説明

密集した電極のアレイでの付着細胞の電気穿孔法

固体表面上に固定化した付着細胞及び他の膜構造物は、その表面の上に配置される密集した電極のアレイにより電界が生成されて電気穿孔法によりトランスフェクトされる。各電極の少なくとも一つの横寸法は単一の細胞の直径より略小さく、各ペアの電極は各ペアにより生成される電界内に一つの細胞の最大限度が存在するように選択された距離により間隔があけられ、細胞が付着する表面の上の電極との距離は、結果として生じた電界内に細胞を配置するのに十分なほど小さく、さらに細胞膜と電極の接触を避けるのに十分なほど大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスフェクションの分野に属し、構造物が種の溶液と接触している間、一時的な基盤に膜透過性を与えることにより、外因性分子種が膜構造物に挿入され、それにより種が膜を通過できるようにするプロセスの分野に属する。
【背景技術】
【0002】
特定の生物学及び生化学の技術は生体細胞への外因性種の導入を含んでいる。導入のプロセスはトランスフェクションと称され、高能率のトランスフェクションは、取り扱われる個体群の細胞の大部分に外因性種が首尾よく入り、細胞の生存能力が処置の間中維持され、又は処置後に元の状態に戻されるものである。様々なトランスフェクションの技術において、細胞膜の一時的な透過性をもたらす電界を用いる電気穿孔法(エレクトロポレーション)が最大の注目を集めている。トランスフェクションは、緩衝液内に懸濁している細胞と、付着細胞、すなわちたいていは細胞が成長している表面である固体表面上で固定化した細胞の両方で実行される。あらゆる形態の電気穿孔法において高能率の実現は継続的な課題であるが、付着細胞の電気穿孔法においてはなおさらそうである。以下の公開された文書において、付着細胞の電気穿孔法の開示が見いだされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,897,069B1号(2005年5月24日発行、Jarvis他)
【0004】
【特許文献2】米国特許出願公開第US2007/0155016A1号(2007年7月5日公開、Lee他)
【0005】
【特許文献3】米国特許出願公開第US2007/0155015A1号(2007年7月5日公開、Vassanelli他)
【0006】
【特許文献4】米国特許出願公開第US2005/070510A1号(2005年8月4日公開、Huang他)
【0007】
【特許文献5】米国特許出願公開第US2004/0029240A1号(2004年2月12日公開、Acker)
【0008】
【特許文献6】米国特許出願公開第US2003/0148524A1号(2003年8月7日公開、Zimmerman他)
【0009】
【特許文献7】米国特許第US6,261,815B1号(2001年7月17日発行、Meyer)
【0010】
【特許文献8】米国特許第5,964,726号(1999年10月12日発行、Korenstein他)
【0011】
【特許文献9】米国特許第5,134,070号(1992年7月28日発行、Casnig)
【0012】
【特許文献10】米国特許第6,001,617号(1999年12月124日発行、Raptis)
【0013】
上記の一覧の文書はトランスフェクションの能率及び均一性を向上するための様々なアプローチを表すが、これらの本質は理解しにくく継続的な目標である。加えて、細胞の付着性質による困難性が表され、またトランスフェクションの能率は、任意の電気穿孔法の処置において同一の電界に異なる膜構造物がさらされるというバリエーションに悩まされる。構造物が生体細胞である場合、例えば典型的な細胞の個体群は、異なる成長度の細胞又はライフサイクルにおいて異なる段階の細胞を含む。従って、単一の細胞株に係る細胞の個体群は異なるサイズの細胞を含み得る。単一の細胞にかかる電圧は細胞の直径に比例し、従って与えられる電界強度に対して、小さい細胞にかかる電圧差は大きい細胞にかかる電圧差より少なくなる。あまりに高い電圧は細胞の溶解を引き起こす一方、あまりに少ない電圧差は分子に細胞壁を浸透させるのに十分なほど細胞壁を浸透しやすい状態にすることができない。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、付着細胞又は他の固定化した膜構造物の電気穿孔法のための方法及び装置に属する。そしてその方法及び装置において個々の細胞は、細胞のサイズを変えない高度に集中した電界にさらされる。この発明に従うと、付着細胞が存在する固体表面に対して略並行に配置された平面内に割り当てられた、密集した電極のペアのアレイによって数々の電界が生成される。電極のアレイは、電極が細胞に接することなく、電界が固体表面と交差するのに十分なほど固体表面の近くにある。近接するペアのそれぞれにおける電極は、電極の間の最短距離の長さ内には生体細胞が一つしか存在しないようにするのに十分なほど相互に近くにある。電極は、ドット形状(dot-form)電極(すなわち、ドットの形状をとる電極)又はさらされたワイヤの長さ等による伸張したストリップ電極のいずれかである。ドット形状電極の場合、上記で参照される最短距離は、二つの近接し反対方向に分極したドット間の距離である。伸張したワイヤ又はストリップ電極の場合、最短距離は電極自体に対して垂直なラインに沿った距離である。二つの電極の間の最短距離内には細胞が一つしか存在しないことを述べることは、ここでは電極の間の距離が単一の細胞の幅以下となるのに十分なほど電極が近くにあることを意味する、又はその距離が単一の細胞の幅より大きければ、細胞自体が固体表面上で十分に間隔があけられ、電極を隔てる距離内には細胞が一つしか存在しないことを意味する。電極及び細胞が異なり、略並行であり平面である場合も同様である。すなわち電極の間の距離は電極を細胞の平面へ突き出すことにより細胞の幅及び/又は細胞の間隔と比較される。又は逆の場合も同じである。ほとんどの場合、細胞の直径は近接する電極の間の最小距離以上である。それ故に、比較的直径の大きい細胞は、共通の電極を共有するペアを含む、近接する電極の二つ以上のペアからの電界にさらされる。
【0015】
電極が連続する平行ライン又は配線である実施形態では、その平行ライン又は配線の幅はミクロンレンジであり、細胞の直径より略小さく、また正極のラインが負極のラインと交互であることが好ましい。二次元の領域を越える細胞の電気穿孔法は、(正の電荷が蓄えられた電極と負の電荷が蓄えられた電極を交互にして)全てのライン電極に同時にエネルギーを与えることにより、又はライン電極の近接するペアに順々にエネルギーを与えることにより、容易に実現される。ドット電極を利用する実施形態では、ドットはミクロンレンジの直径を有し、細胞の直径より略小さく、また直線に又は二つ以上の平行直線に配置され、単一ラインにおけるドット間又は近接する平行ラインのドット間で交互になるように極性をもつこと、すなわちあるラインのドットは近接するラインにおけるドットの極性と反対の極性もつことが好ましい。全ての場合において、二次元の領域を越える細胞の電気穿孔法は、全ての電極に同時にエネルギーを与えることにより、又は近接するペアに順々にエネルギーを与えることにより、容易に実現される。ドット形状電極の単一ライン又はドット形状電極の平行ラインに係る細長いストリップを用いる、二次元の領域を越える細胞の電気穿孔法は、移動可能な担体上に電極を実装し、その担体で領域を横切ることにより実現される。
【0016】
本発明に係る、これらの及び他の物、特徴及び利点は、以下の記述からより明らかにあるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の特定の実施形態で用いられる電極の担体の端面図である。
【0018】
【図2】図1の電極の担体の側面図である。
【0019】
【図3】本発明の特定の実施形態に従った、付着細胞の表面及び可動性の電極の担体の平面図である。
【0020】
【図4】本発明の他の特定の実施形態に従った、代替的な付着細胞の表面及び可動性の電極の担体の平面図である。
【0021】
【図5】本発明の特定の実施形態に従った、平行ライン電極の二次元アレイを利用する電気穿孔法の装置の透視図である。
【0022】
【図6】分離した部分で図5の装置の内側面を示す、図5の装置の第2の透視図である。
【0023】
【図7】図5及び図6の装置の一部分としての機能を果たす電極の担体の底面図である。
【0024】
【図8】図5、図6及び図7の電気穿孔法の装置を含む容器の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願は、2008年5月13日に出願された、米国特許仮出願第61/052,728号に対して、優先権を主張し、その内容全体がここに参照として組み込まれる。
【0026】
たいていの典型的な付着細胞は、その細胞が成長した表面に付着した生体細胞である。またそのような細胞の適用について、他の目的のために固定化した細胞、又は他の手段により固定化するようになった細胞についての電気穿孔法(エレクトロポレーション)の分野において関心が高まっている。このように本発明は、一般に細胞に加えて小胞及びリポソームのような構造物を含む付着膜構造物についての電気穿孔法に向けられるものである。「細胞」及び「生体細胞」という語は、ここでは便宜上、膜構造物のようなものすべてをまとめて示すのに用いられる。電気穿孔法を用いる間これらの細胞の膜を通る、ここで「外因性種」又は「トランスフェクト種(transfecting species)」として参照される種は、例えばDNA、RNA、プラスミド、遺伝子、遺伝子フラグメント、タンパク質、調合薬及び酵素補助因子を含む核酸である。さらに外因性種の例は当業者には明らかである。
【0027】
細胞が付着している固体表面は、細胞を固定化する担体として供給できる任意の材料の表面とすることができる。そのような表面は、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン又は細胞生物学者に知られた様々な他の材料の表面とすることができる。また膜をベースにした細胞培養で用いられる微小孔性の膜を用いてもよい。例としては親水性ポリマー(hydrophilic poly)(テトラフルオロエチレン)、繊維素エステル、ポリカーボネート及びポリエチレン・テレフタートの膜である。他の柔軟性のある膜は、例えばフラットスクリーン、固定ガラスのブロック又はポリマー材料など、担体の外側に膜を配置することにより平らで硬くすることができる。表面への細胞の付着は、表面上で細胞が成長するときの固有の付着、並びに免疫学的もしくは親和性タイプの結合、静電気引力及び共有結合を通じた付着を含む従来の手段により実現される。
【0028】
「ドット形状電極」としてここに参照される電極がドットである実施形態において、各電極は様々な方法で形成される。一例として、電線がガラスピペット又は微小毛細血管の開口端でさらされるか、又はその開口端から短い距離だけ突き出るように、ガラスピペットの穴又は微小毛細血管を通した電線を通ることにより形成される。他の例として、半導体製造の分野で採用されているような従来の方法を用いて、電気的に絶縁したブロック又はチップ(好ましくは配線が通るパス上に鋭角のエッジをもつブロック又はチップ)上に電気的配線をめっきすることにより形成される。形成後は、さらされた配線がドット形状電極として機能するエッジを除くすべての点において、従来のマスク材料によって配線を絶縁してもよい。平行ライン電極も従来の半導体製造の方法によって容易に形成される。
【0029】
連続するドット形状電極が用いられるとき、その電極は好ましくは一つの直線又は二つ以上の平行直線に配置される。付着細胞は典型的には平らな表面、好ましくは光学的に平らな表面上で成長するので、電極を直線にすることによって電極を表面の上の一定の高さに配置することができる。平らな表面により、細胞は成長のための条件、近隣の細胞間の相互作用のための条件及び電界へ均一にさらされるための条件を最良にすることができる。ドット形状電極に係る直線は、電極をもつ細胞の二次元の領域をスイープするのに便利である。
【0030】
電極の影響下にある実質上全ての細胞において細胞のサイズにかかわらず一致した電界を形成するための電極の能力は、個々の電極のさらされた表面の狭さ若しくは小口径、近接する電極の間の間隔及び細胞が存在する表面の上の電極の高さによって得られる。これらの及び他の寸法は、細胞の性質、すなわち細胞が様々なソースの生体細胞及び細胞株、リポソーム、小胞又は他の膜構造物であるかによって変えてもよい。とはいえ、特にその直径が略10ミクロンから略20ミクロンまでの範囲内である生体細胞の場合においてほとんどの場合、さらされた表面の幅又は直径が略3ミクロンから20ミクロンまで(好ましくは略5ミクロンから略10ミクロンまでであり、最も好ましくは略8ミクロン)である電極をもつことにより最良の結果が得られる。その上、近接する電極の間の間隔は略20ミクロンから75ミクロンまで(好ましくは略30ミクロンから略50ミクロンまでであり、最も好ましくは略40ミクロン)である場合に最良の結果が得られる。またほとんどの場合、細胞が存在する表面の上の電極の高さは略25ミクロンから100ミクロンまで(好ましくは略25ミクロンから略50ミクロンまでであり、最も好ましくは略40ミクロン)であるときに最良の結果が得られる。この高さは、間隔をあける脚部、突起部、ピアまたは同様のものを電極が実装される担体の構造物に組み込むことにより設定することができる。
【0031】
ドット形状電極の直線アレイの例が図1、2、3及び4に示される。この例の電極はV字型のブロックの鋭いエッジに沿って配置される。図1は下部に示される鋭いエッジ12をもつブロック11の端面図である。図2は先と同様に下部にV字型の鋭いエッジ12をもつブロックの側面図である。電極は、V字型の一つの面の下方に伸び、鋭いエッジ12を越えて他の面の上方に伸びる平行ラインでブロックの表面上にめっきされる電気配線13によって形成される。配線は、マスクの隙間でドット14のラインを形成するエッジ12を除く、配線の長さ方向に沿った全ての点においてマスク材料で電気的に絶縁される。配線は交互となる形で電気的に接続され、その結果、奇数番号の配線は電源の一つの極15と接続し、偶数番号の配線は他の極16と接続することができる。ブロックの鋭いエッジ12の両端には脚部17、18があり、両端の中心には追加の脚部19がある。これらの脚部は(これらは長さが等しく、ブロック11又はマスク層を伸ばしたものであるが)、細胞をもつ表面の上のドット電極12においてその間の高さを固定するように細胞が存在する表面と接する。
【0032】
ブロック担体の電極(block-supported electrodes)をもつ二次元の(その上に細胞が存在する)表面のスキャンが、二つの表面の平面図をそれぞれ提供する図3及び図4に明示される。また、図3及び図4はブロックの上端21及びブロックの動きを示す。図3の表面31は球状の面であり、矢印33によって指し示されるようにブロック11は中心32の周りを回転することにより表面をスキャンする。図4の表面41は、ブロック11が横方向、矢印42の方向に移動することによりスキャンする正方形または長方形の面である。両方の場合におけるブロックの動きは、例えばステッピングモーター又はDCモーターなどの従来の手段によって実現される。
【0033】
平行ライン電極の二次元アレイの例が図5、6、7及び8に示される。図5は組立構造物における電極ブロック51と細胞板52の結合を示す。細胞と電極は両方とも組立構造物の内部にあり、それ故にこの図では不可視である。図6は分離されたブロック51及び細胞板52を(要素部分をより明確に説明するために誇張した寸法で)示しており、その結果細胞53と電極54は両方とも可視となっている。細胞53は光学的に平らな細胞板の表面55上で成長し、電極54は電極ブロックの平らな下面56上にめっきされる。細胞板の表面55の光学的な平面性と違って下面56には光学的な平面性は要求されないが、その面が光学的に平面に近いほど、システムが細胞について電気穿孔法を均一に実現するように機能するのにより効果的である。ライン電極がめっきされた平らな下面56の周囲には突起部又は隆起したエッジ57がある。そしてそのエッジ57は、ブロック51が細胞板52に押し付けられると、細胞53に占有される領域の外側で細胞板の表面55に接し、細胞板の表面55、従って細胞53の上の所望の距離に電極54を配置する。電極54と細胞53の間の空間を細胞に入るトランスフェクト種の溶体で満たすことができるように、またその空間を通して溶体が自由に動くことができるように、電極ブロック51は一連の穴58を含む(図5にも示される)。ライン電極54は、電極ブロック51の下面56の平面図である図7に最も明確に示される。ライン電極は交互になるように電源の正極71及び負極72と接続される。このように正極のライン電極は負極のライン電極と交互に並ぶ。最後に、図8はタンク82からなる電気穿孔法の細胞81を示す。そしてそのタンク82には、トランスフェクト種の溶体83とともに、図5で描写されたような電極ブロック51及び細胞板52の組立構造物が配置され、電極ブロック及び細胞板の組立構造物は溶体内に完全に浸される。
【0034】
図で示された各構成においてはドット形状電極とライン電極のいずれでも、全ての電極に同時にエネルギー又はパルスを与えることができ、又は近接するペアにアレイの長さ方向に沿って相次いでエネルギーを与えることができる。近接するペアに個々にエネルギーが与えられる場合、各ペアはそのペアにおける電極の間にある細胞板の表面部分上の細胞を包み込む電界を生成する。そしてその電極は単一ペアの電極の電界内には単一の細胞しか存在しないように間隔があけられる。
【0035】
電気穿孔法の技術分野で周知である電源及び通電のプロトコルが用いられてもよい。パルス状の電界を用いることが望ましく、パルス幅は典型的には略1マイクロ秒から略1秒まで、好ましくは略50マイクロ秒から略10ミリ秒までの範囲内である。
【0036】
ここに添付された特許請求の範囲における「一つ」(「a」又は「an」)という語は、「一つ以上」を意味する意図である。工程又は要素を列挙する場合、「備える」(「comprise」)及びその活用形(「comprises」及び「comprising」)は、さらなる工程又は要素を追加してもよく、排他的でないことを意図する。本明細書に引用された全ての特許、特許出願、及び他の公開された参照資料は、本明細書によってそれらの全体が参照により本明細書中に組み込まれる。本明細書に引用された任意の参照資料と、本明細書の明示の記載との間に相違がある場合、本明細書の記載を優先することにより解消することが意図される。これは、この技術分野で理解されている単語又は語句の定義と、本明細書で明示される同一の単語又は語句の定義との間に相違がある場合も同様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体表面上に固定化した付着生体細胞のトランスフェクションのための装置であって、
前記固体表面のための担体と、
近接する電極のペアのアレイと、を備え、
前記近接する電極のペアのアレイは、前記固体表面に対して略並行であり、前記近接する電極のペアのそれぞれが、エネルギーが与えられたときに前記固体表面と交差する電界を生成するのに十分なほど前記固体表面の近くにある平面内に存在し、
近接する電極のペアのそれぞれにおける電極は、該近接する電極のペアのそれぞれの前記電極の間の最短距離内には前記生体細胞が一つしか存在しないようにするのに十分なほど相互に近くにある装置。
【請求項2】
前記近接する電極のペアのアレイによって生成される前記電界は、前記固体表面の全領域より小さい前記固体表面の一部と集中的に交差し、
前記装置は、前記全領域を横切るように前記平面内の前記アレイを移す手段をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記近接する電極のペアのアレイはドット電極の直線アレイを備え、
前記装置は、前記固体表面にわたって前記直線アレイを移す手段をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記移す手段は、前記固定表面の円領域にわたって前記直線アレイを回転させる手段である請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記移す手段は、前記直線アレイに対して直角の方向に前記直線アレイを移動させる手段である請求項3に記載の装置。
【請求項6】
近接する電極のペアのアレイは、平行ライン電極の二次元アレイである請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記近接する電極のペアのそれぞれにおける前記電極は、略20ミクロンから略75ミクロンまでの距離だけ間隔があけられる請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記近接する電極のペアのそれぞれにおける前記電極は、略30ミクロンから略50ミクロンまでの距離だけ間隔があけられる請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記近接する電極のペアのアレイを含む前記平面は、略25ミクロンから略100ミクロンまでの距離だけ前記固定表面から間隔があけられる請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記近接する電極のペアのアレイを含む前記平面は、略25ミクロンから略50ミクロンまでの距離だけ前記固定表面から間隔があけられる請求項1に記載の装置。
【請求項11】
固体表面上に固定化した付着生体細胞の個体群のトランスフェクションのためのプロセスであって、
近接する電極のペアのアレイに対して平行に、かつ前記電極と前記細胞が接触することなく、前記近接する電極のペアのそれぞれが、エネルギーが与えられたときに前記固体表面と交差する電界を生成するのに十分なほど前記アレイの近くにあるように、前記固体表面を配置することを含み、
近接する電極のペアのそれぞれにおける電極は、該近接する電極のペアのそれぞれの前記電極の間の最短距離内には前記生体細胞が一つしか存在しないようにするのに十分なほど相互に近くにあり、
前記固体表面の配置とともに、前記固体表面がトランスフェクト種の溶液に浸されている間、前記トランスフェクト種で前記生体細胞のトランスフェクションを引き起こすように前記電極にエネルギーを与えるプロセス。
【請求項12】
前記生体細胞が前記近接する電極のペアのアレイの寸法を超える寸法の領域にわたって割り当てられ、
前記プロセスは前記全領域を含む前記固体表面に対して平行に平面内の前記近接する電極のペアのアレイを移動させることをさらに含む請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記領域は円領域であり、
前記近接する電極のペアのアレイはドット電極の直線アレイを備え、
前記プロセスは前記円領域にわたって前記直線アレイを回転させることをさらに含む請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記近接する電極のペアのアレイはドット電極の直線アレイを備え、
前記プロセスは前記直線アレイに対して直角の方向に前記直線アレイを移動させることをさらに含む請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記近接する電極のペアのアレイは、平行ライン電極の二次元アレイである請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記近接する電極のペアのそれぞれにおける前記電極は、略20ミクロンから略75ミクロンまでの距離だけ間隔があけられる請求項11に記載のプロセス。
【請求項17】
前記近接する電極のペアのそれぞれにおける前記電極は、略30ミクロンから略50ミクロンまでの距離だけ間隔があけられる請求項11に記載のプロセス。
【請求項18】
前記近接する電極のペアのアレイは、略25ミクロンから略100ミクロンまでの距離だけ前記固定表面から間隔があけられた平面に存在する請求項11に記載のプロセス。
【請求項19】
前記近接する電極のペアのアレイは、略25ミクロンから略50ミクロンまでの距離だけ前記固定表面から間隔があけられた平面に存在する請求項11に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−520448(P2011−520448A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509570(P2011−509570)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043285
【国際公開番号】WO2009/140161
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(591099809)バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド (79)
【Fターム(参考)】