説明

導光板の製造方法、及び導光板

【課題】 本発明は、超音波加工用ホーンを用いた導光板基材に対する加工条件を制御することにより、導光板基材の主面に対して設計値に近似した形状の凹パターン痕を形成することができる導光板の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、超音波発振器と該超音波発振器から供給された駆動信号に基づいて駆動するホーン部とを有する超音波加工部を備えた導光板製造装置により、前記導光板基材の表面に超音波処理を施す導光板の製造方法であって、前記ホーン部を降下させ、該ホーン部の先端部を前記導光板基材の主面に当接させ、該ホーン部に超音波を印加し、前記導光板基材を部分的に溶解させ所定の深さまで前記ホーン部の先端を降下させる第1の工程と、前記ホーン部への前記超音波の印加を停止し、前記導光板基材を冷却する第2の工程と、前記ホーン部を上昇させる第3の工程と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板の製造方法、及び上記製造方法により製造された導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱ロール方式等を用いて樹脂を溶融させてから所定の形状に硬化させることにより、該樹脂の表面にドットパターンを形成した導光板がある。この様な導光板において、ドットパターンが導光板の表面に均一に形成されれば、導光板の端面からLED光等を入射させた場合に導光板の表面において斑が無く均一に発光する拡散光を得ることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2006−511128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の導光板において、熱ロール方式等によって導光板の表面に四角錐や円錐等の反射面から成る凹パターン痕を均一に形成するためには、熱ロール方式等に用いられる加工具の先端に設けられた加工部の形状に近似するように、樹脂の表面を部分的に精度良く溶融して凹パターン痕を形成する必要がある。ところが、樹脂を溶融させた際に発生した樹脂屑が加工部の先端に付着したり、加工部の先端に残留した樹脂屑が新たに形成する樹脂の凹パターン痕に付着したり、冷却時間が足りない場合には溶融した凹パターン痕の変形が発生することなどにより、樹脂の表面に複数の均一な凹パターン痕を形成できないという問題があった。
【0005】
本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、超音波加工用ホーンを用いた導光板基材に対する加工条件を制御することにより、導光板基材の主面に対して設計値に近似した形状の凹パターン痕を形成することができる導光板の製造方法、及び上記製造方法により製造された導光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記したような課題を解決する為に、本発明の一態様は、超音波発振器と、該超音波発振器から供給された駆動信号に基づいて駆動するホーン部と、を有する超音波加工部を備えた導光板製造装置により、前記導光板基材の表面に超音波処理を施す導光板の製造方法であって、前記ホーン部を降下させ、該ホーン部の先端部を前記導光板基材の主面に当接させ、該ホーン部に超音波を印加し、前記導光板基材を部分的に溶解させ所定の深さまで前記ホーン部の先端を降下させる第1の工程と、前記ホーン部への前記超音波の印加を停止し、前記導光板基材を冷却する第2の工程と、前記ホーン部を上昇させる第3の工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る導光板製造装置及び導光板の製造方法によれば、超音波加工用ホーンを用いた導光板基材に対する加工条件を制御することにより、導光板基材の主面に対して設計値に近似した形状の凹パターン痕を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態の導光板製造装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の導光板製造装置における超音波加工部のX軸方向に係る導光板基材の加工開始高さの検知を示す模式図であり、(a)は導光板基材の加工開始高さの検知動作を開始する前の状態を示す模式図、(b)は導光板基材の加工開始高さの検知動作中の状態を示す模式図、(c)は導光板基材の加工開始高さの検知動作が完了した状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の導光板製造装置における導光板基材に対する超音波加工用ホーンの押下及び位置の保持に伴う超音波加工用ホーンに印加する超音波のタイミングに係るタイムチャートを示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の導光板の製造方法における超音波加工用ホーンを用いた導光板基材への加工を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の導光板製造装置、導光板の製造方法、及び導光板に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の導光板製造装置、導光板の製造方法、及び導光板は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
まず本願発明に係る導光板製造装置の構成について図1及び図2を参照しながら説明し、次に本願発明に係る導光板の製造方法について図3及び図4を参照しながら説明する。なお、本願発明に係る導光板については、導光板の製造方法に係る説明の過程で図4等を参照しながら随時説明する。
【0011】
まず、本願発明に係る導光板製造装置1の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0012】
導光板製造装置1は、図1に示すように、導光板製造装置1を構成する部材を搭載するための機台10と、加工対象物としての導光板基材Dを加工可能とする様に配置する作業台20と、作業台20上に導光板基材Dを固定する固定機構と、導光板基材Dに超音波加工処理を施す超音波加工部30と、入力された加工情報に基づいて超音波加工部30を移動させる移動機構40とを備える。この様な導光板製造装置1は、図示せぬ制御部の制御に基づき移動機構40により超音波加工部30を移動させて導光板基材Dに対して押下することにより、導光板基材D上の所定の位置に超音波加工処理を施す。なお、説明の便宜上、各図面に示す三次元直交座標又は二次元直交座標を用いて説明を行う。以下、導光板製造装置1を構成する各構成部材について具体的に説明する。
【0013】
機台10は、導光板製造装置1を構成する部材を搭載するための台であり、上段板11及び下段板12の2段構成を備える箱型の台である。機台10の上段板11には、作業台20及び移動機構40が設けられている。また機台10の下段板12には、真空ポンプ23及び超音波発振器31が搭載されている。また、機台10の側面には、ユーザが導光板基材Dの加工方法に関する加工情報を入力すると共に、導光板製造装置1全体の制御を行う操作部13が設けられている。さらに機台10の下面の角部には、導光板製造装置1全体を移動可能とすると共に、導光板製造装置1の傾きを調整可能な調整脚14が設けられている。
【0014】
作業台20は、加工対象物としての導光板基材Dを加工可能とする様に配置する台である。この様な作業台20において、固定機構は真空ポンプ23を駆動して孔22内部を減圧することにより、導光板基材Dを作業台20上に真空吸着するものである。この様な固定機構は、真空ポンプ23と、該真空ポンプ23に接続された図示せぬチューブ材と、孔22内部に配設された図示せぬ真空チャックと、該真空チャックを個別に制御する図示せぬ制御部材によって構成される。
【0015】
超音波加工部30は、導光板基材Dに超音波加工処理を施すためのものである。この様な超音波加工部30において、ホーン部32は、超音波発振器31から供給された駆動信号に基づいて導光板基材Dの表面に超音波加工処理を施す。この様なホーン部32は、図2(b)に示す様に、導光板基材Dと接触することで、導光板基材Dに振動を伝達し、導光板基材Dの表面に超音波加工処理を施す先端部34と、図示せぬピエゾ圧電素子、及びコーン部材を備える振動子33と、振動子33の一部を被覆する図示せぬ振動子ケースとによって構成される。
【0016】
また、超音波加工部30において、超音波加工部30全体を移動させる場合には移動機構40を用い、導光板基材Dの表面に加工すべき模様に応じてホーン部32をホーン移動部によりZ軸方向に移動させる。例えば、導光板製造装置1を用いて複数の凹パターン痕を加工する場合は、ホーン移動部を用いてホーン部32を移動させることで、導光板基材D上に効率的に超音波加工処理を施すことが可能となる。この様なホーン移動部は、図示せぬコンプレッサーと接続された図示せぬエアシリンダーを用いてホーン部32を垂直方向に移動させる。なお、本実施形態においてはエアシリンダーを用いてホーン部32を垂直方向に移動させるが、ホーン部32内部に弾性部材を設け、ホーン部32の自重と弾性部材の復元力を用いてホーン部32を垂直方向に移動させるものであっても良い。
【0017】
なお、超音波加工部30に係る導光板基材Dの加工開始高さの検知機構を、図2を参照しながら説明する。図2(a)に示すように、超音波加工部30は、その自重等により下方向に加重されており、これを支えるためにプレート47には、支持ブロック48を介して微妙な位置調整が可能なストッパ部材49が形成されている。ここで、超音波加工部30が操作部13を介して入力された加工情報に基づき下方向へ移動を開始し、導光板基材Dの近傍にて下方向への移動速度を減速した後に、最初にホーン部32の先端が導光板基材Dの表面に接触して、図2(b)に示すように超音波加工部30は停止することになる。さらに、可動テーブル46が下降を継続すると、超音波加工部30は上方向に移動し、図2(c)に示すように超音波加工部30とストッパ部材49とが離間し、この部分での通電が解除されることになる。
【0018】
移動機構40は、入力された導光板基材Dの加工方法に関する加工情報に含まれる位置情報に基づいて超音波加工部30を移動させるためのものである。この様な移動機構40は、上段板11上に固定されたX軸レール部材41と、Y軸レール部材42と、Z軸レール部材43とによって構成される。ここで、超音波加工部30は、Z軸レール部材43に沿って、Z軸方向に移動可能に形成されている。
【0019】
次に本願発明に係る設計値に近似した凹パターン痕を精度良く形成する導光板の製造方法について図3及び図4を参照しながら説明する。なお、本願発明に係る導光板については、導光板の製造方法に係る説明の過程で図4等を参照しながら説明する。
【0020】
導光板の製造方法において、図4(a)に示すように、超音波加工用ホーンであるホーン部32が導光板基材Dに対して降下することにより、ホーン部32の先端部34の加工部位34Aが導光板基材Dの主面に当接すると、図2(c)を参照しながら前述した通りストッパ部材49により該当接が検知される。なお、図4には導光板基材Dに対して四角錐形状から成る4行4列のマトリクス状の凹パターン痕を形成する例を示している。ここで、導光板基材Dの主面に加工部位34Aが当接したことが検知された時間を時刻taとする。この時刻taに、超音波印加タイマー及びホールドタイマーがスタートし、超音波発振器31の制御に基づいてホーン部32に超音波が印加される。なお、超音波印加タイマー及びホールドタイマーの作動時間は、超音波発信器31に予め設定されている。具体的には、ホールドタイマーの作動時間は後述する時刻td迄であり、超音波印加タイマーの作動時間は後述する時刻tc迄である。また、ホールドタイマーのタイムアップ信号は図示せぬ制御部のシーケンサに入力され、ホーン部32を後述する時刻tdにおいて上昇させるトリガに使用する。
【0021】
なお、ホーン部32の先端部34の加工部位34Aが導光板基材Dに接触している間、ホーン部32において発生している超音波振動に係るエネルギーが導光板基材Dに伝達され、加工部位34Aと接触している導光板基材Dが部分的に溶解して、凹パターン痕が導光板基材Dの表面に徐々に形成される。ここで、時刻taから所定の時間が経過して時刻tbになると、ホーン部32の降下が停止される。この時刻tbには、導光板基材Dの主面に設計上の所定の深さの凹パターン痕が形成されているものの、図4(b)に示すように、導光板基材Dに形成された凹パターン痕の表面部D1は形成直後のため平坦では無く高温であり、且つ凹パターン痕の周辺部D2は超音波加工により高温になっている。
【0022】
この状態で、もしホーン部32を上昇させると、加工部位34Aの形状が導光板基材Dの凹パターン痕に十分に転写されていないことから設計値に近似した形状とはならない。さらに、超音波加工に起因して凹パターン痕の表面部D1と周辺部D2が十分に硬化していないため、ホーン部32の先端部34の加工部位34Aが導光板基材Dの凹パターン痕に粘着した状態で離間することになり、凹パターン痕の形状が崩れてしまう。そこで、時刻tcまでホーン部32への超音波の印加を継続する。
【0023】
時刻tcになると、図4(c)に示すように、導光板基材Dに形成された凹パターン痕の表面部D3は、凹パターン痕が形成されてから十分に時間が経過したことから、凹パターン痕に残留していた歪み等が除去され、加工部位34Aの形状に沿った反射面を備えている。すなわち、時刻tcでは、導光板基材Dの凹パターン痕の表面部D3に加工部位34Aの形状が十分に転写されていることから設計値に近似した形状となっている。しかし、超音波加工に起因して凹パターン痕の表面部D3と周辺部D2は十分に硬化していない。そこで、時刻tcにおいて、ホーン部32に対する超音波の印加を停止することにより、導光板基材Dに形成した凹パターン痕の表面部D3と周辺部D2を冷却させる。
【0024】
時刻tdになると、図4(d)に示すように、導光板基材Dに形成した凹パターン痕の
表面部D3と周辺部D2は十分に冷却された温度に下がっている。具体的には、時刻tdになると、例えば導光板基材Dであるアクリル樹脂の温度が、該アクリル樹脂の軟化温度である90℃付近から下がり、十分に冷却された状態になっている。そこで、時刻tdにおいて、ホーン部32を上昇させる。ここで、導光板基材Dに形成された凹パターン痕は、加工部位34Aの形状が導光板基材Dの凹パターン痕に十分に転写されていることにより設計値に近似した形状である。よって、導光板基材Dの凹パターン痕の表面部D3と周辺部D2が十分に冷却されたことにより硬化しているため、ホーン部32を上昇させた時に加工部位34Aが、導光板基材Dの凹パターン痕の表面部D3から表面部D3の形状に影響を与えることなく離間する。なお、時刻te乃至時刻thにおける導光板の製造方法は、時刻ta乃至時刻tdにおける導光板の製造方法と同様である。
【0025】
また、時刻tc乃至時刻tdまでの時間は、導光板基材Dの材質や製造に係るタクト等を考慮して、例えば0.05秒から0.3秒の間で設定する。同様に、時刻tb乃至時刻tdまでの時間は、例えば時刻ta乃至時刻tbまでの時間の2倍程度に設定する。また、超音波加工用ホーンの先端高さはホーン部32の先端部34の加工部位34Aの高さであり、移動時の高さh1は導光板基材Dの主面の位置である超音波加工の加工開始高さh2を基準として例えば2mmに設定する。同様に、超音波加工の加工完了深さh3は導光板基材Dの主面の位置である超音波加工の加工開始高さh2を基準として例えば0.73mmに設定する。
【0026】
ここで、時刻ta乃至時刻tcまでの時間は、以下の通り設定する。例えば、凹パターン痕の深さに係る設定値を、それぞれ0.11、0.12、0.13、0.14、及び0.15とすると、導光板基材Dに形成される実際の凹パターン痕の深さは、それぞれ0.73mm、0.76mm、0.79mm、0.82mm、及び0.85mmとなる。すなわち、凹パターン痕の深さに係る設定値を0.01増やす毎に、導光板基材Dに形成される実際の凹パターン痕の深さが0.03mmずつ深くなる。この様に凹パターン痕の深さに係る設定値に基づき超音波加工部30に係る超音波の印加時間を制御することで、導光板基材Dに形成する凹パターン痕の深さを高精度で変化させることができる。
【0027】
例えば0.73mmの深さの凹パターン痕を得るためには、下記の一般式(1)で表される超音波加工部30への超音波の印加時間をT[秒]=(0.1+0.01)×1.1=0.121秒とすれば良い。すなわち、凹パターン痕の深さが、それぞれ0.73mm、0.76mm、0.79mm、0.82mm、及び0.85mmになるように、0.03mmずつ深く加工するためには、超音波を印加する増加時間△T[秒]を0.01×1.1=0.011秒ずつ長くすれば良い。
【0028】
なお、t1は加工基準深さを得るための時間であり、具体的にはホーン部32の先端部34を導光板基材Dの表面から所定の加工深さまで降下させる時間である。同様に、t2は凹パターン痕の深さに係る所定の変化量を得るための時間であり、具体的には超音波加工部30に設けられたホーン部32の先端部34を導光板基材Dの表面に継続して当接させている延長時間である。同様に、係数Kは、設計上の凹パターン痕深さを得るための補正係数である。また、t1は、マルチホーンの先端数(加工ドット数)及び加工材料の加工仕様によって適宜に変更可能である。また、t2及びKは、加工材料の加工仕様によって適宜に変更可能である。
【0029】
【数1】

【0030】
また、上述した導光板の製造方法では、超音波加工用ホーンであるホーン部32に対する超音波の印加を、所定の時刻に基づいてON又はOFFする制御する構成として説明したが、この様な構成に限定されることはない。具体的には、時刻tbから時刻tcの時間内にホーン部32へ印加する超音波の電気エネルギーを、時刻taから時刻tbの時間内にホーン部32へ印加する超音波の電気エネルギーよりも減少させる制御方法とする構成としても良い。同様に、時刻tcから時刻tdの時間内において、ホーン部32への超音波の印加を完全に停止させずに、時刻tbから時刻tcの時間内にホーン部32に印加される超音波の電気エネルギーを減少させた状態で、超音波の印加を継続するように制御する構成としても良い。
【0031】
以上、本発明に係る導光板製造装置1及び導光板の製造方法によれば、導光板基材Dに所定の深さまで凹パターン痕を形成した後、超音波加工用ホーンへの超音波の印加を継続させた状態で超音波加工用ホーンの位置を保持し一定の時間が経過してから、さらに所定の時間に亘り超音波加工用ホーンの位置を保持した状態で超音波加工用ホーンへの超音波の印加を停止させる。すなわち、導光板基材Dに形成された凹パターン痕に加工部位34Aの形状が導光板基材Dの凹パターン痕に十分に転写され、且つ導光板基材Dの凹パターン痕の周辺部が十分に冷却されて硬化している状態で、導光板基材Dからホーン部32を離間させる。したがって、導光板基材Dに形成された凹パターン痕は加工部位34Aの形状に沿った反射面を備えており、導光板基材Dの主面に対して設計値に近似した形状の凹パターン痕を精度良く形成されている。また、この様な導光板製造装置1及び導光板の製造方法により製造された導光板によれば、精度良く形成された凹パターン痕により、導光板の端面からLED光等を入射させた場合に、導光板の表面において均一な拡散光を得ることができる。
【0032】
なお、第1の実施形態においては、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上述した実施形態において加工部に超音波加工部30を用いて説明を行ったが、いわゆる高周波誘導加熱方式を用いた高周波ハンダコテであっても良い。また、超音波加工部30を可動テーブル46から着脱自在に形成し、高周波ハンダコテを取り付け可能としても良い。また、超音波加工部30の前面にデジタルマイクロスコープを着脱自在に形成しても良い。なお、デジタルマイクロスコープを取り付けた場合には、加工状況を随時監視することが可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1 導光板製造装置
10 機台
11 上段板
12 下段板
13 操作部
14 調整脚
20 作業台
21 板部材
22 孔
23 真空ポンプ
30 超音波加工部
31 超音波発振器
32 ホーン部
33 振動子
34 先端部
34A 加工部位
40 移動機構
41 X軸レール部材
42 Y軸レール部材
43 Z軸レール部材
44 ガイドレール
46 可動テーブル
47 プレート
48 支持ブロック
49 ストッパ部材
D 導光板基材
D1 表面部
D2 周辺部
D3 表面部
h1 移動時の高さ
h2 加工開始高さ
h3 加工完了深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波発振器と、該超音波発振器から供給された駆動信号に基づいて駆動するホーン部と、を有する超音波加工部を備えた導光板製造装置により、前記導光板基材の表面に超音波処理を施す導光板の製造方法であって、
前記ホーン部を降下させ、該ホーン部の先端部を前記導光板基材の主面に当接させ、該ホーン部に超音波を印加し、前記導光板基材を部分的に溶解させ所定の深さまで前記ホーン部の先端を降下させる第1の工程と、
前記ホーン部への前記超音波の印加を停止し、前記導光板基材を冷却する第2の工程と、
前記ホーン部を上昇させる第3の工程と、
を備えたことを特徴とする導光板の製造方法。
【請求項2】
前記第1の工程では、所定の深さまで前記ホーン部の先端を降下させた後、前記超音波の印加を所定時間継続すること
を特徴とする請求項1に記載の導光板の製造方法。
【請求項3】
前記ホーン部は、前記先端部により前記導光板基材と接触することで、該導光板基材に振動を伝達し、該導光板基材の表面に超音波加工処理を施すこと
を特徴とする請求項1に記載の導光板の製造方法。
【請求項4】
前記超音波加工処理では、前記導光板基材を部分的に溶解して、凹パターン痕を前記導光板基材の表面に形成すること
を特徴とする請求項1に記載の導光板の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の導光板の製造方法により製造された導光板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−69704(P2013−69704A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274651(P2012−274651)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2009−174419(P2009−174419)の分割
【原出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000127857)株式会社エス・ケー・ジー (105)
【Fターム(参考)】