説明

導波管接続用治具

【課題】導波管の接続及び分離を簡単に行うことができるとともに導波管同士を1つの治具で安定かつ確実に接続できる導波管接続用治具を提供する。
【解決手段】第1の導波管12のフランジ端面に当接する一対の第1の押圧部2202を有する第1の狭持体22と、第2の導波管14のフランジ端面に当接する一対の第2の押圧部2404を有する第2の狭持体24とを、第1連結板2602と一対の第2連結板2604とピン2606とからなる連結手段26により、第1の押圧部2204と第2の押圧部2404とが離間接近する方向に揺動可能に連結する。第1連結板2602の先部2602Aにねじ結合された雄ねじ部材28を回転することで、第1の押圧部2204と第2の押圧部2404とが接近する方向に第1の狭持体22と第2の狭持体24を揺動させ、第1の押圧部と第2の押圧部とで2つの導波管のフランジを狭持する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導波管接続用治具に関し、さらに詳しくは、導波管の試験に際し、導波路の軸心を一致させた状態で導波管同士を一時的に接続する場合に用いられる簡易型の導波管接続用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
導波管は、マイクロ波からミリ波に及ぶ周波数領域の電磁波の伝送路として使用されるものである。また、このような導波管において、2つの導波管同士を接続する場合は、一般的に、導波管の端部にフランジを設け、このフランジ同士を面接触させ、この両フランジを複数のボルトまたはビスなどを用いて締結する方式がとられている(例えば特許文献1の図14参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−21923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、導波管同士を恒久的に接続する場合は、フランジ同士を複数の箇所でねじ止めすればよく、このことはEIA規格等で定められている。
一方、導波管の試験を行う場合においても、フランジ同士を密接状態に連結する必要があるが、この場合、フランジ同士の連結に上述のねじ止め方式を採用すると、そのねじ止め及び取り外し作業に多くの時間を要し、その作業も繁雑化するという問題がある。
【0005】
また、従来、導波管の試験時において、フランジ同士の連結及び分離を容易にした導波管の接続構造が特許文献1に開示されている。
上述の導波管接続構造は、面接触された2つのフランジを2つのフランジクリップ具を用いて2箇所で狭持することで導波管同士を接続するものであり、しかも、その狭持力はばね部材により付与されるものである。このため、導波管の試験時にばね部材の狭持力以上の引っ張り外力が導波管に作用すると、2つのフランジの接触面間に隙間が生じてしまい、この隙間から電波が漏洩するなどして、正確な試験ができなくなるという問題があるほか、導波管の接続には少なくとも2個のフランジクリップ具を必要とするため、導波管の接続構造が複雑でコスト高になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような点に鑑みなされたもので、導波管の接続及び分離を簡単に行うことができるとともに導波管同士を1つの治具で安定かつ確実に接続できる導波管接続用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、導波路を有する管体と前記管体の端部に設けられたフランジとを有する第1、第2の2つの導波管を、前記各導波管のフランジの端面を合わせそれらフランジ同士を狭持することで前記2つの導波管の導波路を接続する治具であって、前記各導波管のフランジの端面を合わせた状態で、前記管体を跨いだ2箇所で前記第1の導波管の前記合わされた面と反対側の前記フランジの端面に当接する一対の第1の押圧部を有する第1の狭持体と、前記各導波管のフランジの端面を合わせた状態で、前記管体を跨いだ2箇所で前記第2の導波管の前記合わされた面と反対側の前記フランジの端面でかつ前記第1の押圧部と正対する箇所で当接する一対の第2の押圧部を有する第2の狭持体と、前記第1の狭持体と前記第2の狭持体とを、前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とが離間接近する方向に揺動可能に連結する連結手段と、前記第1の狭持体及び前記第2の狭持体の一方にねじ結合され、回転することでその先端が前記第1の狭持体及び前記第2の狭持体の他方に当接して前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とが接近する方向に前記第1の狭持体と前記第2の狭持体を揺動させ前記一対の第1の押圧部と前記一対の第2の押圧部とで前記2つの導波管のフランジを狭持させる雄ねじ部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の導波管接続用治具によれば、導波管の接続及び分離を簡単に行うことができるとともに導波管同士を1つの治具で安定かつ確実に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態の導波管接続用治具を用いて導波管同士を接続した状態を示す全体の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の導波管接続用治具を用いて導波管同士を接続した状態で一部を切り欠いて示す全体の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の導波管接続用治具により接続される導波管の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の導波管接続用治具の正面図である。
【図5】図4の矢印A方向から見た導波管接続用治具の右側面図である。
【図6】図4の矢印B方向から見た導波管接続用治具の左側面図である。
【図7】図4の矢印C方向から見た導波管接続用治具の平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の導波管接続用治具の正面図である。
【図9】図8の矢印B方向から見た導波管接続用治具の右側面図である。
【図10】図8の矢印C方向から見た導波管接続用治具の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
まず、本発明にかかる導波管接続用治具の第1の実施の形態から図1乃至図7を参照して説明する。
第1の実施の形態の導波管接続用治具20は、導波路の軸心を一致させた状態で第1、第2の2つの導波管12,14同士を一時的に接続する場合に用いられるもので、大別して、第1の狭持体22、第2の狭持体24、連結手段26、雄ねじ部材28を備える。
【0011】
第1の導波管12は、図3に示すように、断面が矩形状の導波路1202が全長に亘り形成された柱状の管体1204と、この管体1204の端部に設けられた円盤状のフランジ1206とを有する。
フランジ1206には、同一円周上で一定の角度を離して複数(例えば4個)のボルト挿通穴1208が形成されており、さらに、第1、第2の導波管12と14の導波路を合致させるための1つの位置決めピン1210と、1つの位置決め用ピン孔1212がそれぞれ設けられている。
【0012】
第2の導波管14は、図3に示すように、断面が矩形状の導波路1402が全長に亘り形成された柱状の管体1404と、この管体1404の端部に設けられた円盤状のフランジ1406とを有する。
フランジ1406には、同一円周上で一定の角度を離して複数(例えば4個)のねじ孔1408が形成されており、さらに、第1、第2の導波管12と14の導波路を合致させるための1つの位置決めピン1410と、1つの位置決め用ピン孔1412がそれぞれ設けられている。
【0013】
このような第1の導波管12と第2の導波管14とを接続する場合は、フランジ1206の位置決めピン1210をフランジ1406の位置決め用ピン孔1412に係合し、フランジ1406の位置決めピン1410をフランジ1206の位置決め用ピン孔1212に係合して、両フランジ1206とフランジ1406との端面を合わせる。この状態で、フランジ1206の各ボルト挿通穴1208に差し込んだ図示省略のボルトをフランジ1406の各ねじ孔1408に螺合して締め付けることにより、第1の導波管12と第2の導波管14とを接続することができる。
なお、導波管の試験に際して第1の導波管12と第2の導波管14とを一時的に接続する場合は、上述のボルトによる接続は行わず、本発明にかかる導波管接続用治具が用いられる。
【0014】
次に、第1の狭持体22及び第2の狭持体24の構成、連結手段26及び雄ねじ部材28の構成について、図1、図2及び図4乃至図7に基づいて説明する。
第1の狭持体22と第2の狭持体24は、第1の導波管12のフランジ1206と第2の導波管14のフランジ1406との端面が合わされた状態で、当該両フランジ1206と1406とを上記合わされた面と反対側の端面から挟持するものであり、アルミ合金などの金属材から構成される。
この第1の狭持体22は、管体1204を跨ぐ間隔をおいて平行に設けられた一対の脚部2202を備える。第2の狭持体24は、管体1404を跨ぐ間隔をおいて平行に設けられた一対の脚部2402を備える。これら第1の狭持体22の一対の脚部2202と第2の狭持体24の一対の脚部2402とは、両フランジ1206と1406を狭持する際に両フランジを挟んで相対向するように配置される。
【0015】
第1の狭持体22は、管体1204を跨いだ2箇所で上記合わされた面と反対側のフランジ1206の端面に当接する一対の第1の押圧部2204を有する。第2の狭持体24は、管体1404を跨いだ2箇所で上記合わされた面と反対側のフランジ1406の端面で、第1の押圧部2204と正対する箇所で当接する一対の第2の押圧部2404を有する。
一対の第1の押圧部2204は、それぞれ一対の脚部2202の長手方向の一端寄りに第2の押圧部2404側に円弧状に突出する形状で設けられている。一対の第2の押圧部2404は、それぞれ一対の脚部2402の長手方向の一端寄りに第1の押圧部2204側に円弧状に突出する形状で設けられている。
【0016】
第1の狭持体22には、一対の脚部2202の長手方向の他端の間から第2の狭持体24の一対の脚部2402の他端の間に向けて延在する第1連結板2602が設けられている。第2の狭持体24には、一対の脚部2402の長手方向の他端から、第1連結板2602の両側を通って第1の狭持体22の一対の脚部2202の他端に向けて延在する一対の第2連結板2604が設けられている。第1連結板2602の基部と一対の第2連結板2604の先部とはピン2606により揺動可能に結合されている。
上記第1連結板2602と、一対の第2連結板2604と、ピン2606は、連結手段26を構成する。
さらに、第2の狭持体24の一対の脚部2402の長手方向の中間部は、第1連結板2602の先部に対向する接続壁2408により接続されている。
【0017】
雄ねじ部材28は、一対の第1の押圧部2202と一対の第2の押圧部2402とが接近する方向に第1の狭持体22と第2の狭持体24とをピン2606を支点に揺動させ、一対の第1の押圧部と2202と一対の第2の押圧部2402とで第1、第2の導波管12,14の両フランジ1206と1406を一体に狭持するためのものであり、この雄ねじ部材28は、第1連結板2602の先部2602Aにねじ結合され、雄ねじ部材28の先端が第2の狭持体24の接続壁2408に当接可能に設けられている。また、雄ねじ部材28の頭部には、雄ねじ部材28を回転操作するつまみ2802が一体に設けられている。
【0018】
次に、本実施の形態にかかる導波管接続用治具20を用いて2つの導波管同士を接続する場合の動作について説明する。
まず、フランジ1206の位置決めピン1210をフランジ1406の位置決め用ピン孔1412に係合し、フランジ1406の位置決めピン1410をフランジ1206の位置決め用ピン孔1212に係合して、両フランジ1206とフランジ1406との端面を合わせる。
【0019】
かかる状態で、図1及び図2に示すごとく、両フランジ1206と1406とが第1の狭持体22と第2の狭持体24により、上記合わされた面と反対側の端面から挟持されるように導波管接続用治具20をセットする。この場合、第1の狭持体22の一対の脚部2202は管体1204を跨いだ状態にセットされ、さらに、第2の狭持体24の一対の脚部2402は管体1404を跨いだ状態にセットされる。
【0020】
次に、つまみ2802を介して雄ねじ部材28を図2の矢印Dに示す時計回り方向に回転し、雄ねじ部材28を第1連結板2602の先部2602Aから第2の狭持体24の接続壁2408側へ順次突出させる。これにより、雄ねじ部材28の先端で第2の狭持体24の接続壁2408が押圧されると、第1連結板2602の先部2602Aと第2の狭持体24の接続壁2408との間に図2の矢印Y1,Y2に示す方向の力が発生すると同時に、この矢印Y1,Y2方向の力を受けた第1の狭持体22と第2の狭持体24は、それぞれピン2606を支点にして矢印Y1,Y2方向に回動される。これに伴い、第1の狭持体22の一対の第1の押圧部2204は、図2の矢印X1に示す方向から上記合わされた面と反対側のフランジ1206の端面に押圧される。さらに、第2の狭持体24の一対の第2の押圧部2404は、図2の矢印X2に示す方向から上記合わされた面と反対側のフランジ1406の端面に押圧される。これにより、互いに合わされた両フランジ1206と1406を、第1の狭持体22及び第2の狭持体24と、ピン2606及び雄ねじ部材28からなる「てこの原理」を利用して狭持し、2つの導波管12と14同士を接続することができる。
【0021】
また、導波管接続用治具20を導波管12,14のフランジ1206,1406から取り外して導波管12,14同士を分離する場合は、つまみ2802により雄ねじ部材28を図2の矢印Dに示す方向と逆の反時計回り方向に回転して、フランジ1206,1406に対する第1の押圧部2204及び第2の押圧部2404の狭持圧力を除くことにより、簡単に行うことができる。
【0022】
このような本実施の形態に示す導波管接続用治具20においては、第1の導波管12のフランジ合わせ面と反対側のフランジ端面に当接する一対の第1の押圧部2202を有する第1の狭持体22と、第2の導波管14のフランジ合わせ面と反対側のフランジ端面でかつ第1の押圧部2204と正対する箇所で当接する一対の第2の押圧部2404を有する第2の狭持体24とを、第1連結板2602と一対の第2連結板2604とピン2606とからなる連結手段26により、第1の押圧部2204と第2の押圧部2404とが離間接近する方向に揺動可能に連結し、そして、第1連結板2602の先部2602Aにねじ結合された雄ねじ部材28を回転することで、その先端が第2の狭持体24の接続壁2408に当接して第1の押圧部2204と第2の押圧部2404とが接近する方向に第1の狭持体22と第2の狭持体24を揺動させ、一対の第1の押圧部2204と一対の第2の押圧部2404とで2つの導波管12と14のフランジを狭持する構成にしたので、2つの導波管同士を1つの治具で安定かつ確実に接続できるとともに、導波管同士の接続及び分離も雄ねじ部材28を締め付け方向及び緩め方向に回転操作するのみで簡単に行うことができるという効果がある。
また、本実施の形態によれば、導波管同士の接続は1つの治具でよいため、導波管同士の接続及び分離が簡便になり、低コスト化が可能になる。
【0023】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の導波管接続用治具20について図8乃至図10を参照して説明する。
第1の実施の形態と同一、または、同様の箇所、部材に同一の符号を付し、その説明を省略すると共に、第1の実施の形態と異なった箇所のみを説明する。
第1の実施の形態では、第1の狭持体22の一対の第1の押圧部2204と、第2の狭持体24の一対の第2の押圧部2404とが、一対の脚部2202、2204にそれぞれ円弧状に突出する形状でそれら脚部2202、2204に一体的に設けられていたのに対して、第2の実施の形態では、第1の押圧部2204と一対の第2の押圧部2404とが、一対の脚部2202、2204にそれぞれ搖動可能に取り付けられた揺動片30、32で構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
【0024】
より詳細に説明すると、第1の狭持体22の一対の脚部2202の長手方向の一端寄りに、一対の支持壁部2210が突設され、第1の押圧部2204は、それら支持壁部2210の間でピン34により搖動可能に支持された揺動片30で構成されている。
揺動片30は、脚部2202の長手方向に細長形状に形成され、揺動片30の長手方向の両端は、長手方向の中間部よりも第2の狭持体24の一対の脚部2402に突出する凸部3002として形成されている。
また、第2の狭持体24の一対の脚部2402の長手方向の一端寄りに、一対の支持壁部2410が突設され、第2の押圧部2404は、それら支持壁部2410の間でピン36により搖動可能に支持された揺動片32で構成されている。
揺動片32は、脚部2402の長手方向に細長形状に形成され、揺動片32の長手方向の両端は、長手方向の中間部よりも第1の狭持体22の一対の脚部2202に突出する凸部3202として形成されている。
【0025】
第2の実施の形態の導波管接続用治具20の使用方法は第1の実施の形態と同様であり、第2の実施の形態の導波管接続用治具20を第1の実施の形態と同様にセットし、つまみ2802を介して雄ねじ部材28を回転し、雄ねじ部材28を第1連結板2602の先部2602Aから第2の狭持体24の接続壁2408側へ順次突出させる。
これにより、第1の狭持体22の一対の脚部2202と第2の狭持体24の一対の脚部2402は、それぞれピン2606を支点にして互いに近づく方向に揺動する。
そして、第1の狭持体22の一対の第1の押圧部2204をなす揺動片30の両端の凸部3002がフランジ1206の端面に押圧され、第2の狭持体24の一対の第2の押圧部2404をなす揺動片32の両端の凸部3202がフランジ1406の端面に押圧され、両フランジ1206、1406が挟持され、2つの導波管12、14同士が接続される。
また、導波管接続用治具20を導波管12,14のフランジ1206,1406から取り外して導波管12,14同士を分離する場合は、つまみ2802により雄ねじ部材28を前記とは逆向きに回転し、フランジ1206,1406に対する揺動片30、32の狭持圧力を除くことにより、簡単に行うことができる。
【0026】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が奏されることは無論のこと、フランジ1206,1406の端面が、例えば、内周部が外周部よりも膨出するようなテーパ形状になっている場合であっても、揺動片30、32がフランジ1206,1406の端面の形状に追従して動けるので、導波管12、14同士をより確実に接続する上で有利となる効果が奏される。
【0027】
なお、本発明における第1の狭持体22と2の狭持体24との連結手段は、上記実施の形態に示す構造のものに限定されず、種々の形態の構造のものに変更することができる。また、本発明の導波管接続用治具20が適用される導波管は、上記実施の形態に示す形状及び構成のものに限らず、断面が矩形状の導波管で、かつそのフランジが矩形状のものにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
12…第1の導波管、1202…導波路、1204…管体、1206…フランジ、14…第2の導波管、1402…導波路、1404…管体、1406…フランジ、20…導波管接続用治具、22…第1の狭持体、2202…脚部、2204…第1の押圧部、24…第2の狭持体、2402…脚部、2404…第2の押圧部、2408…接続壁、26…連結手段、2602…第1連結板、2604…第2連結板、2606…ピン、28…雄ねじ部材、30、32……揺動片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路を有する管体と前記管体の端部に設けられたフランジとを有する第1、第2の2つの導波管を、前記各導波管のフランジの端面を合わせそれらフランジ同士を狭持することで前記2つの導波管の導波路を接続する治具であって、
前記各導波管のフランジの端面を合わせた状態で、前記管体を跨いだ2箇所で前記第1の導波管の前記合わされた面と反対側の前記フランジの端面に当接する一対の第1の押圧部を有する第1の狭持体と、
前記各導波管のフランジの端面を合わせた状態で、前記管体を跨いだ2箇所で前記第2の導波管の前記合わされた面と反対側の前記フランジの端面でかつ前記第1の押圧部と正対する箇所で当接する一対の第2の押圧部を有する第2の狭持体と、
前記第1の狭持体と前記第2の狭持体とを、前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とが離間接近する方向に揺動可能に連結する連結手段と、
前記第1の狭持体及び前記第2の狭持体の一方にねじ結合され、回転することでその先端が前記第1の狭持体及び前記第2の狭持体の他方に当接して前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とが接近する方向に前記第1の狭持体と前記第2の狭持体を揺動させ前記一対の第1の押圧部と前記一対の第2の押圧部とで前記2つの導波管のフランジを狭持させる雄ねじ部材と、
を備えることを特徴とする導波管接続用治具。
【請求項2】
前記第1、第2の狭持体は、それぞれ前記管体を跨ぐ間隔をおいて設けられた一対の脚部を備え、
前記第1の狭持体の前記一対の脚部と、前記第2の狭持体の前記一対の脚部とは、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に対向し、
前記一対の第1の押圧部は、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に前記第2の狭持体の前記一対の脚部に対向する前記第1の狭持体の前記一対の脚部の箇所に設けられ、
前記一対の第2の押圧部は、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に前記第1の狭持体の前記一対の脚部に対向する前記第2の狭持体の前記一対の脚部の箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の導波管接続用治具。
【請求項3】
前記一対の第1の押圧部は、前記第1の狭持体の前記一対の脚部の長手方向の一端寄りに設けられ、
前記第1の狭持体の前記一対の脚部の長手方向の他端の間から前記第2の狭持体の前記一対の脚部の他端の間に向けて延在する第1連結板が設けられ、
前記一対の第2の押圧部は、前記第2の狭持体の前記一対の脚部の長手方向の一端寄りに設けられ、
前記第2の狭持体の前記一対の脚部の長手方向の他端から、前記第1連結板の両側を通って前記第1の狭持体の前記一対の脚部の他端に向けて延在する一対の第2連結板が設けられ、
前記第1連結板の基部と前記一対の第2連結板の先部とはピンにより揺動可能に結合され、
前記第2の狭持体の前記一対の脚部の長手方向の中間部は、前記第1連結板の先部に対向する接続壁により接続されており、
前記雄ねじ部材は、前記第1連結部の先部にねじ結合され、前記雄ねじ部材の先端が前記接続壁に当接可能に設けられ、
前記連結手段は、前記第1連結板と、前記一対の第2連結板と、前記ピンとで構成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の導波管接続用治具。
【請求項4】
前記一対の第1の押圧部は、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に前記第2の狭持体の前記一対の脚部に対向する前記第1の狭持体の前記一対の脚部の箇所に、前記第2の狭持体の脚部側に円弧状に突出する形状で設けられ、
前記一対の第2の押圧部は、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に前記第1の狭持体の前記一対の脚部に対向する前記第2の狭持体の前記一対の脚部の箇所に、前記第1の狭持体の脚部側に円弧状に突出する形状で設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の導波管接続用治具。
【請求項5】
前記一対の第1の押圧部は、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に前記第2の狭持体の前記一対の脚部に対向する前記第1の狭持体の前記一対の脚部の箇所に、それぞれ搖動可能に取り付けられた揺動片で構成され、
前記一対の第2の押圧部は、前記2つの導波管のフランジを狭持する際に前記第1の狭持体の前記一対の脚部に対向する前記第2の狭持体の前記一対の脚部の箇所に、それぞれ搖動可能に取り付けられた揺動片で構成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の導波管接続用治具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−129894(P2012−129894A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281098(P2010−281098)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000155724)株式会社雄島試作研究所 (34)
【Fターム(参考)】