる。
【0048】
それゆえ、ガス缶に封入されていた可燃性ガスを再利用できると共に、ガス缶から放出された後に、再度可燃性ガスの体積を小さくできる。したがって、可搬性に優れた状態として、ガス缶に封入された可燃性ガスを回収できるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0049】
本発明に係る容器処理装置は、以上のように、少なくとも圧縮された可燃性ガスが封入された容器が、少なくとも1つ以上収容される収容手段と、前記容器から前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させる拡散手段と、前記拡散した可燃性ガスを、前記収容手段内から抜き取るための開口部とを備え、前記収容手段が耐圧性を有する構成である。
【0050】
したがって、容器内に多量の圧縮された可燃性ガスが残留している場合であっても、安全かつ効率的に容器を処理可能な容器処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0052】
本実施の形態に係るガス缶処理システム(容器処理システム)1は、図2に示すとおり、窒素注入装置(注入装置)2、酸素濃度測定装置(濃度測定装置)3、気圧測定装置4、ガス缶処理装置(容器処理装置)5、空気吸引装置(吸引装置)6、ガス燃焼装置7、および圧縮ガス製造装置(圧縮処理装置)8を備えている。また、窒素注入装置2は、窒素貯蔵タンク21、窒素気化装置22、および窒素貯蔵タンク23を備えている。
【0053】
ガス缶処理装置5は、図1に示すとおり、操作部51、収容部(収容手段)52、ガス管53a〜53d、流路開閉部54a〜54d、破砕部(拡散手段)55、および案内部56を備えている。また、収容部52は、扉101、扉102、ガス缶投入口103、ガス缶取出口104、および開口部105〜108を備えている。さらに、案内部56は、図3に示すとおり、開口部111と傾斜面112とを備えている。また、ガス缶処理装置5は、図4に示すとおり、制御部57を備えている。なお、以下では、収容部52内の空間を収容室S(収容手段内)と称する。なお、開口部108が特許請求の範囲に記載の開口部に該当する。
【0054】
ガス燃焼装置7は、図2に示すとおり、ガス回収装置71、空気圧縮機72、空気貯蔵タンク73、およびガス燃焼炉74を備えている。また、圧縮ガス製造装置8は、分離タンク81、ガス回収用圧縮機82、ガス液化用冷却機83、ガス回収タンク84、および回収管85を備えている。さらに、分離タンク81は、吸引口81a、排出口81b、および廃液取出口81cを備えている。また、ガス回収タンク84は、開口部84aを備えている。
【0055】
なお、本実施の形態では、ガス缶処理システム1が、LPガスが含まれたガス缶を処理する場合を例に挙げて説明する。また、上記LPガスが、少なくとも、エチレンおよび主成分であるブタンとを液化した状態で含んでいるとして説明する。さらに、以下では、気化した状態のエチレンとブタンとを、それぞれ、エチレンガスとブタンガスと称し、液化した状態のエチレンとブタンとを、それぞれ、液化エチレンと液化ブタンと称する。なお、単に「エチレン」と記載した場合、あるいは、単に「ブタン」と記載した場合には、液化された状態および気化した状態の両方を含むものとする。
【0056】
窒素注入装置2の窒素貯蔵タンク21は、液化窒素を貯蔵している。窒素気化装置22は、窒素貯蔵タンク21の液化窒素を取得し、この取得した液化窒素を気化させる。その後、窒素気化装置22は、気化した窒素(以下、窒素ガスと称する)を窒素貯蔵タンク23に送る。その結果、窒素貯蔵タンク23は、窒素ガスが蓄積される。窒素貯蔵タンク23には、例えば200KPa(つまり、略2atm)の窒素ガスが蓄積される。そして、窒素貯蔵タンク23に蓄積された窒素ガスは、上記収容室Sに注入される。なお、窒素ガスの注入経路および注入タイミングについては、後述する。
【0057】
酸素濃度測定装置3は、収容室Sにおける酸素濃度を、リアルタイムに測定する。そして、測定した酸素濃度の情報(以下、濃度情報)を、ガス缶処理装置5の制御部57に送る。
【0058】
気圧測定装置4は、収容室Sにおける気圧を、リアルタイムに測定する。そして、測定した気圧の情報(以下、気圧情報)を、ガス缶処理装置5の制御部57に送る。
【0059】
次に、ガス缶処理装置5の各構成部材について説明する。
【0060】
操作部51は、ユーザからの入力を受け付ける。ユーザからの入力としては、少なくとも、ガス缶処理装置5の稼動指示および停止指示が挙げられる。そして、操作部51は、ユーザからの指示を受け付けた場合、上記各指示を示した情報(以下、指示情報)を制御部57に送る。
【0061】
制御部57は、図4に示すとおり、操作部51からの指示情報を受け付ける。また、制御部57は、酸素濃度測定装置3から濃度情報を、気圧測定装置4から気圧情報を受け付ける。さらに、制御部57は、上記受け付けた情報に基づいて、流路開閉部54a〜54dに対して、それぞれ別々に、流路の開放を指令する開放指令情報、および、流路の閉鎖を指令する閉鎖指令情報を送る。
【0062】
また、制御部57は、上記受け付けた情報に基づいて、破砕部55、空気吸引装置6、ガス燃焼装置7のガス回収装置71、および圧縮ガス製造装置8のガス回収用圧縮機82に対して、それぞれ別々に、稼動を指令する稼動指令情報および稼動停止を指令する停止指令情報を送る。さらに、制御部57はタイマ(図示せず)を備えており、破砕部55に上記稼動指令情報を送った時点(つまり、破砕部55が稼動した時点)から、時間の計測を始める。
【0063】
また、制御部57は、流路開閉部54aに対して上記開放指令情報を送信する場合は、同時に、空気吸引装置6に対して稼動指令情報を送信する。また、上記流路開閉部54aに対して上記閉鎖指令情報を送信する場合は、同時に、空気吸引装置6に対して停止指令情報を送信する。
【0064】
さらに、制御部57は、流路開閉部54cに対して上記開放指令情報を送信する場合は、同時に、ガス回収装置71に対して稼動指令情報を送信する。また、上記流路開閉部54cに対して上記閉鎖指令情報を送信する場合は、同時に、ガス回収装置71に対して停止指令情報を送信する。
【0065】
また、制御部57は、流路開閉部54dに対して上記開放指令情報を送信する場合は、同時に、ガス回収用圧縮機82に対して稼動指令情報を送信する。また、上記流路開閉部54dに対して上記閉鎖指令情報を送信する場合は、同時に、ガス回収用圧縮機82に対して停止指令情報を送信する。
【0066】
なお、上記各指令情報の送信のタイミングについては、後述する。
【0067】
収容部52は、ガス缶を、少なくとも1本以上収容する。なお、収容部52の収容室Sは、少なくとも数十本のガス缶を収容可能な広さを有していることが好ましい。また、収容部52は、収容室Sの気圧上昇に対する耐圧性を有している。具体的には、収容部52は、収容室Sの気圧が少なくとも1MPa(つまり略10atm)に達しても、収容室Sからのガス漏れや収容部52の破壊が起こらない耐圧構造を有している。
【0068】
収容部52の扉101は、図1に示すとおり、該扉101が閉じている場合にはガス缶投入口103を覆う一方、扉101が開いている場合には収容室Sと収容部52の外部とを連通させる。また、ガス缶投入口103は、ユーザがガス缶を投入するための開口であり、収容部52の上部に設けられている。
【0069】
収容部52の扉102は、該扉102が閉じている場合にはガス缶取出口104を覆う一方、扉102が開いている場合には収容室よ収容部52の外部とを連通させる。また、ガス缶取出口104は、ユーザが、破砕部55で処理された後のガス缶を取り出すための開口であり、収容部52の下部に設けられている。
【0070】
開口部105は、収容部52の上部に設けられており、収容室Sの空気を収容室Sの外部へ放出するための開口である。また、この開口部105にはガス管53aが接続されている。さらに、ガス管53aは、開口部105と反対側の端部において、流路開閉部54aと接続されている。
【0071】
流路開閉部54aは、制御部57から上記開放指令情報および閉鎖指令情報を受け付ける。そして、流路開閉部54aは、開放指令情報を受け付けた場合、上記空気の流路を開き、閉鎖指令情報を受け付けた場合、上記空気の流路を閉じる。また、流路開閉部54aは、空気の移動が可能なように、空気吸引装置6と接続されている。
【0072】
一方、流路開閉部54bは、窒素ガスの移動が可能なように、窒素注入装置2の窒素貯蔵タンク23と接続されている。また、流路開閉部54bは、制御部57から上記開放指令情報および閉鎖指令情報を受け付ける。そして、流路開閉部54bは、開放指令情報を受け付けた場合、上記窒素ガスの流路を開き、閉鎖指令情報を受け付けた場合、上記窒素ガスの流路を閉じる。
【0073】
また、流路開閉部54bは、ガス管53bと接続されている。さらに、ガス管53bは、流路開閉部54bと反対側の端部において、開口部106と接続されている。したがって、ガス缶処理装置5は、窒素貯蔵タンク23に蓄積された窒素ガスを、流路開閉部54b、ガス管53b、および開口部106をこの順に介して、収容室Sに注入することが可能な構成となっている。
【0074】
破砕部55は、制御部57から、上記稼動指令情報および停止指令情報を受け付ける。そして、稼動指令情報を受け付けた場合、破砕部55は、後述するガス缶の破砕処理を開始する。一方、停止指令情報を受け付けた場合、破砕部55は破砕処理を停止する。
【0075】
ここで、破砕部55の具体的構成について、図5に基づいて説明する。破砕部55は、図5に示すとおり、駆動用モータ91、チエンカップリング92、駆動軸93、駆動軸側歯車94、従動軸側歯車95、従動軸96、駆動軸側ローラ97・・・、従動軸側ローラ98・・・、および減速機99を備えている。また、少なくとも、駆動軸側ローラ97・・・と、従動軸側ローラ98・・・とは、収容部52内(つまり、収容室S)に備えられている。
【0076】
駆動用モータ91は、減速機99およびチエンカップリング92を介して、駆動軸93を回転駆動させる。また、駆動用モータ91は、毎分1700回転程度の回転速度で回転している。そして、減速機99により、駆動軸93が例えば毎分50回転程度の比較的低速な回転速度で回転するよう設定されている。ただし、駆動軸93の回転速度は、毎分50回転に限定されるものではない。また、チエンカップリング92は、減速機99と駆動軸93とを接続し、駆動用モータ91の回転を駆動軸93に伝える接続機器である。
【0077】
駆動軸93には、駆動軸側ローラ97・・・が、駆動軸93の軸方向に複数配置されている。また、駆動軸93における駆動用モータ91と反対側の端部には、駆動軸側歯車94が固定されている。
【0078】
駆動軸側歯車94は、さらに、従動軸側歯車95と噛合している。この噛合により、駆動軸93の回転が、従動軸側歯車95に伝達される。また、駆動軸側歯車94と従動軸側歯車95との歯車数の比は異なっており、従動軸側歯車95の回転速度が駆動軸側歯車94の回転速度より遅くなるように設定されている。さらに、従動軸側歯車95は、駆動軸93に平行に配された従動軸96に固定されている。これにより、従動軸96が従動軸側歯車95と同じ回転速度で回転する。
【0079】
また、従動軸96には、従動軸側ローラ98・・・が、従動軸96の方向に複数配置されている。したがって、駆動軸側ローラ97・・・と従動軸側ローラ98・・・との回転速度は互いに異なることとなる。
【0080】
また、駆動軸側ローラ97・・・と従動軸側ローラ98・・・とは、それぞれ、例えば図6に示すとおり、各ローラの外周面(97s・98s)に凸部(97a・98a)を備えている。
【0081】
そして、破砕部55では、凸部97aと凸部98aとにより、ガス缶を破砕することができる。特に、従動軸96の回転速度と、駆動軸93の回転速度とが異なるため、両凸部(97a・98a)により、引き千切りを伴ったガス缶の破砕処理が行える。そのため、破砕力が向上し、効率的な破砕処理を行える。
【0082】
案内部56は、収容室Sに投入されたガス缶を、破砕部55に案内するため部材である。案内部56の開口部111は、破砕部55の両ローラ(97・98)の上方に設けられた開口である。また、傾斜面112は、開口部111に向かって位置が低くなる、下り斜面である。
【0083】
このため、破砕部55の両軸(93・96)が回転している場合には、案内部56により、ガス缶投入口103から投入されたガス缶が順次、開口部111を介して、破砕部55の両ローラ(97・98)上に案内されることとなる。したがって、数多くのガス缶を収容室Sに投入した場合であっても、これらのガス缶を連続して破砕することができる。
【0084】
ところで、ガス缶にはLPガスが含まれているため、破砕部55でガス缶を破砕すると、ガス缶に含まれていたLPガスの多くが気化することとなる。したがって、ガス缶から、LPガスを気化させた状態で収容室Sに拡散させることができる。
【0085】
また、収容室の容積や気圧の関係によっては、LPガスの一部は気化せずに、液化された状態で収容室Sの底部に溜まる場合がある。特に、ブタンの含有量がエチレンの含有両に比べて多いため、ブタンの一部は、液化した状態で上記底部に溜まる場合が、エチレンに比べて多いといえる。
【0086】
開口部107は、主として窒素ガスとエチレンガスとを、収容室Sの外部へ放出するための開口である。なお、窒素ガスおよびエチレンガスは、ブタンガスに比べて軽いため、開口部107は、収容部52の上部に設けられている。これにより、開口部107から、窒素ガスとエチレンガスとを優先的に収容室Sの外部へ放出することができる。また、この開口部107には、ガス管53cが接続されている。さらに、ガス管53cは、開口部107と反対側の端部において、流路開閉部54cと接続されている。
【0087】
流路開閉部54cは、制御部57から上記開放指令情報および閉鎖指令情報を受け付ける。そして、流路開閉部54cは、開放指令情報を受け付けた場合、上記窒素ガスおよびエチレンガスの流路を開き、閉鎖指令情報を受け付けた場合、上記窒素ガスおよびエチレンガスの流路を閉じる。また、流路開閉部54cは、上記ガスの移動が可能なように、ガス燃焼装置7のガス回収装置71と接続されている。
【0088】
開口部108は、主としてブタンガスと液化ブタンとを、収容室Sの外部へ放出するための開口である。ブタンガスおよび液化ブタンは、窒素ガスおよびエチレンガスに比べて重いため、開口部107は、収容部52の下部(好ましくは底部)に設けられている。これにより、開口部108から、ブタンガスと液化ブタンとを優先的に収容室Sの外部へ放出することができる。また、この開口部108には、ガス管53dが接続されている。さらに、ガス管53dは、開口部108と反対側の端部において、流路開閉部54dと接続されている。
【0089】
流路開閉部54dは、制御部57から上記開放指令情報および閉鎖指令情報を受け付ける。そして、流路開閉部54dは、開放指令情報を受け付けた場合、上記ブタンガスおよび液化ブタンの流路を開き、閉鎖指令情報を受け付けた場合、上記ブタンガスおよび液化ブタンの流路を閉じる。また、流路開閉部54dは、上記ブタンガスおよび液化ブタンの移動が可能なように、圧縮ガス製造装置8の分離タンク81と接続されている。
【0090】
空気吸引装置6は、ガス缶処理装置5の制御部57から、上述した稼動指令情報および停止指令情報を受け付ける。そして、空気吸引装置6は、稼動指令情報を受け付けた場合、開口部105、ガス管53a、および流路開閉部54aを介して、ガス缶処理装置5の収容室Sの空気を吸引する。そして、空気吸引装置6は、この吸引した空気を外部へ放出する。なお、空気吸引装置6が稼動指令情報を受け付けた場合、上述したように、流路開閉部54aは開放指令情報を受け付けているため、空気吸引装置6は、収容室Sの空気を吸引できる。
【0091】
このように、空気吸引装置6により、ガス缶処理装置5の収容室Sの空気を吸引できるため、収容室Sの酸素濃度を下げることができる。
【0092】
次に、ガス燃焼装置7について説明する。
【0093】
ガス燃焼装置7のガス回収装置71は、ガス缶処理装置5の制御部57から、上述した稼動指令情報および停止指令情報を受け付ける。そして、ガス回収装置71は、稼動指令情報を受け付けた場合、開口部107、ガス管53c、および流路開閉部54cを介して、ガス缶処理装置5の収容室Sの窒素ガスおよびエチレンガスを吸引する。そして、ガス回収装置71は、吸引したガスを、ガス燃焼炉74に送る。
【0094】
また、空気圧縮機72は、圧縮空気を生成し、この圧縮空気を空気貯蔵タンク73に送る。さらに、空気貯蔵タンク73は、ガス燃焼炉74に対して、圧縮空気を供給する。ガス燃焼炉74は、ガス回収装置71から窒素ガスおよびエチレンガスを取得し、かつ、空気貯蔵タンク73から圧縮空気を取得する。そして、上記窒素ガスおよびエチレンガスと、上記圧縮空気とを混合し、エチレンガスを燃焼させる。これにより、エチレンガスを処理することができる。
【0095】
次に、圧縮ガス製造装置8について説明する。
【0096】
圧縮ガス製造装置8の分離タンク81は、ガス缶処理装置5の収容室Sのブタンガスと液化ブタンとを、一時的に蓄えるためのタンクである。また、分離タンク81の吸引口81aおよび排出口81bは、分離タンク81の上部に備えられており、廃液取出口81cは、分離タンク81のタンク室の最下部に備えられている。
【0097】
ガス回収用圧縮機82は、ガス缶処理装置5の制御部57から、上述した稼動指令情報および停止指令情報を受け付ける。そして、ガス回収装置71は、稼動指令情報を受け付けた場合、開口部108、ガス管53d、および流路開閉部54dを介して、ガス缶処理装置5の収容室Sの上述したブタンガスと液化ブタンとを吸引する。なお、吸引口81aが分離タンク81の上部にあるため、液化ブタンを確実に、分離タンク81内に蓄積できる。
【0098】
そして、さらにガス回収装置71が上記吸引を続けることにより、ガス回収装置71は、分離タンク81内のブタンガスを自装置71内に引き込む。ここで液化ブタンがガス回収装置に引き込まれないのは、排出口81bが分離タンク81の上部にあるためである。なお、分離タンク81内の液化ブタンは、分離タンク81内の状態次第では、少なくともその一部が気化してブタンガスとなる。
【0099】
また、ガス回収装置71は、引き込んだブタンガスを圧縮する。また、この圧縮に伴い、ブタンガスは高温状態となる。それゆえ、ブタンガスを圧縮しても、ブタンガスの多くは液化しないで気体の状態を保つ。さらに、ガス回収装置71は、圧縮されたブタンガスをガス液化用冷却機83に送る。
【0100】
ガス液化用冷却機83は、上記圧縮されたブタンガスを冷却し、ブタンガスを液化ブタンとする。また、ガス液化用冷却機83は、ガス回収タンク84と接続されている。ここで、ガス回収用圧縮機82からガス液化用冷却機83に圧縮されたブタンガスが順次送られてくるため、ガス液化用冷却機83で液化された液化ブタンは、ガス回収タンク84に順次送られる。
【0101】
ガス回収タンク84には、ガス液化用冷却機83から液化ブタンが蓄積される。ここで、液化ブタンの一部は、気化してブタンガスとなる。その結果、ガス回収タンク84には、液化ブタンとブタンガスとが混在することとなる。また、ガス回収タンク84は、液化ブタンを回収するために、タンク内の下部に開口部84aが設けられている。そして、この開口部84aには回収管85が配設されている。
【0102】
それゆえ、回収管85の先端部に例えば、LPガス用ボンベを接続することにより、液化ブタンをLPガス用ボンベに注入することができる。したがって、ガス缶に含まれていたブタンを回収可能となる。
【0103】
次に、ガス缶処理装置5の制御部57による上記各指令情報の送信のタイミングについて説明する。
【0104】
まず、制御部57が、操作部51からガス缶処理装置5の稼動指示を示す情報を受け付けると、制御部57は、流路開閉部54aに対して上記開放指令情報を送信すると共に、空気吸引装置6に対して稼動指令情報を送信する。これにより、収容室Sの空気が吸引される。
【0105】
そして、制御部57が、酸素濃度測定装置3から送られてくる濃度情報に基づいて、酸素の濃度の値が所定値(ここでは4%(酸素vol%))未満となったと判断すると、制御部57は、流路開閉部54aに対して上記閉鎖指令情報を送信すると共に、空気吸引装置6に対して停止指令情報を送信する。これにより、収容室Sからの吸気吸引が停止する。また、所定値を4%としているため、収容室Sの酸素濃度を、LPガスの燃焼領域外の濃度とすることができる。
【0106】
さらに、制御部57は、流路開閉部54aに対して上記閉鎖指令情報を、空気吸引装置6に対して停止指令情報をそれぞれ送信した後に、流路開閉部54bに対して開放指令情報を送る。ここで、収容室Sは、酸素濃度が4%となるまで空気が吸引されたため、ガス缶投入時の収容室Sの気圧を101.325KPa(つまり1気圧)であるとすると、収容室Sの気圧は略25KPaとなる。
【0107】
その後、制御部57は、上記流路開閉部54bに対して上記開放指令情報を送信する。これにより、流路開閉部54bの流路が開放されると共に、窒素貯蔵タンク23の窒素ガスの気圧が収容室Sの気圧よりも高いため、この窒素ガスが収容室Sに流入する。そして、制御部57は、収容室Sの気圧が90KPaになったと判断すると、制御部57は、上記流路開閉部54bに対して上記閉鎖指令情報を送信する。これにより、流路開閉部54bの流路が閉鎖されて、収容室Sへの窒素ガスの流入が停止する。さらに、制御部57は、収容室Sの気圧が所定値になったと判断すると、破砕部55に対して稼動指令情報を送る。これにより、ガス缶の破砕処理が開始される。
【0108】
さらに、破砕部55に対して稼動指令情報を送った後、制御部57は、流路開閉部54dに対して開放指令情報を、ガス回収用圧縮機82に対して稼動指令情報を送る。これにより、流路開閉部54dを介して、ブタンガスおよび液化ブタンを収容室Sの外部へ放出できる。それゆえ、収容室Sの気圧を下げる処理を行うことができる。
【0109】
また、ガス缶を破砕処理している際に、制御部57が、収容室Sの気圧が110KPa以上になったと判断した場合、制御部57は、流路開閉部54cに対して開放指令情報を、ガス回収装置71に対して稼動指令情報を送る。これにより、流路開閉部54cを介して、窒素ガスおよびエチレンガスを収容室Sの外部へ放出できる。それゆえ、収容室Sの気圧を下げることができる。
【0110】
しかしながら、大量の未使用のガス缶を同時に破砕する場合には、収容室Sの気圧が急に上昇する場合がある。このため、制御部57が、収容室Sの気圧が180KPaを超えたと判断すると、制御部57は、さらに、流路開閉部54aに対して上記開放指令情報を送信すると共に、空気吸引装置6に対して稼動指令情報を送信する。このような設定とすることにより、収容室Sの気圧をより迅速に下げることができる。
【0111】
また、制御部57は、収容室Sの気圧が下がらずに、収容室Sの気圧が190KPaを超えたと判断すると、破砕部55に対して、停止指示情報を送る。したがって、この場合には、ガス缶の破砕処理が停止するため、収容室Sの気圧のさらなる上昇を止めることができる。
【0112】
さらに、制御部57は、破砕部55が停止した後に、収容室Sの気圧が180KPa以下になったと判断した場合、流路開閉部54aに対して上記閉鎖指令情報を送信すると共に、空気吸引装置6に対して停止指令情報を送信する。また、制御部57は、破砕部55が停止した後に、収容室Sの気圧が90KPa未満になったと判断した場合、制御部57は、流路開閉部54cおよび流路開閉部54dに対して閉鎖指令情報を、ガス回収装置71およびガス回収用圧縮機82に対して停止指令情報を送る。これにより、収容室S内の窒素ガス、エチレンガス、ブタンガス、および液化ブタンの外部への放出が停止する。
【0113】
そして、制御部57は、上記のように収容室Sの気圧が90KPa以下になったと判断した場合には、破砕部55に対して、再度、稼動指示情報を送る。これにより、破砕処理を再開できる。
【0114】
次に、ガス缶処理システム1におけるガス缶の処理フローについて、図7に基づいて説明する。
【0115】
まず、ユーザにより、収容部52の収容室Sにガス缶が投入される(S1)。S1の後は、ガス缶処理装置5の稼動指示が操作部51から入力されたか否かが、制御部57により判断される(S2)。S2において、稼動指示が入力されていないと判断された場合には、再度、S2に戻る。一方、S2において、稼動指示が入力されたと判断された場合には、空気吸引装置6により、収容室Sの空気が吸引される(S3)。
【0116】
S3の後は、制御部57により、収容室Sの酸素濃度が4%未満であるか否かが判断される(S4)。S4において、酸素濃度が4%以上であると判断された場合には、再度、S3に戻る。一方、S4において、酸素濃度が4%未満であると判断された場合には、制御部57からの開放指令指示により流路開閉部54bの流路が開放され、窒素貯蔵タンク23から収容室Sに窒素ガスを流入させる(S5)。
【0117】
S5の後は、制御部57により、収容室Sの気圧が90KPa以上か否かが判断される(S6)。S6において、収容室Sの気圧が90KPa未満と判断された場合には、再度、S6に戻る。一方、S6において、収容室Sの気圧が90KPa以上と判断された場合には、制御部57からの稼動指示により、破砕部55がガス缶の破砕処理を開始する(S7)。
【0118】
S7の後は、ガス回収用圧縮機82により流路開閉部54dを介してブタンガスおよび液化ブタンが、収容室Sの外部に放出される(S8)。さらに、S8の後は、制御部57により、破砕処理開始から所定の時間が経過したか否かが判断される(S9)。ここで、S9において、所定の時間が経過したと判断された場合には、制御部57により、破砕部55に対して停止指令情報が送られ、その結果、破砕部55の稼動が停止する(S20)。これにより、処理を終了する。一方、S9において、所定の時間が経過した判断されなかった場合には、制御部57により、収容室Sの気圧が110KPa以上か否かが判断される(S10)。
【0119】
S10において、収容室Sの気圧が110KPa未満と判断された場合、S9に戻る。一方、S10において、収容室Sの気圧が110KPa以上と判断された場合には、ガス回収装置71により流路開閉部54cを介して窒素ガスおよびエチレンガスが、収容室Sの外部に放出される(S11)。
【0120】
S11の後は、制御部57により、収容室Sの気圧が180KPa以上か否かが判断される(S12)。S12において、収容室Sの気圧が180KPa未満と判断された場合、S10に戻る。一方、S12において、収容室Sの気圧が180KPa以上と判断された場合には、空気吸引装置6により、流路開閉部54aを介して収容室Sのガスが吸引され、該ガスが外部へ放出される(S13)。
【0121】
S13の後は、制御部57により、収容室Sの気圧が190KPa以上か否かが判断される(S14)。S14において、収容室Sの気圧が180KPa未満と判断された場合、S12に戻る。一方、S14において、収容室Sの気圧が190KPa以上と判断された場合には、制御部57により、破砕部55に対して停止指令情報が送られ、その結果、破砕部55の稼動が停止する(S15)。
【0122】
S15の後は、制御部57により、収容室Sの気圧が180KPa以上か否かが判断される(S16)。S16において、収容室Sの気圧が180KPa以上と判断された場合、再度S16に戻る。一方、S16において、収容室Sの気圧が180KPa未満と判断された場合には、制御部57により、空気吸引装置6によるガスの吸引が停止される(S17)。
【0123】
S17の後は、制御部57により、収容室Sの気圧が90KPa未満か否かが判断される(S18)。S18において、収容室Sの気圧が90KPa以上と判断された場合には、S18に戻る。一方、S18において、収容室Sの気圧が90KPa未満と判断された場合には、制御部57により、破砕処理開始から所定の時間が経過したか否かが判断される(S19)。
【0124】
S19において、所定時間が経過していないと判断された場合には、S7に戻り、制御部57からの稼動指示により、破砕部55がガス缶の破砕処理を開始する。一方、S19において、所定時間が経過していると判断された場合には、一連の処理を終了する。
【0125】
なお、上記S11においては、収容室Sの気圧が110KPa以上と判断された場合に、ガス回収装置71により流路開閉部54cを介して窒素ガスおよびエチレンガスを、ガス回収用圧縮機82により流路開閉部54dを介してブタンガスおよび液化ブタンを、収容室Sの外部に放出させる例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記窒素ガスおよびエチレンガスを、収容室Sの外部に放出させない構成としてもよい。
【0126】
また、S9において収容室Sの気圧が110KPa以上と判断された場合には、窒素ガスおよびエチレンガスが収容室Sの外部に放出された(S10)。したがって、例えば、再度、気圧が110KPa未満となった場合に、これらのガスの外部への放出を停止する構成としてもよい。
【0127】
また、停電によりガス缶処理装置5等に電源の供給が途絶えた場合には、安全性の確保のため、流路開閉部54a〜54dにおける各流路を全て開放することが好ましい。このような構成としておけば、収容室Sの気圧が急激に上昇した場合でも、例えば窒素貯蔵タンク23や分離タンク81に収容室Sのガスが流れ込むことが可能であるため、収容室Sの気圧を低下させることができる。
【0128】
さらに、停電により破砕部55が停止した場合には、安全性を考慮して、再度操作部51がユーザからの稼動指示の入力を受け付けた場合のみ、破砕部55が稼動を開始する構成としておくことが好ましい。
【0129】
以上のように、ガス缶処理装置5は、LPガス(少なくとも圧縮された可燃性ガス)が封入されたガス缶(容器)が、少なくとも1つ以上収容される収容部(収容手段)52と、ガス缶からLPガスを収容部52内に拡散させる破砕部(拡散手段)55と、拡散したガス(つまり、LPガスが気化することにより生じる可燃性ガス)を、収容部52内から抜き取るための開口部108とを備え、収容部52が耐圧性を有する構成である。
【0130】
上記の構成によれば、収容部52には、LPガスが封入されたガス缶が、少なくとも1つ以上収容される。また、破砕部55により、ガス缶からLPガスを気化させた状態で収容部52内(つまり、収容室S)に拡散させることができる。
【0131】
ところで、ガス缶内のLPガスを収容室Sに拡散させるためには、少なくともガス缶の内部から外部へ、LPガスを気体として放出させるための流路を形成する必要がある。このため、破砕部55による流路の形成時に摩擦熱や火花が発生し、その結果、収容室Sに拡散した可燃性ガスが爆発するおそれがある。特に、容器内にLPガスが多量に残留している場合には、爆発時に生じる爆風の風圧が高くなる。
【0132】
しかしながら、収容部52は耐圧性を備えているため、上記爆発が起こった場合であっても、収容部52内からのガス漏れや収容手段の破壊といった事故が発生することはない。
【0133】
また、前記拡散した可燃性ガスを、開口部108を介して、収容室Sから抜き取ることができる。それゆえ、収容室Sの気圧を下げることができる。また、ガスを抜き取るため、新たなガス缶を処理可能となる。したがって、ガス缶に多量のLPガスが残留している場合であっても、安全かつ効率的にガス缶を処理できる。また、ガス缶を破砕できるため、ガス缶を資源として再利用できる。
【0134】
なお、家庭用燃料として用いられるガス缶に含まれているガスの爆発が起こった場合、収容室Sの気圧は0.7から0.8MPaまで上昇すると考えられる。このため、上述したように、収容部52を、収容室Sの気圧が少なくとも1MPaに達しても、収容室Sからのガス漏れや収容部52の破壊が起こらない耐圧構造をとした。しかしながら、爆発時の収容室Sの気圧が、0.8MPaよりもさらに上昇するようなガス缶を処理する場合には、収容部52の構造を、より強固な構成となるように設計すればよい。なお、収容室Sを構成する収容部52の内側構造を、球状、ドーム状、あるいは管状とすることが好ましい。このような構成とすれば、上記内部構造を直方体形状とする場合に比べ、収容部52の耐圧性を向上させることができる。特に、上記内部構造を球状とすることが、耐圧性の点から好ましい。
【0135】
また、以上のように、ガス缶処理システム1は、ガス缶処理装置5と、収容室Sの空気を吸引する空気吸引装置(吸引装置)6とを備える構成である。
【0136】
この構成によれば、空気吸引装置6により、収容室Sの空気を吸引できる。それゆえ、LPガス(圧縮された可燃性ガス)の拡散前に収容室Sの空気を吸引することにより、LPガスの拡散前に収容室Sの酸素濃度を低下させることができる。したがって、上述した摩擦熱や火花による拡散した可燃性ガスの爆発を防止することができる。
【0137】
また、ガス缶処理システム1は、収容室Sに窒素ガス(不活性ガス)を注入する窒素注入装置(注入装置)2を備える構成である。
【0138】
この構成によれば、窒素注入装置2により、収容室Sに窒素ガスを注入することができる。また、窒素ガスは反応性に乏しい気体である。したがって、LPガスの拡散前に窒素ガスを注入することにより、上記摩擦熱や火花による可燃性ガスの爆発を防止しつつも、収容手段内の気圧を所望とする値に保った状態で、LPガスを収容室Sに拡散することができる。
【0139】
また、窒素注入装置2は、上述した空気の吸引後に、窒素ガスを注入する構成である。
【0140】
この構成によれば、注入装置により、前記空気の吸引後に、前記不活性ガスが注入される。つまり、収容手段の気圧が下がった後に、不活性ガスが注入される。
【0141】
それゆえ、不活性ガスの注入時に、不活性ガスの注入圧をあまり高くする必要がなくなる。したがって、簡易な構成で不活性ガスを収容手段に注入することができる。
【0142】
また、ガス缶処理システム1は、収容室Sの酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置(濃度測定装置)3を備え、酸素濃度が所定値未満となった場合に、破砕部55が、LPガスを収容室Sに拡散させる拡散処理を開始する構成である。
【0143】
この構成によれば、酸素濃度測定装置3により、収容室Sの酸素濃度を測定することができる。また、酸素濃度が所定値未満となった場合に、破砕部55により、LPガスを収容室Sに拡散させる拡散処理が開始される。したがって、爆発の危険性の少ない環境下で、ガス缶からLPガスを収容室Sに拡散させることができる。
【0144】
また、ガス缶処理システム1は、収容室Sの気圧を測定する気圧測定装置4を備え、収容室Sの気圧が所定値以上となった場合に、破砕部55が、上記拡散処理を停止する構成である。
【0145】
この構成によれば、気圧測定装置4により、収容室Sの気圧を測定することができる。また、収容室の気圧が所定値以上となった場合に、拡散手段により拡散処理を停止させることができる。それゆえ、収容室Sの気圧が所定値以上となることを防止できる。したがって、安全な容器処理システムを提供することができる。
【0146】
また、ガス缶処理システム1は、ガス缶処理装置5の開口部108から上記拡散した可燃性ガスを抜き取ると共に、この抜き取った可燃性ガスを再度液化する圧縮ガス製造装置(圧縮処理装置)8を備える構成である。
【0147】
この構成によれば、圧縮ガス製造装置8により、ガス缶処理装置5の開口部108から前記拡散した可燃性ガスを抜き取れると共に、この抜き取った可燃性ガスを圧縮処理することができる。つまり、ガス缶に圧縮された状態で封入されていた可燃性ガス(LPガス)を、ガス缶から放出後、再度圧縮した状態とすることができる。
【0148】
それゆえ、ガス缶に封入されていた可燃性ガス(LPガス)を再利用できると共に、ガス缶から放出された後に、再度可燃性ガスの体積を小さくできる。したがって、可搬性に優れた状態として、ガス缶に封入された可燃性ガスを回収できる。
【0149】
上記実施の形態においては、破砕部55として、2軸破砕機を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、破砕部55として、1軸破砕機を用いてもよい。また、ガス缶の破砕処理が必要でない場合には、破砕部55の代わりに、ガス缶に穴を開ける構成を有する装置を用いてもよい。
【0150】
また、上記の実施の形態においては、収容室Sの一箇所の酸素濃度を測定する構成を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、酸素濃度測定装置(濃度測定装置)3を、収容室Sの複数の高さの位置の酸素濃度を測定する構成とし、測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値(4%)未満となった場合に、破砕部55が破砕処理(つまり、ガスの拡散処理)を開始する構成としてもよい。
【0151】
この構成によれば、酸素濃度測定装置3により、収容室Sの複数の高さの位置の酸素濃度が測定される。また、測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値未満となった場合に、破砕部55によるガスの拡散処理が開始される。
【0152】
ところで、収容室Sには、可燃性ガス、不活性ガス、および、前記収容手段内の空気(主として、窒素および酸素)が混在している。また、可燃性ガス、不活性ガス、上記窒素、および酸素の分子の重さ(つまり、分子量)は、それぞれ異なる。
【0153】
それゆえ、酸素の濃度は、少なくとも測定位置の高さが異なれば、異なった値となる。そのため、ある高さの位置で酸素濃度が所定値未満となった場合であっても、他の高さの位置では、酸素濃度が所定値以上となる場合がある。したがって、このような場合には、可燃性ガスが爆発するおそれがある。
【0154】
しかしながら、上述したように、測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値未満となった場合に拡散処理を行うことにより、可燃性ガスが爆発することを防止することができる。
【0155】
また、ガス回収タンク84に溜まったガスを、例えば、ガス燃焼炉74に送り、該ガスを燃焼させてもよい。特に、ガス回収タンク84にブタンガス以外のガス(例えば、エチレンガス)が含まれている場合には、例えばガスの重さを利用してブタンガス以外のガスを選択的にガス燃焼炉74に送れば、ガス回収タンク84にはブタンガスを蓄えることができる。
【0156】
また、上記の実施の形態においては、窒素ガスを収容室Sへ注入する構成を例にあげたが、不活性ガスであればよく、窒素ガスに限定されるものではない。
【0157】
また、上記においては、ガス缶にLPガスが含まれる構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、液化していない圧縮されたガスがガス缶に含まれている構成であればよい。さらに、ガス缶には、圧縮されたガスだけではなく、紛状物や粒状物が含まれていてもよい。
【0158】
また、上記の実施の形態においては、ガス缶を処理対象としたが、これに限定されず、少なくとも圧縮ガスが封入された容器であれば特に限定されるものではない。
【0159】
また、ガス燃焼装置7および圧縮ガス製造装置8の構成は、一例であって、上述した構成に限定されるものではない。
【0160】
また、上記実施の形態においては、酸素の濃度の値が所定値(4%)未満となったと判断した場合、制御部57は、流路開閉部54aに対して上記閉鎖指令情報を送信すると共に、空気吸引装置6に対して停止指令情報を送信する構成を示した。しかしながら、この所定値は、4%に限定されるものではなく、LPガスの燃焼領域外となる濃度の値であればよい。
【0161】
また、上記の実施の形態において、制御部57は、収容室Sの気圧に応じて制御を切り替えた。そして、切り替えの閾値として、25KPa、90KPa、110KPa、180KPa、および、190KPaを例に挙げて説明した。しかしながら、この値に限定されるものではない。また、ユーザの操作に応じて、制御部57がこれらの値を逐次変更できる構成としておくことが好ましい。
【0162】
また、上記の実施の形態においては、操作部51が、ユーザからのガス缶処理装置5の稼動指示および停止指示を入力として受け付ける構成を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限定されず、操作部51が、ユーザから直接、流路開閉部54a〜54dの開閉動作指示、破砕部55の稼動指示および停止指示、ガス回収装置71の稼動指示および停止指示、および/または、ガス回収用圧縮機82の稼動指示および停止指示を受け付ける構成としてもよい。
【0163】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0164】
なお、上記実施形態のガス缶処理装置5の制御部57や制御に関する各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態のガス缶処理装置5の制御に関する各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0165】
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0166】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0167】
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
【0168】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0169】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0170】
可燃性を有するガスが含まれた様々な容器の廃棄処理に対して、適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の実施の形態に係るガス缶処理装置の概略構成を示した縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るガス缶処理システムの概略構成を示した図である。
【図3】上記ガス缶処理装置の横断面図であって、図1におけるAA′線矢視図ある。
【図4】上記ガス缶処理装置の破砕部の断面図である。
【図5】上記ガス缶処理装置の制御部に関する、指令の入出力を示した図である。
【図6】上記破砕部のローラの正面図である。
【図7】上記ガス缶処理システムにおけるガス缶処理フローを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0172】
1 ガス缶処理システム(容器処理システム)
2 窒素注入装置(注入装置)
3 酸素濃度測定装置(濃度測定装置)
4 気圧測定装置
5 ガス缶処理装置(容器処理装置)
6 空気吸引装置(吸引装置)
7 ガス燃焼装置
8 圧縮ガス製造装置(圧縮処理装置)
51 操作部
52 収容部(収容手段)
53a〜53d ガス管
54a〜54d 流路開閉部
55 破砕部(拡散手段)
57 制御部
103 ガス缶投入口
104 ガス缶取出口
105〜108 開口部
S 収容室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも圧縮された可燃性ガスが封入された容器が、少なくとも1つ以上収容される収容手段と、
前記容器から前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させる拡散手段と、
前記拡散した可燃性ガスを、前記収容手段内から抜き取るための開口部とを備え、
前記収容手段が耐圧性を有することを特徴とする容器処理装置。
【請求項2】
前記拡散手段は、前記容器に穴を開けることを特徴とする請求項1記載の容器処理装置。
【請求項3】
前記拡散手段は、前記容器を破砕することを特徴とする請求項1記載の容器処理装置。
【請求項4】
前記容器は、ガス缶であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の容器処理装置。
【請求項5】
前記容器は、圧縮された可燃性ガスが未使用の容器であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の容器処理装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の容器処理装置と、
前記収容手段内の空気を吸引する吸引装置とを備えることを特徴とする容器処理システム。
【請求項7】
前記収容手段に不活性ガスを注入する注入装置を備えることを特徴とする請求項6記載の容器処理システム。
【請求項8】
前記注入装置は、前記空気の吸引後に、前記不活性ガスを注入することを特徴とする請求項7記載の容器処理システム。
【請求項9】
前記収容手段内の酸素濃度を測定する濃度測定装置を備え、
前記酸素濃度が所定値未満となった場合に、前記拡散手段が、前記圧縮された可燃性ガスを前記収容手段内に拡散させる拡散処理を開始することを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の容器処理システム。
【請求項10】
前記濃度測定装置は、収容手段内の複数の高さの位置の酸素濃度を測定し、
測定した酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度が所定値未満となった場合に、前記拡散手段が前記拡散処理を開始することを特徴とする請求項9記載の容器処理システム。
【請求項11】
前記収容手段内の気圧を測定する気圧測定装置を備え、
前記収容手段内の気圧が所定値以上となった場合、前記拡散手段が、前記拡散処理を停止することを特徴とする請求項6から10の何れか1項に記載の容器処理システム。
【請求項12】
前記容器処理装置の開口部から前記拡散した可燃性ガスを抜き取ると共に、前記抜き取った可燃性ガスを圧縮処理する圧縮処理装置を備えることを特徴とする請求項6から10の何れか1項に記載の容器処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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