説明

小袋開封具

【課題】調味料等を封入した小袋を容易かつ安全に開封するための用具を提供する。
【解決手段】変形可能な軟質体にてロート状の本体を設け、該本体側面適所に、刃を有する切開部を刃を本体内方に突出させて設け、凹部を有する刃受け部を切開部と対応する本体位置外面に設けるとともに、該凹部位置の本体を切除したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品に添付されている調味料等が封入されている小袋を開封するための用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、納豆やインスタント食品等には調味料等を封入した小袋が付帯しているが、この小袋を開封するための用具は見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来より、納豆やインスタント食品には調味料等を封入した小袋が付帯しており、使用者はこの小袋を開封して内容物を取り出し、食品に添加して食するのが一般的である。
この小袋内には、調味液、薬味、調味粉体、乾燥具材、非乾燥具材など種々のものが内容ごとに封入されている。この中で、液体封入小袋の開封には注意が必要である。
これは薄フィルムにて形成された小袋内に調味液等が封入されているもので、使用者はまず切り口用に設けられた切り込み部分を指でつまんで袋に平らな部分を作り、切り込みを引き裂いて開口部を作り、この開口部から内容物を流し出して食品にかけるのであるが、この作業をうまく行わないと、調味液等が開口部より勢いよく噴出して周囲を汚すことになる。すなわち、この作業にはある程度の慣れが必要であり、子供やお年寄りにとって容易な作業ではない。このような場合において、だれでも容易かつ衛生的に開封するための手段が求められているが、現状では存在していない。
本発明は、以上のような従来からの小袋開封に関わる課題を解決するために発明されたもので、とりわけ開封時における液の飛散を防止することのできる、新規かつ有用なる手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、変形可能な軟質体にてロート状の本体を設け、該本体側面適所に、刃を有する切開部を刃を本体内方に突出させて設け、凹部を有する刃受け部を切開部と対応する本体位置外面に設けるとともに、該凹部位置の本体を切除する。本発明は以上の構成よりなる小袋開封具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、小袋を刃に当接させて本体押圧することにより、小袋は開封され、切開部分より小袋内容物を漏洩させて本体内面に沿って下降させ、滴下して食品にかけることができるので、小袋の開封が容易であるとともに、開封による液の飛散による周囲汚染を防止することのできる、有用なる用具を得ることができる。なお、二枚の小袋の同時開封も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は本体で、適度の弾力を有する軟質合成樹脂による略偏平逆円錐形中空体で、その下部には同材質による短管状のガイド部2が固着されている。この本体は外圧にて変形が可能であり、外圧解除にて初期形状に復帰が可能である。
3は所定幅変形環状の持ち手で、硬質合成樹脂にて形成され、本体側面に固着されて位置する。4は切開部である。5は小ブロック状の硬質合成樹脂によるホルダーで、その一側面中央には刃6の一部が挿入固着される。この刃は略三角形状の鋼板にて先鋭部を有して形成され、ホルダーより突出して位置する。以上のホルダーと刃にて切開部が構成され、この切開部は図にて示すように、本体中央外面にホルダー側面が固着されるとともに、刃は本体を貫通して本体内方に突出して位置する。7は刃受け部で、凹部を有する硬質合成樹脂による小ブロック状物品で、既述の切開部に対応する本体外面に固着される。8は切開しようとする子袋である。 なお、刃受け部の凹部サイズと同サイズに、この凹部位置の本体部分は切除される。 以上にて、本発明の一例が構成される。
【0007】
本発明を使用するには、まず持ち手を持って開封しようとする液体封入小袋を図のごとく刃に当接させるとともに、本体を指で押圧して変形させ、小袋と本体内面も当接させる。さらに押圧すると刃は小袋を突き破り、刃受け部の凹部内位置に刃は移動して、小袋は本体の双方内面間に押圧されて、内容液は切開部より漏出して本体内面に沿って下降し、ガイド部下端より滴下する。使用後は本体への押圧解除にて本体は初期形状へと復帰するので、刃より小袋を除去して廃棄する。また、必要に応じて二枚の小袋を重ねて切開することができる。
【0008】
以上、本発明について記したが、本発明はロート状の本体内に小袋を位置させて切開する方式のため、切開部より液が噴出しても本体内面に付着して周囲への飛散を防止し、また、切開しにくい小袋であっても刃による強制切開のために、だれでも容易に扱えるところにその特徴を有するものである。
従来はこのような用具がないために、既述のように切開に多少の慣れが必要であり、手先の不自由な人、子供、老人などには切開しにくく不便であり、また、切開部より液が噴出飛散して周囲を汚すこともあったが、本発明の使用にてこれが解消されるものとなったのである。なお、既述の例において、本体およびガイド部を透明体にて製作すれば液の漏洩降下状態が視認できて便利である。例示においては、持ち手を設けたので片手でこの持ち手をつかんで本体位置を安定保持して作業の容易性が高まったものとなっている。
また、凹部を有する刃受け部を設けたので、作業時はこの刃は凹部内に位置して刃先が露出することがないので、安全に使用することができる。なお、作業時において、まず持ち手を持って本体を略水平にして小袋を刃上にのせ、本体を押圧変形させながら垂直に近づけ、ガイド部下端を食品に近接させて滴下させるのも一法である。なお、持ち手やガイド部を省いて構成することもできる。
本発明は小型軽量であり、その扱いも容易であり、また、複数の小袋を重ねて用いることにて、異種の小袋の同時開封も可能であり、また本体形状はロート形なので、一般のロートとしての利用も可能であるなど、種々の利点を有する用具を提供し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の平面図
【図2】 本発明の正面図
【図3】 本発明の要部説明図(平面視)
【図4】 本発明の要部説明図(正面視)
【図5】 本発明の機能説明図
【符号の説明】
【0010】
1 本体
2 ガイド部
3 持ち手
4 切開部
5 ホルダー
6 刃
7 刃受け部
8 小袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能な軟質体にてロート状の本体を設け、該本体側面適所に、刃を有する切開部を刃を本体内方に突出させて設け、凹部を有する刃受け部を切開部と対応する本体位置外面に設けるとともに、該凹部位置の本体を切除したことを特徴とする小袋開封具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−143965(P2011−143965A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21606(P2010−21606)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【特許番号】特許第4521789号(P4521789)
【特許公報発行日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(592170879)
【Fターム(参考)】