説明

導体用の接続装置

本発明は、接続装置、特に、絶縁材料ハウジング内に配置することができる瀬尽く装置に関する。この接続装置は、工具無しで導体に直接接続できるよう構成されており、クランプフレームと、前記クランプフレームの導電性の要素に対して、導体押込み方向において前記クランプフレームに挿入可能である導体をクランプするためのクランプばねとを備える。クランプばねは、少なくとも1つの取付用脚部と、屈曲部を介して取付用脚部に接続されたクランプ脚部とを備える。このような接続装置において、クランプフレームがばね鋼板からなるU字形状として形成されること、及び/又は、取付用脚部が、導体押込み方向に対して或る角度で斜めに配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る導体用の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前述したような接続装置は、多種多様な形態で知られている。ここ数年については、長きにわたり知られ且つ工具不要の交換(押込み)を可能とする接続装置に再び、力が注がれている。ここで、この関連で、独国特許第3019149号明細書、独国実用新案第20117770号明細書及び独国実用新案第202006009460号明細書について述べる。これらの明細書はそれぞれ、クランプばね(圧縮ばね)を有するねじ無し端子を示している。この圧縮ばねは、その自由脚部と導体レールとの間のクランプポイントにて導体をしっかりとクランプするために用いられる。このタイプの接触を、以下、「直接押込み技術(direct push−in technology)」と称する。また、接続装置に押圧要素を付与することも知られている。それを用いることで、接触状態でのクランプポイントを再び解放することができる。
【0003】
かかる最先端の手段は価値のあるものであると証明されているが、導体に対して極めて全幅の小さな、前記「直接押込み技術」の導体用接続装置が未だ求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は前述したような接続装置の創案にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明により、すなわち請求項1の主題及び請求項15の主題により達成される。
【0006】
要件(c)であるU字形状のクランプフレームは、好ましくは、極めて薄いばね鋼板からなり、ワンユニットとしてクランプばねを囲繞する。その全幅は、ばね鋼板からなるクランプフレームの薄壁の結果として、非常に低い水準に維持される。クランプばねは、U字形状の1対の側壁ないしは脚部により案内され、また保護される。
【0007】
クランプばねが導体との接続により張力がかけられた場合、クランプフレームにおける力は、付加的な分力が生じてクランプばねを捻ることがないよう、要件(d)の構成の結果として吸収される。したがって、クランプばねは、クランプフレーム上にいかなる開放用の分力を及ぼさないという利点がある。U字形状は、引張り力と圧縮力を実質的に吸収するだけである。
【0008】
また、クランプばねとクランプフレームとを、金属薄板のブランクから一体的に形成することもできる。この場合、好ましい弾性特性及び良好な導電特性を有する材料が用いられる。
【0009】
他の従属項では有効な実施形態が提示されている。
【0010】
以下、添付図面に示された実施形態を参照することにより、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】絶縁材料ハウジング内に挿入された接続装置の斜視図である。
【図1b】図1aの構成の断面図である。
【図2a】図1の接続装置の斜視図である。
【図2b】図1の接続装置におけるクランプフレームの斜視図である。
【図2c】図1の接続装置におけるクランプフばねの斜視図である。
【図3】端末ブロックハウジングとして構成された絶縁材料ハウジング内に早秋された接続装置の斜視図である。
【図4】回路基板上で図1のタイプの接続装置を並設した状態を示す斜視図である。
【図5a】図5a〜図5dは、接続装置の別の実施形態を、導体が挿入されている場合と挿入されていない場合で示す斜視図であり、図5aは導体が挿入されていない状態の接続装置を示している。
【図5b】図5aの接続装置の切欠図である。
【図5c】導体が挿入されている状態の接続装置を示している。
【図5d】図5cの接続装置の切欠図である。
【図6a】導体が挿入された状態の、接続装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6b】図6aの接続装置の切欠図である。
【図7a】絶縁材料ハウジング内に挿入された図6の接続装置を示す斜視図である。
【図7b】図7aの絶縁材料ハウジングが端末ブロックハウジングとして設けられた状態を示している。
【図8a】図8a〜図8eは、接続装置の更に別の実施形態を、導体が挿入されている場合と挿入されていない場合で示す斜視図であり、図8aは導体が挿入されていない状態の接続装置を示している。
【図8b】図8aの接続装置の切欠図である。
【図8c】接続装置と、そこに挿入されようとしている導体とを示す図である。
【図8d】導体が挿入された状態の接続装置を示している。
【図8e】図8dの接続装置の切欠図である。
【図9a】絶縁材料ハウジング内に挿入された図8の接続装置を示す斜視図である。
【図9b】図9aの絶縁材料ハウジングが端末ブロックハウジングとして設けられた状態を示している。
【図10a】図10a〜図10cは、接続装置の別の実施形態を、導体が挿入されている場合で示す斜視図であり、図10aは、接続装置と、そこに挿入されようとしている導体とを示す切欠図である。
【図10b】導体が挿入された状態の接続装置を示す切欠図である。
【図10c】導体が挿入された状態の接続装置を示している。
【図11a】図11a〜図11cは、接続装置の更に別の実施形態を、導体が挿入されている場合と挿入されていない場合で示す斜視図であり、図11aは導体が挿入されていない状態の接続装置を示している。
【図11b】図11aの接続装置の切欠図である。
【図11c】導体が挿入された状態の接続装置を示している。
【図12a】絶縁材料ハウジング内に挿入された図11の接続装置を示す斜視図である。
【図12b】図12aの絶縁材料ハウジングが端末ブロックハウジングとして設けられた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、絶縁材料のハウジング1を示し、このハウジング1内に本発明による接続装置2が挿入されている。
【0013】
接続装置2は、好ましくは全周が囲まれていないクランプフレーム3と、圧縮ばねとして作用するクランプばね4とを備え、また、任意的なものであるが、特に接続解除のためのクランプポイントを開く作動ボタン5を備えている。図1によると、クランプばね4は、電流を通すようになっている要素としても作用する。
【0014】
クランプフレーム3はU字形状として構成され(図2bも参照されたい)、ベース脚部6と、このベース脚部6に直角に延び且つ互いに平行である2つの縦方向脚部7,8とを備えている。
【0015】
縦方向脚部7,8は、ベース脚部6よりも長く、好ましくはベース脚部6の2倍、より好ましくはベース脚部6の3倍である。
【0016】
U字形状のクランプフレーム3は、3つの面が開放されるように構成されている。1つの開放面9は、ベース脚部6に対向して延びており、他の2つの開放面は、挿入面10と、この挿入面10に対向する底面11である。
【0017】
クランプフレーム3は、好ましくは、ばね鋼板からなる。1つの開放面がベース脚部6は非常に薄い形態とすることができ、これは接続装置全体に対し、図1bの投影面に直角な方向において特に幅の小さな形状をもたらす。ばね鋼板の厚さは0.5mm未満が好ましく、より好ましくは0.3mm未満である。ばね鋼板を製造するための適当な材料は、ばね鋼、又は、良好な導電性を提供するよう任意に構成することができる他のばね材料である。
【0018】
クランプばね4は、クランプフレーム3内に挿入される。クランプばね4(図1b及び図2cを参照)は、クランプフレーム3に固定するために用いられる少なくとも1つの取付用脚部12と、屈曲部13を介して取付用脚部12と接続しているクランプ脚部14とを備えている。
【0019】
ベース脚部6に平行である導体押込み方向は、以下、Xで示すこととする。
【0020】
取付用脚部12は、導体押込み方向Xとクランプフレーム3のベース脚部6とに対して或る角度で延びている。好ましくは、取付用脚部12はベース脚部又は導体押込み方向Xに対して角度αをなし、この角度αは20°〜70°の間であり、より好ましくは30°〜60°の間である。この結果として、取付用脚部12は導体押込み方向Xに対して斜めに配置される。
【0021】
クランプフレーム3への取付用脚部12の取付けは、2つの互いに平行な縦方向脚部7,8に設けられた開口17(図2b参照)と係合する対応の横方向突起15,16(図2c参照)を取付用脚部12が備えるという態様で行われるとよい。かかる係合はラッチ式で行うことが好ましい。
【0022】
取付用脚部は、添付図面の接続装置内において、ベース脚部6とは反対向きに配置された開放面9を通り、クランプフレーム3の内部から外側へと延びており、屈曲部13がクランプフレーム3の外部に配置されるようになっている。屈曲部は、クランプ脚部14が導体押込み方向Xに対して斜めに配置されるという態様で構成されている。好ましくは、導体押込み方向Xとクランプ脚部14との間の角度βは60°〜80°である。
【0023】
好ましくは、クランプ脚部14は非常に長いため、導体23と全く接触していない状態でベース脚部6の内側に対して、又はその内側に配置された導電性の接触要素に対して僅かなプレテンションが及ぼされる。
【0024】
クランプフレーム3内(この場合、2つの縦方向脚部7,8内)の取付用脚部12の取付位置と、取付用脚部12の屈曲部までの長さとは、弾性系の構成に影響を与える。
【0025】
導体23がクランプフレーム3に方向Xに沿って挿入されると、導体23はクランプ脚部14を下方に、また側方にスライドさせ、この際、クランプ脚部14は、導体用レール機能を発揮する電気的に導通可能に構成された接触要素に接してスライドする接続状態となる。
【0026】
この接触要素は、好ましい形態(しかし、必須の形態ではない)において、接触脚部19に関連しており、この接触脚部19は、屈曲部13から離れる方向に向いた側にて、取付用脚部12に別の屈曲部20によって接続されている。図1bによると、接触脚部19は、ベース脚部6の内面に置かれている。また、接触脚部19は、クランプフレーム3の1つ以上の開口22内に、対応の横方向突起21によってベース脚部6に固定され得る。この固定はラッチ式であることが好適である。図2aの例によれば、接触脚部19は1つの突起のみを有しているが、開口22は2つであるとして示されている。
【0027】
図1aは、接触状態の接続装置2を示している。図1bは、非接触状態の接続装置2を示しており、導体23が如何にしてクランプフレーム3内に接触状態で配置されるかを示す導体23の図を伴っている。この場合、クランプ脚部14は導体23を接触脚部19に押し付ける。
【0028】
クランプ脚部14は導体23を接触要素に対して接触状態で押し付け、したがって図1bによれば接触脚部19に対して押し付ける。その結果として、2つの部品のみが直接押込み技術における接続装置2を実現するために必須とされる。
【0029】
或いはまた、クランプフレーム3自体が、弾性且つ導電性を有する材料から構成され、導電性の接触要素を形成することとしてもよい。この構成は特に材料を節減するものである(図5,6,11参照)。
【0030】
接触脚部19に代えて、導電性接触要素としてクランプばね4から独立して構成された導体レール32を用いることもできる(図8,10参照)。
【0031】
図1の例によれば、はんだ付け用ピン24がクランプばね4に設けられており、このはんだ付け用ピン24はクランプフレーム3の底面11から外方に延び、接続装置2が回路基板25に容易にはんだ付けされ得るようになっている(図4参照)。
【0032】
或いはまた、接続装置2は、例えば端末ブロック26(図3,7b,9b,12b参照)に取り付けるために、はんだ付け用パッドや導体レール等を備えてもよい。なお、図3,7b,9b,12bは、絶縁材料のハウジング1における対応のくり抜き部分27への接続装置2の装着を、純粋に例示として示しており、導体レールのような要素は図の簡略化のために絶縁材料ハウジング1には示していない。
【0033】
図1によれば、接続装置2は絶縁材料ハウジング1内に挿入される。このハウジング1は、接続装置2を収容するためのくり抜き部分27を有し、また、当該ハウジング1がクランプフレーム3とクランプばね4の屈曲部13を収容する態様で構成されている。
【0034】
さらに、絶縁材料ハウジンク1は、導体23を挿入するための挿入開口28と、前述の作動ボタン5とを備えている。作動ボタン5は、挿入開口28に対して横方向にオフセットされた状態で配置され、また、作動ボタン5は、特に接続解除のために、そして任意的ではあるが接続のために、クランプポイントを開くことができる。
【0035】
作動ボタン5を設けずに、ねじ回しのような工具を人的に用いてクランプポイントを直接広くこともできる。
【0036】
絶縁材料ハウジング1はさらに、図1によれば、開口29を備えており、この開口29によりはんだ付け用ピン24は絶縁材料ハウジング1から外方に延出する。
【0037】
クランプばね4とクランプフレーム3とからなるモジュールは、多種多様なハウジングに挿入することができる。
【0038】
図5は、本発明による接続装置2の別の実施形態を示しており、この実施形態では、図1の実施形態と異なり、クランプばね4がクランプフレーム3と一体的に構成されている。図5c,5dは接触状態にある接続装置を示している。
【0039】
クランプばね4は、取付用脚部12と、クランプ脚部14とを備えており、これらの脚部は屈曲部13を介して互いに接続されている。この実施形態では、屈曲部13は、クランプ脚部14が導体押込み方向Xに対して斜めに配置されるように構成されている。取付用脚部12は、さらに、別の屈曲部20を介してベース脚部6に固定されており、取付用脚部12はまた、ベース脚部6及び導体押込み方向Xと角度αをなし、導体押込み方向Xに対して斜めに配置されるようになっている。
【0040】
クランプばね4はクランプフレーム3の縦方向脚部7,8間に配置され、取付用脚部12とクランプ脚部14との間の屈曲部13は、クランプフレーム3のベース脚部6が接続装置2内に挿入された導体23のための接触要素として機能するように構成されている。図1の実施形態と比較すると、ベース脚部6とクランプ脚部14との間の接触要素として別の付加的の接触脚部19(図1参照)は設けられていない。
【0041】
この図示実施形態においては、チューリップ状接触要素(contact tulip)30がクランプフレーム3の縦方向脚部7,8の一方に一体的に形成されている。チューリップ状接触要素30は、2つの対向配置されたチューリップ状脚部31を備えており、これらは互いに向かって屈曲されている。
【0042】
したがって、この実施形態において、クランプフレームは電流伝導機能も発揮する。
【0043】
図6に示す接続装置2の実施形態は図5の実施形態に対応するものであるが、チューリップ状接触要素を有していない点で相違する。
【0044】
図7は、絶縁材料ハウジング1内に配置された図6の実施形態の接続装置2を示している。図7の実施形態の絶縁材料ハウジング1は、接続装置2を収容するためのくり抜き部分27を有している。この場合、くり抜き部分27は、クランプフレーム3、及び、クランプフレーム3のベース脚部と取付用脚部12との間のクランプばね4の屈曲部20を収容するように構成されている。さらに、この絶縁材料ハウジング1は、導体23と作動ボタン5を挿入するための挿入開口28を備えている。この場合も、作動ボタン5は、挿入開口28に対して横方向にオフセットされて配置される。
【0045】
端末ブロックハウジング26として設けられた図7bの絶縁材料ハウジング1は、図4の実施形態の端末ブロックハウジング26とは、特に接続装置2の収容のために設けられたくり抜き部分27の形状において相違する。
【0046】
ここまで図示説明してきた接続装置2に対して、図8に示される本発明による接続装置2の実施形態は、接触要素として導体レール32を備えている。これが、クランプ脚部14が接触脚部19(図1b参照)を有していない理由である。図8の実施形態は、次のような利点をもたらす。すなわち、シート材料からの打抜き部品として作られることが好ましいクランプフレーム3よりも高い導電特性に対する質を有する材料(例えば、銅含有材料)を導体レール32に用いることができ、したがって非常に安価で製造できる、という利点がある。基本的には、導体レール32をクランプフレーム3と一体的に構成する実施形態も可能である。
【0047】
したがって、クランプフレーム3はこの実施形態では電流を伝導するものではなく、代わりに、この機能は導体レール32により奏される。
【0048】
導体レール32は互いに対向する側に突起33を有し、これらの突起33はそれぞれクランプフレーム3の縦方向脚部7,8に設けられた開口34に係合し、導体レールはクランプフレーム3の縦方向脚部7,8の間及び開口34内にて取り付けられるようになっている。
【0049】
さらに、図8の実施形態のクランプばね4は、図5及び図6の実施形態と同様に、クランプフレーム3と一体的に構成されている。しかし、この場合、クランプフレーム3のベース脚部6は、図5及び図6の実施形態と異なり、取付用脚部12を同時に形成するものである。
【0050】
導体レール32はこの実施形態ではベース脚部6に平行に設けられるので、取付用脚部12は、上で示した接続装置2の実施形態と異なり、平行となっており、導体押込み方向Xに対して斜めとはならない。
【0051】
導体押込み方向Xに導体23を挿入した際、導体は、導体レール32とクランプ脚部14との間に配置され、クランプ脚部14により導体レール32に押し付けられ、導体レール32と確実な接触がもたらされる。図8dは、導体23が接続装置2に挿入され、接触した状態を示している。
【0052】
導体レール32は、別の導体等の電気モジュール(図示しない)との接続用に接触舌片35を備え、この接触舌片は角度γ(この実施形態では直角)で外方に屈曲され、クランプフレーム3の外方に部分的に突出するようになっている。
【0053】
図9a及び図9bにおいて、図8の実施形態の接続装置2が絶縁材料ハウジング1に配置されている。この場合もまた、クランプフレーム3、及び、クランプフレーム3のベース脚部6とクランプばね4のクランプ脚部14との間の屈曲部13とを収容するような態様でくり抜き部分27が設けられている。さらに、このくり抜き部分27は導体レール32の接触脚部35も収容する。
【0054】
図9a及び図9bにおいては、任意的な作動ボタン5が設けられている。図9の接続装置2のこの実施形態では、前述の実施形態とは相違して、接続装置2内に挿入される導体23は作動ボタン5により案内される。
【0055】
図10は、本発明による接続装置2の一実施形態を示しており、これは、クランプフレーム3に加えて、別個独立に形成された導体レール32と、別個独立に形成されたクランプばねとを備えている。この実施形態は、各構成要素3,4,32を作る材料がそれぞれの機能に応じて最適に選択できるという利点をもたらす。これが、導体レール32について良導電性材料を選ぶことができ、クランプばね4について好適なばね特性を有する材料を用いることができ、クランプフレーム3について安価ではあるが安定した材料を用いることができる理由である。
【0056】
導体レール32は、クランプフレーム3のベース脚部6に対して少なくとも部分的に平行に延び、クランプばね4のクランプ脚部14と導体レール32との間で導体23をクランプするための接触要素として機能とする。さらに、この導体レール32は、図8の実施形態の導体レールと同様に、接触舌片35を備えており、この舌片は少なくとも部分的にクランプフレーム3の外方に突出する。この目的で、導体レール32は、図10のこの実施形態において、角度γ(本実施形態では直角)で屈曲されている。
【0057】
図1の実施形態と同様に、図10のクランプばね4は、取付用脚部12の各側に設けられた突起15,16を備えており、この突起はクランプフレーム3の縦方向脚部7,8に設けられた開口17と係合する。その結果として、クランプばね4は縦方向脚部7,8の間で固定される。さらに、クランプばね4は、挿入された導体23を導体レール32に押し付けるクランプ脚部14を備える。また、取付用脚部12とクランプ脚部14との間には屈曲部13が設けられている。さらにまた、導体押込み方向Xに対して、図10の取付用脚部12は角度αで、また、図10のクランプ脚部14は角度βで設けられている。
【0058】
図10の実施形態のクランプばね4は、クランプフレーム3内に実質的に全体が配置され、取付用脚部12とクランプ脚部14との間の部分が導体押込み方向Xに略平行に延びている。
【0059】
図6の実施形態と同様に、図11の実施形態の、本発明による接続装置2におけるクランプフレーム3には、クランプばね4が一体的に形成されている。クランプばね4は、クランプ脚部14、取付用脚部12、及び、クランプ脚部14と取付用脚部12との間の屈曲部13を備えており、導体押込み方向Xに対して、取付用脚部12は角度αで、また、クランプ脚部14は角度βで設けられている。クランプフレーム3のベース脚部6とクランプばね4の取付用脚部12との間には別の屈曲部20が設けられており、この屈曲部でクランプばね4はベース脚部6に一体的に固定される。
【0060】
上述した複数の実施形態はクランプばね4の形状において色々なものとなっている。ベース脚部6と取付用脚部12との間に設けられた図6の実施形態の屈曲部20は、クランプフレーム3の外方に突出し、また、取付用脚部12とクランプ脚部14との間に設けられた図6の実施形態の屈曲部13はクランプフレーム3内で延びている。これに対して、ベース脚部6と取付用脚部12との間に設けられた図11の実施形態の屈曲部20は、クランプフレーム3内で延び、取付用脚部12とクランプ脚部14との間に設けられた図11の実施形態の屈曲部13はクランプフレーム3の外方に突出している。
【0061】
この目的で、図1及び図10の実施形態と同様に、クランプばね4は、取付用脚部の両側にそれぞれ突起15,16を備え、これらの突起は縦方向脚部7,8の開口17に係合すると共に、取付用脚部12上にてクランプばね4を支持する。
【0062】
縦方向脚部7,8の少なくとも一方には付加的に2つの取付用ノブ36が設けられており、クランプフレーム3又は接続装置2を、絶縁材料ハウジング1(図12a参照)や回路基板のような部品に取付用ノブ36によって、固定できるようになっている。
【0063】
図12a及び図12bはそれぞれ、絶縁材料ハウジング1における図11の接続装置2を示している。この場合、取付用脚部12とクランプ脚部14との間の屈曲部13及びクランプフレーム3の配置が可能となるように、くり抜き部分27が設けられている。
【0064】
図12a及び図12bはまた、任意的な作動ボタン5を示しており、この作動ボタンは挿入開口28に対して横方向にオフセットした状態で配置されている。
【0065】
さらに、絶縁材料ハウジング1は、クランプフレーム3を当該ハウジング1内に固定するために、締結用ノブ36を挿入するための開口29を備えている。
【符号の説明】
【0066】
1…絶縁材料ハウジング
2…接続装置
3…クランプフレーム
4…クランプばね
5…作動ボタン
6…ベース脚部
7…縦方向脚部
9…開放面
10…挿入面
11…底面
12…取付用脚部
13…屈曲部
14…クランプ脚部
15,16…突起
17…開口
19…接触脚部
20…屈曲部
21…突起
22…開口
23…導体
24…はんだ付け用ピン
25…回路基板
26…端末ブロック
27…くり抜き部分
28…挿入開口
29…開口
30…チューリップ状接触要素
31…チューリップ状脚部
32…導体レール
33…突起
34…開口
35…接触舌片
36…取付用ノブ
α,β,γ…角度
X…導体押込み方向
【図1a)】

【図1b)】

【図2a)】

【図2b)】

【図2c)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、絶縁材料ハウジング(1)内に配置できる、工具無しで導体(23)を直接的に交換できるよう構成された接続装置(2)であって、
(a) クランプフレーム(3)と、
(b) 前記クランプフレーム(3)の導電性の接触要素(19)上にて、導体押込み方向(X)において前記クランプフレーム(3)に挿入可能である前記導体(23)をクランプするためのクランプばね(4)であり、少なくとも1つの取付用脚部(3)と、屈曲部(13)を介して前記取付用脚部(3)に接続されたクランプ脚部(14)とを備えるクランプばね(4)と
を備える接続装置(2)において、
(c) 前記クランプフレーム(3)が、ばね鋼板からなるU字形状として形成され、
(d) 前記取付用脚部(12)が、前記導体押込み方向(X)に対して斜めに配置されていることを特徴とする、接続装置。
【請求項2】
U字形状の前記クランプフレーム(3)が、ベース脚部(6)と、前記ベース脚部(6)に対して直角に延び且つ互いに平行である2つの縦方向脚部(7,8)とを備え、前記縦方向脚部(7,8)が、前記導体押込み方向(X)に直角の方向で、前記ベース脚部(6)よりも長く、好ましくは前記ベース脚部(6)の2倍の長さ、より好ましくは3倍の長さであることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
U字形状の前記クランプフレーム(3)が、3面において開放されるよう構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記クランプフレーム(3)が、0.6mm未満の厚さであるばね鋼板からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項5】
前記クランプフレーム(3)が、0.3mm未満の厚さであるばね鋼板からなることを特徴とする、請求項4に記載の接続装置。
【請求項6】
前記取付用脚部(12)が前記ベース脚部(6)と角度αをなし、前記角度が20°〜70°、好ましくは30°〜60°であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項7】
互いに平行である2つの前記縦方向脚部(7,8)に設けられた開口(17)に係合する横方向突起(15,16)を前記取付用脚部(12)が備える態様にて、前記クランプフレーム(3)に対して前記取付用脚部(12)が固定されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項8】
前記突起(15,16)が、互いに平行である2つの前記縦方向脚部(7,8)に設けられた開口(17)に、ラッチ式で係合することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項9】
前記クランプばね(4)が前記クランプフレーム(3)に一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項10】
前記取付用脚部(12)が、前記クランプフレーム(3)の内部から外側に、前記ベース脚部(6)から離れる方向に向いた開放面(9)から外へと横向きに延出していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項11】
導電性の前記接触要素が前記クランプばね(4)の接触脚部(19)であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項12】
導電性の前記接触要素が導体レール(32)であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項13】
導電性の前記接触要素が前記クランプフレーム(3)であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項14】
前記クランプフレーム(3)と前記導体レール(32)とが一体的に構成されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の接続装置を収容するためのくり抜き部分(27)を備える、絶縁材料ハウジング。

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5a)】
image rotate

【図5b)】
image rotate

【図5c)】
image rotate

【図5d)】
image rotate

【図6a)】
image rotate

【図6b)】
image rotate

【図7a)】
image rotate

【図7b)】
image rotate

【図8a)】
image rotate

【図8b)】
image rotate

【図8c)】
image rotate

【図8d)】
image rotate

【図8e)】
image rotate

【図9a)】
image rotate

【図9b)】
image rotate

【図10a)】
image rotate

【図10b)】
image rotate

【図10c)】
image rotate

【図11a)】
image rotate

【図11b)】
image rotate

【図11c)】
image rotate

【図12a)】
image rotate

【図12b)】
image rotate


【公表番号】特表2012−533839(P2012−533839A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519994(P2012−519994)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059982
【国際公開番号】WO2011/009749
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(505422464)ワイドミュラー インターフェース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】Weidmueller Interface GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Klingenbergstrasse 16, D−32758 Detmold, Germany