説明

封印錠

【課題】施錠操作後に施錠状態を完全にロックして錠を取り付けた容器等を所謂封印状態とすることができる封印錠を提供する。
【解決手段】正面に錠軸用の孔を有する円筒状のケース1と、ケース1内に固定され錠軸用の軸孔を有する錠本体4と、錠本体の軸孔に嵌挿され、先端に回動操作用の溝を設けた錠軸3と、錠軸の末端に固定されるロックレバー5と、を備えている。錠本体4内に接着剤を封入した接着剤容器2が収納され、錠軸3の外周部に刃物状の尖頭部32が接着剤容器2に接触可能に突設される。錠軸3を施錠側に回したとき、尖頭部32が接着剤容器2を破壊し、接着剤容器2から流出した接着剤により錠軸3を錠本体4に対し固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施錠操作後に施錠状態を完全にロックして錠を取り付けた容器等を封印する封印錠に関し、特に遊技機の電子回路用ケースなどの封印に好適な封印錠に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ機においては、近年、入賞の際の出玉率が電子回路(コントローラ)により制御される。この種のコントローラは、実際に使用されるパチンコホール等での改造を防止するために、ケースに収納され、閉鎖される。しかし、コントローラは、電気メーカで組み立てられる段階、パチンコ機メーカでパチンコ機に装着される段階、及びパチンコホールに設置される段階等、複数の段階で調整や検査を行う必要があるため、製造の最初の段階でケースを完全に封止しておくことはできない。
【0003】
このため、この種のパチンコ機のコントローラは、ケースに挿入されてパチンコ機に装着され、パチンコホールにパチンコ機が納入された最終検査の終了時に封印され、改造を不可能として使用される。しかし、ケースの封印は、通常、所定のシールをケースの扉に貼りつけることにより実施していることから、封印したシールを特殊な溶剤を用いて剥し、再び元の状態に貼りつけ、外観ではわからないように封印を破るケースが発生していた。
【0004】
そこで、本発明者は、下記特許文献1において、所定回数の施錠・解錠を行った後、最終の施錠動作で錠を完全にロックして封印することができる封印錠を提案した。
【特許文献1】特開平10−252325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この封印錠は、錠軸を回して解錠と施錠操作を所定回数行なう間は、施錠・解錠操作を行うことができ、最終の施錠操作を行なったとき、ロックピンがロータのロック用穴に嵌合し、ロータと錠軸をロック状態として良好に封印することができる。しかしながら、ロックピンがロック用穴から何らかの理由により外れた場合、封印が解除されて再び蓋が開放される虞があり、更に確実に封印される封印錠が要望されていた。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、施錠操作後に施錠状態を完全にロックして錠を取り付けた容器等を所謂封印状態とすることができる封印錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の封印錠は、正面に錠軸用の孔を有する円筒状のケースと、ケース内に固定され錠軸用の軸孔を有する錠本体と、錠本体の軸孔に嵌挿され、先端に回動操作用の溝を設けた錠軸と、錠軸の末端に固定されるロックレバーと、を備え、施錠操作後に施錠状態を封印する封印錠において、錠本体内に接着剤を封入した接着剤容器が収納され、錠軸の外周部に刃物状の尖頭部が接着剤容器に接触可能に突設され、錠軸を施錠側に回したとき、尖頭部が接着剤容器を破壊し、接着剤容器から流出した接着剤により錠軸を錠本体に対し固着することを特徴とする。
【0008】
ここで、錠軸の外周部に設けた刃物状の尖頭部は、錠軸外周部と錠本体内周部との間に円周方向に沿って配設され、所定角度以上に錠軸を解錠側に回したとき、尖頭部の尖端が外側に移動して接着剤容器に突き刺し可能な状態とすることができる。
【0009】
また、請求項3の封印錠は、正面に錠軸用の孔を有する円筒状のケースと、ケース内に固定され錠軸用の軸孔を有する錠本体と、ケース及び錠本体の軸孔に嵌挿され、先端に回動操作用の溝を設けた錠軸と、錠軸の末端に固定されるロックレバーと、を備え、施錠操作後に施錠状態を封印する封印錠において、錠本体内に接着剤を封入した接着剤容器が収納され、錠軸の外周部に刃物状の尖頭部が接着剤容器に接触可能に突設され、錠軸を不正に解錠側に回したとき、尖頭部が接着剤容器を破壊し、接着剤容器から流出した接着剤が錠軸及び錠本体に付着して痕跡を残すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の封印錠は、箱等の扉或は蓋に取り付けられ、扉等の施錠・解錠とその後の封印に使用される。
【0011】
請求項1の封印錠では、その錠軸がコイン、ドライバ等を先端の溝に差し込んで所定の角度範囲で回動され、一方向の回動によりロックレバーは解錠位置となり、他方向の回動により施錠位置となる。
【0012】
錠軸を所定の角度範囲内で回動操作する場合、錠軸の外周部に配設された刃物状の尖頭部は錠軸と錠本体の間に円弧状に収納され、錠軸の回動操作時において尖頭部が接着剤容器を突き破ることはない。したがって、施錠・解錠操作を複数回行なうことができる。
【0013】
一方、封印錠を封印する場合、錠軸を所定の角度範囲を超えて解錠側に回し、これによって、尖頭部の尖端が外側に移動して接着剤容器に突き刺し可能な状態とする。この状態で、錠軸を施錠側に回動操作すると、尖頭部が錠軸と共に回動して、錠本体内に収納された接着剤容器を突き破り、錠軸は施錠位置まで回動する。これにより、接着剤容器から接着剤が錠本体と錠軸の間に流出する。接着剤として短時間で硬化するシアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)を使用した場合、短時間で錠軸が錠本体に対し接着された状態となり、封印錠はロック状態つまり破壊しなければ開くことができない封印状態となる。
【0014】
また、請求項3の封印錠では、錠軸を所定の角度範囲を超えて施錠側に回し施錠すると、尖頭部の尖端が外側に移動して接着剤容器に突き刺し可能な状態となする。この状態で、錠軸を不正に解錠側に回動操作すると、尖頭部が錠軸と共に回動して、錠本体内に収納された接着剤容器を突き破り、接着剤が錠軸と錠本体の間などに流出する。この状態で、再び錠軸を施錠位置まで回動すると、接着剤により錠軸が錠本体に対し固着され、錠は封印され、さらに、接着剤の流出により、不正に解錠された痕跡が錠に残ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は箱7の扉6に取り付けられた封印錠の正面図を示し、図2、図3はその断面図を示している。この封印錠は、基本的には、略円筒形のケース1と、ケース1内に固定された錠本体4と、錠本体4内に破壊可能に収納された接着剤容器2と、錠本体4内の軸心位置に挿通された錠軸3と、錠軸3の末端に固定されるロックレバー5と、から構成され、コイン或はマイナスドライバ等により錠軸3を回して施錠・解錠可能な簡単な錠である。
【0016】
図5〜図7に示す如く、ケース1は略円筒状に形成され、その正面にフランジ11が設けられ、フランジ11の中央に錠軸挿入用の円形孔が穿設され、その上方に円形の窓12が穿設される。ケース1の外周壁の4か所にはこの封印錠を扉等の被取付部に固定するための逆止爪14が突設される。
【0017】
さらに、ケース1の外周壁に、錠本体4の逆止爪を嵌合させる矩形孔が形成され、外周壁の端部にはロックレバー5の回動範囲を約90度に制限するための回動範囲制限用の切欠き(段差部)が形成される。
【0018】
ケース1内には錠本体4が固定される。錠本体4は、錠軸3を挿通可能な略円形の軸孔を有した円柱状に形成され、その錠軸3用の孔に隣接して図2、図7のような形状の接着剤容器2が収納されている。接着剤容器2には短時間で硬化するシアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)が封入され、また、その容器は後述の錠軸3の外周部に設けた尖頭部32によって突き破ることが可能な薄い合成樹脂製の容器として形成されている。
【0019】
また、図7に示すように、軸孔と隣接し且つ接着剤容器2と隣接した錠本体4内の位置に、略三日月状の内部空間41が円周方向に沿って形成され、この内部空間に、錠軸の外周に設けられた尖頭部32が進入した際、尖頭部32がそのばね弾性により外側に開くように移動可能となっている。
【0020】
ケース1内の錠本体4の軸孔に、図5に示すような錠軸3が挿通される。錠軸3は、その先端部にコインやドライバ等を挿入可能な操作溝31が形成され、中間部外周には上記の接着剤容器2を破るための刃物状の尖頭部32が突出可能に設けられている。尖頭部32は、図5に示すように、細い円弧状本体の先端を鋭角とした尖頭形状として、錠軸2の外周部円周方向にそって形成され、円弧状本体はばね弾性を有しており、フリー状態で外側に広がるように突出する。尖頭部32が接着剤容器2の内側面を摺動する際には、容器の内周面に押されて錠軸3の外周面の一部に形成された円周溝内に収納される。一方、図7(c)のように、錠軸3の回動によって尖頭部32が内部空間41に達したとき、ばね弾性により尖頭部32は外側に広がり、突き出した状態となる。
【0021】
さらに、この錠軸3は、コイン等により所定の方向に所定の範囲で(ここでは右方向に約90度の範囲で)回動されるように、先端に操作溝31が形成されている。更に、錠軸3の末端には、ロックレバー5を嵌着するための嵌着部33が形成され、嵌着部33を内側に撓ませるようにロックレバー5が嵌め込まれる。
【0022】
図2に示すように、ケース1の前面のフランジ11と錠本体4との間に回転板13が、フランジ11に設けた窓12に封印の有無を表示するように配設される。この回転板13には、例えば緑と赤の部分が着色形成され、封印された場合は、緑に代えて赤がその窓12に表示される。このために、回転板13と錠軸3との間に、例えば図示を省略したラチェット爪と係合部が設けられ、一定角度範囲の錠軸3の回動の場合、回転板13は回転せず、緑を窓12に表示する。一方、錠軸3が一定の角度範囲を越えて右に回動したとき、ラチェット爪が係合部に係合し、その状態で錠軸3を左に回動し封印したとき、回転板13がその封印回動に従動して回転し、窓12に封印を示す赤を表示する。
【0023】
封印錠を組立てる場合、錠本体4内に接着剤容器2を収納した状態で、ケース1内に錠軸3、錠本体4を組み付け、錠軸3の末端の嵌着部33にロックレバー5が嵌着される。ロックレバー5は箱7側に固定した受け部8に対し係止可能な形状に形成されている。上記ケース1、錠軸3、錠本体4、ロックレバー5は、全てABS樹脂等の硬質合成樹脂で成形することができる。尖頭部32は錠軸3と一体に成形することができるが、ばね性金属で形成することもできる。
【0024】
このように構成された封印錠は、図1、図4に示すように、例えば、パチンコ機の電子回路を収納するための箱7の扉6に装着される。この装着は、扉6に穿設した所定の大きさの孔に、封印錠を正面側から挿入し、ケース1の外周の逆止爪14を孔の縁部に嵌めて容易に装着することができる。そして、錠軸3の末端にロックレバー5を嵌着する。この時、錠軸3は解錠位置で且つ所定角度範囲内の位置(図7bに示すように、ロックレバー5を水平位置より上に例えば10度上げた角度位置)にセットされ、窓12には回転板13の緑が表示されるように、セットされる。
【0025】
パチンコ機の場合、通常は、電気メーカにおいて、箱7内に電子回路が収納され、扉6が閉じられ、コイン、ドライバ等を錠軸3の操作溝31に差し込み、錠軸3を左に約80度回す。この時、錠軸3の末端のロックバー5が図7(a)に示すように12時位置に回動し、ロックレバー5が箱7側の係止部8に係止され、扉6は施錠される。このとき、錠軸3の外周部の尖頭部32は、図7(a)(b)に示すように、接着剤容器2の内側で摺動し、尖頭部32の尖端が容器2を突き破ることはない。
【0026】
次に、電子回路を収納したこのような箱7は、例えば、パチンコ機メーカに送られ、パチンコ機内に装着されるが、そこでの検査時等に箱を開くために解錠する。コイン、ドライバ等を錠軸3の操作溝31に挿入してそれを右に所定角度範囲だけ(例えば約80度)回し、解錠を行うと、図7(b)のように、錠軸3とともにロックレバー5が解錠位置に回り、係止部8との係合が外れ、解錠される。
【0027】
電子回路の検査や調整を行った後、扉6を閉じ、再び施錠する場合には、上記と同様に、コイン、ドライバ等を錠軸3の操作溝31に差し込み、錠軸3を左に約80度回す。この時、錠軸3の末端のロックバー5は、図7(b)から図7(a)に示すように12時位置まで回動し、ロックレバー5が箱7側の係止部8に係止され、扉6は施錠される。このときも、図7(a)(b)に示すように、錠軸3の尖頭部32は接着剤容器2の内側で摺動し、尖頭部32の尖端が容器2を突き破ることはない。
【0028】
次に、パチンコ機がパチンコホールに設置され、設置後の検査や調整を行うために箱7を開く場合、解錠を行う。上記と同様に、コイン、ドライバ等を錠軸3の操作溝31に挿入してそれを右に約80度回すと、図7(b)のように、錠軸3とともにロックレバー5が解錠位置に回動し、解錠される。
【0029】
そして、電子回路の検査や調整を行った後、扉6を閉じ、再び施錠する場合には、上記と同様に、コイン、ドライバ等を錠軸3の操作溝31に差し込み、錠軸3を左に約80度回す。この時、錠軸3の末端のロックバー5は、図7(b)から図7(a)に示すように12時位置まで回動し、ロックレバー5が箱7側の係止部8に係止され、扉6は施錠される。
【0030】
次に、パチンコ機を警察等の立ち会いのもと、最終的に監査を行って封印する場合、上記と同様に、コイン、ドライバ等を錠軸3の操作溝31に挿入してそれを右に約80度回すと、錠軸3とともにロックレバー5が解錠位置に回り、解錠される。
【0031】
そして、電子回路の監査を行った後、扉6を閉じ、ケースを封印する場合には、コイン、ドライバ等を錠軸3の溝31に差し込み、図7(b)から図7(c)に示すように、錠軸3をさらに右に約10度回す。この時、錠軸3の外周部の尖頭部32が、そのばね弾性により錠本体4の内部空間41に出て外側に広がるように移動し、図7(c)のように尖頭部32の尖端が接着剤容器2の壁部に対向した状態となる。
【0032】
次に、錠軸3を左に約90度回してロックレバー5を施錠位置に回動させる。この時、図8に示すように、錠軸3の外周部の尖頭部32の尖端が接着剤容器2の壁部を突き破り、これによって、接着剤容器2内の瞬間接着剤が流出して錠軸3と錠本体4との間などに浸入した状態となり、錠軸3はロックレバー5が係止部8に係止された状態でロックされる。この後、錠軸3と錠本体4の隙間などに浸入した瞬間接着剤が直ちに硬化し、錠軸3は錠本体4に対し完全に固着されるため、錠を破壊する以外に箱7の扉6を開くことができず、箱7を封印した状態となる。また、このように最終的に錠軸3を左に約90度回してロックレバー5を施錠位置に回動させたとき、回転板13が錠軸3と共に回動して窓12に封印を示す赤が表示される。
【0033】
このように、錠軸3を所定角度範囲内で回動操作した場合は、複数回の施錠・解錠を行なうことができ、封印錠を封印する場合は、錠軸3を所定の角度範囲を超えて解錠側に回し、これによって、尖頭部32の尖端が外側に移動して接着剤容器2に突き刺し可能な状態とする。そしてこの状態で、錠軸3を施錠側に回動操作すると、尖頭部32が錠軸3と共に回動して、錠本体4内に収納された接着剤容器2を突き破り、錠軸3は施錠位置まで回動し、これにより、接着剤容器2から接着剤が錠本体4と錠軸3の間に流出し、短時間で錠軸3が錠本体4に対し接着された状態となり、封印錠はロック状態つまり破壊しなければ開くことができない封印状態とすることができる。この封印錠は、構造的に、錠本体4内に接着剤容器2を収納し、錠軸3の外周部に尖頭部32を設けるのみで構成できるため、比較的簡単な構造で、全体を硬質合成樹脂により形成することができ、安価に製造可能となり、各種の容器等の封印に広く使用することができる。
【0034】
なお、本封印錠は、図9に示すように、その使用に際し、上記とは逆に、錠軸3及びロックレバー5を12時位置に回したとき、解錠状態となり、錠軸3及びロックレバー5を3時位置に回したとき、施錠状態となるように、扉6に錠を取り付け、係止部28を箱7側に設けることができる。
【0035】
すなわち、この封印錠では、上記実施形態とは逆に、ロックレバー5を12時位置に回したとき、解錠状態なり、ロックレバー5を3時位置に回したとき、施錠状態となるように、所定の角度範囲内の回動操作を行なう。そして、最終的に施錠する際には、施錠位置からさらに約10度施錠側(右側)に錠軸3を回す。
【0036】
これにより、錠軸3の外周部の尖頭部32が、そのばね弾性により錠本体4の内部空間41に出て外側に広がるように動き、図7(c)のように尖頭部32の尖端が接着剤容器2の壁部に対向した状態となる。
【0037】
そして、この状態で不正解錠が行なわれ、解錠するために錠軸3が左に回動されると、図8のように、錠軸3の外周部の尖頭部32の尖端が接着剤容器2の壁部を突き破り、接着剤容器2内の瞬間接着剤が流出して錠軸3と錠本体4との間などに浸入する。その後、錠軸3が再度施錠側に回されると、接着剤により錠軸3が錠本体4に対し固着された状態となって錠が封印されるが、錠が不正に解錠状態で放置されたとしても、接着剤の流出によって、不正解錠の痕跡が残ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態を示す封印錠の正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】封印錠を装着した箱の斜視図である。
【図5】(a)は錠軸3の正面図、(b)は錠軸3の側面図である。
【図6】封印錠の背面図である。
【図7】(a)は施錠位置の断面図、(b)は解錠位置の断面図、(c)は封印する際の解錠位置の断面図である。
【図8】施錠・封印する際の動作を示す断面図である。
【図9】他の実施形態を示す使用状態の封印錠の正面図である。
【符号の説明】
【0039】
1−ケース
2−接着剤容器
3−錠軸
31−操作溝
32−尖頭部
33−嵌着部
4−錠本体
41−内部空間
5−ロックレバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に錠軸用の孔を有する円筒状のケースと、該ケース内に固定され該錠軸用の軸孔を有する錠本体と、該ケース及び該錠本体の軸孔に嵌挿され、先端に回動操作用の溝を設けた錠軸と、該錠軸の末端に固定されるロックレバーと、を備え、施錠操作後に施錠状態を封印する封印錠において、
該錠本体内に接着剤を封入した接着剤容器が収納され、該錠軸の外周部に刃物状の尖頭部が該接着剤容器に接触可能に突設され、該錠軸を施錠側に回したとき、該尖頭部が接着剤容器を破壊し、接着剤容器から流出した接着剤により錠軸を錠本体に対し固着することを特徴とする封印錠。
【請求項2】
前記錠軸の外周部に設けた刃物状の尖頭部は、錠軸外周部と錠本体内周部との間に円周方向に沿って配設され、所定角度以上に該錠軸を解錠側に回したとき、該尖頭部の尖端が外側に移動して接着剤容器に突き刺し可能な状態となることを特徴とする請求項1記載の封印錠。
【請求項3】
正面に錠軸用の孔を有する円筒状のケースと、該ケース内に固定され該錠軸用の軸孔を有する錠本体と、該ケース及び該錠本体の軸孔に嵌挿され、先端に回動操作用の溝を設けた錠軸と、該錠軸の末端に固定されるロックレバーと、を備え、施錠操作後に施錠状態を封印する封印錠において、
該錠本体内に接着剤を封入した接着剤容器が収納され、錠軸の外周部に刃物状の尖頭部が該接着剤容器に接触可能に突設され、該錠軸を不正に解錠操作した場合、尖頭部が接着剤容器を破壊し、該接着剤容器から流出した接着剤が錠軸及び錠本体に付着して痕跡を残すことを特徴とする封印錠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−37447(P2006−37447A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217143(P2004−217143)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(391009512)株式会社エヌケーパーツ工業 (10)