説明

小鳥用給水装置

【課題】 使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる便利な小鳥用給水装置を提供する。
【解決手段】 小鳥用給水装置10は、水を内部に溜めるための水タンク20と、水タンク20から供給される水を溜めて小鳥に飲水および水浴を行わせるための水トレー30とを備え、水タンク20は、水を水トレー30に供給するための水供給用穴20aと、水供給用穴20aより鉛直方向における位置が上側に配置された上穴20cとが形成され、水供給用穴20aおよび上穴20cは、それぞれ水タンク20に穴として自身のみが形成されていると仮定すると水が表面張力で保持される大きさに形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小鳥に水を与えるための小鳥用給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の小鳥用給水装置として、水を内部に溜めるための水タンクと、水タンクから供給される水を溜めて小鳥に飲水を行わせるための水トレーとを備えているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平1−240127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
小鳥と、水との関わりは、飲水だけではない。小鳥は、羽に付いたダニなどの虫を洗い流すため、水浴を行う。本願発明者は、小鳥と、水との関わりが飲水だけではなく水浴もあることに着目して、小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる便利な小鳥用給水装置の開発を行った。
【0004】
その開発の過程で、本願発明者は、小鳥の水浴によって水トレー上の水が水タンク内に逆流してしまうため、小鳥の水浴によって水トレー上の水だけでなく水タンク内の水も汚れ、その結果、小鳥の飼い主などの小鳥用給水装置の使用者が水タンク内の水を頻繁に換えなければならず、使用者に負担がかかるという問題を発見した。
【0005】
そこで、本発明は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる便利な小鳥用給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の小鳥用給水装置は、水を内部に溜めるための水タンクと、前記水タンクから供給される前記水を溜めて小鳥に飲水および水浴を行わせるための水トレーとを備え、前記水タンクは、前記水を前記水トレーに供給するための水供給用穴と、前記水供給用穴より鉛直方向における位置が上側に配置された上穴とが形成され、前記水供給用穴および前記上穴は、それぞれ前記水タンクに穴として自身のみが形成されていると仮定すると前記水が表面張力で保持される大きさに形成されていることを特徴とする。
【0007】
水供給用穴および上穴は、それぞれ水タンクに穴として自身のみが形成されていると仮定すると水が表面張力で保持される大きさに形成されている。この構成により、本発明の小鳥用給水装置は、水トレー上の水が減って水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に水が供給されるときに水が水供給用穴で抵抗を受けて水タンク内から水トレー上に微少な量ずつ供給されるので、水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に供給される水の流れの勢いによって水トレーの底部に沈殿している羽毛などのゴミが巻き上げられることを抑制することができ、それによって水トレー上の水中のゴミが水供給用穴または上穴を介して水タンク内に入り込むことを抑制することができる。また、本発明の小鳥用給水装置は、水供給用穴および上穴が微小に形成されているので、水トレー上の水にゴミが浮かんでいる場合であっても、水トレー上の水中のゴミのうち、水供給用穴や上穴より大きいゴミが小鳥の水浴による水流などによって水供給用穴または上穴を介して水タンク内に入り込むことを防止することができる。また、本発明の小鳥用給水装置は、水トレー上の水が減って水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に水が供給されるときに、水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に供給される水の換わりに水タンク内に水供給用穴または上穴を介して空気が導入されるが、この空気も水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に供給される水と同じ微少な量ずつ水タンク内に導入されるので、この空気とともに水トレー上の水中のゴミを水供給用穴または上穴を介して水タンク内に巻き込むことを抑制することができる。以上に説明したように、本発明の小鳥用給水装置は、水トレー上の水中のゴミが水供給用穴または上穴を介して水タンク内に入り込むことを抑制することができるので、水タンク内の水の交換頻度を抑えることができ、使用者にかかる負担を抑えることができる。すなわち、小鳥用給水装置は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる。
【0008】
本発明の小鳥用給水装置は、水を内部に溜めるための水タンクと、前記水タンクから供給される前記水を溜めて小鳥に飲水および水浴を行わせるための水トレーとを備え、前記水タンクは、前記水を前記水トレーに供給するための水供給用穴が形成され、前記水供給用穴は、長手方向の両端の鉛直方向における位置が異なる長穴であって、前記長手方向に直交する方向の長さを直径とする丸穴であると仮定すると前記水が表面張力で保持される大きさに形成されていることを特徴とする。
【0009】
水供給用穴は、長手方向の両端の鉛直方向における位置が異なる長穴であって、長手方向に直交する方向の長さを直径とする丸穴であると仮定すると水が表面張力で保持される大きさに形成されている。この構成により、本発明の小鳥用給水装置は、水トレー上の水が減って水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に水が供給されるときに水が水供給用穴で抵抗を受けて水タンク内から水トレー上に微少な量ずつ供給されるので、水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に供給される水の流れの勢いによって水トレーの底部に沈殿している羽毛などのゴミが巻き上げられることを抑制することができ、それによって水トレー上の水中のゴミが水供給用穴を介して水タンク内に入り込むことを抑制することができる。また、本発明の小鳥用給水装置は、水供給用穴が微小に形成されているので、水トレー上の水にゴミが浮かんでいる場合であっても、水トレー上の水中のゴミのうち、水供給用穴より大きいゴミが小鳥の水浴による水流などによって水供給用穴を介して水タンク内に入り込むことを防止することができる。また、本発明の小鳥用給水装置は、水トレー上の水が減って水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に水が供給されるときに、水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に供給される水の換わりに水タンク内に水供給用穴を介して空気が導入されるが、この空気も水タンク内から水供給用穴を介して水トレー上に供給される水と同じ微少な量ずつ導入されるので、この空気とともに水トレー上の水中のゴミを水供給用穴を介して水タンク内に巻き込むことを抑制することができる。以上に説明したように、本発明の小鳥用給水装置は、水トレー上の水中のゴミが水供給用穴を介して水タンク内に入り込むことを抑制することができるので、水タンク内の水の交換頻度を抑えることができ、使用者にかかる負担を抑えることができる。すなわち、小鳥用給水装置は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の小鳥用給水装置は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る小鳥用給水装置の構成について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る小鳥用給水装置10の外観斜視図である。図2、図3、図4は、それぞれ小鳥用給水装置10の正面図、右側面図、平面図である。図5は、小鳥用給水装置10の背面側から見た分解斜視図である。
【0014】
図1〜図5に示すように、小鳥用給水装置10は、水を供給するための水供給用穴20aが下部に形成されて水を内部に溜めるための水タンク20と、水タンク20の内部から水供給用穴20aを介して水タンク20の外部に落下する水を溜めて小鳥に飲水および水浴を行わせるための水トレー30とを備えており、図示していない鳥かごに固定されるものである。
【0015】
水タンク20は、使用者が水タンク20の内部に水を入れるための水入れ口20bが上部に形成されている。そして、水入れ口20bは、栓23によって塞がれることが可能になっている。また、水タンク20は、水供給用穴20aより矢印10aで示す鉛直方向における位置が上側に配置された上穴20cが下部に形成されている。水供給用穴20aは、水タンク20に上穴20cが形成されておらず穴として自身のみが形成されていると仮定すると水が表面張力で保持される大きさに形成されている。同様に、上穴20cは、水タンク20に水供給用穴20aが形成されておらず穴として自身のみが形成されていると仮定すると水が表面張力で保持される大きさに形成されている。
【0016】
ここで、水タンク20は、水入れ口20bが一端に形成されて他端が傾斜している筒21と、水供給用穴20aおよび上穴20cが形成されて筒21の他端に接着された板22とによって構成されている。
【0017】
例えば、筒21および板22の板厚は、3mmである。また、筒21の外径は、5cmである。また、板22の上穴20cは、直径が3mmの丸穴であって、中心の位置が板22の下端から33mmの位置である。また、板22の水供給用穴20aは、直径が3mmの丸穴であって、中心の位置が板22の下端から25mmの位置である。
【0018】
水トレー30は、筒31と、筒31の一端に接着された板32とによって構成されている。筒31の他端は、板22に対して筒21とは反対側から板22に接着されている。
【0019】
例えば、筒31および板32の板厚は、3mmである。また、筒31は、外径が5cmであって、全長が15cmである。また、板32は、直径5cmの丸板を半分にした形状である。
【0020】
図6は、筒21および筒31を切り出す前の筒40の側面図である。
【0021】
図6に示すように、筒21および筒31は、破線で示した切断線40a、40bで1つの筒40から切り出されるようになっている。
【0022】
次に、小鳥用給水装置10の機能について説明する。
【0023】
図7は、小鳥用給水装置10の側面断面図であって、水タンク20内から水供給用穴20aを介して水タンク20外に水80が落ちる直前の図である。図8は、小鳥用給水装置10の側面断面図であって、水タンク20内から水供給用穴20aを介して水タンク20外に水80が落ちた直後の図である。図9は、小鳥用給水装置10の側面断面図であって、水トレー30に水80が溜まっているときの図である。
【0024】
使用者が水タンク20の栓23を外して水タンク20の水入れ口20bから水タンク20の内部に水80を入れた後で水入れ口20bを栓23で塞ぐと、図7に示すように水タンク20外の空気85が水供給用穴20aを介して水タンク20内に導入される。このとき、水タンク20内の水80は、水タンク20外から水供給用穴20aを介して水タンク20内に導入された空気85の体積の分だけ、一時的に上穴20cを介して水タンク20外に突出するが、表面張力によって水トレー30上に落ちることは抑制される。そして、図8に示すように、水タンク20内から一時的に上穴20cを介して水タンク20外に突出した水80が元に戻ると、水タンク20内の水80が水供給用穴20aを介して水タンク20外に落ちる。この繰り返しによって、水タンク20内の水80は、水供給用穴20aを介して水タンク20外に微少な量ずつ落ち続ける。そして、図9に示すように水トレー30上の水80の水位が水供給用穴20aとほぼ同じ高さになると、水80の表面張力によって水供給用穴20aが完全に塞がって水タンク20外から水供給用穴20aを介して水タンク20内に空気85が入らなくなるので、水タンク20内から水供給用穴20aを介して水タンク20外に水80も出なくなる。
【0025】
図10は、水トレー30に溜まった水80を飲んでいる小鳥90を示す図である。図10に示すように、小鳥90は、水トレー30に溜まった水80を飲むことができる。なお、小鳥90は、例えば、嘴から尾までの体長が12cmである。
【0026】
図11は、水トレー30に溜まった水80で水浴を行っている小鳥90を示す図である。図11に示すように、小鳥90は、水トレー30に溜まった水80で水浴を行うこともできる。
【0027】
小鳥90が水トレー30上の水80を飲んだり、水トレー30上の水80で水浴を行ったりすると、水トレー30上の水80の量は減る。特に、小鳥90が水浴を行うと、水トレー30上の水80は、例えば板32の部分から溢れ出し、多量に減る。水トレー30上の水80の量が減って水供給用穴20aが水トレー30上の水80によって塞がれなくなると、水トレー30上の水80によって水供給用穴20aが塞がれるようになるまで、水トレー30には水タンク20から水供給用穴20aを介して再び水80が供給される。
【0028】
水供給用穴20aおよび上穴20cは、それぞれ水タンク20に穴として自身のみが形成されていると仮定すると水80が表面張力で保持される大きさに形成されている。したがって、小鳥用給水装置10は、水トレー30上の水80が減って水タンク20内から水供給用穴20aを介して水トレー30上に水80が供給されるときに水80が水供給用穴20aで抵抗を受けて水タンク20内から水トレー30上に微少な量ずつ供給されるので、水タンク20内から水供給用穴20aを介して水トレー30上に供給される水80の流れの勢いによって水トレー30の底部に沈殿している羽毛などのゴミが巻き上げられることを抑制することができ、それによって水トレー30上の水80中のゴミが水供給用穴20aを介して水タンク20内に入り込むことを抑制することができる。
【0029】
また、小鳥用給水装置10は、水供給用穴20aが微小に形成されているので、水トレー30上の水80にゴミが浮かんでいる場合であっても、水トレー30上の水80中のゴミのうち、水供給用穴20aより大きいゴミが小鳥の水浴による水流などによって水供給用穴20aを介して水タンク20内に入り込むことを防止することができる。
【0030】
また、小鳥用給水装置10は、水トレー30上の水80が減って水タンク20内から水供給用穴20aを介して水トレー30上に水80が供給されるときに、水タンク20内から水供給用穴20aを介して水トレー30上に供給される水80の換わりに水タンク20内に水供給用穴20aを介して空気85が導入されるが、この空気85も水タンク20内から水供給用穴20aを介して水トレー30上に供給される水80と同じ微少な量ずつ水タンク20内に導入されるので、この空気85とともに水トレー30上の水80中のゴミを水供給用穴20aを介して水タンク20内に巻き込むことを抑制することができる。
【0031】
以上に説明したように、小鳥用給水装置10は、水トレー30上の水中のゴミが水供給用穴20aを介して水タンク20内に入り込むことを抑制することができるので、水タンク20内の水80の交換頻度を抑えることができ、使用者にかかる負担を抑えることができる。すなわち、小鳥用給水装置10は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる。
【0032】
なお、水80には、酢を0.1%以上加えることが好ましい。これにより、静菌作用や殺菌作用を期待することができ、長期間、水質を維持することができる。また、水トレー30に付いた水垢を落とすことや、水トレー30に水垢が付くことを防止することも期待することができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態に係る小鳥用給水装置の構成について説明する。
【0034】
なお、本実施の形態に係る小鳥用給水装置の構成のうち、第1の実施の形態に係る小鳥用給水装置10(図5参照。)の構成と同様な構成については、小鳥用給水装置10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】
図12は、本実施の形態に係る小鳥用給水装置110の背面側から見た分解斜視図である。
【0036】
図12に示すように、小鳥用給水装置110の構成は、小鳥用給水装置10が水タンク20のおよび水トレー30(図5参照。)に代えて水タンク120のおよび水トレー130を備えた構成と同様である。
【0037】
水タンク120の構成は、水入れ口20bが一端に形成された筒121と、一端が筒121の他端に接着された筒122と、水供給用穴20aおよび上穴20cが形成されて筒122の他端に接着された板123とを筒21(図5参照。)および板22(図5参照。)に代えて水タンク20(図5参照。)が備えた構成と同様である。板123は、矢印10aで示す鉛直方向に平行に配置されている。
【0038】
例えば、筒121、筒122および板123の板厚は、3mmである。また、筒121および筒122の外径は、5cmである。また、板123の上穴20cは、直径が3mmの丸穴であって、中心の位置が板123の下端から23mmの位置である。また、板123の水供給用穴20aは、直径が3mmの丸穴であって、中心の位置が板123の下端から18mmの位置である。
【0039】
水トレー130は、水トレー30(図5参照。)が筒31(図5参照。)に代えて筒131を備えた構成とどうようである。筒131の他端は、板123に対して筒122とは反対側から板123に接着されている。
【0040】
例えば、筒131の板厚は、3mmである。また、筒131は、外径が5cmであって、全長が10cmである。
【0041】
次に、小鳥用給水装置110の機能について説明する。
【0042】
図13は、小鳥用給水装置110の側面断面図であって、水タンク120内から水供給用穴20aを介して水タンク120外に水80が落ちているときの図である。図14は、小鳥用給水装置110の側面断面図であって、水トレー130に水80が溜まっているときの図である。
【0043】
使用者が水タンク120の栓23を外して水タンク120の水入れ口20bから水タンク120の内部に水80を入れた後で水入れ口20bを栓23で塞ぐと、図13に示すように空気85が水タンク120外から上穴20cを介して水タンク120内に微少な量ずつ入り続けると同時に水80が水タンク120内から水供給用穴20aを介して水タンク120外に微少な量ずつ落ち続ける。そして、図14に示すように水トレー130上の水80の水位が上穴20cとほぼ同じ高さになると、水80の表面張力によって上穴20cが完全に塞がって水タンク120外から上穴20cを介して水タンク120内に空気85が入らなくなるので、水タンク120内から水供給用穴20aを介して水タンク120外に水80も出なくなる。
【0044】
小鳥が水トレー130上の水80を飲んだり、水トレー130上の水80で水浴を行ったりすると、水トレー130上の水80の量は減る。特に、小鳥が水浴を行うと、水トレー130上の水80は、例えば板32の部分から溢れ出し、多量に減る。水トレー130上の水80の量が減って上穴20cが水トレー130上の水80によって塞がれなくなると、水タンク120外から上穴20cを介して水タンク120内に空気85が入るので、水トレー130上の水80によって上穴20cが塞がれるようになるまで、水トレー130には水タンク120から水供給用穴20aを介して再び水80が供給される。
【0045】
水供給用穴20aおよび上穴20cは、それぞれ水タンク120に穴として自身のみが形成されていると仮定すると水80が表面張力で保持される大きさに形成されている。したがって、小鳥用給水装置110は、水トレー130上の水80が減って水タンク120内から水供給用穴20aを介して水トレー130上に水80が供給されるときに水80が水供給用穴20aで抵抗を受けて水タンク120内から水トレー130上に微少な量ずつ供給されるので、水タンク120内から水供給用穴20aを介して水トレー130上に供給される水80の流れの勢いによって水トレー130の底部に沈殿している羽毛などのゴミが巻き上げられることを抑制することができ、それによって水トレー130上の水80中のゴミが水供給用穴20aまたは上穴20cを介して水タンク120内に入り込むことを抑制することができる。
【0046】
また、小鳥用給水装置110は、水供給用穴20aおよび上穴20cが微小に形成されているので、水トレー130上の水80にゴミが浮かんでいる場合であっても、水トレー130上の水80中のゴミのうち、水供給用穴20aや上穴20cより大きいゴミが小鳥の水浴による水流などによって水供給用穴20aまたは上穴20cを介して水タンク120内に入り込むことを防止することができる。
【0047】
また、小鳥用給水装置110は、水トレー130上の水80が減って水タンク120内から水供給用穴20aを介して水トレー130上に水80が供給されるときに、水タンク120内から水供給用穴20aを介して水トレー130上に供給される水80の換わりに水タンク120内に上穴20cを介して空気85が導入されるが、この空気85も水タンク120内から水供給用穴20aを介して水トレー130上に供給される水80と同じ微少な量ずつ水タンク120内に導入されるので、この空気85とともに水トレー130上の水80中のゴミを上穴20cを介して水タンク120内に巻き込むことを抑制することができる。
【0048】
以上に説明したように、小鳥用給水装置110は、水トレー130上の水中のゴミが水供給用穴20aまたは上穴20cを介して水タンク120内に入り込むことを抑制することができるので、水タンク120内の水80の交換頻度を抑えることができ、使用者にかかる負担を抑えることができる。すなわち、小鳥用給水装置110は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる。
【0049】
(第3の実施の形態)
まず、本発明の第3の実施の形態に係る小鳥用給水装置の構成について説明する。
【0050】
なお、本実施の形態に係る小鳥用給水装置の構成のうち、第1の実施の形態に係る小鳥用給水装置10(図5参照。)の構成と同様な構成については、小鳥用給水装置10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
図15は、本実施の形態に係る小鳥用給水装置210の背面側から見た分解斜視図である。
【0052】
図15に示すように、小鳥用給水装置210の構成は、小鳥用給水装置10が板22(図5参照。)に代えて板222を備えた構成と同様である。
【0053】
板222は、水を供給するための水供給用穴220aが形成されている。水供給用穴220aは、矢印220dで示す長手方向の両端である上端220bおよび下端220cの矢印10aで示す鉛直方向における位置が異なる長穴であって、矢印220dで示す長手方向に直交する矢印220eで示す方向の長さを直径とする丸穴であると仮定すると水が表面張力で保持される大きさに形成されている。
【0054】
例えば、板222の板厚は、3mmである。また、板222の水供給用穴220aは、上端220bの位置、下端220cの位置がそれぞれ板222の下端から33mm、15mmであって、矢印220eで示す方向の長さが3mmである。
【0055】
次に、小鳥用給水装置210の機能について説明する。
【0056】
図16は、小鳥用給水装置210の側面断面図であって、水タンク20内から水供給用穴220aを介して水タンク20外に水80が落ちているときの図である。図17は、小鳥用給水装置210の側面断面図であって、水トレー30に水80が溜まっているときの図である。
【0057】
使用者が水タンク20の栓23を外して水タンク20の水入れ口20bから水タンク20の内部に水80を入れた後で水入れ口20bを栓23で塞ぐと、図16に示すように水供給用穴220aの上端220b側で空気85が水タンク20外から水供給用穴220aを介して水タンク20内に微少な量ずつ入り続けると同時に水供給用穴220aの下端220c側で水80が水タンク20内から水供給用穴220aを介して水タンク20外に微少な量ずつ落ち続ける。そして、図17に示すように水トレー30上の水80の水位が水供給用穴220aの上端220bとほぼ同じ高さになると、水80の表面張力によって水供給用穴220aが完全に塞がって水タンク20外から水供給用穴220aを介して水タンク20内に空気85が入らなくなるので、水タンク20内から水供給用穴220aを介して水タンク20外に水80も出なくなる。
【0058】
小鳥が水トレー30上の水80を飲んだり、水トレー30上の水80で水浴を行ったりすると、水トレー30上の水80の量は減る。特に、小鳥が水浴を行うと、水トレー30上の水80は、例えば板32の部分から溢れ出し、多量に減る。水トレー30上の水80の量が減って水供給用穴220aの上端220bが水トレー30上の水80によって塞がれなくなると、水タンク20外から水供給用穴220aの上端220b側を介して水タンク20内に空気85が入るので、水トレー30上の水80によって水供給用穴220aが完全に塞がれるようになるまで、水トレー30には水タンク20から水供給用穴220aの下端220c側を介して再び水80が供給される。
【0059】
水供給用穴220aは、長手方向の両端の矢印10aで示す鉛直方向における位置が異なる長穴であって、矢印220dで示す長手方向に直交する矢印220eで示す方向の長さを直径とする丸穴であると仮定すると水80が表面張力で保持される大きさに形成されている。したがって、小鳥用給水装置210は、水トレー30上の水80が減って水タンク20内から水供給用穴220aを介して水トレー30上に水80が供給されるときに水80が水供給用穴220aで抵抗を受けて水タンク20内から水トレー30上に微少な量ずつ供給されるので、水タンク20内から水供給用穴220aを介して水トレー30上に供給される水80の流れの勢いによって水トレー30の底部に沈殿している羽毛などのゴミが巻き上げられることを抑制することができ、それによって水トレー30上の水80中のゴミが水供給用穴220aを介して水タンク20内に入り込むことを抑制することができる。
【0060】
また、小鳥用給水装置210は、水供給用穴220aが微小に形成されているので、水トレー30上の水80にゴミが浮かんでいる場合であっても、水トレー30上の水80中のゴミのうち、水供給用穴220aより大きいゴミが小鳥の水浴による水流などによって水供給用穴220aを介して水タンク20内に入り込むことを防止することができる。
【0061】
また、小鳥用給水装置210は、水トレー30上の水80が減って水タンク20内から水供給用穴220aを介して水トレー30上に水80が供給されるときに、水タンク20内から水供給用穴220aを介して水トレー30上に供給される水80の換わりに水タンク20内に水供給用穴220aを介して空気85が導入されるが、この空気85も水タンク20内から水供給用穴220aを介して水トレー30上に供給される水80と同じ微少な量ずつ導入されるので、この空気85とともに水トレー30上の水80中のゴミを水供給用穴220aを介して水タンク20内に巻き込むことを抑制することができる。
【0062】
以上に説明したように、小鳥用給水装置210は、水トレー30上の水80中のゴミが水供給用穴220aを介して水タンク20内に入り込むことを抑制することができるので、水タンク20内の水80の交換頻度を抑えることができ、使用者にかかる負担を抑えることができる。すなわち、小鳥用給水装置210は、使用者に過度な負担をかけることなく小鳥に飲水および水浴の両方を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る小鳥用給水装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す小鳥用給水装置の正面図である。
【図3】図1に示す小鳥用給水装置の右側面図である。
【図4】図1に示す小鳥用給水装置の平面図である。
【図5】図1に示す小鳥用給水装置の背面側から見た分解斜視図である。
【図6】図1に示す小鳥用給水装置の構成部品である2つの筒を切り出す前の筒の側面図である。
【図7】図1に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水タンク内から水供給用穴を介して水タンク外に水が落ちる直前の図である。
【図8】図1に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水タンク内から水供給用穴を介して水タンク外に水が落ちた直後の図である。
【図9】図1に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水トレーに水が溜まっているときの図である。
【図10】図1に示す小鳥用給水装置の水トレーに溜まった水を飲んでいる小鳥を示す図である。
【図11】図1に示す小鳥用給水装置の水トレーに溜まった水で水浴を行っている小鳥を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る小鳥用給水装置の背面側から見た分解斜視図である。
【図13】図12に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水タンク内から水供給用穴を介して水タンク外に水が落ちているときの図である。
【図14】図12に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水トレーに水が溜まっているときの図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る小鳥用給水装置の背面側から見た分解斜視図である。
【図16】図15に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水タンク内から水供給用穴を介して水タンク外に水が落ちているときの図である。
【図17】図15に示す小鳥用給水装置の側面断面図であって、水トレーに水が溜まっているときの図である。
【符号の説明】
【0064】
10 小鳥用給水装置
20 水タンク
20a 水供給用穴
20c 上穴
30 水トレー
80 水
85 空気
90 小鳥
110 小鳥用給水装置
120 水タンク
130 水トレー
210 小鳥用給水装置
220a 水供給用穴
220b 上端
220c 下端


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を内部に溜めるための水タンクと、前記水タンクから供給される前記水を溜めて小鳥に飲水および水浴を行わせるための水トレーとを備え、
前記水タンクは、前記水を前記水トレーに供給するための水供給用穴と、前記水供給用穴より鉛直方向における位置が上側に配置された上穴とが形成され、
前記水供給用穴および前記上穴は、それぞれ前記水タンクに穴として自身のみが形成されていると仮定すると前記水が表面張力で保持される大きさに形成されていることを特徴とする小鳥用給水装置。
【請求項2】
水を内部に溜めるための水タンクと、前記水タンクから供給される前記水を溜めて小鳥に飲水および水浴を行わせるための水トレーとを備え、
前記水タンクは、前記水を前記水トレーに供給するための水供給用穴が形成され、
前記水供給用穴は、長手方向の両端の鉛直方向における位置が異なる長穴であって、前記長手方向に直交する方向の長さを直径とする丸穴であると仮定すると前記水が表面張力で保持される大きさに形成されていることを特徴とする小鳥用給水装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−261366(P2009−261366A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117566(P2008−117566)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(507134172)
【Fターム(参考)】