説明

小型端末装置、表示プログラムおよび情報処理システム

【課題】簡単に小型端末装置の画面の移動が行え、かつ、遠隔地にあるホスト装置上のどの画面領域を小型端末装置が表示しているのかを容易に把握することが可能な小型端末装置、表示プログラムおよび情報処理システムを提供すること。
【解決手段】表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段と、前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段と、前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段と、前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型で容易に携帯できる形状であり表示画面の小さな小型端末装置でありながら、大量の情報を無理なく表示することが可能な小型端末装置、表示プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モバイル性を有する携帯型の情報表示装置には、携帯電話機のように電話機能及び簡易メール機能等に特化した、より携帯性を重視した形状を持つタイプのものと、ノートパソコンのようにある程度の大きさを保持しつつ比較的大きな見易い画面とキーボードやタッチパネル等の使い易い文字入力装置部を有し、情報の閲覧及び入力操作を重視したタイプのものとがあった。ところが近年は、携帯電話機においてもメール機能だけではなく、インターネットを利用した各種情報の閲覧や入力操作が行えるようになってきた。
【0003】
また、ホストコンピュータを遠隔操作することが可能な端末装置がある。この端末装置は、ホストコンピュータを保守あるいは点検するために遠隔地からリモートログインし、ホストコンピュータで表示する画面の一部を表示することが可能となっている。
【0004】
また、端末装置の物理的移動量を検出することによって、端末装置の表示画面のサイズより大きな仮想空間領域内に設定された情報を閲覧することが可能な携帯情報端末装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−117553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような技術においては、ホストコンピュータや仮想空間領域内に設定された情報をそのまま端末装置に表示画面に表示することは物理的に不可能である。このような情報を端末装置で表示させるには、その情報を縮小することが考えられるが、情報が文字列のようにある程度の解像度を要求されるような場合には解読できなくなるという問題点があった。また、小型の端末装置向けの専用のユーザーインターフェースを用意することも考えられるが、保守や点検のための端末装置の場合、ホストコンピュータ自体の設定を行う性質上ホストコンピュータの画面での操作を前提として最適化されているため、端末装置用のユーザーインターフェースを用意することは馴染まないという問題点があった。
【0006】
また、保守や点検のための端末装置の場合、端末装置に表示させたい画面を表示するために画面のスクロールを行う必要があるが、その場合、スクロール操作と、保守または点検のための操作との2段階の操作を行う必要があるという問題点があった。
【0007】
また、遠隔操作の場合、スクロールで移動しただけでは、端末装置にどの位置が表示されているのかが分からないという問題点があった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ホスト装置と小型端末装置とを備える情報処理システムにおいて、簡単に小型端末装置の画面の移動が行え、かつ、遠隔地にあるホスト装置上のどの画面領域を小型端末装置が表示しているのかを容易に把握することが可能な小型端末装置、表示プログラムおよび情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の小型端末装置は、表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段と、前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段と、前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段と、前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の小型端末装置は、前記移動検出手段が、前記小型端末装置の移動を検出する移動検出センサーであることが望ましい。
また、本発明の小型端末装置は、前記領域検出手段が、前記所定領域の境界を検出することにより前記所定領域を検出することが望ましい。
【0010】
また、本発明の小型端末装置は、前記報知手段が、前記小型端末装置を振動させることにより前記所定領域を検出したことを報知することが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明のプログラムは、小型端末装置のコンピュータを、表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段、前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段、前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段、前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段、前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段として機能させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、本発明の情報処理システムは、ホスト装置と小型端末装置とを備える情報処理システムであって、前記小型端末装置が、前記ホスト装置が表示する表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段と、前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動を示す情報を前記ホスト装置へ送信し、前記ホスト装置から送信されてきた移動後の部分表示情報に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段と、前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段と、前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、本発明の情報処理システムは、前記小型端末装置が、前記領域検出手段によって検出した所定領域に前記ホスト装置への要求を入力する要求入力手段と、前記要求入力手段に入力された前記要求を前記ホスト装置へ送信する要求送信手段とをさらに備え、前記ホスト装置が、前記要求送信手段によって送信されてきた要求に基づいて、所定のアプリケーションプログラムを動作させるアプリ動作手段を備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ホスト装置と小型端末装置とを備える情報処理システムにおいて、簡単に小型端末装置の画面の移動が行える。
また、本発明によれば、遠隔地にあるホスト装置上のどの画面領域を小型端末装置が表示しているのかを容易に把握することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、小型端末装置10のハードウェア構成の概略を示す図であり、図2は、ホスト装置20のハードウェア構成の概略を示す図である。
【0015】
本発明は、サーバー装置やパーソナルコンピュータ等のホスト装置20を、ホスト装置20と無線または有線のネットワーク網を介して接続されたPDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機等の小型端末装置10から遠隔操作する情報処理システムに適用される。ここで、ホスト装置20は比較的大きな表示画面を有し、小型端末装置10は比較的小さな表示画面を有し、小型端末装置10の表示画面にホスト装置20の表示画面に表示されている情報の一部を表示する。
【0016】
図1において、小型端末装置10は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)102、小型端末装置10において実行する処理を実行するプログラムの他、小型端末装置10の各機能を制御し実行するための制御プログラムが収納されたROMやRAM103等のメモリ、各種のデータや信号等を入力するための入力部104、LAN等のネットワークに接続するための通信制御部105、画像やその他の情報を表示するための表示部106、画像を始め様々な情報を記録するための記録部107、小型端末装置10が移動する際の加速度を計測するための加速度センサー108、小型端末装置10を振動させるためのモーター109がバス101に接続されて構成され、CPU102がこれらの各部を制御している。
【0017】
図2において、ホスト装置20は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)202、ホスト装置20において実行する処理を実行するプログラムの他、ホスト装置20の各機能を制御し実行するための制御プログラムが収納されたROMやRAM203等のメモリ、各種のデータや信号等を入力するための入力部204、LAN等のネットワークに接続するための通信制御部205、画像やその他の情報を表示するための表示部106、画像を始め様々な情報を記録するための記録部207がバス201に接続されて構成され、CPU202がこれらの各部を制御している。
【0018】
そして、上述のようなハードウェアを備える小型端末装置10は、本発明を実現するための機能として、表示部と画面移動検出部と表示制御部と領域検出部と報知部と要求入力部と要求送信部とを有している。
【0019】
表示部は、比較的小さな表示画面を有し、前記ホスト装置20が備える比較的大きな表示画面に表示する表示情報の一部である部分表示情報を、その小さな表示画面に表示する。
【0020】
画面移動検出部は、前記表示部に表示されている表示画面の移動方向および移動距離等の移動に関する情報を検出する。例えば、画面移動検出部は、前記小型端末装置10の実際の物理的移動を検出する移動検出センサーであったり、前記小型端末装置10の水平方向に対する傾斜を検出することにより仮想的な移動を検出する傾斜検出センサーであったりする。より具体的には、デジタルカメラ等に搭載されている手振れ防止機能を実現するための小型の加速度センサーを適用する。この加速度センサーを用いて小型端末装置10が移動した際の加速度を計測して相対的な物理的位置を算出し、ホスト装置20を遠隔操作する画面のスクロール量に変換する。
【0021】
表示制御部は、前記画面移動検出部によって検出した表示画面の移動を示す情報を前記ホスト装置20へ送信し、前記ホスト装置20から送信されてきた移動後の部分表示情報に基づいて、前記表示部に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する。
【0022】
領域検出部は、前記表示制御部が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示部に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する。ここで、所定領域とは、ホスト装置20上で動作しているアプリケーションプログラムに対して何らかの命令を入力するための入力領域であり、この所定領域を検出するには、所定領域を囲う境界(見かけ上の凹凸)を検出することにより実現する。
【0023】
報知部は、前記領域検出部によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことをユーザーに知らせるために、例えば小型端末装置10をモーターで振動させることにより報知する。
【0024】
要求入力部は、前記領域検出部によって検出した所定領域に前記ホスト装置20への要求を入力し、要求送信部は、前記要求入力部に入力された前記要求を前記ホスト装置20へ送信する。
【0025】
また、上述のようなハードウェアを備えるホスト装置20は、本発明を実現するための機能として、前記小型端末装置10が備える要求送信部によって送信されてきた要求に基づいて、所定のアプリケーションプログラムを動作させるアプリ動作部を有している。
【0026】
図3は、本発明の概要を説明するための図である。
図3において、(A)に示すように、比較的小さな表示画面である小型端末装置画面401を有する小型端末装置10を任意の方向に移動させると、(B)に示すように、小型端末装置10の移動に伴ってホスト装置画面301中の小型端末装置画面401に対応する小型端末装置表示領域302も移動する。これは、(C)に示すように、机の上に置いた小型端末装置10の小型端末装置画面401をユーザー500が上から見た場合に、あたかも机の下方に存在するホスト装置画面(イメージ)301A中の小型端末装置表示領域(イメージ)302Aを見ているのと同様である。
【0027】
次に、本発明を適用した表示処理の流れを説明する。
図4は、本発明を適用した表示処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、ホスト装置20の表示と小型端末装置10の表示との関係を説明するための図であり、図6は、サブルーチン「画面移動量算出更新処理」の流れを示すフローチャートであり、図7は、サブルーチン「勾配処理」の流れを示すフローチャートであり、図8は、所定領域の検出を説明するための図である。
【0028】
図4中の左側のフローチャートが小型端末装置10の実行する処理であり、右側のフローチャートがホスト装置20の実行する処理である。なお、ホスト装置20の本来の処理が本表示処理の裏でパラレルに実行されることが可能であり、その場合本表示処理は割り込み制御として実行される。
【0029】
まず、ステップS401において、小型端末装置10は、ホスト装置20に対して接続要求を送信する。
ホスト装置20は、ステップS421において、小型端末装置10から接続要求が送信されてきたか否かを判断し、接続要求が送信されていないと判断された場合(ステップS421:No)は、本表示処理を終了し、他方、接続要求が送信されてきたと判断された場合(ステップS421:Yes)は、ステップS422において、裏で本来の処理がパラレルに実行されているか否かを判断する。
【0030】
そして、裏で本来の処理がパラレルに実行されていると判断された場合(ステップS422:Yes)は、ステップS423において、本来の処理が実行中であるので小型端末装置10からの遠隔操作はできない旨のメッセージを小型端末装置10に対して送信する。他方、裏で本来の処理がパラレルに実行されていないと判断された場合(ステップS422:No)は、ステップS424において、図5に示すようなホスト装置画面301中の小型端末装置表示領域302の画面データおよび画面の位置情報を小型端末装置10に対して送信する。
【0031】
すると、小型端末装置10は、ステップS402において、ホスト装置20から画面データを受信したか否かを判断する。ホスト装置20から画面データを受信していないと判断された場合、すなわちステップS423で送信されたメッセージを受信した場合(ステップS402:No)は、本表示処理を終了し、他方、ホスト装置20から画面データを受信していると判断された場合、すなわちステップS424で送信された画面データを受信した場合(ステップS402:Yes)は、ステップS403において、ステップS424で送信された画面の位置情報を受信する。
【0032】
次に、小型端末装置10は、ステップS404において、加速度センサーからの加速度データの入力があるか否かを判断する。加速度センサーからの入力があるというのは、小型端末装置10の物理的移動を加速度センサーが検出し、その物理的移動の方向および距離をデータとして入力することである。加速度センサーからのデータの入力があると判断された場合(ステップS404:Yes)は、ステップS405のサブルーチン「画面移動量算出更新処理」を実行する。
【0033】
サブルーチン「画面移動量算出更新処理」は、まず、図6のステップS601において、加速度センサーからの加速度データを取得し、ステップS602において、取得した加速度データに基づいて画面の移動量を算出する。具体的には、下記式1に基づいて画面移動量を算出する。そして、ステップS603において、算出した移動量を小型端末装置10の移動量として更新する。
【0034】
式1
【0035】
【数1】

【0036】
dPos:画面移動量
k:変換パラメータ
samp:測定周期
次に、図4のステップS406において、小型端末装置10は、ステップS405の「画面移動量算出更新処理」で算出した画面移動後の画面位置データをホスト装置20へ送信することにより移動後の画面データの送信を要求する。
【0037】
ホスト装置20は、ステップS425において、小型端末装置10から画面データの送信の要求があるか否かを判断する。画面データの送信の要求があると判断された場合(ステップS425:Yes)は、ステップS426において、送信する画面データに対応する位置にその画面データを囲う枠および小型端末装置10の識別IDを表示し、ステップS427において、その画面データを小型端末装置10へ送信する。
【0038】
小型端末装置10は、ステップS407において、ホスト装置20から送信された画面データを受信したか否かを判断し、受信したと判断された場合(ステップS407:Yes)は、ステップ408において、所定領域を検出するためのサブルーチン「勾配処理」を実行する。ここで、所定領域とは、ホスト装置20上で動作しているアプリケーションプログラムに対して何らかの命令を入力するための入力領域であり、この所定領域を検出するには、所定領域を囲う境界(見かけ上の凹凸)を検出することにより実現する。
【0039】
サブルーチン「勾配処理」は、まず、図7のステップS701において、図4のステップS402で受信した画面データからステップS407で受信した画面データへ小型端末装置10が移動した際、所定領域を囲う境界を通過したか否か、すなわち画像の勾配を検出したか否かを判断する。画像の勾配とは、隣接する画素の微分値であり、画像の勾配を検出するためにはたとえばエッジ検出フィルタであるSobel(ゾーベル)フィルタを用いることができる。そして、下記式2により求める画像勾配gを小型端末装置10に表示されている全ての画素について実行すると図8のようになる。
【0040】
式2
【0041】
【数2】

【0042】
g:画像勾配
kj:Sobel(ゾーベル)フィルタのオペレータ
I(x,y):(x,y)についての画素
そして、画像の勾配を検出すると(ステップS701:Yes)、小型端末装置10は、ステップS702において、モーターを振動させることによりユーザーに画像の勾配、すなわち所定領域が表示されていることを報知する。なお、勾配の度合いを表現するために、画面移動量dPosと画像勾配gとの内積値V(下記式3)に対応してモーターの振動の大きさを変えてもよい。
【0043】
式3
【0044】
【数3】

【0045】
V:内積値
dPos:画面移動量
g:画像勾配
次に、小型端末装置10は、ステップS409において、ステップS407で受信した画面データに基づいて画面を更新し、ステップS408で勾配を検出した場合には、その所定領域に入力されたデータを解析し、ステップS411において、解析した入力データをホスト装置20に対して送信する。
【0046】
すると、ホスト装置20は、ステップS428において、ステップS411で小型端末装置10から送信されてきた入力データを受信したか否かを判断し、受信したと判断された場合(ステップS328:Yes)は、ステップS429において、入力データに従った処理を実行する。
【0047】
また、小型端末装置10は、入力データを送信後、ステップS412において、アプリケーションプログラムを終了するか否かを判断し、終了する場合(ステップS412:Yes)は、ステップS413において、アプリケーションプログラムの終了をホスト装置20に通知する。
【0048】
最後に、ホスト装置20は、ステップS430において、小型端末装置10からアプリケーションプログラム終了の通知を受信したか否かを判断し、アプリケーションプログラム終了の通知を受信した場合(ステップS430:Yes)は、アプリケーションプログラムの終了とともに本表示処理を終了する。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、上述してきた本発明の実施の形態は、小型端末装置の一機能としてハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0050】
また、本発明が適用される小型端末装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0051】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、小型端末装置に供給し、それらの小型端末装置のコンピュータがプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0052】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0053】
プログラムを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0054】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0055】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0056】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】小型端末装置10のハードウェア構成の概略を示す図である。
【図2】ホスト装置20のハードウェア構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の概要を説明するための図である。
【図4】本発明を適用した表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】ホスト装置20の表示と小型端末装置10の表示との関係を説明するための図である。
【図6】サブルーチン「画面移動量算出更新処理」の流れを示すフローチャートである。
【図7】サブルーチン「勾配処理」の流れを示すフローチャートである。
【図8】所定領域の検出を説明するための図である。
【符号の説明】
【0058】
10 小型端末装置
20 ホスト装置
101 バス
102 CPU
103 RAM
104 入力部
105 通信制御部
106 表示部
107 記録部
108 加速度センサー
109 モーター
201 バス
202 CPU
203 RAM
204 入力部
205 通信制御部
206 表示部
207 記録部
301 ホスト装置画面
301A ホスト装置画面(イメージ)
302 小型端末装置表示領域
302A 小型端末装置表示領域(イメージ)
401 小型端末装置画面
402 全体画面領域
403 小型端末表示部分
500 ユーザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型端末装置であって、
表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段と、
前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段と、
前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする小型端末装置。
【請求項2】
前記移動検出手段は、前記小型端末装置の移動を検出する移動検出センサーであることを特徴とする請求項1に記載の小型端末装置。
【請求項3】
前記領域検出手段は、前記所定領域の境界を検出することにより前記所定領域を検出することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の小型端末装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記小型端末装置を振動させることにより前記所定領域を検出したことを報知することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の小型端末装置。
【請求項5】
小型端末装置のコンピュータを、
表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段、
前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段、
前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段、
前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段、
前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
ホスト装置と小型端末装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記小型端末装置は、
前記ホスト装置が表示する表示情報の一部である部分表示情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示されている表示画面の移動を検出する画面移動検出手段と、
前記画面移動検出手段によって検出した表示画面の移動を示す情報を前記ホスト装置へ送信し、前記ホスト装置から送信されてきた移動後の部分表示情報に基づいて、前記表示手段に移動後の部分表示情報を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記表示制御手段が移動後の部分表示情報を表示するよう制御する際、前記表示手段に表示されている部分表示情報の所定領域を検出する領域検出手段と、
前記領域検出手段によって所定領域を検出すると、前記所定領域を検出したことを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記小型端末装置は、
前記領域検出手段によって検出した所定領域に前記ホスト装置への要求を入力する要求入力手段と、
前記要求入力手段に入力された前記要求を前記ホスト装置へ送信する要求送信手段と、
を備え、
前記ホスト装置は、
前記要求送信手段によって送信されてきた要求に基づいて、所定のアプリケーションプログラムを動作させるアプリ動作手段と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【図8】
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