説明

小物入れ

【課題】譜面台に取り付けて用いる小物入れは非柔軟性の素材で構成されており、たくさんの小物を収納するには小物入れ自体が大きくなり携帯性が悪い。また、狭い場所での練習では楽器をぶつけて傷を付けるなどの不具合があった。さらに小物を入れたまま譜面台を移動させたりすると小物を落とす不具合があった。
【解決手段】柔軟性シート素材で構成された平板状体5に、柔軟性シート素材によって構成されたポケット6を配設し、その平板状体5に譜面台1との係合具7および係合具7aを設けた譜面台用に取り付けて使用する小物入れ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、譜面台に取り付けて用いる小物入れに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の譜面台に取り付けて用いる小物入れ及び小物置台は、非柔軟性の素材で形成されており、譜面台の楽譜受け部や支柱に系合し用いるものである。
【特許文献1】特開平5−188930号公報
【特許文献2】特開2002−123255号公報
【特許文献3】特開2002−328675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば安定して沢山の小物を収納させようとすると、小物入れ自体を大きくしなければならないので携帯性が悪くなる。また、大きくすればするほど小物入れの重量が大きくなり譜面台のバランスを悪くしてしまい、譜面台が転倒しやすいなどの不具合が発生する。さらに、吹奏楽やオーケストラの練習では限られたスペースに大人数を詰め込んで行うことが多く、譜面台と演奏者の空間は非常に限られるので、従来の技術によれば小物入れと楽器をぶつけて楽器を傷つけてしまったり、ぶつけたショックによって小物を落下させてしまうといった不具合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上のような課題を解決するために、第一発明は柔軟性シート素材で構成された平板状体5に、柔軟性シート素材によって構成されたポケット6を配設し、その平板状体5に譜面台1との係合具7を設けた小物入れである。
【0005】
第二発明は、譜面台1との系合具7を、柔軟性の紐状体で形成し、その紐状体の両端を平板状体5に固定し、譜面台1の楽譜受け部2の下部に設けられた楽譜めくれ防止具3に引っ掛けて用いることを特徴とした小物入れである。
【0006】
第三発明は、譜面台1との系合具7を、柔軟性の紐状体で形成し、その紐状体の両端を平板状体5に固定し、譜面台1の楽譜受け部2の下部に設けられた楽譜めくれ防止具3と譜面台の角度を調節する取っ手4に係合具7を引っ掛けて用いることを特徴とした小物入れである。
【0007】
第四発明は、ポケット6を柔軟性網状体で構成した小物入れである。
【発明の効果】
【0008】
第一発明によれば、小物入れが柔軟性シート素材で構成されているので小物入れの重量を気にすることなく収納力を大きくするために小物入れを大きくすることができる。また、小さく折りたたんで持ち歩くことができるのはもちろんのこと、ポケットに小物を入れたまま折りたたんで収納することもでき、演奏者の負担を軽減することができる。さらに小物入れは柔軟性のシート素材で構成されており、小物はポケット内に収納されていて、譜面台にぶら下がった状体で使用するので狭いスペースを有効に活用でき、仮に演奏中に楽器をぶつけたとしても楽器に傷をつけたり小物入れに入れた小物を落下させることもない。
【0009】
第二発明によれば演奏者は小物入れの係合具7を譜面台のめくれ防止具3に引っ掛けるだけで使用を開始することができ、同様に取り外しも簡単である。また、係合具7は柔軟性の紐状体で形成してあるので譜めくりの邪魔になることもないうえに、メーカーごとに異なった楽譜めくれ防止具間の寸法にも柔軟に対応することができる。
【0010】
第三発明によれば、譜面台1の楽譜受け部2の下部に設けられた楽譜めくれ防止具3と譜面台の楽譜受け部の角度を調節する取っ手4に引っ掛けることで、めくれ防止具3だけに引っ掛けた場合に比べて安定した姿勢を保つことができるうえに、譜面台1の中心位置に近い位置に小物入れの重心位置を配置することができ、譜面台1を安定させることができる。さらにメーカーごとに異なる楽譜受け部の角度調節用取っ手4にも係合具を柔軟性の紐状体で構成することで形状を選ばず取り付けができる。
【0011】
第四発明によれば、ポケット6は柔軟性の網状体で構成されているので、小物の内容物が取り出すことなく視認できるうえにチューナーや電子メトロノームなどの演奏補助具を小物入れのポケットに入れたまま表示部や電子音をはっきり確認できるので、演奏者の小物の出し入れの負担を大幅に軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の一実施形態を、図1から図6に示す。
小物入れは布製の平板状体5にメッシュ素材のポケット6が上下2段に設けられており、ポケット6は小物が整然と配置できるよう任意に分割するように平板状体5と縫い付けられている。平板状体には両側に布紐で係合具7が取り付けられており、さらにその間にはゴムひもで構成された係合具7aが取り付けられている。さらに、平板状体5にはフック8が取り付けられていている。図3および図4は平板状体5のポケット6とは反対側にボタン9を縫い付け、さらに平板状体5の端部に持ち運び用の取っ手10を付けたものである。このボタン9は小物を入れたまま係合具7および係合具7aを掛けることができるように配置してある。また図5は平板状体5の周囲にジッパー11を取り付け、折りたたんでジッパー11を閉めることができるよう構成したものである。図6は小物入れの平板状体5に布製の譜面台ケース12を組み合わせたものである。
【0013】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、小物入れは布製なので演奏者は小さく折りたたんで持ち歩くことができ、演奏の際にはすばやく取り出して譜面台に取り付け小物を整然と配置することができる。配置した小物はそのままで視認できるので演奏中の短い休みの間にも小物を取り出して楽器の調整などがすばやくできる。特にチューナーや電子メトロノームなどはポケット6がメッシュ素材で構成されているので、ポケット6から取り出すことなく使用できるのでたいへん便利である。またフック8を設けたことでクリーニングスワブなど収納する前に折りたたむ必要があるなど収納に手間取るものを引っ掛けて収納できるので、演奏者の負担が大幅に軽減する。また、練習場所の移動などで譜面台を運ぶときにも譜面台に小物入れを取り付けたままでも小物類はしっかりとポケット6に収納されているので演奏者は安心して持ち運ぶことができる。演奏が終わったあともすばやく譜面台から小物入れを取り外し、図3、図4の実施例によれば片付けを急ぐ場合は小物を入れたまま折りたたんで、係合具7および係合具7aをボタン9に掛ければ取っ手10を持って持ち運ぶことができる。また、図5の実施例によれば小物入れはジッパー11で完全に密閉されており、持ち運び中にも小物がこぼれ落ちる事がなく、さらに小物入れに入っていなかったものまで収納することもできるのである。図6の実施例によれば演奏者は譜面台もこの小物入れに収納し持ち歩くことができるようになる。
【0014】
「他の実施形態」
図1から図6の実施形態では、係合具7および係合具7aを両方の譜面台のめくれ防止具と譜面台の楽譜受け部の角度を調節する取っ手4に引っ掛けたものであったが、係合具7および係合具7aは片方の譜面台のめくれ防止具7と譜面台の楽譜受け部の角度を調節する取っ手4に引っ掛ける構成でもよい。その例を図7から図10に示す。この図7から図10の実施例によれば大型の楽器で譜面台の下部に楽器を張り出して演奏する楽器、たとえばトロンボーンなどにおいて、小物入れが演奏の際に邪魔にならず快適な演奏ができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施形態を示す正面図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す側面図である。
【図3】この発明の一実施形態を示す小物入れの斜視図である。
【図4】この発明の一実施形態を示す小物入れの斜視図である。
【図5】この発明の一実施形態を示す小物入れの斜視図である。
【図6】この発明の一実施形態を示す小物入れの斜視図である。
【図7】この発明の他の実施形態を示す正面図である。
【図8】この発明の他の実施形態を示す側面図である。
【図9】この発明の他の実施形態を示す小物入れの平面図である。
【図10】この発明の他の実施形態を示す小物入れの斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 譜面台
2 楽譜受け部
3 楽譜めくれ防止具
4 楽譜受け部の角度を調節する取っ手
5 平板状体
6 ポケット
7 係合具
7a 係合具
8 フック
9 ボタン
10 持ち運び用の取っ手
11 ジッパー
12 譜面台ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性シート素材で構成された平板状体5に、柔軟性シート素材によって構成されたポケット6を配設し、その平板状体5に譜面台との係合具7を設けた譜面台用に取り付けて使用する小物入れ。
【請求項2】
譜面台1との系合具7を、柔軟性の紐状体で形成し、その紐状体の両端を請求項1に記載の平板状体5に固定し、譜面台の楽譜受け部2の下部に設けられた楽譜めくれ防止具3に引っ掛けて用いることを特徴とした請求項1記載の小物入れ。
【請求項3】
譜面台1との系合具7を、柔軟性の紐状体で形成し、その紐状体の両端を請求項1に記載の平板状体5に固定し、譜面台1の楽譜受け部2の下部に設けられた楽譜めくれ防止具3と譜面台の角度を調節する取っ手4に係合具7aを引っ掛けて用いることを特徴とした請求項1記載の小物入れ。
【請求項4】
ポケット6を柔軟性網状体で構成した請求項1記載の小物入れ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−46283(P2008−46283A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−220818(P2006−220818)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(306027208)
【Fターム(参考)】