説明

封入された電極を備えるマイクロ放電装置及び製造方法

本発明の一実施形態は、誘電体で封入された第1の電極(230)を含んでおり、この誘電体はナノポーラス誘電体皮膜であり得るマイクロ放電装置である。第2の電極(240)が提供され、これも同様に誘電体で封入されてもよい。これらの電極は、時間変化性(AC、RF、バイポーラ、又はパルス化DC等)の電位がこれらの電極間に与えられたときに、マイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成されている。本発明の特定の実施形態では、第2の電極は、マイクロキャビティの開口部を覆うスクリーンであってもよく、またマイクロキャビティは一端が閉じていても良い。本発明のいくつかの実施形態では、第2の電極は第1の電極に直接接していてもよい。他の実施形態では、ギャップが電極を分離している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ放電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプラズマ(マイクロ放電)装置は、殆ど10年もの間開発が続けられており、また10μmもの小ささのマイクロキャビティを有する装置が製造されてきた。〜4cmのチップ領域中に4*10ピクセルもの大きさのマイクロプラズマ装置のアレイ(1cm当たり10ピクセルのパッキング密度(packing density))が製造されている。更に、可視光及び紫外線での光検出、環境センシング(environment sensing)、及び半導体のプラズマエッチングまでもの広い領域でのこれらの装置の応用が実証され、いくつかが現在商業的な可能性について検討されている。現在まで報告されたマイクロプラズマ装置の多くは、DC電圧により駆動されており、基本的に同種の材料の誘電体膜を組み込んでいた。マイクロプラズマ装置の想定される適用に関係なく、このテクノロジーの成功はいくつかの要因にかかっており、このうち最も重要なのは製造コスト、寿命、及び放射効率である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施形態は、誘電体中に封入された第1の電極を含むマイクロ放電装置であり、この誘電体はナノポーラス誘電体皮膜(nanoporous dielectric film)であり得る。第2の電極が提供され、これも誘電体で封入されてもよい。これらの電極は、時間変化性の(AC、RF、バイポーラ、又はパルス化DC等)電位が電極間に加えられたときに、マイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成されている。本発明の特定の実施形態では、第2の電極は、マイクロキャビティの開口部を覆うスクリーンであってもよく、またマイクロキャビティは一端が閉じていても良い。本発明のいくつかの実施形態では、第2の電極は第1の電極に直接接していてもよい。他の実施形態では、ギャップが電極を分離している。
【0004】
封入された電極を備えるマイクロ放電装置の好ましい製造方法においては、金属基板が用いられて、ナノポーラス誘電体で封入された電極を形成し、この誘電体層の一部が溶解される。この誘電体層は、次に、2度目の陽極酸化が成され、ナノスケールの誘電体構造の均一性が増したナノポーラス誘電体封入電極をもたらす。本発明のいくつかの実施形態では、誘電体内の円柱状の窪みは更に誘電体の特性を調整するために1またはそれ以上の材料で埋め戻されてもよい。
本発明の以上の特性は、添付の図面を参照して成される以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の特定の実施形態では、円柱状のナノ構造化された誘電体を金属基板上に成長させてマイクロ放電電極を形成する。この金属基板は、例えば、薄膜、箔、板、棒、管などの如何なる形状を有してもよい。この方法はマイクロ放電装置アレイの製造を容易にし、この装置は如何なる表面形状にも適合するであろう。誘電体は、金属表面の第1の陽極酸化により成長し、この金属はアルミニウムであってもよい。得られる誘電体層の一部は、次に溶かされ(溶解)、次に第2の陽極酸化ステップが実行される。得られる誘電体構造は、非常に均一且つナノポーラスであり、非常に揃った、数十から数百ナノメータまでの直径の円筒状キャビティを有している。本発明のいくつかの実施形態では、このナノスケールキャビティは、この後、特定の材料(誘電体又は電気的な導体)で埋め戻されて、この構造の更なる特性の調整を行っても良い。得られる封入された金属は、バルク材料及び薄膜のような従来の誘電体材料と比較して、例えば高い絶縁破壊電圧などのより優れた特性を示すことができる。
【0006】
本発明の第1の実施形態では、誘電体中に封入された第1の電極を含むマイクロ放電装置を提供し、この誘電体はナノポーラス誘電体皮膜であってもよい。第2電極が提供され、これも同様に誘電体に封入されてもよい。これらの電極は、時間変化性の(AC、RF、バイポーラ、又はパルス化DC等)電位が電極間に加えられたときに、マイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成されている。本発明の特定の実施形態では、第2の電極は、マイクロキャビティの開口部を覆うスクリーンであってもよく、またマイクロキャビティは一端が閉じていても良い。本発明のいくつかの実施形態では、第2の電極は第1の電極に直接接していてもよい。他の実施形態では、ギャップが電極同士を分離している。
【0007】
本発明の他の実施形態では、マイクロ放電装置アレイが提供される。このアレイは、複数の電極対を含んでいる。各電極対は、第1の電極及び第2の電極を含み、各電極は誘電体に封入された金属を含んでいる。各電極対は、時間変化性の電位が電極間に与えられたときに、対応するマイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成される。本発明の特定の実施形態では、電極対は積層され、マイクロ放電装置のリニアアレイを形成する。
【0008】
本発明の更なる実施形態では、誘電体中に封入された複数の金属電極を含む平面電極アレイを含むマイクロ放電装置アレイが提供される。封入された電極アレイは複数のマイクロキャビティを形成する。共通電極が、この共通電極と電極アレイとの間に電位が与えられたときに、各マイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、この共通電極は、アレイから放出される光に対して透明である。
【0009】
本発明の他の実施形態では、ディスプレー応用のためのマイクロ放電装置アレイが提供される。このアレイは、第1の誘電体で封入された金属を含む第1の電極と、第1の電極に関連付けられた複数のマイクロキャビティと、第2の誘電体で封入された金属を含む第2の電極と、第2の電極に関連付けられた複数のマイクロキャビティとを含んでいる。第1の電極及び第2の電極は、第1及び第2の電極の間に電位がかけられたときに、特定のマイクロキャビティに、この特定のマイクロキャビティが第1の複数のマイクロキャビティ及び第2の複数のマイクロキャビティの両方の一部である場合に限り、マイクロ放電を引き起こすように構成されている。
【0010】
本発明の他の実施形態では、金属の円筒(チューブ)を含む、円筒状のマイクロ放電装置アレイが提供される。複数のマイクロキャビティが、この円筒の内部表面上に構成され、このキャビティは次に誘電体で封入される。電極が円筒の中心軸に沿って配置され、また、この電極は時間変化性の電位がこの電極と円筒間に与えられたときに各マイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成される。中心電極に沿って気体の流れを導入することにより、有毒な気体の改善を達成しても良い。電位は、中心電極と円筒の間に与えられて、各マイクロキャビティ中に放電を引き起こす。放電は、気体がマイクロキャビティを通って流れる時に、気体中の不純物を解離(dissociate)する。本発明の他の実施形態では、この構成を、円筒を通って流れる気体の光化学的処理のために用いてもよい。これは、レーザーに対する利得媒質としても同様に役立つ。
【0011】
本発明の実施形態は、例えば、医薬及び光重合(材料の光学的処理)への応用などで要求される、有効長及び/又は面積の拡大・縮小(scaling)のためのマイクロ放電装置アレイ配置及び構造を提供する。
【0012】
この説明及び任意の添付請求項で用いられたように、「層」は、文脈が違うように示さない限りは、単一のステップで、又は複数のステップ(例えば、蒸着(deposition))により構成することができるということに留意されたい。
【0013】
図1A〜Fは、本発明の一実施形態に従って、金属上(この場合はアルミニウム)にナノポーラス誘電体を成長させるためのプロセスを例示している。Alのナノポーラス誘電体層20は、薄膜、箔、平板、棒、又はチューブなどの任意の形態(しかしこれらに限定されず)のアルミニウム基板10の上に成長させることができる。アルミニウム基盤は、先ず例えば、電気化学的な、又は科学的な研磨(過塩素酸のような酸性エッチャント溶液にさらすことによるなど)により完全に清浄化する必要がある(図1A)。このプロセスはまた、表面から一部の凹凸を除去する働きをし、これにより表面を平坦にする。次のステップは、マイクロドリリング及び化学的エッチングを含む1またはそれ以上の様々な手法によりこの金属中に所望の断面及び配列パターンのマイクロキャビティを形成することである(図1B)。(マイクロキャビティは、およそ500μ以下の特性寸法(直径、矩形の長さ等)を有する空洞である。)誘電体の堆積プロセスが、この後、円柱状の窪み25を伴うAlのナノポーラス誘電体層20を生み出す、アルミニウム基版10の陽極酸化により開始されるが(図1C)、この表面は不規則なナノ構造を有する。この陽極酸化は、上記金属基板を陽極とし、黒鉛、銅、又は白金のような適切な材料を陰極として、酸性溶液中で行うことができる。本発明の一実施形態では、酸性溶液は濃度0.3〜0.4Mかつ好ましくは約15℃未満の温度のシュウ酸である。溶液温度の選択はトレードオフを示し、溶液温度がより高ければ誘電体の堆積は早いが、誘電体の構造はより均一でなくなる。本発明の他の実施形態では、硫酸、リン酸、クロム酸、又は有機酸及び無機酸の混合物を陽極酸化溶液として用いてもよい。
【0014】
次に、ナノカラム20を溶解により除去すると、図1Dに示す構造が得られる。溶解は、例えば、クロム酸と塩化第2水銀の混合物(又は、Transetch NTMのような他のアルミナエッチャント溶液)を堆積された誘電体に対して適用することにより達成しても良い。残っている構造(これは、鋳型と考えられる)に2度目の陽極酸化を行うと、図1Eに示すように、誘電体40のカラム間の円柱状の窪み45の構造が非常に規則正しくなる。2回目の陽極酸化は上述したような、最初の陽極酸化を同じようなやり方で達成しても良い。本発明の特定の実施形態では、この誘電体カラム40の厚さは、数百ナノメーター(「nm」)から数百ミクロンまで変えることができる。さらに、誘電体中の円柱状の窪み45の直径は、溶媒及び陽極酸化条件を変えることにより(温度及びモル濃度)数十nmから数百nmまで調整することができる。
【0015】
このプロセスにより形成される金属/ナノ構造誘電体構造は、マイクロプラズマ装置中の電極として有利に用いられてもよい。電極の様々な部分に堆積されたナノポーラス誘電体の厚さは、この装置に所望される特性に従って調整することができる。例えば、マイクロ放電キャビティに隣接するであろう電極の部分の誘電体層の厚さは、好ましくは5ミクロンから30ミクロンの範囲で設定しても良い。誘電体層がより厚くなると誘電体の絶縁破壊電圧が高くなり、物理的な処理及び化学的腐食に対する誘電体の寿命は増加するが、マイクロキャビティ内に放電を引き起こすのに必要な電圧も増加する。マイクロキャビティに隣接しない、他の電極部分は、より厚い誘電体層(例えば、約40ミクロン以上)で有利に覆ってもよい。誘電体のこのより厚い層により、電極の寿命を延ばすことができるが、マイクロキャビティ外の領域における電気的な絶縁破壊を防止することもできる。電極の別々の部分の上に形成される誘電体の厚さは、マスキング剤を用いることにより制御しても良い。フォトリソグラフィーで用いられるフォトレジストのようなマスキング剤を用いることにより、又は当分野で公知の他のマスキング手法によって、制御しても良い。本発明のいくつかの実施形態では、マイクロ放電キャビティに接するであろう電極の部分に形成される誘電体層の厚さの、電極の他の部分上の誘電体層の厚さに対する比率は、およそ1:2から1:4に設定しても良い。
【0016】
他の材料が、本発明の先の実施形態のアルミニウムと有利に置き換えられても良い。例えば、チタン、タングステン、ジルコニウム、及びニオブなどの様々な金属を、陽極酸化によりナノポーラス誘電体を上に形成する基板として用いてもよい。このプロセスは、TiO誘電体層をチタン基板の上に、またWO誘電体層をタングステン基板上に形成するために用いてもよい。
【0017】
電極構造の製造が完了した時点で、本発明の一実施形態に従って、図1Fに例示されたようなマイクロプラズマ装置を組み立ててもよい。単純な、2層装置が示されており、これらのうち上の装置は2つのマイクロキャビティ直径を有していて、所望の装置構造の位置合わせを達成するのを容易にし、そして、この装置は真空システムにより真空引きされ、また、この装置を脱気体するために真空下で加熱しても良い。次いで、この装置(又は装置のアレイ)のマイクロキャビティ(又はマイクロキャビティ群)は、所望の気体又は蒸気により埋め戻し(back−fill)され、次に陽極接合、ラミネーション、又はガラスフリット若しくはエポキシによる封止などの周知の多様な処理の1つにより、この装置又はアレイを封止することが一般的には望ましい。全てのマイクロ放電装置は、時間変化する電圧(これは、AC、RF、バイポーラ又はパルス状DCでもよい)により電力供給される。電気的な接触は、誘電体層中の金属に直接行われる。最終的に、バックグラウンド気体中でのマイクロ放電の動作により加熱される時に所望の蒸気を発生する、金属ハロゲン化物塩を少量マイクロキャビティに導入することにより、放電媒体を実現しても良い。
【0018】
本発明の更なる実施形態では、先の実施形態の封入された電極の特性を、更なる処理で大幅に変更することができる。例えば、図1Hに例示されたように、円柱状のポア45は、酸化マグネシウムまたは他の誘電体材料のような材料で部分的に充填60をすることができる。これは、スパッタリング、スピンコーティング、化学「ディッピング(dipping)」、及びゾルゲル法などの、周知の様々な処理により成すことができる。従って、このナノ構造化された誘電体の特性を調整する上で、かなりの柔軟性を実現することができる。このような方法で調整し得る特性には、誘電体の誘電定数及びこれの電気的絶縁破壊電位、又は光学的特性が含まれる。
【0019】
あるいは、図1G〜1Hに示すように、陽極酸化プロセスで自然に形成されるナノポアの基部のAl「バリア」は、化学的エッチングにより除去することができる。次に、このナノポアを導電性材料55で埋め戻しすることができる。金属を、例えば電気メッキによりこのナノポアに堆積させることができる。アレイの表面上に堆積される如何なる金属も、所望されればエッチングにより除去可能である。また、カーボンナノチューブを、ナノポアの内部に化学気相堆積により成長させてもよい。このナノチューブは、所望されればエッチングにより除去されるために用いられてもよい。また、カーボンナノチューブは、化学気相堆積によりナノポア中に成長させても良い。このナノチューブは、電界放出により電子を作り出すために用いてもよい。この電子は、電界によりナノポアの開放端から引き出すことができる。
【0020】
図1Iは、本発明の一実施形態に従うナノポーラス誘電体封入電極を形成するためのプロセス80を例示している。先ず、マイクロキャビティを含み得る金属基板が用意され82、上述したように清浄化される84(図1A参照)。次に、マイクロキャビティ(又はマイクロキャビティのアレイ)が形成され、もし必要なら追加の清浄化でデブリ(debris)が除去される(図1B参照)。次に、基板は陽極酸化され86(図1C参照)、ナノポーラス誘電体層が堆積される。次に、堆積された層は部分的に溶解される88(図1D参照)。残りの誘電体層鋳型を伴う基板には、この後、2回目の陽極酸化がなされる90(図1E参照)。もし追加の処理が必要なければ92、プロセスは終了する94。あるいは、3度目の陽極酸化を実行してもよいし96、円柱状の空隙の基部を充填(図1G参照)してもよく、又は円柱状の空隙を上述のように所望の金属で埋め戻しすることができる(図1H参照)。マイクロ放電装置は、マイクロキャビティを放電媒体で満たしてこの装置を封止することにより完了しても良い(図1Iには示されていない)。
【0021】
ナノ構造化された誘電体の誘電体特性は、マイクロプラズマ放電装置で用いられる従来の誘電体の特性よりも優れている。例えば、図1に示す20μm厚のAl/Al層の誘電体構造についての、電気的絶縁破壊電圧を測定したところ、2000Vより高く、一方、この倍の厚さ(40μm)のバルクのアルミナの絶縁破壊電圧は、〜1100Vにすぎなかった。また、ナノポアの基部における厚いバリア層、及び他の誘電体でのポアの埋め戻しは、絶縁破壊電圧を増加させるのに効果的である。
【0022】
本発明の様々な実施形態において、ナノポーラス誘電体に封入された1またはそれ以上の電極を含むマイクロ放電装置が提供される。このナノポーラス誘電体は、例えば(限定せず)、上述のような湿式化学的処理により形成しても良い。従って、多様な装置構造を経済的に製造することができる。これらの装置は、誘電体中に封入された第1の電極と、同様に第1の電極の誘電体中に又は他の誘電体中に封入されてもよい第2の電極とを含んでいる。これらの電極は、第1及び第2の電極の間に時間で変化する(AC、パルス状DC等)励起電位がかけられたときに、マイクロキャビティ(すなわち、およそ500μ以下の特性寸法(直径、矩形の長さ等)を有するキャビティ)中にマイクロ放電を引き起こすように構成されている。封入された電極はマイクロプラズマ放電にさらされることがなく、電極の寿命が長くするのを手助けする。
【0023】
本発明の第1の実施形態に従ったマイクロ放電装置200の断面が、図2Aにおいて示されている。第1の電極230は、誘電体220で封入されたアルミニウムなどの金属210から形成されている。この誘電体は、Alのようなナノポーラス誘電体であってもよい。第2の電極240が、第1の電極に隣接して配置され、直径「d」のマイクロキャビティ250がマイクロドリリング、レーザー加工、化学エッチング等のような、周知の各種処理の1つにより形成される。マイクロキャビティは、第2の電極240を貫いて伸びているが、第1の電極230を必ずしも完全に貫通する必要はない。直径dは、通常1〜500ミクロンのオーダーであってもよい。更に、キャビティの断面は、円形である必要はなく、様々な形状を取ることができる。第2の電極は、金属、インジウムスズ酸化物(「ITO」)、ドープ結晶若しくは多結晶半導体、又は高分子化合物さえも含む、任意の導電性材料とすることができる。第1の電極と第2の電極の間に印加された交流(AC)又は他の時間変化性電圧260が、適切な圧力の放電気体又は蒸気が存在し、且つピーク電圧が充分な場合は、マイクロキャビティ250中にマイクロプラズマを引き起こすだろう。図2Bは装置200の上面図を示す。示されたマイクロキャビティ250は円柱であるが、かかるマイクロキャビティは円筒に限定されず、他の形状及び縦横比が可能である。第1の電極内の金属210は、有利にもマイクロプラズマとは接触せず、電極の寿命を長くするのを手助けする。
【0024】
本発明の他の関連する実施形態300では、図3Aの断面に示されているように、第2の電極は、マイクロキャビティ250を少なくとも部分的に覆う金属スクリーン340であってもよい。このスクリーン電極はまた、もしこの金属が適切に選択されるのであれば(例えば、Al、W、Zr等)、ナノポーラス誘電体(示されているように)で封入されてもよい。図3Bはこの装置のトップダウン(平面)図を示す。
【0025】
本発明の更なる関連する実施形態400では、図4の断面に示すように、マイクロキャビティ放電チャンネル450の一端480は閉じている。誘電体「キャップ」480は、誘電体220に光バンドギャップ構造を設計することにより、特定の波長の光を反射する働きをすることができ、又はマイクロキャビティ450の基部における誘電体220を1またはそれ以上の反射性材料で覆っても良い。誘電体が関心のあるスペクトル領域で透明である場合、反射性の層480は誘電体220の外側に適用しても良い。
【0026】
本発明の他の実施形態では、マイクロ放電装置の両方の電極が誘電体で封入されてもよい。図5は、第2の電極240が誘電体510で封入され第2の封入電極530を形成していることを除いては、図2の装置と同様な構造を持つ装置500を示している。図5では、電極230及び電極530は、直接の物理的接触状態にある。図6に示すような本発明の他の実施形態では、マイクロ放電装置600は、電極対230及び530が隣接する電極に対する誘電体層間のギャップをともなって積み重ねられるように形成しても良い。積層される電極対の数は設計選択の問題であり、図7に例示したように、延長された長さを有するマイクロプラズマのリニアアレイ700を実現しても良い。このような積層装置は、光放射の強度増加を有利に提供することができ、マイクロチャンネル750の各端にミラーを配置することにより、レーザーを実現するのに適している。あるいは、図7の構造は、延長されたプラズマ柱の長さの変更が可能な他の応用で用いてもよい。
【0027】
本発明の他の実施形態では、図8の断面に示すように、平面配列を伴うマイクロプラズマ装置アレイ800が形成される。この実施形態では、個別の「ピクセル」サイズを決定する金属電極アレイ810が誘電体820に封入されている。電極アレイ810は、金属基板中へのレーザーマイクロマシニングにより、又は代わりに湿式又はプラズマエッチングにより、経済的に製造することができる。一旦電極アレイが形成されると、誘電体820を湿式化学処理によりアレイ全体にわたって堆積することができる。アレイの全てのピクセルは、ガラス上のITO、石英、又はサファイヤのような共通透明電極840を共有しても良い。電極間に電位830を印加すると、マイクロキャビティ850中で放電を引き起こす。マイクロ放電からの放射光は、共通透明電極840を通して又はマイクロキャビティ850の他端から漏れる。あるいは、共通電極840は、透明である必要はないが、先に説明したように誘電体封入の金属電極とすることができる。光は、その結果マイクロキャビティのこの端から外へ抜き出されマイクロキャビティ850から離れる。
【0028】
本発明の更なる一実施形態では、図9に示すように、個別のマイクロキャビティ(ピクセル)が選択的に励起することを可能とするマイクロ放電アレイ900を形成することができる。所望の形状のピクセル930を、長さが延長された誘電体封入電極910中に作ることができる。この誘電体封入電極910の下(あるいは上)にあるのは、第2の誘電体封入電極920であり、これも同様に長さを延長してもよい。第1の電極910へ電圧Vを印加し、第2の電極920には電圧をかけない(V=0)場合、第1及び第2の電極の交点にあるピクセルは点灯しない。しかしながら、適切な電圧Vが同様に第2の電極に加えられると、両方の電極の交点に位置するピクセルのみが点灯し、光940を放射する。アレイの他のピクセルは暗いままである。このようにして、各ピクセルが個別にアドレス可能な大きなピクセルアレイを構成し、例えばディスプレー及び生物医学診断に応用することができる。
【0029】
任意の構成(形状:geometry)中に導電性(例えば、金属)表面上のナノポーラス誘電体を作る能力は、プラズマアレイ及び処理システムで利益をもたらすために用いられる。例えば、図10は、マイクロプラズマ装置の円筒型アレイ1000を例示しており、各装置は金属(箔、他の表面上の皮膜、アルミニウム管類など)のチューブ状部1010の内部壁上に作られている。チューブ状部1010の壁にマイクロキャビティが作られた後、アレイは、上述のように各キャビティの内部を同様にコーティングする、ナノポーラス誘電体1030を円筒1010の内部表面上に形成することにより完成する。意図される応用によっては、マイクロキャビティは多様な形状及びサイズであってもよい。図10の実施形態に対しては、マイクロキャビティは円筒1010の壁を貫いて延長している。気体が円筒1010の外側からシステムに入り、マイクロキャビティを通り抜ける。このシステムの用途が、有毒の又は他の環境的に有害な気体若しくは蒸気を解離する(寸断する:fragment)ことだとすると、気体がマイクロ放電を通過することにより、望まれないものの一部が解離されるであろう。もし、1段配置での解離の程度が許容できるのであれば、気体状の生成物はシステムから、図10に示すように、その軸にそって移動させることができる。1段での解離の程度が不十分な場合は、図11に示すように、第1段と同心の第2段が追加される。この場合、中心電極1020は円筒状であり、マイクロキャビティのアレイは円筒1010のものと同様に、この壁に作られる。マイクロキャビティは、この場合も壁を貫通して延びている。中心電極1020の軸に沿っているのは、第2の電極であり、これはチューブ、棒、又はワイヤであってもよい。第1及び第2の電極は、双方とも誘電体により封入される。この2段システムにより、問題の気体又は蒸気は、システムを出る前に今度は2つのマイクロ放電アレイを通り抜ける必要がある。
【0030】
先に言及したように、マイクロプラズマピクセルを有するより大きな円筒の軸にそって位置する中心電極1020は、固体の導電物(例えば、金属棒又はチューブ)又は代わりに光学的に透明な円筒(例えば、水晶チューブ)上に堆積された透明導電物とすることができる。前者の設計は、励起された気体又は基底状態のラディカルを生成するために、気体を電気的に励起及び解離することにとって興味深く、一方後者は、内部円筒(光学的に透明な)の内部を流れる気体又は蒸気を光学的に励起することに対して有益である。
【0031】
図10のアレイは、本発明の一実施形態に従って、有毒気体の改善などの光化学的処理に対して用いることができる。時間変化性電位が、中心電極1020と円筒1030の間に加えられる。別の応用は、この円筒の中心電極1020内に配置された利得媒質で光を増幅するための光学的ポンピングである。
【0032】
先に説明したいくつかの装置及びアレイ、そして特に図2、3、5のものが組み立てられテストされた。今日まで製造されてきた典型的なマイクロ放電装置は、Al箔(通常50〜100ミクロン厚の)から成り、先ず酸性溶液中で清浄化され、次に箔にマイクロキャビティ又はマイクロキャビティのアレイが、微細加工される。個別のマイクロ放電キャビティ(すなわちマイクロキャビティ)は、50〜100ミクロンの直径を伴う円筒状である。マイクロキャビティが作成された後、ナノポーラスAl/Alが電極全体にわたって、マイクロキャビティの壁上で〜10ミクロン、また他の場所では30〜40ミクロンの厚さに成長させられる。装置の組み立ての後、この装置は真空システムで真空引きされ、必要なら脱気体され(de−gassed)、所望の気体又は蒸気で埋め戻しされる。所望される場合、装置又は装置アレイ全体は、当技術分野で公知のように、陽極接合、ラミネーション、ガラスフリット封止、又は他のプロセスにより、少なくとも1つの透明窓を伴う軽量パッケージに密封しても良い。
【0033】
各装置が100ミクロン径の円柱状のマイクロキャビティを伴う(図5の装置)、2×2のAlマイクロ放電装置のアレイを希気体中及び空気中で動作させた。典型的なAC動作電圧(与えられた値はピーク・トゥ・ピーク)及びRMS電流は、〜700トールのNeに対しては650Vと2.3mA、また空気に対しては800V〜850Vと6.25mAである。これらの測定に対する、AC駆動周波数は20KHzであった。電気的なバラストの必要がなく、このアレイの全てのピクセルで安定且つ一様な放電が生成されたということを強調しておかなければならない。この結果は、安定した放電を得るのが最も難しい気体(又は混合気体)として長く公知である空気に対して、特に大きな意義を有する。
【0034】
はるかに大きいアレイを構成しても良く、また全工程が自動化されてもよい。要求される材料のコストの低さと、装置の組み立ての容易さと、及び今日まで試験された範囲で生成された安定して良好に動作するグロー放電との全てが、本発明の実施形態のマイクロ放電装置及びアレイは、低コストで、明るくて、順応性のある可視光及び紫外線光源が要求される場合はいつでも価値を有するということを示している。
【0035】
もちろん、本発明が上記された詳細記述の態様に限定されないということは、当業者には明白であろう。説明された何れの実施形態において、電極を封入するために用いられる誘電体は、ナノポーラス誘電体であってもよい。アルミナで封入されたアルミニウム(Al/Al)がこれらの装置の例となる材料として用いられたが、多様な材料(例えば、W/WO)を同様に用いてもよい。更に、上述の実施形態の如何なるものにおいても、装置のマイクロキャビティを所望の圧力の気体で充填して、特定の特性を有するマイクロ放電を容易にしても良い。マイクロキャビティは、原子希気体、N、及び希気体−ハロゲンドナー気体の混合などの放電気体で満たしてもよい。気体圧及び混合気体の構成は、所望の放射種の好適な数密度を維持するために選択しても良い。
【0036】
実験的なAl/Alマイクロ放電装置アレイが、図1A〜1Iについて説明された方法で製造された。装置は、アレイに形成され、各装置は100μmのマイクロキャビティ径を有していた。マイクロキャビティは、アルミニウム箔に作成され、箔を貫通している。各マイクロキャビティの内壁をライニング(lining)しているAl誘電体は、光学顕微鏡写真で黒い輪として見えた。誘電体皮膜は、実際には透明だが、単に写真の記録のされ方のために暗く見えている。Al基板の上面(及び反対側)上のAl皮膜は透明であり、確認された染みはAl箔上の未処理の表面構造の結果である。他の実験的なマイクロ放電装置のアレイが形成され、これも円筒状のマイクロキャビティをともなっていたが、直径は200μmであった。
【0037】
実験的な100μmのAl装置の小さなアレイに対する、電圧−電流(V−I)特性が図12で提供されている。充填気体は700トール圧のNeであり、結果はいくつかの周波数の1つにおけるアレイのAC励起について示されている。縦軸の電圧値は、ピーク・トゥ・ピーク値である。また、動作電圧は、マイクロキャビティ中のAlの厚さを減らすことにより、図12に示すものよりも下げることができるということに、留意すべきである。Ar/2%Nの混合気体内で動作している、Alマイクロ放電装置の小さなアレイについてのV−I特性が、全体混合圧500トールと700トールの2つの値について図13に示されている。要求される動作電圧は、加えられたN特性のためにNeのものよりも高い。
【0038】
本発明の他の実施形態では、本発明の先行する実施形態の任意のものに従うマイクロ放電電極を、マイクロ放電装置及び装置アレイ中に組み込んでもよい。更に、他の処理により形成されたナノポーラス誘電体をその上に有する金属基板を含むマイクロ放電電極を、マイクロプラズマ装置及びアレイに有利に用いてもよい。
【0039】
同様に、もちろん本発明は、上記の詳細な説明の態様に限定されないということは明白である。例えば、誘電体で封入された金属は、マイクロ放電電極を超える多様な応用で用いてもよい。説明された本発明の様々な変更および変形例は、当業者には添付の請求項で定義されたような本発明の精神及び範囲から離れることなしに明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A−1F】図1A〜図1Fは、本発明の一実施形態に従って、ナノポーラス封入金属マイクロプラズマ電極を製造するためのプロセスの図を示す。
【図1G−1H】図1G、1Hは、プロセスステップの図を示す。
【図1I】図1Iは、図1A〜1F並びに1G及び1Hにおいて例示されたプロセスのフローチャートを示す。
【図2】図2Aは、本発明の一実施形態に従う封入された電極を備えるマイクロ放電装置の断面を示し、図2Bは、図2Aの装置の上面図を示す。
【図3】図3Aは、本発明の一実施形態に従う、封入された電極と、他の電極のための封入された金属スクリーンを備える、マイクロ放電装置の断面を示し、図3Bは、図3Aの装置の上面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に従う、マイクロキャビティが一端で閉じているマイクロ放電装置の断面を示す。
【図5】両方の電極が封入される、図2の装置と同様な装置を示す。
【図6】2つの電極が直接、物理的に接しない、図5の装置の積み重ねバージョンを示す。
【図7】本発明の一実施形態に従い、複数の電極対が直接物理的に接しているリニアアレイを形成する、図5の装置の積み重ねバージョンを示している。
【図8】本発明の一実施形態に従って、マイクロキャビティが平面アレイを形成する、マイクロ放電構造を示す。
【図9】本発明の一実施形態に従う、ディスプレー応用のためのマイクロ放電装置アレイを示し、ここにおいてはピクセルが個別的にアドレス可能である。
【図10】本発明の他の実施形態に従う、円筒上の複数の誘電体で封入されたマイクロキャビティと中心電極とにより形成される、マイクロ放電装置を示す。
【図11】図10の装置の2段バージョンを示す。
【図12】ネオン中の100μm径のAl/Al装置に対する、いくつかのAC励起周波数値における電圧−電流特性を示す。
【図13】Ar:N(2%)混合気体中の100μm径のAl/Al装置に対する、2つの圧力値における電圧−電流特性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ放電装置であり、
第1の電極(230)を含み、前記第1の電極は導体及びマイクロキャビティを含み、前記第1の電極は第1の誘電体で封入されており、
第2の電極(240)を含み、前記第2の電極は電位が前記電極間に与えられたときに、前記マイクロキャビティ中に放電を引き起こすように構成されている、放電装置。
【請求項2】
前記第2の電極はスクリーンである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マイクロキャビティは一端が閉じられている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の電極は第2の誘電体で封入されている導体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の誘電体はナノポーラス誘電体である、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
複数の請求項1の前記マイクロ放電装置を含むマイクロ放電装置アレイ。
【請求項7】
前記第1の電極は誘電体中に封入された複数の金属電極を含む平面電極(810)を含み、前記封入された金属電極は複数のマイクロキャビティを含んでおり、
前記第2の電極は共通電極(840)を含み、前記共通電極は電位が前記共通電極と前記金属電極アレイとの間に与えられたときに前記複数のマイクロキャビティのそれぞれに放電を引き起こすように構成されている、請求項6に記載のマイクロ放電装置アレイ。
【請求項8】
前記共通電極は透明である、請求項7に記載のアレイ。
【請求項9】
前記第1の電極は誘電体中に封入された複数の金属電極を含む電極アレイ(910)を含み、前記封入された金属電極は複数のマイクロキャビティを含んでおり、
前記第2の電極は前記複数のマイクロキャビティのそれぞれに放電を引き起こすように構成された、第2の誘電体で封入された複数の横切る電極(920)を含む、請求項6に記載のアレイを含むディスプレー応用のためのマイクロ放電装置アレイ。
【請求項10】
前記複数のマイクロキャビティの個別の1つが、閾値を超える時間変化性電位が第1の電極と前記複数の横切る電極の横切る電極の1つとの間に与えられたときのみマイクロ放電を作り出すように構成されている、請求項9のディスプレー応用のためのマイクロ放電装置アレイ。
【請求項11】
前記第1の誘電体及び前記第2の誘電体の少なくとも1つがナノポーラス誘電体である、請求項10に記載のアレイ。
【請求項12】
前記第1の電極は金属円筒を含み、前記金属円筒は中心軸により特徴づけられ、前記円筒の内部表面上に複数のマイクロキャビティが形成されて前記第1の誘電体で封入されており、
前記第2の電極は前記円筒の前記中心軸に沿って構成し配置されており、時間変化性電位が前記中心電極と前記円筒との間に与えられたときに、前記複数のマイクロ放電装置のそれぞれに放電を引き起こすように構成されている、請求項6に記載のアレイを含む円筒状マイクロ放電装置アレイ。
【請求項13】
前記第2電極は透明な電気的導電性のチューブを含む、請求項12に記載のアレイ。
【請求項14】
前記第2の電極は金属導体を含む、請求項13に記載のアレイ。
【請求項15】
封入された電極を製造する方法であって、
少なくとも1つのマイクロキャビティを含む金属基板を用意し、
前記基板を陽極酸化してポアを含む第1の層を形成し、
前記第1の層の部分を溶解し、
前記第1の層の前記部分が溶解されたときに、前記第1の層の第2の陽極酸化を実行し、封入層を形成し、これにより封入された電極を形成することを含む、方法。
【請求項16】
金属、誘電体、及びナノチューブの1つで、前記封入層の前記ポアを特定の深さまで満たすことを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記金属はアルミニウムであり、前記封入層はAlを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記金属はチタンであり、前記封入層はTiOを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記封入層の厚さが前記基板の第1の部分と前記基板の第2の部分との間で異なる、請求項15に記載の方法。

【図1A−1F】
image rotate

【図1G−1H】
image rotate

【図1I】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2008−516380(P2008−516380A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534902(P2007−534902)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/035782
【国際公開番号】WO2007/011388
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(503060525)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (25)