説明

射撃統制システム及び射撃統制方法

【課題】少ない運用人員で複数の射撃装置を一元的に統制可能にし、目標を効率的に射撃することができる射撃統制システムを提供する。
【解決手段】有人運用型射撃装置6及び無人運用型射撃装置8と連接装置3を介して接続され、情報処理部1において、目標の位置を含む目標情報を上位システム4から取得し、射撃装置の位置及び運用状態を含む装置情報を有人運用型射撃装置6及び無人運用型射撃装置8から取得し、目標情報と装置情報とに基づいて、目標に対して射撃装置の覆域範囲を割り当て、表示操作部2において、各射撃装置に目標に対する射撃の実行を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数の射撃装置を一元的に統制するための射撃統制システム及び射撃統制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、操作員が運用する移動型射撃装置や携帯型射撃装置などを射撃統制システムに組み込み、情報の授受を行っている。目標への射撃は、各装置の操作員が個別に行い、結果を射撃統制システムに報告していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−298397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の射撃システムでは、遠隔地から目標に射撃することができず、各装置に運用人員が必要であった。
【0005】
本実施形態の目的は、少ない運用人員で複数の射撃装置を一元的に統制可能にし、目標を効率的に射撃することができる射撃統制システム及び射撃統制方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る射撃統制システムは、複数の射撃装置と通信手段を介して接続される射撃統制システムであって、目標の位置を含む目標情報を前記通信手段を介して取得する目標情報取得手段と、前記射撃装置の位置及び運用状態を含む装置情報を前記通信手段を介して取得する装置情報取得手段と、前記目標情報及び前記装置情報に基づいて、前記目標に対して前記射撃装置の覆域範囲を割り当てる割当手段と、前記射撃装置に前記目標に対する射撃の実行を前記通信手段を介して指示する指示手段とを具備する。
【0007】
本実施形態に係る射撃統制方法は、複数の射撃装置と通信手段を介して接続される射撃統制システムに用いられる方法であって、目標の位置を含む目標情報を前記通信手段を介して取得する目標情報取得ステップと、前記射撃装置の位置及び運用状態を含む装置情報を前記通信手段を介して取得する装置情報取得ステップと、前記目標情報と前記装置情報とに基づいて、前記目標に対して前記射撃装置の覆域範囲を割り当てる割当ステップと、前記射撃装置に前記目標に対する射撃の実行を前記通信手段を介して指示する指示ステップとを有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る射撃統制システムの全体構成図。
【図2】情報処理部の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る射撃統制システム及び射撃統制方法を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る射撃統制システムの全体構成図である。図1において、この射撃統制システムは、情報を処理・管理する情報処理部1、情報を表示し、操作員が指示を行うためのインタフェースを有する表示操作部2及び連接装置3を備える。表示操作部2は、2台以上の汎用的なパーソナルコンピュータで構成され、各射撃装置への指示を行うための複数の画面構成からなるソフトウェアで実現する。本システムは、連接装置3を介して上位システム4と接続され、連接装置3、連接装置5及び連接装置7を介して有人運用型射撃装置6及び無人運用型射撃装置8と接続される。有人運用型射撃装置6とは、操作員が運用する移動型又は携帯型の射撃装置である。連接装置3と、上位システム4、連接装置5及び連接装置7との間のデータ送受は、有線あるいは無線で行う。
【0011】
次に、この射撃統制システムの動作について説明する。図2は、情報処理部1の動作を示すフローチャートである。
【0012】
ステップS1において、情報処理部1は、レーダやセンサ等の上位システム4で得られた目標の位置等を含む目標情報を連接装置3を介して取得する。また、情報処理部1は、有人運用型射撃装置6及び無人運用型射撃装置8のセンサにより得られた目標情報を連接装置3、連接装置5及び連接装置7を介して取得する。
【0013】
ステップS2において、情報処理部1は、有人運用型射撃装置6及び無人運用型射撃装置8の装置位置及び装置の運用状態を示すステータス等を含む装置情報を連接装置3、連接装置5及び連接装置7を介して取得する。
【0014】
ステップS3において、情報処理部1は、上記取得した目標情報をもとに目標の相関統合処理(複数のセンサ等で得られた目標情報を相関関係に基づいて統合する処理)を行い、目標の脅威レベルの判定処理(目標の位置、速度等から対処の順序を決める処理)等を行う。
【0015】
ステップS4において、情報処理部1は、各装置の装置情報及び目標脅威判定の結果に基づいて、目標に対して射撃対象とする最適な覆域範囲の割当計算、最適な射撃装置の割当計算を行う。情報処理部1は、各装置情報、目標情報、自動処理された割当結果を表示操作部2の画面に表示する。
【0016】
ステップS5において、操作員は、表示操作部2の画面に表示された各装置情報、目標情報、自動処理された割当結果等に基づいて、各射撃装置に覆域範囲の割り当てを指示し、情報処理部1、連接装置3、連接装置5及び連接装置7を介して、各射撃装置に射撃の実行を指示する。無人運用型射撃装置8の場合、表示操作部2の発射スイッチにより遠隔射撃を行う。
【0017】
以上述べたように、上記実施形態によれば、射撃装置が無人運用型の場合でも一元的に統制することができ、遠隔地から各装置に発射指令を送出し、目標に対する射撃を効率的に行うことが可能となる。
【0018】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0019】
1…情報処理部、2…表示操作部、3…連接装置、4…上位システム、5…連接装置、6…有人運用型射撃装置、7…連接装置、8…無人運用型射撃装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の射撃装置と通信手段を介して接続される射撃統制システムであって、
目標の位置を含む目標情報を前記通信手段を介して取得する目標情報取得手段と、
前記射撃装置の位置及び運用状態を含む装置情報を前記通信手段を介して取得する装置情報取得手段と、
前記目標情報及び前記装置情報に基づいて、前記目標に対して前記射撃装置の覆域範囲を割り当てる割当手段と、
前記射撃装置に前記目標に対する射撃の実行を前記通信手段を介して指示する指示手段と
を具備することを特徴とする射撃統制システム。
【請求項2】
前記射撃装置は、無人運用の射撃装置であることを特徴とする請求項1記載の射撃統制システム。
【請求項3】
前記目標の脅威レベルを判定する判定手段をさらに具備し、
前記割当手段は、さらに前記脅威レベルに基づいて前記射撃装置の覆域範囲を割り当てることを特徴とする請求項1記載の射撃統制システム。
【請求項4】
複数の射撃装置と通信手段を介して接続される射撃統制システムに用いられる方法であって、
目標の位置を含む目標情報を前記通信手段を介して取得する目標情報取得ステップと、
前記射撃装置の位置及び運用状態を含む装置情報を前記通信手段を介して取得する装置情報取得ステップと、
前記目標情報と前記装置情報とに基づいて、前記目標に対して前記射撃装置の覆域範囲を割り当てる割当ステップと、
前記射撃装置に前記目標に対する射撃の実行を前記通信手段を介して指示する指示ステップと
を有することを特徴とする射撃統制方法。
【請求項5】
前記目標の脅威レベルを判定する判定ステップをさらに有し、
前記割当ステップは、さらに前記脅威レベルに基づいて前記射撃装置の覆域範囲を割り当てることを特徴とする請求項4記載の射撃統制方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−122657(P2012−122657A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273314(P2010−273314)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)