対象物接近通知システム、対象物接近通知方法およびヘッドレスト
【課題】車両の運転者に、車両周囲の障害物の存在を直感的に伝えることができる対象物接近通知システムを提供する。
【解決手段】自車両の周囲に存在する対象物を検出し、自車両に対する方向を決定する対象物検出手段と、運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める弱音手段と、を有することを特徴とする。また、前記対象物検出手段が検出した対象物のうち、運転者に通知すべき対象物を決定する通知決定手段をさらに備えていることが好ましい。また、前記弱音手段は、運転者の頭部に対して左右後方に配置された二つ以上の弱音装置によって音を弱めるようにしても良く、前記弱音手段は、特定の方向より運転者の耳に到来する音を遮る位置に遮蔽体が移動することで音を弱めるようにしても良い。
【解決手段】自車両の周囲に存在する対象物を検出し、自車両に対する方向を決定する対象物検出手段と、運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める弱音手段と、を有することを特徴とする。また、前記対象物検出手段が検出した対象物のうち、運転者に通知すべき対象物を決定する通知決定手段をさらに備えていることが好ましい。また、前記弱音手段は、運転者の頭部に対して左右後方に配置された二つ以上の弱音装置によって音を弱めるようにしても良く、前記弱音手段は、特定の方向より運転者の耳に到来する音を遮る位置に遮蔽体が移動することで音を弱めるようにしても良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物接近通知システムに関し、特に自動車において好適なものである。
【背景技術】
【0002】
センサ技術を用いて、自動車の周辺に存在する障害物を検出し、運転者に通知する技術が普及し始めている。例えば、センサ情報とステアリング情報を組み合わせ、自動車が進行する方向に障害物があると認められる場合に、事前に運転者に警告を行うシステムなどがある。
【0003】
このような技術を用いることにより、運転者は、走行中において、直接視認できる範囲外に存在する他の車両などの存在を知ることができ、目視確認の不足による接触事故を防止することができる。
【0004】
特許文献1に記載されている発明は、車両用障害物監視装置に関する発明であり、当該文献には、超音波センサを用いて車両周辺の障害物を検出し、あらかじめ設定された範囲内に障害物が存在する場合、運転者に対して警告音や案内音声等によって注意を喚起する技術が開示されている。当該発明によると、運転者は運転に支障を及ぼす障害物が車両の周辺にある場合に注意喚起のための通知を受けることができる。
【0005】
また、特許文献2に記載されている発明は、車両用障害物検出装置に関する発明であり、当該文献には、自車両および検出した障害物の移動範囲を予測し、接触可能性の判定を行ったうえで、運転者に音声による警報を発する技術が記載されている。特許文献1に記載の発明と比較すると、接触の可能性がある場合にのみ警告を行うため、通常の運転を妨害しないという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−236492号公報
【特許文献2】特開2007−69806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された発明では、自車両の周辺に障害物を検出した場合、音声によって運転者への通知を行っている。しかし、自車に接近するすべての障害物を音声で通知するような形態においては、他車が自車に接近するたびに音声出力がなされ、運転の妨げになるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載された発明では、自車両が移動する方向を予測し、予測される自車両の進行方向に検出範囲を限定することでこの問題を解消しているが、実際にステアリングを操作し始めるまでは装置が作動しないため、差し迫った衝突の危険がある場合にしか警告を発することができないという問題がある。つまり、運転者は「今から車両の進路を変更しても安全上問題がないか」という情報を得ることができないため、サイドミラーやバックミラー等を実際に目視して、直接車両周囲の安全を確認するほかない。
【0009】
本発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、車両の運転者に、車両周囲の対象物の存在を直感的に伝えることができる対象物接近通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る対象物接近通知システムでは、以下の手段により車両の運転者に対象物の存在を通知する。
【0011】
本発明に係る対象物接近通知システムは、自車両の周囲に存在する対象物を検出し、該対象物の自車両に対する方向を決定する対象物検出手段と、運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める弱音手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
すなわち、センサ等によって対象物を検出し、検出した対象物の方向から運転者に伝わる音を、たとえば遮蔽板などの機構を動作させることで弱める。これによって、運転者が耳を通して感じる騒音を変化させることができ、運転者に、当該方向に何かがある感覚を与えることができる。また、音で直接通知する場合と比較して、直感的に情報を与えることができ、かつ運転の妨げにならないという利点がある。弱音手段は、運転者に対し、決定された方向から到来する音を弱めることができるものであれば機械的なものに限る必要は無い。また、弱音手段によって弱められる音の量は、対象とする方向から到来する音が弱められたことを運転者が認識できる程度で足り、音を全て遮断する必要は無い。
【0013】
また、本発明に係る対象物接近通知システムは、前記対象物検出手段が検出した対象物のうち、運転者に通知すべき対象物を決定する通知決定手段をさらに有することを特徴としてもよい。
【0014】
このように構成することにより、運転者に通知する必要のある障害物だけを選択して通知することができるため、不必要な通知によって運転を妨げないという利点がある。
【0015】
また、前記弱音手段は、運転者の頭部に対して左右後方に配置された二つ以上の弱音装置によって前記決定された方向から到来する音を弱めることを特徴としてもよい。
【0016】
弱音装置とは、音を弱めるための機構である。このように構成することにより、運転者の左耳および右耳に対してそれぞれ到来する音を弱めることができるため、運転者に対して方向感覚を確実に示すことができる。
【0017】
また、前記弱音手段は、特定の方向より運転者の耳に到来する音を遮る位置に遮蔽体が移動することで前記決定された方向から到来する音を弱めることを特徴としてもよい。
【0018】
例えば、遮蔽体を運転者の耳の近くに移動させることによって音を弱めてもよく、また、開口部の開閉を行う機構を運転者の耳の近くに設け、当該開口部を閉鎖および開放させてもよい。これにより、同様に、運転者に対して方向感覚を確実に示すことができる。
【0019】
また、前記弱音手段は、車両が有する座席のヘッドレストに設けられた二つ以上の穴と、それぞれの穴を閉塞および開放する可動機構と、を含むことを特徴としてもよい。
【0020】
運転者の頭が位置するヘッドレストに二つ以上の穴を設け、それぞれの穴に対して開閉機構を設けることで、耳の直近にて音を弱めることができ、運転者への通知効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車両の運転者に、車両周囲の対象物の存在を直感的に伝えることができる対象物接近通知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第一の実施形態に係る弱音装置の配置図である。
【図2】本発明に係る対象物接近通知システムの機能構成図である。
【図3】車両に備えられたセンサの配置図である。
【図4】第一の実施形態に係る処理フローチャートである。
【図5】第一の実施形態に係る第二の処理フローチャートである。
【図6】第一の実施形態に係る開閉機構の動作例である。
【図7】第一の実施形態の変形例1に係る可動機構の配置および動作例である。
【図8】第一の実施形態の変形例2に係る可動機構の配置および動作例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一の実施形態例)
第一の実施形態に係る対象物接近通知システムの概要について説明する。
【0024】
まず、弱音装置の物理的配置について簡単に説明する。図1は、運転者に対する弱音装置の配置を表した図である。本実施形態で用いる座席のヘッドレストには、表裏を貫通する開口部が設けられており、当該開口部に設けられた開閉機構を動作させることで、開口部を個別に閉鎖および開放できるようになっている。開口部31aが運転者の右耳に対応し、開口部31bが運転者の左耳に対応する。
【0025】
次に、システム構成の説明を行う。図2は、第一の実施形態に係る対象物接近通知システムの機能構成を示した図である。
【0026】
センサ11は、自車両と障害物との間の距離を検出するセンサである。センサ11は、たとえばミリ波レーダーや超音波レーダーなどによって構成され、障害物からの反射波に基づいて距離を検出する。センサ11は、車両の前後方および側方に設置された複数のセンサから構成されている。図3は、複数のセンサを車両外部に配置した例である。各センサは、障害物を検出した場合は距離情報を、検出しない場合はその旨を接近判定部12へ送信する。
【0027】
接近判定部12は、取得した距離情報をもとに、障害物との距離および方向を決定し、運転者に車両の接近を通知するか否かを決定する手段である。例えば、図3のセンサ配置において、センサ6に反応があり、検出した距離が徐々に近くなっている場合、右後方から車両が接近していることがわかる。そのため、接近判定部12は、「右後方から車両が接近しているため、運転者に右方向に注意を向けるよう通知が必要である」という決定を行う。具体的な判定方法については後述する。
【0028】
駆動部13は、駆動機構であるアクチュエータ14に対して制御命令を発行する手段である。例えば、運転者が右方向に注意を向ける必要がある場合、右耳の近傍にある開口部に対応するアクチュエータに対して、開口部を閉鎖する制御命令を発行する。
【0029】
アクチュエータ14は、開閉機構15を開閉するための駆動機構であり、開閉機構15と機械的に接続されている。アクチュエータ14は、例えば座席の下部に収納され、接続されたワイヤーを引くことによって、ヘッドレスト内部に設置された開閉機構15を操作する。アクチュエータ14は、ソレノイドアクチュエータによって実現されることが好ましいが、油圧アクチュエータやステッピングモータ等を用いてもよい。
【0030】
開閉機構15は、ヘッドレストに設けられた開口部(31a,32b)に内蔵され、当該開口部を閉鎖および開放するための機構である。開閉機構15は、内蔵された遮蔽板を移動させることによって、開口部を開閉することができる。開閉機構の具体的な動作例は
後述する。
【0031】
なお、本システムは、CPU(中央演算処理装置)、主記憶装置、補助記憶装置などのハードウェア資源を備えたコンピュータにより構成することができる。また、接近判定部12、駆動部13については、エレクトリックコントロールユニット(ECU)などの車載コンピュータによって実現されることが望ましい。
【0032】
以下に、本発明に係る対象物接近通知システムの動作フローチャートである図4を参照し、動作の流れを追いながら、各手段の詳細について述べる。
【0033】
本発明に係る対象物接近通知システムが動作を開始すると、接近判定部12が、センサ11から距離情報を取得する(S11)。接近判定部12は、全てのセンサが取得した距離情報を得ることができる。センサ11が物体を検出すると、検出した物体までの距離が、物体を検出しない場合は「距離=無限大」という情報が接近判定部12に送られる。
【0034】
接近判定部12は、取得した各センサの距離情報から、通知条件を満たすか否かを判定し(S12)、運転者に対する通知の是非を決定する。この通知条件について説明する。図5は、ステップS12の判断内容を、車体右側のセンサを例に詳細に記したフローチャートである。
【0035】
接近判定部12は、まず車体右横に設置されたセンサ4の検出内容を確認する(S21)。センサ4が検出した距離が、車両の接近を示すものであった場合、自車のすぐ右隣に車両がいることを意味するため、通知条件を満たすという判定を行う。センサ4に反応が無い場合、続いてセンサ6の検出内容を確認する(S22)。ここで、センサ6が検出した距離が、車両の接近を示すものであった場合、同様に通知条件を満たすという判定を行う。センサ6に反応が無いか、もしくは車両の接近を示すものではない場合、続いてセンサ2の検出内容を確認する(S23)。ここで、センサ2が検出した距離が、車両の接近を示すものであった場合、同様に通知条件を満たすという判定を行う。センサ2に反応が無いか、もしくは車両の接近を示すものではない場合、通知条件を満たさないという判定を行う。
【0036】
センサが検出した距離が、車両の接近を示すものであるか否かの判断は、センサごとに、検出した距離が閾値以下であるかによって判断することができる。例えば、センサ2,6の場合は検出した距離が10m、センサ4の場合は3m以下である場合、車両が接近していると判断してもよい。
【0037】
また、当該判断は、車両の接近速度によって行ってもよい。この場合、一定間隔でセンサが検出した距離を取得し、検出した距離を時間で微分することによって相対速度を算出する。例えば、センサ2,6の場合、算出した相対速度が+5km/h以上(相対速度は、他車が自車に接近してくる方向を正とする)である場合に、車両が接近していると判断してもよい。
【0038】
なお、図5の例は車両右側に設置されたセンサについて説明したものであるが、車両左側についても同様のフローでステップS12の判断を行う。車両左側について検出を行う場合、図5に示したセンサ4はセンサ3に、センサ6はセンサ5に、センサ2はセンサ1に置き換わる。
【0039】
センサ2,4,6、およびセンサ1,3,5のいずれの検出結果も、車両の接近を知らせるものではなかった場合、運転者への通知条件が満たされていないとして、処理はステップS15へ遷移する。
【0040】
なお、センサは例示したもの全てを使用する必要は無い。たとえば、後方から接近する車両のみを検出できればよい場合は、センサ1〜4の車体への配置、および条件判断を省略してもよい。
【0041】
通知条件が満たされていない場合、自車周辺に車両は無いと判断し、処理を初期状態に戻す。このとき、開閉機構が作動していた場合(S15)、該当するアクチュエータを停止させ、駆動機構を開放(S16)したうえで処理を初期状態に遷移させる。
【0042】
一方、左右の少なくともどちらか片方が通知条件を満たす場合(S13)は、該当する方向に位置するアクチュエータを駆動し、開閉機構を閉鎖する。ここで、図1に戻り、開閉機構について説明する。開閉機構15は、ヘッドレストに設けられた開口部に内蔵され、左右最低一組が設置されている。図1の例では、運転者の右耳に位置する開口部31aと、左耳に位置する開口部31bにそれぞれ三つの開口部が設けられており、いずれも運転者の耳の近傍に位置している。アクチュエータ14を動作させることによって、開口部31aと31bに対応するそれぞれの穴を、独立して閉鎖および開放することができる。
【0043】
図6は、開閉機構が開閉する模様を具体的に示した図である。例えば、開口部に複数の遮蔽板を設置して絞り状にしたもの(21a)を動作させることによって開口部を閉鎖してもよいし、左右両側から引き戸状の遮蔽板(21b)を移動させることによって開口部を閉鎖してもよい。
【0044】
開閉機構15を閉鎖した場合、運転者は、ヘッドレスト後方からの暗騒音(ノイズ)が小さくなるため、聞こえている音が変化した感覚を覚える。これによって、左右どちらかの方向に何かがあるという気配を作りだすことができる。
【0045】
本実施形態によると、自車両の周辺のうち、運転において注意が必要な方向を常時知ることができるため、音声による通知を行う場合と比較して、運転者は少ない負担で車両が接近しているという情報を得ることができる。また、暗騒音を変化させるため、周辺の音に影響を受けないという利点がある。たとえば、車内で音楽を聴いていて警告音が聞こえない場合など、従来技術では対応できないケースであっても課題を解決することができる。
【0046】
(第一の実施形態の変形例)
次に、第一の実施形態の変形例について、変形例(1)と変形例(2)の二つの例を挙げて説明する。各変形例のシステム概要および処理フローチャートは、第一の実施形態と同様である。
【0047】
図7は、変形例(1)に係る開閉機構を図示したものである。第一の実施形態においては、運転者が直接頭部を乗せるヘッドレストに開口部を設けることで音を弱めたが、変形例(1)では、運転者の両耳に近い位置で遮蔽板を水平に動かすことによって音を弱める。本変形例では、遮蔽板を後方に移動させることで(41a)非遮蔽状態を作り出し、前方に移動させることで(41b)遮蔽状態を作り出す。図7は、運転者の左手方向に障害物がある場合の例を表している。このように構成することで、運転者の耳に最も近い位置で音を弱めるための制御を行うことができるため、より確実に運転者に気配を伝えることが可能になる。
【0048】
また、図8は、変形例(2)に係る開閉機構を図示したものである。変形例(2)では、ヘッドレストの両側にスリット状の開閉機構を連結し、スリットを開閉することで開口部の閉鎖および開放を行う。42aは開閉機構が閉じた状態を、42bは開いた状態を表
し、運転者の右手方向に障害物がある場合の例を表している。このように構成することで、開口部を大きくとることができ、第一の実施形態と比較して大きな減衰効果を得られるという利点がある。
【0049】
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうるものである。たとえば、センサによる検出対象は、他の車両を想定したが、建物や構造物などであってもよい。
【0050】
また、センサ11については、ミリ波レーダーやマイクロ波レーダー以外に車外カメラを用いて車両周辺の障害物を検出してもよいし、目的に応じてセンサの数は増減させてもよい。
【0051】
また、接近判定部12は、自車の速度を取得する手段をさらに有することで、一定の速度以上で走行している場合にのみ動作をしてもよく、速度以外の情報を取得する手段、たとえば方向指示器の状態を取得する手段をさらに有することで、ウインカーが点滅している場合にのみ動作をしてもよい。このようにすることで、運転者に対する不必要な通知を抑制することができる。
【0052】
また、駆動部13は、該当する開閉機構を全て閉鎖または開放する他に、通知の効果を高めるため、いくつかの駆動パターンを持っていてもよい。たとえば、図2の例では、開口部31aおよび31bがそれぞれ三つの穴を持っているが、三つの穴を一度に閉鎖または開放してもよいし、一個ずつ順に閉鎖または開放してもよい。または、動作を一斉に繰り返す等してもよい。
【0053】
また、本実施形態では、駆動手段であるアクチュエータ14と、開閉機構15が機械的に連結されている例を挙げたが、開閉機構15に駆動手段が内蔵されていてもよい。この場合、開閉機構15は、内蔵されたアクチュエータやステッピングモータなどによって直接駆動される。
【0054】
また、本発明における弱音手段は、第一の実施形態およびその変形例で例示したような、遮蔽板を用いた機械的手段に限定されるものではない。例えば、車内の音を集音するマイクと、マイクに入力される音声信号の位相を反転する逆位相発生手段と、位相が反転した音声信号を出力するスピーカユニットとを有するよう構成してもよい。このように構成することにより、障害物の方向に対応するスピーカから、マイクで集音した音声と逆位相の音声を出力することが可能となり、第一の実施形態と同様の弱音効果を得ることができる。同様に、運転者の耳に届く音を弱めることができる手段であれば、弱音装置は必ずしも左右二つで構成される必要はない。
【0055】
なお、第一の実施形態およびその変形例では、接近判定部12によって検出した障害物が通知条件を満たすかを判断している(S12)が、距離や相対速度によって通知の必要があるか判断しなくてもよい場合は、当該判断を省略してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1〜6,11 センサ
12 接近判定部
13 駆動部
14 アクチュエータ
15 開閉機構
31a,31b 開口部
21a,21b,41a,41b 遮蔽板
42a,42b 開閉機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物接近通知システムに関し、特に自動車において好適なものである。
【背景技術】
【0002】
センサ技術を用いて、自動車の周辺に存在する障害物を検出し、運転者に通知する技術が普及し始めている。例えば、センサ情報とステアリング情報を組み合わせ、自動車が進行する方向に障害物があると認められる場合に、事前に運転者に警告を行うシステムなどがある。
【0003】
このような技術を用いることにより、運転者は、走行中において、直接視認できる範囲外に存在する他の車両などの存在を知ることができ、目視確認の不足による接触事故を防止することができる。
【0004】
特許文献1に記載されている発明は、車両用障害物監視装置に関する発明であり、当該文献には、超音波センサを用いて車両周辺の障害物を検出し、あらかじめ設定された範囲内に障害物が存在する場合、運転者に対して警告音や案内音声等によって注意を喚起する技術が開示されている。当該発明によると、運転者は運転に支障を及ぼす障害物が車両の周辺にある場合に注意喚起のための通知を受けることができる。
【0005】
また、特許文献2に記載されている発明は、車両用障害物検出装置に関する発明であり、当該文献には、自車両および検出した障害物の移動範囲を予測し、接触可能性の判定を行ったうえで、運転者に音声による警報を発する技術が記載されている。特許文献1に記載の発明と比較すると、接触の可能性がある場合にのみ警告を行うため、通常の運転を妨害しないという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−236492号公報
【特許文献2】特開2007−69806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された発明では、自車両の周辺に障害物を検出した場合、音声によって運転者への通知を行っている。しかし、自車に接近するすべての障害物を音声で通知するような形態においては、他車が自車に接近するたびに音声出力がなされ、運転の妨げになるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載された発明では、自車両が移動する方向を予測し、予測される自車両の進行方向に検出範囲を限定することでこの問題を解消しているが、実際にステアリングを操作し始めるまでは装置が作動しないため、差し迫った衝突の危険がある場合にしか警告を発することができないという問題がある。つまり、運転者は「今から車両の進路を変更しても安全上問題がないか」という情報を得ることができないため、サイドミラーやバックミラー等を実際に目視して、直接車両周囲の安全を確認するほかない。
【0009】
本発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、車両の運転者に、車両周囲の対象物の存在を直感的に伝えることができる対象物接近通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る対象物接近通知システムでは、以下の手段により車両の運転者に対象物の存在を通知する。
【0011】
本発明に係る対象物接近通知システムは、自車両の周囲に存在する対象物を検出し、該対象物の自車両に対する方向を決定する対象物検出手段と、運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める弱音手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
すなわち、センサ等によって対象物を検出し、検出した対象物の方向から運転者に伝わる音を、たとえば遮蔽板などの機構を動作させることで弱める。これによって、運転者が耳を通して感じる騒音を変化させることができ、運転者に、当該方向に何かがある感覚を与えることができる。また、音で直接通知する場合と比較して、直感的に情報を与えることができ、かつ運転の妨げにならないという利点がある。弱音手段は、運転者に対し、決定された方向から到来する音を弱めることができるものであれば機械的なものに限る必要は無い。また、弱音手段によって弱められる音の量は、対象とする方向から到来する音が弱められたことを運転者が認識できる程度で足り、音を全て遮断する必要は無い。
【0013】
また、本発明に係る対象物接近通知システムは、前記対象物検出手段が検出した対象物のうち、運転者に通知すべき対象物を決定する通知決定手段をさらに有することを特徴としてもよい。
【0014】
このように構成することにより、運転者に通知する必要のある障害物だけを選択して通知することができるため、不必要な通知によって運転を妨げないという利点がある。
【0015】
また、前記弱音手段は、運転者の頭部に対して左右後方に配置された二つ以上の弱音装置によって前記決定された方向から到来する音を弱めることを特徴としてもよい。
【0016】
弱音装置とは、音を弱めるための機構である。このように構成することにより、運転者の左耳および右耳に対してそれぞれ到来する音を弱めることができるため、運転者に対して方向感覚を確実に示すことができる。
【0017】
また、前記弱音手段は、特定の方向より運転者の耳に到来する音を遮る位置に遮蔽体が移動することで前記決定された方向から到来する音を弱めることを特徴としてもよい。
【0018】
例えば、遮蔽体を運転者の耳の近くに移動させることによって音を弱めてもよく、また、開口部の開閉を行う機構を運転者の耳の近くに設け、当該開口部を閉鎖および開放させてもよい。これにより、同様に、運転者に対して方向感覚を確実に示すことができる。
【0019】
また、前記弱音手段は、車両が有する座席のヘッドレストに設けられた二つ以上の穴と、それぞれの穴を閉塞および開放する可動機構と、を含むことを特徴としてもよい。
【0020】
運転者の頭が位置するヘッドレストに二つ以上の穴を設け、それぞれの穴に対して開閉機構を設けることで、耳の直近にて音を弱めることができ、運転者への通知効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車両の運転者に、車両周囲の対象物の存在を直感的に伝えることができる対象物接近通知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第一の実施形態に係る弱音装置の配置図である。
【図2】本発明に係る対象物接近通知システムの機能構成図である。
【図3】車両に備えられたセンサの配置図である。
【図4】第一の実施形態に係る処理フローチャートである。
【図5】第一の実施形態に係る第二の処理フローチャートである。
【図6】第一の実施形態に係る開閉機構の動作例である。
【図7】第一の実施形態の変形例1に係る可動機構の配置および動作例である。
【図8】第一の実施形態の変形例2に係る可動機構の配置および動作例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一の実施形態例)
第一の実施形態に係る対象物接近通知システムの概要について説明する。
【0024】
まず、弱音装置の物理的配置について簡単に説明する。図1は、運転者に対する弱音装置の配置を表した図である。本実施形態で用いる座席のヘッドレストには、表裏を貫通する開口部が設けられており、当該開口部に設けられた開閉機構を動作させることで、開口部を個別に閉鎖および開放できるようになっている。開口部31aが運転者の右耳に対応し、開口部31bが運転者の左耳に対応する。
【0025】
次に、システム構成の説明を行う。図2は、第一の実施形態に係る対象物接近通知システムの機能構成を示した図である。
【0026】
センサ11は、自車両と障害物との間の距離を検出するセンサである。センサ11は、たとえばミリ波レーダーや超音波レーダーなどによって構成され、障害物からの反射波に基づいて距離を検出する。センサ11は、車両の前後方および側方に設置された複数のセンサから構成されている。図3は、複数のセンサを車両外部に配置した例である。各センサは、障害物を検出した場合は距離情報を、検出しない場合はその旨を接近判定部12へ送信する。
【0027】
接近判定部12は、取得した距離情報をもとに、障害物との距離および方向を決定し、運転者に車両の接近を通知するか否かを決定する手段である。例えば、図3のセンサ配置において、センサ6に反応があり、検出した距離が徐々に近くなっている場合、右後方から車両が接近していることがわかる。そのため、接近判定部12は、「右後方から車両が接近しているため、運転者に右方向に注意を向けるよう通知が必要である」という決定を行う。具体的な判定方法については後述する。
【0028】
駆動部13は、駆動機構であるアクチュエータ14に対して制御命令を発行する手段である。例えば、運転者が右方向に注意を向ける必要がある場合、右耳の近傍にある開口部に対応するアクチュエータに対して、開口部を閉鎖する制御命令を発行する。
【0029】
アクチュエータ14は、開閉機構15を開閉するための駆動機構であり、開閉機構15と機械的に接続されている。アクチュエータ14は、例えば座席の下部に収納され、接続されたワイヤーを引くことによって、ヘッドレスト内部に設置された開閉機構15を操作する。アクチュエータ14は、ソレノイドアクチュエータによって実現されることが好ましいが、油圧アクチュエータやステッピングモータ等を用いてもよい。
【0030】
開閉機構15は、ヘッドレストに設けられた開口部(31a,32b)に内蔵され、当該開口部を閉鎖および開放するための機構である。開閉機構15は、内蔵された遮蔽板を移動させることによって、開口部を開閉することができる。開閉機構の具体的な動作例は
後述する。
【0031】
なお、本システムは、CPU(中央演算処理装置)、主記憶装置、補助記憶装置などのハードウェア資源を備えたコンピュータにより構成することができる。また、接近判定部12、駆動部13については、エレクトリックコントロールユニット(ECU)などの車載コンピュータによって実現されることが望ましい。
【0032】
以下に、本発明に係る対象物接近通知システムの動作フローチャートである図4を参照し、動作の流れを追いながら、各手段の詳細について述べる。
【0033】
本発明に係る対象物接近通知システムが動作を開始すると、接近判定部12が、センサ11から距離情報を取得する(S11)。接近判定部12は、全てのセンサが取得した距離情報を得ることができる。センサ11が物体を検出すると、検出した物体までの距離が、物体を検出しない場合は「距離=無限大」という情報が接近判定部12に送られる。
【0034】
接近判定部12は、取得した各センサの距離情報から、通知条件を満たすか否かを判定し(S12)、運転者に対する通知の是非を決定する。この通知条件について説明する。図5は、ステップS12の判断内容を、車体右側のセンサを例に詳細に記したフローチャートである。
【0035】
接近判定部12は、まず車体右横に設置されたセンサ4の検出内容を確認する(S21)。センサ4が検出した距離が、車両の接近を示すものであった場合、自車のすぐ右隣に車両がいることを意味するため、通知条件を満たすという判定を行う。センサ4に反応が無い場合、続いてセンサ6の検出内容を確認する(S22)。ここで、センサ6が検出した距離が、車両の接近を示すものであった場合、同様に通知条件を満たすという判定を行う。センサ6に反応が無いか、もしくは車両の接近を示すものではない場合、続いてセンサ2の検出内容を確認する(S23)。ここで、センサ2が検出した距離が、車両の接近を示すものであった場合、同様に通知条件を満たすという判定を行う。センサ2に反応が無いか、もしくは車両の接近を示すものではない場合、通知条件を満たさないという判定を行う。
【0036】
センサが検出した距離が、車両の接近を示すものであるか否かの判断は、センサごとに、検出した距離が閾値以下であるかによって判断することができる。例えば、センサ2,6の場合は検出した距離が10m、センサ4の場合は3m以下である場合、車両が接近していると判断してもよい。
【0037】
また、当該判断は、車両の接近速度によって行ってもよい。この場合、一定間隔でセンサが検出した距離を取得し、検出した距離を時間で微分することによって相対速度を算出する。例えば、センサ2,6の場合、算出した相対速度が+5km/h以上(相対速度は、他車が自車に接近してくる方向を正とする)である場合に、車両が接近していると判断してもよい。
【0038】
なお、図5の例は車両右側に設置されたセンサについて説明したものであるが、車両左側についても同様のフローでステップS12の判断を行う。車両左側について検出を行う場合、図5に示したセンサ4はセンサ3に、センサ6はセンサ5に、センサ2はセンサ1に置き換わる。
【0039】
センサ2,4,6、およびセンサ1,3,5のいずれの検出結果も、車両の接近を知らせるものではなかった場合、運転者への通知条件が満たされていないとして、処理はステップS15へ遷移する。
【0040】
なお、センサは例示したもの全てを使用する必要は無い。たとえば、後方から接近する車両のみを検出できればよい場合は、センサ1〜4の車体への配置、および条件判断を省略してもよい。
【0041】
通知条件が満たされていない場合、自車周辺に車両は無いと判断し、処理を初期状態に戻す。このとき、開閉機構が作動していた場合(S15)、該当するアクチュエータを停止させ、駆動機構を開放(S16)したうえで処理を初期状態に遷移させる。
【0042】
一方、左右の少なくともどちらか片方が通知条件を満たす場合(S13)は、該当する方向に位置するアクチュエータを駆動し、開閉機構を閉鎖する。ここで、図1に戻り、開閉機構について説明する。開閉機構15は、ヘッドレストに設けられた開口部に内蔵され、左右最低一組が設置されている。図1の例では、運転者の右耳に位置する開口部31aと、左耳に位置する開口部31bにそれぞれ三つの開口部が設けられており、いずれも運転者の耳の近傍に位置している。アクチュエータ14を動作させることによって、開口部31aと31bに対応するそれぞれの穴を、独立して閉鎖および開放することができる。
【0043】
図6は、開閉機構が開閉する模様を具体的に示した図である。例えば、開口部に複数の遮蔽板を設置して絞り状にしたもの(21a)を動作させることによって開口部を閉鎖してもよいし、左右両側から引き戸状の遮蔽板(21b)を移動させることによって開口部を閉鎖してもよい。
【0044】
開閉機構15を閉鎖した場合、運転者は、ヘッドレスト後方からの暗騒音(ノイズ)が小さくなるため、聞こえている音が変化した感覚を覚える。これによって、左右どちらかの方向に何かがあるという気配を作りだすことができる。
【0045】
本実施形態によると、自車両の周辺のうち、運転において注意が必要な方向を常時知ることができるため、音声による通知を行う場合と比較して、運転者は少ない負担で車両が接近しているという情報を得ることができる。また、暗騒音を変化させるため、周辺の音に影響を受けないという利点がある。たとえば、車内で音楽を聴いていて警告音が聞こえない場合など、従来技術では対応できないケースであっても課題を解決することができる。
【0046】
(第一の実施形態の変形例)
次に、第一の実施形態の変形例について、変形例(1)と変形例(2)の二つの例を挙げて説明する。各変形例のシステム概要および処理フローチャートは、第一の実施形態と同様である。
【0047】
図7は、変形例(1)に係る開閉機構を図示したものである。第一の実施形態においては、運転者が直接頭部を乗せるヘッドレストに開口部を設けることで音を弱めたが、変形例(1)では、運転者の両耳に近い位置で遮蔽板を水平に動かすことによって音を弱める。本変形例では、遮蔽板を後方に移動させることで(41a)非遮蔽状態を作り出し、前方に移動させることで(41b)遮蔽状態を作り出す。図7は、運転者の左手方向に障害物がある場合の例を表している。このように構成することで、運転者の耳に最も近い位置で音を弱めるための制御を行うことができるため、より確実に運転者に気配を伝えることが可能になる。
【0048】
また、図8は、変形例(2)に係る開閉機構を図示したものである。変形例(2)では、ヘッドレストの両側にスリット状の開閉機構を連結し、スリットを開閉することで開口部の閉鎖および開放を行う。42aは開閉機構が閉じた状態を、42bは開いた状態を表
し、運転者の右手方向に障害物がある場合の例を表している。このように構成することで、開口部を大きくとることができ、第一の実施形態と比較して大きな減衰効果を得られるという利点がある。
【0049】
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうるものである。たとえば、センサによる検出対象は、他の車両を想定したが、建物や構造物などであってもよい。
【0050】
また、センサ11については、ミリ波レーダーやマイクロ波レーダー以外に車外カメラを用いて車両周辺の障害物を検出してもよいし、目的に応じてセンサの数は増減させてもよい。
【0051】
また、接近判定部12は、自車の速度を取得する手段をさらに有することで、一定の速度以上で走行している場合にのみ動作をしてもよく、速度以外の情報を取得する手段、たとえば方向指示器の状態を取得する手段をさらに有することで、ウインカーが点滅している場合にのみ動作をしてもよい。このようにすることで、運転者に対する不必要な通知を抑制することができる。
【0052】
また、駆動部13は、該当する開閉機構を全て閉鎖または開放する他に、通知の効果を高めるため、いくつかの駆動パターンを持っていてもよい。たとえば、図2の例では、開口部31aおよび31bがそれぞれ三つの穴を持っているが、三つの穴を一度に閉鎖または開放してもよいし、一個ずつ順に閉鎖または開放してもよい。または、動作を一斉に繰り返す等してもよい。
【0053】
また、本実施形態では、駆動手段であるアクチュエータ14と、開閉機構15が機械的に連結されている例を挙げたが、開閉機構15に駆動手段が内蔵されていてもよい。この場合、開閉機構15は、内蔵されたアクチュエータやステッピングモータなどによって直接駆動される。
【0054】
また、本発明における弱音手段は、第一の実施形態およびその変形例で例示したような、遮蔽板を用いた機械的手段に限定されるものではない。例えば、車内の音を集音するマイクと、マイクに入力される音声信号の位相を反転する逆位相発生手段と、位相が反転した音声信号を出力するスピーカユニットとを有するよう構成してもよい。このように構成することにより、障害物の方向に対応するスピーカから、マイクで集音した音声と逆位相の音声を出力することが可能となり、第一の実施形態と同様の弱音効果を得ることができる。同様に、運転者の耳に届く音を弱めることができる手段であれば、弱音装置は必ずしも左右二つで構成される必要はない。
【0055】
なお、第一の実施形態およびその変形例では、接近判定部12によって検出した障害物が通知条件を満たすかを判断している(S12)が、距離や相対速度によって通知の必要があるか判断しなくてもよい場合は、当該判断を省略してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1〜6,11 センサ
12 接近判定部
13 駆動部
14 アクチュエータ
15 開閉機構
31a,31b 開口部
21a,21b,41a,41b 遮蔽板
42a,42b 開閉機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲に存在する対象物を検出し、自車両に対する方向を決定する対象物検出手段と、
運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める弱音手段と、
を有する
ことを特徴とする、対象物接近通知システム。
【請求項2】
前記対象物検出手段が検出した対象物のうち、運転者に通知すべき対象物を決定する通知決定手段
をさらに有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の対象物接近通知システム。
【請求項3】
前記弱音手段は、運転者の頭部に対して左右後方に配置された二つ以上の弱音装置によって前記決定された方向から到来する音を弱める
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の対象物接近通知システム。
【請求項4】
前記弱音手段は、特定の方向より運転者の耳に到来する音を遮る位置に遮蔽体が移動することで前記決定された方向から到来する音を弱める
ことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の対象物接近通知システム。
【請求項5】
前記弱音手段は、車両が有する座席のヘッドレストに設けられた二つ以上の穴と、それぞれの穴を閉塞および開放する開閉機構と、を含む
ことを特徴とする、請求項4に記載の対象物接近通知システム。
【請求項6】
車両用座席に装着されるヘッドレストであって、
ヘッドレストの表裏を貫通するよう形成された二つ以上の穴を備え、
前記穴を閉塞および開放する開閉機構を有する
ことを特徴とする、ヘッドレスト。
【請求項7】
自車両の周囲に存在する対象物の、自車両に対する方向を決定し、
運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める
ことを特徴とする、対象物接近通知方法。
【請求項1】
自車両の周囲に存在する対象物を検出し、自車両に対する方向を決定する対象物検出手段と、
運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める弱音手段と、
を有する
ことを特徴とする、対象物接近通知システム。
【請求項2】
前記対象物検出手段が検出した対象物のうち、運転者に通知すべき対象物を決定する通知決定手段
をさらに有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の対象物接近通知システム。
【請求項3】
前記弱音手段は、運転者の頭部に対して左右後方に配置された二つ以上の弱音装置によって前記決定された方向から到来する音を弱める
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の対象物接近通知システム。
【請求項4】
前記弱音手段は、特定の方向より運転者の耳に到来する音を遮る位置に遮蔽体が移動することで前記決定された方向から到来する音を弱める
ことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の対象物接近通知システム。
【請求項5】
前記弱音手段は、車両が有する座席のヘッドレストに設けられた二つ以上の穴と、それぞれの穴を閉塞および開放する開閉機構と、を含む
ことを特徴とする、請求項4に記載の対象物接近通知システム。
【請求項6】
車両用座席に装着されるヘッドレストであって、
ヘッドレストの表裏を貫通するよう形成された二つ以上の穴を備え、
前記穴を閉塞および開放する開閉機構を有する
ことを特徴とする、ヘッドレスト。
【請求項7】
自車両の周囲に存在する対象物の、自車両に対する方向を決定し、
運転者に対して前記決定された方向から到来する音を弱める
ことを特徴とする、対象物接近通知方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−88872(P2013−88872A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226202(P2011−226202)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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